(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
施設内の複数の異なるエリアにそれぞれ設けられた複数の無線LAN通信エリアにそれぞれ存在する無線端末の情報を、前記複数の無線LAN通信エリアをそれぞれ有する複数の無線LANアクセスポイントから取得する端末情報取得部と、
前記端末情報取得部から取得された無線端末の情報に基づき、前記施設内での前記無線端末の移動状態を判定する移動状態判定部と、
前記無線端末毎の前記施設内での前記移動状態に基づいて、前記無線端末を所持する利用者により行われる行為の頻度を前記無線端末毎に求め、求めた頻度に基づいて前記施設の混雑度を判定する混雑度判定部と、
前記混雑度判定部が求めた前記混雑度を報知する報知部と
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法及び情報提供プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本願の開示する情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法及び情報提供プログラムが限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
【0014】
〔システムの概要〕
本実施形態に係る情報提供システムは、店舗等の施設における混雑状況を判定し報知する。そこでまず、
図1を参照して、混雑状況の判定対象である店舗について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る飲食店の店舗を示す図である。
【0015】
(店舗について)
店舗100は、フロア101、厨房102、及びレジ103という3つのエリアを有している。また、従業員Pは、飲食店である店舗100の従業員である。本実施形態では、従業員Pが複数いる場合で説明する。フロア101が、「食事エリア」の一例にあたる。また、厨房102が、「厨房エリア」の一例にあたる。さらに、フロア101及び厨房102を組み合わせたエリアが、「サービス提供エリア」の一例にあたる。また、レジ103が「会計エリア」及び「受付エリア」の一例にあたる。
【0016】
フロア101は、お客に対して料理を提供する空間である。厨房102は、お客に提供する料理を作る空間である。レジ103は、会計や入店や順番待ちを受け付ける空間である。
【0017】
アクセスポイント104〜106は、WiFi(Wireless Fidelity)に代表される無線LAN通信に係るアクセスポイントである。以下に、アクセスポイント104〜106の構成について具体的に説明する。ここでは、アクセスポイント104を例に説明する。
図1に示すように、アクセスポイント104は、無線LAN通信部20と、通信部21と、制御部22とを有する。
【0018】
無線LAN通信部20は、対象となる場所を含む領域がその通信エリアとなるように設置される。かかる無線LAN通信部20は、無線LAN通信を行う通信インターフェイスであり、無線LAN通信機能を搭載した無線端末200との間で無線信号により情報の送受信を行う。なお、無線LANとして、例えば、IEEE802.11によって規定される無線LANなどがあるが、かかる規格の無線LANに限定されるものではない。
【0019】
通信部21は、通信ネットワークに接続され、通信ネットワークを介して通信ネットワーク側装置との間で情報の送受信を行う。かかる通信部21は、通信ネットワークとの接続を有線または無線で行う。通信ネットワーク側装置は、例えば、情報提供サーバ1やウェブサーバ(図示せず)である。
【0020】
制御部22は、情報中継処理を行う中継部25と、無線端末200の検出処理を行う検出部26を備えている。
【0021】
中継部25は、例えば、無線端末200から無線LAN通信部20を介して取得した情報を通信部21から通信ネットワーク側装置へ送信し、また、通信ネットワーク側装置から通信部21を介して取得した情報を無線LAN通信部20から無線端末200へ送信する。
【0022】
検出部26は、無線端末200から送信される無線パケットを無線LAN通信部20を介して取得することで、無線端末200の存在を検出する。例えば、無線端末200から周期的にプローブ要求と呼ばれる無線パケットがブロードキャストなどによって送信されている場合、検出部26は、かかる無線パケットを無線LAN通信部20経由で取得することで、無線端末200の存在を検出する。
【0023】
検出部26は、例えば無線端末200を検出したと判定すると、無線端末200の端末情報を含む検出情報を通信部21から情報提供サーバ1へ送信する。検出情報には、無線端末200の端末ID、電波強度の情報、アクセスポイント104の識別情報が含まれる。無線端末200の端末IDは、例えば、無線端末200の無線LAN通信部のMACアドレスであり、無線パケットに付加されて無線端末200から送信される。また、電波強度は、アクセスポイント104で受信される無線信号の電波強度である。なお、電波強度は、無線端末200において取得された電波受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)であってもよい。この場合、電波強度の情報を含む無線信号が無線端末200からアクセスポイント104へ送信される。
【0024】
アクセスポイント104は、フロア101に配置されている。そして、アクセスポイント104の通信範囲は、フロア101のエリア内に領域特定されている。
【0025】
アクセスポイント105は、厨房102内に配置されている。より具体的には、アクセスポイント105は、厨房102の料理や食器の受け渡しを行う場所の近傍に配置されている。そして、アクセスポイント105の通信範囲は、厨房102のエリア内に領域特定されている。
【0026】
アクセスポイント106は、レジ103内に配置されている。より具体的には、アクセスポイント106は、レジ103に置かれた会計用のレジスタの近傍に配置されている。そして、アクセスポイント106の通信範囲は、レジ103のエリア内に領域特定されている。
【0027】
(アクセスポイントの通信範囲の設定について)
ここで、アクセスポイント104〜106の通信範囲を領域特定する方法の一例について、アクセスポイント104を例に説明する。例えば、アクセスポイント104がフロア101を通信可能エリアと認識するように、無線端末200から送信される無線信号を受信した際の電波強度に対応付けて通信範囲を設定することが考えられる。すなわち、フロア101の端に無線端末200が存在する場合の電波強度以上の電波強度で通信が行える範囲を、アクセスポイント104に通信可能エリアと認識させる。
【0028】
その他の例として、アクセスポイント104が送信する無線信号の電波強度を予め設定することによって各アクセスポイントの通信範囲をフロア101内に定めることもできる。
【0029】
ここでは、アクセスポイント104を例に説明したが、アクセスポイント105及び106に対しても同様に設定することでそれぞれの通信範囲を所望の範囲に領域特定することができる。
【0030】
さらに、本実施形態では、アクセスポイント104〜106のそれぞれに対して1つのエリアを設定する場合で説明しているがこれに限らず、複数のアクセスポイントの通信範囲で1つのエリアを構成しても良い。例えば、アクセスポイント104及び105の通信範囲を合わせたエリア、すなわち、フロア101と厨房102とを合わせてサービス提供エリアという1つのエリアを設定してもよい。
【0031】
また、フロア101がアクセスポイント104の通信エリアよりも広い場合でも、アクセスポイント104の通信範囲をフロア101と認識することで本実施形態に係る情報提供サーバは動作可能である。
【0032】
各従業員Pは、アクセスポイント104〜106のいずれかに接続して情報提供装置である情報提供サーバ1と通信を行う無線端末200を有している。具体的には、無線端末200は、フロア101のエリアにいる場合、アクセスポイント104に接続する。また、無線端末200は、厨房102のエリアにいる場合、アクセスポイント105に接続する。また、無線端末200は、レジ103のエリアにいる場合、アクセスポイント106に接続する。例えば、アクセスポイント104の通信エリアに無線端末200が存在することを、無線端末200がアクセスポイント104の通信エリアに「在圏」しているという。
【0033】
さらに、アクセスポイント104〜106が受信する、無線端末200から送信される無線信号の電波強度は、アクセスポイント104〜106のそれぞれに無線端末200が近づくほど大きくなる。
【0034】
(従業員の移動について)
次に、従業員Pの移動に合わせて従業員Pの代表的な業務を説明する。
図1におけるフロア101とレジ103とを結ぶ破線矢印は、従業員Pのフロア101とレジ103との間の移動を表している。従業員Pは、フロア101にいるときにお客が来店した場合、フロア101からレジ103へ移動する。そして、従業員Pは、レジ103で入店の受付を行い、席が空いている場合には、レジ103からフロア101へ移動し、フロア101へお客を案内する。また、席が空いていなければ、従業員Pは、順番待ちをお客に告げ、席が空くのを待機してもらう。さらに、従業員Pは、フロア101にいるときにお客の会計をする場合、フロア101からレジ103へ移動して会計を行う。
【0035】
図1におけるフロア101と厨房102とを結ぶ破線矢印は、従業員Pのフロア101と厨房102との間の移動を表している。従業員Pは、フロア101にいるときに、料理ができ上がると、フロア101から厨房102へ移動して料理を取りにいく。その後、従業員Pは、料理を持って厨房102からフロア101へ移動し、料理を運ぶ。また、従業員Pは、お客の食事が終わるなどすると、食器などを持ってフロア101から厨房102へ移動し、テーブルの上を片付ける。
【0036】
図1における厨房102とレジ103とを結ぶ破線矢印は、従業員Pの厨房102とレジ103との間の移動を表している。従業員Pは、厨房102にいるときにお客が来店した場合、厨房102からレジ103へ移動する。また、従業員Pは、厨房102にいるときにお客の会計をする場合、厨房102からレジ103へ移動して会計を行う。さらに、従業員Pは、レジ103にいるときに料理ができた場合、レジ103から厨房102へ移動し料理を取りに行く。
【0037】
特に、従業員Pは、会計時にはレジを使用するため、アクセスポイント106に近接するが、来店受付の場合には、アクセスポイント106に近接はしない。したがって、無線端末200とアクセスポイント106との間の電波強度が大きくなった場合には、従業員Pは、会計を行っていると考えられる。
【0038】
また、従業員Pは、食器や料理の受け渡し時にアクセスポイント105に近接する。この場合、従業員Pが会計を行うのは、まだ先であると考えられる。
【0039】
そして、アクセスポイント104〜106は、情報提供装置である情報提供サーバ1に接続されている。ただし、
図1では、アクセスポイント105に代表させて情報提供サーバ1との接続を表している。アクセスポイント104〜106が取得した無線端末200の接近情報は情報提供サーバ1に送られる。
【0040】
(情報提供サーバについて)
情報提供サーバ1は、無線端末200の接近情報を用いて、混雑度を判定する。例えば、情報提供サーバ1は、無線端末200の近接情報から、無線端末200の移動元のアクセスポイント及び移動先のアクセスポイントを取得する。次に、情報提供サーバ1は、取得した移動先及び移動元のアクセスポイントが予め決められている移動パターンのどれに当たるかを特定する。
【0041】
次に、情報提供サーバ1は、特定した移動パターンからその移動が混雑度にあたえる影響の度合いを求める。具体的には、情報提供サーバ1は、移動パターンに対応する混雑度を判定するための指数の増減の値を求める。ここで、混雑度を判定するための指数とは、例えば、従業員Pの移動の頻度を表す移動指数、会計を行う頻度を表す値である会計指数、及び従業員Pが会計以外の接客を行っている頻度を表す値である接客指数などである。そして、情報提供サーバ1は、移動による各指数の増減値から、単位時間当たりの各指数を求める。
【0042】
そして、情報提供サーバ1は、求めた各指数を用いて、現在の混雑度を判定する。例えば、情報提供サーバ1は、各指数がそれぞれの指数に設定された閾値を超えるか超えないかなどから、各指数の大小を判定し、その判定結果の組合せに対応する混雑度を取得する。そして、情報提供サーバ1は、その取得した混雑度が現在の混雑度であると判定する。
【0043】
これにより、情報提供サーバ1は、無線端末200を所持する従業員の実際の移動状態から店舗100の混雑状況を判定することができ、確度の高い混雑度判定を行うことができる。
【0044】
そして、情報提供サーバ1は、判定した混雑度を、通信ネットワークを介して利用者端末300へ送信する。利用者は、利用者端末300に表示される混雑度の情報を参照して、店舗100を予約するか否かなどの決定の材料とする。
【0045】
すなわち、利用者は、確度の高い混雑度判定の結果を利用することができる。このように、本実施形態に係る情報提供システムは、施設の利用者による適切な施設選択に寄与することができる。
【0046】
〔情報提供サーバの構成〕
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る情報提供装置である情報提供サーバ1について説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る情報提供サーバのブロック図である。
【0047】
情報提供サーバ1は、受信部10、端末情報取得部11、移動状態判定部12、記憶部13、混雑度判定部14、及び報知部15を有している。
【0048】
受信部10は、通信ネットワークを介して、アクセスポイント104〜106と接続している。以下では、アクセスポイント104〜106をそれぞれ区別しない場合、単に「アクセスポイント110」という。
【0049】
受信部10は、無線端末200と接続しているアクセスポイント110から、接続している無線端末200の識別情報及び電波強度の通知を受ける。
【0050】
受信部10は、無線端末200の識別情報、その無線端末200が接続しているアクセスポイント110の識別情報、及び電波強度を端末情報取得部11へ出力する。
【0051】
(記憶部13に格納される情報について)
記憶部13には、
図3に示すような、アクセスポイント104〜106毎に、各無線端末200が通信エリア内に入った時刻であるチェックイン時刻及び通信エリア外に出た時刻であるチェックアウト時刻を表す端末存在データ131が格納されている。また、端末存在データ131には、端末ID毎の電波強度も格納されている。
図3は、端末存在データの一例の図である。
【0052】
また、記憶部13には、
図4に示すような、移動元、移動先及び電波強度を組み合わせた移動パターンを表す移動パターンテーブル132が格納されている。
図4は、移動パターンテーブルの一例を表す図である。
図4において、電波強度を示していない組は電波強度が大きい場合以外の電波強度を表している。移動パターンは、あるアクセスポイントから他のアクセスポイントへの移動に加えて、アクセスポイント105及び106に対しては電波強度が大きい位置までの接近か否かを区別した移動で分類されている。例えば、移動パターンテーブル132には、アクセスポイント106からアクセスポイント104への移動や、アクセスポイント104からアクセスポイント106の電波強度大の位置までの移動などが登録されている。
【0053】
また、記憶部13には、
図5に示すような、各移動パターンに対応させて会計指数及び接客指数の増減値を表す指数テーブル133が格納されている。
図5は、指数テーブルの一例を示す図である。ここで、会計指数とは、会計を行う度合いを表す値である。
【0054】
また、記憶部13には、
図6に示すような、時間毎の混雑度を示す混雑度テーブルが格納されている。
図6は、混雑度テーブルの一例の図である。混雑度テーブル134には、12:00〜13:59までの状態を記載しているが、混雑度を判定する期間は一日におけるどの期間であってもよい。
【0055】
端末情報取得部11は、無線端末200の識別情報、その無線端末200が接続しているアクセスポイント110の識別情報、及び電波強度の入力を受信部10から受ける。そして、端末情報取得部11は、アクセスポイント110の通信エリア内に無線端末200が入った場合、無線端末200の識別情報及びチェックイン時刻を記憶部13の端末存在データ131の該当するアクセスポイント110の欄に登録する。
【0056】
移動状態判定部12は、端末存在データ131を監視している。そして、無線端末200は、端末存在データ131において無線端末200があるアクセスポイント110のエリアから出て、他のアクセスポイント110の通信エリアに移動したことを取得する。
【0057】
この場合、移動状態判定部12は、以前に接続していたアクセスポイント110から現在接続中のアクセスポイント110へと無線端末200が移動したと判定する。そして、移動状態判定部12は、無線端末200の移動元と移動先のアクセスポイント110の識別情報を混雑度判定部14へ出力する。
【0058】
さらに、移動状態判定部12は、端末存在データ131における電波強度の情報を用いて、無線端末200と現在接続中のアクセスポイント110との間の電波強度が閾値より大きいか否かを判定する。電波強度が閾値より大きい場合、移動状態判定部12は、電波強度が大きい旨の通知を混雑度判定部14へ出力する。
【0059】
(混雑度判定部14ついて)
混雑度判定部14は、単位移動量取得部141、行動パターン判定部142、影響度合演算部143、及び判定部144を有している。
【0060】
単位移動量取得部141は、無線端末200の移動元と移動先のアクセスポイント110の識別情報を移動状態判定部12から受信する。さらに、単位移動量取得部141は、無線端末200と移動先のアクセスポイント110との間の電波強度が多い場合には、電波強度大の通知を移動状態判定部12から受信する。
【0061】
次に、単位移動量取得部141は、無線端末200の移動元及び移動先のアクセスポイント110の情報及び電波強度の情報から、無線端末200の移動が記憶部13に格納されている移動パターンテーブル132のいずれに一致するか判定する。
【0062】
そして、単位移動量取得部141は、移動の回数をカウントするカウンタを有している。無線端末200の移動が移動パターンのいずれかに一致した場合、カウンタを1増やす。そして、単位移動量取得部141は、単位時間内の移動の回数をカウントする。ここで、単位時間とは、混雑度を判定するための基準とする時間であり、混雑度の判定の運用に合わせて設定されることが好ましい。本実施形態では、例えば、単位時間を29分とする。すなわち、単位移動量取得部141は、あるタイミングから29分の間に発生した移動の回数を求める。この移動の回数が、「移動量」の一例に当たる。
【0063】
そして、単位移動量取得部141は、求めた移動の回数を影響度合演算部143へ出力する。
【0064】
行動パターン判定部142は、単位移動量取得部141と同様に、無線端末200の移動が記憶部13に格納されている移動パターンテーブル132のいずれに一致するか判定する。ここで、行動パターン判定部142は、無線端末200の移動がいずれの移動パターンに一致するかの情報を単位移動量取得部141から取得してもよい。そして、行動パターン判定部142は、無線端末200の移動パターンの情報を移動パターンテーブル132から取得する。行動パターン判定部142は、取得した移動パターンによる接客指数、及び会計指数の増減を指数テーブル133から取得する。
【0065】
(指数テーブルについて)
ここで、指数テーブル133における各移動パターンと指数の増減の関係について説明する。従業員がレジに行くということは、その従業員が会計を行っていると考えられる。すなわち、無線端末200が、アクセスポイント106に近づき、且つ電波強度が大きい場合の移動パターンであるパターンA―3及びC−3の場合、従業員が会計を行っていると考えられる。そこで、指数テーブル133では、パターンA−3及びC−3の場合、会計指数を増やすように設定されている。
【0066】
また、従業員が厨房に行くということは、料理の提供を行っていると考えられるので、従業員が会計を行う確率は低いと考えられる。すなわち、無線端末200が、アクセスポイント105に近づき、且つ電波強度が大きい場合の移動パターンであるパターンB−3及びC−4の場合、会計が行われるのは先であると考えられる。そこで、指数テーブル133では、パターンB−3及びC−4の場合、会計指数を減らすように設定されている。
【0067】
また、従業員がレジ又は厨房に行く場合以外の場合、従業員は会計や料理の提供以外の接客を行っていると考えられる。そこで、指数テーブル133では、パターンA−3,B−3,C−3,及びC−4以外のパターンでは、接客指数を増やすように設定されている。会計や接客等が、「行動パターン」の一例にあたる。
【0068】
図2に戻って説明を続ける。行動パターン判定部142は、取得した接客指数及び会計指数の増減を影響度合演算部143へ出力する。
【0069】
影響度合演算部143は、無線端末200毎に単位時間あたりの移動指数、接客指数、及び会計指数を求める。以下に、影響度合演算部143の処理を詳細に説明する。
【0070】
影響度合演算部143は、単位時間当たりの移動の回数を単位移動量取得部141から取得する。そして、影響度合演算部143は、取得した単位時間当たりの移動の回数に、一回の移動による移動指数の増加分を加算して単位時間当たりの移動指数を求める。すなわち、移動指数は、移動の発生に従い増加していく。
【0071】
また、影響度合演算部143は、移動が発生する毎に接客指数及び会計指数の増減を行動パターン判定部142から受信する。そして、影響度合演算部143は、決められた単位時間内に取得した移動パターンによる各指数の増減を会計指数及び接客指数の値に加えていくことで、単位時間あたりの会計指数及び接客指数を求める。すなわち、影響度合演算部143は、あるタイミングから29分の間に発生した移動による各指数の増減の結果をその単位時間における接客指数及び会計指数とする。
【0072】
さらに、影響度合演算部143は、
図6に示すような混雑度テーブル134を用いて、無線端末200毎に、単位時間あたりの移動指数、接客指数、及び会計指数を記憶部13に記憶させる。
【0073】
本実施形態に係る混雑度テーブル134には、各無線端末200に対応する店員の情報も登録されている。例えば、混雑度判定部14は、予め各無線端末200に対応する店員の情報を記憶しておき、店員の情報と無線端末200の識別情報を対応させて混雑度テーブル134に登録する。
【0074】
判定部144は、混雑度テーブル134に登録された単位時間当たりの各無線端末200の移動指数、接客指数、及び会計指数を用いて、混雑度を判定する。
【0075】
(各指数について)
ここで、移動指数、会計指数、及び接客指数について説明する。移動指数が高いということは、従業員の移動が多いということである。従業員の移動が多いということは、従業員の仕事が多いと考えられ、すなわち、お客が多いと考えられる。すなわち、移動指数が高ければ、混雑度は高いと考えられる。逆に、移動指数が低ければ、混雑度は低いと考えられる。
【0076】
また、会計指数が高いということは、従業員が会計を頻繁に行っているとかんがえられる。つまり会計指数が高ければ、会計を行ったお客が多いと考えられる。すなわち、帰ったお客が多いと考え、お客が減っていると考えられる。すなわち、会計指数が高ければ、混雑度は低下すると考えられる。逆に、会計指数が低ければ、混雑度は低下しない上に、お客がさらに入ってきていれば混雑度は上昇することになる。
【0077】
また、接客指数が高いということは、従業員がサービスを提供する相手であるお客が多いと考えられる。すなわち、接客指数が高ければ、混雑度は高いと考えられる。逆に、接客指数が低ければ、混雑度は低いと考えられる。
【0078】
このような、移動指数、会計指数、及び接客指数と混雑度の関係を用いて、判定部144は、単位あたりの各指数から現在の混雑度を判定する。以下に本実施形態に係る判定部144による混雑度の判定の一例について説明する。
【0079】
判定部144は、移動指数の閾値として、第1移動閾値及び第1移動閾値より大きい第2移動閾値を記憶している。判定部144は、接客指数の閾値として、第1接客閾値及び第1接客閾値より大きい第2接客閾値を記憶している。また、判定部144は、会計指数の会計閾値を記憶している。各閾値は、各指数の上限を統計的に把握し、その上限に対する割合などで決定することができる。例えば、移動指数の上限が100であれば、第1移動閾値を50とし、第2移動閾値を70とするなどである。
【0080】
そして、判定部144は、各無線端末200に対応する各指数の単位時間当たりの総計を求める。そして、判定部144は、求めた単位時間当たりの各指数の総計と閾値とを比較する。ここで、判定部144は、各指数の総計と閾値との関係に対応する混雑度の値を予め記憶している。そして、判定部144は、比較結果に対応する混雑度を取得し、現在の店舗100の混雑度を取得した混雑度と判定する。以下に、判定部144による混雑度の判定の一例について説明する。本実施形態では、判定部144は、混雑度を混雑度1が一番すいており、混雑度5が一番混んでいるとする5段階で評価する。
【0081】
例えば、移動指数が第1移動閾値よりも低く、接客指数が第1接客閾値よりも低く、会計指数が会計閾値よりも低ければ、店舗100にいるお客は少ないと推定される。そこで、判定部144は、混雑度を2と判定する。
【0082】
また、移動指数が第1移動閾値よりも高く、接客指数が第1接客閾値よりも高く、会計指数が会計閾値よりも高ければ、移動指数及び接客指数が高いことから店舗100にお客はある程度多いと推定されるが、会計指数が高いので店舗100の回転は高いと推定される。そこで、判定部144は、混雑度を3と判定する。
【0083】
また、移動指数が第2移動閾値よりも高く、接客指数が第2接客閾値よりも高く、会計指数が会計閾値よりも高ければ、移動指数及び接客指数が高いことから店舗100にお客は非常に多いと推定されるが、会計指数が高いので店舗100の回転は高いと推定される。そこで、判定部144は、混雑度を4と判定する。
【0084】
また、移動指数が第2移動閾値よりも高く、接客指数が第2接客閾値よりも高く、会計指数が会計閾値よりも低ければ、移動指数及び接客指数が高いことから店舗100にお客は非常に多いと推定され、会計指数が低いので店舗100の回転も低いと推定される。そこで、判定部144は、混雑度を5と判定する。
【0085】
ここで、本実施形態では、混雑度を5段階で評価したが、評価の段階はもっと細かくてももっと粗くてもよい。例えば、混雑度の評価をより細かい段階で評価する場合、各指数の閾値をより細かく設定することが好ましい。
【0086】
また、本実施形態では、判定部144は、各無線端末200の各指数の総計を用いて混雑度を評価したが、評価方法はこれに限らない。例えば、判定部144は、無線端末200毎に混雑度を評価し、求めた混雑度の平均を算出することで、店舗100の混雑度を求めても良い。
【0087】
その後、判定部144は、混雑度テーブル134の対応する単位時間における混雑度の欄に判定した混雑度を登録する。さらに、判定部144は、求めた現在の混雑度を報知部15へ出力する。
【0088】
報知部15は、現在の混雑度の入力を混雑度判定部14から受信する。そして、報知部15は、通信ネットワークを介して利用者端末300へ現在の混雑度を報知する。
【0089】
利用者端末300は、店舗100を利用しようとする利用者が所持する携帯電話やスマートフォンなどの端末である。利用者端末300は、利用者からの指示を受けて、情報提供サーバ1の報知部15が報知する現在の混雑度を取得する。そして、利用者端末300は、取得した混雑度を画面に表示する等して、店舗100の混雑度を利用者に通知する。利用者は、混雑度の通知を確認して、店舗100を利用するか否かの判断材料にする。
【0090】
〔混雑度の判定及び報知の処理手順〕
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る情報提供装置である情報提供サーバ1による混雑度の判定及び報知の処理の流れについて説明する。
図7は、第1の実施の形態に係る情報提供装置による混雑度の判定及び報知の処理のフローチャートである。
【0091】
受信部10は、無線端末200の位置をアクセスポイント110から受信する。そして、受信部10は、受信した無線端末200の位置を移動状態判定部12へ送信する。移動状態判定部12は、記憶している以前の無線端末200の位置と現在の位置から移動を検出する(ステップS1)。次に、移動状態判定部12は、無線端末200の移動元及び移動先のアクセスポイント110を判定する。その後、移動状態判定部12は、無線端末200の移動元及び移動先のアクセスポイント110の情報を端末情報取得部11へ送信する。端末情報取得部11は、アクセスポイント110に対する無線端末200のチェックイン時刻及びチェックアウト時刻の情報を端末存在データ131へ登録する。
【0092】
単位移動量取得部141及び行動パターン判定部142は、無線端末200の移動元及び移動先のアクセスポイント110の情報を端末存在データ131から取得する。そして、単位移動量取得部141及び行動パターン判定部142は、受信した移動元及び移動先のアクセスポイント110に対応する移動パターンを、記憶部13に格納されている移動パターンテーブル132から取得する。次に、行動パターン判定部142は、取得した移動パターンによる各指数の増減を記憶部13に格納されている指数テーブル133から取得する。そして、影響度合演算部143は、行動パターン判定部142から各指数の増減を受信して、記憶部13に格納されている混雑度テーブル134における無線端末200に対応する各指数を修正する(ステップS2)。
【0093】
その後、影響度合演算部143は、単位時間にあたる一定期間が経過したか否かを判定する(ステップS3)。一定期間が経過していない場合(ステップS3:否定)、情報提供サーバ1は、ステップS1に戻る。
【0094】
これに対して、一定期間が経過した場合(ステップS3:肯定)、影響度合演算部143は、混雑度テーブル134に登録されている各指数を用いて現在の混雑度を判定する(ステップS4)。そして、影響度合演算部143は、判定結果を混雑度テーブル134に記載するとともに、判定結果を報知部15へ出力する。
【0095】
報知部15は、現在の混雑度を混雑度判定部14から取得する。そして、報知部15は、取得した現在の混雑度を、通信ネットワークを介して利用者端末300へ報知する(ステップS5)。
【0096】
〔第1の実施の形態に係る情報提供装置による効果〕
以上に説明したように、本実施形態に係る情報提供装置は、従業員の施設内の移動を検出し、検出した移動を基に移動指数、会計指数、及び接客指数を求め、求めた各指数を用いて現在の混雑度を判定し、判定した現在の混雑度を提供する。実際の従業員の移動などの履歴に従って混雑度を推定することにより、本実施形態に係る情報提供装置は、リアルタイムの混雑状況を確度良く推定できる。すなわち、本実施形態に係る情報提供装置によれば、施設の正確な混雑状況を提供することが可能となる。
【0097】
〔第1の実施の形態の変形例〕
第1の実施の形態では、移動パターンテーブル132を用いて、アクセスポイント110間の移動を基に移動パターを判定したが、移動パターンの判定方法はこれに限らない。
【0098】
例えば、アクセスポイント110のIDと各エリアの情報とを関連付けた、
図8に示すようなテーブル135と、
図4の移動パターンテーブル132に変えて端末の空間間移動と行動パターンとを関連付けたテーブルとを有し、それら2つのテーブルとを用いて移動パターンを特定してもよい。
図8は、アクセスポイントとエリアとを関連付けるテーブルの図である。以下に具体例を説明する。
【0099】
このようにテーブルを分けることで、利便性を増すことができる。例えば、空間間移動と行動パターンとを関連付けたテーブルがある場合、テーブル135を追加するだけでよい。
【0100】
また、テーブル135は、アクセスポイント104〜106のそれぞれに対して1つのエリアが対応しているが、これに限らず、複数のアクセスポイントに1つのエリアを対応させてもよい。例えば、アクセスポイント104及び105に対応するエリアとして、サービス提供エリアという1つのエリアを対応させてもよい。
[第2の実施の形態]
【0101】
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施形態に係る情報提供装置は、現時点以降の混雑度の推移を推定し混雑予報を行うことが第1の実施の形態と異なるものである。混雑予報とは、現時点以降のあるタイミングで混雑度がどうなっているかを知らせる機能である。
図9は、第2の実施の形態に係る情報提供装置のブロック図である。第1の実施の形態に係る情報提供装置は、第1の実施の形態の情報提供装置にさらに推定部145を加えたものである。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ機能を有する各部については説明を省略する。
【0102】
〔混雑予報について〕
混雑度判定部14は、本実施形態では、移動指数の増加の閾値及び減少の閾値、接客指数の増加の閾値及び減少の閾値、並びに、会計指数の増加の閾値及び減少の閾値を記憶している。また、混雑度判定部14は、現時点からいくつ前の単位時間までを用いて混雑度の推移の推定を行うかを予め記憶している。
【0103】
影響度合演算部143は、第1の実施の形態と同様に現在の混雑度を判定する。そして、混雑度判定部14は、判定した混雑度を混雑度テーブル134へ登録する。
【0104】
次に、推定部145は、現在から予め決められた期間前までの移動指数の変動を取得する。そして、推定部145は、移動指数の増加が予め決められた閾値を超えている場合、移動指数が増加傾向にあると判定する。また、推定部145は、移動指数の減少が予め決められた閾値を超えている場合、移動指数が減少傾向にあると判定する。また、推定部145は、移動指数の増減の変動が閾値以内であれば、移動指数が安定していると判定する。
【0105】
また、推定部145は、現在から予め決められた期間前までの接客指数の変動を取得する。そして、推定部145は、接客指数の増加が予め決められた閾値を超えている場合、接客指数が増加傾向にあると判定する。また、推定部145は、接客指数の減少が予め決められた閾値を超えている場合、接客指数が減少傾向にあると判定する。また、推定部145は、接客指数の増減の変動が閾値以内であれば、接客指数が安定していると判定する。
【0106】
次に、推定部1454は、現在から予め決められた期間前までの会計指数の変動を取得する。そして、推定部1454は、会計指数の増加が予め決められた閾値を超えている場合、会計指数が増加傾向にあると判定する。また、推定部145は、会計指数の減少が予め決められた閾値を超えている場合、会計指数が減少傾向にあると判定する。また、推定部145は、会計指数の増減の変動が閾値以内であれば、会計指数が安定していると判定する。
【0107】
ここで、推定部145は、各指数の遷移に対応する混雑度の変化の傾向を予め記憶している。そして、推定部145は、求めた各指数の遷移に対応する混雑度の変化の傾向を取得する。そして、推定部145は、現時点の状態に取得した変化の傾向を加味して、現時点から予め決められた時間後までの混雑度の変化を求める。その後、推定部145は、求めた現時点から予め決められた時間後までの混雑度の変化を報知部15へ出力する。
【0108】
(各指数の変化に対応する混雑度の変化の傾向について)
ここで、推定部145による各指数の遷移に対応する混雑度の変化の傾向の取得について具体的に説明する。移動指数及び接客指数が増加傾向にあり、会計指数が安定傾向にある場合、従業員の移動及び接客を行っている状態が増加しているので、お客が増加しており、さらに、会計があまり行われていないので、出て行くお客も少ない。そこで、混雑度判定部14は、混雑度が増加していると判定する。
【0109】
また、移動指数及び会計指数が増加傾向にあり、接客指数が減少傾向にある場合、移動は増加しているが、会計が頻繁に行われており、接客の頻度が下がっている。そこで、推定部145は、混雑度は減少傾向にあると判定する。
【0110】
また、移動指数が安定しており、接客指数が増加傾向にあり、会計指数が減少傾向にある場合、移動指数が安定しているのでお客は増えていないが、その中で接客が増加しており既にいるお客への対応は多い、そして会計はあまり行われておらず帰るお客も少ない。そこで、推定部145は、混雑度が大の状態で安定していると判定する。
【0111】
また、移動指数及び接客指数が減少傾向にあり、会計指数が安定している場合、移動や接客が減少しているのでお客は少ない、そして会計はあまり行われておらず帰るお客も少ない。そこで、推定部145は、混雑度が小の状態で安定していると判定する。
【0112】
以上の説明した具体例では、各指数の増減に応じた混雑度判定部14による判定を記載したが、実際には、推定部145は、各指数の増減の組合せに対応する混雑度の傾向を予め記憶しており、その記憶している情報を基に混雑度の傾向を判定している。
【0113】
報知部15は、現時点から予め決められた時間後までの混雑度の変化の入力を推定部145から受ける。そして、報知部15は、通信ネットワークを介して、利用者端末300へ現時点から予め決められた時間後までの混雑度の変化を通知することで、現時点以降の混雑予報を行う。
【0114】
〔混雑予報の処理手順〕
次に、
図10を参照して、本実施形態に係る情報提供装置である情報提供サーバ1による混雑予報の処理の流れについて説明する。
図10は、第2の実施の形態に係る情報提供サーバによる混雑予報の処理のフローチャートである。
【0115】
影響度合演算部143は、混雑度テーブル134に各指数の情報を登録し記憶部13に単位あたりの各指数を記憶させる(ステップS11)。
【0116】
次に、推定部145は、現在から予め決められた期間前までの間の各指数の増減を取得する(ステップS12)。
【0117】
そして、推定部145は、各指数の増減から現時点における混雑度の変化の傾向を取得する(ステップS13)。そして、推定部145は、現時点から予め決められた時間後までの混雑度の変化を求め、報知部15へ通知する。
【0118】
報知部15は、現時点から予め決められた時間後までの混雑度の変化を混雑度判定部14から取得する。そして、報知部15は、現時点から予め決められた時間後までの混雑度の変化を通知することで、現時点以降の混雑予報を行う(ステップS14)。
【0119】
〔情報提供の表示例〕
さらに、
図9を参照して、本実施形態に係る情報提供装置である情報提供サーバ1による混雑度及び混雑予報の通知の具体例について説明する。
図11は、利用者端末に表示された混雑度通知及び施設予約のアプリケーションの画面の遷移を示す図である。
【0120】
利用者が、利用者端末300を用いて行きたいお店の検索を行うと、お店検索の画面301が利用者端末300の表示部に表示される。
【0121】
画面301には、店舗画像311、店舗名312、予約ボタン313、及び混雑度表示314が表示されている。店舗画像311及び店舗名312は店舗情報の一例であり、店舗が特定できる情報であれば他の情報でもよい。
【0122】
混雑度表示314は、
図11では、混雑度として混んでいるか空きがあるかのみ表示している。例えば、アプリケーションは、混雑度判定部14により判定された混雑度が4以上の場合には「混」を混雑度表示314に表示させて混んでいることを表す。また、アプリケーションは、混雑度判定部14により判定された混雑度が3以下の場合には「空」を混雑度表示314に表示させて空きがあることを表す。
【0123】
画面301が表示された状態で、利用者は、予約をすると決めた場合、予約ボタン313を押下する。その場合、利用者端末300の表示部の表示は画面303に遷移する。また、利用者は、混雑予報を知りたい場合、混雑度表示314を押下する。その場合、利用者端末300の表示部の表示は画面302へ遷移する。
【0124】
画面302は、混雑予報の表示画面である。画面302には、混雑予報321及び予約ボタン322が表示されている。本実施形態では、混雑予報321は、現時点から60分後までの混雑度の遷移を表している。そして、混雑予報321は、色が濃いほど混雑していることを表しており、色が薄いほどすいていることを表している。利用者は、この混雑予報321を予約するか否かの決定に利用する。そして、予約をすると決めた場合、利用者は、予約ボタン322を押下する。その場合、利用者端末300の表示部の表示は画面303に遷移する。
【0125】
画面303は、座席予約画面である。画面303には、予約時間登録欄331、予約人数登録欄332、及び予約ボタン333が表示されている。
【0126】
利用者は、予約時間を予約時間登録欄331へ登録し、予約人数を予約人数登録欄332へ登録する。その後、利用者は、予約ボタン333を押下して予約を完了する。
【0127】
ここでは、混雑予報を行う場合の画面の遷移について説明したが、第1の実施の形態のように混雑予報を行わない場合であっても、例えば、アプリケーションは、画面301及び画面303を用いることで利用者に情報を提供することができる。
【0128】
〔第2の実施の形態に係る情報提供装置による効果〕
以上に説明したように、本実施形態に係る情報提供装置は、各指数の変化から混雑予報を行う。混雑度は従業員の移動などの実際の状態に即して推測されるため、確度のよい混雑状況の判定ができ、その確度の高い混雑状況を用いて混雑予報を行うため、確度の高い混雑予報を行うことができる。
【0129】
〔第2の実施の形態の変形例〕
以上の第2の実施の形態の説明では、現時点で混雑度が増加、安定、又は減少のいずれの傾向を示しているかを判定して、混雑予報を行ったが、予報の方法はこれに限らない。例えば、各指数の1日の変化状態からある時点以降の変化を求めてもよい。そこで、以下に具体例を説明する。
【0130】
(変形例における混雑予報について)
推定部145は、各指数の履歴から1日の間の各時刻における変化の傾向を求め予め記憶部13に記憶させておく。
【0131】
そして、推定部145は、ある時刻以後の混雑度の変化を求める場合、記憶部13に記憶されている変化の傾向を取得し、その変化にしたがいある時刻における混雑度を変化させていくことで、ある時刻以降の混雑度の変化を求める。そして、推定部145は、求めたある時刻以降の混雑度の変化を報知部15へ出力する。
【0132】
(変形例における混雑予報の表示について)
図12は、第2の実施の形態の変形例において提供される混雑予報の画面の一例の図である。
図12における画面304には、混雑予報341が表示されている。そして、混雑予報341は、色が濃いほど混雑していることを表しており、色が薄いほどすいていることを表している。このように、本実施形態に係る混雑予報では、一定時間内混雑の増減を表すことができ、どの時間に店舗がすくかを把握することができる。
【0133】
〔変形例に係る情報提供装置による効果〕
このように、各指数の1日の変化状態からある時点以降の変化を求めることで、一定時間内における混雑度の増減を考慮することができ、混雑度の増減を表す情報を提供することができる。利用者は、店舗がすくと思われる時間を把握することができ、予約の際に有益な情報を得ることができる。
【0134】
〔ハードウェア構成〕
なお、上記第1又は第2の実施の形態における情報提供サーバ1は、例えば
図13に示すような構成のコンピュータ50によって実現される。
図13は、情報提供サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、HDD(Hard Disk Drive)54、通信インターフェイス(I/F)55、入出力インターフェイス(I/F)56、およびメディアインターフェイス(I/F)57を備える。
【0135】
CPU51は、ROM53またはHDD54に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM53は、コンピュータ50の起動時にCPU51によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ50のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0136】
HDD54は、CPU51によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス55は、通信回線59を介して他の機器からデータを受信してCPU51へ送り、CPU51が生成したデータを、通信回線59を介して他の機器へ送信する。
【0137】
CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU51は、生成したデータを、入出力インターフェイス56を介して出力装置へ出力する。
【0138】
メディアインターフェイス57は、記録媒体58に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM52を介してCPU51に提供する。CPU51は、当該プログラムを、メディアインターフェイス57を介して記録媒体58からRAM52上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体58は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0139】
コンピュータ50が第1又は第2の実施の形態における情報提供サーバ1として機能する場合、コンピュータ50のCPU51は、RAM52上にロードされたプログラムを実行することにより、受信部10、移動状態判定部12、混雑度判定部14、及び報知部15の各機能を実現する。また、HDD54は、記憶部13の機能を実現し、移動パターンテーブル132、指数テーブル133、及び混雑度テーブル134などが格納される。
【0140】
コンピュータ50のCPU51は、これらのプログラムを、記録媒体58から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信回線59を介してこれらのプログラムを取得してもよい。