(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
水分量を測定するための電極を有するアタッチメント部と、前記電極からの電気信号に基づいて水分量を算出する算出手段を有する本体部と、を有し、前記アタッチメント部と前記本体部が着脱可能な体内水分計であって、
前記本体部に装着されているアタッチメント部の種類を判別する判別手段と、
前記判別手段により判別された種類に基づいて、脱水状態を判定するための基準値を設定する設定手段と、
前記算出手段により算出された水分量と、前記設定手段により設定された基準値とに基づいて、脱水状態を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする体内水分計。
所定のユーザ操作に応じて、前記設定手段で設定された基準値を、他の種類のアタッチメント部に対応した基準値に変更する第1変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の体内水分計。
水分量の測定の完了をユーザに通知するための通知形態と脱水状態をユーザに通知するための通知形態の少なくともいずれかを、前記判別手段により判別された種類に応じて変更する第2変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の体内水分計。
水分量を測定するための電極を有するアタッチメント部と、前記電極からの電気信号に基づいて水分量を算出する算出手段を有する本体部と、を有し、前記アタッチメント部と前記本体部が着脱可能な体内水分計の制御方法であって、
前記本体部に装着されているアタッチメント部の種類を判別する判別工程と、
前記判別工程で判別された前記アタッチメント部の種類に基づいて、脱水状態を判定するための基準値を設定する設定手段と、
前記算出手段により算出された水分量と、前記設定手段により設定された基準値とに基づいて、脱水状態を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする体内水分計の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
<1.体内水分計の外観構成>
図1は、本実施形態に係る体内水分計100の外観構成の一例を示す図である。体内水分計100は、被検者の体表面である腋窩の皮膚にセンサ部121を接触させ、センサ部121において供給した電気信号に応じた物理量を検出することで被検者の体内の水分量を検出する。本実施形態に係る体内水分計100では、当該物理量(生体中の水分に関するデータ)として被検者の静電容量を測定することにより、腋窩の皮膚の湿り具合を検出し、体内の水分量を算出する。なお、体内水分量を算出するために検出する物理量は静電容量に限られるものではなく、例えば、定電圧もしくは定電流を被検者に供給して測定されるインピーダンスであってもよい。
【0016】
図1に示すように、体内水分計100は、本体部110と、本体部110に対して着脱が可能なアタッチメント部120とを備える。本体部110は、上面114、下面115、側面116、117がそれぞれ長軸方向(不図示)に略平行に形成されており、全体として、直線状に形成されている。本体部110の筐体表面には、各種ユーザインターフェースが配置されるとともに、筐体内部には体内水分量を算出するための電子回路が収納される。
【0017】
図1の例では、ユーザインターフェースとして、電源スイッチ111及び表示部112が示されている。電源スイッチ111は、本体部110の後端面113の凹部に配されている。このように凹部に電源スイッチ111を配する構成とすることで、電源スイッチ111への誤操作を防ぐことができる。なお、電源スイッチ111がオンされると後述の電源部411(
図4)から体内水分計100の各部への電源供給が開始され、体内水分計100は動作状態となる。
【0018】
表示部112は、本体部110の側面117上において、長軸方向のやや前方側に配されていることが好ましい。これは、体内水分計100を用いて被検者の体内水分量を測定するにあたり、測定者が把持領域118を把持した場合であっても、測定者の把持した手で表示部112が完全に覆われることがないようにするためである(把持した状態でも測定結果が視認できるようにするためである)。
【0019】
表示部112には、水分量の測定結果131が表示される。また、脱水の可能性の度合いや重篤度を参考的に示すための水分量マーク132も併せて表示される。本実施形態では、水分量マーク132の表示状態を以下のように変化させる。
・水分量の測定結果が第1の基準値以上であれば正常であるとして、水滴が満たされた水分量マーク132aを表示する。
・水分量の測定結果が第1の基準値未満、第2の基準値以上(ここで、第1の基準値>第2の基準値)であれば、水分がやや足りず、脱水の傾向にあるとして、水滴が半分満たされた状態の水分量マーク132bを表示する。
・水分量の測定結果が、第2の基準値未満の場合は脱水状態であり、重篤である可能性もあるとして水滴が空の状態の水分量マーク132cを表示する。
【0020】
本実施形態では、アタッチメント部120は本体部110と着脱可能となっており、たとえば、高齢者用のアタッチメント部、小児用のアタッチメント部といったように、年齢に応じた複数のアタッチメント部に交換することが可能である。そして、上述した第1の基準値と第2の基準値は、装着されるアタッチメント部の種類(アタッチメント部が対応する被験者の年齢)に応じて、適切な値が選択される。
【0021】
電池表示部133には、電池(
図3の電源部411)の残量が表示される。また、無効な測定結果が得られた場合や測定エラーが検出された場合には、表示部112に“E”が表示され、その旨をユーザに報知する。なお、表示部112に表示される文字等は、本体部110の上面114側を上とし、下面115側を下として、表示されるものとする。また、種類マーク134,135は、本体部110の装着されているアタッチメント部の種類を表示する。本実施形態では、高齢者用のアタッチメント部と小児用のアタッチメント部の2種類が装着可能となっており、種類マーク134は、高齢者用のアタッチメント部が本体部110に装着されている場合に表示される。また、種類マーク135は、小児用のアタッチメント部が本体部110に装着されている場合に表示される。
【0022】
体内水分計100のアタッチメント部120は、上面124及び下面125が曲面形状を有しており、本体部110に対して、全体として、緩やかに湾曲している。アタッチメント部120の先端面122には、センサ部121が矢印141a、141bの方向へスライド可能に保持されている。
【0023】
センサ部121は、先端面122に略平行な面を有するセンサヘッド123を有しており、センサヘッド123の皮膚への密着を保証する上での押圧を確保するため、不図示のばねにより、矢印141aの方向へ付勢されている(たとえば150gf程度の付勢力)。そして、センサヘッド123が被検者の腋窩の皮膚に押し当てられると、センサ部121が矢印141bの方向(先端面122と略直交する方向、すなわち先端面122の法線方向)に所定量(例えば1mm〜10mm、本実施形態では3mm)スライドし、これにより測定が開始されるよう構成されている(以下、矢印141bの方向をスライド方向と称す)。
【0024】
具体的には、ユーザが電源スイッチ111をオンして体内水分計100を動作状態とした後、センサヘッド123を被検者の腋窩に所定時間以上(例えば2秒以上)押し当てられたことが検知されると、体内水分量の測定が開始される。本実施形態では、ユーザが電源スイッチ111をオンして体内水分計100を動作状態とした後、センサヘッド123を被検者の腋窩に所定負荷(例えば20gf〜200gf、さらに好ましくは100gf〜190gf、本実施形態では150gf)で押し当てたことが検知されると、体内水分量の測定が開始される。このような仕組みにより、測定時におけるセンサヘッド123の腋窩への密着の程度を一定にすることができる。
【0025】
なお、センサヘッド123の被検者との接触面には、電極が敷設され、電極を覆うように保護材が設けられている。また、センサヘッド123の接触面は平面形状に限られず、凸状の曲面形状でもよい。そのような接触面の形状の例としては、球面(例えば半径15mmの球面)の一部とすることが挙げられる。
【0026】
<2.体内水分計の使用例>
次に、上記特徴的な外観形状を有する体内水分計100の使用例について説明する。
図2は、体内水分計100の使用例を説明するための図であり、
図2の2Aは、被測定者の左上半身を、
図2の2Bは、2Aのa−a断面を模式的に示したものである。
図2の2Bに示すように、体内水分計100は、センサ部121が、被検者の左上腕と左胸壁との間の腋窩に押し当てられた状態で、被検者の体内水分量の測定を行う。
【0027】
センサ部121を腋窩に押し当てるにあたり、測定者は、センサ部121が上側を向くように体内水分計100の把持領域118を右手で把持し、被検者の前方下側から、腋窩に向かって、センサ部121を挿入する。
【0028】
図1で示したように、体内水分計100のアタッチメント部120は緩やかに湾曲しており、被検者の前方下側から腋窩に向かって挿入した際に、上腕の前側の側壁と体内水分計100とが干渉することはなく、また、測定者の右手が被検者の上腕と干渉することもなくセンサ部121を腋窩に略直角に押し当てることができる。
【0029】
また、アタッチメント部120の湾曲方向とセンサ部121のスライド方向とが一致するように、アタッチメント部120の湾曲形状が形成されているため、測定者は、湾曲方向205に沿って押圧することで、センサ部121を腋窩に略直角に押し当てることができる。
【0030】
このように、本実施形態に係る体内水分計100の形状によれば、高齢者等のように、腋窩が深い被検者であっても、容易に測定を行うことができる。また、上述したように、水分量を測定するための電極(センサ部121)を有するアタッチメント部120と、電極から得られる電気信号から水分量を算出する測定回路421や制御部401(
図4により後述)を有する本体部110とは着脱式となっている。たとえば、
図3に示すように、アタッチメント部120とは形状が異なるアタッチメント部120aを、アタッチメント部120に替えて本体部110に装着することができる。アタッチメント部120aは、たとえば、アタッチメント部120よりも短く、小児の腋窩において水分量を測定するのに適した形状を有する。なお、本実施形態では、高齢者用のアタッチメント部120と、小児用のアタッチメント部120aを交換可能なアタッチメント部として示すが、交換可能なアタッチメント部の種類はこれらに限定されるものではない。すなわち、複数の年齢層に応じた複数のアタッチメント部が提供されればよい。また、本実施形態では、「高齢者用」、「小児用」という名称で区分しているが、「高齢者用」とは測定対象が成人であり、「小児用」とは測定対象が小児〜幼児であると理解されるべきである。
【0031】
図3を参照して、アタッチメント部120,120aと本体部110との装着について説明する。アタッチメント部120が本体部110に装着されると、本体部110の表示部112が存在するパネル(側面117を形成するパネル)と直交するパネル(上面114、下面115を形成するパネル)に設けられた凹部301,303に、アタッチメント部120に設けられた凸部301a,303aが嵌合する。また、アタッチメント部120のピン311a,312aが本体部110の電極穴311,312に挿入される。ピン311a、312aはそれぞれセンサヘッド123に設けられた電極に接続されており、これらが電極穴311,312に挿入されることで、電極からの電気信号が本体部110へ伝わる。アタッチメント部120が装着中であることは、凸部301a,303aが凹部301,303に嵌合しており、凹部302,304があき状態となっていることから検出される(
図4により後述する)。
【0032】
他方、アタッチメント部120aを本体部110に装着すると、本体部110の表示部112が存在するパネルおよびこれに対向するパネルに設けられた凹部302,304にアタッチメント部120aに設けられた凸部302a,304aが嵌合する。また、アタッチメント部120aのピン311a,312aが本体部110の電極穴311,312に挿入される。なお、アタッチメント部120aが装着中であることは、凸部302a,304aが凹部302,304に嵌合しており、凹部301,303があき状態となっていることから検出される(
図4により後述する)。
【0033】
なお、高齢者用のアタッチメント部120では、高齢者の腋窩の形状が大きくくぼんでいるため、本体部110の長手方向とセンサ部121のスライド方向とのなす角度が、約20度〜40度となるようにしている。また、アタッチメント部120は、センサ部121が搭載された先端ほど細くなっているものとする。他方、小児用のアタッチメント部120aでは、小児の腋窩の肉が多く、腋窩の奥行きも短いため、装着部から先端部までの距離がアタッチメント部120よりも短くなるようにしている。また、アタッチメント部120aでは、本体部110の長手方向とセンサ部121のスライド方向とのなす角度が、0度〜30度となるようにしている。また、アタッチメント部120aの場合、センサ部121が搭載された先端は、丸身を帯びた形状とすることが好ましい。また、図示のように、凹部301〜304の位置、凸部301a〜304aの位置を中央からずらすことにより、本体部110へのアタッチメント部120の装着の状態が一義的に決定されるようになっている。なお、装着の状態が一義的に決定されるようにすることは、たとえば、装着部分の形状を台形にするなど、他の形態を用いてもよいことは言うまでもない。
【0034】
<3.体内水分計の機能構成>
図4は、本実施形態に係る体内水分計100の機能構成例を示すブロック図である。
図4において、制御部401は、CPU402、メモリ403を有し、CPU402がメモリ403に格納されているプログラムを実行することにより、体内水分計100における種々の制御を実行する。
【0035】
例えば、CPU402は、
図6のフローチャートにより後述する表示部112の表示制御、ブザー422やバイブレータ423の駆動制御、体内水分量の測定(本実施形態では静電容量測定)などを実行する。メモリ403は、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含み、不揮発性メモリはプログラムメモリとして、揮発性メモリはCPU402の作業メモリとして利用される。
【0036】
電源部411は、交換が可能なバッテリー、或いは充電が可能なバッテリーを有し、体内水分計100の各部へ電源を供給する。電圧レギュレータ412は、制御部401等へ一定電圧(例えば、2.3V)を供給する。電池残量検出部413は、電源部411から供給される電圧値に基づいて、電池の残量を検出し、その検出結果を制御部401に通知する。制御部401は、電池残量検出部413からの電池残量検出信号に基づいて、表示部112における電池表示部133の表示を制御する。
【0037】
電源スイッチ111が押下されると、電源部411からの各部への電力供給が開始される。そして、制御部401は、電源スイッチ111のユーザによる押下が1秒以上継続したことを検出すると、体内水分計100を電源オンの状態とする。すなわち、制御部401は、電源部411からの各部への電源供給を維持させ、体内水分計100を動作状態とする。上述したように、測定スイッチ414は、センサ部121が矢印141bの方向へ所定量以上押されるとオン状態になる。制御部401は、測定スイッチ414のオン状態が所定時間(例えば2秒)継続したことを検出すると、水分量の測定を開始する。なお、電源部411の消耗を防止するために、体内水分計100が動作状態になってから5分経過しても測定開始とならない場合は、制御部401は自動的に体内水分計100を電源オフの状態へ移行させる。
【0038】
測定回路421は、アタッチメント部120が具備するセンサヘッド123と、電極穴311,312,ピン311a,312aを介して接続され、静電容量を測定する。
図5は、測定回路421の構成例を示す図である。オペアンプ501、502、抵抗503、504、被検者容量510によりCR発振回路が形成されている。被検者容量510によって出力信号505の発振周波数が変化するので、制御部401は、出力信号505の周波数を測定することにより、被検者容量510を算出する。制御部401はこの被検者容量510をさらに体内水分量へ換算し、表示部112に測定結果131として表示する。なお、本実施形態のセンサヘッド123には、例えば、2つのくし型電極が、それぞれのくし歯が互い違いに並ぶように配置されているものとするが、これに限られるものではない。
【0039】
図4に戻る。上述したアタッチメント部120、120aの凸部301a〜304a、本体部110の凹部301〜304、には、それぞれの嵌合状態において互いに接触するように電極が設けられている。本体部110において、凹部303,304に設けられた電極はグランドレベルに接続されている。種類判別部450は、凹部301,302に設けられた電極を介して得られる電気信号により、装着されているアタッチメント部120,120aの種類を判定する。たとえば、アタッチメント部120では、凸部301aと303aに設けられた電極が短絡されており、アタッチメント部120aでは、凸部302aと304aに設けられた電極が短絡されている。
【0040】
したがって、アタッチメント部120が装着されると、
図4に示すように、凸部301a,303aに設けられた電極を介して、本体部110の凹部301に設けられた電極がグランドレベルとなる。種類判別部450は、凹部301の電極がグランドレベルとなり、凹部302の電極がフローティング状態であることを検出することで、高齢者用のアタッチメント部120であることを識別する。同様に、アタッチメント部120aが装着されると、種類判別部450は、凹部302の電極がグランドレベルとなり、凹部301の電極がフローティング状態であることを検出することになり、これにより、アタッチメント部120aが装着中であることを判別する。
【0041】
以上のように、種類判別部450は、どの凹部の電極がグランドレベルになるかをチェックすることにより装着されたアタッチメント部の種類を判別する。なお、本実施形態では、たとえば、アタッチメント部120には凸部302a,304aが存在しないようにしたが、電極間の短絡状態が上述したとおりであれば、凸部301a,303aが存在してもかまわない。また、アタッチメント部の種類の判別方法はこれに限られるものではないことは言うまでもない。例えば、凹部301〜304に、凸部301a〜304aの挿入によりオンとなるメカニカルなスイッチを設けておき、これらのスイッチの状態に基づいてアタッチメント部の種類を判別するようにしてもよい。
【0042】
表示部112は、
図1で説明したような表示を制御部401の制御下で行う。ブザー422は、センサ部121の押下による測定の開始や、体内水分量の測定が完了した際に鳴動し、測定の開始や完了をユーザに通知する。バイブレータ423もブザー422と同様の通知を行う。すなわち、バイブレータ423は、センサ部121の押下による測定の開始や、体内水分量の測定が完了した際に駆動し、測定の開始や完了をユーザに通知する。計時部424は、電源がオフの状態であっても電源部411からの電源供給を受けて動作し、動作状態においては時刻を制御部401に通知する。
【0043】
<4.体内水分計の動作>
以上のような構成を備えた、本実施形態に係る体内水分計100の動作を、
図6のフローチャートを参照して説明する。
図6に示される処理は、電源スイッチ111の押下により、本体部110が電源オンとなった場合に開始される。
【0044】
まず、制御部401は、ステップS601において、本体部110に装着されているアタッチメント部の種類を種類判別部450により判別する。本実施形態では、上述した高齢者用のアタッチメント部120と小児用のアタッチメント部120aのいずれかを判別するものとする。なお、アタッチメント部が装着されていない場合は、たとえばブザー422を所定のパターンで鳴動するなどして、その旨の通知を行う。
【0045】
続いて、制御部401は、ステップS601で判別された装着中のアタッチメント部の種類に基づいて、脱水状態を判定するための基準値を設定する。すなわち、複数の年齢層に応じて提供されている複数のアタッチメント部のうち、装着されているアタッチメント部が対応している年齢層にしたがって、基準値が設定される。本実施形態では、高齢者用と小児用のアタッチメント部が提供されており、装着中のアタッチメント部が高齢者用と判定された場合は処理がステップS602に進む。ステップS602において、制御部401は、アタッチメント部が高齢者用であることを示す種類マーク134を表示し、脱水状態の判定のための第1、第2の基準値として高齢者用の基準値を設定する。他方、装着中のアタッチメント部が小児用と判定された場合、ステップS603において、制御部401は、アタッチメント部が小児用であることを示す種類マーク135を表示し、脱水状態の判定のための第1、第2の基準値として小児用の基準値を設定する。高齢者用の基準値、小児用の基準値の一例を以下の表1に示す。
[表1]
高齢者用 小児用
第1の基準値 35% 40%
第2の基準値 25% 28%
【0046】
ステップS604では、制御部401が、測定開始の指示を検出するのを待つ。本実施形態では、測定スイッチ414の状態を監視し、測定スイッチ414のオン状態が2秒以上継続した場合に測定開始の指示を検出したと判定する。なお、測定開始の指示の検出に応じて、ブザー422および/またはバイブレータ423を所定期間、所定パターンで駆動して、測定の開始をユーザに通知するようにしてもよい。また、測定開始の指示を待つ間、所定のインターバルで、装着されているアタッチメント部の種類を判別する処理を実行してもよい。
【0047】
ステップS604において、測定開始の指示が検出されると、制御部401は体内水分量の測定を開始する。まず、ステップS605において、制御部401は、測定回路421からの出力信号505の発振周波数を測定する。ステップS606において、制御部401は、ステップS605において測定された出力信号505の発振周波数に基づいて、被検者の体内水分量を算出する。以下の、ステップS607〜S611では、ステップS602またはS603で設定された基準値とステップS606で算出された体内水分量とに基づいて、脱水状態を判定し、その判定結果をユーザに通知する処理が行われる。
【0048】
まず、ステップS607とステップS608において、制御部401は、ステップS603またはS604で設定された第1、第2の基準値と、ステップS606で算出された体内水分量との比較を行なう。体内水分量が第1の基準値以上の場合、処理はステップS609へ進み、制御部401は、脱水の心配がない正常値であることを示す水分量マーク132aを選択する。体内水分量が第1の基準値未満で第2の基準値以上の場合、処理はステップS610へ進み、制御部401は、脱水状態の可能性があることを示す水分量マーク132bを選択する。更に、体内水分量が第2の基準値未満の場合、処理はステップS611へ進み、制御部401は、脱水状態が進行していることを示す水分量マーク132cを選択する。
【0049】
したがって、高齢者用のアタッチメント部120が装着されている場合には、以下のように脱水状態が判定され、水分量マーク132が表示されることになる。
・体内水分量≧35%: 水分量マーク132aを表示(正常)
・35%>体内水分量≧25%: 水分量マーク132bを表示(脱水の傾向あり)
・25%>体内水分量: 水分量マーク132cを表示(脱水状態)
【0050】
なお、本実施形態では第1の基準値と第2の基準値により表示の形態を変更しているが、これに限られるものではない。例えば、第1の基準値のみで正常化脱水状態かを判断して表示の形態を変更するようにしても良いし、3つ以上の基準値で順次に表示の形態を変更するようにしても良い。
【0051】
次に、ステップS612において、制御部401は、今回の測定により算出された体内水分量を測定結果131として表示部112に表示する。このとき、制御部401は、上記ステップS609〜S6011のいずれかで選択された水分量マーク132を表示部112に表示する。ユーザは体内水分量の測定値を知るとともに、水分量マーク132の表示により脱水状態か非脱水状態かの判定、その重篤度を容易に判断することができる。特に、アタッチメント部が高齢者用か小児用かに応じて脱水判定のための基準値が適切に選択されるので、被検者に応じて、より正確に脱水状態を通知することが可能となる。また、高齢者用と小児用で、それぞれの被験者に応じた形状の異なるアタッチメントを使用できるので、体内水分量の測定のしやすさも向上する。
【0052】
<5.変形例について>
上記実施形態では、装着されているアタッチメント部の種類の判別結果にしたがって高齢者用の基準値、小児用の基準値が設定され、必ずそれら基準値が用いられるようにしたが、これに限られるものではなく、基準値をユーザが変更できるようにしてもよい。たとえば、ユーザ操作により現在装着されているアタッチメント部とは別のアタッチメント部に対応した基準値に変更することを可能にしてもよい。このようにすれば、高齢者用のアタッチメント部120が装着された状態で小児用の基準値を用いるといった使い方ができる。これは、たとえば、制御部401が、電源スイッチ111の長押し(2秒以上)を電源オフ操作として認識し、電源スイッチ111の1秒以下の押圧操作(以下、短押し)を基準値の切り替え操作として認識することで実現できる。たとえば、ステップS604において測定の開始を待つ間に、電源スイッチ111の短押しが検出された場合に、基準値の切り替えが実行される。たとえば、アタッチメント部120が装着されて、種類マーク134が表示された状態で、電源スイッチ111が短押しされると、種類マーク135に表示が切り替わり、小児用の基準値が設定される。その後、もう一度電源スイッチ111の短押しをすると、種類マーク134に表示が切り替わり高齢者用の基準値に設定が戻されるようにする。以上の動作を、電源スイッチ111の短押しのたびに繰り返すことで、装着されているアタッチメント部が対応する年齢層とは異なる基準値の設定を行なうことが可能となる。
【0053】
上記実施形態では、装着中のアタッチメント部の種類に応じて基準値を変更したが、更に測定の完了や脱水状態の通知形態をアタッチメント部の種類に応じて変更するようにしてもよい。例えば、高齢者用のアタッチメント部120が装着されている場合には、測定の完了や脱水状態の通知にブザー422を用いるようにし、小児用のアタッチメント部120aが装着されている場合には、バイブレータ423を用いるようにする。このようにすれば、被測定者が高齢者であれば比較的大きな音量のブザー音で測定の完了や脱水状態のアラームを通知することができ、高齢者でも容易に測定の完了等を認識できる。他方、被測定者が小児の場合には、バイブレータ423の駆動のみで測定完了等を通知するので、大きなブザー音で眠っている被測定者を目覚めさせてしまうというような事態を避けることができる。
【0054】
また、アタッチメント部120,120aを交換した際に、それぞれのアタッチメント部が有する電極の電気的特性が変化する場合には、装着されたアタッチメント部の種類に応じて、水分量算出の校正が行われるようにしてもよい。例えば、水分量の算出方法が、
・体内水分計100を用いて空気中で測定を行なったときの出力信号505(被検者静電容量)をS1、水中を測定したときの出力信号505(被検者静電容量)をS2とした場合に、S1に0%の体内水分量を、S2に100%の体内水分量を割り当て、
・S1とS2の間の体内水分計100の出力信号と体内水分量(0〜100%)をリニアに割り当ててセンサからの出力信号を体内水分量に換算することで体内水分量の測定結果を得る、
というものである場合、装着されているアタッチメント部ごとにS1、S2が異なると、誤差が発生し、正しく体内水分量を算出できなくなる。
【0055】
したがって、このような誤差を校正することが必要になる。たとえば、そのような校正に用いられる校正値を、アタッチメント部の種類ごとに制御部401が保持し、制御部401がこの校正値を用いて水分量を算出することが考えられる。あるいは、校正値をアタッチメント部120から提供できるようにしてもよい。この場合、アタッチメント部120に校正値を記憶したROMを内蔵しておき、本体部110に校正値を提供する構成とすればよい。あるいは、校正値をたとえば256段階に分けて、アタッチメント部に設けられた8ビットのジャンパーピンにより校正レベルを指示するようにしてもよい。アタッチメント部から本体部110に校正値を提供できるようにすれば、アタッチメント部毎に電極の電気的特性等にばらつきがある場合でも、一つの本体部110に対して、任意の複数のアタッチメント部120を別個に提供することが可能となる。
【0056】
なお、アタッチメント部の種類を、アタッチメント部に設けたROMから提供するようにしてもよいし、適切なビット数のジャンパーピンを用いるようにしてもよい。上記実施形態におけるアタッチメント部の種類の判別は、ジャンパーピンの利用に類似した判別の一例である。また、凹部304の電極のみがグランドレベルに接続されるようにして、残りの凹部301〜303の電極のうちの任意の電極を凹部304の電極と接続することで種類を表すようにすれば、3ビットで種類を表現できる。
【0057】
アタッチメント部の種類が2種類の場合を説明したが、3種類以上のアタッチメント部により3種類以上の基準値を切り替える構成にも適用できることは言うまでもない。例えば、0~10歳、11~20歳、21〜60歳、61歳以上などのように複数の年齢層に分け、それぞれの年齢層に対応した複数のアタッチメント部を用意する。ステップS601〜S603の処理においては、本体部110の制御部401が、装着されているアタッチメントの種類から対応する年齢層を判別し、判別された年齢層に応じた基準値を設定するように動作する。このようにして、3種類以上のアタッチメント部を装着可能な構成を実現できる。
【0058】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る体内水分計100によれば、使用者は、水分量マーク132の表示形態により脱水状態か否か、またその重篤度を、体温測定のように容易に判断することができる。また、被検者の年齢層(小児か高齢者)に応じて使い勝手の良いアタッチメント部を用いることができるとともに、被検者の年齢に応じて脱水状態が適切に示されるので、使いやすさが向上し、且つ適切に判断を行なえる。
【0059】
また、上記実施形態では、測定結果が第1の基準値を下回った場合や第2の基準値を下回った場合の表示の形態の変更を、水滴マークの変更により行なったがこれに限られないことは言うまでもない。例えば、表示色を変えるなど、使用者に基準値を下回ったことを通知して注意を喚起できるように表示の形態が変更されればよい。
【0060】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。