(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883418
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】コンジット
(51)【国際特許分類】
A61M 16/10 20060101AFI20160301BHJP
A61M 16/16 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
A61M16/10 C
A61M16/16 A
A61M16/10 Z
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-168353(P2013-168353)
(22)【出願日】2013年8月13日
(62)【分割の表示】特願2012-20278(P2012-20278)の分割
【原出願日】2005年8月19日
(65)【公開番号】特開2013-252443(P2013-252443A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2013年9月6日
(31)【優先権主張番号】534853
(32)【優先日】2004年8月20日
(33)【優先権主張国】NZ
(73)【特許権者】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ペイトン マシュー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】オドネル ケヴィン ピーター
(72)【発明者】
【氏名】クラーク アンドリュー ベイデン
(72)【発明者】
【氏名】クイル クリストファー サイモン ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ホーキンズ ピーター ジェフリー
【審査官】
小岩 智明
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−193680(JP,A)
【文献】
特開平07−204273(JP,A)
【文献】
特開昭61−294479(JP,A)
【文献】
特表2003−516825(JP,A)
【文献】
特開平11−057009(JP,A)
【文献】
特開2003−245353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/10−16/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に吸気ガスを供給する単体のコンジットであって、
前記コンジット内を引き通されその端子が当該コンジットの第1端部から引き出されているヒータワイヤと、
前記コンジットの第2端部に配置され、前記ヒータワイヤに接続され給電されるセンサと、を備え、
前記コンジットの第1の端部は、ガス供給源に接続可能になっており、前記コンジットの第2の端部は、患者インターフェースに接続可能になっている
ことを特徴とするコンジット。
【請求項2】
前記コンジットの前記第2端部に配置され、前記センサに電気的に並列に接続されたダイオードを
更に有することを特徴とする請求項1記載のコンジット。
【請求項3】
前記端子を2個有する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のコンジット。
【請求項4】
前記センサがサーミスタである
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のコンジット。
【請求項5】
前記サーミスタの抵抗値は前記ヒータワイヤの抵抗値より大きい
こと特徴とする請求項4記載のコンジット。
【請求項6】
前記ヒータワイヤは、前記ガスを温めるために第1の極性の電流が前記ヒータワイヤを流れる第1の条件、及び、前記ガスの少なくとも一つの特性を測定すべく前記センサに電流を供給するために逆の極性の電流が前記ヒータワイヤを流れる第2の条件で、電圧供給される
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のコンジット。
【請求項7】
前記センサは、前記ヒータワイヤと直列接続されて、前記ガスの温度、湿度、圧力及び組成の少なくとも一つを測定する
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のコンジット。
【請求項8】
前記センサは、前記患者に供給されるガス中へと少なくとも部分的に伸びるプリント回路基板上に装着されてシールされる
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のコンジット。
【請求項9】
前記センサは、前記コンジットの壁に少なくとも部分的に埋め込まれている
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のコンジット。
【請求項10】
前記センサは、周囲温度において既知の特性をもつ感知手段を備え、前記感知手段の既知の特性を検知することによって前記少なくとも1つの配送コンジットが識別されること
を特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のコンジット。
【請求項11】
前記センサは温度センサである
ことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載のコンジット。
【請求項12】
少なくとも一つの基準抵抗を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載のコンジット。
【請求項13】
少なくとも一つのバンドパスフィルタ又はサーミスタを更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載のコンジット。
【請求項14】
前記少なくとも一つのバンドパスフィルタ又はサーミスタは、前記コンジットの第2端部に配置されている
ことを特徴とする請求項13記載のコンジット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に供給されているガスの温度及び湿度のような特性を測定する装置に係る。加湿器は、通常、その加湿器の出口付近及び患者の近くの2つのポイントにおいてガスの温度を測定することにより、制御される。本発明は、主として、患者に接近したポイントにおいて患者に供給されているガスの温度を測定することに係る。
【背景技術】
【0002】
患者が閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)や慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような症状に対して酸素療法や正圧力処置のような処置を受けているときに患者に供給されているガスの温度が、安全性のために、及び患者に付与される湿度を制御できるようにするために、しばしば測定される。患者付近の温度の測定は、一般に、フィシャー&ペイケル・ヘルスケア・リミテッドの米国特許第6,272,933号及び第6,584,972号に開示されたような、呼吸管に挿入されたプローブを使用して実行されている。このような温度プローブは、呼吸回路の外部に延びるケーブルを通して加湿器に接続される。この解決策には幾つかの欠点がある。特に、ユーザは、温度プローブを正しく設置しなければならない。プローブが正しく設置されないと、加湿システムが機能不良を起こして、患者へのリスクを高めることがある。呼吸管センサの既存の端末は、センサワイヤを呼吸管の外側に沿って延ばすことを必要とする。これは、これらワイヤのもろさのためにセンサの信頼性を低下させる。或いは又、これらのワイヤが呼吸管の内側に沿って延びる場合には、空気流に対する抵抗が高まると共に、呼吸回路の衛生状態が低下することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、患者に供給されているガスの特性を測定する方法であって、従来技術における前記欠点を克服するのに役立ち且つ少なくとも業界に有用な選択肢を与える方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明の第1の態様は、患者に供給されているガスの特性を測定するための装置において、
ガス供給源と、
少なくとも1つの配送コンジットであって、このコンジットを加熱するためのヒータワイヤを含む配送コンジットと、
を備え、前記ヒータワイヤが前記ガスの前記特性を決定するための電気回路に使用されるような装置にある。
【0005】
好ましくは、前記電気回路は、前記ヒータワイヤに直列に接続され、前記ガスの温度、湿度、圧力及び組成の少なくとも1つの測定値を与え、又はその指示値の計算を行えるようにする。
【0006】
好ましくは、前記電気回路は、前記少なくとも1つの配送コンジットを通して前記患者に供給されているガス中へと少なくとも部分的に延びるプリント回路板上に装着されてシールされる。
【0007】
好ましくは、前記電気回路は、前記配送コンジットの壁へ少なくとも部分的に成形される。
【0008】
好ましくは、前記電気回路は、周囲温度において既知の特性をもつ感知手段を備え、この感知手段は、前記少なくとも1つの配送コンジットに一致させることができる。
【0009】
好ましくは、前記感知手段は、温度センサである。
【0010】
好ましくは、前記電気回路は、前記ヒータワイヤと直列の少なくとも1つの測定手段を備えている。
【0011】
好ましくは、前記少なくとも1つの測定手段は、温度測定手段である。
【0012】
好ましくは、前記温度測定手段は、並列のサーミスタ及びダイオードと、基準抵抗器とを含む。
【0013】
好ましくは、前記サーミスタ及び前記ダイオードは、前記患者の付近で前記配送コンジットの端に配置され、そして前記基準抵抗器は、前記ガス供給手段に含まれる。
【0014】
好ましくは、前記ガス供給手段は、ガス流を供給する装置、例えば、送風機と、この送風機からの前記ガスを加湿するための加湿器とを備えている。
【0015】
好ましくは、前記ガス供給源は、加湿器である。
【0016】
好ましくは、前記電気回路は、ガス特性測定手段を含む。
【0017】
好ましくは、前記ガス特性測定手段は、センサ、バンドパスフィルタ又はサーミスタの少なくとも1つと、少なくとも1つの基準抵抗器とを含む。
【0018】
好ましくは、センサ、バンドパスフィルタ又はサーミスタの前記少なくとも1つは、前記患者の付近で前記配送コンジットの端に配置され、そして前記少なくとも1つの基準抵抗器及び少なくとも1つのバンドパスフィルタは、前記ガス供給手段に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】患者に供給されているガスの温度を測定する本発明の方法に使用できる呼吸加湿システムを示す図である。
【
図2】患者へのガスの温度を測定できる電子装置の回路図で、本発明のシステムがDC加熱及び測定電圧を使用するときに回路が使用される状態を示した図である。
【
図3】患者へのガスの温度を測定できる電子装置の回路図で、本発明のシステムが加熱のためのDC又はAC電圧と信号電圧とを使用するときに回路が使用される状態を示した図である。
【
図4】コンジットの破断図で、本発明の回路がプリント回路板上にあって、ガス流領域内にコンジットと共に存在するところを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、以上に述べたものにあると共に、以下に例示された構造も考えられる。添付図面を参照して、本発明の好ましい態様を説明する。
【0021】
本発明は、ガス配送管又はコンジットに流れるガスを加熱するのに用いられるワイヤのようなワイヤに装着されたセンサを使用し、ワイヤはその配送管又はコンジット内に存在するものであり、そのガス配送管又はコンジットの端で例えば温度又は湿度のような種々の特性を測定しようとするものである。フィシャー&ペイケル・ヘルスケア・リミテッドの米国特許第6,078,730号に開示されたような加熱ワイヤを伴う加熱管、又は他の同様の管及び加熱ワイヤを、本発明に使用することができる。
【0022】
図1を参照すれば、本発明に使用できる換気及び加湿システムが示されている。患者13は、加湿ガス搬送通路又は吸気コンジット3に接続された鼻カニューレ12を通して加湿及び加圧ガスを受け取り、吸気コンジット3は、次いで、加湿器8(加湿チャンバー5を含む)に接続され、この加湿器には、送風機15又は他の適当なガス供給手段からガスが供給される。
【0023】
吸気コンジット3は、ある量の水6を収容した加湿チャンバー5の出口4に接続される。加湿チャンバー5は、好ましくは、プラスチック材料で形成され、そして加湿器8のヒータプレート7に直接接触する高熱伝導性のベース(例えば、アルミニウムベース)を有することができる。加湿器8には、制御手段又は電子コントローラ9が設けられ、これは、関連メモリに記憶されたコンピュータソフトウェアコマンドを実行するマイクロプロセッサベースのコントローラでよい。吸気コンジット3を通して流れるガスは、鼻カニューレ12により患者へ通されるが、鼻又はフルフェースマスクのような他の患者インターフェイスにより患者へ通されてもよい。
【0024】
コントローラ9は、ユーザ入力手段又はダイアル10のようなソースから入力を受け取り、このダイアルにより、装置のユーザは、例えば、患者13へ供給されているガスの湿度又は温度の所定の所要値(プリセット値)をセットする。ダイアル10を経て入力されたユーザ設定湿度又は温度値や、ガス流量又は温度を感知する内部センサのような他の考えられる入力に応答して、或いはコントローラで計算されたパラメータにより、コントローラ9は、いつ(又はどんなレベルまで)ヒータプレート7を付勢して加湿チャンバー5内の水6を加熱すべきか決定する。加湿チャンバー5内のある量の水6が加熱されるにつれて、水蒸気が水面より上のチャンバーの容積部を満たし始め、そしてガス供給手段又は送風機15から送られて入口16を経て加湿チャンバー5に入るガス(例えば、空気)の流れと共に、加湿チャンバー5の出口4から放出される。
【0025】
送風機15には、可変速度のポンプ又はファン2を設けることができ、これは、送風機の入口17を経て空気又は他のガスを引き込む。可変速度ポンプ又はファン2の速度は、更に別の制御手段又は電子コントローラ18により制御することができ、このコントローラ18は、コントローラ9からの入力に応答するか、又はダイアル10を経てユーザが設定した圧力又はファン速度の所定の所要値(プリセット値)に応答する。或いは又、このコントローラ18の機能は、他のコントローラ9と結合されてもよい。
【0026】
加湿されたガスがコンジット内で凝結するのを防止する上で助けとなるように、加熱素子又はワイヤ11は、コンジット又は管3の中に、それの周りに、及びその全体にわたって設けられるのが好ましい。このような凝結は、コンジットの壁の温度が、コンジット内の加湿されたガスの温度より通常低い周囲温度(それを取り巻く大気の温度)に近いためである。ヒータ素子は、コンジットを経て通過する間に伝導及び対流によりガスから失われるエネルギーを効果的に補充する。従って、コンジットのヒータ素子は、配送されているガスが最適な温度及び湿度であることを保証する。
【0027】
このようなヒータワイヤは、一般に、直流(DC)又は交流(AC)のいずれかで駆動され、その両方の場合に、加熱素子に印加される電力を制御するために加熱電圧が、通常、オン及びオフに切り換えられる。本発明では、最も好ましくはワイヤである加熱素子11が、患者に供給されているガスの特性を決定するための電子回路と共に使用される。この回路(
図2及び3の20又は40)は、ヒータワイヤ11と直列に接続されるのが好ましい。この回路は、プリント回路板上にあってもよいし、ガス流中のプラスチック成形物であるハウジング内に配線されてもよいし、或いはコンジット又は管3の壁内に少なくとも部分的に成形された回路板であってもよい。測定できる特性は、温度、圧力、ガス組成及び湿度を含む。本発明の2つの実施形態を以下に説明するが、その一方は、DC加熱電圧のみを使用して動作するものであり、そしてその他方は、DC又はAC加熱電圧で動作できるものである。
【0028】
DC加熱電圧
図2は、本発明の温度測定方法を実施するのに使用できる回路20を示す。DC加熱電圧25がヒータワイヤに印加されると、ダイオード22が導通して、ヒータワイヤ21、28に電流が流れ、ヒータワイヤは通常に機能して、配送管3に熱を与える。スイッチ29を使用して加熱電圧25がスイッチオフされると、加熱電圧25と逆の極性を有する測定電圧26がヒータワイヤに印加される。この場合に、ヒータワイヤ21、28の電流は、ダイオード22には流れず、サーミスタ23及び基準抵抗器24に流れる。次いで、基準抵抗器24にまたがる電圧を出力27で測定し、ガスの温度を決定することができる。基準抵抗器24にまたがる電圧測定値27は、ルックアップテーブルを使用するか、又は温度値を計算する方程式を使用して、温度に変換される。これは、サーミスタ23が基準抵抗器24とで電位分割器を形成するような通常使用される技術と同様である。
【0029】
より一般的には、サーミスタは、圧力又は湿度測定のためのインピーダンス(例えば、抵抗器及び容量性センサ)に置き換えられてもよい。基準抵抗器24にまたがる電圧を測定することによりインピーダンスを測定することもできるし、又は基準抵抗器24にまたがる電圧を時間的に考察することで立上り時間を決定することができる。
【0030】
回路20の一部分は、配送コンジット3に含まれ、特に、ダイオード22及びサーミスタ23(互いに並列)は、配送管3の端30又はその付近におけるヒータワイヤのポイントにおいて(ユーザ13の最も近く、
図1、2及び4を参照)ヒータワイヤ21、28に直列に配置されるのが好ましく、例えば、それらは、
図4に示すように、プリント回路板上で相互接続され、シールのためにプラスチックでオーバーモールドされ、そして配送コンジットを通るガス流中に装着される。更に、この回路は、ハウジング、例えば、ガス特性を測定するために配送管のプラスチック壁からコンジットに流れるガス流中へと突出するプラスチックハウジング内の相互接続部分により形成されてもよい。基準抵抗器24及びスイッチング回路29を含む回路20の他の全ての部分は、加湿器8の制御回路に含まれる。
【0031】
サーミスタの値は、周囲温度において既知の特性を伴う異なる抵抗曲線を有するように選択することができる。回路に使用するための特定のサーミスタ値の選択は、本発明の制御システムによる識別を許すと共に、そのサーミスタ値と特定のコンジット又は管3との一致を許す。このように、異なるサーミスタ値を特定の及び適切なコンジット形式に一致させることができると共に、コンジットを加湿器又は送風装置に接続する際に、制御システムは、そのサーミスタを識別し、そして適切な制御戦略をコンジットの加熱に適用することができる。
【0032】
AC又はDC加熱電圧
図2に示す回路は、DC加熱電圧が
図1に示すようにヒータワイヤ、配送コンジット及びシステムに関連して使用されるときに、使用されるよう意図される。温度のようなガス特性の測定を与え、且つAC及びDC電圧に適した別の実施形態の回路40が
図3に示されている。異なる周波数における多数の電圧信号51、52、53が加算器50で一緒に加算される。これらの信号は、少なくとも1つの加熱信号51及び少なくとも1つの測定信号53を含む。これら信号の合成体がヒータワイヤ44に沿って通過し、ヒータワイヤ44に電流(加熱及び測定)を生成する。多数の並列な経路41、43、45が確立され、その各々は、異なる周波数範囲を通過させるフィルタ(例えば、
図3に示すように、1つのローパスフィルタ41及び3つのバンドパスフィルタ43、45、48)を含む。これらの並列の経路(即ち、フィルタ、サーミスタ、及び/又はセンサ)は、
図2を参照して述べたものと同様に、配送管3の端30に配置されるのが好ましい。これらの並列経路は、測定電流に対して異なる経路に加熱電流を流すことを許す。又、ガスの異なる特性(例えば、温度、圧力、湿度、組成)を測定できるように、多数の測定信号をヒータワイヤに通すことも許す。
【0033】
加熱及び測定電流は、ヒータワイヤ46を経て返送され、そして管3の端30に配置されたフィルタ41、43、45に対応する周波数バンドを通過させる多数の並列な測定フィルタ47、49、57を通してフィルタすることができる。加熱電流は、測定電流とは異なる経路をとる。測定電流の各々は、それらの周波数に基づいて異なる経路をとり、これは、各測定電流を、基準抵抗器48、54又はそれと同様のものに通過させることで測定するのを許す。この場合も、ルックアップテーブル又は方程式を使用して、基準抵抗器48、54にまたがる電圧を、例えば、温度に変換することができる。本発明の好ましい実施形態では、測定フィルタ47、49、57が加湿器8の制御回路に含まれる。
【0034】
更に別の実施形態では、配送管3の端30における1つ以上の感知素子55、56を固定インピーダンスに置き換え、異なるコンジット又は管に対して異なる制御アルゴリズムを使用できるように管の識別を許すことができる。
【0035】
図4は、
図2又は3を参照して上述した本発明の回路の1つ又は部分を収容するプリント回路板60を伴うコンジット3の破断図である。回路板60は、加熱ワイヤ21、28に接続され、従って、コンジット3内に位置される。このように、回路板60に含まれるサーミスタ23は、コンジット3を通して流れるガスに露出され、ガスの特性の測定値を与えることができる。
【0036】
本発明の回路及び方法は、加湿及び呼吸回路製品のためのこれら技術の多数の用途に適用できる。例えば、配送管の端(又は患者インターフェイス、例えば、鼻カニューレ又はマスク)における温度又は湿度の測定値を使用して、加湿器を良好に制御し、より正確な温度のガスを患者へ供給し、最適な患者の快適感及び療法を提供することができる。更に、患者付近のガス圧力又はガス組成のような他のガス特性を測定することもできる。
【0037】
本発明の装置は、従来技術で必要とされた、ガス特性を感知する外部ワイヤの必要性を排除する。更に、本発明の装置は、2つのピン又はコンタクトしか使用しない(現在の加熱管実施形態で4本のピンが使用されるのに対して)。これは、コンタクト/ピンが折れることがおそらくないので、本発明のシステムがおそらくより信頼し得るものであることを意味する。又、ガス特性の測定にヒータワイヤを使用することで、特に、呼吸管が使い捨てのものである場合に、呼吸管3及びその関連部品のコストを減少できる。