特許第5883088号(P5883088)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5883088LTE待機モードにおいて動作するための手順
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883088
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】LTE待機モードにおいて動作するための手順
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20160225BHJP
   H04W 48/08 20090101ALI20160225BHJP
   H04W 16/08 20090101ALI20160225BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20160225BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20160225BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   H04W48/16 131
   H04W48/08
   H04W16/08
   H04W16/32
   H04W84/10
   H04M1/00 R
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-163582(P2014-163582)
(22)【出願日】2014年8月11日
(62)【分割の表示】特願2011-522096(P2011-522096)の分割
【原出願日】2009年7月17日
(65)【公開番号】特開2015-8500(P2015-8500A)
(43)【公開日】2015年1月15日
【審査請求日】2014年9月10日
(31)【優先権主張番号】61/086,674
(32)【優先日】2008年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピーター エス.ワン
(72)【発明者】
【氏名】ユリシーズ オルベラ−ヘルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】シャンカー ソマスンダラム
(72)【発明者】
【氏名】ラジャ ピー.ムケルジー
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/088168(WO,A1)
【文献】 Rapporteur (Samsung),Miscelaneous clarifications/ corrections,3GPP TSG-RAN2#61bis meeting R2-081690,2008年 3月25日
【文献】 Nokia Corporation, Nokia Siemens Networks,Simple CSG for REL8,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #61bis R2-081735,2008年 3月25日
【文献】 3GPP TS 36.304 (2008-05),2008年 6月25日,V8.2.0
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長期進化型(LTE)無線送受信ユニット(WTRU)においてセル再選択を実行する方法において、
セル再選択優先度を受信するステップと、
前記セル再選択優先度が有効である時間の長さを表すタイマー情報を受信するステップと、
前記受信されたタイマー情報に基づいて、タイマーを始動するステップと、
ハイブリッドクローズド加入者グループ(CSG)セルから、ハイブリッドCSGセルインジケータを含むシステム情報ブロードキャストを受信するステップと、
前記タイマーが満了しておらず、および、前記ハイブリッドCSGセルインジケータがCSGセルIDに対応する識別を含む条件にて、前記セル再選択優先度を使用して前記ハイブリッドCSGセルへセル再選択を実行するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ハイブリッドCSGセルインジケータは、CSGセルインジケータおよびCSGセルIDに対応する前記識別に基づいて、ハイブリッドCSGセルしていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1ビットCSGセルインジケータに基づいて、前記ハイブリッドCSGセルがパブリックCSGセルであることを判定するステップ
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ハイブリッドCSGセルへセル再選択を実行する前記ステップは、CSGセルIDに対応する前記識別が前記WTRUのホワイトリストの中にあることを確認することなしに実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
CSGセルIDに対応する前記識別は、物理セルIDであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記WTRUがハイブリッドCSGセルサービスへの加入者である条件で、前記ハイブリッドCSGセルへのセル再選択を実行するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記タイマーが満了したという条件で、システム情報(SI)メッセージを読み出して、新規のセル再選択優先度を取得するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記タイマーが満了したという条件で、次の定期的機会においてシステム情報(SI)メッセージを読み出して、新規のセル再選択優先度を取得するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記タイマーが満了したという条件で、新規のセル再選択優先度を要求するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記タイマーが満了していなかったという条件で、
新規のセル再選択優先度が受信されたかどうかを判定するステップと、
前記新規のセル再選択優先度を使用して、セル再選択を実行するステップと、
前記受信されたタイマー情報に基づいて、前記タイマーをリセットするステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
セル再選択を実行するように構成された長期進化型(LTE)無線送受信ユニット(WTRU)において、
セル再選択優先度を受信し、および
前記セル再選択優先度が有効である時間の長さを表すタイマー情報を受信するように構成された受信機と、
前記受信されたタイマー情報に基づいて、タイマーを始動するよう構成されたプロセッサとを備え、
前記受信機は、ハイブリッドクローズド加入者グループ(CSG)セルから、ハイブリッドCSGセルインジケータを含むシステム情報ブロードキャストを受信するようさらに構成されており、
前記プロセッサは、前記タイマーが満了しておらず、および、前記ハイブリッドCSGセルインジケータがCSGセルIDに対応する識別を含む条件で、前記セル再選択優先度を使用して前記ハイブリッドCSGセルへセル再選択を実行するようにさらに構成されたことを特徴とするWTRU。
【請求項12】
前記ハイブリッドCSGセルインジケータは、CSGセルインジケータおよびCSGセルIDに対応する前記識別に基づいて、ハイブリッドCSGセルを示していること特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項13】
前記プロセッサは、1ビットCSGセルインジケータに基づいて、前記ハイブリッドCSGセルがパブリックCSGセルであることを判定するようさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項14】
前記プロセッサは、CSGセルIDに対応する前記識別が前記WTRUのホワイトリストの中にあることを確認することなしに、前記ハイブリッドCSGセルへセル再選択を実行するようさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項15】
CSGセルIDに対応する前記識別は、物理セルIDであることを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記WTRUがハイブリッドCSGセルサービスへの加入者である条件で、前記ハイブリッドCSGセルへのセル再選択を実行するようさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記タイマーが満了したという条件で、システム情報(SI)メッセージを読み出して、新規のセル再選択優先度を取得するようさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記タイマーが満了したという条件で、次の定期的機会においてシステム情報(SI)メッセージを読み出して、新規のセル再選択優先度を取得するようさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記タイマーが満了したという条件で、新規のセル再選択優先度を要求するようさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記タイマーが満了していなかったという条件で、
新規のセル再選択優先度が受信されたかどうかを判定し、
前記新規のセル再選択優先度を使用して、セル再選択を実行し、および、
前記受信されたタイマー情報に基づいて、前記タイマーをリセットするようさらに構成されていることを特徴とする請求項11に記載のWTRU。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project:第三世代パートナーシップ・プロジェクト)のLTE(Long Term Evolution:長期進化型)においては、測定値はWTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)移動性状態(mobility state)を勘案する。例えば、WTRUが低速にて動いているかまたは停止しているかでは、郊外地域または高速道路にて高速で移動するWTRUに対して無線の送信および受信においてドップラー効果に依り測定値に異なった影響を有する。したがってLTEにおいては、異なった移動性速度についてのドップラー効果を相殺させまたは正規化するために、異なった移動性状態のWTRUに対しては測定値に関して異なった換算係数(scaling factors)が適合する。待機(idle)モードおよび接続(connected)モードの間のWTRU移動性状態を維持する方法に関しては明確にされていない。
【0003】
LTEにおいては、WTRUは3つの移動性状態:低速(low)移動性、中間(medium)移動性、および高速(high)移動性、を有する。WTRUに呼がないときの待機モードにおいては、WTRUが再選択の数を計数する。WTRUに呼があるときの接続モードにおいては、WTRUがハンドオーバーの数を計数する。WTRUは、再選択の数またはハンドオーバーの数を計数し、そしてそれが移動していない(静止状態(stationary)とも呼ばれる)か、低速で移動している(通常移動性(normal mobility)とも呼ばれる)か、または高速で移動している(高速移動性とも呼ばれる)かを判定する。再選択するために必要な時間はハンドオーバーを実行するために必要な時間とは異なるため、再選択およびハンドオーバーは別に取り扱われる。ほとんどの目的に対しては待機モードから接続モードに移動性状態を持ち越すことはできない。WTRUが待機モードから接続モードに遷移するときに移動性状態を適合させる機構が必要である。また、WTRUが待機モードにおいて高速で移動しており、そして次に接続モードへ遷移するなら、WTRUが移動性状態の判定を再開することを必要とするべきではないという意味で、モード間の移動性状態を逸失するべきでない。例えば、WTRUが高速で移動している(すなわち高速移動性状態にある)なら、それはWTRUが再選択およびハンドオーバーを実行する方法に影響を与える。
【0004】
WTRUが別のセルへ再選択するよう試みるときには、ターゲットセルが最小信号レベル、信号強度、および状況(condition)を満足することを確認する必要がある。WTRUは、ネットワークによって送信されるいくつかのパラメータとこのデータを比較する。その比較はS指標(criteria)と呼ばれる式において具現化される。S指標は事実上、ターゲットセルがどの程度強いか、または弱いかを示す。その信号強度およびネットワークによりシグナリングされた閾値の間の差であるS指標がゼロより小さい場合には、WTRUはターゲットセルを考慮する必要はない。S指標がゼロより大きい場合には、WTRUはターゲットセルにキャンプ・オンするよう進める。S指標は、ターゲットセルの信号強度が少なくとも最小閾値を絶対に満足させる必要があることを意味し、それより低いなら、ターゲットセルはキャンプする価値がないとネットワークは理解する。LTE WTRUのセル選択および再選択の基本的な規則では、対応セルまたは別のセルの信号強度をWTRUにS指標を使用してチェックさせる。LTEにおいては、S指標中の1つの構成要素、すなわちP補正(Pcompensation)パラメータが、未定義のままであり、そして明確にされる必要がある。
【0005】
LTEは、セル再選択において優先度(priority)の概念を含み、優先を与えられたある周波数、例えばUMTSまたはGSM、があることを意味する。WTRUは、優先度に従う必要があり、したがって例えば、周波数「a」が優先度1を与えられる場合があり、周波数「b」が優先度2を与えられる場合があり、また逆の場合もある。WTRUは、最初に周波数「a」にキャンプ・オンするよう試み、そして周波数「a」のセルを見出すことができない場合には、周波数「b」に進むことを確実にする必要がある。現在規格においては、これらの優先度がどれだけの期間有効であるかの明確な表現はない。WTRUは、システム情報または専用のRRCメッセージを使用して優先度の信号を受けることができる。しかしWTRUが、優先度がいつからもう有効でなくなる、すなわち期限切れになると見なすかは、説明されていない。
【0006】
UMTSシステムにおいてはP補正と呼ばれるパラメータがあり、WTRUがセル再選択を実行するときに、これが経路損失(pathloss)を補正する。P補正パラメータが如何にして設計されるかに関して、LTEにおいては今日に至るまで、何れの明確な表現も存在しない。本開示では、P補正のいくつかの定義を提案する。
【発明の概要】
【0007】
LTE待機モードにおいてWTRUを動作させる様々な手順を説明する。手順には:WTRUにおいてセル再選択優先度を適用するための方法、動作モード間でWTRUの移動性状態を変換するための方法、移動性状態をWTRUに割り付けるための方法、およびWTRUがCSG(closed subscriber group)セルにアクセスすることができるかを判定するための方法が含まれる。LTE WTRUの待機(Idle)モードおよび接続(Connected)モードの間のLTE移動性状態遷移機構の動作に関する方法および装置、LTEに対するP補正パラメータの定義、周波数間およびRAT間のセル再選択優先度有効性定義、およびCSG加入セルに対するカバー範囲(coverage)拡張原理、をもまた説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面に関連して例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解を得ることができる。
図1】複数のWTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)および1つのeNB(evolved Node B:eノードB)を含む無線通信システムの一例を示す図である。
図2図1の1つのWTRUおよびeNBの機能的ブロック図の一例を示す図である。
図3】セル再選択優先度情報を更新するための方法のフロー図である。
図4】タイマーに関連してセル再選択優先度情報を更新するための方法のフロー図である。
図5】WTRUがRRCモードを変更するときWTRUの移動性状態を変換するための方法のフロー図である。
図6】WTRUがRRCモードを変更するときネットワークによりWTRUの移動性状態を割り付けるための方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
今後において参照されると、用語「WTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)」は、限定的ではなく、UE(User Equipment:ユーザー機器)、移動体端末、固定型または移動体の加入者ユニット、ページャー、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)、コンピューター、または無線環境において動作する能力のある他の如何なる種別のユーザー・デバイスをも含む。今後において参照されると、用語「基地局(base station)」は、限定的ではなく、ノードB(Node−B)、eNB(evolved Node B:eノードB)、サイト制御装置、AP(Access Point:アクセス・ポイント)、または無線環境において動作する能力のある他の如何なる種別のインターフェイス・デバイスをも含む。
【0010】
図1は、複数のWTRUおよび1つのeNBを含む無線通信システム100の一例を示す。図1に示されるように、WTRU110はeNB120と通信状態にある。図1においてはWTRU110およびeNB120の構成の一例が表現されるが、無線通信システム100においては無線のそして有線の装置の何れの組み合わせをも含むことができることに注意するべきである。
【0011】
図2は、図1の無線通信システム100の1つのWTRU110およびeNB120の機能的ブロック図200の一例を示す。図2に示されるように、WTRU110はeNB120と通信状態にある。
【0012】
通常のWTRUにおいて見出すことができる構成要素に加えて、WTRU110は、処理装置112、受信機114、送信機116、およびアンテナ118を含む。受信機114および送信機116は、処理装置112と通信状態にある。アンテナ118は受信機114および送信機116の両方と通信状態にあり、無線データの送信および受信を容易にする。処理装置112は、WTRUのLTE移動性状態を判定し、セル再選択指標を判定し、セル再選択優先度の有効性を判定し、そしてCSGセルカバー範囲拡張を判定するように構成される。
【0013】
通常のeNBにおいて見出すことができる構成要素に加えて、eNB120は、処理装置122、受信機124、送信機126、およびアンテナ128を含む。受信機124および送信機126は、処理装置122と通信状態にある。アンテナ128は受信機124および送信機126の両方と通信状態にあり、無線データの送信および受信を容易にする。処理装置122は、WTRUのLTE移動性状態を判定し、セル再選択指標を判定し、セル再選択優先度の有効性を判定し、そしてCSGセルカバー範囲拡張を判定するように構成される。
【0014】
LTE再選択優先度に対する有効性の有効期間
WTRUは自身の再選択優先度を維持するために以下の条件の内の1つまたは複数を使用することができる。以下にリストアップされたすべての条件において、新規の優先度がネットワークによってシグナリングされると、WTRUの既に存在する優先度を上書きすることができる。
【0015】
(1)WTRU電源オン/WTRU電源オフ。この場合において、WTRUがいったんセル再選択優先度を受信すると、WTRUがオフにされるまで、またはセル再選択優先度がネットワークによって上書きされるまで、それらは保持される。
【0016】
(2)次のSI(System Information:システム情報)更新。WTRUは、次のSI更新までセル再選択優先度を維持することができる。SIが変化すると、WTRUはSIを再読し、そしてセル再選択優先度を更新する。新規のSIに基づきセル再選択優先度をWTRUが更新しないという、ある条件がある場合がある。例えば、WTRUが既に専用のセル再選択優先度を有する場合には、SIによって提供されたセル再選択優先度をそれは上書きしないかもしれない。
【0017】
一般に、SIによって提供されるセル再選択優先度情報はブロードキャストされるので、すべてのWTRUが同一のセル再選択優先度情報を受信する。専用セル再選択優先度は、所与のWTRUに送られる。従ってWTRUが専用セル再選択優先度を有するなら、SIが変化する次のSI更新においても、WTRUは、専用セル再選択優先度をSIからのセル再選択優先度により上書きしないかも知れない。
【0018】
図3は、セル再選択優先度情報を更新するための方法300のフロー図である。WTRUが既存のセル再選択優先度を適用している状態にて方法は開始する(ステップ302)。WTRUが専用セル再選択優先度を受信したかの判定が為される(ステップ304)。WTRUが専用セル再選択優先度を受信した場合には、WTRUは、既存のセル再選択優先度を上書きし、専用セル再選択優先度を適用する(ステップ306)。
【0019】
WTRUはまた、専用セル再選択優先度が有効である時間の長さを表すために、専用セル再選択優先度と共にタイマー情報を受信することができる。WTRUが専用セル再選択優先度に関してタイマー情報を受信しない場合には(ステップ308)、方法は終了する(ステップ310)。WTRUが専用セル再選択優先度に対してタイマー情報を受信するなら(ステップ308)、タイマーが始動される(ステップ312)。タイマーが満了すると(ステップ314)、専用セル再選択優先度がもはや有効でないことを意味する。
【0020】
WTRUがいずれの専用セル再選択優先度をも受信していない場合(ステップ304)、またはタイマーが満了した場合(ステップ314)には、WTRUはSI更新を受信することを待つ(ステップ316)。SI更新を受信した後にWTRUは、既存のセル再選択優先度をSI更新中に含まれている情報により上書きし(ステップ318)、そして方法は終了する(ステップ310)。
【0021】
(3)タイマー情報。WTRUにシグナリングされるセル再選択優先度と共に、有効性時間(validity time)と呼ばれる随意的パラメータが定義され、これがセル再選択優先度をどれだけの間保持することができるかをWTRUに伝える。タイマーが満了すると、セル再選択優先度情報は廃棄される。一実施形態においては、タイマーはWTRUによって受信された専用セル再選択優先度に適用されるのみである。別の実施形態においては、WTRUが接続モードに入ったとき、タイマーが始動される。
【0022】
タイマーが満了すると、WTRUはSIを再読するか、または新規のセル再選択優先度を提供するようネットワークに要求する。あるいはタイマーが満了すると、WTRUは次の利用可能なSI読み出しの機会を待ってセル再選択優先度を更新する。有効性タイマーが動いている間は、WTRUが専用セル再選択優先度を受信したなら、WTRUのセル再選択優先度を上書きすることができる。
【0023】
図4は、タイマーに関連してセル再選択優先度情報を更新するための方法400のフロー図である。WTRUがセル再選択優先度を受信している状態にて方法は開始する(ステップ402)。WTRUはまた、タイマー情報を受信し(ステップ404)、そしてこの情報に基づきタイマーを始動する(ステップ406)。タイマーが満了したかの判定が為される(ステップ408)。タイマーが満了した場合に、WTRUは、3つの内の1つのオプションを有する。すなわち:即時にWTRUがSIを再読する(ステップ410)か、WTRUが次の定期的機会を待ってSIを読み出す(ステップ412)か、またはWTRUがネットワークから新規のセル再選択優先度情報を要求する(ステップ414)か、である。WTRUは、新規のセル再選択優先度情報を受信した後、その新規のセル再選択優先度情報を適用し(ステップ416)、そして方法は終了する(ステップ418)。
【0024】
タイマーが満了していないなら(ステップ408)、WTRUが専用セル再選択優先度を受信したかの判定が為される(ステップ420)。タイマーが満了していないなら、タイマーが満了する(ステップ408)か、またはWTRUが専用セル再選択優先度を受信する(ステップ420)までWTRUは待つ。WTRUが専用セル再選択優先度を受信した場合には(ステップ420)、新規のセル再選択優先度情報を適用し(ステップ422)、そしてタイマーをリセットする(ステップ424)。
【0025】
(4)セル再選択優先度の範囲。セル再選択優先度の範囲は、いくつかの列挙された値を持つ単純変数として定義することができる。例えば、列挙された値は以下を含むことができる。すなわち:(a)1つのPLMN(Public Land Mobile Network:公衆移動通信網)内でのみ有効、または(b)多くのPLMNに亘って有効、である。別の例として、列挙された値は以下を含むことができる。すなわち:(a)1つのトラッキング・エリア(Tracking Area)内でのみ有効、(b)多くのトラッキング・エリアに亘って有効、(c)1つのLTE周波数レイヤー内でのみ有効、または(d)いくつかのLTE周波数レイヤー(MBSFN(Multicast−Broadcast Single Frequency Network)の場合、そうでない場合)の中で有効、である。セル再選択優先度の範囲の定義には、WTRUが新規のセル再選択優先度を何時読むべきかを知るための情報が含まれる。
【0026】
(5)WTRUがSIB(System Information Block:システム情報ブロック)を読み出すよう強いるRRCメッセージ。RRCメッセージを使用することにより、新規のセル再選択優先度情報を獲得するために、WTRUにSIBを読み出すよう強いることができる。WTRUに自身のセル再選択優先度情報を更新するよう強いるために既存のRRCメッセージを使用することもまたできる。例えばWTRUが待機モードに入るとき、RRC接続解放(release)または拒絶メッセージが、SIBを読み出すようにWTRUに強いることができる簡単な列挙されたIE(Information Element:情報要素)を含むことができる。
【0027】
一実施形態において、WTRUが待機モードにありそしてSIが変化したなら、ネットワークは、ページング・メッセージのような新規のRRCメッセージをWTRUに送り、新規のSIを獲得するためにWTRUにSIBを読み出すよう強いることができる。セル再選択優先度が変化するかどうかは、SIが変化する場合がある1つの理由である:しかしながら、何れの理由でもSIは変化する場合がある。
【0028】
待機モードおよび接続モードの間の移動性状態取り扱い
LTEにおいては3つの移動性状態が定義されている。すなわち:通常状態、中間状態、および高速状態である。現在の3GPP LTE仕様(TS36.304)においては、待機モードにおけるLTE WTRU移動性状態は、時間期間TCRmaxの間に経験したセル再選択の数ならびに閾値の値NCR_HおよびNCR_Mに対する比較に基づき判定される。接続モードにおいては、ハンドオーバーの数が移動性の指標として使用される。
【0029】
上記の条件を与えられると、待機モードおよび接続モードの間で移動性状態を保持するかまたは維持するために、移動性状態およびそれらの定量的/選抜的(quantifying/qualifying)パラメータの間の関係が提案される。例えば、待機モードにおけるX個のセル再選択を、接続モードにおけるY個のハンドオーバーに対応付ける、また逆のことができる。セル再選択の数をハンドオーバーの数に、またはハンドオーバーの数をセル再選択の数に対応付けることにより、地理的なセルの大きさを反映することができる。
【0030】
LTE WTRUモード間の移動性状態の直接変換
待機モードおよび接続モードの間のWTRU移動性状態に対する直接的対応付けを定義するためのいくつかの規則が提案される。
【0031】
(1)対称同一状態の直接的対応付け。一般に、待機モードにおける状態Aが接続モードにおける状態Aに対応する。例えば、待機モードの通常状態は接続モードの通常状態に対応し、待機モードの中間状態は接続モードの中間状態に対応し、そして待機モードの高速状態は接続モードの高速状態に対応する。WTRUがモードを変化させる(待機から接続に、または接続から待機に)とき、WTRUの移動速度が同一のままであるため、この解決方法は有益であるかもしれない。
【0032】
(2)非対称状態の直接的対応付け。一般に、待機モードにおける状態Aが接続モードにおける状態Bに対応し、またはその逆の場合がある。例えば、待機モードの通常状態は接続モードの中間状態に対応し、待機モードの中間状態および高速状態の両方が接続モードの高速状態に対応する。後者の対応付けは、接続モードにおいては測定要件がより厳しいと仮定し、その結果待機モードにおける低速移動性状態を接続モードにおいてはより高速の移動性状態に変換する。測定要件が待機モードにおいてより厳しいなら、接続モードにおけるより高速の移動性状態は、待機モードにおいてはより低速の移動性状態に対応付けることができ、例えば接続モードの通常状態が待機モードの中間状態に対応し、接続モードの中間状態および高速状態の両方が待機モードの高速状態に対応する。
【0033】
(3)移動性状態のリセット。あるいは、WTRUがモードを変更するときには、その前のモードにおいてのWTRUの移動性状態の如何にかかわらず、WTRUは自身の移動性状態を静止移動性状態または通常移動性状態にリセットすることができる、
図5はWTRUがRRCモードを変更するときに、WTRUの移動性状態を変換するための方法500のフロー図である。方法500は、WTRUがあるRRCモードにおける移動性状態にて動作している状態にて開始する(ステップ502)。例えばWTRUは、待機モードにて低速移動性状態において動作している場合がある。WTRUは、RRCモードを例えば待機モードから接続モードに変更する(ステップ504)。2つのRRCモードの間でWTRUの移動性状態を対応付けることができる(ステップ506)か、またはRRCモードの変更に際して移動性状態をリセットすることができる(ステップ508)。新規の移動性状態が、その時点のRRCモードに適用され(ステップ510)、そして方法は終了する(ステップ512)。
【0034】
WTRUモード変更の間の移動性状態の引き継ぎおよび状態調整
この方法では、WTRUがRRC動作モードを変更する(すなわち待機モードおよび接続モードの間で)ときには、移動性状態を以下のように取り扱うことを提案する。
【0035】
(1)RRCモードが変化したときの、最初の移動性状態の引き継ぎ。
(2)前のモード(例えば待機モード)にて引き継いだパラメータ値から新しいモード(例えば接続モード)におけるパラメータ値への、次の短い期間(short period)での、引き続く変換による移動性状態の調整。「短い期間(short period)」とは、WTRUがその間にRRCモード間のパラメータ値を変換し終える必要がある、予め定義された期間である。この短い期間は、WTRUにとって既知である場合があり、またはネットワークによりWTRUにシグナリングされる場合がある。
(a)状態の閾値(すなわち相当するHO(HandOver:ハンドオーバー)閾値に対するNCR_HまたはNCR_M)、時間期間、およびその時点のセルの再選択(CR:cell reselection)またはHO計数値、に対して、1つのRRCモードから他のモードへ移動性状態のパラメータを変換するために、システムの構成設定可能な変換係数(すべてのパラメータに対して1つ、または各パラメータに対して1つ)を定義。一例として、
CR_H=FACCR_HO_H×NHO_H 式(1)
CR_M=FACCR_HO_M×NHO_M 式(2)
のように、NCR_HおよびNCR_M閾値をCRおよびHOに関して換算するために(HOに対する変数はNHO_HおよびNHO_Mである場合がある)、変換係数FACCR_HO_HおよびFACCR_HO_Mを採用する。
CRおよびHOの間でTMaxHystを変換するために、係数FACT_CR_HOを使用することができる。
MaxHyst-CR=FACT_CR_HO×TMaxHyst-HO 式(3)
(b)あるいは、状態閾値および時間期間を維持するが、CRおよびHOの間の計数値を変換。したがって、WTRUのRRCモードが変化するとき(待機モードから接続モードへ、またはその逆の場合)には、変換係数(FACCR_HO_COUNT)が必要である。例えば状態変化の前での計数値は、それぞれCountHOおよびCountCRである。状態が変化したときには、変換係数FACCR_HO_COUNTが、値を変換するために適用される。
CountHO=CountHO×FACCR_HO_COUNT 式(4)
CountCR=CountCR×FACCR_HO_COUNT 式(5)
結果としての新しい換算後の計数値は、新規状態において変化しない閾値と比較するために使用することができる。例えば換算後のCountCRは換算されないNCR_H閾値と比較される。
【0036】
ネットワーク依存の移動性状態割り付け
RRCモードが変化したとき、検出されたまたは報告されたWTRU移動性状態に基づき、ネットワークがWTRUに対して移動性状態を割り付けることができる。割り付けられた移動性状態は一時的である場合があり、新規パラメータを使用して後で調整することができる。
【0037】
(1)WTRUは、RRCメッセージを送ることによって自身の移動性状態を報告する。WTRUは、予め定められた時間期間の間自身のその時点の移動性状態を保持するか、またはWTRUは、上で説明された方法の1つを使用してこの期間の間に移動性状態を調整する。この目的のために、既存のRRCメッセージ(例えばRRC−Connection−ReqまたはRRC−Re−Establishment−Req)の1つを使用することができ、または他の新規のまたは既存のRRCメッセージを定義し、または修正することができる。WTRUはRRCモードを変更したとき、自身の移動性状態を報告する。
【0038】
(2)ネットワークは次に、別のRRCメッセージ(例えば、RRC−Connection−Setup、Re−Establishment−Resp、HO−Command、RRC−Connection−Release、または他の任意の定義されたまたは修正されたRRCメッセージ)によりその移動性状態をWTRUに割り付け、または通知する。
【0039】
(3)WTRUがネットワークと接続を確立したとき、待機モードから計算された移動性状態と共に移動性状態要求メッセージをWTRUが送るように、RRCメッセージを定義することができる。ネットワークは、WTRUが有するべきであると自身が考える移動性状態と共に、移動性状態確認メッセージを送り返す。この期間の間に、WTRUは何れの移動性計算をも実行する必要はない場合がある。
【0040】
図6は、WTRUがRRCモードを変更するときに、ネットワークによりWTRUの移動性状態を割り付けるための方法600のフロー図である。WTRUがあるRRCモードにてある移動性状態にて動作している状態にて、方法600は開始する(ステップ602)。例えばWTRUは、待機モードにて、低速移動性状態において動作している場合がある。WTRUは、RRCモードを例えば待機モードから接続モードに変更する(ステップ604)。
【0041】
WTRUは、その時点の移動性状態をネットワークに報告する(ステップ606)。あるいは、WTRUは、ネットワークが新規の移動性状態を自身に割り付けるよう要求することができる(ステップ608)。WTRUは、ネットワークからの発出によりまたはWTRUからの要求に応答して、新規の移動性状態を受信する(ステップ610)。新規の移動性状態は、その時点のRRCモードに適用され(ステップ612)、そして方法が終了する(ステップ614)。
【0042】
S指標P補正
セル選択指標Sは:
Srxlev>0 式(6)
ここで、
Srxlev=Qrxlevmeas−(Qrxlevmin−Qrxlevminoffset)−P補正 式(7)、
のときに満足される。
【0043】
ここで、Srxlevは、セル選択受信信号レベル値のdBでの値であり、Qrxlevmeasは、測定されたセルの受信信号レベル値(RSRP)であり、Qrxlevminは、そのセルにおける最低必要受信信号レベル(dBmの)であり、そしてQrxlevminoffsetは、立ち入ったPLMNにて通常キャンプする間に、より高い優先度のPLMNに対する周期的な検索の結果として、セルがセル選択のために評価されるときにのみ適用される。
【0044】
UMTSにおいては、P補正パラメータ(これは例えば、max(UE_TXPWR_MAX_RACH−P_MAX,0)と定義することができる)は、セル測定値のためにアップリンク干渉を考慮に入れるために使用される。UMTSにおいては、各WTRUのアップリンク電力は別のWTRUの干渉になる。最大の許容アップリンク送信電力(UE_TXPWR_MAX_RACH)が高いときには、それはまたアップリンク干渉も高いということを含意する。したがってそれは、セル選択またはセル再選択に関してS指標に対して不都合な要因として現れる(すなわちS指標を満たすためには、Qrxlevmeasはより強力である必要がある)。
【0045】
LTEにおいては、サブ・キャリア間のセル間干渉は無いかまたは非常に低いと推定される。したがって、アップリンクRACHに関してのWTRU間の干渉は、無視できる程度に小さいと想定される(この場合)。以下のオプションが提案される。
【0046】
(1)式(8)から次のようにP補正項を除去。すなわち、
Srxlev=Qrxlevmeas−(Qrxlevmin−Qrxlevminoffset) 式(8)。
rxlevminoffsetの値は、P補正の値を予め補正するべきであり、P補正が必要でないようにQrxlevminoffsetを定義することができることを意味する。
【0047】
(2)式(7)におけるP補正項が、両方向においてSrxlevに影響することを可能とする。すなわち、QrxlevmeasがS指標を満足するために、より強いかまたはより弱いことが必要である。P補正=(UE_TXPWR_MAX_RACH−P_MAX)のように設定する。その結果、UE_TXPWR_MAX_RACHがWTRUのP_MAXより大きいことをシステムが公表したなら、P補正は正(positive)であり、条件Srxlev>0を満たすようQrxlevmeasがより高いことが必要である。UE_TXPWR_MAX_RACHがWTRUのP_MAXより小さいなら、P補正は負(negative)であり、条件Srxlev>0を満たすようQrxlevmeasがより低いことが必要である(P補正=max(UE_TXPWR_MAX_RACH−P_MAX、0)である、UMTSにおける場合とは対照的に)。これは、UE_TXPWR_MAX_RACHがWTRUのP_MAXより小さいときに、P補正が0であり、その結果この式に寄与しないことを意味する。
【0048】
(3)P補正に対する別のオプションは、WTRUがLTEセルにおいて測定する経路損失(eNBからの距離、すなわち、経路損失=CELL_TX_POWER−Qrxlevmeas)とアップリンク補正を均衡させることである。従って経路損失の値が大きければ大きいほど、S指標への補正は、ますます強くまたは弱くなる。式(7)におけるSrxlev式に対して、P補正=補正(compensate)(経路損失、ネットワークまたはシステムで定義された補正値表(comp−value−table))であり、ここで補正(compensate)とは、その時点のWTRUの経路損失およびネットワーク定義の補正ベクトルに基づき補正値を返す何れかの関数であることができる。
【0049】
経路損失に関しての補正値対応付けに対する2つの例は以下の通りである。
(a)P補正値が経路損失値の関数からもたらされる。
P補正=(a×経路損失)+b 式(9)。
【0050】
ここでaは換算係数、そしてbは補正値(offset)である。aおよびbは両方とも、任意の正または負数、分数、または0であることができる。これが測定経路損失の範囲に適用して線形である(すなわち、aとbは全体にわたって常に一つの値である)か、または離散的であることができることに注意されたい。例えば、30および40dBの間の経路損失測定値に関しては、aは2/3そしてbは4であり、一方40および50dBの間の経路損失測定値に関しては、aは3/4でありそしてbは5である、など。
【0051】
経路損失値は、その時点の測定値(すなわち、Qrxlevmeasと共に、言うなればn番目の)または一つ前の測定値(言うなればn−1番目の)に基づき、可能なジッタ−(jittering)を平坦化する。aおよびbの値は、RRCシグナリング、SIBシグナリング、を通してWTRUにシグナリングすることができるか、仕様的に予め定義することができるか、またはその値によりWTRUを予め設定することができる。
【0052】
(b)P補正値が、次のような、規格で定義されたまたはネットワークによって公開された対応付け表から獲得(SIを介して)される。
【0053】
【表1】
【0054】
他の値または表をもまた使用することができる。
【0055】
カバー範囲拡張加入
CSGカバー範囲(coverage)拡張とは、マクロ・セルのカバー範囲を拡張するためにCSGセルを使用することができる場合には、特定の場所にCSGセルを置き、マクロ・セルがサービスを提供できない領域にサービスを提供することができるということを意味する。ネットワーク運用者(operator)は、カバー範囲拡張目的のためにCSGセルを配備することができる。一部のユーザーがこのサービスに加入する場合があり、そして他のものには加入しない場合がある。
【0056】
WTRUは、ユーザー/WTRUのこれらのサービスに対する加入状態を表す構成設定可能なパラメータ(例えば1ビット)を持つことができる。このパラメータを構成設定するためにネットワークは、NAS(Non−Access Stratum:非アクセス・ストレータム)、RRC、またはOMA(Open Mobile Alliance) Device Managementシグナリングの内の少なくとも1つを使用することができる。WTRUにおいてはこのパラメータを非揮発性メモリ中に、UICC(Universal Integrated Circuit Card)(例えばUSIM(Universal Subscriber Identity Module)またはLTEの等価な物)中に、またはWTRUの中のどこか他の場所(例えば読み出し専用メモリ(Read−Only Memory))に、格納することができる。
【0057】
WTRUは、カバー範囲拡張パラメータを使用して、自身がカバー範囲拡張CSGセル(これはまた、ハイブリッド・セルと呼ぶことができる)へのアクセス権を有するか否かを判定することができる。カバー範囲拡張CSGセルを検出(待機モードまたは接続モードにおいて)したWTRUは、WTRUの中のカバー範囲拡張パラメータがカバー範囲拡張サービスに対して有効な加入を表す(例えば設定されたビットにより)なら、そのCSGセルへのアクセス権を自身が有すると判定することができる。WTRUは、以下の内の少なくとも1つを使用してセルがカバー範囲拡張CSGセルであることを検出することができる。
【0058】
(1)システム情報(例えば、SIB1)上の1ビットのCSG表示子(indicator)が真(true)に設定されている。
【0059】
(2)Physical Cell IDがCSGセルに対応する。
【0060】
(3)システム情報(例えば、SIB1)上のブロードキャスト・チャンネル上の表示子(例えば1ビット)が、セルがカバー範囲拡張のためのものであることを表している(例えば1ビットの表示子または公開/非公開のCSGセル表示子)。カバー範囲拡張表示子は、随意的ビットである場合、CSG表示子が「真」に設定される場合にのみ存在する場合、または必須である場合がある。
【0061】
(4)カバー範囲拡張CSGセルに対応する物理セル(Physical Cell)ID。
【0062】
有効なカバー範囲拡張CSGセルを持つWTRUは、アクセス可能性を確認するために自身のホワイト・リストにおいてカバー範囲拡張CSGセルのCSG IDの存在を確認する必要はないであろうし、そして自身のホワイト・リスト上のCSG IDを確認することなく、そのようなカバー範囲拡張CSGセルを選択/再選択/ハンドオーバーをすることができるであろう。有効なカバー範囲拡張加入を持つWTRUは、アクセス可能なカバー範囲拡張CSGセルのCSG IDを自身のホワイト・リストに自動的に追加することができる。
【0063】
有効なカバー範囲拡張加入のない(構成設定可能なパラメータのある値、例えばあるビットが設定されていないこと、により表される)WTRUは、カバー範囲拡張CSGセルにアクセスすることはできないであろう。しかしながらそのようなWTRUは、カバー範囲拡張CSGセルのCSG IDが自身のホワイト・リストにおいてプログラムされているなら、このセルにアクセス権を有することができる。
【0064】
(実施形態)
1.無線送受信ユニット(wireless transmit receive unit)においてセル再選択優先度を適用するための方法であって、セル再選択優先度を受信して適用するステップと、前記セル再選択優先度に関連するタイマー情報を受信するステップと、前記受信されたタイマー情報に基づきタイマーを始動するステップと、前記タイマーが満了するという条件にて、新規のセル再選択優先度を獲得するステップと、前記新規のセル再選択優先度を適用するステップとを含むことを特徴とする方法。
【0065】
2.前記獲得するステップが、即時にシステム情報を再読して前記新規のセル再選択優先度を獲得するステップを含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
【0066】
3.前記獲得するステップが、次の定期的機会にてシステム情報を再読して前記新規のセル再選択優先度を獲得するステップを含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
【0067】
4.前記獲得するステップが、前記新規のセル再選択優先度を要求するステップを含むことを特徴とする実施形態1に記載の方法。
【0068】
5.前記タイマーが満了していないという条件にて、新規のセル再選択優先度を受信したかを判定するステップと、新規のセル再選択優先度を受信したという条件にて、前記新規のセル再選択優先度を適用するステップと前記受信されたタイマー情報に基づき前記タイマーをリセットするステップとをさらに含むことを特徴とする実施形態1〜4の内の1つに記載の方法。
【0069】
6.無線送受信ユニット(wireless transmit receive unit)においてセル再選択優先度を適用するための方法であって、セル再選択優先度を受信して適用するステップと、前記セル再選択優先度の範囲に関する情報を受信するステップと、前記範囲情報によって表された時間に新規のセル再選択優先度を読み出すステップとを含むことを特徴とする方法。
【0070】
7.前記範囲情報が、列挙された値を有する変数を含むことを特徴とする実施形態6に記載の方法。
【0071】
8.前記列挙された値が、1つの公衆移動通信網(public land mobile network)内で有効、多くの公衆移動通信網に亘って有効、1つのトラッキング・エリア内で有効、多くのトラッキング・エリアに亘って有効、1つの周波数レイヤー内で有効、多くの周波数レイヤー内で有効、の内の1つであることを特徴とする実施形態7に記載の方法。
【0072】
9.動作モードの間でWTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)の移動性状態を変換するための方法であって、第1の動作モードにおいて前記WTRUの移動性状態を判定するステップと、前記第1の動作モードにおける前記移動性状態を第2の動作モードにおける第2の移動性状態に対応付けるステップと、前記WTRUを前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへ遷移させるステップと、前記第2の移動性状態を前記第2の動作モードに適用するステップとを含むことを特徴とする方法。
【0073】
10.前記対応付けるステップが、前記第1の動作モードにおける前記移動性状態を前記第2の動作モードにおいて同一の移動性状態に対応付けるステップを含むことを特徴とする実施形態9に記載の方法。
【0074】
11.前記対応付けるステップが、前記第1の動作モードにおける前記移動性状態を前記第2の動作モードにおいて異なった移動性状態に対応付けることを含むことを特徴とする実施形態9に記載の方法。
【0075】
12.動作モードの間でWTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)の移動性状態を変換するための方法であって、第1の動作モードから第2の動作モードへ前記WTRUを遷移させるステップと、前記WTRUを前記第2の動作モードに遷移させるステップに応答して、前記移動性状態を静止状態または通常移動性状態にリセットするステップとを含むことを特徴とする方法。
【0076】
13.WTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)に移動性状態を割り付けるための方法であって、第1の動作モードから第2の動作モードへ前記WTRUを遷移させるステップと、前記第2の動作モードにおける移動性状態をネットワークに報告するステップと、前記ネットワークから新規の移動性状態を受信するステップと、前記新規の移動性状態を前記第2の動作モードに適用するステップとを含むことを特徴とする方法。
【0077】
14.前記報告するステップが、RRC(Radio Resource Control:無線リソース制御)メッセージを送るステップを含むこと、および前記受信するステップが、RRCメッセージを受信するステップを含むことを特徴とする実施形態13に記載の方法。
【0078】
15.前記新規の移動性状態を要求するステップをさらに含むことを特徴とする実施形態13または14に記載の方法。
【0079】
16.前記要求するステップが、前記報告するステップと同時に実行されることを特徴とする実施形態15に記載の方法。
【0080】
17.前記要求するステップが、前記報告するステップの後に実行されることを特徴とする実施形態15に記載の方法。
【0081】
18.WTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)がCSG(Closed Subscriber Group)セルにアクセスできるかを判定するための方法であって、CSG加入状態を受信するステップと、前記CSG加入状態を格納するステップと、CSGセルを検出するステップと、前記格納されたCSG加入者状態を精査して前記WTRUが前記検出されたCSGセルにアクセスできるかを判定するステップとを含むことを特徴とする方法。
【0082】
19.前記検出するステップが、前記CSGセルがカバー範囲拡張CSGセルであるかを検出するステップを含むことを特徴とする実施形態18に記載の方法。
【0083】
20.前記検出するステップが、システム情報中の表示子を精査するステップを含むことを特徴とする実施形態18または19に記載の方法。
【0084】
21.前記検出するステップが、前記検出されたCSGセルの物理セル識別子を精査するステップを含むことを特徴とする実施形態18または19に記載の方法。
【0085】
22.前記WTRUが前記検出されたCSGセルにアクセスすることができるという条件にて、前記WTRUにて格納されたアクセス可能セルのホワイト・リストに前記検出されたCSGセルの識別子を追加するステップと、前記検出されたCSGセルにアクセスするステップとをさらに含むことを特徴とする実施形態18〜21の内の1つに記載の方法。
【0086】
23.前記WTRUが前記検出されたCSGセルにアクセスすることができないという条件にて、前記検出されたCSGセルの前記識別子が前記WTRUにて格納されたアクセス可能セルのホワイト・リスト中にあるかを判定するステップと、前記検出されたCSGセルの前記識別子が前記ホワイト・リスト中にあるという条件にて、前記検出されたCSGセルにアクセスするステップとをさらに含むことを特徴とする実施形態18〜21の内の1つに記載の方法。
【0087】
24.実施形態1〜23の内の1つに記載の方法を実行するように構成されることを特徴とする無線送受信ユニット(wireless transmit receive unit)。
【0088】
特徴および要素が上で特定の組み合わせにて記述されているが、それぞれの特徴または要素は、他の特徴および要素なしで単独にて、または他の特徴および要素のあるなしに拘わらず様々な組み合わせにて使用することができる。ここに提供される方法またはフロー図は、汎用目的のコンピューターまたは処理装置による実行のための、コンピューターにて読み取り可能な記憶装置媒体に組み込まれたコンピューター・プログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにて実施することができる。コンピューターにて読み取り可能な記憶装置媒体の例としては、ROM(Read Only Memory:リード・オンリー・メモリ)、RAM(Random Access Memory:ランダム・アクセス・メモリ)、レジスター、キャッシュ・メモリ、半導体メモリ・デバイス、内蔵ハード・ディスクおよび着脱可能ディスクなどの磁気媒体、磁気−光学媒体、ならびにCD−ROMディスクおよびDVD(Digital Versatile Disk:デジタル多用途ディスク)などの光学媒体が含まれる。
【0089】
適当な処理装置の例としては、汎用目的処理装置、専用目的処理装置、従来の処理装置、DSP(Digital Signal Processor:デジタル信号処理装置)、複数のマイクロ処理装置、DSPコアに関連付けられた1つまたは複数のマイクロ処理装置、制御装置、マイクロ制御装置、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向けIC)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、他の何れかの種別のIC(Integrated Circuit:集積回路)、および/または状態マシンが含まれる。
【0090】
WTRU(Wireless Transmit Receive Unit:無線送受信ユニット)、UE(User Equipment:ユーザー機器)、端末、基地局(base station)、RNC(Radio Network Controller:無線ネットワーク制御装置)、または任意のホスト・コンピューターにおいて使用するための無線周波数送受信機を実施するために、ソフトウェアに関連付けられた処理装置を使用することができる。WTRUは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにて実施され、カメラ、ビデオ・カメラ・モジュール、テレビ電話、スピーカーフォン、振動デバイス、スピーカー、マイクロホン、テレビ送受信機、ハンズフリー受話器、キーボード、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))モジュール、FM(Frequency Modulated:周波数変調された)無線ユニット、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示)表示ユニット、OLED(Organic Light−Emitting Diode:有機発光ダイオード)表示ユニット、デジタル音楽プレーヤー、メディア・プレーヤー、テレビゲーム・プレーヤー・モジュール、インターネット・ブラウザー、ならびに/または任意のWLAN(Wireless Local Access Network:無線LAN)モジュールまたはUWB(Ultra Wide Band:超広帯域)モジュールなどのモジュールと連動して使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6