特許第5883318号(P5883318)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883318
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】車両用スイッチノブの取り付け構造
(51)【国際特許分類】
   H01H 23/04 20060101AFI20160301BHJP
   H01H 23/30 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
   H01H23/04 Z
   H01H23/30
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-53509(P2012-53509)
(22)【出願日】2012年3月9日
(65)【公開番号】特開2013-187151(P2013-187151A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2014年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 義広
(72)【発明者】
【氏名】清沢 賢司
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−004273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 23/00−23/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プッシュスイッチを押圧する車両用スイッチノブの取り付け構造であって、
開口部を有するパネルと、
前記開口部から表面が露出されるスイッチノブと、
を備え、
前記パネルは、前記開口部の対向する縁部に、前記パネルと垂直かつ前記パネルの裏面方向に立設される一対の支持部を有し、
前記スイッチノブは、前記表面が前記開口部から露出されない状態から、前記表面が前記開口部から露出された状態となるまで、前記パネルに干渉せずに回動可能なように前記一対の支持部により軸支されることを特徴とする車両用スイッチノブの取り付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用スイッチノブの取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両内において、エアコンディショナーやオーディオ等の車載装置を操作するために、インストルメントパネルやオーバーヘッドコンソールにスイッチが設けられている。
【0003】
図7は、従来のオーバーヘッドコンソールの一例を示す図である。図7に示すオーバーヘッドコンソール7は、パネル70、開口部71、及びスイッチノブ72を有している。オーバーヘッドコンソール7の表面は、パネル70で覆われている。そして、パネル70は、開口部71を有しており、スイッチノブ72の表面が開口部71から露出している。スイッチノブ72は、オーバーヘッドコンソール7の内部で図示しないスイッチに接触乃至近接しており、使用者はスイッチノブ72を押圧することで当該スイッチを押すことができるようになっている。
【0004】
スイッチノブの取り付け構造に関して、例えば特許文献1に示すような取り付け構造が提案されている。特許文献1においては、パネルを取り付けた後に、スイッチノブをパネルの外側から、スイッチノブを支持するためのノブガイドに取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−113978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のようなスイッチノブの取り付け構造では以下のような問題が生じていた。第1に、スイッチノブをパネルの外側から取り付けるため、取り付け作業中にパネル表面に傷をつけてしまう虞があるという問題があった。第2に、スイッチノブをパネルの外側から取り付けるため、スイッチノブが取り付け難いという問題があった。パネルを取り付ける前にスイッチノブを取り付けることも考えられるが、この方法だと、多数のスイッチノブが取り付けられた後に、各スイッチノブに対応して設けられたパネルの開口部を、各スイッチノブに合わせながらパネルを固定しなければならず、いずれにしても煩雑な作業となる。第3に、スイッチノブを支持するための部材であるノブガイドが必要であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑み、取り付け作業中にパネル表面に傷がつきにくく、簡単で、かつ、取り付けるための構成部品を少なくすることが可能な、車両用スイッチノブの取り付け構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明は、プッシュスイッチを押圧する車両用スイッチノブの取り付け構造であって、開口部を有するパネルと、前記開口部から表面が露出されるスイッチノブと、を備え、前記パネルは、前記開口部の対向する縁部に、前記パネルと垂直かつ前記パネルの裏面方向に立設される一対の支持部を有し、前記スイッチノブは、前記表面が前記開口部から露出されない状態から、前記表面が前記開口部から露出された状態となるまで、前記パネルに干渉せずに回動可能なように前記一対の支持部により軸支されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両用スイッチノブを、取り付け作業中にパネル表面に傷がつきにくく、簡単に取り付けることができる。また、車両用スイッチノブを取り付けるための構成部品を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態にかかるパネル10とスイッチノブ14の斜視図である。
図2】本発明の実施形態にかかる車両用スイッチノブの取り付け構造2におけるスイッチノブ14の取り付けの様子を表す図である。
図3】スイッチノブ14を回転させた後のパネル10とスイッチノブ14の位置関係を表す図である。
図4】本発明の実施形態にかかる車両用スイッチノブの取り付け構造2及び周辺部材の正面図である。
図5図4のA−A断面図である。
図6図5のB−B断面図である。
図7】従来のオーバーヘッドコンソールの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、本発明に係るスイッチノブ取り付け構造がオーバーヘッドコンソールに用いられた場合を例に説明する。但し、以下の実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態にかかるパネル10とスイッチノブ14の斜視図である。本実施形態にかかる車両用スイッチノブの取り付け構造は、パネル10及びスイッチノブ14を含んで構成されている。
【0014】
パネル10は、オーバーヘッドコンソールの表面を覆う意匠パネルであり、図1ではその一部が図示されている。パネル10は、表面10aと裏面10bを有し、表面10aが意匠面となっている。また、パネル10には、パネルを貫通する穴である開口部11が設けられている。さらに、パネル10は、開口部11の対向する縁部に、パネル10と垂直方向であって、パネル10からの裏面10b方向に伸びる支持部12が設けられる。支持部12はパネルと一体成型されるのが好ましい。支持部12それぞれの先端近傍には、ボス13が設けられている。
【0015】
スイッチノブ14は、いわゆるシーソー型スイッチノブであり、2つのスイッチを押圧する。スイッチノブ14は、意匠面である表面14a、2つの押圧部16及び17を有する。また、スイッチノブ14の両側面には、ボス13に嵌合される穴15がそれぞれ設けられている。
【0016】
図2は、本発明の実施形態にかかる車両用スイッチノブの取り付け構造2におけるスイッチノブ14の取り付けの様子を表す図である。図2に示すように、スイッチノブ14は、パネル10を表面10aが下になる向きにし、スイッチノブ14の表面14aを上になる向きにして取り付けられる。その向きで矢印20の方向にスイッチノブ14を動かし、支持部12に設けられたボス13と、スイッチノブ14の側方に設けられた穴15を嵌合させる。すると、スイッチノブ14は、2つのボス13を支点としてパネル10に支持され、ボス13を支点として揺動可能になる。なお、本実施形態においては、パネル10側にボス13が設けられ、スイッチノブ14側に穴15が設けられているが、パネル10側に穴を設け、スイッチノブ14側にボスを設けるようにしてもよい。また、本実施形態においては、パネル10は支持部12を2つ有し、支持部12に設けられるボス13及びスイッチノブ14に設けられる穴15もそれぞれ2つ有しているが、ボス13及び穴15の長さを長くする等の変更を行い、支持部12、ボス13、及び穴15をそれぞれ1つとしてもよい。
【0017】
その後、矢印21の向きにスイッチノブ14を回転させることで、スイッチノブ14の表面14aが下向きになり、スイッチノブ14の表面14aは、パネル10の開口部11から露出させられる。図3は、スイッチノブ14を回転させた後のパネル10とスイッチノブ14の位置関係を表す図である。
【0018】
図4は、本発明の実施形態にかかる車両用スイッチノブの取り付け構造2及び周辺部材の正面図である。また、図5は、図4のA−A断面図である。周辺部材は、2つのスイッチ40、41及び基板42を含んでいる。
【0019】
2つのスイッチ40及び41は、いずれも基板42に半田付け等の方法で実装されるプッシュスイッチであり、図4の向きに実装された場合、下から押されることでスイッチの機能を果たす。パネル10及びスイッチノブ14は、スイッチ40及び41近傍に配置され、スイッチノブ14の押圧部16及び17が、2つのスイッチ40及び41を押圧できるように配置される。そして、使用者により、スイッチノブ14が押圧されると、スイッチノブ14はボス13を支点に揺動し、スイッチ40及び41が押圧されることになる。
【0020】
図6は、図5のB−B断面図である。なお、図6においては、スイッチ40、41及び基板42は省略されている。図6に示すように、スイッチノブ14は、ボス13支点として揺動した場合に、パネル10に干渉しないようにパネル10に取り付けけられる。このようにすることで、図2に示すように、スイッチノブ14の表面14aを上向きに取り付け、取り付けた後にスイッチノブ14を回転させることでスイッチノブ14の表面14aを開口部11から露出させることを可能にする。したがって、スイッチノブ14は、少なくとも支持部12に取り付けられた位置から、図3に示すような表面14aが開口部11から露出される位置まで、パネル10に干渉せず揺動できるように取り付けられる。
【0021】
本実施形態にかかる車両用スイッチノブの取り付け構造2を上述の構造とすることで、以下の効果を有する。
【0022】
第1に、図2に示すように、本実施形態にかかる車両用スイッチノブの取り付け構造2では、パネル10の裏面10bに設けられた支持部12が有するボス13に、スイッチノブ14をパネル10の裏から取り付けることで、スイッチノブ14の取り付けの際に、パネル10の意匠面である表面10aを傷付ける虞がなくなる。第2に、スイッチノブ14をパネル10の裏から取り付けることで、スイッチノブ14の取り付け作業が容易になる。取り付け作業が容易化することで、取り付けにかかる工数が削減され、コストの削減につながる。第3に、本実施形態の支持部12をパネル10と一体成型することで、スイッチノブ14を支持するためのノブガイド等の別途の部材が不要になり、また、ノブガイドを組み付ける組み付け工程をも省くことができ、コストの削減をすることができる。
【0023】
また、図2に示すように、スイッチノブ14を、その表面14aを上向きにして支持部12に取り付けることで、スイッチノブ14の取り付け時にスイッチノブ14の表面14aに傷が付くことも防止することができる。
【符号の説明】
【0024】
2 車両用スイッチノブの取り付け構造、7 オーバーヘッドコンソール、10,70 パネル、10a,14a 表面、10b 裏面、11,71 開口部、12 支持部、13 ボス、14,72 スイッチノブ、15 穴、16,17 押圧部、20,21 矢印、40,41 スイッチ、42 基板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7