特許第5883411号(P5883411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5883411画像出力装置、その画像出力方法、及びコンピュータが実行可能なプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883411
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】画像出力装置、その画像出力方法、及びコンピュータが実行可能なプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20160301BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20160301BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
   H04N5/232 Z
   H04N5/225 B
   H04N5/225 F
   G03B15/00 Q
【請求項の数】11
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-89713(P2013-89713)
(22)【出願日】2013年4月22日
(65)【公開番号】特開2014-216667(P2014-216667A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2014年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100132595
【弁理士】
【氏名又は名称】袴田 眞志
(72)【発明者】
【氏名】下遠野 享
【審査官】 藤原 敬利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−278584(JP,A)
【文献】 特開平11−088905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222− 5/257
G03B 15/00
G09C 1/00 − 5/00
H04K 1/00 − 3/00
H04L 9/00 − 9/38
H04N 7/10
H04N 7/14 − 7/56
H04N 21/00 −21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像データに対して不可視化処理を施して出力する不可視化処理手段と、
前記撮像手段で撮像された画像データ又は前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する動作検出手段と、
前記不可視化処理手段による不可視化処理の実行のON/OFFを制御し、電源OFFまたは低消費電力状態から稼働状態に遷移した場合に、前記不可視化処理のON指示を前記不可視化処理手段に出力し、また、前記動作検出手段が、前記被写体の所定の動作を検出した場合に、前記不可視化処理のOFF指示を前記不可視化処理手段に出力する制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
カメラ装置とホスト装置とを含む画像出力装置において、
前記カメラ装置は、
被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像データに対して不可視化処理を施して前記ホスト装置に出力する不可視化処理手段と、
記不可視化処理手段に対して、前記不可視化処理を停止させるための制御手段と、
秘密鍵を生成し、秘密鍵の認証を行う秘密鍵生成・認証手段と、
を含み、
前記ホスト装置は、
前記カメラ装置から出力される不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する動作検出手段と、
前記秘密鍵生成・認証手段に対して、前記秘密鍵の認証を請求する秘密鍵処理手段と、 を含み、
前記秘密鍵生成・認証手段は、パワーオン時に秘密鍵を生成し、
前記秘密鍵処理手段は、前記秘密鍵生成・認証手段から前記秘密鍵を取得し、前記動作検出手段が、前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出した場合に、前記秘密鍵生成・認証手段に前記取得した秘密鍵の認証を請求し、
前記秘密鍵生成・認証手段は、前記秘密鍵の認証に成功した場合に、前記制御手段に認証に成功した旨を通知し、
前記制御手段は、前記認証に成功した旨の通知を受け取った場合に、前記不可視化処理手段に対して、前記不可視化処理を停止させることを特徴とする画像出力装置。
【請求項3】
被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される画像データに対して不可視化処理を施して出力する不可視化処理手段と、
前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する動作検出手段と、
前記不可視化処理手段に対して、前記不可視化処理を停止させるための制御手段と、
秘密鍵を生成し、秘密鍵の認証を行う秘密鍵生成・認証手段と、
前記秘密鍵生成・認証手段に対して、前記秘密鍵の認証を請求する秘密鍵処理手段と、
を備え、
前記秘密鍵生成・認証手段は、パワーオン時に秘密鍵を生成し、
前記秘密鍵処理手段は、前記秘密鍵生成・認証手段から前記秘密鍵を取得し、前記動作検出手段が、前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出した場合に、前記秘密鍵生成・認証手段に前記取得した秘密鍵の認証を請求し、
前記秘密鍵生成・認証手段は、前記秘密鍵の認証に成功した場合に、前記制御手段に認証に成功した旨を通知し、
前記制御手段は、前記認証に成功した旨の通知を受け取った場合に、前記不可視化処理手段に対して、前記不可視化処理を停止させることを特徴とする画像出力装置。
【請求項4】
前記被写体の所定の動作は、人物の所定のジェスチャーであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記不可視化処理は、モザイク化処理であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の画像出力装置。
【請求項6】
さらに、前記不可視化処理手段から出力される画像データを表示する表示デバイスを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の画像出力装置。
【請求項7】
前記画像出力装置は、カメラ装置であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項8】
前記画像出力装置は、コンピューティングデバイスであることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の画像出力装置。
【請求項9】
前記画像出力装置は、ネットワークを介してデータ通信可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の画像出力装置。
【請求項10】
撮像手段が、被写体を撮像して画像データを出力する撮像工程と、
不可視化処理手段が、前記出力される画像データに対して不可視化処理を施して出力する不可視化処理工程と、
動作検出手段が、前記撮像手段で撮像された画像データ又は前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する動作検出工程と、
制御手段が、前記不可視化処理手段による不可視化処理の実行のON/OFFを制御し、電源OFFまたは低消費電力状態から稼働状態に遷移した場合に、前記不可視化処理のON指示を前記不可視化処理手段に出力し、また、前記動作検出工程で前記被写体の所定の動作を検出した場合に、前記不可視化処理のOFF指示を前記不可視化処理手段に出力する制御工程と、
を含むことを特徴とする画像出力方法。
【請求項11】
画像出力装置に搭載されるコンピュータが実行可能なプログラムにおいて、
不可視化処理手段が、撮像手段から入力される画像データに対して不可視化処理を施して出力する不可視化処理工程と、
動作検出手段が、前記撮像手段で撮像された画像データ又は前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する動作検出工程と、
制御手段が、前記不可視化処理手段による不可視化処理の実行のON/OFFを制御し、電源OFFまたは低消費電力状態から稼働状態に遷移した場合に、前記不可視化処理のON指示を前記不可視化処理手段に出力し、また、前記動作検出工程で前記被写体の所定の動作を検出した場合に、前記不可視化処理のOFF指示を前記不可視化処理手段に出力する制御工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータが実行可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置、その画像出力方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置ではカメラを搭載したものが多く普及している。かかるカメラはシステム本体側のコンピュータによって制御される。かかるカメラでユーザを撮影し、その撮像画像をモニタに表示したり、外部に転送してTV会議(例えば、Skype等)を行うことが一般化している。
【0003】
ユーザによっては、プライバシー保護の観点から、ユーザを識別可能なカメラの撮像画像をモニタに表示したり、外部に転送したくない場合がある。他方、悪意のプログラムが侵入した場合には、カメラで撮影したユーザを識別可能な撮像画像が外部に流出するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−281486号公報
【特許文献2】特開2003−087632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、カメラ装置からユーザの撮像画像を出力する場合に、ユーザのプライバシーを保護することが可能な画像出力装置、その画像出力方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像データに対して不可視化処理を施して出力する不可視化処理手段と、前記撮像手段で撮像された画像データ又は前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する動作検出手段と、前記動作検出手段が、前記被写体の所定の動作を検出した場合に、前記不可視化処理手段に対して、前記不可視化処理を停止させる制御手段と、を備えている。
【0007】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記被写体の所定の動作は、人物の所定のジェスチャーであることが望ましい。
【0008】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記不可視化処理は、モザイク化処理であることが望ましい。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記不可視化処理手段から出力される画像データを表示する表示デバイスを備えることが望ましい。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記画像出力装置は、カメラ装置であることが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記画像出力装置は、コンピューティングデバイスであることが望ましい。
【0012】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記画像出力装置は、ネットワークを介してデータ通信可能に構成されていることが望ましい。
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、カメラ装置とホスト装置とを含む画像出力装置において、前記カメラ装置は、被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、前記撮像手段から出力される画像データに対して不可視化処理を施して前記ホスト装置に出力する不可視化処理手段と、前記ホスト装置の動作検出手段が、前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出した場合に、前記不可視化処理手段に対して、前記不可視化処理を停止させる制御手段と、を含み、前記ホスト装置は、前記カメラ装置から出力される不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する前記動作検出手段を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記カメラ装置は、秘密鍵を生成し、秘密鍵の認証を行う秘密鍵生成・認証手段を含み、前記ホスト装置は、前記秘密鍵生成・認証手段に対して、前記秘密鍵の認証を請求する秘密鍵処理手段を含み、前記秘密鍵生成・認証手段は、パワーオン時に秘密鍵を生成し、前記秘密鍵処理手段は、前記秘密鍵生成・認証手段から前記秘密鍵を取得し、前記秘密鍵処理手段は、前記動作検出手段が、前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出した場合に、前記秘密鍵生成・認証手段に前記取得した秘密鍵の認証を請求し、前記前記秘密鍵生成・認証手段は、前記秘密鍵の認証に成功した場合に、前記制御手段に認証に成功した旨を通知し、前記制御手段は、前記認証に成功した旨の通知を受け取った場合に、前記不可視化処理手段に対して、前記不可視化処理を停止させることが望ましい。
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、撮像手段が、被写体を撮像して画像データを出力する撮像工程と、不可視化処理手段が、前記出力される画像データに対して不可視化処理を施して出力する不可視化処理工程と、前記動作検出手段が、前記撮像手段で撮像された画像データ又は前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する動作検出工程と、前記動作検出工程で前記被写体の所定の動作を検出した場合に、制御手段が、前記不可視化処理手段に対して、前記不可視化処理を停止させる制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像出力装置に搭載されるコンピュータが実行可能なプログラムにおいて、不可視化処理手段が、撮像手段から入力される画像データに対して不可視化処理を施して出力する不可視化処理工程と、動作検出手段が、前記撮像手段で撮像された画像データ又は前記不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する動作検出工程と、前記動作検出工程で前記被写体の所定の動作を検出した場合に、制御手段が、前記不可視化処理手段に対して、前記不可視化処理を停止させる制御工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カメラ装置からユーザの撮像画像を出力する場合に、ユーザのプライバシーを保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施の形態に係る画像出力装置の概念図である。
図2図2は、図1の画像出力装置による不可視化処理を説明するための説明図である。
図3図3は、実施例1に係る画像出力装置を適用したノートPCの概略の外観図である。
図4図4は、図3のノートPCの概略のハードウェア構成例を示す図である。
図5図5は、図4のノートPCの不可視化処理に関する機能構成を示す図である。
図6図6は、不可視化処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、実施例2に係る不可視化処理に関する機能構成を示す図である。
図8図8は、実施例3に係る不可視化処理に関する機能構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、この発明に係る画像出力装置、その画像出力方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを図面に基づいて詳細に説明する。本発明の構成要素は、本明細書の図面に一般に示してあるが、様々な構成で広く多様に配置し設計してもよいことは容易に理解できる。したがって、本発明の装置、システム及び方法の実施形態についての以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の選択した実施形態の一例を示すものであって、本明細書の特許請求の範囲に示す本発明と矛盾無く装置、システム及び方法についての選択した実施形態を単に示すものである。当業者は、特定の細目の1つ以上が無くても、又は他の方法、部品、材料でも本発明を実現できることが理解できる。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの又は実質的に同一のものが含まれる。
【0020】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る画像出力装置の概念図である。図1に示す画像出力装置は、ハードウェアやソフトウェアのモジュール、又は、その組み合わせで構成することができる。画像出力装置は、図1に示すように、撮像手段1と、不可視化処理手段2と、動作検出手段3と、及び制御手段4と、を備えている。なお、人物を撮像した画像に対して、その人物を識別できないようにする処理を不可視化処理と称する。
【0021】
撮像手段1は、画像の出力要求を受け付けると、被写体を撮像して得られた画像データ(動画)を出力する。撮像手段1は、例えば、CCDカメラやCMOSカメラで構成することができる。
【0022】
不可視化処理手段2は、撮像手段1から出力される画像データに対して不可視化処理を施して出力する。不可視化処理は、例えば、モザイク化処理であり、動作検出手段3が被写体の所定の動作を検出できる程度のモザイク化が望ましい。また、不可視化処理は、モザイク化処理に限られるものではなく、顔を黒ベタで出力する等の処理としてもよく、ユーザを識別できないようにする処理であればよい。
【0023】
動作検出手段3は、不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する。被写体の所定の動作は、人物の所定のジェスチャーであることが望ましい。例えば、人物の所定のジェスチャーは、手を振るジェスチャーや、手を挙げるジェスチャー等である。画像データから人物の所定のジェスチャーを検出する方法は公知の画像処理技術を使用することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0024】
なお、動作検出手段3は、不可視化処理が施される前の画像データ中から被写体の所定の動作を検出してもよい。
【0025】
制御手段4は、動作検出手段3で、被写体の所定の動作を検出した場合に、不可視化処理手段2に対して、不可視化処理を停止させる。これにより、不可視化処理がされていない画像が出力される。
【0026】
図2は、図1の画像出力装置による不可視化処理を説明するための説明図である。同図は、ユーザを撮像する場合を示しており、(A1)〜(A3)は、撮像手段1から出力される画像、(B1)〜(B3)は、不可視化処理手段3から出力される画像を示している。画像出力装置では、画像の出力要求があると、撮像手段1からは、ユーザを撮像した画像(A1)が出力され、不可視化処理手段3により画像に対して、モザイク化処理が施された画像(B1)が出力される。ユーザが手を振ると(A2)、動作検出手段3は画像(B2)中から手を振る動作を検出する。制御手段4は、動作検出手段3が人物の手を振る動作を検出すると、不可視化処理手段3にモザイク化処理を停止させる。以降、撮像手段1で撮像された画像(A3)がそのまま、即ち、不可視化処理手段3でモザイク化処理が施されていない画像(B3)が出力される。
【0027】
従って、撮像手段1の撮影開始から、撮像手段1で撮像されたユーザの画像にはモザイク化処理が施され、ユーザを識別できない画像が出力され、ユーザが所定の動作を行うことで、モザイクを解除でき、すなわち、ユーザの意図でモザイクを解除でき、ユーザが意図しないユーザを識別可能な画像が出力されるのを防止することができる。
【0028】
以上説明したように、本実施の形態によれば、被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段1と、撮像手段1から出力される画像データに対して不可視化処理を施して出力する不可視化処理手段2と、撮像手段1で撮像された画像データ又は不可視化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する動作検出手段3と、動作検出手段3が、被写体の所定の動作を検出した場合に、不可視化処理手段2に対して、不可視化処理を停止させる制御手段4とを備えているので、ユーザの意図で不可視化処理を解除でき、ユーザの撮像画像を出力する場合に、ユーザのプライバシーを保護することが可能となる。
【0029】
以下、上記実施の形態に係る画像出力装置を適用したコンピュータシステムの実施例について説明する。
【0030】
(実施例1)
図3は、上記実施の形態に係る画像出力装置を適用したノートPC10の概略の外観図である。ノートPC10は、同図に示すように、いずれも略直方体である本体側筐体12及びディスプレイ側筐体13を備える。本体側筐体12は、キーボード及びタッチパッド等を有する入力部14と、マイクロフォン15と、スピーカ16a、16bとを備える。ディスプレイ側筐体13は、LCD(液晶ディスプレイ)17と、LCD17の表示面側にその上方の略中央に配置され、前方の被写体を撮像可能なカメラ18とを備える。
【0031】
本体側筐体12及びディスプレイ側筐体13は、それぞれの端部で左右の一対の連結部(ヒンジ部)19a、19bによって連結されており、連結部19a、19bは、これらの筐体を開閉自在に支持している。
【0032】
図4は、図3のノートPC1の概略のハードウェア構成例を示す図である。ノートPC1は、同図に示すように、CPU31、ROM32、メモリ33、HDD(ハードディスク)34、LCD17、入力部14、カメラ装置25、オーディオデバイス27、通信デバイス21、バッテリ22、DC−DCコンバータ23,ACアダプタ24、USBポート39を備えており、各部はバスを介して直接又は間接的に接続されている。
【0033】
CPU31は、バスを介して接続されたHDD34に格納されたOS41によりノートPC10全体の制御を行うとともに、HDD34に格納された各種のプログラムに基づいて処理を実行する機能を司る。ROM32は、BIOS(Basic Input/Output System:基本入出力システム)32aやデータ等を格納している。
【0034】
メモリ33は、キャッシュメモリやRAMで構成されており、CPU31の実行プログラムの読み込み領域として、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。
【0035】
HDD(ハードディスク)34は、例えば、Windows(登録商標) XP、Vista、7等のノートPC1全体の制御を行うためのOS41、カメラドライバ42a等の周辺機器類をハードウェア操作するための各種ドライバ42、ビデオストリーミングサービス43、ビデオアプリケーション44、テレビ会議やチャットを行うためのSkype等のテレビ電話用アプリケーション45、特定業務に向けられた他のアプリプログラム等を記憶する機能を有する。他のアプリケーションプログラムは、例えば、ブラウザ、メール、ワープロ、表計算等のプログラムである。
【0036】
OS41は、ノートPC10の基本的な動作を制御しているものであり、各種資源を管理し、例えば、アプリケーションプログラムが発生した命令を、各種ドライバ42やBIOS32aに伝える。OS41は、マルチタスク機能及びマルチウィンドウ機能を有し、アプリケーションプログラムの実行コンテキスト(あるアプリケーションプログラムが利用しているレジスタセットやメインメモリイメージ、ファイルハンドルなど)やGUIの部品などのソフトウェア資源の管理も行うように構成されている。
【0037】
各種ドライバ42は、例えば、OS41の指示に従ってLCD17を制御する表示ドライバ、OS41の指示に従ってカメラ装置25を制御するカメラドライバ42a、OS41の指示に従ってオーディオデバイス27を制御するオーディオドライバ、OS41の指示に従って通信デバイス21を制御する通信ドライバ等である。
【0038】
ビデオストリーミングサービス43は、カメラ装置25から入力される動画像をリアルタイムでストリーミングファイルに変換してビデオアプリケーション44に出力する。ビデオアプリケーション44は、ビデオストリーミングサービス44から送られてくるストリーミングファイルを順次、LCD17に再生する。
【0039】
テレビ電話用アプリ45は、OS41を介して、通信デバイス21に相手方端末とリンクを確立させ、カメラ装置25で撮影した画像やマイクロフォン15で集音した音声を送信させたり、相手方端末から送出されてくる画像や音声をLCD17への表示・スピーカ16a、16bからの放音を行わせる。
【0040】
LCD17は、CPU31の制御に従って、表示情報をビデオ信号に変換し、変換したビデオ信号に応じた各種情報を表示画面に表示する。
【0041】
なお、本実施の形態では、ディスプレイとしてLCDを使用することにしているが、本発明はこれに限られるものではなく、有機ELディスプレイやCRT等の他のディスプレイを使用することにしてもよい。
【0042】
入力部14は、ユーザが入力操作を行うためのユーザインターフェースであり、文字、コマンド等を入力する各種キーより構成されるキーボードや、画面上のカーソルを移動させたり、各種メニューを選択するタッチパッド等を備えている。
【0043】
カメラ装置25は、例えば、USBポート39を介して、システム本体10a(ホスト装置とも称する)に接続される。カメラ装置25を接続するためのインターフェースは、USBに限られるものではなく、I2CやMIPI等の他のインターフェースを使用することにしてもよい。カメラ装置25は、カメラ18と、カメラ処理回路26とを備えている。カメラ18は、レンズや撮像部(CCDやCMOS)を備えており、レンズは被写体光を結像し、撮像部は結像された被写体光をR,G,Bの画像信号として出力する。カメラ処理回路26は、A/D変換器、画像処理用LSI、メモリ等を備え、撮像部の駆動タイミングや露出制御等を行うと共に、撮像部で得られたRGBの画像信号をデータ処理(A/D変換等)して、CPU31に出力する。カメラ装置25は、その電源がONされると、ホワイトバランス調整や露出調整等の初期処理を行って、撮像条件や信号処理が安定した後に撮像画像を出力するように構成されている。
【0044】
オーディオデバイス27は、マイクロフォン15と、スピーカ16a、16bと、音声処理回路28とを備えている。マイクロフォン25は、音声を集音して音声データを音声処理回路28に出力する。スピーカ16a、16bは、音声処理回路28から出力される音声データに応じた音声を出力する。音声処理回路28は、A/D変換器、D/A変換器、音声処理用LSI、メモリ等を備えており、マイクロフォン15から入力される音声データをデータ処理(A/D変換等)し、データ処理後の音声データ(デジタルデータ)をCPU11に出力したり、CPU31から入力される音声データ(デジタル)をD/A変換して、スピーカ16a、16bから放音させる。
【0045】
通信デバイス21は、ネットワークを介してデータの送受信を行うためのものであり、画像データ及び音声データをネットワークに送信し、また、ネットワークを介して送信されてくる画像データ及び音声データを受信する。なお、通信デバイス21は、画像データ及び音声データをコード化して送信することにしてもよく、また、コード化された画像データ及び音声データを受信した場合には、デコードすることにしてもよい。
【0046】
ACアダプタ24は、商用電源に接続して、AC電圧をDC電圧に変換してDC−DCコンバータ23に出力する。DC−DCコンバータ23は、ACアダプタ24から供給されるDC電圧を所定の電圧に変換して各部に電力を供給し、また、バッテリ22の充電を行う。バッテリ22は、DC−DCコンバータ23により充電され、充電した電圧を各部に供給する。バッテリ23は、ACアダプタ24が商用電源に接続されていない場合に使用される。
【0047】
図5は、図4のノートPC10の不可視化処理(モザイク化処理)に関する機能構成を示す図である。図5において、カメラ装置25のカメラ処理回路26は、モザイク化処理部51と、モザイク化ON/OFF制御部52と、秘密鍵生成・認証部53と、を備えている。
【0048】
まず、カメラ装置25の処理を説明する。カメラ18は、被写体を撮像して画像を出力する。モザイク化処理部51は、モザイク化ON/OFF制御部52のON/OFF指示に従って、カメラ18から入力される画像(動画)にモザイク化処理を行う。
【0049】
モザイク化ON/OFF制御部52は、モザイク化処理部51のモザイク化処理のON/OFFを制御する。具体的には、モザイク化ON/OFF制御部52は、電源OFFまたは低消費電力状態から稼働状態に遷移した場合に、モザイク化処理のON指示をモザイク化処理部51に出力し、また、秘密鍵生成・認証部53からモザイク化処理の解除の指示がきた場合に、モザイク化処理のOFF指示をモザイク化処理部51に出力する。
【0050】
秘密鍵生成・認証部53は、電源OFFまたは低消費電力状態から稼働状態に遷移した場合に、モザイク化処理を解除するための秘密鍵を生成する。秘密鍵生成・認証部53は、システム本体1a側からの認証に成功した場合に、モザイク化ON/OFF制御部52のモザイク化処理をOFFさせる。
【0051】
このように、カメラ装置25では、電源OFFまたは低消費電力状態から稼働状態に遷移すると、撮像画像にモザイク化処理を施した画像を、システム本体10aに継続して出力する。カメラ装置25は、システムシステム本体10a側が認証に成功した場合に、撮像画像のモザイクを解除し、以降、カメラ装置25が電源OFFまたは低消費電力状態に遷移するまでモザイク化処理無しの画像がシステム本体1aへ継続して出力する。
【0052】
システム本体10a側は、カメラドライバ42aと、ビデオストリーミングサービス43と、ビデオアプリケーション44とを備えている。カメラドライバ42aは、ジェスチャー認識部61と、秘密鍵処理・保存部62とを備えている。
【0053】
ジェスチャー認識部61は、カメラ装置25のモザイク化処理部51から入力されるモザイク化処理された画像を監視し、画像中の被写体の所定のジェスチャー動作を検出する。ジェスチャー認識部61は、被写体の所定のジェスチャー動作を検出すると、秘密鍵処理・保存部62に、被写体の所定のジェスチャーを検出した旨を通知する。
【0054】
所定のジェスチャー動作は安全上固定(変更できないような構成)してもよいし、ユーザインターフェースを追加してユーザが随時変更設定できるようにしてもよい。後者の場合には、ユーザインターフェースが正規の認証されたコンポーネントであることがジェスチャー認識部61から見て確認できる必要があり、対応するジェスチャー登録用のユーザインターフェースを生成するコンポーネントの実行ファイルのIntegrityをジェスチャー認識部61が検証できるメカニズム(例えば、MD5のチェックサム等)を実装しておく必要がある。
【0055】
秘密鍵処理・保存部62は、カメラ装置25の秘密鍵生成・認証部53に問い合わせを行い、秘密鍵生成・認証部53で生成された秘密鍵を、インターフェースを介して読み出す。秘密鍵は生成後に最初に読み出されると、それ以降次の新たな秘密鍵が生成されるまでは、システム本体10a側からカメラ装置25側に問い合わせても読み出すことができない構成となっている。これにより、システム本体10a側では特定のソフトウェアコンポーネント(この実施例の場合はカメラ装置25と機能的に直接接続されているカメラドライバ42a)が唯一秘密鍵を読み出して保持することが可能になる。
【0056】
秘密鍵処理・保存部62は、ジェスチャー認識部61から被写体の所定のジェスチャーを検出した旨の通知を受け取ると、秘密鍵生成・認証部53と交渉して、モザイク化処理の解除を要求する。具体的には、例えば、秘密鍵処理・保存部62は、保持していた秘密鍵を秘密鍵生成・認証部53に送り、秘密鍵生成・認証部53は、保持している秘密鍵と秘密鍵処理・保存部62から受け取った秘密鍵を比較して認証を行う方法を使用することができる。また、他の認証方法としては、認証方式の一般的な方法の一つであるChallenge-response方式を使用することにしてもよい。例えば、秘密鍵処理・保存部62は、秘密鍵生成・認証部53からワンタイムのチャレンジコードを受け取り、同コードと秘密鍵処理・保存部62で保持していた秘密鍵とで所定の演算した演算結果を秘密鍵生成・認証部53に返す。秘密鍵生成・認証部53は、同一の演算をした演算結果と秘密鍵処理・保存部62の演算結果とを比較して認証を行うことができる。
【0057】
ビデオストリーミングサービス43は、カメラ装置25から入力される動画像をリアルタイムでビデオストリームデータ(ストリーミングファイル)に変換してビデオアプリケーション44に出力する。ビデオアプリケーション44は、ビデオストリーミングサービス43から送られてくるストリーミングファイルを順次、LCD17に再生する。
【0058】
ビデオストリームデータはビデオアプリケーション44がその利用を停止する度に、カメラドライバ42aを介してカメラ装置25からの画像の出力が停止される。その停止を受けて、カメラ装置25は、通常、OFFまたは低消費電力状態に遷移する。次に、同一のまたは別のビデオアプリケーション44が新たなビデオストリームを要求すると、そのデフォルト出力として画像はモザイク化処理がONになり、同時にその解除のために新たな秘密鍵が生成される。これによって、正規の処理を経由する以外では、システム本体10a側から恣意的にモザイク化処理の解除ができない仕組みを実現している。
【0059】
なお、カメラ装置25がシステム本体10aに内蔵されている場合などは、秘密鍵の生成はシステム本体10aが立ち上がって一回のみとして、一旦システム本体10a側のカメラドライバ42aがそれを読み取って内部に保持し、認証方式もChallenge-response方式で実施すれば、システム起動時の最初の一回を例外として、システムがシャットダウンされるまで当該秘密鍵を内部コンポーネント間で一切やり取りする必要が無くなり、よりセキュリティ強度を向上させることができる。
【0060】
図6は、図5のノートPC10の不可視化処理の一例を説明するためのフローチャートである。図6において、システム本体10aの電源がオンされて起動されると(ステップT1)、カメラ装置25のパワーがONされ(ステップS1)、秘密鍵生成・認証部53は、秘密鍵を生成する(ステップS2)。カメラ装置25のパワーON後には秘密鍵が一度だけ生成される。
【0061】
カメラドライバ42aは、カメラ装置25の初期化シーケンスを実行し、カメラ装置25の初期化やそれに関連した動作パラメータを設定し、秘密鍵処理・保存部62は、初期化シーケンスの最後に、カメラ装置25の秘密鍵生成・認証部53に秘密鍵の転送要求を出力する(ステップT2)。秘密鍵生成・認証部53は、生成した秘密鍵を秘密鍵処理・保存部62に送信する(ステップS3)。秘密鍵処理・保存部62は転送される秘密鍵を保持する(ステップT3)。これ以降、パワーONシーケンスが繰り返されない限り、システム本体1a側からの秘密鍵転送要求は無視される。
【0062】
カメラ装置25では、低消費電力化のために、ビデオ出力中以外は常にローパワーモードに滞在する(ステップS4)。なお、図示は省略するが、システム本体10aからビデオ停止要求があると、常に画像出力を停止して、ステップS4のローパワーモードに戻る。ローパワーモードに遷移する度に、モザイク化ON/OFF制御部52は、モザイク化処理部51のモザイク化処理をONに設定する(ステップS5)。
【0063】
カメラドライバ42aは、ビデオアプリケーション44からビデオストリーミングサービス43を介してビデオストリーミング開始要求を受け取ると(ステップT4の「Yes」)、カメラ装置25にビデオ転送要求を出力する(ステップT5)。
【0064】
一方、カメラ装置25では、システム本体1aからのビデオ転送要求を受け付けると(ステップS6の「Yes」)、ローパワーモードから稼働モードに遷移して(ステップS7)、モザイク画像出力が行われる(ステップS7)。これにより、モザイク画像がストリーミングデータとして、カメラ装置25に出力され(ステップS8)、システム本体10aでは、ビデオストリーミングを開始する(ステップT6)。なお、図示は省略するが、カメラドライバ42aは、ビデオアプリケーション44からビデオストリーミングサービス43を介してビデオ停止要求を受け取ると、常に、カメラ装置25にビデオ停止要求を出力する。
【0065】
ジェスチャー認識部61は、ビデオストリーミングが開始されると、ジェスチャー認識処理を開始する(ステップT7)。ジェスチャー認識部61は、所定のジェスチャーを検出すると(ステップT8の「Yes」)、秘密鍵処理・保存部62は、モザイク解除要求をカメラ装置25の秘密鍵生成・認証部53に出力し、保持していた秘密鍵を使って秘密鍵認証を秘密鍵生成・認証部53との間で行う(ステップT9)。
【0066】
カメラ装置25では、秘密鍵生成・認証部53は、モザイク解除要求を受け取り(ステップS9の「Yes」)、秘密鍵認証を行い(ステップS10)、認証に成功すると(ステップS11の「Yes」)、モザイク化ON/OFF制御部52は、モザイク化処理部51のモザイク化処理をOFFに設定する(ステップS12)。これにより、モザイク化処理部51からは通常の画像が出力される(ステップS13)。カメラ装置25では、モザイク化処理をOFFにした場合でも、システム本体10aからビデオ停止要求があるまで通常の画像の出力を継続する。
【0067】
実施例1によれば、カメラ装置25は、被写体を撮像して画像データを出力するカメラ18と、カメラ18から出力される画像データに対してモザイク化処理を施して出力するモザイク化処理部51と、システム本体10aのジェスチャー認識部61が、モザイク化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出する被写体の所定の動作を検出した場合に、モザイク化処理部51に対して、モザイク化処理を停止させるモザイク化ON/OFF制御部52とを備え、システム本体10aは、カメラ装置25でから出力されるモザイク化理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出するジャスチャー認識部61を備えているので、ユーザの意図でモザイク化処理を解除でき、カメラ装置25からユーザの撮像画像を出力する場合に、ユーザのプライバシーを保護することが可能となる。また、悪意のあるプログラムが侵入して、カメラ装置25で出力された画像が外部に流出した場合でも、モザイク化処理された画像が出力されるため、ユーザのプライバシーを保護することが可能となる。
【0068】
また、実施例1によれば、カメラ装置15は、秘密鍵を生成し、秘密鍵の認証を行う秘密鍵生成・認証部53を備え、システム本体10aは、秘密鍵生成・認証部53に対して、秘密鍵の認証を請求する秘密鍵処理・保存部62を備え、秘密鍵生成・認証部53は、パワーオン時に秘密鍵を生成し、秘密鍵処理・保存部62は、秘密鍵生成・認証部53から秘密鍵を取得し、秘密鍵処理・保存部62は、ジェスチャー認識部61が、モザイク化処理が施された画像データ中から被写体の所定の動作を検出した場合に、秘密鍵生成・認証部53に取得した秘密鍵の認証を請求し、秘密鍵生成・認証部53は、秘密鍵の認証に成功した場合に、モザイク化ON/OFF制御部52に認証に成功した旨を通知し、モザイク化ON/OFF制御部は、認証に成功した旨の通知を受け取った場合に、モザイク化処理部51に対して、モザイク化処理を停止させることとしたので、セキュリティをより向上させることが可能となる。
【0069】
(実施例2)
図7は、実施例2に係る不可視化処理に関する機能構成を示す図である。図7において、図5と同等の機能を有する部位には同一符号を付し、共通する部分の説明は省略する。実施例2では、カメラ装置25側のみでモザイク化処理及びモザイク解除処理を行う構成である。これにより、システム本体10a側では、モザイク解除処理に伴う処理及び構成が不要となり、システム本体10側の構成を簡素化でき、また、システム本体10a側からモザイクの解除ができないため、セキュリティをより強固にすることができる。
【0070】
図7において、カメラ装置25のカメラ処理回路26は、ジェスチャー認識部61を備えている。カメラ18は、被写体を撮像して画像を出力する。モザイク化処理部51は、モザイク化ON/OFF制御部52のON/OFF指示に従って、カメラ18から入力される画像にモザイク化処理を行う。
【0071】
モザイク化ON/OFF制御部52は、モザイク化処理部51のモザイク化処理のON/OFFを制御する。具体的には、モザイク化ON/OFF制御部51は、OFFまたは低消費電力状態から稼働状態に遷移した場合に、モザイク化処理のON指示をモザイク化処理部51に出力し、また、ジェスチャー認識部61から所定のジェスチャーを検出した旨の通知を受けると、モザイク化処理のOFF指示をモザイク化処理部51に出力する。
【0072】
ジェスチャー認識部61は、モザイク化処理部51から出力されるモザイク化処理された画像を監視し、画像中の所定のジェスチャー動作を検出する。ジェスチャー認識部61は、所定のジェスチャー動作を検出すると、モザイク化ON/OFF制御部52に、所定のジェスチャーを検出した旨を通知する。
【0073】
このように、カメラ装置25は、OFFまたは低消費電力状態から稼働状態に遷移すると、撮像画像にモザイク化処理を施し、撮像画像内で所定のジェスチャーを検出した場合に、撮像画像のモザイクを解除する。
【0074】
システム本体10aでは、モザイク化処理部51から出力される画像が、カメラドライバ42a、ビデオストリーミングサービス43、及びビデオアプリケーション44を介しLCD17に出力される。
【0075】
なお、一般的には、カメラ装置25に内蔵のジェスチャー認識機能が検出すべきジェスチャーの定義をユーザが希望に応じて変更することは無いが、システム本体10a側から変更可能な構成としてもよい。この場合は、システム本体10aとカメラ装置25間のUSBインターフェース等を使用して、カメラ装置25が所定のコマンドを理解できるような構成とし、ジェスチャー定義データをシステム本体10a側からカメラ装置25側の不揮発性メモリに転送し、カメラ装置25がその転送された新しい定義データを新たに以降のジェスチャー検出に利用できる構成としてもよい。
【0076】
(実施例3)
図8は、実施例2に係る不可視化処理に関する機能構成を示す図である。図8において、図7と同等の機能を有する部位には同一符号を付し、共通する部分の説明は省略する。実施例3では、システム本体10aがモザイク化処理及びモザイク解除処理を行う構成である。これにより、カメラ装置25側では、モザイク化処理及びモザイク解除処理に伴う処理及び構成が不要となり、カメラ装置25を通常の構成とすることができる。
【0077】
図8において、カメラ装置25からは、カメラ18で撮影された画像がそのままシステム本体10aに出力される。システム本体10aのカメラドライバ42aは、モザイク化処理部51と、モザイク化ON/OFF制御部52と、ジェスチャー認識部61とを備えている。
【0078】
システム本体10aのカメラドライバ42aでは、モザイク化処理部51は、モザイク化ON/OFF制御部52のON/OFF指示に従って、カメラ装置25から入力される画像にモザイク化処理を行う。
【0079】
モザイク化ON/OFF制御部52は、モザイク化処理部51のモザイク化処理のON/OFFを制御する。具体的には、モザイク化ON/OFF制御部51は、OFFまたは低消費電力状態から稼働状態に遷移した場合に、モザイク化処理のON指示をモザイク化処理部51に出力し、また、ジェスチャー認識部61から所定のジェスチャーを検出した旨の通知を受けると、モザイク化処理のOFF指示をモザイク化処理部51に出力する。
【0080】
ジェスチャー認識部61は、モザイク化処理部51から出力されるモザイク化処理された画像を監視し、画像中の所定のジェスチャー動作を検出する。ジェスチャー認識部61は、所定のジェスチャー動作を検出すると、モザイク化ON/OFF制御部52に、所定のジェスチャーを検出した旨を通知する。
【0081】
このように、システム本体10aは、OFFまたは低消費電力状態から稼働状態に遷移すると、カメラ装置25から入力される撮像画像にモザイク化処理を施し、撮像画像内で所定のジェスチャーを検出した場合に、撮像画像のモザイクを解除する。モザイク化処理部51から出力される画像は、ビデオストリーミングサービス43及びビデオアプリケーション44を介しLCD17に出力される。
【0082】
なお、上記実施例では、情報処理装置としてノートPCを例示したが、本発明はこれに限られるものではなく、デスクトップ型PC、PDA、携帯電話等に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明に係る画像出力装置、その画像出力方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムは、カメラ装置でユーザの撮像画像を出力する際に、ユーザのプライバシーを保護したい場合に適している。
【符号の説明】
【0084】
1 撮像手段
2 不可視化処理手段
3 動作検出手段
4 制御手段
10 ノートPC
12 本体側筐体
13 ディスプレイ側筐体
14 入力部
15 マイクロフォン
16a、16b スピーカ
17 LCD(液晶ディスプレイ)
18 カメラ
19a、19b 連結部(ヒンジ部)
25 カメラ装置
26 カメラ処理回路
31 CPU
32 ROM
33 メモリ
34 HDD(ハードディスク)
41 OS
42 ドライバ
42a カメラドライバ
43 ビデオストリーミングサービス
44 ビデオアプリケーション
45 テレビ電話用アプリケーション(テレビ電話用アプリ)
51 モザイク化処理部
52 モザイク化ON/OFF制御部
53 秘密鍵生成・認証部
61 ジェスチャー認識部
62 秘密鍵処理・保存部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8