特許第5883372号(P5883372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883372
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】貯湯式給湯装置
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20060101AFI20160301BHJP
   F24H 1/18 20060101ALI20160301BHJP
   F24H 9/00 20060101ALI20160301BHJP
   G01F 23/22 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
   G01K1/14 N
   F24H1/18 A
   F24H9/00 E
   G01F23/22 A
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-251326(P2012-251326)
(22)【出願日】2012年11月15日
(65)【公開番号】特開2014-98656(P2014-98656A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】森田 誠
(72)【発明者】
【氏名】山田 照之
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−138931(JP,A)
【文献】 特開平06−109553(JP,A)
【文献】 実開昭61−203502(JP,U)
【文献】 実開昭59−179349(JP,U)
【文献】 特開2009−288023(JP,A)
【文献】 実開昭58−195848(JP,U)
【文献】 実開昭49−003045(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/14
F24H 1/18
F24H 9/00
G01F 23/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクに給水を補給する給水管と、貯湯タンク上部に連通し高温水を出湯する出湯管と、貯湯タンク外周の上下方向に複数個備えられ該貯湯タンク内温度と共に貯湯量を検知する貯湯温度センサとを備えたものに於いて、前記貯湯温度センサは、温度を検知する素子部と、該素子部と接続されているリード線部と、前記素子部を覆って保護する保護部とからなり、前記保護部のリード線部方向の長さの寸法が保護部の厚み方向の寸法より大きい時、貯湯温度センサを貯湯タンクに対して水平に設け、前記保護部のリード線部方向の長さの寸法が保護部の厚み方向の寸法以下の時、貯湯温度センサを貯湯タンクに対して垂直に設けたことを特徴とする貯湯式給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱手段で貯湯タンク内の湯水を循環加熱する貯湯式給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、貯湯タンクの下部から取り出した水を加熱手段で沸き上げ目標温度に加熱して貯湯タンクの上部から戻すようにしたものがあり、給湯の際は、貯湯タンク下部からの給水されることにより貯湯タンク上部から沸き上げられた湯が出湯されることで給湯を行い、それにより貯湯タンク内には上部に高温の湯、下部に低温の水、それらの境界層に中間温度の中温水が位置する状態となる。
【0003】
その貯湯タンク内の高温の湯の残量を検知するため、貯湯タンク外周の上下方向に湯タンク内温度と共に貯湯量を検知する貯湯温度センサを複数個備えていた。(特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−138981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこの従来のものでは、貯湯温度センサとしてサーミスタを使用していたが、このサーミスタは先端部分にある温度を検知する素子部と、該素子部と接続されているリード線部と、前記素子部を覆って保護するコーティング剤からなる保護部とからなり、このサーミスタを貯湯タンクに対して垂直に取り付けていたが、保護部が厚み方向の寸法よりもリード線部方向の寸法が長い状態で形成されていると、貯湯タンク内の温度の境界層がその保護部に位置した時、保護部が高温の湯の部分と低温の水の部分とに接触してしまい、温度の境界層が検知しづらくなり、貯湯タンク内の高温の湯の残量を正確に給湯制御部が把握できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、請求項1では特にその構成を、加熱手段で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクに給水を補給する給水管と、貯湯タンク上部に連通し高温水を出湯する出湯管と、貯湯タンク外周の上下方向に複数個備えられ該貯湯タンク内温度と共に貯湯量を検知する貯湯温度センサとを備えたものに於いて、前記貯湯温度センサは、温度を検知する素子部と、該素子部と接続されているリード線部と、前記素子部を覆って保護する保護部とからなり、前記保護部のリード線部方向の長さの寸法が保護部の厚み方向の寸法より大きい時、貯湯温度センサを貯湯タンクに対して水平に設け、前記保護部のリード線部方向の長さの寸法が保護部の厚み方向の寸法以下の時、貯湯温度センサを貯湯タンクに対して垂直に設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の請求項1によれば、貯湯温度センサの保護部のリード線部方向の長さの寸法が保護部の厚み方向の寸法より大きい時、貯湯温度センサを貯湯タンクに対して水平に設け、前記保護部のリード線部方向の長さの寸法が保護部の厚み方向の寸法以下の時、貯湯温度センサを貯湯タンクに対して垂直に設けたので、貯湯温度センサの保護部が高温の湯の部分と低温の水の部分とに接触してしまうのを極力少なくして、貯湯タンク内の温度の境界層を検知することができ、それにより貯湯タンク内の高温の湯の残量を正確に給湯制御部が把握することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の一実施形態を示す貯湯式給湯装置の概略説明図。
図2】同要部電気回路のブロック図。
図3】同貯湯温度センサを取り付けた状態を示す説明図。
図4】同貯湯温度センサを取り付けた他の状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次にこの発明の一実施形態を図示した貯湯式給湯装置に基づいて説明する。
1は円筒状の貯湯タンクで、二酸化炭素冷媒を用いたヒーポンユニットから成る加熱手段2を利用し、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯するものであり、底部には給水を補給する給水管3が接続し、上部には貯湯した高温水を給湯栓(図示せず)等に出湯する出湯管4が接続されている。
【0010】
5は一方に出湯管4を、他方には給水管3から分岐した給湯用給水バイパス管6を、中央には給湯管7が接続した電動三方弁から成る給湯用混合弁で、出湯管4からの高温水と給湯用給水バイパス管6からの給水とを混合して、台所リモコン8で設定された給湯設定温度となるようにして供給するものであり、給湯管7に備えた給湯サーミスタ9による給湯温度と給水温度と給湯設定温度から、出湯管4の湯側開度と給湯用給水バイパス管6の水側開度をフィードフォワード制御で調整するものである。
【0011】
10は前記給湯用混合弁5と同じく一方には出湯管4を、他方には給湯用給水バイパス管6から分岐した風呂用給水バイパス管11を、中央を風呂循環回路(図示せず)に接続した電動三方弁から成る風呂用混合弁で、出湯管4からの高温水と風呂用給水バイパス管11からの給水とを混合して、浴室リモコン12で設定された風呂設定温度となるようにして湯張りするものであり、出湯温度と給水温度と風呂設定温度とから、出湯管4の湯側開度と風呂用給水バイパス管11の水側開度をフィードフォワード制御で調整するものである。
【0012】
13は貯湯タンク1の外周壁に取り付けられた複数の貯湯温度センサで、上下方向に等間隔で上から順に13a、13b、13c、13dと4個が設けられ、貯湯温度やこの温度をマイコンから成る給湯制御部14に入力して、残湯量や沸き上げ運転、沸き終い運転等の演算、運転制御を行わせるものである。
【0013】
前記給湯制御部14は、残湯量が貯湯温度センサ13aが検出する所定残湯量、ここでは50Lに達することで、給水管3の減圧弁15より上流側に備えられた遮断弁16を数秒の間開閉制御し、これにより給湯が断続されて使用者に湯切れが近いことを知らせるものである。
【0014】
又この遮断弁16は、貯湯タンク1や各配管等からの漏水を検知して給水管3を閉弁する緊急遮断弁も兼用しているもので、こちらの作動を優先させるものである。
【0015】
17は貯湯タンク1と加熱手段2とを湯水が循環可能に接続する往き管18と戻り管19と循環ポンプ20とで構成された加熱循環回路である。
21は給水管3途中に設けられた給水サーミスタであり、22は出湯管4に備えられた圧力逃がし弁であり、23は給水管3に設けられた貯湯タンク1側からの逆流を阻止する逆止部である。
【0016】
前記貯湯温度センサ13は、サーミスタを使用しており、先端部分にある温度を検知する素子部24と、該素子部24と接続されているリード線部25と、前記素子部24を覆って保護するコーティング剤からなる保護部26とからなるものである。
【0017】
次にこの貯湯温度センサ13の取り付け構造について説明する。
図3に示すように、貯湯温度センサ13の保護部26のリード線部25方向の長さの寸法Bが保護部26の厚み方向の寸法A以下の時は、貯湯タンク1に対して貯湯温度センサ13を垂直に取り付けるものである。
【0018】
図4に示すように、貯湯温度センサ13の保護部26のリード線部25方向の長さの寸法Bが保護部26の厚み方向の寸法Aより大きい時は、貯湯タンク1に対して貯湯温度センサ13を水平に取り付けるものである。
【0019】
それにより貯湯温度センサ13の保護部26が高温の湯の部分と低温の水の部分とに接触してしまうのを極力少なくして、貯湯タンク1内の温度の境界層を検知することができ、それにより貯湯タンク1内の高温の湯の残量を正確に給湯制御部14が把握することができるものである。
【符号の説明】
【0020】
1 貯湯タンク
2 加熱手段
3 給水管
4 出湯管
13 貯湯温度センサ
24 素子部
25 リード線部
26 保護部
図1
図2
図3
図4