【実施例】
【0060】
[063]核酸(NA)−Chol接合体が、アミンと容易に入手可能なコレステロールクロロホルメートとを反応させてコレステン環構造の3β位でカルバメート結合を得ることにより得られている。この系では、交換可能な水素を有する極性基が親油性環構造に非常に近くに位置している。このことは、接合体の親油性、および任意の脂質二重層に十分に介在するまたは他の親油性部分と結合する接合体の能力を制限することになり得る。
図1を参照のこと。本明細書に記載の接合体では、交換可能なプロトンを有する極性基がコレステン環構造に隣接して位置するリンカー基の使用が避けられている(
図1)。
【0061】
実施例1:例示的な接合体の合成
[064]Chol−O−HEX−OH(
図2の2に示される)などのエーテル結合コレステロールを用いて、NA接合体を作製することができる。
図2は、リンカーアミダイト6、およびコハク酸エステル7(本明細書では「C6−Chol」と称する)の合成を示している。それらは、それぞれ、通常入手可能な合成試薬を用いて作られた一般的な化学合成オリゴヌクレオチドの5’修飾(化合物6)として、およびオリゴヌクレオチド合成に用いられる任意の市販のアミノ支持体にアミド化によって接合体される場合には3’修飾(化合物7)として用いることができる。あるいは、例えばトリチルによるモニタリングまたは追加のアミダイト結合の必要がない場合、5’末端で接合されるオリゴヌクレオチドのため、2などのアルコールからアミダイトを調製することができる。
【0062】
[065]一般に、炭化水素スペーサーは、リン酸エステルを形成するためにヒドロキシル基を末端にまたは末端近くに含む。少なくとも1個の炭素、好ましくは2個以上の炭素によって隔てられた2個のヒドロキシル基があることが好ましい。例えば、一方が第2級アルコールであり、他方が第1級アルコールである場合、ヒドロキシルは異なっていてもよい。少なくとも1個のヒドロキシル基が、鎖の5’末端でヌクレオチドとのホスホジエステル結合を形成する必要がある。5’−コレステロール接合体の場合、2個のヒドロキシル基があることにより、自動合成装置上での反応についておよび/またはコレステロール接合体を過ぎたさらなる鎖の伸長についてトリチルによるモニタリングが可能となる。4,4’−ジメトキシトリチル(DMTr)は、例えば、1個のヒドロキシルおよびホスホロアミダイト(すなわちホスホジエステル前駆体)上に位置するか、あるいはより効率的なホスホロアミダイト結合を提供するであろう残りのヒドロキシル上にある。
【0063】
[066]3’−コレステロール接合体は、異なることが好ましい(すなわち一方が第2級であり、一方が第1級である)2個のヒドロキシル基を必要とし、ここで、ヌクレオチド鎖は、DMTrで保護された第1級アルコールを伸長除去し(grow off)、接合体部分は、第2級ヒドロキシル基上のある種の開裂可能な結合を介して固体支持体に固着されるであろう。5’−接合体は、第2級の位置にホスフェートを有するであろう。
【0064】
[067]固相ポリヌクレオチド合成での接合のためのChol−O−Hex中間体の例示的な合成を以下に記載する。
【0065】
コレスト−5−エン−3β−トシレート
[068]コレステロール(25.Og,64.7mmol)を定量して500mL丸底フラスコに入れ、ピリジン(200mL)に溶解して、無色の溶液を得て、これを0℃に冷却する。塩化トシル(24.65g,129mmol)を定量して100mL丸底フラスコに入れ、ピリジン(40mL)に溶解し、淡黄色の溶液を得る。次いで、塩化トシル溶液を攪拌したコレステロール溶液に一度に添加し、得られた反応混合物を一晩攪拌し、その間に室温となる。反応混合物を回転エバポレーターで濃縮し、白色の固体を得て、これを最小量のクロロホルム(40ml)に溶解し、メタノール(500mL)を添加することによって沈殿させる。得られた白色の固体をろ過し、メタノール(500mL)およびアセトニトリル(200mL)で洗浄する。固体を1L丸底フラスコに移し、高真空下で一晩乾燥し、白色粉末34.2g(98%)を得る。
1H(400MHz,CDCI3):δ0.67(3H,s);0.80−1.75(33H,m);1.76−2.03(5H,m);2.20−2.30(1H,m);2.44(4H,m);4.25−4.35(1H,m);5.29(1H,d,J=5Hz);7.32(2H,d,J=8Hz);7.79(2H,d,J=8Hz)。
【0066】
コレスト−5−エン−3β−オキシヘキサン−6−オール
[069]コレスト−5−エン−3β−トシレート(15.Og,27.7mmol)および1,6−ヘキサンジオール(65.5g,555mmol)を定量して500mL丸底フラスコに入れ、1,4−ジオキサン(300mL)に溶解し、無色の懸濁液を得る。フラスコに効率的な還流コンデンサーを取り付け、反応混合物を110℃油浴中で17時間加熱還流する。反応混合物を真空で濃縮し、残渣を脱イオン水(500mL)に懸濁する。水相をEtOAc(2x150mL)で抽出し、合わせた有機相を水(2x300mL)および食塩水(1x150mL)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮し、高真空下で一晩乾燥し、淡黄色のワックス12.85g(95%)を得る。
1H(400MHz,CDCI
3):δ0.67(3H,s);0.80−1.65(42H,m);1.75−2.05(5H,m);2.12−2.25(1H,m);2.30−2.40(1H,m);3.05−3.17(1H
1m);3.45(2H,dt,J=6.5,1.6Hz);3.57(2H,t,J=6.6Hz);5.34(1H,d,J=5.3Hz)。
【0067】
コレスト−5−エン−3β−オキシヘキサン−6−メシレート
[070]コレスト−5−エン−3β−オキシヘキサン−6−オール(12.84g,26.4mmol)を定量して、500mL丸底フラスコに入れる。フラスコにジクロロメタン(100mL)およびトリエチルアミン(7.35mL,52.7mmol)を充填し、アルゴンでフラッシングし、0℃に冷却する。塩化メシル(2.55mL,32.96mmol)を攪拌溶液に5分間にわたって滴下して添加し、混合物をさらに1時間0℃で攪拌する。飽和重炭酸ナトリウム溶液(150mL)を混合物に添加し、次いで、これを分液漏斗に移す。水性相を捨て、有機相をフレッシュな飽和重炭酸ナトリウム溶液(1x150mL)および食塩水(1x50mL)で洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮乾燥し、黄色のワックス14.8g(99%)を得る。
1H(400MHz,CDCI
3):δ0.67(3H,s);0.80−1.65(41H,m);1.70−2.05(5H,m);2.12−2.23(1H,m);2.30−2.37(1H,m);3.00(3H,s);3.05−3.17(1H,m);3.45(2H,dt,J=6.5,1.4Hz);4.22(2H,t,J=6.6Hz);5.34(1H,d,J=5.2Hz)。
【0068】
3−(6−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ヘキシルオキシ)プロパン−1,2−ジオール
[071]ソルケタル(2.92g,27.5mmol)を定量し、200mL丸底フラスコに入れた。アルゴンでフラッシングし、トルエン(40mL)を充填した。水素化ナトリウム(油中60%分散液)(3.14g,131mmol)を攪拌溶液に一度に添加し、混合物を室温で30分間攪拌した。コレスト−5−エン−3β−オキシヘキサン−6−メシレート(14.8g,26.2mmol)をトルエン(40mL)に溶解し、溶液をアルコキシド溶液にゆっくりと添加した。フラスコを還流コンデンサーに取り付け、器具をアルゴンでフラッシングした。反応混合物を加熱還流し、17時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル中のエタノール溶液でクエンチし、15分間にわたって激しく攪拌した反応混合物に滴下して添加した。反応混合物をさらに酢酸エチルで希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(2x150mL)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。
【0069】
[072]残渣を比率が4:4:1のテトラヒドロフラン:トリフルオロ酢酸:水(18mL)に再び溶解し、次いで、2時間室温で攪するように設定した。反応混合物のTLC(15%アセトン/ヘキサン)によって、粗製混合物中の所望の化合物の脱保護が完了したことが示された。反応混合物を蒸発乾燥し、100gのBiotage SNAP シリカカラムに適用し、酢酸エチル/ヘキサン勾配(0〜35%、2L、約50mL/分)で溶出し、無色のワックス4.90g(2工程で33%)を得た。
【0070】
.
1H(400MHz,CDCI
3):δ0.67(3H,s);0.80−1.65(41H,m);1.75−2.05(5H,m);2.12−2.40(4H,m);3.07−3.17(1H,m);3.40−3.57(6H,m);3.63(1H,dd,J=11.4,5.2);3.71(1H,dd,J=11.4,3.9);3.81−3.89(1H,m);5.34(1H,d,J=5.2Hz)。
【0071】
1−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)−3−(6−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ヘキシルオキシ)プロパン−2−オール
[073]3−(6−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ヘキシルオキシ)プロパン−1,2−ジオール(4.75g,8.47mmol)を定量して、攪拌棒を備えた200mL丸底フラスコに入れた。フラスコをアルゴンでフラッシングし、ピリジン(30mL)を充填し、攪拌しながら0℃に冷却した。DMTr−CI(3.01g,8.89mmol)を定量して20mLシンチレーションバイアルに入れ、ピリジン(17mL)に溶解した。DMTr−CI溶液を20分間にわたって攪拌ジオール溶液に滴下して添加した。反応物を一晩攪拌し、その間に室温となる。反応物を無水メタノール(1mL)を添加することによってクエンチし、反応物を30分間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mL)を反応混合物に添加し、CO
2の発生が終わるまでこれを攪拌した。混合物を濃縮乾燥し、水(100mL)および酢酸エチル(100mL)で分配した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣を100g Biotage SNAPカラムに適用し、酢酸エチル/ヘキサン勾配で溶出して(10〜20%、1.5L、約50mL/分)、無色の粘性な油分50g(47.9%)を得た。
1H(400MHz,CDCI
3):δ0.67(3H,s);0.87(6H,dd,J=6.6,1.8Hz);0.91(3H,d,J=6.6Hz);0.93−1.60(32H,m);1.75−2.05(5H,m);2.15−2.25(1H,m);2.32−2.41(1H,m);2.42(1H,d,J=4.6Hz);3.07−3.22(2H,m);3.39−3.57(6H,m);3.79(6H,s);3.80(s,1H);3.90−3.98(1H,m);5.34(1H,d,J=5.3Hz);6.78−6.85(m,4H);7.14−7.25(m,1H);7.26−7.34(m,6H);7.40−7.44(m,2H)。
【0072】
4−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)−3−(6−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ヘキシルオキシ)プロパン−2−イルオキシ)−4−オキソブタン酸,TEA塩
[074]1−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)−3−(6−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ヘキシルオキシ)プロパン−2−オール(1.75g,2.02mmol)、無水コハク酸(0.812g,8.10mmol)、および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(25mg,0.20mmol)を攪拌棒を備えた100mL丸底フラスコ添加した。フラスコにピリジン(10mL)を充填した。反応混合物を80℃で8時間および50℃で16時間攪拌した。反応混合物を真空で濃縮し、EtOH(3x20mL)とともに共蒸発し、残留ピリジンを除去した。残渣を50g Biotage SNAPカラムに適用し、1Lの60/30/10 EtOAc/Hex/MeOH(3%TEAを含む)、続いて500mlの90/10 DCM/MeOH(3%TEAを含む)を用いて約40mL/分で溶出し、無色のワックス1.31g(61%)を得た。
1H(400MHz,CDCI
3):δ0.67(3H
1s);0.86(6H,dd,J=6.6,1.8Hz);0.91(3H,d,J=6.6Hz);0.93−1.60(41H,m);1.75−2.05(5H,m);2.15−2.25(1H,m);2.32−2.41(1H,m);2.51−2.72(4H,m);2.97(6H
1q,J=7.3Hz);3.07−3.25(2H,m);3.31−3.48(4H
1m);3.52−3.61(2H
1m);3.78(6H
1s);5.19(1H,quintet,J=5.1Hz);5.35(1H,d,J=5.4Hz);6.78−6.85(m,4H);7.14−7.25(m,1H);7.26−7.34(m,6H);7.40−7.44(m,2H)。
【0073】
「Chol−O−Hex−LCAA−CPG」
[075]4−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)−3−(6−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ヘキシルオキシ)プロパン−2−イルオキシ)−4−オキソブタン酸,TEA塩(1.00g,0.952mmol)を定量して、20mLシンチレーションバイアルに入れる。バイアルに2:1 ACN:DCM 6mlを充填する。HBTU(0.343g,0.904mmol)をコハク酸エステル、続いてトリエチルアミン(0.25mL)を添加する。200ml丸底フラスコにLCAA−CPG(12.56g)を定量して入れ、132μmol/gのアミンを充填する。CPGを2:1 ACN:DCM 75mLに懸濁する。コハク酸エステル/HBTU混合物をLCAA−CPG懸濁液に一度に添加し、フラスコを密封し、混合物を合わせ、インキュベートしたオービタルシェーカー上で25℃、250rpmで4時間攪拌する。CPGをろ過し、ACN、DCM、DMF、水、メタノール、ACN、およびDCMの200mLアリコートで洗浄する。CPGを一晩空気乾燥する。次いで、CPGを清浄な200mL丸底フラスコに移す。フラスコをCAP A溶液40mLおよびCAP B溶液40mLを充填し、隔壁密封し(septum sealed)、内容物を25℃、250rpmで3時間攪拌する。次いで、CPGをろ過し、ACN、DCM、MeOH、H
2O、MeOH、DMF、ACN、DCMの200mLアリコートで十分に洗浄する。CPGを一晩空気乾燥する。
【0074】
[076]CPGローディング(loading)をPon,RT.,Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry.2000 3.2.1−3.2.23によって記述された方法の改良によって測定した。CPG(4.24mg)を定量して20mLシンチレーションバイアルに入れた。ジクロロエタン中の5%トリフルオロ酢酸を添加し、バイアルをキャップし、1分間振とうした。溶液の吸光度をThermo Spectronic Genesys10 UV/Vis分光光度計により503nmで測定したところ、2.114であった。ローディングは次式によって計算した。
【0075】
[077][(体積(mL)x吸光度)/76mLcm
−1μmol
1]x[1000/質量(mg)]=ローディング(μmol/g):
[(10mLx2.114)/76mLcm
−1μmol
1]x[1000/4.24mg]=66μmol/g
「Chol−O−Hex−DMTrアミダイト」
[078]1−(4,4’−ジメトキシトリチルオキシ)−3−(6−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ヘキシルオキシ)プロパン−2−オール(1.68g,1.95mmol)を定量して、攪拌棒を備えた200mL丸底フラスコに入れる。フラスコをアルゴンでフラッシングし、隔壁密封し、DCM(10mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.68mL,3.89mmol)を充填する。2−シアノエチルN,N−ジイソプロピルクロロホスホロアミダイト(0.48g,2.0mmol)を攪拌した反応物に滴下して添加し、反応物を17時間攪拌する。反応混合物をDCM50mLで希釈し、飽和重炭酸溶液(2x50mL)および食塩水(1x50mL)で洗浄する。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮する。残渣を25g Biotage SNAPカラムに適用し、酢酸エチル/ヘキサン勾配(5〜10%、750mL、25mL/分)で溶出し、白色のフォーム1.70g(82.1%)を得る。
1H(400MHz,DMSO−d6):δ0.62(3H,s);0.80−1.57(53H,m);1.70−1.95(5H,m);1.96−2.02(1H,m);2.21−2.26(1H,m);2.57−2.72(2H,d,J=4.6Hz);2.97−3.80(m,20H);3.97(1H,quintuplet,J=5.3Hz);5.26(1H,d,J=4.6Hz);6.78−6.86(m,4H);7.13−7.29(m,7H);7.34−7.39(m,2H)。
【0076】
実施例2:1−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ))−12−(コレスト−5−エン−3−オキシ)ドデカン−3−オール官能化CPGの合成
[079]
図3は、ポリヌクレオチド3’修飾として使用することができる本明細書に記載されたリンカー構造(III)の合成を表す。合成の工程をより詳細に以下に記載する。
【0077】
10−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)デカン−1−オール
[080]500mL丸底フラスコ中で、コレステリルトシレート(10.0g,18.5mmol)および1,10−デカンジオール(48.3g,277mmol)をジオキサン(200ml)に懸濁し、白色の懸濁液を得た。フラスコに温度センサーおよび還流コンデンサーを取り付けた。混合物を加熱還流し、一晩攪拌還流した。反応混合物を室温に冷却し、固体をろ過して除いた。溶液を真空で濃縮した。混合物をメタノール(250mL)中で再び溶解し、水(約40mL)を添加し、粗製の生成物を沈殿させた。沈殿物をろ過し、真空で乾燥した。残渣を100g Biotage SNAPカラムでのカラムクロマトグラフィーを用いて0〜25%ヘキサン中EtOAc勾配(2L)で溶出してさらに精製した。純粋な分画を合わせ、濃縮し、白色の固体7.85g(82%)を得た。
1HNMR(300mHz,CDCI
3)δ0.69(3H,s);0.85−1.66(5OH,m);1.75−2.09(5H,m);2.14−2.29(1H,m);2.32−2.43(1H,m);3.14(1H,tt,J=11.2,4.4Hz);3.46(2H,dt,J=6.9,0.4Hz);3.65(2H,t,J=6.6Hz);5.36(1H,d,J=5.3Hz)。
【0078】
10−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)デカナール
[081]100mL丸底フラスコ中で、固体支持された2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ、フリーラジカル(0.5g,1.1mmol/g,0.553mmol)および10−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)デカン−1−オール(3.00g,5.53mmol)をジクロロメタン(20ml)に懸濁し、無色の懸濁液を得た。二酢酸ヨードベンゼン((1.958g,6.08mmol)を混合物に添加し、これを室温で一晩攪拌した。反応混合物をろ過し、固体支持体をDCMで洗浄した。ろ液を合わせ、飽和チオ硫酸ナトリウム(2x20mL)および食塩水(1x20mL)で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。得られた油分を、移動相として100%DCMを用いて、カラムクロマトグラフィーを用いて精製し、無色のワックス2.7Og(90%)を得た。
1HNMR(300MHz,CDCI
3)δ0.69(3H,s);0.84−1.74(47H,m);1.76−2.09(5H,m);2.12−2.26(1H,m);2.32−2.40(1H,m);2.44(2H,dt,J=7.4,1.9Hz);3.14(1H,tt,J=11.2,4.4Hz);3.46(2H,t,J=6.9Hz);5.35(1H,d,J=5.3Hz);9.78(1H,t,J=1.9Hz)。
【0079】
12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)−3−ヒドロキシドデカナール
[082]乾燥200mL丸底フラスコ中に、10−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)デカナール(2.65g,4.90mmol)をアルゴン下でTHF(10ml)に溶解し、無色の溶液を得た。((1,3−ジオキソラン−2−イル)メチル)マグネシウムブロミド(9.80ml,4.90mmol)の0.5M THF溶液を滴下して添加し、得られた溶液を4時間室温で攪拌した。得られた溶液を、NaHCO
3溶液10OmLをゆっくりと添加することによってクエンチし、EtOAc(3x100mL)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(1x10OmL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、500mL丸底フラスコ中で濃縮した。オルトぎ酸トリメチル(10.83ml,98mmol)、PPTS(0.246g,0.980mmol)、およびメタノール(10ml)をフラスコに添加し、内容物を2時間還流した。溶液を室温に冷却し、蒸発乾燥させた。次いで、残渣をアセトン(20ml)および1.0N 塩酸(4.90ml,4.90mmol)に溶解し、一晩攪拌した。反応混合物を水で200mLに希釈し、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。有機相を合わせ、食塩水(1x50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。得られたワックスを、40g Biotage SNAPカラムでのカラムクロマトグラフィーを用いて0〜50%勾配(1L)で溶出して精製した。純粋な分画を合わせ、蒸発乾燥し、12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)−3−ヒドロキシドデカナール(1.97g,3.37mmol,68.7%収率)を無色のワックスとして得た。
1HNMR(300MHz,CDCI
3)δ0.69(3H,s);0.85−1.74(49H,m);1.75−2.13(7H,m);2.14−2.28(1H,m);2.33−2.44(1H,m);3.14(1H,tt,J=11.2,4.4Hz);3.46(2H,t,J=6.8Hz);3.93−4.10(1H,m);5.36(1H,d,J=5.2Hz);5.42−5.55(1H,m);9.78(1H,s)。
【0080】
12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ドデカン−1,3−ジオール
[083]100mL丸底フラスコ中で、12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)−3−ヒドロキシドデカナール(1.90g,3.25mmol)を1,4−ジオキサン(10ml)に溶解し、無色の溶液を得た。MeOH(5ml)をゆっくりと十分に添加し、十分なだけ添加し、溶液中でアルデヒドを保持した。ホウ化水素ナトリウム(0.184g,4.87mmol)を攪拌溶液に添加し、次いで、これを2時間室温で攪拌した。反応混合物を1N HCI(2mL)を添加することによってクエンチした。混合物を水で100mLに希釈し、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。有機相を合わせ、食塩水(1x50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ドデカン−1,3−ジオール(1.85g,3.15mmol,収率97%)を無色のワックスとして得た。
1HNMR(300MHz,CDCI
3)δ0.69(3H,s);0.83−2.07(58H,m);2.13−2.28(1H,m);2.32−2.43(1H,m);3.14(1H,tt,J=11.2,4.4Hz);3.46(2H,t,J=6.8Hz);3.60−4.19(3H,m);5.36(1H,d,J=5.2Hz)。
【0081】
1−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ))−12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ドデカン−3−オール
[084]100mL丸底フラスコ中で、12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ドデカン−1,3−ジオール(1.80g,3.07mmol)をピリジン(20ml)に溶解し、無色の溶液を得た。混合物を攪拌しながらアルゴン下で0℃に冷却した。DMTr−CI(1.091g,3.22mmol)を定量して隔壁密封したシンチレーションバイアルに入れ、ピリジン(10ml)に溶解し、黄色の溶液を得た。DMTr−CI溶液をジオールに滴下して添加した。反応混合物を一晩攪拌し、その間に室温になった。メタノール(2mL)を添加し、混合物をさらに15分間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液で200mLに希釈し、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。有機相を合わせ、食塩水(1x50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。得られたオイルを、40g Biotage SNAPカラムを用いて0〜50%ヘキサン中EtOAc勾配(1L)で溶出して精製した。純粋な分画を合わせ、蒸発し、1−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ))−12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ドデカン−3−オール(2.60g,2.92mmol,95%収率)を無色のオイルとして得た。
1HNMR(300MHz,CDCI
3)δ0.69(3H,s);0.83−2.09(57H,m);2.14−2.29(1H,m);2.33−2.44(1H,m);3.07−3.22(3H,m);3.47(2H,t,J=6.9Hz);3.53−3.66(1H,m);3.81(6H,s);5.37(1H,d,J=5.2Hz);6.80−6.88(4H,m),7.20−7.35(7H,m);7.40−7.49(2H,m)。
【0082】
4−((1−(ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)−12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ドデカン−3−イル)オキシ)−4−オキソブタン酸
[085]20mLシンチレーションバイアル中で、1−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ))−12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ドデカン−3−オール(0.5g,0.562mmol)および無水コハク酸(0.113g,1.124mmol)をDCM(10ml)に溶解し、無色の溶液を得た。TEA(0.313ml,2.249mmol)を添加し、混合物を17時間攪拌するように設定した。TLC(25%EtOAc/ヘキサン,PMA目視)によって、反応が完了したことを判断した。反応混合物を5% NaHPO
4溶液(3x15mL)および食塩水(1x15mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、乾燥濃縮し、さらに精製せずに使用した。
1HNMR(300MHz,CDCI
3)δ0.70(3H,s);0.83−1.74(49H,m);1.77−2.12(5H
1m);2.14−2.29(1H,m);2.33−2.44(1H,m);2.53−2.72(4H,m);3.00−3.09(2H,m);3.16(1H,tt,J=11.2,4.4Hz);3.48(2H,t,J=6.8Hz);3.80(6H,s);4.85−5.00(1H,m);5.36(1H,d,J=5.1Hz);6.78−6.90(4H,m),7.15−7.38(7H,m);7.40−7.49(2H,m);9.29(1H,bs)。
【0083】
1−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ))−12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ドデカン−3−オール官能化CPG
[086]4−((1−(ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)−12−(コレスト−5−エン−3β−オキシ)ドデカン−3−イル)オキシ)−4−オキソブタン酸(0.35g,0.36mmol)を定量して、20mLシンチレーションバイアルに入れる。バイアルに2:1 ACN:DCM 6mLを充填する。HBTU(0.137g,0.35mmol)をコハク酸エステルに添加し、続いてトリエチルアミン(0.25mL)に添加する。100mL丸底フラスコに、定量したLCAA−CPG(5.00g)を132μmol/gアミンのローディングとももに入れる。CPGを2:1 ACN:DCM 30mLに懸濁する。コハク酸エステル/HBTU混合物をLCAA−CPG懸濁液に一度に添加し、フラスコを密封し、合わせた混合物をインキュベートしたオービタルシェーカー上で25℃、250rpmで4時間攪拌する。CPGをろ過し、ACN、DCM、DMF、水、メタノール、ACN、およびDCMの200mLアリコートで洗浄する。CPGを一晩空気乾燥する。次いで、CPGを清浄な200mL丸底フラスコ移す。フラスコを、CAP A溶液40mLおよびCAP B溶液40mLで充填し、隔壁密封し、内容物を25℃、250rpmで3時間攪拌する。次いで、CPGをろ過し、ACN、DCM、MeOH、H
2O、MeOH、DMF、ACN、DCMの200mLアリコートで十分に洗浄する。CPGを一晩空気乾燥する。
【0084】
[087]CPGローディングをPon,RT.,Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry.2000 3.2.1−3.2.23によって記述された方法の改良によって測定した。CPG(4.24mg)を定量して20mLシンチレーションバイアル中に入れた。ジクロロエタン中の5%トリフルオロ酢酸を添加し、バイアルをキャップし、1分間振とうした。溶液の吸光度をThermoSpectronic Genesys10 UV/Vis分光光度計により503nmで測定したところ、2.114であった。ローディングは次式によって計算した。
【0085】
[(体積(mL)x吸光度)/76mLcm
−1μmol
1]x[1000/質量(mg)]=ローディング(μmol/g):
[(10mLx2.260)/76mLcm
−1μmol
1]x[1000/5.12mg]=58μmol/g
実施例3:コレステロールの合成後付加
[088]カルボニル付加−脱離/還元アミノ化、アミド化、マレイミド−チオールカップリング、水性ディールス・アルダー、および「クリック」などの反応によるコレステロールの合成後付加によって、コレステロールアミダイトを合成する必要なく、同等のコレステロールエーテル構築物が提供される。例えば、コレステロールトシレートをアルキル化して、コレスト−5−エン−3β−オキシアルカノールを得て、これをさらに修飾することで、末端アルデヒド、カルボキシレート、アミン、マレイミド、チオール、ジエン、アジド、アルキン、または他の反応性部分を得て、これをさらに好適に修飾されたオリゴヌクレオチドと反応させることで、実質的に非極性で実質的に直鎖状の、コレステロール部分とのアルキルオキシ結合を保持し、かつ、親油性部分および交換可能なプロトンまたは他の実質的に極性の官能基を含む任意の基の間で3原子以上の距離を維持する、コレステロール接合体を得ることができる。
図4を参照のこと。
【0086】
[089]オリゴヌクレオチドを相補的な官能基で官能化する場合、コレスト−5−エン−3−オキシアルカノール(A)を修飾して、典型的なバイオコンジュゲーション技法、例えば、アミド化(B)、ディールス・アルダーバイオコンジュゲーション(C)、および「クリック」バイオコンジュゲーション(D)を容易に行うことができる官能基を得ることができる。
【0087】
実施例4:miR−208のin vivo心臓ノックダウン
[090]表2に示されるすべての化学物質について、2x80mg/kgのantimiR配列またはミスマッチ(
図5および
図6の「mm」)配列のいずれかを、これらの化学物質を生理食塩水に溶解して用いて、および、コントロールとして生理食塩水のみ(
図5および
図6の「sal」)を用いて(表2)、4匹の成体雄C57BI6マウスに尾の静脈より注入した。表2中のリンカー1は、本明細書に記載するリンカー構造(Xl)および(XIII)に対応する。表2中のリンカー2は、本明細書に記載するリンカー構造(X)および(XII)に対応する。比較のため、構造(XIV)のリンカーをコントロールとして用いる。
【化7】
【0088】
[091]さらに、ホスホロチオエート(PS)とは、5’末端の最後の2つのヌクレオチド間結合がホスホロチオエート結合であり、3’末端の最初の5つのヌクレオチド間リン酸結合がホスホロチオエート結合(コレステロールリンカーとオリゴヌクレオチドとの間のリン酸結合を含む)である置換様式をいう。
【表2】
【0089】
[092]最後に注入してから3日後、動物を犠牲死させて、心臓、肝臓、肺、および腎を回収した。RNAを心臓組織から取り出し、ノーザンブロット分析によってmiR−208の心臓発現に対する効果を決定し(
図5)、リアルタイムPCRを用いてmiR−208を定量した(
図6)。これらのデータから、アンタゴmir設計を用いた効率的な心臓ノックダウンが再確認される。しかしながら、コレステロールまたはホスホロチオエートが存在しないため、化学物質によるin vivoでのmiR−208の有用な心臓ノックダウンの確立が妨げられる。オリゴの5’または3’末端とのコレステロール結合のためのC4またはC6リンカーの使用は、両方のリンカーがコレステロールの結合に好適であることを示している。C6をオリゴの3’末端において用いることにより、miR−208に対するオリジナルのアンタゴmirよりもさらに効率的なmiR−208のノックダウンが誘発される(
図5および
図6)。これらのデータは、in vitro系と異なり、コレステロールおよびホスホロチオエートなどの脂質部分が心筋細胞のノックダウンに望ましく、5’または3’の両方のリンカーがオリゴとのコレステロール結合に十分であり、オリジナルのアンタゴmir設計と比較して、同等の、さもなければ高い、miR−208のノックダウンを確立することができることを示している。
図5を参照のこと。
【0090】
実験プロトコル
miRNAのノーザンブロッティング
異なる化学物質および接合体に応答するmiR−208のノックダウンを評価するために、miR−208に対して指向するプローブを用いたノーザンブロット分析を用いて、心臓でのmiR−208の存在を検出した。トリゾール剤を用いて全RNAを心臓から集め、その10μgをノーザンブブロッティングに用いる。この目的のために、RNA試料を20%アクリルアミド変性ゲル上で流し、電気泳動によってZeta−プローブ GTゲノムブロッティング膜(Bio−Rad)にトランスファーする。トランスファー後、ブロットを交差結合させ、80℃で1時間べークする。miRNA検出の感度を最大にするために、オリゴヌクレオチドプローブをStarfire Oligosキット(IDT、アイオワ州コーラルヴィル)およびα−32P dATP(Amersham)で標識する。プローブを、Rapid−hyb緩衝液(Amersham)中で39℃で一晩、膜にハイブリダイズし、その後、それを0.1%SDSを含む0.5xSSCを用いて、39℃で10分間、2回洗浄する。ブロットを暴露し、U6プローブをローディングコントロール(U6フォワード:5−GTGCTCGCTTCGGCAGC−3(配列番号64)、U6リバース:5−AAAATATGGAACGCTTCACGAATTTGCG−3(配列番号65))として用いる。ホスホイメージャー(phosphorimager)およびImageQuant(Bio−Rad)を用い、放射性信号強度を用いて発現の倍率変化を定量する。
【0091】
リアルタイムPCR分析
[093]ノーザンブロット分析に加えて、miRNA特異的リアルタイムPCR分析を行い、miR−208ノックダウンレベルを検証し、定量した。製造元の指示書に基づいてSuper Script Il逆転写酵素(Invitrogen Life Technologies Inc.,カナダオンタリオ州バーリントン)を使用し、各組織試料から得られた2μgRNAを用いてcDNAを生成した。リアルタイムPCRは、ABIから購入したTaqmanプローブを用いて95℃で3分間の最初の変性工程を行った後、95℃/30秒および60℃/30秒の間でサイクルさせる(40サイクル)。増幅産物を融解曲線ソフトウエア(Biorad)を用いて通常通りに検査し、比較Ct法を用いて転写量を比較し、該方法では、内在性SnoRNAの量に対して基準化され、かつ、コントロール試料に対する標的の量が、2
−ΔΔCtによって与えられる。
【0092】
参照文献
Krieg, A. M., Tonkinson, J., Matson, S., Zhao, Q., Saxon, M., Zhang, L. M., Bhanja, U., Yakubov, L., and Stein, C. A. 1993. Modification of antisense phosphodiester oligodeoxynucleotides by a 5’−cholesteryl moiety increases cellular association and improves efficacy. Proc Natl Acad Sci USA 90:1048+−1052.
Bijsterbosch, M. K., Manoharan, M., Dorland, R., Waarlo, I. H. E., Biessen, E. A. L., and van Berkel, T. J. C. 2001. Delivery of cholesteryl−conjugated phosphorothioate oligodeoxynucleotides to Kupffer cells by lactosylated low−density lipoprotein. Biochem Pharmacol 62:627−633.
Manoharan, M., Tivel, K. L., Condon, T. P., Andrade, L. K., Barber−Peoch, I., Inamati, G., Shah, S., Mohan, V., Graham, M. J., Bennett, C. F., Crooke, S. T., and Cook, P. D. 1997. Conjugated antisense oligonucleotides. Nucleosides Nucleotides 16:1129−1138.
Ghosh, YK, Visweswariah, SS, and Bhattacharya, S. 2002. Advantage of the Ether Linkage between the Positive Charge and the Cholesteryl Skeleton in Cholesterol−Based Amphiphiles as Vectors for Gene Delivery− Bioconjugate Chem, 13:378−384.
Ghosh, YK, Visweswariah, SS, and Bhattacharya, S. 2000. Nature of linkage between the cationic headgroup and cholesteryl skeleton controls gene transfection efficiency. FEBS Letters, 473:341−344.
Song, YK, Liu, F, Chu, S, and Liu, D. 1997. Characterization of Cationic Liposome−Mediated Gene Transfer In Vivo by Intravenous Administration. Hum Gene Ther, 8:1585−1592.