(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883091
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】セミパーシステントスケジューリングデータパケットの確認応答情報をフィードバックする方法、装置、基地局、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20160225BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20160225BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04W72/04 131
H04W28/04
【請求項の数】30
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-173598(P2014-173598)
(22)【出願日】2014年8月28日
(62)【分割の表示】特願2013-251090(P2013-251090)の分割
【原出願日】2009年4月27日
(65)【公開番号】特開2014-220853(P2014-220853A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2014年9月26日
(31)【優先権主張番号】200810217254.3
(32)【優先日】2008年11月5日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ファン、シャオアン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、グァン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ボー
(72)【発明者】
【氏名】ホウ、ユンチェ
【審査官】
松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】
NEC Group,DL Multiplexing for Persistent and Dynamic scheduling,R1-073460,フランス,3GPP,2007年 8月15日,paragraph 2-4
【文献】
Samsung,ACK/NAK Repetitions in E-UTRA UL,R1-082303,フランス,3GPP,2008年 6月25日,paragraph 3
【文献】
Huawei,Remaining issues on PDCCH for semi-persistent scheduling,R1-083691,フランス,3GPP,2008年 9月24日,paragraph 2.3
【文献】
Texas Instruments,On remaining issues of TDD ACK/NAK transmission on PUSCH,R1-083525,フランス,3GPP,2008年 9月24日,paragraph 2.2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(UE)がセミパーシステントスケジューリング(SPS)データパケットの確認応答情報をフィードバックする方法であって、
前記ユーザ装置のために基地局によってスケジュールされる物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)データパケットの数Nを取得することと、
ここで、スケジュールされる前記PDSCHデータパケットは、少なくとも1つのSPSデータパケットと、少なくとも1つの非SPSデータパケットとを含み、Nは、正の整数であり、かつ、N≧2であり、
前記ユーザ装置のためにスケジュールされるN個の前記PDSCHデータパケットに対するN個の確認応答/否定応答(ACK/NAK)を含むフィードバック信号を形成することと、
ここで、前記フィードバック信号は、前記少なくとも1つのSPSデータパケットに対する少なくとも1つのACK/NAKと、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する少なくとも1つのACK/NAKとを含み、前記少なくとも1つのSPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKは、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKの後に配置され、
前記基地局に前記フィードバック信号を送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのSPSデータパケットの数はkであり、kは正の整数であり、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKは、前記フィードバック信号において、N個のACK/NAKのうちの1番目の位置から(N−k)番目までの位置に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局から下りリンクデータ割り当てインジケーター(DL DAI)を受信することをさらに含み、ここで、DL DAIの値は、PDSCHデータパケットが前記N個のPDSCHデータパケットのM番目(1≦M≦N−k)の非SPSデータパケットであることを示し、Mは正の整数であり、
前記M番目の非SPSデータパケットに対するACK/NAKは、前記N個のACK/NAKのうちのM番目の位置に配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記SPSデータパケットは、リソーススケジューリングインデックスを有さないデータパケットを含むデータパケットであり、前記非SPSデータパケットは、リソーススケジューリングインデックスを有するデータパケットを含むデータパケットである、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
スケジュールされる前記PDSCHデータパケットは、1つのSPSデータパケットを含み、前記SPSデータパケットに対する前記ACK/NAKは、前記フィードバック信号において前記N個のACK/NAKの最後の位置に配置される、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置は、正順又は逆順に、あるいはSPSデータパケットの到着順序に従って、k個のSPSデータパケットの確認情報を配列するために使用される、請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ装置のために前記基地局によってスケジュールされる前記PDSCHデータパケットの前記数Nを取得することは、
上りリンクデータ割り当てインジケーター(UL DAI)と前記PDSCHデータパケットとを前記基地局から受信することを含み、
ここで、UL DAIは、スケジュールされるPDSCHデータパケットの数Nを示す、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ装置のために基地局によってスケジュールされる物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)データパケットの数Nを取得するように構成された受信ユニットと、
ここで、スケジュールされる前記PDSCHデータパケットは、少なくとも1つのSPSデータパケットと、少なくとも1つの非SPSデータパケットとを含み、Nは、正の整数であり、かつ、N≧2であり、
前記ユーザ装置のためにスケジュールされるN個の前記PDSCHデータパケットに対するN個の確認応答/否定応答(ACK/NAK)を含むフィードバック信号を形成するように構成された処理ユニットと、
ここで、前記フィードバック信号は、前記少なくとも1つのSPSデータパケットに対する少なくとも1つのACK/NAKと、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する少なくとも1つのACK/NAKとを含み、前記少なくとも1つのSPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKは、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKの後に配置され、
前記基地局に前記フィードバック信号を送信するように構成されたフィードバックユニットと
を備える、ユーザ装置(UE)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのSPSデータパケットの数はkであり、kは正の整数であり、前記処理ユニットは、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKが、前記フィードバック信号において、N個のACK/NAKのうちの1番目の位置から(N−k)番目までの位置に配置されるように更に構成された、請求項8に記載のUE。
【請求項10】
前記受信ユニットは、前記基地局から下りリンクデータ割り当てインジケーター(DL DAI)を受信するように更に構成され、ここで、DL DAIの値は、PDSCHデータパケットが前記N個のPDSCHデータパケットのM番目(1≦M≦N−k)の非SPSデータパケットであることを示し、Mは正の整数であり、
前記M番目の非SPSデータパケットに対するACK/NAKは、前記N個のACK/NAKのうちのM番目の位置に配置される、請求項9に記載のUE。
【請求項11】
前記SPSデータパケットは、リソーススケジューリングインデックスを有さないデータパケットを含むデータパケットであり、前記非SPSデータパケットは、リソーススケジューリングインデックスを有するデータパケットを含むデータパケットである、請求項8〜請求項10の何れか1項に記載のUE。
【請求項12】
スケジュールされる前記PDSCHデータパケットは、1つのSPSデータパケットを含み、前記SPSデータパケットに対する前記ACK/NAKは、前記フィードバック信号において前記N個のACK/NAKの最後の位置に配置される、請求項8〜請求項11の何れか1項に記載のUE。
【請求項13】
(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置は、正順又は逆順に、あるいはSPSデータパケットの到着順序に従って、k個のSPSデータパケットの確認情報を配列するために使用される、請求項9〜請求項11の何れか1項記に載のUE。
【請求項14】
前記受信ユニットは、上りリンクデータ割り当てインジケーター(UL DAI)と前記PDSCHデータパケットとを前記基地局から受信するように更に構成され、
ここで、UL DAIは、スケジュールされるPDSCHデータパケットの数Nを示す、請求項8〜請求項13の何れか1項に記載のUE。
【請求項15】
基地局(BS)がセミパーシステントスケジューリング(SPS)データパケットの確認応答情報を受信する方法であって、
ユーザ装置のために基地局によってスケジュールされる物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)データパケットの数Nを送信することと、
ここで、スケジュールされる前記PDSCHデータパケットは、少なくとも1つのSPSデータパケットと、少なくとも1つの非SPSデータパケットとを含み、Nは、正の整数であり、かつ、N≧2であり、
前記ユーザ装置のためにスケジュールされるN個の前記PDSCHデータパケットに対するN個の確認応答/否定応答(ACK/NAK)を含むフィードバック信号を前記ユーザ装置から受信することと、
ここで、前記フィードバック信号は、前記少なくとも1つのSPSデータパケットに対する少なくとも1つのACK/NAKと、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する少なくとも1つのACK/NAKとを含み、前記少なくとも1つのSPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKは、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKの後に配置され、
を含む、方法。
【請求項16】
SPSアクティベーションシグナリングを送信することと、
NAKを受信した場合に、次回のセミパーシステント伝送においてもう1つのSPSアクティベーションシグナリングを送信すること、又は、SPS再送時にもう1つのSPSアクティベーションシグナリングを送信することと、
を更に含み、
ここで、前記もう1つのSPSアクティベーションシグナリングは、前記SPSアクティベーションシグナリングと同じであるか又は異なる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのSPSデータパケットの数はkであり、kは正の整数であり、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKは、前記フィードバック信号において、N個のACK/NAKのうちの1番目の位置から(N−k)番目までの位置に配置される、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ユーザ装置に下りリンクデータ割り当てインジケーター(DL DAI)を送信することをさらに含み、ここで、DL DAIの値は、PDSCHデータパケットが前記N個のPDSCHデータパケットのM番目(1≦M≦N−k)の非SPSデータパケットであることを示し、
前記M番目の非SPSデータパケットに対するACK/NAKは、前記N個のACK/NAKのうちのM番目の位置に配置される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
スケジュールされる前記PDSCHデータパケットは、1つのSPSデータパケットを含み、前記SPSデータパケットに対する前記ACK/NAKは、前記フィードバック信号において前記N個のACK/NAKの最後の位置に配置される、請求項15〜請求項18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置は、正順又は逆順に、あるいはSPSデータパケットの到着順序に従って、k個のSPSデータパケットの確認情報を配列するために使用される、請求項17〜請求項18の何れか1項に記載の方法。
【請求項21】
上りリンクデータ割り当てインジケーター(UL DAI)と前記PDSCHデータパケットとを前記基地局ユーザ装置に送信することを更に含み、
ここで、UL DAIは、スケジュールされるPDSCHデータパケットの数Nを示す、請求項15〜請求項20の何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
ユーザ装置のために基地局によってスケジュールされる物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)データパケットの数Nを送信するように構成された送信ユニットであって、
スケジュールされる前記PDSCHデータパケットは、少なくとも1つのSPSデータパケットと、少なくとも1つの非SPSデータパケットとを含み、Nは、正の整数であり、かつ、N≧2である、送信ユニットと、
前記ユーザ装置のためにスケジュールされるN個の前記PDSCHデータパケットに対するN個の確認応答/否定応答(ACK/NAK)を含むフィードバック信号を前記ユーザ装置から受信するように構成された受信ユニットであって、
前記フィードバック信号は、前記少なくとも1つのSPSデータパケットに対する少なくとも1つのACK/NAKと、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する少なくとも1つのACK/NAKとを含み、前記少なくとも1つのSPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKは、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKの後に配置される、受信ユニットと、
を備える、基地局。
【請求項23】
前記送信ユニットは、SPSアクティベーションシグナリングを送信するように更に構成され、
前記送信ユニットは、前記受信ユニットがNAKを受信した場合に、次回のセミパーシステント伝送においてもう1つのSPSアクティベーションシグナリングを送信し、又は、SPS再送時にもう1つのSPSアクティベーションシグナリングを送信し、
ここで、前記もう1つのSPSアクティベーションシグナリングは、前記SPSアクティベーションシグナリングと同じであるか又は異なる、請求項22に記載の基地局。
【請求項24】
前記少なくとも1つのSPSデータパケットの数はkであり、kは正の整数であり、前記少なくとも1つの非SPSデータパケットに対する前記少なくとも1つのACK/NAKは、前記フィードバック信号において、N個のACK/NAKのうちの1番目の位置から(N−k)番目までの位置に配置される、請求項22または請求項23に記載の基地局。
【請求項25】
前記送信ユニットは、前記ユーザ装置に下りリンクデータ割り当てインジケーター(DL DAI)を送信するよう更に構成され、ここで、DL DAIの値は、PDSCHデータパケットが前記N個のPDSCHデータパケットのM番目(1≦M≦N−k)の非SPSデータパケットであることを示し、Mは正の整数であり、
前記M番目の非SPSデータパケットに対するACK/NAKは、前記N個のACK/NAKのうちのM番目の位置に配置される、請求項24に記載の基地局。
【請求項26】
スケジュールされる前記PDSCHデータパケットは、1つのSPSデータパケットを含み、前記SPSデータパケットに対する前記ACK/NAKは、前記フィードバック信号において前記N個のACK/NAKの最後の位置に配置される、請求項22〜請求項25の何れか1項に記載の基地局。
【請求項27】
(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置は、正順又は逆順に、あるいはSPSデータパケットの到着順序に従って、k個のSPSデータパケットの確認情報を配列するために使用される請求項24または請求項25の何れか1項に記載の基地局。
【請求項28】
前記送信ユニットは、上りリンクデータ割り当てインジケーター(UL DAI)と前記PDSCHデータパケットとを前記ユーザ装置に送信するように更に構成され、
ここで、UL DAIは、スケジュールされるPDSCHデータパケットの数Nを示す、請求項22〜請求項27の何れか1項に記載の基地局。
【請求項29】
ユーザ装置(UE)によって使用されるプログラムであって、
コンピュータに、
請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【請求項30】
基地局によって使用されるプログラムであって、
コンピュータに、
請求項15〜請求項21の何れか1項に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信に関し、特に、セミパーシステントスケジューリングデータパケットの確認応答情報をフィードバックする方法、装置、基地局、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の3GPP E−UTRAシステムでは、周波数分割複信(FDD)及び時分割複信(TDD)という2つのモードがサポートされている。TDDモードでは、各無線フレームの長さは、10msであり、2つの5msの長さのハーフフレームによって構成される。各ハーフフレームは、8つの0.5msタイムスロットと、3つの特別なフィールド、すなわち、下りリンクパイロットタイムスロット(DwPTS)、ガード期間(GP)、及び上りリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)とによって構成される。2つのタイムスロットがサブフレームを形成し、そして、DwPTS、GP、及びUpPTSは特別なサブフレームを形成する。サブフレームの長さは1msである。
【0003】
現在、3GPP E−UTRAシステムにおいては、複数の下りリンクサブフレームの確認応答又は否定応答(ACK/NAK)を上りリンクサブフレーム内でフィードバックするために、マルチプレクシング及びバンドリングという2つのモードが利用可能である。マルチプレクシングモードでは、ACK/NAKが物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)内でフィードバックされる場合、フィードバックは上りリンク−下りリンク構成に関連し、ACK/NAKが物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)内でフィードバックされる場合、フィードバックされるビットの数は、上りリンクグラント(UL Grant)シグナリングが存在するかどうかによって異なる。UL Grantシグナリングが存在する場合、ユーザ装置(UE)がフィードバックすることを要求されるビットの数は、シグナリング内の上りリンクデータ割り当てインジケーター(UL DAI)フィールドを介して指定される。基地局(BS)が合計N個の下りリンクサブフレームのうちのx個をスケジュールする場合、UEはx個のACK/NAKをフィードバックする。UL Grantシグナリングが存在しない場合、UEは、それらのスケジュールされていない下りリンクサブフレームに対して、Nビット及びNAKをフィードバックする。
【0004】
バンドリングモードでは、全てのスケジュールされた下りリンクサブフレームの詳細を示すために、PUCCH内又はPUSCH内で、1ビットのみのACK/NAK情報がフィードバックされる。1つのスケジュールされた下りリンクサブフレームに対するフィードバックがNAKである限り、最終的なフィードバックはNAKである。全てのスケジュールされた下りリンクサブフレームに対するフィードバックがACKである場合のみ、最終的なフィードバックはACKである。
【0005】
現在のロングタームエボリューション(LTE)プロトコルでは、動的スケジューリング及びセミパーシステントスケジューリング(SPS)という2つのデータスケジューリングモードが規定されている。動的スケジューリングモードでは、各新たなデータパケットが、リソース及び伝送モードを指示するための制御シグナリング−物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)を有する。UEは、下りリンクデータを受信し、BSによって配信されたPDCCHに従って、上りリンクデータを送信する。SPSモードでは、BSは、SPS伝送が活性化される場合のみ、PDCCH制御シグナリングを送信する。UEは、PDCCHによって指示された位置及び時間に従って、SPS伝送を活性化する。UEは、特別なフォーマットの別のPDCCHがSPS伝送を終了させるまでの一定期間内、新たなデータパケットを送信及び受信する。
【0006】
PDCCHは、動的スケジューリング及びセミパーシステントスケジューリングの両方のモードで通知のために使用されるため、UEは、スケジューリングモードが動的スケジューリングであるか又はセミパーシステントスケジューリングであるかを、PDCCHの巡回冗長検査(CRC)における異なるスランブルIDによって区別する。動的スケジューリングモードでは、PDCCHのCRCは、セル無線ネットワーク一時識別子(C−RNTI)を使用してスクランブルされ、セミパーシステントスケジューリングモードでは、PDCCHのCRCは、SPS−C−RNTIを使用してスクランブルされる。UEは、SPS−C−RNTIを使用してスクランブルされたPDCCHを検出した場合、セミパーシステント伝送を活性化し、PDCCH内の指示に従ってデータを受信又は送信する。セミパーシステント伝送が最初に活性化された場合、UEは、それに続く期間内、PDCCHによって指示された位置のみに従ってデータを受信及び送信し、それにより、SPSデータパケットリソースの位置を、毎回PDCCHを介してUEに通知する必要がなくなる。SPSデータの期間が過ぎたときに、SPS−C−RNTIを使用してスクランブルされた特別なフォーマットのPDCCHによってセミパーシステント伝送がキャンセルされるまでの間に、SPSリソースの位置が変更される必要がある場合は、新たなPDCCHが以前のセミパーシステントスケジューリング構成を置き換えるために使用されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来技術における上りリンクACK/NAKマルチプレクシングモードでは、UEによってフィードバックされるK個のACK/NAKの第1の位置は、SPSサブフレームのACK/NAKであり、その他のサブフレームのUL ACK/NAKの位置は、下りリンクデータ割り当てインジケーター(DL DAI)の順序で配列される。UEは、サブフレーム内にデータが検出されない場合、NAKをフィードバックする。UEは、SPSアクティベーションシグナリングを紛失した場合、第1の位置においてNAKをフィードバックする。NAKに基づいて、BSは、制御シグナリングは適切に受信されたが、データが誤っているとみなし、従って、正しくないACK情報を受信する。結果として、BSはPDCCHを再送せず、UEはセミパーシステント伝送の位置を依然として認識せず、それにより、不必要な再送が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の1つの目的は、下りリンクデータのACK情報が適切にフィードバックされることが可能なようにSPSデータパケットのACK情報をフィードバックする、方法
、装置
及びプログラムを提供することである。
【0009】
本発明の実施形態の別の目的は、下りリンクデータのACK情報が適切に受信されることが可能なようにSPSデータパケットのACK情報を受信する、方法
、基地局及びプログラムを提供することである。
【0010】
上述の目的を達成するために、本発明の実施形態は以下の技術的解決法を提供する。
ユーザ装置(UE)がセミパーシステントスケジューリング(SPS)サブフレームの確認応答情報をフィードバックする方法は、ユーザ装置のために基地局によってスケジュールされる物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)サブフレームの数Nを取得することを含み、ここで、スケジュールされるPDSCHサブフレームは、少なくとも1つのSPSサブフレームと、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームとを含み、Nは、正の整数であり、かつ、N≧2である。この方法はまた、ユーザ装置のためにスケジュールされるN個のPDSCHサブフレームに対するN個の確認応答/否定応答(ACK/NAK)を含むフィードバック信号を形成することを含み、ここで、フィードバック信号は、少なくとも1つのSPSサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKと、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKとを含み、少なくとも1つのSPSサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKは、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKの後に配置される。この方法はまた、基地局にフィードバック信号を送信することを含む。
【0011】
上述の目的を達成するために、本発明の実施形態は以下の技術的解決法を提供する。ユーザ装置(UE)は、
ユーザ装置のために基地局によってスケジュールされる物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)サブフレームの数Nを取得するように構成された受信ユニットを備え、ここで、スケジュールされるPDSCHサブフレームは、少なくとも1つのSPSサブフレームと、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームとを含み、Nは、正の整数であり、かつ、N≧2である。また、ユーザ装置は、ユーザ装置のためにスケジュールされるN個のPDSCHサブフレームに対するN個の確認応答/否定応答(ACK/NAK)を含むフィードバック信号を形成するように構成された処理ユニットを備え、ここで、フィードバック信号は、少なくとも1つのSPSサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKと、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKとを含み、少なくとも1つのSPSサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKは、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKの後に配置される。また、ユーザ装置は、基地局にフィードバック信号を送信するように構成されたフィードバックユニットを備える。
【0012】
上述の目的を達成するために、本発明の実施形態は以下の技術的解決法を提供する。
基地局(BS)がセミパーシステントスケジューリング(SPS)サブフレームの確認応答情報を受信する方法は、ユーザ装置のために基地局によってスケジュールされる物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)サブフレームの数Nを送信することを含み、ここで、スケジュールされるPDSCHサブフレームは、少なくとも1つのSPSサブフレームと、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームとを含み、Nは、正の整数であり、かつ、N≧2である。また、この方法は、ユーザ装置のためにスケジュールされるN個のPDSCHサブフレームに対するN個の確認応答/否定応答(ACK/NAK)を含むフィードバック信号を前記ユーザ装置から受信することを含み、ここで、フィードバック信号は、少なくとも1つのSPSサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKと、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKとを含み、少なくとも1つのSPSサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKは、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKの後に配置される。
【0013】
上述の目的を達成するために、本発明の実施形態は以下の技術的解決法を提供する。
基地局は、ユーザ装置のために基地局によってスケジュールされる物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)サブフレームの数Nを送信するように構成された送信ユニットであって、スケジュールされるPDSCHサブフレームは、少なくとも1つのSPSサブフレームと、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームとを含み、Nは、正の整数であり、かつ、N≧2である、送信ユニットと、ユーザ装置のためにスケジュールされるN個のPDSCHサブフレームに対するN個の確認応答/否定応答(ACK/NAK)を含むフィードバック信号をユーザ装置から受信するように構成された受信ユニットであって、フィードバック信号は、少なくとも1つのSPSサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKと、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKとを含み、少なくとも1つのSPSサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKは、少なくとも1つの動的スケジューリングサブフレームに対する少なくとも1つのACK/NAKの後に配置される、受信ユニットとを備える。また、上述の目的を達成するために、ユーザ装置(UE)によって使用されるプログラムであって、コンピュータに、ユーザ装置(UE)がセミパーシステントスケジューリング(SPS)サブフレームの確認応答情報をフィードバックする上述した方法を実行させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上述の目的を達成するために、基地局によって使用されるプログラムであって、コンピュータに、基地局(BS)がセミパーシステントスケジューリング(SPS)サブフレームの確認応答情報を受信する上述した方法を実行させるためのプログラムが提供されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比較して、本発明の実施形態は以下の相違と利益とを有する。下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKは、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目までのACK/NAKまでの位置にマッピングされる。この場合、SPSアクティベーションPDCCHシグナリング、又はSPSサブフレームのオーバーライドPDCCHシグナリングが紛失していると、UEは、サブフレームが動的スケジューリングサブフレームであるか又はSPSサブフレームであるかを区別できない。下りリンクデータのSPSデータパケットのACK/NAKがフィードバックのためにN番目のACK/NAKの位置にマッピングされる場合、N個のACK/NAKは正しく配列されることが可能である。更に、正しく配列されたN個のACK/NAKのACK情報をBSが受信する場合、不必要なデータ再送は減らされることが可能であり、それによりリソースが節約される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態における、SPSデータパケットのACK情報をフィードバックする方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施形態における、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法のフローチャートである。
【
図3】本発明の別の実施形態による、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法における、SPSサブフレームの受信を示す概略図である。
【
図4】本発明の別の実施形態による、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法における、SPSサブフレームの受信を示す概略図である。
【
図5】本発明の別の実施形態による、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法における、SPSサブフレームの受信を示す概略図である。
【
図6】本発明の別の実施形態による、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法における、SPSサブフレームの受信を示す概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態における、SPSデータパケットのACK情報をフィードバックする装置の構成を示す。
【
図8】本発明の一実施形態における、SPSデータパケットのACK情報を受信する装置の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の目的、技術的解決法、及び利点をより良く理解するために、以下では、添付の図面と例示的実施形態とを参照して本発明について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態における、SPSデータパケットのACK情報をフィードバックする方法のフローチャートである。
図1に示すように、この方法は以下のステップを含む。
【0018】
ステップ101:BSからUL DAI及び下りリンクデータを受信し、ここで、UL DAIの値は下りリンクデータパケットの数(N)を示す。
【0019】
ステップ102:下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKを、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングし、ここで、kは0よりも大きな正の整数である。
【0020】
ステップ103:BSにN個のACK/NAKをフィードバックする。
【0021】
ステップ102の、下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKを、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングすることは、下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKを、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置に、正順又は逆順で(in positive or negative sequence)マッピングすることを含む。
【0022】
ステップ102は、下りリンクデータの非SPSデータパケットのACK/NAKを、N個のACK/NAKのうちの第1のACK/NAKからの位置にマッピングすることを更に含む。具体的には、このステップは、BSからDL DAIを受信することと(DL
DAIの値は、下りリンクデータパケットが、下りリンクデータパケットのM番目の非SPSデータパケットであることを示す)、M番目の非SPSデータパケットのACK/NAKを、M番目のACK/NAKの位置にマッピングすることとを含む。
【0023】
本実施形態では、下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKが、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングされる。この場合、SPSアクティベーションPDCCHシグナリング、又はSPSサブフレームのオーバーライドPDCCHシグナリングが紛失していると、UEは、サブフレームが動的スケジューリングサブフレームであるか又はSPSサブフレームであるかを区別できない。下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKが、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングされるならば、N個のACK/NAKは正しく配列されることが可能である。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態における、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法のフローチャートである。
図2に示すように、この方法は以下のステップを含む。
【0025】
ステップ201:UEにUL DAI及び下りリンクデータを送信し、ここで、UL DAIの値は下りリンクデータパケットの数(N)を示す。
【0026】
ステップ202:UEによってフィードバックされたN個のACK/NAKを受信し、そのうちの、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置は、下りリンクデータのk個のSPSデータパケットをマッピングするために使用される。
【0027】
ステップ202で、BSが、SPSアクティベーションサブフレームに対するフィードバックNAKを受信した場合、次回のセミパーシステント伝送時に、又はSPS再送時に、別のSPSアクティベーションシグナリングが送信される。送信されるシグナリングは、SPSアクティベーションシグナリングと同じであるか又は異なる。
【0028】
下りリンクデータの非SPSデータパケットのACK/NAKを、ステップ202におけるN個のACK/NAKのうちの第1のACK/NAKからの位置にマッピングするステップは、UEにDL DAIを送信することと(DL DAIの値は、下りリンクデータパケットが、下りリンクデータパケットのM番目の非SPSデータパケットであることを示す)、UEからM個のACK/NAKを受信することと(そのうち、M番目の非SPSデータパケットのACK/NAKが、M番目のACK/NAKの位置にマッピングされる)を含む。
【0029】
下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKが、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングされる。この場合、SPSアクティベーションPDCCHシグナリング、又はSPSサブフレームのオーバーライドPDCCHシグナリングが紛失していると、UEは、サブフレームが動的スケジューリングサブフレームであるか又はSPSサブフレームであるかを区別できない。下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKが、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングされるならば、N個のACK/NAKは正しく配列されることが可能である。従って、正しく配列されたN個のACK/NAKをBSが受信する場合、不必要なデータ再送は減らされることが可能であり、それによりリソースが節約される。上述の実施形態はTDDモードに基づいている。TDDモードは以下の特徴を有する。サブフレーム0及び5は下りリンクサブフレームでなければならず、サブフレーム2は上りリンクサブフレームでなければならず、DwPTSは下りリンクデータを送信するか又はデータを送信しなくてもよく、残りのサブフレームは上りリンク又は下りリンクサブフレームとして柔軟に割り当てられてもよい。
【表1】
【0030】
表1に示すように、5msの周期のための4つの割り当て比率、すなわち、1:3、2:2、3:1、及び3:5と、10msの周期のための3つの割り当て比率、すなわち、6:3、7:2、及び8:1とを含む、7つの上りリンク対下りリンク割り当て比率が、3GPP E−UTRAシステムにおいて規定されている。1:3及び3:5の割り当て比率を除き、割り当て比率は、N個(2個以上)の下りリンクサブフレームのACK/NAKが1個の上りリンクサブフレーム内でフィードバックされる必要がある、という結果を引き起こす可能性がある。
【0031】
2:2の割り当て比率を例に取ると、DwPTSが下りリンクデータを送信する場合、下りリンクサブフレームに対するACK/NAKフィードバックが、下りリンクサブフレームに満遍なく割り当てられなければならない。従って、2つの上りリンクサブフレームのうちの1つは、2つの下りリンクサブフレームのACK/NAKをフィードバックしなければならない。これらのN個の下りリンクサブフレームは、動的スケジューリングサブフレーム又はSPSサブフレームであってもよい。BSは、N個の下りリンクサブフレームのうちの1つ又は複数の下りリンクサブフレームをスケジュールしてもよい。例えば、BSは、1つのみの下りリンクサブフレームを、又はN個の下りリンクサブフレームのうちの全てをスケジュールしてもよく、これは、サービスに応じて、BSのスケジューラによって決定される。動的スケジューリングは、1つのみの下りリンクサブフレームが1度スケジュールされることが可能な、ランダムスケジューリングである。BSは、任意の下りリンクサブフレームを動的にスケジュールしてもよい。各下りリンクサブフレームの動的スケジューリングにおいて、PDCCHが必要とされる。SPSは、複数の下りリンクサブフレームが周期ごとにスケジュールされるモードである。最初の下りリンクサブフレームのSPS内でPDCCHが必要とされることを除き、下りリンクサブフレームの後続のSPS内ではPDCCHは必要とされない。
【0032】
3GPP LTE技術では、HARQ相互作用エラーを回避するために、一連の要件が規定されている。この要件は以下の通りである。
【0033】
1.UEのスケジュールされたPDSCHサブフレームの数を示すために、UL Grant内で2ビットのUL DAIが使用される。PDSCHサブフレームは、動的サブフレームとSPSサブフレームとを含む。ある場合には、例えば、SPSサブフレームの数を決定するために、UL DAIの値は非SPSサブフレームの数のみを含んでもよい。それらの場合、UEは、SPSサブフレームの数と、UL DAIによって示された非SPSサブフレームの数との合計を計数することによって、PDSCHサブフレームの数(N)を取得し、ここで、Nは、UEがフィードバックする必要がある上りリンクACK/NAKの数を示す。
【0034】
2.UEに割り当てられたPDSCHサブフレームの現在の数を示すために、DL Grant内で2ビットのDL DAIが使用される。ACK/NAKマルチプレクシングモードでは、DL DAIは、カウンタを使用することによって、SPSサブフレームの数を計数することなしに、現在時までのUEに割り当てられたPDSCHサブフレームの数だけを計数する。SPSサブフレームは、リソーススケジューリングインデックスシグナリングなしで下りリンクSPSデータを運ぶサブフレーム、又は下りリンクSPSデータとSPSオーバーライドPDCCHとを運ぶサブフレームであってもよい。SPSサブフレームは、更に、下りリンクSPSデータを運ぶサブフレームであってもよく、SPSアクティベーションシグナリングPDCCHを運ぶサブフレーム、及びSPSオーバーライドPDCCHのサブフレームを含んでもよい。
【0035】
3.上りリンクACK/NAKマルチプレクシングモードでは、UEによってフィードバックされるN個のACK/NAKのうちの第1の位置は、SPSサブフレームのACK/NAKである。その他のサブフレームのUL ACK/NAKは、DL DAIの順序に従って配列される。
【0036】
4.UEは、サブフレーム内にデータが検出されない場合、NAKをフィードバックする。
【0037】
従来技術における上りリンクACK/NAKマルチプレクシングモードでは、UL DAIに従ってUEがフィードバックするN個のACK/NAKの第1の位置は、SPSサブフレームのACK/NAKである。その他のサブフレームのACK/NAKは、DL DAIの順序に従って配列される。UEは、サブフレーム内にデータが検出されない場合、NAKをフィードバックする。従って、SPSアクティベーションPDCCHが紛失している場合、UEはサブフレームが動的サブフレームであるか又はSPSサブフレームであるかを区別できないため、UL ACK/NAKマルチプレクシングフィードバックにおいてエラーが発生する可能性がある。
【0038】
図3は、本発明の別の実施形態による、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法における、SPSサブフレームの受信を示す概略図である。
図3に示すように、SPS伝送は、DL Grantシグナリングによって活性化される。DL Grantによって示された周波数リソースが、セミパーシステント伝送データパケットを運ぶ。UEは、DL Grantシグナリングが受信されない場合、データが受信されていないことを意味するDTXをフィードバックしなければならないが、実際にはNAKをフィードバックする。BSは、NAKが、UEがDL Grantシグナリングを受信したことを示すものであるか、又はUEがDL Grantシグナリングを受信したが、SPSデータパケットの検出中にエラーが発生したことを示すものであるかを認識しない。BSは、NAKが、UEがDL Grantシグナリングを受信したことを示すものであるとみなす場合、SPSリソースがすでに活性化されているとみなして、一定期間後に新たなSPSデータパケットを送信する。SPSモードではDL Grantは得られないため、UEは、一定期間内に正しいSPSデータを取得することはできない。表1に示すように、BSがSPSデータパケットを再送する場合の上りリンクサブフレーム対下りリンクサブフレームの割り当て比率が1:3であり、第1のサブフレームはセミパーシステントデータパケットを運び、第2及び第3のサブフレームは動的スケジューリングサブフレームであると仮定すると、第2及び第3のサブフレームのDL Grant内のDL DAIの値は0及び1でなければならず、上りリンクサブフレームのUL Grant内のDAIの値は3である。UEが4つの下りリンクサブフレームを受信する場合に、第2のサブフレームが正しく受信され、第3のサブフレームもまた正しく受信されると仮定する。UEは、上りリンク内でフィードバックを提供する場合、UL GrantのDAIが3であり、受信した第2のサブフレームのDL GrantのDL DAIが0であり、かつ、SPSアクティベーションPDCCHをUEが受信していないため、第1のサブフレームをSPSサブフレームであるとはみなさない。これは、SPSサブフレームのACK/NAKはマルチプレクシンググループの第1の位置に固定されていなければならないという、従来技術における要件によって引き起こされる。従って、UEはACK,ACK、及びNAKをフィードバックするが、BSはUEがNAK、ACK、及びACKをフィードバックすることを期待する。これは、第1のサブフレームがSPSサブフレームであるかどうかに関するBSとUEとの間の判断の違いによって引き起こされる。更に、UEはSPSアクティベーションシグナリングを受信しないが、BSは、UEがSPSアクティベーションシグナリングを受信したとみなす。結果として、UEは、SPS期間内に、SPSデータパケットに対するNAKをフィードバックし、BSはPDCCHを再送しない。従って、UEはセミパーシステント伝送の位置を認識せず、これにより不必要な再送が発生する。
【0039】
本実施形態は、BSがSPSデータパケットを再送する際の上りリンクサブフレーム対下りリンクサブフレームの割り当て比率が1:3であり、SPSサブフレームのACK/NAKがマルチプレクシンググループ(N個のACK/NAK)の第1の位置に固定されていなければならない場合、フィードバックエラーが発生する、という従来技術の弱点を克服するための、改良された解決法を提供する。改良された解決法は次の通りである。SPS下りリンクサブフレームに関連付けられた上りリンクACK/NAKに対して、UL ACK/NAKマルチプレクシングが実行される場合、上りリンクACK/NAKは伝送のためにマルチプレクシンググループ(N個のACK/NAK)内の最後の位置に固定される。
【0040】
DwPTSも下りリンクデータを運ぶことができる場合、4つの下りリンクサブフレームと1つの上りリンクサブフレームとが5ms内に得られる。3つの下りリンクサブフレームがユーザのためにスケジュールされる場合、これらの3つの下りリンクサブフレームのうちの第1のサブフレームは、SPSサブフレームであり、第2及び第3のサブフレームは、下りリンク動的スケジューリングデータを運ぶ。この場合、UL DAIは、ユーザのスケジュールされた下りリンクサブフレームの総数を計数してもよい。UL DAIの値は3に等しい。第1の下りリンクサブフレームはSPSサブフレームなので、DL DAIパラメータはSPSサブフレーム内で計数されない。第2の下りリンクサブフレームは動的スケジューリングデータであり、そのDL DAIは0に等しい。第3の下りリンクサブフレームも動的スケジューリングデータサブフレームであり、そのDL DAIは1に等しい。UEが、セミパーシステント伝送データパケット(下りリンクサブフレーム1)と、セミパーシステント伝送のアクティベーションDL Grantとを紛失したが、その他のサブフレームの動的スケジューリングデータは受信した場合、UEは、第1の下りリンクサブフレームがSPSサブフレームであることを認識できない。UEは、UL DAIが3に等しいという事実に基づいて、3つのUL ACK/NAKがフィードバックされる必要があると判定する。第2の下りリンクサブフレームのDL DAIは0に等しいため、UEは、第2の下りリンクサブフレームがBSによってスケジュールされた第1の下りリンクサブフレームであると誤認して、マルチプレクシンググループ(N個のACK/NAK)内の第1の位置においてACKをフィードバックする可能性がある。第3の下りリンクサブフレームにおいてDL DAIは1に等しいという事実に従って、UEは、第3の下りリンクサブフレームが第2のスケジュールされた下りリンクサブフレームであると判定して、マルチプレクシンググループ(N個のACK/NAK)内の第2の位置においてACKをフィードバックする。第4の下りリンクサブフレームにおいてデータは検出されないため、UEは、第4の下りリンクサブフレームが第3のスケジュールされたサブフレームを受信していないと判定して、マルチプレクシンググループ内の第3の位置においてNAKをフィードバックする可能性がある。従って、UEは、ACK、ACK、及びNAKをフィードバックする。本実施形態によれば、SPS下りリンクサブフレームに関連付けられた上りリンクACK/NAKに対してUL ACK/NAKマルチプレクシングが実行される場合、上りリンクACK/NAKは伝送のためにマルチプレクシンググループ内の最後の位置に固定される。すなわち、UEは、SPSサブフレームのACK/NAKを、3つのACK/NAKのうちの第3の位置にマッピングする。従って、BSは、フィードバックACK、ACK、及びNAKを受信すべきである。この場合、UEが送信するACK/NAKの順序は、BSが受信すべきACK/NAKの順序と同じである。
【0041】
加えて、本実施形態では、SPSアクティベーションサブフレームに対するNAKのフィードバックをBSが受信した場合、BSは、次の周期のセミパーシステントデータ伝送において、SPSアクティベーションPDCCHと同じPDCCHをもう1つ送信するか、又は、SPSサブフレーム再送のための位置において、SPSアクティベーションPDCCHと同じPDCCHを再送する。UEは、PDCCHによって示されたリソースに従って、SPSデータを送信又は受信し、SPS伝送を活性化する。
【0042】
本実施形態では、下りリンクデータのSPSデータパケットのACK/NAKをフィードバックのために第3のACK/NAKの位置にマッピングする。従って、SPSアクティベーションPDCCHシグナリングが紛失している場合、UEは、サブフレームが動的スケジューリングサブフレームであるか又はSPSサブフレームであるかを区別できない。下りリンクデータのSPSデータパケットのACK/NAKがフィードバックのために第3のACK/NAKの位置にマッピングされる場合、3つのACK/NAKは正しく配列されることが可能である。加えて、本実施形態では、1:3の割り当て比率のみを例に取っている。その他の6つの割り当て比率も本発明に適用可能であり、更なる説明は行わない。
【0043】
更に、SPS伝送が正常に活性化された場合、SPSデータの期間が過ぎたときに、以前のSPS構成を置き換えるために、新たなDL Grantが使用されてもよい。オーバーライドPDCCHのサブフレームがDL DAIの計数に入れられ、かつ、SPSサブフレームに関連付けられたACK/NAKが、ACK/NAKマルチプレクシンググループ内の第1の位置にマッピングされる必要がある場合、サブフレームのPDCCHが紛失しているならば、エラーが発生する可能性がある。
【0044】
図4は、本発明の別の実施形態による、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法における、SPSサブフレームの受信を示す概略図である。
図4に示すように、BSは、1:3の割り当て比率に基づいて、3つの下りリンクサブフレームをUEのためにスケジュールする。この場合、UL DAIは3に等しい。サブフレームAは、SPSオーバーライドサブフレームである。従って、SPSオーバーライドサブフレームのDL DAIは0に等しい。サブフレームC及びDは動的スケジューリングサブフレームであり、それらのDL DAIは1及び2に等しい。サブフレームAにおいてSPSオーバーライドPDCCHが発生した場合に、サブフレームA及びDのPDCCHが紛失しているならば、サブフレームCのみが受信されることが可能である。この場合、UEは、サブフレームCのUL DAI及びDL DAIが3及び1に等しいことを認識する。しかし、UEは、サブフレームAがSPSオーバーライドサブフレームであることを認識しない。代わりに、UEは、サブフレームAが、依然として、DL DAIの計数に入れられないSPSサブフレームであるとみなす。従って、UEは、サブフレームBが、DL DAIが0に等しいサブフレームとして使用されたと誤認する可能性がある。結果として、SPSサブフレームに関連付けられたACK/NAKがマルチプレクシンググループ内の第1の位置に固定される場合、UEはNAK、NAK、及びACKをフィードバックするが、BSはフィードバックNAK、ACK、及びNAKを受信すべきである。
【0045】
本実施形態は、SPSサブフレームのACK/NAKがフィードバックのためにマルチプレクシンググループ内の第1の位置に固定される、及び、SPSサブフレームのオーバーライドPDDCHが紛失している場合にフィードバックエラーが発生する、という従来技術の弱点を克服するための、改良された解決法を提供する。改良された解決法は次の通りである。上りリンクサブフレーム対下りリンクサブフレームの割り当て比率が1:3である場合、DwPTSが下りリンクデータを運ぶことができるならば、4つの下りリンクサブフレームと1つの上りリンクサブフレームとが5msの期間内に得られる。SPS下りリンクサブフレームに関連付けられた上りリンクACK/NAKに対して、UL ACK/NAKマルチプレクシングが実行される場合、上りリンクACK/NAKは伝送のためにN個のACK/NAKのうちの最後の位置に固定され、すなわち、それらのACK/NAKは、第3の位置に固定される。この場合、BSは、フィードバックNAK、ACK、及びNAKを受信しなければならない。サブフレームCのDL DAI及びUL DAIが1及び3であるという事実に従って、UEは、サブフレームBが動的スケジューリングサブフレームであると誤認して、サブフレームBに対してNAKをフィードバックする可能性があり、そして、サブフレームAがSPSサブフレームであると誤認して、UL ACK/NAKマルチプレクシンググループ内の最後の位置において、サブフレームAに対してNAKをフィードバックする可能性がある。その他のサブフレームのUL ACK/NAKは、DL DAIの順序に従って配列される。UEは、NAK、ACK、及びNAKをフィードバックする。この場合、UEが実際に送信するフィードバックの順序は、BSが受信すべきフィードバックの順序と同じである。
【0046】
本実施形態では、下りリンクデータのSPSデータパケットのACK/NAKをフィードバックのために第3のACK/NAKの位置にマッピングする。従って、SPSフレームのオーバーライドPDCCHシグナリングが紛失している場合、UEは、サブフレームが動的スケジューリングサブフレームであるか又はSPSサブフレームであるかを区別できない。下りリンクデータのSPSデータパケットのACK/NAKがフィードバックのために第3のACK/NAKの位置にマッピングされる場合、UEが実際に送信するフィードバックの順序は、BSが受信すべきフィードバックの順序と同じである。加えて、本実施形態では、1:3の割り当て比率のみを例に取っている。その他の6つの割り当て比率も本発明に適用可能であり、更なる説明は行わない。
【0047】
図3に示す実施形態は、SPSサブフレームのSPSアクティベーションPDCCHが紛失しているという事実に基づいている。しかし、本実施形態では、送信されるSPSサブフレームの数は1に制限されない。本実施形態では、2つのSPSサブフレームが存在し、そのうちの、一方のSPSサブフレームのSPSアクティベーションPDCCHが紛失しており、他方のSPSサブフレームは正常に送信されると仮定する。
図5は、本発明の別の実施形態による、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法における、SPSサブフレームの受信を示す概略図である。
図5に示すように、サブフレームBは、SPSアクティベーションPDCCHが紛失しているSPSサブフレームであり、サブフレームCは、DL Grantなしで正常に送信されるSPSサブフレームである。下りリンクデータのSPSデータパケットのACK/NAKがフィードバックのために第1のACK/NAKの位置にマッピングされる場合、エラーが発生する可能性がある。具体的な解析は以下の通りである。BSは、3つの下りリンクサブフレームをUEのためにスケジュールし、UL DAIは3に等しい。サブフレームAは、動的スケジューリングデータを運ぶ。この場合、DL DAIは0に等しく、UEは、サブフレームを受信して、ACKをフィードバックする。UEは、サブフレームBの位置において、SPSアクティベーションPDCCHを受信しない。従って、UEは、サブフレームBがサブフレームSPSであるとはみなさないが、サブフレームBが動的スケジューリングサブフレームであると誤認する。結果として、UEは、第3の位置においてNAKをフィードバックする。サブフレームCは、DL Grantなしで正常に送信されるSPSサブフレームである。UEは、サブフレームを受信し、そして、第1の位置においてACKをフィードバックすべきである。実際には、UEは、ACK、ACK、及びNAKをフィードバックする。BSは、フィードバックNAK、ACK、及びACKを受信すべきである。この場合、UEが実際に送信するフィードバックの順序は、BSが受信すべきフィードバックの順序とは異なる。
【0048】
この問題を解決するために、本実施形態では、SPS下りリンクサブフレームに関連付けられた上りリンクACK/NAKに対してUL ACK/NAKマルチプレクシングが実行される場合、SPSサブフレームに関連付けられたACK/NAKを、動的サブフレームの後ろに、一定の順序で配列する。本実施形態によれば、サブフレームAのDL DAIは0に等しく、サブフレームAは、フィードバックACKを有する動的スケジューリングサブフレームであり、このACKは第1のACK/NAKの位置にマッピングされなければならない。サブフレームBは、SPSサブフレームであり、これに対してはNAKがフィードバックされなければならず、サブフレームCは、SPSサブフレームであり、これに対しては、第3のACK/NAKの位置においてACKがフィードバックされなければならない。SPSサブフレームのACK/NAKの位置は、サブフレームB及びCの到着順序に従って配列される。BSは、フィードバックACK、NAK、及びACKを受信しなければならない。サブフレームAのDL DAI及びUL DAIは0及び3に等しいという事実に従って、UEは、サブフレームAが動的スケジューリングサブフレームであると判定してもよく、そして、DL DAIが0に等しいため、第1の位置においてACKをフィードバックしてもよい。サブフレームBのPDCCHが紛失しているため、UEは、サブフレームBが動的スケジューリングサブフレームであると誤認して、UL ACK/NAKの第2の位置においてNAKをフィードバックする可能性がある。サブフレームCは、SPSサブフレームであり、正しく受信される。この場合、ACKは最後の位置にマッピングされる。実際には、UEは、ACK、NAK、及びACKをフィードバックする。この場合、UEが実際に送信するフィードバックの順序は、BSが受信すべきフィードバックの順序と同じである。
【0049】
本実施形態では、下りリンクデータの2つのSPSデータパケットのACK/NAKをフィードバックのために第2及び第3のACK/NAKの位置にマッピングする。従って、SPSアクティベーションPDCCHシグナリングが紛失している場合、UEは、サブフレームが動的スケジューリングサブフレームであるか又はSPSサブフレームであるかを区別できない。下りリンクデータのSPSデータパケットのACK/NAKがフィードバックのために第2及び第3のACK/NAKの位置にマッピングされる場合、3つのACK/NAKは正しく配列されることが可能である。加えて、本実施形態では、2つのみのSPSデータパケットを例に取っている。3つ以上のSPSデータパケットも本発明に適用できる可能性がある。本実施形態は、SPSアクティベーションPDCCHシグナリングが紛失しているという条件に基づいている。SPSアクティベーションPDCCHシグナリングが紛失しており、かつ、通常のSPSデータパケットが紛失している、という条件も本発明に適用可能であり、更なる説明は行わない。更に、本実施形態では、1:3の割り当て比率のみを例に取っている。その他の6つの割り当て比率も本発明に適用可能であり、更なる説明は行わない。
【0050】
上述の実施形態は、BSが3つの下りリンクサブフレームをUEのためにスケジュールしたという条件に基づいている。本発明の別の実施形態における、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法は、以下の条件に基づいている。上りリンクサブフレーム対下りリンクサブフレームの割り当て比率が1:3であり、4つの下りリンクサブフレームが5msの期間内に得られ、BSが4つの下りリンクサブフレームをUEのためにスケジュールし、セミパーシステント伝送の開始時にSPSサブフレームデータパケットの伝送が失敗し、そして、動的サブフレームのPDCCHが紛失している。
図6は、本発明の別の実施形態による、SPSデータパケットのACK情報を受信する方法における、SPSサブフレームの受信を示す概略図である。
図6に示すように、DwPTSが下りリンクデータを運ぶことができる場合、4つの下りリンクサブフレームと1つの上りリンクサブフレームとが5msの期間内に得られる。SPSサブフレームデータパケットAの伝送が失敗し、動的サブフレームBのPDCCHが紛失している場合、セミパーシステント伝送の開始時に、UEは、セミパーシステント伝送データサブフレームを、一定期間内に一定時間受信する。SPS下りリンクサブフレームに関連付けられた上りリンクACK/NAKに対して、UL ACK/NAKマルチプレクシングが実行される場合、上りリンクACK/NAKは伝送のためにマルチプレクシンググループ内の最後の位置に固定される。UEは、サブフレームAがSPSサブフレームであることを認識し、サブフレームAのデータが紛失していることを検出する。次に、UEは、NAKをフィードバックする。UEはサブフレームB内のPDCCHを検出しない。UEは、サブフレームC内のデータを検出し、DL DAIが1に等しいという事実に従って、サブフレームBが動的データスケジューリングサブフレームを紛失したことを推定する。UEは、サブフレームDが正しく、フィードバックACKを有することを検出する。UL DAIは4に等しいため、UEは4つのACK/NAKをフィードバックする必要がある。DL DAIの配列順序と、SPSサブフレームを最後の位置にマッピングする方法とに従って、UEは、NAK、ACK、ACK、及びNAKのフィードバックを提供する。しかし、BSは、フィードバックNAK、ACK、ACK、及びNAKを受信すべきである。従って、UEが実際に送信するフィードバックの順序は、BSが受信すべきフィードバックの順序と同じである。
【0051】
図7は、本発明の一実施形態における、SPSデータパケットのACK情報をフィードバックする装置の構成を示す。
図7に示すように、フィードバック装置10は、BSからUL DAI及び下りリンクデータを受信するように適合された(UL DAIの値は下りリンクデータパケットの数(N)を示す)、受信ユニット11と、下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKを、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングするように適合された、処理ユニット12と、BSにN個のACK/NAKをフィードバックするように適合された、フィードバックユニット13とを含む。処理ユニット12は、下りリンクデータの非SPSデータパケットのACK/NAKを、N個のACK/NAKのうちの第1のACK/NAKからの位置にマッピングするように更に適合される。処理は次の通りである。BSからDL DAIを受信し(DL DAIの値は、下りリンクデータパケットが、M番目の非SPS下りリンクデータパケットであることを示す)、M番目の非SPSデータパケットのACK/NAKを、M番目のACK/NAKの位置にマッピングする。
【0052】
加えて、処理ユニット12は、下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKを、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置に、正順又は逆順でマッピングしてもよい。詳細は本発明の第3〜第6の実施形態において提供されており、更なる提供は行わない。
【0053】
本実施形態では、下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKを、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングする。この場合、SPSアクティベーションPDCCHシグナリング、又はSPSサブフレームのオーバーライドPDCCHシグナリングが紛失していると、UEは、サブフレームが動的スケジューリングサブフレームであるか又はSPSサブフレームであるかを区別できない。下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKが、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングされる場合、N個のACK/NAKは正しく配列されることが可能である。
【0054】
図8は、本発明の一実施形態における、SPSデータパケットのACK情報を受信する装置の構成を示す。
図8に示すように、受信装置は、UEにUL DAI及び下りリンクデータを送信するように適合された(UL DAIの値は下りリンクデータパケットの数(N)を示す)、送信ユニット21と、UEによってフィードバックされたN個のACK/NAKを受信するように適合された(そのうちの、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置は、下りリンクデータのk個のSPSデータパケットをマッピングするために使用される)、受信ユニット22とを含む。送信ユニットは、SPSアクティベーションサブフレームに対するフィードバックNAKを受信ユニット22が受信した場合に、次回のセミパーシステント伝送においてもう1つのSPSアクティベーションシグナリングを送信するか、又はSPS再送時にもう1つのSPSアクティベーションシグナリングを送信するように更に適合され、再送されるシグナリングは、SPSアクティベーションシグナリングと同じであるか又は異なる。加えて、受信ユニット22内で、下りリンクデータの非SPSデータパケットのACK/NAKは、N個のACK/NAKの第1の位置からの位置にマッピングされる。処理は次の通りである。UEにDL DAIを送信し(DL DAIの値は、下りリンクデータパケットが、M番目の非SPS下りリンクデータパケットであることを示す)、UEによってフィードバックされたM個のACK/NAKを受信する(そのうち、M番目の非SPSデータパケットが、M番目のACK/NAKの位置にマッピングされる)。詳細は上述の方法実施形態において提供されている。
【0055】
本発明の実施形態では、下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKを、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングする。この場合、SPSアクティベーションPDCCHシグナリング、又はSPSサブフレームのオーバーライドPDCCHシグナリングが紛失していると、UEは、サブフレームが動的スケジューリングサブフレームであるか又はSPSサブフレームであるかを区別できない。下りリンクデータのk個のSPSデータパケットのACK/NAKが、(N−k+1)番目のACK/NAKからN番目のACK/NAKまでの位置にマッピングされる場合、N個のACK/NAKは正しく配列されることが可能である。従って、正しく配列されたN個のACK/NAKのACK情報をBSが受信する場合、不必要なデータ再送は減らされることが可能であり、それによりリソースが節約される。
【0056】
実施形態の上述の説明により、当業者は、本発明の実施形態がハードウェアによって、又は必要なハードウェアプラットフォームと組み合わせたソフトウェアによって実施されてもよいということを理解できる。従って、本発明の技術的解決法は、ソフトウェアとして作製されてもよい。ソフトウェアは、不揮発性記憶媒体(例えば、CD−ROM,USBフラッシュディスク、及びモバイルハードディスク)内に記憶されてもよく、そして、本発明の各実施形態において提供された方法をコンピュータ装置(PC、サーバ、又はネットワーク装置)が実行することを可能にする複数の命令を含んでもよい。
【0057】
本発明について、いくつかの例示的実施形態と添付の図面とを介して説明してきたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。本発明の精神及び範囲を逸脱することなく当業者が本発明に対して様々な修正及び変形を行うことが可能であることは明白である。