特許第5883105号(P5883105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883105
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月9日
(54)【発明の名称】撮像レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20160225BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20160225BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-218245(P2014-218245)
(22)【出願日】2014年10月27日
(65)【公開番号】特開2015-106155(P2015-106155A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2014年10月28日
(31)【優先権主張番号】201310628447.9
(32)【優先日】2013年11月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504337659
【氏名又は名称】玉晶光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】陳雁斌
(72)【発明者】
【氏名】葉龍
(72)【発明者】
【氏名】陳鋒
【審査官】 森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0261470(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/111612(WO,A1)
【文献】 特開2011−227131(JP,A)
【文献】 特開2011−232449(JP,A)
【文献】 特開2009−69196(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0069401(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/140515(WO,A1)
【文献】 特開2009−3443(JP,A)
【文献】 米国特許第8422146(US,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0106021(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0044403(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2011−0085465(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズであって、
各々が物体側に向いた物体側の面と像側に向いた像側の面とを有する、第1のレンズ素子と、第2のレンズ素子と、第3のレンズ素子と、第4のレンズ素子と、を光軸に沿って当該順序で物体側から像側へ亘って備え、各々が屈折力を有するとともに、前記第1乃至第4のレンズ素子のみが当該撮像レンズに対し屈折力を有せしめ、
前記第1のレンズ素子は、周縁部近傍に凸部をなす前記像側の面を有し、
前記第2のレンズ素子は、周縁部近傍に凹部をなす前記物体側の面を有し、
前記第3のレンズ素子は、正の屈折力を有するとともに、周縁部近傍に凸部をなす前記像側の面を有し、
前記第4のレンズ素子は、プラスチック材料で構成されており、前記光軸近傍に凹部をなすとともに周縁部近傍に凸部をなす前記物体側の面を有し、
前記第2のレンズ素子の前記光軸における厚さを示すT2と、前記第4のレンズ素子の前記光軸における厚さを示すT4とは、式
T2/T4≦0.7
を満たし、
前記第1のレンズ素子、前記第2のレンズ素子、前記第3のレンズ素子、前記第4のレンズ素子の前記光軸における厚さの和を示すALTと、前記第2のレンズ素子と前記第3のレンズ素子との間の前記光軸における空隙長を示すG23とは、式
ALT/G23≦5.5
を満たしていることを特徴とする撮像レンズ。
【請求項2】
当該撮像レンズの系の焦点距離を示すEFLと、前記T4は、式
EFL/T4≦8.5
を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
【請求項3】
前記第3のレンズ素子の前記光軸における厚さを示すT3と、前記G23とは、式
T3/G23≦1.9
を満たしていることを特徴とする請求項2に記載の撮像レンズ。
【請求項4】
前記T4と、前記第1のレンズ素子と前記第2のレンズ素子との間の前記光軸における空隙長を示すG12と、前記第3のレンズ素子と前記第4のレンズ素子との間の前記光軸における空隙長を示すG34とは、式
1.5≦T4/(G12+G34)
を満たしていることを特徴とする請求項3に記載の撮像レンズ。
【請求項5】
前記第1のレンズ素子と前記第2のレンズ素子との間の前記光軸における空隙長を示すG12と、前記G23と、前記第3のレンズ素子と前記第4のレンズ素子との間の前記光軸における空隙長を示すG34とは、式
1.6≦G23/(G12+G34)
を満たしていることを特徴とする請求項2に記載の撮像レンズ。
【請求項6】
前記T4と前記G34とは、式
1.9≦T4/G34
をさらに満たしていることを特徴とする請求項5に記載の撮像レンズ。
【請求項7】
前記第1のレンズ素子の前記光軸における厚さを示すT1と、前記G23とは、式
T1/G23≦1.55
を満たしていることを特徴とする請求項2に記載の撮像レンズ。
【請求項8】
前記第4のレンズ素子の前記像側の面と像面との間の前記光軸における距離を示すBFLと、前記T2とは、式
3.9≦BFL/T2
を満たしていることを特徴とする請求項7に記載の撮像レンズ。
【請求項9】
前記第4のレンズ素子の前記像側の面と像面との間の前記光軸における距離を示すBFと、前記第1のレンズ素子の前記光軸における厚さを示すT1とは、式
2.0≦BFL/T1
を満たしていることを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
【請求項10】
前記第1のレンズ素子と前記第2のレンズ素子との間の前記光軸における空隙長を示すG12と、前記G23と、前記第3のレンズ素子と前記第4のレンズ素子との間の前記光軸における空隙長を示すG34とは、式
1.6≦G23/(G12+G34)≦3
を満たしていることを特徴とする請求項に記載の撮像レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像レンズならびにそれを備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型電子機器(例えば、携帯電話機およびデジタルカメラ)の普及に伴って、携帯型電子機器の大きさを縮小することに多くの力が注がれている。また、電荷結合素子(CCD)および相補型金属酸化膜半導体(CMOS)による光学センサの大きさが縮小されると、それに応じて、光学センサと共に用いる撮像レンズの寸法が、光学性能を著しく損なうことなく、縮小されなければならない。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4はそれぞれ、4つのレンズ素子を有する従来の撮像レンズを開示しており、それは系の長さが8mmを超えるものである。特に、特許文献3で開示されている撮像レンズは、系の長さが11mmを超えるものであり、これは、携帯電話機およびデジタルカメラなどの携帯型電子機器の厚さを縮小するためには好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7848032号明細書
【特許文献2】米国特許第8284502号明細書
【特許文献3】米国特許第8179616号明細書
【特許文献4】台湾特許出願公開第2011/09712号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
十分な光学性能を維持しつつ、撮像レンズの系の長さを縮小することは、常に当業界の目標である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の目的は、良好な光学性能を維持しつつ、全長を短縮した撮像レンズを提供することである。
【0007】
本発明の一態様によれば、撮像レンズは、該撮像レンズの光軸に沿って物体側から像側へ順に配置される、第1のレンズ素子と、第2のレンズ素子と、第3のレンズ素子と、第4のレンズ素子と、を備える。第1のレンズ素子、第2のレンズ素子、第3のレンズ素子、第4のレンズ素子の各々は、屈折力を有するとともに、物体側に向いた物体側の面と、像側に向いた像側の面とを有する。
【0008】
第1のレンズ素子の像側の面は、該第1のレンズ素子の周縁部近傍に凸部を有する。第2のレンズ素子の物体側の面は、該第2のレンズ素子の周縁部近傍に凹部を有する。第3のレンズ素子は、正の屈折力を有し、第3のレンズ素子の像側の面は、該第3のレンズ素子の周縁部近傍に凸部を有する。第4のレンズ素子は、プラスチック材料で構成されており、第4のレンズ素子の物体側の面は、光軸近傍に凹部を有するとともに、該第4のレンズ素子の周縁部近傍に凸部を有する。
【0009】
撮像レンズは、第1のレンズ素子、第2のレンズ素子、第3のレンズ素子、第4のレンズ素子の他には、屈折力を有するレンズ素子を備えていない。
【0010】
本発明の別の目的は、4つのレンズ素子を有する撮像レンズを備えた電子機器を提供することである。
【0011】
本発明の別の態様によれば、電子機器は、ハウジングと撮像モジュールとを備える。撮像モジュールは、ハウジング内に配置されており、本発明の撮像レンズと、撮像レンズが配置される鏡筒と、鏡筒が配置されるホルダユニットと、撮像レンズの像側に配置される撮像センサと、を有する。
【0012】
本発明の他の特徴ならびに効果は、添付の図面を参照した以下の好ましい実施形態の詳細な説明において明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】レンズ素子の構造を示す模式図である。
図2】本発明に係る撮像レンズの第1の好ましい実施形態を示す模式図である。
図3】第1の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
図4】第1の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
図5】(a)〜(d)は、第1の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
図6】本発明に係る撮像レンズの第2の好ましい実施形態を示す模式図である。
図7】第2の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
図8】第2の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
図9】(a)〜(d)は、第2の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
図10】本発明に係る撮像レンズの第3の好ましい実施形態を示す模式図である。
図11】第3の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
図12】第3の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
図13】(a)〜(d)は、第3の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
図14】本発明に係る撮像レンズの第4の好ましい実施形態を示す模式図である。
図15】第4の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
図16】第4の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
図17】(a)〜(d)は、第4の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
図18】本発明に係る撮像レンズの第5の好ましい実施形態を示す模式図である。
図19】第5の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
図20】第5の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
図21】(a)〜(d)は、第5の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
図22】本発明に係る撮像レンズの第6の好ましい実施形態を示す模式図である。
図23】第6の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
図24】第6の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
図25】(a)〜(d)は、第6の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
図26】本発明に係る撮像レンズの第7の好ましい実施形態を示す模式図である。
図27】第7の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
図28】第7の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
図29】(a)〜(d)は、第7の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
図30】本発明に係る撮像レンズの第8の好ましい実施形態を示す模式図である。
図31】第8の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの光学データの値を示している。
図32】第8の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかの非球面係数の値を示している。
図33】(a)〜(d)は、第8の好ましい実施形態の撮像レンズの様々な光学特性を示している。
図34】第1〜第8の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかのレンズパラメータ間の関係の値を示す表である。
図35】第1〜第8の好ましい実施形態の撮像レンズに対応するいくつかのレンズパラメータ間の関係の値を示す表である。
図36】本発明の撮像レンズの第1の適用例を示す部分断面模式図である。
図37】本発明の撮像レンズの第2の適用例を示す部分断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明についてより詳細に説明するに当たり、留意されるべきことは、類似の要素は、本開示全体を通して同一の参照符号で示しているということである。
【0015】
以下の説明において、「レンズ素子が、正(または負)の屈折力を有する」とは、レンズ素子が、その光軸近傍において正(または負)の屈折力を有することを意味する。
「物体側の面(または像側の面)が、特定の領域に凸部(または凹部)を有する」とは、その特定の領域に隣接する径方向外側の領域と比較して、その特定の領域が、光軸と平行な方向に、より多く突出している(または、窪んでいる)ことを意味する。一例として図1を参照すると、レンズ素子は、その光軸(I)に関して径方向に対称である。レンズ素子の物体側の面は、領域Aに凸部を有し、領域Bに凹部を有し、領域Cに凸部を有する。なぜなら、領域Aは、その径方向外側の領域(すなわち、領域B)と比較して、光軸(I)に平行な方向に、より突出しており、領域Bは領域Cと比較して、より窪んでおり、領域Cは領域Eと比較して、より突出しているからである。
「周縁部近傍に」とは、専ら撮像光を通過させるためのレンズ素子の曲面における周縁に沿った領域を指し、それは図1における領域Cである。撮像光は、主光線Lcと周辺光線Lmとを含む。
「光軸近傍に」とは、専ら撮像光を通過させるための曲面における光軸周辺の領域を指し、それは図1における領域Aである。また、レンズ素子は、さらに、光学撮像レンズ装置内への取り付け用の拡張部Eを有する。理想的には、撮像光は拡張部Eを通過しない。拡張部Eの構造および形状は、本明細書に記載のものに限定されない。以下の実施形態では、わかりやすくするため、拡張部Eは図示していない。
【0016】
図2を参照する。本発明に係る撮像レンズ10の第1の好ましい実施形態は、光軸(I)に沿って物体側から像側へ順に配置される、開口絞り2と、第1のレンズ素子3と、第2のレンズ素子4と、第3のレンズ素子5と、第4のレンズ素子6と、光学フィルタ7と、を備える。光学フィルタ7は、赤外光を選択的に吸収するための赤外線カットフィルタであり、これによって、像面8に形成される像の欠陥を軽減する。
【0017】
第1、第2、第3、第4のレンズ素子3〜6、および光学フィルタ7のそれぞれは、物体側に向いた物体側の面31、41、51、61、71と、像側に向いた像側の面32、42、52、62、72と、を有する。撮像レンズ10に入射する光は、順に、開口絞り2、第1のレンズ素子3の物体側の面31と像側の面32、第2のレンズ素子4の物体側の面41と像側の面42、第3のレンズ素子5の物体側の面51と像側の面52、第4のレンズ素子6の物体側の面61と像側の面62、光学フィルタ7の物体側の面71と像側の面72を通って進み、像面8に像を形成する。
本実施形態では、物体側の面31、41、51、61および像側の面32、42、52、62のそれぞれは、非球面であり、光軸(I)と一致する中心点を有する。
【0018】
図2に示す第1の好ましい実施形態では、第1のレンズ素子3は、正の屈折力を有する。第1のレンズ素子3の物体側の面31は、光軸(I)近傍に凸部311を有するとともに、該第1のレンズ素子3の周縁部近傍に凸部312を有する凸面である。第1のレンズ素子3の像側の面32は、光軸(I)近傍に凸部323を有するとともに、該第1のレンズ素子3の周縁部近傍に凸部321を有する凸面である。
【0019】
第2のレンズ素子4は、負の屈折力を有する。第2のレンズ素子4の物体側の面41は、光軸(I)近傍に凹部412を有するとともに、該第2のレンズ素子4の周縁部近傍に凹部411を有する凹面である。第2のレンズ素子4の像側の面42は、光軸(I)近傍に凹部423を有するとともに、該第2のレンズ素子4の周縁部近傍に凸部422を有する凹面である。
【0020】
第3のレンズ素子5は、正の屈折力を有する。第3のレンズ素子5の物体側の面51は、光軸(I)近傍に凹部511を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凹部512を有する凹面である。第3のレンズ素子5の像側の面52は、光軸(I)近傍に凸部522を有するとともに、該第3のレンズ素子5の周縁部近傍に凸部521を有する凸面である。
【0021】
第4のレンズ素子6は、負の屈折力を有する。第4のレンズ素子6の物体側の面61は、光軸(I)近傍に凹部611を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凸部612を有する。第4のレンズ素子6の像側の面62は、光軸(I)近傍に凹部621を有するとともに、該第4のレンズ素子6の周縁部近傍に凸部622を有する。
【0022】
第1の好ましい実施形態では、撮像レンズ10は、上記のレンズ素子3〜6の他には、屈折力を有するレンズ素子を備えていない。
【0023】
第1の好ましい実施形態の面31〜71、32〜72に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、図3に示している。撮像レンズ10は、全系の有効焦点距離(EFL:Effective Focal Length)が3.795mm、半視野(HFOV:Half Field‐Of‐View)が36.816°、Fナンバーが2.4、系の長さ(TTL)が4.592mmである。系の長さとは、第1のレンズ素子3の物体側の面31と像面8との間の光軸(I)における距離を指す。
【0024】
本実施形態では、物体側の面31〜61および像側の面32〜62のそれぞれは非球面であって、次の関係を満たしている。
ここで、
Yは、非球面上の任意の点と光軸(I)との間の垂直距離を表す。
Zは、光軸(I)から距離Yにある非球面上の任意の点と、非球面の光軸(I)上の頂点における接平面と、の間の垂直距離として定義される非球面の深さを表す。
Rは、非球面の曲率半径を表す。
Kは、円錐定数を表す。
2iは、2i次の非球面係数を表す。
【0025】
第1の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、図4に示している。
【0026】
第1の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、図34および35の第1の好ましい実施形態に対応する列に示している。
同図において、
T1は、光軸(I)における第1のレンズ素子3の厚さを表す。
T2は、光軸(I)における第2のレンズ素子4の厚さを表す。
T3は、光軸(I)における第3のレンズ素子5の厚さを表す。
T4は、光軸(I)における第4のレンズ素子6の厚さを表す。
G12は、第1のレンズ素子3と第2のレンズ素子4との間の光軸(I)における空隙長を表す。
G23は、第2のレンズ素子4と第3のレンズ素子5との間の光軸(I)における空隙長を表す。
G34は、第3のレンズ素子5と第4のレンズ素子6との間の光軸(I)における空隙長を表す。
TTLは、第1のレンズ素子3の物体側の面31と像側の像面8との間の光軸(I)における距離を表す。
BFLは、第4のレンズ素子6の像側の面62と像側の像面8との間の光軸(I)における距離を表す。
ALTは、第1のレンズ素子3、第2のレンズ素子4、第3のレンズ素子5、第4のレンズ素子6の光軸(I)における厚さの和を表す。
AAGは、第1のレンズ素子3、第2のレンズ素子4、第3のレンズ素子5、第4のレンズ素子6の間の光軸(I)における空隙長の和を表す。
EFLは、撮像レンズ10の系の焦点距離を表す。
【0027】
図5(a)〜5(d)は、第1の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。このシミュレーション結果の各々では、470nm、555nm、650nmの波長にそれぞれ対応する曲線を示している。
【0028】
図5(a)から分かるように、縦球面収差に対応する曲線の各々では、(縦軸で示す)各視野での焦点距離が±0.05mmの範囲内にあるので、第1の好ましい実施形態では、各波長で比較的低い球面収差を実現可能である。また、各視野で曲線が相互に近接しているので、第1の好ましい実施形態では、色収差が比較的低い。
【0029】
図5(b)および5(c)から分かるように、これらの曲線の各々は、±0.05mmの焦点距離の範囲内にあるので、第1の好ましい実施形態では、光学収差が比較的低い。
【0030】
さらに、図5(d)に示すように、歪曲収差に対応する曲線の各々は、±1%の範囲内にあるので、第1の好ましい実施形態は、多くの光学系の撮像品質要求を満たすことが可能である。
【0031】
上記のことから、第1の好ましい実施形態の撮像レンズ10は、系の長さを4.592mmにまで縮小したとしても、依然として比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0032】
図6は、本発明に係る撮像レンズ10の第2の好ましい実施形態を示しており、これは第1の好ましい実施形態のものと同様の構成を有するものである。
【0033】
第2の好ましい実施形態の面31〜71、32〜72に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、図7に示している。第2の好ましい実施形態の撮像レンズ10は、全系の有効焦点距離(EFL)が3.679mm、半視野(HFOV)が37.747°、Fナンバーが2.4、系の長さ(TTL)が4.553mmである。
【0034】
第2の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、図8に示している。
【0035】
第2の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、図34および35の第2の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0036】
図9(a)〜9(d)は、第2の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。図9(a)〜9(d)から分かるように、第2の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0037】
図10は、本発明に係る撮像レンズ10の第3の好ましい実施形態を示しており、これは第1の好ましい実施形態のものと同様の構成を有するものである。
【0038】
第3の好ましい実施形態の面31〜71、32〜72に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、図11に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.721mm、HFOVが36.776°、Fナンバーが2.4、系の長さが4.536mmである。
【0039】
第3の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、図12に示している。
【0040】
第3の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、図34および35の第3の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0041】
図13(a)〜13(d)は、第3の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。図13(a)〜13(d)から分かるように、第3の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0042】
図14は、本発明の撮像レンズ10の第4の好ましい実施形態を示しており、これは第1の好ましい実施形態のものと同様の構成を有するものである。
【0043】
第4の好ましい実施形態の面31〜71、32〜72に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、図15に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.844mm、HFOVが36.429°、Fナンバーが2.4、系の長さが4.564mmである。
【0044】
第4の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、図16に示している。
【0045】
第4の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、図34および35の第4の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0046】
図17(a)〜17(d)は、第4の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。図17(a)〜17(d)から分かるように、第4の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0047】
図18は、本発明の撮像レンズ10の第5の好ましい実施形態を示しており、これは第1の好ましい実施形態のものと同様の構成を有するものである。
【0048】
第5の好ましい実施形態の面31〜71、32〜72に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、図19に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.712mm、HFOVが36.724°、Fナンバーが2.458、系の長さが4.552mmである。
【0049】
第5の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、図20に示している。
【0050】
第5の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、図34および35の第5の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0051】
図21(a)〜21(d)は、第5の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。図21(a)〜21(d)から分かるように、第5の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0052】
図22は、本発明に係る撮像レンズ10の第6の好ましい実施形態を示しており、これは第1の好ましい実施形態のものと同様の構成を有するものである。
【0053】
第6の好ましい実施形態の面31〜71、32〜72に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、図23に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.632mm、HFOVが38.095°、Fナンバーが2.40、系の長さが4.532mmである。
【0054】
第6の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、図24に示している。
【0055】
第6の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、図34および35の第6の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0056】
図25(a)〜25(d)は、第6の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。図25(a)〜25(d)から分かるように、第6の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0057】
図26は、本発明に係る撮像レンズ10の第7の好ましい実施形態を示している。本発明の撮像レンズ10の第1と第7の好ましい実施形態の違いは、第7の好ましい実施形態では、第1のレンズ素子3の像側の面32が、光軸(I)近傍に凹部322を有するとともに、該第1のレンズ素子3の周縁部近傍に凸部321を有することにある。
【0058】
第7の好ましい実施形態の面31〜71、32〜72に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、図27に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.613mm、HFOVが38.277°、Fナンバーが2.40、系の長さが4.552mmである。
【0059】
第7の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、図28に示している。
【0060】
第7の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、図34および35の第7の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0061】
図29(a)〜29(d)は、第7の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。図29(a)〜29(d)から分かるように、第7の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0062】
図30を参照する。本発明の撮像レンズ10の第1と第8の好ましい実施形態の違いは、第8の好ましい実施形態では、第2のレンズ素子4の像側の面42が、光軸(I)近傍に凸部421を有するとともに、該第2のレンズ素子4の周縁部近傍に凹部422を有することにある。
【0063】
第8の好ましい実施形態の面31〜71、32〜72に対応するいくつかの光学データの値を示す表を、図31に示している。撮像レンズ10は、全系の焦点距離が3.821mm、HFOVが36.181°、Fナンバーが2.40、系の長さが4.617mmである。
【0064】
第8の好ましい実施形態に対応する上記の関係(1)のいくつかの非球面係数の値を示す表を、図32に示している。
【0065】
第8の好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の関係を、図34および35の第8の好ましい実施形態に対応する列に示している。
【0066】
図33(a)〜33(d)は、第8の好ましい実施形態の縦球面収差、サジタル非点収差、タンジェンシャル非点収差、歪曲収差にそれぞれ対応するシミュレーション結果を示している。図33(a)〜33(d)から分かるように、第8の好ましい実施形態では、比較的良好な光学性能を実現可能である。
【0067】
比較のために、8通りの好ましい実施形態に対応する上記のレンズパラメータのいくつかの間の上記関係を示す表を、図34および35に示している。留意すべきことは、図34および35に示すレンズパラメータおよび関係の値は、小数点第3位までで四捨五入したものであるということである。本発明に係る撮像レンズ10のレンズパラメータの各々が以下の関係を満たしている場合は、系の長さを縮小したとしても、依然として光学性能は比較的良好である。
【0068】
(1)EFL/T4≦8.5:EFLを縮小することは、系の長さを縮小するために好ましく、また、光学有効径が比較的大きい第4のレンズ素子6は、その製造を容易とするために十分な厚さでなければならないので、EFL/T4が小さくなるように設計されると、撮像レンズ10の系の長さを効果的に縮小できる。5≦EFL/T4≦8.5であることが好ましい。
【0069】
(2)T3/G23≦1.9:第3のレンズ素子5は光学有効径が比較的小さいので、T3は小さく設計される傾向があり得る。第3のレンズ素子5は正の屈折力を有するので、G23は、光が収束するために適切な高さで第3のレンズ素子5に入射可能とするための適切な範囲内であるように設計されなければならない。よって、この関係を満たしている場合には、系の長さを縮小しても、良好な光学性能を維持できる。0.9≦T3/G23≦1.9であることが好ましい。
【0070】
(3)1.5≦T4/(G12+G34):第4のレンズ素子6は光学有効径が比較的大きく、その製造を容易とするためにT4は比較的大きい必要がある。第1のレンズ素子3の凸部321と第2のレンズ素子4の凹部411の構成によって、第1と第2のレンズ素子3、4間にエッジ干渉を引き起こすことなく、G12を小さくできる。第3のレンズ素子5に凸部521があるとともに、第3と第4のレンズ素子5、6間で光学有効径に大きな差がある構成によって、第3と第4のレンズ素子5、6間にエッジ干渉を引き起こすことなく、G34を小さくできる。よって、T4/(G12+G34)は大きく設計される傾向にあるべきである。1.5≦T4/(G12+G34)≦4.8であることが好ましい。
【0071】
(4)1.9≦T4/G34:上述のように、T4を縮小することは比較的難しいが、一方、G34を縮小できる比率は比較的大きい。よって、T4/G34は大きく設計される傾向にあるべきである。1.9≦T4/G34≦8.5であることが好ましい。
【0072】
(5)1.6≦G23/(G12+G34):上述のように、G23は適切な範囲内であるように設計されなければならず、また、G12およびG34は縮小できる比率が比較的大きいので、G23/(G12+G34)は大きく設計される傾向にあるべきである。撮像レンズ10が、さらに条件1.6≦G23/(G12+G34)≦3を満たしている場合には、G34をより大きくでき、その結果、組立工程が比較的簡単となる。1.6≦G23/(G12+G34)≦4.2であることが好ましい。
【0073】
(6)AAG/T4≦3:上述のように、T4は、第4のレンズ素子6の製造を容易とするために比較的厚くされなければならず、また、AAGを縮小することは、撮像レンズ10の系の長さを縮小するために好ましい。よって、AAG/T4は小さく設計される傾向にあるべきである。0.7≦AAG/T4≦3であることが好ましい。
【0074】
(7)T1/G23≦1.55:第1のレンズ素子3の光軸(I)周辺の表面形状には制限がなく、また、第1のレンズ素子3の光学有効径は比較的小さいので、第1のレンズ素子3は比較的小さい厚さに製造できる。上述のように、G23は、良好な光学性能を維持するために十分に大きくなければならない。よって、T1/G23は小さく設計される傾向にあるべきである。0.65≦T1/G23≦1.55であることが好ましい。
【0075】
(8)3.9≦BFL/T2:第2のレンズ素子4の光軸(I)周辺の表面形状には制限がなく、また、第2のレンズ素子4の光学有効径は比較的小さいので、第2のレンズ素子4は比較的小さい厚さに製造できる。BFLは、光学フィルタ7およびその他の要素を収容するのに十分であるように設計されなければならない。よって、BFL/T2は大きく設計される傾向にあるべきである。3.9≦BFL/T2≦6.5であることが好ましい。
【0076】
(9)TTL/T4≦9.35:上述のように、T4は、第4のレンズ素子6の製造を容易とするために十分に大きくなければならないが、一方、TTLは縮小される。よって、TTL/T4は小さく設計される傾向にあるべきである。6≦TTL/T4≦9.35であることが好ましい。
【0077】
(10)T2/G23≦0.8:上述のように、G23は適切な範囲内であるように設計されなければならず、また、T2は縮小できる比率が比較的大きい。よって、T2/G23は小さく設計される傾向にあるべきである。0.2≦T2/G23≦0.8であることが好ましい。
【0078】
(11)3.8≦BFL/(G12+G34):上述のように、BFLは十分に大きくなければならず、また、G12およびG34は縮小できる比率が比較的大きい。よって、BFL/(G12+G34)は大きく設計される傾向にあるべきである。3.8≦BFL/(G12+G34)≦9であることが好ましい。
【0079】
(12)ALT/G23≦5.5:ALTを縮小することは、撮像レンズ10の系の長さを縮小するために好ましく、また、G23は適切な範囲内であるように設計されなければならないので、ALT/G23は小さく設計される傾向にあるべきである。2.8≦ALT/G23≦5.5であることが好ましい。
【0080】
(13)2.0≦BFL/T1:T1は縮小できる比率が比較的大きく、また、BFLは十分に大きくなければならないので、BFL/T1は大きく設計される傾向にあるべきである。2≦BFL/T1≦2.7であることが好ましい。
【0081】
(14)T3/T4≦2.15:上述のように、T4は比較的大きく、T3は比較的小さい。よって、T3/T4は小さく設計される傾向にあるべきである。1≦T3/T4≦2.15であることが好ましい。
【0082】
(15)T2/T4≦0.7:上述のように、T4は比較的大きく、T2は比較的小さい。よって、T2/T4は小さく設計される傾向にあるべきである。0.2≦T2/T4≦0.7であることが好ましい。
【0083】
要約すると、本発明に係る撮像レンズ10の作用および効果は、以下のように説明される。
1.撮像レンズ10で必要な正の屈折力の一部を与える正の屈折力を有する第3のレンズ素子5と、凸部321、凹部411、凸部521、凹部611、および凸部612によって、撮像レンズ10の像収差を補正できる。第4のレンズ素子6がプラスチック材料で構成されていることによって、撮像レンズ10の重量およびコストを削減できる。
2.EFL/T4、T3/G23、T4/(G12+G34)、T4/G34、G23/(G12+G34)、AAG/T4、T1/G23、BFL/T2、TTL/T4、T2/G23、BFL/(G12+G34)、ALT/G23、BFL/T1、T3/T4、およびT2/T4などの関連する光学パラメータの設計によって、球面収差などの光学収差を低減でき、またはさらに除去さえもできる。また、レンズ素子3〜6の面設計および配置によって、系の長さを縮小した場合でも、依然として光学収差を低減またはさらに除去もでき、その結果、比較的良好な光学性能が得られる。
3.前述の8通りの好ましい実施形態によって、本発明の系の長さ(TTL)を5mm未満にまで縮小できることが分かっている。本発明は、従来の撮像レンズと比較して、相対的に小型の撮像レンズを提供することで、関連製品の開発を促すとともに、良好な光学性能を維持しつつ市場の要求を満たすものである。
【0084】
撮像レンズ10の第1の適用例を図36に示しており、この例では、撮像レンズ10は、電子機器1(携帯電話機などであるが、これに限定されない)のハウジング11内に配置されて、該電子機器1の撮像モジュール12の一部をなしている。撮像モジュール12は、撮像レンズ10が配置される鏡筒21と、鏡筒21が配置されるホルダユニット120と、像面8(図2を参照)に配置される撮像センサ130と、を有している。
【0085】
ホルダユニット120は、鏡筒21が配置される第1のホルダ部121と、第1のホルダ部121と撮像センサ130との間に介在させる部分を有する第2のホルダ部122と、を含んでいる。鏡筒21、およびホルダユニット120の第1のホルダ部121は、撮像レンズ10の光軸(I)と一致する軸(II)に沿って延在する。注目すべきことは、本実施形態における撮像センサ130は、チップ・オン・ボード(COB:Chip On Board)技術を用いてパッケージ化されているということである。従来のCSP(Chip Scale Package:チップ・スケール・パッケージ)とは異なり、COB技術の場合、カバーガラスが不要である。よって、本発明の撮像レンズは、カバーガラスを含んでいないが、本発明はこの点に関して限定されるべきではない。
【0086】
撮像レンズ10の第2の適用例を図37に示している。第1と第2の適用例の違いは、第2の適用例では、ホルダユニット120が,ボイスコイルモータ(VCM:Voice‐Coil Motor)として構成されていることであり、第1のホルダ部121は、鏡筒21が配置される内側部分123と、内側部分123を取り囲む外側部分124と、内側部分123と外側部分124との間に介在させるコイル125と、コイル125の外側と外側部分124の内側との間に配置される磁性部品126と、を含んでいる。
【0087】
内側部分123と鏡筒21は、その中の撮像レンズ10と共に、撮像レンズ10の光軸(I)と一致する軸(III)に沿って、撮像センサ130に対して動くことができる。撮像レンズ10の光学フィルタ7は、外側部分124に当接するように配置された第2のホルダ部122に配置される。第2の適用例における電子機器1の他の構成要素の構成および配置は、第1の適用例のものと同じであり、従って、簡潔にするため、以下では説明しない。
【0088】
本発明の撮像レンズ10によって、適用例のそれぞれにおける電子機器1は、良好な光学性能および撮像性能を有しつつ、比較的縮小された全厚となるように構成でき、これによって、材料のコストが削減され、また、製品の小型化要求が満たされる。
【0089】
本発明について、最も現実的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関して説明したが、当然のことながら、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、最も広い解釈の趣旨および範囲に含まれる種々の構成を包括し、かかる変形および均等な構成のすべてを網羅するものとする。
図1
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図3
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図5
図6
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