(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の当接部が、前記読取ユニットの移動方向と平行な方向、および前記読取ユニットの移動方向と直交する方向に、それぞれ間隔をあけて配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載の読取装置。
前記読取部の長手方向における前記第1の領域の寸法は、前記読取部の長手方向の寸法の半分以下であることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の読取装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の実施の形態.
<複合装置の全体構成>
まず、本発明の第1の実施の形態における読取装置を備えた複合装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態の複合装置1を示す正面図である。
図2は、
図1に示す線分II−IIに沿った断面図である。
図1において、互いに直交するX方向とY方向を、それぞれ矢印で示す方向として定義する。ここでは、X方向およびY方向の両方に平行な面(XY面)を、水平面とする。また、X方向およびY方向の両方に直交する方向(ここでは鉛直方向)を、Z方向とする。
【0011】
図1に示すように、本実施の形態の複合装置1は、画像形成装置としてのプリンタ部2と、読取装置としてのスキャナ部3とを備えている。ここでは、プリンタ部2は、LED(発光ダイオード)を用いて、電子写真方式により記録用紙(記録媒体)にカラー画像を形成するよう構成されている。但し、プリンタ部2は、これに限定されるものではなく、例えば、レーザ方式、インクジェット方式、ドットマトリクスインパクト方式等によって記録媒体に画像を形成するものであってもよい。
【0012】
<プリンタ部の構成>
図2に示すように、プリンタ部2は、記録媒体としての記録用紙上に画像を形成するものであり、記録用紙を送り出す媒体供給部としての給紙ユニット21と、記録用紙に画像を形成する画像形成部22と、記録用紙に画像を定着する定着ユニット25と、記録用紙を排出する排出ユニット26とを備えている。
【0013】
給紙ユニット21は、プリンタ部2の筐体2aに着脱可能に取り付けられた媒体収容部としての給紙カセット211を有している。給紙カセット211には、記録用紙を載置する載置板212が設けられている。また、載置板212上に載置された記録用紙の前端に当接する位置に、媒体供給部材としてのフィードローラ213が配置されている。フィードローラ213に対向する位置には、記録用紙を一枚ずつに分離するための分離片214が配置されている。
【0014】
フィードローラ213は、Y方向と平行な回転軸を中心として、図中反時計回りに回転する。フィードローラ213が回転することにより、載置板212上に載置された記録用紙が一枚ずつに分離され、画像形成のための搬送路(媒体搬送路)に送り出される。
【0015】
フィードローラ213によって送り出された記録用紙の搬送路に沿って、レジストローラ対215と搬送ローラ対216とが配置されている。レジストローラ対215および搬送ローラ対216は、いずれも、Y方向と平行な回転軸を中心として回転する。レジストローラ対215は、フィードローラ213から送り出された記録用紙の斜行(スキュー)を矯正してさらに搬送する。搬送ローラ対216は、レジストローラ対215から搬送された記録用紙を、次に説明する画像形成部22に搬送する。
【0016】
また、記録用紙の搬送路に沿って、記録用紙の通過を検知するセンサ271,272,273が配置されている。センサ271は、レジストローラ対215の上流側に配置されている。センサ271の検知信号は、レジストローラ対215の回転開始タイミングの決定に用いられる。センサ272は、搬送ローラ対216の上流側に配置されている。センサ272の検知信号は、搬送ローラ対216の回転開始タイミングの決定に用いられる。センサ273は、搬送ローラ対216の下流側に配置されている。センサ273の検知信号は、後述する各LEDヘッド233の発光開始タイミングの決定に用いられる。
【0017】
画像形成部22は、ここでは給紙ユニット21の上側に配置されている。画像形成部22は、画像形成ユニットとしてのプロセスユニット23K,23Y,23M,23Cと、転写ユニット24とを備えている。
【0018】
プロセスユニット23K,23Y,23M,23Cは、記録用紙の搬送路に沿って、この順に一列に配置されている。プロセスユニット23K,23Y,23M,23Cは、それぞれ、ブラック、マゼンタ、イエローおよびシアンのトナー(現像剤)を用いてトナー像(現像剤像)を形成するものである。プロセスユニット23K,23Y,23M,23Cは、トナーを除き共通の構成を有しているため、「プロセスユニット23」と総称して説明する。
【0019】
プロセスユニット23は、潜像担持体(静電潜像担持体)としての感光体ドラム231と、帯電部材としての帯電ローラ232と、現像剤担持体としての現像ローラ234と、現像剤供給部材としての供給ローラ235と、現像剤収容体としてのトナーカートリッジ236とを備えている。
【0020】
感光体ドラム231は、Y方向と平行な回転軸を中心として、一方向(
図2における時計回り)に回転する。帯電ローラ232および現像ローラ234は、感光体ドラム231の回転方向に沿って、この順に配置されている。また、感光体ドラム231の回転方向に沿って、帯電ローラ232と現像ローラ234との間に、露光装置としてのLEDヘッド233が配置されている。
【0021】
感光体ドラム231は、略円筒状の部材であり、表面に感光層(電荷発生層および電荷輸送層)を有している。帯電ローラ232は、所定の帯電電圧を付与されており、感光体ドラム231の表面(感光層)を一様に帯電させる。LEDヘッド233は、帯電ローラ232によって一様に帯電した感光体ドラム231の表面に光を照射して、静電潜像を形成する。現像ローラ234は、所定の現像電圧を付与されており、感光体ドラム231の表面の静電潜像をトナーにより現像して、トナー像(現像剤像)を形成する。供給ローラ235は、現像ローラ234にトナーを供給する。トナーカートリッジ236は、プロセスユニット23の本体に着脱可能に取り付けられ、現像ローラ234および供給ローラ235に現像剤を補給する。
【0022】
転写ユニット24は、プロセスユニット23K,23Y,23M,23Cの下側に配置されている。転写ユニット24は、無端状ベルトである搬送ベルト241と、搬送ベルト241が張架された一対のローラである駆動ローラ242および従動ローラ243とを備えている。駆動ローラ242は、Y方向と平行な回転軸を中心として回転する。搬送ベルト241は、表面に記録用紙を静電吸着により保持し、プロセスユニット23K,23Y,23M,23Cに沿ってX方向に搬送する。
【0023】
転写ユニット24は、さらに、プロセスユニット23K,23Y,23M,23Cの各感光体ドラム231に対向配置された4つの転写ローラ244を有している。転写ローラ244は、搬送ベルト241を介して、プロセスユニット23K,23Y,23M,23Cの各感光体ドラム231に押圧されている。転写ローラ244は、所定の転写電圧を付与され、感光体ドラム231の表面に形成されたトナー像を記録用紙に転写する。
【0024】
定着ユニット25は、記録用紙の搬送路に沿って、画像形成部22の下流側に配置されている。定着ユニット25は、画像形成部22においてトナー像が転写された記録用紙を加熱および加圧して、トナー像を記録用紙に定着させる。定着ユニット25は、例えば、熱源を有する定着ローラ251と、定着ローラ251に対して押圧されている加圧ローラ252とを備えている。
【0025】
排出ユニット26は、記録用紙の搬送路に沿って、定着ユニット25の下流側に配置されている。排出ユニット26は、排出ローラ対261,262を有し、定着ユニット25によってトナー像が定着された記録用紙を、プリンタ部2の外部に排出する。プリンタ部2の筐体2aの上部を覆うトップカバー2f上には、排出された記録用紙を載置するスタッカ部263が設けられている。
【0026】
図1に戻り、プリンタ部2の筐体2aの上部には、支持部材としての一対のステー2b,2cが設けられている。ステー2bは、筐体2aの左端部(−Y方向の端部)に配置されており、スキャナ部3を回動可能に軸支するための回動支持部2dを備えている。ステー2cは、筐体2aの右端部(+Y方向の端部)に設けられており、スキャナ部3が閉じられた状態で、スキャナ部3の底面に当接する。
【0027】
ステー2bは、強度を考慮して、ステー2cよりもY方向の厚みが厚く形成されている。本実施の形態では、電源ユニット、駆動モータ、ギア、制御基板、高圧基板およびケーブル(図示せず)は、ステー2bの下方に配設されている。
【0028】
<スキャナ部>
スキャナ部3は、プリンタ部2の上側に配置され、ステー2b,2cにより支持されている。
図3は、スキャナ部3の概略構成を示す断面図である。スキャナ部3は、原稿読取台としてのフラットベッドユニット30と、原稿押さえ部としてのドキュメントカバーユニット35とを備えている。また、フラットベッドユニット30の前側(+X方向側)には、使用者が複合装置1を操作するための操作パネル33(
図1)が設けられている。
【0029】
図3に示すように、フラットベッドユニット30は、光を透過する材料(例えば透明ガラス)で構成された原稿載置板31を有している。原稿載置板31の上面は、原稿(読取媒体)を載置する原稿載置面32である。原稿載置板31の下側には、原稿載置面32上に置かれた原稿の画像を読み取る読取部としてのCISユニット7が配設されている。CISユニット7は、読取ユニットとしてのキャリッジユニット4に搭載されているが、これについては後述する。
【0030】
ドキュメントカバーユニット35は、原稿トレイ36と、原稿幅ガイド37と、原稿搬送装置38と、原稿受け部39とを備えている。
【0031】
原稿トレイ36は、複数枚の原稿を載置するためのトレイである。原稿幅ガイド37は、原稿トレイ36に載置された原稿の幅方向(X方向)の位置を規制するガイドであり、原稿の幅方向両側に設けられている。原稿搬送装置38は、原稿トレイ36に載置された原稿を一枚ずつ原稿載置板31に向けて搬送する装置であり、ADF(Automatic Document Feeder)とも呼ばれる。原稿受け部39は、原稿搬送装置38によって搬送された原稿を受ける部分である。
【0032】
原稿搬送装置38は、原稿トレイ36に載置された原稿を一枚ずつ送り出すピックアップローラ38aおよび分離パッド38bと、送り出された原稿を原稿搬送路38cに沿って搬送する搬送ローラ対38dと、搬送された原稿を原稿受け部39に排出する排出ローラ対38eとを有する。
【0033】
原稿搬送路38cの下端には、原稿押さえ部材38fが配設されている。原稿押さえ部材38fは、原稿搬送路38cに沿って搬送されてきた原稿を、原稿載置板31に押し付ける。そのため、原稿押さえ部材38fの上側には、付勢部材としてのコイルスプリング38gが配置されている。原稿押さえ部材38fと原稿載置板31とにより、原稿搬送装置38を使用する場合の読取位置が規定される。
【0034】
原稿搬送装置38を使用する場合には、原稿トレイ36に載置された原稿が、ピックアップローラ38aと分離パッド38bによって原稿搬送路38cに送り出され、搬送ローラ対38dによってさらに搬送される。そして、原稿が原稿押さえ部材38fによって原稿載置板31に押し付けられた状態で搬送される際に、原稿の画像がCISユニット7によって読み取られる。
【0035】
ここで、ドキュメントカバーユニット35は、原稿載置板31を開放するように回動可能に構成されている。
図4(A)は、ドキュメントカバーユニット35を閉じた状態を示す左側面図であり、
図4(B)は、ドキュメントカバーユニット35を開いた状態を示す左側面図である。
【0036】
図4(A)および(B)に示すように、ドキュメントカバーユニット35は、フラットベッドユニット30の後部に設けられたY方向(左右方向)の回動支軸3aによって回動可能に支持されている。ドキュメントカバーユニット35は、
図4(A)に示すように原稿載置面32を覆う閉位置と、
図4(B)に示すように原稿載置面32を開放する開位置との間で回動可能である。回動角度は、例えば、略90度である。
【0037】
ドキュメントカバーユニット35が、
図4(A)に示す閉位置にあるときには、
図3を参照して説明したように、原稿搬送装置38が原稿を搬送し、搬送される原稿の画像をCISユニット7が定位置(ホームポジション)で読み取る。
【0038】
一方、ドキュメントカバーユニット35が、
図4(B)に示す開位置にあるときには、後述するように、使用者が原稿載置面32上に原稿を置き、CISユニット7が原稿面に沿ってY方向に移動しながら原稿の画像を読み取る。
【0039】
<キャリッジユニット>
図5は、フラットベッドユニット30を上方から見た斜視図である。なお、
図5において、ドキュメントカバーユニット35(
図4)は取り外されている。フラットベッドユニット30には、読取ユニットとしてのキャリッジユニット4が設けられている。キャリッジユニット4は、読取部としてのCIS(Contact Image sensor:密着型センサ)ユニット7を有する。
【0040】
CISユニット7は、原稿載置板31の下面に近接して配置されており、原稿載置面32(原稿載置板31の上面)に置かれた原稿の画像を読み取る。
【0041】
図6は、CISユニット7の基本構成を示す模式図である。CISユニット7は、光源71と、光源72と、光学系を構成する導光板73およびロッドレンズアレイ74と、複数の撮像素子75とを有している。各撮像素子75は、例えば、相補性金属酸化膜半導体(以下「CMOS」という。)で構成されている。
【0042】
複数の撮像素子75は、CISユニット7の長手方向であるX方向(主走査方向)に配列されている。なお、図示の便宜上、
図6には14個の撮像素子75を示しているが、実際には、主走査方向の画素数に対応する数の撮像素子75が配置されている。
【0043】
光源71および光源72は、それぞれ、異なる色の光Lを発する複数の発光素子を有している。ここでは、光源71および光源72は、いずれも、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の光を発するLED(発光ダイオード)を有しているものとする。
【0044】
導光板73は、X方向に長い部材であり、その長手方向の両端面(入射端面)が、上記の光源71および光源72に対向している。導光板73は、光源71および光源72から入射した光を、導光板73の上面(出射端面)から原稿載置板31(
図5)に向けて出射する。
【0045】
ロッドレンズアレイ74は、それぞれの撮像素子75の出射側に配置されたレンズ要素(ロッドレンズ)をX方向に配列したものである。ロッドレンズアレイ74の各レンズ要素は、原稿面で反射された光を各撮像素子75に集光する。
【0046】
原稿をカラー読取モードで読み取る際には、光源71および光源72のR,G,BのLEDを高速で切り替えて各色の光を発し、原稿載置面32上に置かれた原稿を照明する。原稿面で反射された光は、ロッドレンズアレイ74を介して撮像素子75に入射する。撮像素子75は、入射光である光信号を電気信号に変換する。
【0047】
図7は、キャリッジユニット4およびその移動機構を示す斜視図である。
図8は、キャリッジユニット4の構成を示す断面図である。
図7に示すように、読取ユニットとしてのキャリッジユニット4は、読取部としてのCISユニット7と、摺動部としてのスライダ5と、保持部(読取部保持部)としてのキャリッジ6とを備えている。
【0048】
図8に示すように、CISユニット7は、長手方向(X方向)の両端から突出する一対の軸7a,7bを有している。軸7a,7bは、互いに同軸であり、X方向に延在している。軸7a,7bは、キャリッジ6のX方向にそれぞれ形成された軸受部6a,6bに係合している。すなわち、CISユニット7は、X方向の軸7a,7bを中心として回動可能に支持されている。軸7a,7bは、CISユニット7の−Y方向の端部(
図3参照)に配置されている。
【0049】
また、CISユニット7の底面とキャリッジ6との間には、CISユニット7を原稿載置板31に向けて付勢する付勢部材としてのコイルバネ7c,7dが配置されている。CISユニット7の上面(原稿載置板31との対向面)には、原稿載置板31に当接する当接部7e,7fが設けられている。当接部7e,7fは、例えば摺動性が高く自己潤滑性の高い部材で構成され、CISユニット7のX方向両端の近傍に配置されている。
【0050】
このように構成されているため、キャリッジユニット4がY方向に移動する際には、CISユニット7は、コイルバネ7c,7dの付勢力により当接部7e,7fが原稿載置板31に押し付けられた状態で移動する。従って、CISユニット7がX方向に傾くことはない。
【0051】
キャリッジユニット4をY方向に移動させる移動機構は、
図7に示すように、キャリッジユニット4をY方向に案内(移動規制)する移動規制部としてのシャフト10と、キャリッジユニット4をY方向に移動させるための駆動部材としてのタイミングベルト11と、タイミングベルト11が架け渡された駆動プーリ15および従動プーリ16と、駆動プーリ15を回転させるための駆動源としてのモータ18と、モータ18の回転を駆動プーリ15に伝達するアイドルギア17とを備えている。
【0052】
図9は、キャリッジ6とスライダ5とを下方から見た斜視図である。キャリッジ6は、X方向に長い矩形の形状を有している。キャリッジ6は、CISユニット7を保持する側と反対側(ここでは下側)に、突き当て部としての突き当て面60(第1の面)を有している。突き当て面60は、XY面と平行な面である。また、突き当て面60から−Z方向(すなわちスライダ5側)に突出するように、タイミングベルト11に係合する係合部62と、位置決め部としての凸部63,64(嵌合部)と、固定部としてのボス65,66が設けられている。
【0053】
ここでは、突き当て面60は、キャリッジ6のX方向中心を含む所定の範囲に設けられている。また、係合部62は、キャリッジ6のX方向中心から所定量だけ変位した位置に配置されている。凸部63,64は、キャリッジ6のX方向中心に対して対称な2箇所に配置されている。ボス65,66は、キャリッジ6のX方向中心に対して対称で、且つ凸部63,64よりも外側の2箇所に配置されている。
【0054】
突き当て面60は、キャリッジ6の下側に取り付けられるスライダ5に当接する面である。係合部62は、タイミングベルト11と噛み合う。凸部63,64は、スライダ5の嵌合穴53(第1の嵌合部)および長穴54(第2の嵌合部)に嵌合して、スライダ5を位置決めする。ボス65,66は、ねじ穴(雌ねじ部)65a,66aを有しており、このねじ穴65a,66aには、スライダ5を固定するためのねじ67,68が係合する。
【0055】
キャリッジ6は、例えば、第1の樹脂としてのPPS/PS(ポニフェニレンエーテルとポリスチレンとからなるポリマーアロイ)により形成される。具体的には、例えば、旭化成工業株式会社製の「ザイロン」(登録商標)により形成される。キャリッジ6の長手方向における変形を抑制するためである。
【0056】
図10は、スライダ5を上方から見た斜視図である。スライダ5は、上記のとおり、キャリッジ6と一体に固定される部材である。スライダ5は、キャリッジ6の突き当て面60に当接する第1の当接部としての接触面51,52と、X方向において接触面51,52の間に形成された凹部50(第2の凹部)と、接触面51,52とは反対の側(ここでは下側)に設けられた係合部(接触部)55とを有する。
【0057】
接触面51,52は、凹部50のX方向両側に配置されている。また、接触面51,52は、いずれもXY面と平行な面である。言い換えると、接触面51,52は、いずれもX方向(キャリッジ6の長手方向)に延在し、また、Y方向(シャフト10の軸方向)に延在している。さらに、接触面51,52は、互いにZ方向の位置が同じである(すなわち同一面上に位置する)。
【0058】
凹部50は、XY面と平行な底面50a(第1の面)を有する。底面50aは、接触面51,52よりも下方(すなわちキャリッジ6から離れる方向)に変位した位置にある。接触面51,52と底面50aとの間には、段差部51a,52aが形成される。段差部51a,52aは、次に説明する係合部55よりもX方向外側に位置している。
【0059】
係合部55は、スライダ5の下側(−Z方向側)、すなわち接触面51,52とは反対の側に設けられている。係合部55は、また、X方向において、段差部51aと段差部52aとの略中心に位置している。ここで、略中心とは、中心から±20%の範囲内をいう。係合部55は、Y方向、すなわちシャフト10の軸方向(キャリッジユニット4の移動方向)に延在している。係合部55は、シャフト10と接触(摺動)する接触部である。
【0060】
スライダ5の凹部50には、キャリッジ6の係合部62を挿通する貫通穴59が形成されている。スライダ5の接触面51には、キャリッジ6の凸部63に嵌合する嵌合穴53が設けられている。接触面52には、キャリッジ6の凸部64に嵌合する長穴54が設けられている。凸部63,64と嵌合穴53および長穴54との嵌合により、キャリッジ6とスライダ5とが、XY面内において互いに位置決めされる。
【0061】
また、スライダ5の接触面51には、キャリッジ6のねじ穴65a(
図9)に係合するねじ67を挿通するための貫通穴57が設けられている。接触面52には、キャリッジ6のねじ穴66a(
図9)に係合するねじ68を挿通するための貫通穴58が設けられている。
【0062】
スライダ5は、例えば、第2の樹脂としてのPOM(ポリオキシメチレン)により形成される。スライダ5は、シャフト10に対して摺動するため、シャフト10を金属で形成した場合には、耐摩耗性および摺動性を考慮して、金属との摩擦係数が小さく、自己潤滑性が高い材料で形成することが好ましいためである。
【0063】
キャリッジ6とスライダ5は、材料および形状を異ならせることで、固有振動数が異なるようにしている。
【0064】
図11は、キャリッジ6とスライダ5とを示す断面図である。上述したねじ67,68(
図9)をねじ穴65a,65bに係合させる(ねじ込む)ことにより、
図11に示すように、キャリッジ6の突き当て面60とスライダ5の接触面51,52とが当接して、キャリッジ6とスライダ5とが互いに固定される。なお、キャリッジ6には、予めCISユニット7が取り付けられている。これにより、キャリッジユニット4が一体に固定される。このとき、キャリッジ6の係合部62が、スライダ5の貫通穴59を介して突出し、タイミングベルト11と噛み合う。
【0065】
この状態で、キャリッジ6の突き当て面60と、スライダ5の凹部50の底面50aとの間に、隙間C(第1の領域)が形成される。この隙間Cは、X方向(キャリッジ6の長手方向)において、シャフト10の中心に対して略対称に形成される。また、隙間Cは、シャフト10とキャリッジ6との間の領域に位置している。
【0066】
本実施の形態では、X方向におけるスライダ5の中心(ここでは係合部55の中心)から段差部51a,52aまでの距離W1/2(
図10)をそれぞれ17mmとし、段差部51aと段差部52aとの距離W1(
図10)を34mmとしている。そのため、隙間CのX方向の寸法(幅)Waは34mmとなる。本実施の形態では、CISユニット7のX方向の寸法(長さ)は236mmとする。従って、隙間CのX方向の寸法Waは、CISユニット7のX方向の寸法の約14%に相当する。
【0067】
ここで、隙間CのX方向の寸法Waは、CISユニット7のX方向の寸法(長さ)に対して3%〜50%の範囲内であることが好ましい。また、隙間CのX方向の寸法Waがシャフト10の外径(本実施の形態では6mm)より大きい方が、シャフト10からの振動が直接伝わりにくくなるという効果が得られる。また、隙間CのX方向の寸法Waが、CISユニット7のX方向の寸法(長さ)の半分以下であれば、さらに振動が伝わりにくくなるという結果が得られる。
【0068】
図7に戻り、シャフト10は、Y方向に延在し、キャリッジユニット4の可動範囲よりも長い長さを有している。また、シャフト10は、Y方向(軸方向)の両端において、フラットベッドユニット30のフレーム34(
図5)に固定されている。シャフト10は、例えば金属で構成されている。
【0069】
駆動プーリ15は、シャフト10の軸方向一端(ここでは+Y方向の端部)の近傍に配置されている。駆動プーリ15には、回転伝達を受けるためのギア部が一体に形成されている。従動プーリ16は、シャフト10の軸方向他端(ここでは−Y方向の端部)の近傍に配置されている。駆動プーリ15と従動プーリ16との間には、無端状ベルトであるタイミングベルト11が架け渡されている。
【0070】
アイドルギア17は、駆動プーリ15のギア部と噛み合っている。モータ18は、出力軸に取り付けられたモータギアが、アイドルギア17と噛み合っている。すなわち、アイドルギア17は、モータ18の回転を駆動プーリ15に伝達する。
【0071】
図5に示した操作パネル33には、画像読み取りを開始するスイッチ33aが設けられている。スイッチ33aが押されると、図示しない制御部の指示によりモータ18が回転する。モータ18の回転は、アイドルギア17を介して駆動プーリ15に伝達される。駆動プーリ15の回転により、駆動プーリ15と従動プーリ16に架け渡されたタイミングベルト11が周回移動する。タイミングベルト11が周回移動すると、タイミングベルト11とキャリッジ6の係合部62との噛み合いにより、キャリッジユニット4がY方向に移動する。
【0072】
<複合装置の動作>
次に、本実施の形態の複合装置1の動作について説明する。ここでは、
図4(B)に示したようにスキャナ部3のドキュメントカバーユニット35を開放し、使用者が原稿載置面32に原稿を置いて読取動作を行う場合について説明する。
【0073】
<読取動作>
使用者が、スキャナ部3の原稿載置面32に原稿を置き、操作パネル33のスイッチ33a(画像読み取りスイッチ)を押すと、制御部が原稿の読取動作を開始する。すなわち、CISユニット7(
図7)の光源71,72が、3色(赤色、青色および緑色)の光を高速で切り替えて発光する。光源71,72から発せられた光は、導光板73によって原稿載置面32上の原稿に照射される。原稿からの反射光は、ロッドレンズアレイ74を介して、撮像素子75に入射する。これにより、原稿のX方向(主走査方向)のラインイメージが読み取られる。
【0074】
CISユニット7によるラインイメージの読取開始と同時に、モータ18が回転を開始し、CISユニット7を含むキャリッジユニット4をY方向(副走査方向)に移動させる。
図12は、キャリッジユニット4の動作を示す図である。
【0075】
モータ18は、
図12に示す矢印A方向に回転を開始する。モータ18が回転すると、モータ18と噛み合うアイドルギア17が回転し、さらに、アイドルギア17と噛み合う駆動プーリ15が回転する。駆動プーリ15と従動プーリ16に架け渡されたタイミングベルト11は、駆動プーリ15の回転と共に周回移動する。そして、タイミングベルト11とキャリッジ6の係合部62(
図11)との係合により、CISユニット7を搭載したキャリッジ6が、
図12に矢印Bで示す方向(+Y方向)に移動する。
【0076】
このとき、スライダ5の係合部55がシャフト10に対して摺動し、また、コイルバネ7c,7d(
図8)に付勢されたCISユニット7の当接部7e,7f(
図8)が原稿載置板31の下面に当接した状態で、キャリッジユニット4が+Y方向に移動する。すなわち、キャリッジユニット4のCISユニット7は、X方向(主走査方向)のラインイメージを読み取りながら、+Y方向(副走査方向)に移動する。これにより、原稿の2次元画像が読み取られる。
【0077】
キャリッジユニット4がY方向の移動範囲の終端に達すると、CISユニット7によるラインイメージの読取が停止し、モータ18の回転も停止する。その後、モータ18が反転し、キャリッジユニット4を逆方向(−Y方向)に移動させ、所定のホームポジションに復帰させる。これにより、スキャナ部3による原稿の読取動作が完了する。
【0078】
また、上記の画像読取開始用のスイッチ33aが、コピー動作を開始するスイッチであった場合には、以下のようにプリンタ部2における画像形成動作がさらに行われる。
【0079】
<画像形成動作>
上記のようにスキャナ部3の読取動作が完了すると、制御部は、
図2に示すプリンタ部2での画像形成動作を開始する。すなわち、まず、フィードローラ213が回転し、給紙カセット211に収納された記録用紙を一枚ずつ搬送路に送り出す。さらにレジストローラ対215および搬送ローラ対216によって、記録用紙を画像形成部22まで搬送する。
【0080】
画像形成部22では、駆動ローラ242により搬送ベルト241が走行し、記録用紙を吸着保持して搬送する。記録用紙は、プロセスユニット23K,23Y,23M,23Cの順に通過する。
【0081】
各プロセスユニット23では、感光体ドラム231が回転し、これに伴い、帯電ローラ232、現像ローラ234および供給ローラ235も回転する。帯電ローラ232は、感光体ドラム231の表面を一様に帯電させる。LEDヘッド233は、スキャナ部3で読み取られた原稿の画像情報に基づく各色の画像データに応じて、感光体ドラム231の表面を露光し、静電潜像を形成する。
【0082】
感光体ドラム231の表面に形成された静電潜像は、現像ローラ234に付着したトナーによって現像され、トナー像(現像剤像)となる。感光体ドラム231の表面に形成されたトナー像は、転写ローラ244に印加された転写電圧により、搬送ベルト241上の記録用紙に転写される。
【0083】
このように、プロセスユニット23K,23Y,23M,23Cで形成された各色のトナー像が搬送ベルト241に順次転写される。各色のトナー像が転写された記録用紙は、搬送ベルト241によって、定着ユニット25に搬送される。
【0084】
定着ユニット25では、定着ローラ251と加圧ローラ252とによって記録用紙が挟まれ、加熱および加圧される。これにより、記録用紙の表面に転写されたトナー像が、記録用紙に定着される。トナー像が定着した記録用紙は、排出ローラ対261,262によって排出され、スタッカ部263上に積載される。これにより、画像形成動作が完了する。
【0085】
なお、ここでは、読取動作と画像形成動作が連続して行われるコピー動作について説明したが、読取動作は、コピー動作に限定されるものではなく、原稿を読み取ってデータとして送信するファクシミリ送信動作、あるいは原稿を読み取ってデータとしてサーバ等に保存するスキャン動作でもよい。
【0086】
<作用効果>
上述した読取動作において、キャリッジユニット4をシャフト10に沿ってスムースに移動させるためには、スライダ5の係合部55とシャフト10との間に僅かなクリアランスを設ける必要がある。しかしながら、そのようなクリアランスを設けると、キャリッジユニット4がシャフト10に沿って移動する際に、係合部55とシャフト10との間で振動が発生する可能性がある。係合部55とシャフト10との間で発生した振動は、スライダ5からキャリッジ6に伝達され、さらにCISユニット7に伝達される可能性がある。
【0087】
しかしながら、本実施の形態では、スライダ5とキャリッジ6との間に隙間Cを設けている。そのため、係合部55とシャフト10との間で発生した振動(すなわちスライダ5の中心部に伝達される振動)が、キャリッジ6に伝達されにくくなる。その結果、CISユニット7への振動の伝達を抑制することができ、CISユニット7による読み取りの精度を向上させることができる。
【0088】
図13は、比較例のキャリッジユニットの振動伝達(A)と、本実施の形態のキャリッジユニット4の振動伝達(B)とを対比して示す模式図である。
図13(A)に示した比較例のキャリッジユニットは、スライダ5Cが凹部50を有さない点で、本実施の形態のキャリッジユニットと異なる。
【0089】
言い換えると、比較例のキャリッジユニットでは、スライダ5Cの上面(+X側の面)全体が、キャリッジ6の突き当て面60に接している。これに対し、本実施の形態のキャリッジユニット4では、スライダ5の凹部50の両側の接触面51,52が、キャリッジ6の突き当て面60に接している。
【0090】
比較例のキャリッジユニットでは、スライダ5Cの係合部55とシャフト10との間で発生した振動は、
図13(A)に矢印で示すように、スライダ5Cの上面全体からキャリッジ6に広い範囲で伝達される。その結果、キャリッジ6の振動が生じやすくなり、CISユニット7に振動が伝達されて、読取精度の低下を招く。
【0091】
これに対し、本実施の形態のキャリッジユニット4では、スライダ5とキャリッジ6との間に隙間Cが形成されている。そのため、スライダ5からキャリッジ6に振動が伝達されにくい。特に、スライダ5のX方向中央部に隙間Cが形成されているため、係合部55とシャフト10との接触部(スライダ5の略中央に位置している)からの振動がキャリッジ6に伝達されにくい。これにより、CISユニット7への振動の伝達を効果的に抑制し、読取精度の低下を抑制することができる。
【0092】
図14は、
図13(A)に示した比較例のキャリッジユニットにおける振動測定結果を示すグラフである。
図14(A)は、CISユニット7での振動測定結果、すなわちCISユニット7に加速度センサを取り付けて測定した結果を示す。
図14(B)は、スライダ5Cでの振動測定結果、すなわちスライダ5Cに加速度センサを取り付けて測定した結果を示す。
図14において、横軸は時間(秒)であり、縦軸は加速度(m/s
2)である。
【0093】
図15は、本実施の形態のキャリッジユニット4における振動測定結果を示すグラフである。
図15(A)は、CISユニット7での振動測定結果を示す。
図15(B)は、スライダ5での振動測定結果を示す。
図15において、横軸は時間(秒)であり、縦軸は加速度(m/s
2)である。
【0094】
図14(A)に示すように、比較例のキャリッジユニットでは、CISユニット7の振動が大きい。これは、スライダ5Cとキャリッジ6とが広い範囲で密着しているため(
図13(A)参照)、スライダ5Cからキャリッジ6に振動が伝達されやすく、さらにCISユニット7にも振動が伝達されやすいためである。また、キャリッジ6の振動が逆にスライダ5にも伝達されるため、
図14(B)に示すように、スライダ5の振動も大きくなっている。
【0095】
一方、
図15(A)に示すように、本実施の形態のキャリッジユニット4では、比較例と比較して、CISユニット7の振動が抑制されている。これは、スライダ5とキャリッジ6との間に隙間Cを設けたことにより、スライダ5からキャリッジ6への振動伝達が抑制され、これによりCISユニット7への振動伝達も抑制されたためである。また、キャリッジ6の振動が抑制されるため、
図15(B)に示すように、キャリッジ6からスライダ5に伝達される振動も抑制され、その結果、スライダ5の振動も抑制されている。
【0096】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、スライダ5とキャリッジ6との間に隙間Cを設けたことにより、スライダ5からキャリッジ6への振動伝達を抑制することができる。その結果、キャリッジ6に保持されたCISユニット7の振動を抑制し、読み取りの精度の低下を抑制することができる。
【0097】
特に、隙間Cを、シャフト10とキャリッジ6との間に配置しているため、スライダ5とシャフト10との間で発生した振動がキャリッジ6に伝達されることを効果的に抑制することができる。これにより、CISユニット7への振動の伝達を効果的に抑制し、読取精度の向上に資することができる。
【0098】
より具体的には、隙間Cを、振動発生源に近いスライダ5のX方向中央に配置したことにより、振動がキャリッジ6に伝達されることを効果的に抑制することができる。
【0099】
また、スライダ5の凹部50を、X方向において接触面51,52の間に配置しているため、隙間Cを確保しつつ、キャリッジ6とスライダ5とを密着させて一体化することができる。
【0100】
また、キャリッジ6とスライダ5とを、材料および形状を異ならせ、固有振動数を異ならせることにより、キャリッジ6とスライダ5との共振の発生を防止することができる。これにより、スライダ5からキャリッジ6への振動の伝達を、より効果的に抑制することができる。
【0101】
また、スライダ5の接触面51に、キャリッジ6の凸部63と嵌合する嵌合穴53を設け、スライダ5の接触面52に、キャリッジ6の凸部64と嵌合する長穴54を設けている。そのため、隙間Cにおいてキャリッジ6とスライダ5とを接触させずに、キャリッジ6とスライダ5とを位置決めすることができる。
【0102】
また、スライダ5の接触面51に、ねじ67をボス65のねじ穴65aに螺合させるための貫通穴57を設け、スライダ5の接触面52に、ねじ68をボス66のねじ穴66aに螺合させるための貫通穴58を設けている。そのため、隙間Cにおいてキャリッジ6とスライダ5とを接触させずに、キャリッジ6とスライダ5とを固定することができる。
【0103】
また、キャリッジ6の係合部62が、スライダ5の貫通穴59を貫通してタイミングベルト11と噛み合っているため、キャリッジ6の位置精度(すなわちキャリッジ6に搭載されたCISユニット7の位置精度)を確保することができる。
【0104】
変形例.
図16(A)は、第1の実施の形態の変形例のキャリッジユニットを示す図である。
図16(A)に示す変形例では、スライダ5とキャリッジ6との隙間Cに、制振部材9を配置している。制振部材9は、振動エネルギーを当該制振部材の伸縮やズレや変形に変換することによって、振動を減衰する部材である。制振部材9の制振能力は、損失係数で示される。制振部材9は、キャリッジ6およびスライダ5の材料よりも損失係数が大きい材料で構成することが好ましい。
【0105】
このように、スライダ5とキャリッジ6との隙間Cに制振部材9を配置することで、スライダ5からキャリッジ6への振動伝達の抑制効果を向上することができる。
【0106】
なお、上述した第1の実施の形態では、スライダ5とキャリッジ6の間に介在する部材を設けていないが、もし何らかの部材をスライダ5とキャリッジ6の間に設けた場合には、その部材を、この変形例の制振部材9と同様に構成することで、振動伝達の抑制効果を向上することができる。
【0107】
なお、
図16(A)に示した変形例では、スライダ5とキャリッジ6との隙間Cの全領域に制振部材9が設けられているが、
図16(B)に示すように、スライダ5とキャリッジ6との隙間Cの一部領域に制振部材9を設けてもよい。
【0108】
第2の実施の形態.
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、スライダ5A(摺動部)の構成が、第1の実施の形態と異なっている。
図17は、第2の実施の形態のスライダ5Aとキャリッジ6とを下から見た斜視図である。
図18は、第2の実施の形態のスライダ5Aを上から見た斜視図である。第2の実施の形態において、第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
【0109】
上述した第1の実施の形態では、スライダ5の接触面51,52(第1の当接部)を、キャリッジ6の突き当て面60(突き当て部)に当接させ、接触面51,52の間に凹部50を設けていた。これに対し、第2の実施の形態のスライダ5Aは、
図18に示すように、X方向両端に設けた第1の当接部としての接触面51A,52Aを、キャリッジ6の突き当て面60に当接させている。さらに、スライダ5Aの接触面51A,52Aと凹部50との間に、第2の当接部としての接触面501,502を設けている。
【0110】
図18に示すように、接触面501,502は、スライダ5Aの+Z側(キャリッジ6側)において、凹部50のX方向両側に形成されている。接触面501,502は、いずれも、XY面と平行な面である。また、接触面501,502は、互いにZ方向の位置が同じである(すなわち同一面上にある)。
【0111】
凹部50は、接触面501,502よりも−Z方向(キャリッジ6から離れる方向)に変位した位置にある。接触面501,502と凹部50との間には、段差部503,504が形成されている。
【0112】
接触面51A,52Aは、スライダ5Aの四隅に、接触面501,502よりも+Z方向に突出するように形成されている。より具体的には、接触面51Aは、接触面501の−X方向端部で、且つY方向の両端に2つ形成されている。接触面52Aは、接触面502の+X方向端部で、且つY方向の両端に2つ形成されている。すなわち、接触面51A,52Aは、X方向(キャリッジユニット4の移動方向に直交する方向)およびY方向(キャリッジユニット4の移動方向)の両方において、所定の間隔をあけて配置されている。
【0113】
接触面51Aと接触面501との間には、段差部51b,51cが形成されている。段差部51bは、スライダ5AのX方向内側を向く面であり、段差部51cは、スライダ5AのY方向内側を向く面である。同様に、接触面52Aと接触面502との間には、段差部52b,52cが形成されている。段差部52bは、スライダ5AのX方向内側を向く面であり、段差部52cは、スライダ5AのY方向内側を向く面である。
【0114】
本実施の形態では、X方向におけるスライダ5Aの中心(ここでは係合部55の中心)から段差部503,504までの距離W1/2をそれぞれ17mmとし、段差部503と段差部504との距離W1を34mmとしている。距離W1は、CISユニット7の長さ(236mm)の約14%に相当する。
【0115】
また、X方向におけるスライダ5Aの中心(ここでは係合部55の中心)から段差部51b,52bまでの距離W2/2をそれぞれ34mmとし、段差部51bと段差部52bとの距離W2を68mmとしている。距離W2は、CISユニット7の長さ(236mm)の約28%に相当する。
【0116】
スライダ5Aの他の構成は、第1の実施の形態のスライダ5と同様である。
【0117】
図19は、スライダ5Aとキャリッジ6とを示す断面図である。
図19に示すように、キャリッジ6の突き当て面60と、スライダ5Aの凹部50の底面50aおよび接触面501,502との間には、隙間Cが形成される。この隙間Cは、X方向において、シャフト10の中心(すなわち係合部55の中心)に対して略対称に形成される。
【0118】
キャリッジ6とスライダ5Aとは、第1の実施の形態で説明したように互いに固定される。また、CISユニット7は、第1の実施の形態で説明したようにキャリッジ6に取り付けられる。
【0119】
図20は、第2の実施の形態のキャリッジユニット4A(読取ユニット)およびその移動機構を示す斜視図である。第2の実施の形態のキャリッジユニット4Aおよびその移動機構は、上述したスライダ5Aの構成を除き、第1の実施の形態のキャリッジユニット4およびその移動機構と同様である。
【0120】
図21は、第2の実施の形態のキャリッジユニット4Aの動作を示す図である。原稿の読取動作が開始されると、CISユニット7によるラインイメージの読取開始と同時に、モータ18が回転を開始し、CISユニット7を含むキャリッジユニット4AをY方向(副走査方向)に移動させる。
【0121】
第1の実施の形態でも説明したように、モータ18は、
図21に示す矢印A方向に回転を開始し、タイミングベルト11が周回移動する。これにより、CISユニット7を搭載したキャリッジ6が、
図21に矢印Bで示す方向(+Y方向)に移動する。そして、スライダ5Aの係合部55(
図19)がシャフト10に対して摺動し、また、CISユニット7の当接部7e,7f(
図8)が原稿載置板31に当接した状態で、キャリッジユニット4AがY方向に移動する。すなわち、CISユニット7は、X方向のラインイメージを読み取りながら、+Y方向に移動する。
【0122】
このようにキャリッジユニット4Aがシャフト10に沿って移動する際、スライダ5Aの係合部55とシャフト10との間で振動が発生する可能性がある。しかしながら、本実施の形態では、スライダ5Aとキャリッジ6との間に隙間Cを設けているため、係合部55とシャフト10との間で発生した振動(すなわちスライダ5の中心部に伝達される振動)が、キャリッジ6に伝達されにくい。その結果、CISユニット7への振動伝達を抑制することができ、CISユニット7による読み取りの精度を低下を抑制することができる。
【0123】
さらに、本実施の形態では、スライダ5Aがクリープ変形を生じた場合にも、振動伝達の防止効果が低下しないという効果がある。
図22(A)は、上述した第1の実施の形態のスライダ5がクリープ変形した場合の、スライダ5とキャリッジ6との関係を示す断面図である。
図22(B)は、本実施の形態のスライダ5Aがクリープ変形した場合の、スライダ5Aとキャリッジ6との関係を示す断面図である。
【0124】
図22(A)に示すように、第1の実施の形態のスライダ5が、クリープ変形によってX方向中央が持ち上がるように反った場合、スライダ5の凹部50(底面50a)がキャリッジ6の中央部に接触する可能性がある。このような状態では、CISユニット7への振動伝達防止効果が低下する可能性がある。
【0125】
これに対し、本実施の形態では、隙間Cを構成するスライダ5Aの面が、凹部50の底面50aと接触面501,502とで2段階に構成されている。そのため、スライダ5Aが、クリープ変形によって中央が持ち上がるように反った場合、スライダ5Aの接触面501,502はキャリッジ6に接触するが、凹部50の底面50aはキャリッジ6に接触しない。すなわち、スライダ5Aとキャリッジ6との隙間Cを、X方向中央部において確保することができる。
【0126】
振動発生源(スライダ5Aの係合部55とシャフト10との摺動部)は、スライダ5AのX方向中央部にあるため、スライダ5AのX方向中央部で隙間Cを確保することによって、スライダ5Aからキャリッジ6への振動伝達を防止する効果(すなわちCISユニット7への振動伝達を防止する効果)を得ることができる。
【0127】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、スライダ5Aとキャリッジ6との間に隙間Cを設けたため、スライダ5Aからキャリッジ6への振動の伝達を抑制することができる。その結果、CISユニット7の振動を抑制することができ、読み取りの精度を向上させることができる。
【0128】
加えて、隙間Cの下側を複数段(凹部50の底面50aと接触面501,502)に構成したため、スライダ5Aにクリープ変形が生じた場合であっても、CISユニット7の振動を抑制することができ、読み取りの精度を向上させることができる。
【0129】
なお、ここでは、第1の当接部として合計4つの接触面51A,52Aを設ける場合について説明したが、接触面(第1の当接部)の数は4つより多くても少なくてもよい。但し、スライダ5Aのクリープ変形が生じた際にX方向中央部で隙間Cを確保する効果を奏する上では、複数の第1の当接部を、X方向およびY方向にそれぞれ間隔をあけて配置することが好ましい。
【0130】
第3の実施の形態.
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、スライダ5B(摺動部)およびキャリッジ6A(保持部)の構成が、第1および第2の実施の形態と異なる。
図23は、第3の実施の形態のスライダ5Bとキャリッジ6Aとを下から見た斜視図である。
図24は、第3の実施の形態のキャリッジ6Aを下から見た斜視図である。第1または第2の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
【0131】
上述した第1の実施の形態では、スライダ5の凹部50とキャリッジ6の突き当て面60との間に隙間Cを形成していた。これに対し、本実施の形態では、スライダ5Bの平坦面とキャリッジ6Aの凹部80(第1の凹部)との間に隙間Cを形成している。
【0132】
図23に示すように、キャリッジ6Aの−Z側(スライダ5B側)には、スライダ5Bの+Z側の平坦面に対向する第2の当接部としての接触面81,82と、X方向において接触面81,82の間に形成された凹部80とが設けられている。また、X方向において接触面81,82の外側に、第1の当接部としての接触面81A,82Aが設けられている。
【0133】
接触面81,82は、凹部80のX方向両側に形成されている。接触面81,82は、いずれも、XY面と平行な面である。また、接触面81,82は、互いにZ方向の位置が同じである(同一面上にある)。
【0134】
図24に示すように、凹部80は、XY面と平行な底面80a(第1の面)を有する。底面80aは、接触面81,82よりも上方(すなわちスライダ5Bから離れる方向)に変位した位置にある。接触面81,82と底面80aとの間には、段差部83,84が形成される。
【0135】
接触面81A,82Aは、接触面81,82よりも−Z方向に突出するように形成されている。より具体的には、接触面81Aは、接触面81の−X方向端部で、且つY方向の両端に2つ形成されている。接触面82Aは、接触面82の+X方向端部で、且つY方向の両端に2つ形成されている。すなわち、接触面81A,82Aは、X方向およびY方向の両方において、所定の間隔をあけて配置されている。
【0136】
接触面81Aと接触面81との間には、段差部81b,81cが形成されている。段差部81bは、キャリッジ6AのX方向内側を向く面であり、段差部81cは、キャリッジ6AのY方向内側を向く面である。同様に、接触面82Aと接触面82との間には、段差部82b,82cが形成されている。段差部82bは、キャリッジ6AのX方向内側を向く面であり、段差部82cは、キャリッジ6AのY方向内側を向く面である。
【0137】
段差部83と段差部84との距離は、例えば、第2の実施の形態で説明した段差部503と段差部504(
図18)との距離と同様に設定される。また、段差部81bと段差部82bとの距離は、例えば、第2の実施の形態で説明した段差部51bと段差部52b(
図18)との距離と同様に設定される。
【0138】
なお、キャリッジ6Aが、係合部62、凸部63,64およびボス65,66を有することは、第1および第2の実施の形態と同様である。
【0139】
図25は、キャリッジ6Aおよびスライダ5Bを示す断面図である。スライダ5Bの+Z側(キャリッジ6A側)の面は、平坦面で構成されている。すなわち、スライダ5Bは、第1の実施の形態で説明した凹部50を有さない。スライダ5Bの+Z側の平坦面は、突き当て面500(第2の面)を構成している。
【0140】
スライダ5Bの突き当て面500と、キャリッジ6Aの凹部80の底面80aおよび接触面81,82との間には、隙間Cが形成される。この隙間Cは、X方向において、シャフト10の中心に対して略対称に形成される。
【0141】
キャリッジ6Aとスライダ5Bとは、第1の実施の形態で説明したように互いに固定される。また、CISユニット7は、第1の実施の形態で説明したようにキャリッジ6Aに取り付けられる。
【0142】
他の構成は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
【0143】
第1の実施の形態でも説明したように、読取動作において、キャリッジユニット4がシャフト10に沿って移動する際、スライダ5Bの係合部55とシャフト10との間で振動が発生する可能性がある。しかしながら、本実施の形態では、スライダ5Bとキャリッジ6Aとの間に隙間Cを設けているため、係合部55とシャフト10との間で発生した振動(すなわちスライダ5Bの中心部に伝達される振動)が、キャリッジ6Aに伝達されにくい。その結果、CISユニット7への振動の伝達を抑制することができ、読取精度の低下を抑制することができる。
【0144】
また、第2の実施の形態でも説明したように、スライダ5Bが、クリープ変形によって中央が持ち上がるように反った場合には、キャリッジ6Aの接触面81,82がスライダ5Bの突き当て面500に接触し、凹部80の底面80aはスライダ5Bに接触しない。すなわち、スライダ5Bとキャリッジ6Aとの隙間Cを、X方向中央部において確保することができる。これにより、スライダ5Bからキャリッジ6Aへの振動伝達を防止し、CISユニット7への振動伝達を防止する効果を得ることができる。
【0145】
以上説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様、スライダ5Bとキャリッジ6Aとの間に隙間Cを設けたため、スライダ5Bからキャリッジ6Aへの振動の伝達を抑制することができる。その結果、キャリッジ6Aに保持されているCISユニット7の振動を抑制し、読取精度を向上させることができる。
【0146】
また、隙間Cを構成するキャリッジ6Aの面を複数段(凹部80の底面80aと接触面81,82)で構成したため、スライダ5Bにクリープ変形が生じた場合であっても、スライダ5Bとキャリッジ6Aとの隙間CをX方向中央部で確保することができる。これにより、CISユニット7の振動を抑制し、読み取りの精度を向上することができる。
【0147】
変形例.
上述した第3の実施の形態では、キャリッジ6Aの接触面81A,82Aがスライダ5Bに接触しているが、キャリッジ6Aに接触面81A,82Aを設けずに、キャリッジ6Aの接触面81,82がスライダ5Bに接触するようにしてもよい。すなわち、隙間Cを構成するキャリッジ6Aの面を、一段で構成してもよい。
【0148】
また、上述した第3の実施の形態では、スライダ5Bの+Z側の面が平坦面(突き当て面500)である。しかしながら、第1の実施の形態のスライダ5のように、接触面51,52と凹部50とを有していてもよい。また、第2の実施の形態のスライダ5Aのように、接触面51A,52Aと接触面51,52と凹部50を有していてもよい。
【0149】
また、上述した第3の実施の形態では、キャリッジ6Aに凹部80および接触面81,82を有していたが、スライダ5Bとキャリッジ6Aとの間に他の部材が介在する構成を採用した場合には、その部材に凹部および接触面を設けてもよい。
【0150】
第4の実施の形態.
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態は、キャリッジ6B(保持部)の構成が、第3の実施の形態と異なる。また、この第4の実施の形態では、第2の実施の形態で説明したスライダ5A(
図18)を用いる。
【0151】
図26は、第4の実施の形態のキャリッジユニット4B(読取ユニット)を示す断面図である。
図27は、第4の実施の形態のスライダ5Aとキャリッジ6Bとを下から見た斜視図である。
図28は、第4の実施の形態のスライダ5Aを上から見た斜視図である。
図29は、第4の実施の形態のスライダ5Aとキャリッジ6Bとを示す断面図である。第1〜第3の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
【0152】
図27に示すように、キャリッジ6Bは、スライダ5Aに対向する側(−Z側)に凹部90(第1の凹部)を有している。凹部90は、スライダ5Aの凹部50と接触面501,502(
図28)に対向している。凹部90は、+Z方向(スライダ5Aから離間する方向)に窪んでおり、XY面に平行な底面90a(第1の面)を有している。
【0153】
また、キャリッジ6Bのスライダ5Aと対向する側(−Z側)には、接触面91,92(第1の当接部)が形成されている。接触面91,92は、スライダ5AのX方向両端に設けられている。接触面91,92は、底面90aから−Z方向(スライダ5Aに向かう方向)に突出している。接触面91,92には、第1の実施の形態で説明したボス65,66が形成されている。
【0154】
キャリッジ6Bの接触面91,92には、スライダ5Aの接触面51A,51B(
図28)が当接する。接触面91,92の面積は、スライダ5Aの接触面51A,51B(
図28)よりも大きいことが好ましい。
【0155】
ここでは、接触面91,92は、いずれもY方向(キャリッジユニット4Bの移動方向)に長い形状を有している。接触面91,92のY方向における寸法D1は、スライダ5Aの接触面51A,51BのY方向における寸法D2(
図28)よりも大きい。
図27に示した例では、接触面91,92が、ほぼキャリッジ6Bの幅(Y方向の寸法)に亘って延在している。
【0156】
また、キャリッジ6Bのスライダ5Aに対向する側(−Z側)には、リブ93,94が形成されている。リブ93,94は、X方向、すなわちキャリッジ6Bの長手方向に延在している。
図27に示した例では、リブ93,94は、ほぼキャリッジ6Bの長さ(X方向の寸法)に亘って延在している。凹部90は、リブ93,94と、接触面91,92に囲まれている。
【0157】
スライダ5A(
図28)の構成は、第2の実施の形態において説明した通りである。
【0158】
図29に示すように、キャリッジ6Bの凹部90の底面90aと、スライダ5Aの凹部50の底面50aおよび接触面501,502との間に、隙間Cが形成される。この隙間Cは、X方向において、シャフト10の中心に対して略対称に形成される。
【0159】
他の構成は、第3の実施の形態で説明したとおりである。
【0160】
本実施の形態では、スライダ5Aとキャリッジ6Bとの間に隙間Cを設けているため、係合部55とシャフト10との間で発生した振動が、キャリッジ6Bに伝達されにくい。そのため、CISユニット7の振動を抑制することができ、読取精度を向上することができる。
【0161】
また、本実施の形態では、キャリッジ6Bが、その長手方向(X方向)に延在するリブ93,94を有しているため、キャリッジ6Bの反り(特に隙間Cが形成された領域の反り)を防止することができる。
【0162】
また、スライダ5Aが、クリープ変形によって中央が持ち上がるように反った場合には、スライダ5Aの接触面501,502がキャリッジ6B(より具体的には、凹部90の底面90a)に接触し、スライダ5Aの凹部50の底面50aはキャリッジ6Bに接触しない。そのため、スライダ5Aとキャリッジ6Bとの隙間Cを、X方向中央部において確保することができる。
【0163】
以上説明したように、本発明の第4の実施の形態によれば、スライダ5Aとキャリッジ6Bとの間に隙間Cを設けたため、スライダ5Aからキャリッジ6Bへの振動の伝達を抑制することができる。その結果、CISユニット7の振動を抑制し、読取精度を向上させることができる。
【0164】
また、キャリッジ6Bが長手方向に延在するリブ93,94を有しているため、キャリッジ6Bの反りを防止することができる。
【0165】
なお、上述した第4の実施の形態では、第2の実施の形態で説明したスライダ5Aとキャリッジ6Bとを用いたが、スライダ5Aの代わりに、第1の実施の形態で説明したスライダ5、あるいは第3の実施の形態で説明したスライダ5Bを用いてもよい。
【0166】
上記の各実施の形態では、読取部としてCISユニット7を用いる場合について説明したが、CISユニットに限らず、例えばCCD(電荷結合素子)を用いて読取部を構成してもよい。
【0167】
上記の各実施の形態では、複合装置の読取装置(スキャナ部)について説明したが、複合装置に限らず、例えば読取装置を備えた複写機に適用してもよい。また、読取装置は、
図5に示した構成に限らず、読取ユニットを往復移動させるものであればよい。