【実施例1】
【0034】
[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機を、図面に基づき詳細に説明する。なお実施例において「左」又は「右」とは、パチンコ機の表側(前面側)から見たときの「左」又は「右」を示すものとする。まず本実施形態のパチンコ機の基本的構成を簡単に説明する。
【0035】
実施例1のパチンコ遊技機Pは、
図2に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤1、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び打球発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤1は、中枠(遊技盤取付枠)Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤1の透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されてる。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。打球発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
【0036】
中枠Bは、上縁をなす上枠部材B1と、下縁をなし打球発射装置G等が設置された下枠部材B2と、左側縁をなす左枠部材B3と、右側縁をなす右枠部材B4とから構成されて、これら上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に、全体が外枠Aの開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に開口する開口部分が、遊技盤1を設置する遊技盤保持部B5として機能する。ここで、中枠Bは、外枠Aの左上端部及び左下端部に設けられた支軸を介して枢支され、左側端部を中心として中枠Bを回転させることで外枠Aに対して中枠Bを開閉し得るようになっている。
【0037】
[2 遊技盤の概要]
本実施例において、遊技盤1はベニヤで構成され、
図3〜
図5に示す様に、羽根物タイプのセンター役物10を取り囲む様に形成された遊技領域2の下部に取り付けられた始動入賞口31〜33と、左右の装飾体40,50と、下部装飾体60と、障害釘や風車などを備えている。この左右の装飾体40,50には普通入賞口34,35が備えられ、下部装飾体60の左右にに位置する普通入賞口36,37も備えられている。また、センター役物10自体も入賞口として機能する。遊技盤1の裏面には、これら入賞口31〜37及びセンター役物10と連絡して球排出通路113を形成する裏ユニット100が取り付けられている。
【0038】
遊技盤1には、透光部を有する左右の装飾体30,40を取り付けるための開口部4,5が形成されている。なお、
図5に示す様に、下部装飾体60は、遊技盤1の開口部6に前面側から取り付けられると共に、目玉状の透光部65が形成されている。これら左右の装飾体30,40及び下部装飾体60は、単なる意匠体としてだけでなく、背面側からのLED発光演出を実行可能な装飾体となっている。
【0039】
[3 左右の装飾体]
左右の装飾体40,50は、
図6,
図7に示す様に、合成樹脂製の成形体を組み立てた意匠体として構成され、
図4,
図5に示す様に、遊技盤1の開口部4,5に対して前面側から取り付けられる。
【0040】
左装飾体40は、
図6に示す様に、装飾体ベース41の背面側に裏蓋部材42を装着すると共に、前面側に、光拡散部材43、内枠部材44、透光部材45、及び外枠部材46を装着した組立体として構成されている。装飾体ベース41には、これら部品の他に、普通入賞口34を構成する普通入賞口構成部材47、前面装飾部材48及びレンズ部材49p〜49tも装着される。
【0041】
これら部品の内、装飾体ベース41、裏蓋部材42、内枠部材44、外枠部材46、普通入賞口構成部材47、及び前面装飾部材48は、光を透過しない様に着色・メッキ等が施された合成樹脂成形体で構成されている。一方、光拡散部材43、透光部材45、及びレンズ部材49p〜49tは、光透過性を有する合成樹脂成形体で構成されている。
【0042】
装飾体ベース41には、前面プレート41aの縁からやや内側に入った位置に縁枠41bが後方に向かって突設されている。また、前面プレート41aには、複数の貫通孔41c〜41h,41p〜41tが貫通形成されている。レンズ部材49p〜49tは、それぞれ貫通孔41p〜41tに背面側から嵌め込まれる様にして装着される。また、普通入賞口構成部材47が、縁枠41bの所定位置に形成された普通入賞口嵌合部41uに嵌め込まれる様にして装着される。
【0043】
裏蓋部材42は、背面プレート42aの縁からやや内側に入った位置に縁枠42bが前方に向かって突設されている。この裏蓋部材42の縁枠42bは、装飾体ベース41の縁枠41aの内側に嵌合される寸法となっている。背面プレート42aには、装飾体ベース41の貫通孔41c〜41h,41p〜41tと重なる様に、それぞれに対応する貫通孔42c〜42h、凹部42p、貫通孔42q〜42tも形成されている。レンズ部材49p〜49tは、装飾体ベース41の貫通孔41p〜41tと、裏蓋部材42の凹部42p、貫通孔42q〜42tとの間に挟まれる様にして嵌め込まれる。
【0044】
光拡散部材43は、装飾体ベース41の貫通孔41c〜41hの全体に対し、これらよりも外へ若干はみ出す寸法・形状とされている。
【0045】
内枠部材44は、この光拡散部材43の周縁に沿った形状に形成された周壁44aと、装飾体ベース41の貫通孔41c〜41hの間の非貫通部分に対応して周壁44aの内側に渡された内部壁44bとを備え、周壁44aと内部壁44bとによって、装飾体ベース41の貫通孔41c〜41hと対応する開口部44c〜44hが形成されたものとなっている。
【0046】
光拡散部材43は、この内枠部材44と装飾体ベース41の前面プレート41aとの間に挟まれつつ貫通孔41c〜41hの前面を覆う様に装着される。
【0047】
透光部材45は、内枠部材44の周壁44aの前面に当接する縁部45aと、この縁部45aから前方へ膨らむ様に形成された膨出文字部45c〜45hとを備えている。膨出文字部45c〜45hは、内枠部材44の開口部44c〜44hと対応する位置関係となっている。
【0048】
外枠部材46は、内枠部材44の周壁44aに対して外嵌する周壁46aと、この周壁46aの前面側において、透光部材45の膨出文字部45c〜45hを個々に臨ませる様に形成された文字露出窓46c〜46hを備える前面縁46bとを備えている。
【0049】
透光部材45は、その膨出文字部45c〜45hを外枠部材46の文字露出窓46c〜46hから前方に臨ませる様に、内枠部材44と外枠部材46の間に挟み込まれる様にして装着される。
【0050】
右装飾体50は、
図7に示す様に、装飾体ベース51の背面側に裏蓋部材52を装着すると共に、前面側に、光拡散部材53、内枠部材54、透光部材55、及び外枠部材56を装着した組立体として構成されている。装飾体ベース51には、これら部品の他に、普通入賞口35を構成する普通入賞口構成部材57、前面装飾部材58及びレンズ部材59p〜59tも装着される。
【0051】
これら部品の内、装飾体ベース51、裏蓋部材52、内枠部材54、外枠部材56、普通入賞口構成部材57、及び前面装飾部材58は、光を透過しない様に着色・メッキ等が施された合成樹脂成形体で構成されている。一方、光拡散部材53、透光部材55、及びレンズ部材59p〜59tは、光透過性を有する合成樹脂成形体で構成されている。
【0052】
装飾体ベース51には、前面プレート51aの縁からやや内側に入った位置に縁枠51bが後方に向かって突設されている。また、前面プレート51aには、複数の貫通孔51c〜51h,51p〜51tが貫通形成されている。レンズ部材59p〜59tは、それぞれ貫通孔51p〜51sに背面側から嵌め込まれる様にして装着される。また、普通入賞口構成部材57が、縁枠51bの所定位置に形成された普通入賞口嵌合部51uに嵌め込まれる様にして装着される。
【0053】
裏蓋部材52は、背面プレート52aの縁からやや内側に入った位置に縁枠52bが前方に向かって突設されている。この裏蓋部材52の縁枠52bは、装飾体ベース51の縁枠51aの内側に嵌合される寸法となっている。背面プレート52aには、装飾体ベース51の貫通孔51c〜51h,51p〜51tと重なる様に、それぞれに対応する貫通孔52c〜52f、凹部52g、貫通孔52h,52p、凹部52q、貫通孔52r〜52tも形成されている。レンズ部材59p〜59tは、装飾体ベース51の貫通孔51p〜51tと、裏蓋部材52の貫通孔52c〜52f、凹部52g、貫通孔52h,52p、凹部52q、貫通孔52r〜52tとの間に挟まれる様にして嵌め込まれる。
【0054】
光拡散部材53は、装飾体ベース51の貫通孔51c〜51hの全体に対し、これらよりも外へ若干はみ出す寸法・形状とされている。
【0055】
内枠部材54は、この光拡散部材53の周縁に沿った形状に形成された周壁54aと、装飾体ベース51の貫通孔51c〜51hの間の非貫通部分に対応して周壁54aの内側に渡された内部壁54bとを備え、周壁54aと内部壁54bとによって、装飾体ベース51の貫通孔51c〜51hと対応する開口部54c〜54hが形成されたものとなっている。
【0056】
光拡散部材53は、この内枠部材54と装飾体ベース51の前面プレート51aとの間に挟まれつつ貫通孔51c〜51hの前面を覆う様に装着される。
【0057】
透光部材55は、内枠部材54の周壁54aの前面に当接する縁部55aと、この縁部55aから前方へ膨らむ様に形成された膨出文字部55c〜55hとを備えている。膨出文字部55c〜55hは、内枠部材54の開口部54c〜54hと対応する位置関係となっている。
【0058】
外枠部材56は、内枠部材54の周壁54aに対して外嵌する周壁56aと、この周壁56aの前面側において、透光部材55の膨出文字部55c〜55hを個々に臨ませる様に形成された文字露出窓56c〜56hを備える前面縁56bとを備えている。
【0059】
透光部材55は、その膨出文字部55c〜55hを外枠部材56の文字露出窓56c〜56hから前方に臨ませる様に、内枠部材54と外枠部材56の間に挟み込まれる様にして装着される。
【0060】
[4 裏ユニット及びLED基板]
裏ユニット100は、
図3〜
図5,
図8〜
図10に示す様に、遊技盤1の内側に収まる縁枠111が前方に突設形成された裏ユニット本体110の前面側に、左右の装飾体40,50の背後に位置するLED基板120,130を装着したものとなっている。
【0061】
また、裏ユニット本体110には、センター役物10の背後にあたる部分に後方へ窪んだ収納凹所112が形成されると共に、球排出通路113が設けられている。LED基板120,130は、裏ユニット本体110の収納凹所112と縁枠111との間で球排出通路113を避ける位置に取り付けられる。
【0062】
裏ユニット本体110の前面には、
図8〜
図10に示す様に、LED基板120,130の裏面を当接させ得る支持部材114と、LED基板120,130を位置決めする位置決め部材115とが前方へ突設形成された基板装着部116を備えている。そして、この基板装着部116には位置決め部材115で位置決めした際にLED基板120,130の裏面側に突設された配線コネクタ121,131に対して裏面側から配線を接続するための凹所117,118が形成されている。また、支持部材114の周囲は、位置決め部材115で位置決めされたLED基板120,130の周縁を裏面側から支持する周縁支持部材119とされている。そして、LED基板120,130の前面を覆い隠す様に、透明な合成樹脂で形成された前面カバー150,160が装着される。
【0063】
LED基板120,130は矩形形状とされ、基板装着部116に突設された位置決め部材115を挿通して位置決めする位置決め孔122,132が貫通形成されると共に、前面カバー150,160との位置決め用貫通孔123,133も形成されている。なお、LED基板120,130の裏面下部中央には、前述の配線コネクタ121,131が突設されている。また、LED基板120,130の前面側には、左右の装飾体40,50の透光性を有する部分に対応する様に配置されたLED124,134が取り付けられている。
【0064】
前面カバー150,160は、LED基板120,130と寸法・形状を同一にする平板部151,161と、平板部151,161の縁に沿って後方に突設された周壁部152,162とを有すると共に、LED基板120,130の位置決め用貫通孔123,133に嵌合する円筒部153,163が後方に向かって突設されている。また、前面カバー150,160の平板部151,161には、基板装着部116の位置決め部材115の先端位置と対応する様にネジ挿通孔154,164も形成されている。前面カバー150,160は、このネジ挿通孔154,164を介して、裏ユニット100の位置決め部材115の先端にネジ止めされることにより、LED基板120,130の周縁を、その周壁部152,162と基板装着部116の周縁支持部材119との間に挟み付ける様にして裏ユニット100に前面側から着脱可能に取り付けられる。
【0065】
なお、裏ユニット100の前面側には、下部装飾体60のためにも、LED基板120,130と同様に、裏ユニット本体110の前面に設けられた基板装着部の支持部材及び周縁支持部材によって裏面側を支持されると共に、前面側を前面カバー170で覆われた下部装飾体60用のLED基板140も取り付けられている。この下部装飾体用のLED基板140は、下部装飾体60の透光部の形状と対応する形状にされ、前面側にLEDが取り付けられたものとなっている。また、裏面側には配線コネクタが突設され、基板装着部にはこの配線コネクタへと配線を接続するための凹所も設けられている。
【0066】
[実施例1と本発明との対応]
実施例1の遊技機は、センター役物10を取り囲む様に形成された遊技領域2の所定位置に入賞口31〜35が形成されている遊技盤1と、前記遊技盤1の裏面に取り付けられ、前記入賞口31〜35と連絡して球排出通路113を形成する裏ユニット100とを備え、前記遊技盤1の盤面に装着される飾り部材を用いたLEDによる発光演出を実行する様に構成される遊技機において、さらに、以下の構成を備えている。
(A1)前記飾り部材は、透光部45,55,65を有すると共に前記遊技盤1側に取り付けられる装飾体40〜60と、前面にLEDが設置されると共に前記裏ユニット100側に取り付けられるLED基板120〜140とに分割されていること。
(A2)前記遊技盤1には、前記装飾体40〜60を取り付けるための開口部4〜6が形成され、前記装飾体40〜60は、前記開口部4〜6の前面に前記透光部45,55,65が重なる様に取り付けられていること。
(A3)前記LED基板120〜140は、前記装飾体20〜40の透光部45,55,65の背後所定範囲をカバーし得る広さを有し、前記LEDが、少なくともその一部が前記透光部45,55,65と重なる様に前記LED基板120〜140の前面に設置されていること。
【0067】
実施例1の遊技機によれば、電飾部材はLED基板120〜140と一体化せずに、遊技盤1側に取り付ける装飾体40〜60と、裏ユニット100側に取り付けるLED基板120〜140とに分かれているので、装飾体40〜60は装飾体単体で設計することができ、LED基板120〜140は、それぞれLED基板単体で設計することができると共に、電飾部材として一体化させる作業が必要なくなり、これら電飾部材のための遊技盤1からの配線作業も不要になり、組立作業全体を簡略化することができる。
【0068】
実施例1の遊技機は、さらに、以下の構成を備えている。
(B1)前記LED基板120〜140は、前記裏ユニット100の前面側に着脱可能に設置されていること。
(B2)前記裏ユニット100に対して前記LED基板120〜140の前面側に着脱可能に取り付けられ、正面視において前記LED基板120〜140の前面に設置されたLEDを一括して覆い隠すことができる広さを有する透光性の前面カバー150〜170を備えていること。
【0069】
この結果、実施例1の遊技機によれば、LED基板120〜140の設置のための大きな開口を裏ユニット100に形成する必用がなく、裏ユニット100の強度を損なわない。また、前面カバー150〜170を装着するので、裏ユニット100の前面にLED基板120〜140を取り付けてもLEDが前面に露出した状態とならず、LEDの損傷を避けることができ、リユース・リサイクルをより効率的に実施できる。
【0070】
実施例1の遊技機は、さらに、以下の構成を備えている。
(C1)前記裏ユニット100は、前記LED基板120等の裏面を当接させ得る支持部材114と、前記LED基板120等を位置決めする位置決め部材115とが前方へ突設形成されると共に、前記LED基板120等の裏面側に突設された配線コネクタ121等に対して裏面側から配線を接続するための凹所117等が形成された基板装着部116を前面側に備えていること。
(C2)前記支持部材114は、前記位置決め部材115で位置決めされた前記LED基板120等の周縁を裏面側から支持する周縁支持部材119を含んでいること。
(C3)前記前面カバー150等は、少なくとも前記周縁支持部材119で区画された範囲を覆うことのできる広さを有する平板部151等と、該平板部151等の裏面側に前記周縁支持部材119と対応する様に突設された周壁部152等とを有し、前記周壁部152等と前記周縁支持部材119との間に前記LED基板120等の周縁を挟み付ける様に、前記裏ユニット100に対して着脱可能に取り付けられていること。
【0071】
この結果、実施例1の遊技機によれば、LED基板120等は、位置決め部材115によって位置決めし、周縁支持部材119と前面カバー150等の周壁部152等との間に周縁を挟み付ける様にして取り付けられるので、LED基板120等の取り付け作業が容易であると共に、しっかりとした取り付け状態となる。また、支持部材114で裏面を支持されることにより、LED基板LE120等の取付状態が安定し、凹所119から配線コネクタ121等への配線の接続ができるので、大きなLED基板120,130を取り付けるための大きな開口を裏ユニット100に形成する必用がない。
【0072】
また、実施例1の遊技機は、さらに、以下の構成を備えている。
(D1)前記裏ユニット100は、前記センター役物10の背後にあたる部分に収納凹所112を備えていること。
(D2)前記LED基板120,130は、矩形形状を呈し、前記収納凹所112と前記裏ユニット100の縁枠111との間のスペースに、前記裏ユニット100の球排出通路113を避ける様に取り付けられていること。
【0073】
従って、実施例1の遊技機は、羽根物タイプの遊技機であれば、LED基板120,130及び裏ユニット100を、そのまま流用することができる可能性が高く、面積の大きな基板120,130を用いているのでLED基板の個数を減らすことができる。
【0074】
さらに、実施例1の遊技機は、以下の構成も備えている。
(E1)前記装飾体40,50が、前記透光部45,55として、透光性を有しない部材(装飾体ベース41等)で接続された複数個の透光部(膨出文字部45c等)を備え、前記LED基板120,130が、前記複数個の透光部(膨出文字部45c等)の背後所定範囲を同時にカバーし得る広さを有し、前記LEDが、前記複数個の透光部(膨出文字部45c等)のそれぞれの背後に少なくとも一つ以上が位置する様に前記LED基板120,130の前面に設置されていること。
【0075】
従って、実施例1の遊技機によれば、複数個の透光(膨出文字部45c等)のそれぞれに個別のLED基板を備えさせる必用がなく、部品点数を少なくすることができる。
【実施例2】
【0076】
次に、実施例2を説明する。実施例2の遊技機は、実施例1と同様の構成であるが、
図11,
図12に示す様に、左右の装飾体40,50の背後位置に取り付けられるLED基板220,230が、前面側にLED224,234がマトリクス状に縦横ほぼ等間隔で設置されたLED群を形成している。
【0077】
かかる構成を採用することにより、左右の装飾体40,50とLED基板220,230の設計をほぼ完全に切り離すことができ、これらの組立も切り離すことができ、ある機種にとっては余分となるLEDを備えていても、流用という観点からは却って有効なものとなる。
【0078】
次に、本実施例のパチンコ機Pにおける制御系統について
図13に基づき説明する。パチンコ機Pの裏ユニット100の裏面側には、制御装置として、メイン制御基板310と、サブ制御基板320とが備えられている。
【0079】
サブ制御基板320は、
図13(A)に示す制御系統により、メイン制御基板310からの演出コマンドに対応する演出パターンに従って、LED基板220〜240に対して制御信号を出力して発光演出によりデモ演出、小当たり遊技演出、特別遊技演出をそれぞれ実行する。
【0080】
この特別遊技は、
図13(B)示す様な演算処理ルーチンとして実行され、メイン制御基板310からの新たな演出指令コマンドが入力されたか否かを判定し(S10)、「YES」の場合は、演出の内容(デモ演出、小当たり遊技演出、特別遊技演出)を特定し(S20)、対応する演出制御データをROMから読み出し(S30)、LED基板220等に対して制御データを出力し(S40)、S10に戻る。
【0081】
実施例2の遊技機は、マトリクス状に設置されたLED群の内の遊技盤1の開口部の背後に位置するLED群が、開口部単位に群となり、所定の点灯パターンで点灯する様に、LED群の位置情報に基づいた点灯パターンをサブ制御基板320がLED基板220,230に対して出力することにより、流用範囲の広いリユース・リサイクルを可能ならしめている。
【0082】
また、マトリクス状に設置されたLED群に対し、始動口入賞時の開閉部材12a,12bの開閉制御において特別入賞領域に入賞した場合のラウンド数、高継続状態の有無等を表現した点灯パターンをサブ制御基板320に出力させる様にしてもよい。
【0083】
なお、実施例1,実施例2の遊技機は、遊技盤1が、不透明な素材(ベニヤ)で形成されているから、開口以外の部分は裏面側の光を透過しない構造となり、遊技盤の裏面とLED基板の前面の距離がある程度離れていても他の開口用のLED点灯制御による光に邪魔されず、意図した電飾効果を発揮させることができる。
【0084】
この様に、実施例1,実施例2によれば、電飾部材の取り付けが簡単であって、機種毎の電飾部材の設計が容易で、遊技機部品のリサイクル・リユースに大いに寄与することができる遊技機を提供することができる。
【0085】
以上、発明を実施するための実施例を説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。
【0086】
例えば、羽根物と呼ばれる遊技機に限らず、デジパチと呼ばれる遊技機、権利物と呼ばれる遊技機はもちろん、抽選機能を有しない普通機と呼ばれるタイプの遊技機にも適用できることはもちろんである。
【0087】
また、
図1を用いて説明した様に、一つのLED基板が、遊技盤の複数の開口部の背後に位置し、各開口部に装着された各装飾体の透光部を介して、当該一つのLED基板にて発光演出を行う様にすることもできるし、これら複数の開口部には一つの装飾体であって各開口部に対応する透光部を備えたものに対して、LED発光演出をするものとして構成することもできる。
【0088】
加えて、LED基板と開口部及び透光部との位置関係は、LED基板が開口部及び透光部の背後所定範囲に重なりさえすればよい。特に、マトリクス状にLED群を配置したLED基板を用いる場合は、点灯パターンの制御情報を変更するだけで、前方の装飾体による発光演出を実行できるから、この様な構成とするのに適し、装飾体を個々の遊技機に対応した個別の設計とした場合も、LED基板や裏ユニットの流用がより一層容易となる。