(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、余剰活性汚泥を使用して、高度に汚染された廃棄物流れを処理する方法に関する。流入する廃棄物流れは、典型的には、都市廃棄物(すなわち、未処理の汚水または廃水)、工業廃棄物、食品加工廃棄物、製薬廃水、およびその同類のものを含む種々の供給源からの液体汚染物質および固体汚染物質の組み合わせを含む。食品加工廃棄物は、特に、種々の脂肪、塩、糖、澱粉、タンパク質、およびその同類のものを含む。すべてのタイプの廃棄物は、可溶性および不溶性汚染物質の両方を含み、そして結局は、水が環境(すなわち、湖、川または公共の廃水処理場(POTW's))中に廃棄される前に、全てのこれらの汚染物質が、除去される必要がある。
【0009】
最新の工業廃水処理工程は、20、000〜10、000、000ガロン/日の廃水量、典型的には食品工業セクターにおける、50、000〜1、500、000ガロン/日に沿った高体積の廃水を取り扱うようになっている。さらに、最新の廃水処理工程は、合計約100〜約1000ppmの浮遊固体(TSS)、および約10〜約400ppmの濃度の油、脂肪、およびグリースを有する従来の廃水流を取り扱うようになっている。
しかし、いくつかの廃水流入流れは、高度に汚染されており、これは、著しくより高い全浮遊固体および油、脂肪、およびグリースを有することを意味する。このような高度に汚染された流れを処理する一つの方法は、従来の廃水処理工程中で使用される薬品の量を増加させることである。しかし、これは、処理コストに著しく加算されうる。さらに、高度に汚染された流れは、典型的な流入する汚染物質(食物)濃度の下で「有用な」フロックを形成する(floc−forming)ヘテロトロピック細菌の成長によって、バランスを保っているある生物の成長に有利に働くことにより、従来の処理工程を妨げる場合がある。高濃度の油、脂肪、およびグリースを有する流入する廃水は、ノカルジア菌等のある生物の成長および繁殖に有利に働き、これはこれらの濃縮された汚染物質(例えば油、脂肪、およびグリース)の導入後、数週間または数カ月で、厚い泡の浮きカスの形成となる大幅な運転上のおよび処理性能の問題を生じる場合がある。
【0010】
高度に汚染された廃棄物流れ
本開示の方法は、高度に汚染された廃棄物流れに最良に作用する。例示的な廃棄物流れは、酪農工場、家禽工場、または食肉工場等の食品加工工場から出るものを含む。高度に汚染された廃棄物流れは、少なくとも約5、000ppmの生化学的酸素要求量(BOD)、好ましくは>10、000ppmのBOD、または少なくとも約7、500ppmの化学的酸素要求量(COD)、好ましくは>20、000ppmまたは少なくとも約1000ppmの脂肪、油およびグリース(FOG)、または少なくとも約1000ppmの全浮遊固体(TSS)を含む。
【0011】
余剰活性汚泥
「活性汚泥」は、細菌を含む。活性汚泥は、
図1中に記載され、そして下記に記載されたマルチステップ工程の一部である。可溶性の汚染物質を分解する場合、従来の廃棄物流れは、反応器中で活性汚泥と接触する。細菌は汚染物質を消化し、そして汚染物質を代謝して、細胞組織および中間生成物とする。同時に、細菌は繁殖する。時々「混合液浮遊固体」と呼ばれる一定の微生物集団が、反応器中で望ましい。次に、汚染を取り除かれた流れおよび活性汚泥は、浄化器に輸送される。浄化器の中にある間、細菌性固体は、汚染を取り除かれた流れから、重力によって分離する。細菌性固体のいくらかは曝気槽にリサイクルされ、そして伝統的にいくらかは廃棄されなければならない(捨てられなければならない)。リサイクルされた細菌性固体は、「返送活性汚泥」と呼ばれ、そして廃棄された細菌は、「余剰活性汚泥」と呼ばれる。
【0012】
本開示の方法において、廃棄される代わりに、余剰活性汚泥の一部分は、収集され、そして高度に汚染された廃棄物流れを処理するのに使用される。言い換えれば、高度に汚染された廃棄物流れおよび余剰活性汚泥は、限られた時間の間混合される。この時間は、好ましくは10分を超えず、そして典型的には5分未満である。
【0013】
本開示の方法において使用される余剰活性汚泥は、約10、000ppm〜約30、000ppmの混合液浮遊固体の濃度で細菌を含み、これらの固体20%までは、無機固体または死んだ細菌の細胞である場合がある。余剰活性汚泥中で見いだされる例示的な指標細菌は、アメーバ、繊毛虫(ciliates)、クローリング繊毛虫(crawling ciliates)、ストークト繊毛虫(stalked ciliates)、ワムシ、およびその同類のもの等の好気性細菌を含む。活性細菌は、従属栄養生物(heterotrophs)、独立栄養生物(autotrophs)、およびニトロソマス(nitrosomas)、硝酸菌(nitrobacter)等の硝化(nitrifying)細菌からなることができる。メタノストラタ(methanostrata)およびメタノサエタ(methanosaeta)等の廃棄物の嫌気性細菌および(WAnSとして示されるような)通性(facultative)細菌または好気性と嫌気性との組み合わせをまた使用できるが、好気性WAS(waste activated sludge:余剰活性汚泥)マトリックスが好ましい。余剰活性汚泥は、好ましくは、5、000ppmおよび典型的には>20、000ppmまたは2%の細菌濃度または揮発性の浮遊固体濃度を含む。WASのための全浮遊固体は、好ましくは約10、000〜約40、000ppm、および約20、000〜約30、000ppmである。WASのpHは、好ましくは約4〜10、約5〜9、または約6〜8である。
【0014】
廃棄物流れの処理方法
図1を参照すると、本開示の廃水処理方法10は、入ってくる廃水の2つの供給源:典型的な高体積/低TSS流入流れ12、および低体積/高TSSの高度に汚染された流入流れ102を含む。上記に記載したように、流入流れ12は、都市廃棄物(すなわち、未処理の汚水または廃水)、工業廃棄物、食品加工廃棄物、製薬廃水、およびその同類のもの等の種々の供給源から生じることができる。流入流れ12は、約4000ppm未満、約2000ppm未満、または約1000ppm未満のTSSを含み、そして約20、000〜4、000、000ガロン/日、約500、000〜1、000、000ガロン/日、および約100、000〜500、000ガロン/日の廃水を含む。流入流れ12は、固体、液体、可溶性、および不溶性の汚染物質を含む。
【0015】
処理工程10において、流入流れ12は、反応器14に移送され、そこで汚染物質を共に寄せ集めるために凝集剤および凝固剤が加えられる。反応器14は、タンクまたは一連の凝集管であることができる。汚染物質が反応器14中で共に寄せ集められた後で、この流れは、起泡分離(DAF)反応器16に移送される。
【0016】
DAF16中で、寄せ集められた汚染物質は、DAFの上部に浮遊し、この上部で汚染物質は、液体から分離されることができる。この固体は、DAF16の上部から収集され、そして脱水24のために移送される。DAF16からの液体は、曝気槽18に移送される。
【0017】
曝気槽18中にいる間に、液体は、第2浄化器20から、返送活性汚泥と混合される。この返送活性汚泥は、余剰活性汚泥と類似の細菌を含む。液体は、曝気槽18中に、約4〜約24時間留まる。曝気槽18の中にいる間に、返送活性汚泥中の細菌は、残りの可溶性の汚染物質を分解する。この細菌は、汚染物質を消化し、そして汚染物質を代謝して、細胞組織および中間生成物とする。細菌が、曝気槽18中で、汚染物質を消化するのに充分な時間を有した後で、消化された汚染物質、水、および返送活性汚泥は、第2浄化器20に移送される。
【0018】
浄化器20の中にいる間に、消化された汚染物質および活性汚泥は、重力によって水から分離される。約1.5〜4時間の沈下の後で、活性汚泥の一部分は、返送活性汚泥として曝気槽18に戻されて、汚染物質の消化を継続し、そして活性汚泥の一部分は、余剰活性汚泥として混合タンク104に送られて、入ってくる廃棄物流れ102からの高度に汚染された廃棄物流れを処理する。浄化器20中の残りの固体は、脱水24(図示されていない)のために集められる。最終的に、浄化器20中の浄化された水は、環境に直接か、または公共の廃水処理(POTW)場22のいずれかでの処分の準備がされる。
【0019】
DAF16からの物質、浄化器20、およびDAF108は、収集されそして脱水される24。脱水は、さらに固体を濃縮し、そして設備から輸送される廃棄物の体積を減少させ、これは非常に費用が掛かる。脱水は、ベルトプレス、遠心分離機、およびデカンテーションを使用することによって、起こることができる。
【0020】
脱水後に、濃縮された固体は、廃棄されるオフサイト28に輸送される。固体は、埋め立て地に送られることができる、固体は、肥料として土地の上に広がることができ、または堆肥となることができる。脱水工程24の間に除去された水は、曝気槽18に送られて、返送活性汚泥(図示されていない)によって処理される。
【0021】
全般的に100に示された、高度に汚染された廃棄物流れの処理について見ると、低体積/高TSSの高度に汚染された流入流れ102は、都市廃棄物(すなわち、未処理の汚水または廃水)、工業廃棄物、食品加工廃棄物、製薬廃水、およびその同類のもの等の種々の供給源から生じることができる。少なくとも約100、000、少なくとも約50、000、または少なくとも約1、000のTSSを含み、5、000〜30、000ppmのTSSが好ましく、そして約1、000〜50、000ガロン/日、約10、000〜約40、000ガロン/日、および約15、000〜約30、000ガロン/日の廃水を含む点で、流入流れ102は、流入流れ12と異なる。流入流れ102はまた、少なくとも約50ppm、約500ppm、および約5、000ppmの濃度の脂肪、油、およびグリースを含むことができる。これはまた、少なくとも約5、000ppm、10、000ppm、および40、000ppmのBODレベルを含むことができる。最終的に、流入流れ102は、少なくとも約10、000ppm、20、000ppm、および80、000ppmのCODを含むことができる。流入流れ102は、固体、液体、可溶性、および不溶性の汚染物質を含む。
【0022】
流入流れ102は、混合タンク104に移送され、混合タンクで、流入流れは、余剰活性汚泥と、限られた時間の間混合される。例示的な時間は、約30分未満、約15分未満、約10分未満、約5分未満、および約1分未満を含む。理論に拘束されることを望まないが、余剰活性汚泥中の細菌が廃棄物流れ中の汚染物質を代謝するのに充分な時間の長さの間、余剰活性汚泥は廃棄物流れと混合される。むしろ、余剰活性汚泥は、一種の生物学的凝固剤または吸着剤として機能し、汚染物質が余剰活性汚泥中の細菌の表面に吸着される。細菌が、例えば曝気槽18中で、廃棄物を代謝するのに使用される場合、廃棄物流れおよび細菌は、長時間、例えば、4〜24時間の間共に混合される。対照的に、本開示の方法における短い時間の間、汚染物質は、代謝されることなく細菌の上に物理的に吸着される。
【0023】
余剰活性汚泥中の細菌と高度に濃縮された廃棄物流れ中の汚染物質との間の関係により、余剰活性汚泥と廃棄物流れとは、好ましくは、少なくとも1:7、1:2、または1:1の比で存在する。これらの好ましい比は、余剰活性汚泥中で細菌が存在でき、廃棄物流れ102からの大部分の汚染物質を吸着することを可能にする。
【0024】
いったん、汚染物質が混合タンク104中で細菌上に吸着すると、この流れは、混合タンク106に移送され、そして凝集剤が細菌汚染物質を合体させるために加えられる。合体した細菌汚染物質は次に、起泡分離ユニットまたは浄化器108に移送される。DAFまたは浄化器108にいる間に、固体は、液体から分離される。ある態様では、この点において、充分に濃縮された汚染は余剰活性汚泥を使用して除去され、そして廃棄物流れの固体および液体部分は、工程の残部に加えられることができる。例えば固体は、脱水される24ために移送されることができ、そして液体は、曝気槽18に移送されることができる。いったん移送されたものが脱水されるか24または曝気槽18に移送されると、固体および液体は、次にそれぞれ、流入流れ12と伴に工程に従う。あるいは、流入流れ102は、流入流れ12と常に分離されたままであることができ、そして分離装置中において類似の処理経路に従うことができる。最終的に、流入流れ102は、プラント中で唯一の流れであることができるだろう。すなわち、廃棄物の処理工程10は、高度に汚染された流れ102のみを含み、そして流入流れ12を有さないことができるだろう。
【0025】
本開示の方法がないと、大体積の凝固剤が流入流れ102から高濃度の汚染物質を分離するために必要となるであろう。しかし、本開示の方法の1つの利点は、化学凝固剤への必要性を大幅に減少させるか、またはこの必要性を除くことである。いくつかの態様において、特にある汚染物質またはリン除去のために、化学凝固剤を含む必要がある場合がある。これらの態様では、余剰活性汚泥を使用しない系と比較して、減少した濃度の凝固剤を使用できる。いくつかの態様において、本開示の方法は、除去される必要のあるリン1部に対して、約3部の凝固剤〜約9部の凝固剤を使用する。いくつかの態様において、余剰活性汚泥を使用しない系と比較して、これは、50%のより少ない凝固剤とすることができ、100%までのより少ない凝固剤とすることができる。いくつかの態様において、この方法は、高度に汚染された廃棄物流れ100の処理の一部として、50ppm未満の凝固剤を使用する。ある態様において、方法100は、なんらかの化学凝固剤を含まないか、または実質的に含まない。
使用できる種々の市販されている凝固剤化学品は、アルミニウムクロロハイドレートポリマー、ポリマー状塩化アルミニウム、ジメチルアミンエピクロルヒドリン、および上記ポリマーとジメチルジアリル塩化アンモニウムとのブレンドを含む。
【実施例】
【0026】
例1
例1は、高度に汚染された廃棄物流れを処理するために化学凝固剤を使用するコストを記載する。
【0027】
化学凝固剤が増加した汚染を処理するのに使用された場合を決定するために、高度に汚染された廃棄物流れ(37、000ガロン/日)を評価した。結果を表1に示す。廃棄物流れの典型的なCOD、油、脂肪、およびグリース、およびTSS濃度は、それぞれ、85、560ppm、2、100ppmおよび21、333ppmであった。
表1−見積もられた凝固剤化学品のコスト
【表1】
【0028】
表1は、化学凝固剤が、高度に汚染された廃棄物流れを処理するのに使用された場合、廃棄物の処理工程に原料コストで、$185、806追加することを示す。
【0029】
例2
例2では、高度に汚染された廃棄物流れの処理におけるこの方法の有効性を調べた。この方法を、ペットフード処理場からの廃棄物流れで試験した。廃棄物流れは、30、000ガロン/日の流量、および36、080ppmの流入するCODを有した。余剰活性汚泥は、6、000ガロン/日(3、000平均)の流量、および10、000ppmの細菌濃度を有した。廃棄物流れと余剰活性汚泥とを混合した。余剰活性汚泥の、流入流れに対する比は、平均10%、そして最大20%であった。カチオン性ポリアクリルアミド凝集剤を次に加えた。例示的なカチオン性ポリアクリルアミド凝集剤は、Kemira、Ciba(BASF)、Stockhausen、およびSNF Floergerから市販されている。この工程の間に化学凝固剤を使用しなかった。結果を表2に示す。
表2−COD除去への余剰活性汚泥の有効性
【表2】
【0030】
表2は、余剰活性汚泥が、処分を必要とする大幅な固体を加える場合がある化学凝固剤の好ましい代替であり、そして大幅な比率のCODの除去に効果的であることを示す。
【0031】
いくつかの態様において、ある汚染物質またはリンを除去するために、化学凝固剤を使用することが望ましい場合がある。塩化第二鉄をこの方法で、50%で100%まで減少した投薬量で、凝固剤として使用できる。これは、リンが関わる場合、第二鉄投与量を50%減少するか、またはリンが関与せず、そしてBOD、CODおよび油、脂肪、およびグリースのみが除去のためのターゲット汚染物質である場合、第二鉄投与量を100%減少することを可能にする。これらの態様では、WASが廃棄物流れと混合された後で、かつ凝集剤が添加される前に、凝固剤を加えることができる。
【0032】
例3
例3では、高度に汚染された廃棄物流れの処理におけるこの方法の有効性を調べた。この方法を食品加工工場から廃棄物流れで試験した。廃棄物流れは、37、000ガロン/日の流量および85、560ppmの流入するCODを有した。余剰活性汚泥は、35、000ガロン/日の流量、および20、000ppmの細菌濃度を有した。廃棄物流れと余剰活性汚泥とを混合した。余剰活性汚泥の、流入する流れに対する比は、平均33%そして最大50%であった。カチオン性ポリアクリルアミド凝集剤を次に加えた。結果を表3に示す。この工程の間、化学凝固剤を使用しなかった。
表3−COD除去への余剰活性汚泥の有効性
【表3】
【0033】
表3は、余剰活性汚泥が化学凝固剤の好ましい代替であり、かつ大幅な割合のCODの除去に効果的であること示す。
【0034】
例4
例4では、高度に汚染された廃棄物流れの処理におけるこの方法の有効性を調べた。この方法を、家禽処理場の家禽トラック洗浄エリアからの廃棄物流れで試験した。廃棄物流れは、14、000ガロン/日の流量および2、200ppmの流入するCODを有した。余剰活性汚泥は、22、000ガロン/日の流量、および5、000ppmの細菌濃度を有した。廃棄物流れと、余剰活性汚泥とを混合した。余剰活性汚泥の、流入する流れに対する比は、平均50%、そして最大61%であった。カチオン性ポリアクリルアミド凝集剤を次に加えた。結果を表4に示す。この工程の間、化学凝固剤を使用しなかった。
表4−COD除去への余剰活性汚泥の有効性
【表4】
【0035】
表4は、余剰活性汚泥が化学凝固剤の好ましい代替であり、かつ大幅な割合のCODの除去に効果的であること示す。
【0036】
例5
例5では、高度に汚染された廃棄物流れの処理におけるこの方法の有効性を調べ、そして従来の凝固剤および凝集剤システムを用いた処理と比較した。この方法を、ポテトチップ製造工場からの廃棄物流れで試験した。廃棄物流れは、25、000ガロン/日の流量および9、390ppmの流入するCODを有した。
【0037】
凝固剤処理のために、廃棄物流れを、600ppmのアルミニウムクロロハイドレートポリマー凝固剤で処理し、そして次に10ppmのアニオン性ポリアクリルアミド凝集剤で処理した。
【0038】
余剰活性汚泥処理のために、余剰活性汚泥は、4、000ガロン/日の流量、および2%の推定細菌濃度を有した。廃棄物流れと、余剰活性汚泥とを混合した。余剰活性汚泥の、流入する流れへの比は、約16%であった。カチオン性ポリアクリルアミド凝集剤を次に加えた。結果を表5に示す。余剰活性汚泥処理の間、化学凝固剤を使用しなかった。
表5−COD除去への余剰活性汚泥の有効性
【表5】
【0039】
表5は、余剰活性汚泥が化学凝固剤の好ましい代替であり、かつ大幅な割合のCODの除去に効果的であること示す。表5は、余剰活性汚泥がさらにコスト効果的であること示す。
【0040】
上記明細書、例およびデータは、本発明の完全な記載を提供する。本発明の多くの態様は、本発明の精神および範囲から離れることなく行うことができるので、本発明は請求項中にある。
(態様1)
廃棄物流れの処理方法であって、
(a)汚染物質を含む廃棄物流れを提供する工程と、
(b)該廃棄物流れの体積の少なくとも約15%である量の余剰活性汚泥を提供する工程であって、該余剰活性汚泥が、少なくとも約1%の細菌濃度を含む工程と、
(c)5分以下の間、該廃棄物流れと、該余剰活性汚泥とを混合する工程と、
(d)該廃棄物流れ中の該汚染物質を、該余剰活性汚泥中の細菌上に吸着させる工程と、
を含んで成る、方法。
(態様2)
該汚染物質が、該廃棄物流れの少なくとも約0.5%を構成する、態様1に記載の方法。
(態様3)
該汚染物質が、該廃棄物流れの少なくとも約3%を構成する、態様1に記載の方法。
(態様4)
該方法が、50ppm未満の化学凝固剤を使用する、態様1に記載の方法。
(態様5)
該方法が、なんら化学凝固剤を使用しない、態様1に記載の方法。
(態様6)
(a)該汚染物質が該細菌上に吸着された後で、凝集剤を加える工程と、
(b)任意の固体を分離する工程と、
(c)該固体を廃棄する工程と、
を含む、態様1に記載の方法。
(態様7)
該余剰活性汚泥が、該廃棄物流れの体積の少なくとも約15%である、態様1に記載の方法。
(態様8)
該余剰活性汚泥が、該廃棄物流れの体積の少なくとも約25%である、態様1に記載の方法。
(態様9)
該余剰活性汚泥が、少なくとも約2%の細菌濃度を含む、態様1に記載の方法。
(態様10)
該余剰活性汚泥が、少なくとも約3%の細菌濃度を含む、態様1に記載の方法。
(態様11)
該廃棄物流れが、食品加工工場からである、態様1に記載の方法。
(態様12)
該細菌が、好気性である、態様1に記載の方法。
(態様13)
該細菌が、嫌気性である、態様1に記載の方法。
(態様14)
廃棄物流れの処理方法であって、
(a)合計4、000ppm未満の浮遊固体を含む第1の廃棄物流れを提供する工程と、
(b)合計1、000ppm超の浮遊固体を含む第2の廃棄物流れを提供する工程と、
(c)該第1の廃棄物流れを、細菌を含む曝気槽に輸送する工程と、
(d)該第1の廃棄物流れおよび該細菌を、浄化器に輸送する工程と、
(e)該浄化器中で該細菌を、返送活性汚泥と呼ばれる第1の部分の細菌と、余剰活性汚泥と呼ばれる第2の部分の細菌とに少なくとも分離する工程と、
(f)該返送活性汚泥を、該曝気槽に送る工程と、
(g)該余剰活性汚泥を、混合タンクに送る工程と、
(h)該混合タンク中で10分間未満の間、該第2の廃棄物流れと該余剰活性汚泥とを混合する工程と、
(i)該第2の廃棄物流れ中の汚染物質を、該余剰活性汚泥上に吸着させる工程と、
を含んで成る、方法。