(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883434
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】液冷LED照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 29/56 20150101AFI20160301BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20160301BHJP
F21K 9/00 20160101ALI20160301BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20160301BHJP
H01L 33/64 20100101ALI20160301BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20160301BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20160301BHJP
【FI】
F21V29/56
F21V29/503
F21S2/00 224
H01L33/00 450
H01L33/00 L
F21Y101:02
【請求項の数】32
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-506315(P2013-506315)
(86)(22)【出願日】2011年4月21日
(65)【公表番号】特表2013-528901(P2013-528901A)
(43)【公表日】2013年7月11日
(86)【国際出願番号】US2011033501
(87)【国際公開番号】WO2011133820
(87)【国際公開日】20111027
【審査請求日】2014年4月10日
(31)【優先権主張番号】61/438,389
(32)【優先日】2011年2月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/327,180
(32)【優先日】2010年4月23日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505315395
【氏名又は名称】ウェイヴィーン・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100126147
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 成年
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180699
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 渓
(72)【発明者】
【氏名】リ,ケネス
【審査官】
杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2001−516493(JP,A)
【文献】
特開2006−310044(JP,A)
【文献】
特表平09−504449(JP,A)
【文献】
特開2007−187095(JP,A)
【文献】
特表平10−505195(JP,A)
【文献】
米国特許第5373417(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0133171(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/56
F21S 2/00
F21V 29/503
H01L 33/00
H01L 33/64
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過開口を有する密封したハウジングと、
前記ハウジングに収納されており、前記開口を介して伝播のための照明を放射する放射エリアを有するLED部材と、
前記LED部材によって生じた熱を分散させるために前記ハウジングに収納された冷却液と、
圧縮可能な材料を前記ハウジングの外部と連通せずに収納し、前記ハウジング内に位置したカバーと、
を含み、
前記カバーは、前記冷却液の膨張に応じて圧縮する動作が可能であり、
前記ハウジングは、前記LED部材の前記放射エリアに前記放射光線を反射するための反射面を有するリサイクル反射器を含み、
前記反射面は、前記LED部材の前記放射エリアの中心に関する形状で球状であり、
前記LED部材は、同じ色を放射し、前記LEDアレイの略中心に対照的に配列された少なくとも1つのペアのLED部材を有するLEDアレイを含み、
前記ペアのLED部材のうちの1つからの放射光線が、前記ペアのLED部材の他の1つに反射されることを特徴とする液冷LED照明装置。
【請求項2】
前記圧縮可能な材料を収納する前記カバーは、前記放射光線の前記光路の外部に位置することを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項3】
前記圧縮可能な材料を収納する前記カバーは、前記ハウジング内に固定して位置することを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項4】
前記圧縮可能な材料を収納する前記カバーは、前記放射光線の前記光路の外部に固定して位置することを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項5】
前記冷却液は、前記LED部材の前記放射エリアに接触して位置することを特徴とすることを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項6】
前記冷却液は、過ふっ化液(perfluorinated liquid)を含むことを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項7】
前記圧縮可能な材料は、前記カバーに収納された空気又は窒素を含むことを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項8】
前記カバーは、バルーンを含むことを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項9】
前記カバーは、密封した端を有するチューブを含むことを特徴とすることを特徴とする請求項1のLED照明装置
【請求項10】
前記カバーは、球状か、環状体か、円盤状のカバーを含むことを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項11】
前記カバーは、複数の密封されたガスポケットを収納する発泡材料を含むことを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項12】
前記ハウジングの内部に配置され、前記LED部材に取り付くヒートシンクをさらに含むことを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項13】
前記LED部材によって生じた前記熱を分散させるための前記冷却液を循環させるポンプをさらに含むことを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項14】
前記ポンプは、前記ハウジングの内部に配置されることを特徴とする請求項13のLED照明装置。
【請求項15】
前記ポンプは、超音波ポンプであり、前記ハウジングの内部に配置されることを特徴とする請求項13のLED照明装置。
【請求項16】
前記ハウジングは入口と出口を有し、
前記ポンプは、前記入口と前記出口の間に接続され、前記ハウジングの外部に配置されることを特徴とする請求項13のLED照明装置。
【請求項17】
前記ポンプと連通する液体のチェンバーと、
前記チェンバーに取り付く複数の冷却フィンを、さらに含むことを特徴とする請求項16のLED照明装置。
【請求項18】
前記LED部材は、1以上のLED部材を含むことを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項19】
前記LED部材は、1以上の色を放射することを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項20】
前記開口は、レンズを含むことを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項21】
前記ハウジングに取り付けられ、ねじが切られた接触部を有する基礎部を、さらに含むことを特徴とする請求項1のLED照明装置。
【請求項22】
照明を放射する放射エリアを有するLED部材と、
前記放射光線が通過する透過開口を有する密封したハウジングと、
反射面を有し、前記反射面に当たる前記放射光線は、前記LED部材の前記放射エリアに反射する、リサイクル反射器と、
前記LED部材によって生じた熱を分散させるために前記ハウジングに収納される冷却液と、
前記ハウジングに当該ハウジングの外部と連通せずに収納され、前記冷却液の膨張に応じて圧縮する動作が可能な圧縮可能な材料と、
を含み、
前記反射面は、前記LED部材の前記放射エリアの中心に関連する形状において球状であり、
前記LED部材は、同じ色を放射し、前記LEDアレイの前記中心に関して配列されている、少なくとも1つのペアのLED部材を有するLEDアレイを含み、前記ペアのLED部材のうちの1つからの前記放射光線は、前記ペアのLED部材の他の1つに反射されることを特徴とする液冷LED照明装置。
【請求項23】
前記冷却液は、過ふっ化液を含むことを特徴とする請求項22のLED照明装置。
【請求項24】
前記圧縮可能な材料は、密封したカバーに収納される空気又は窒素を含むことを特徴とする請求項22のLED照明装置。
【請求項25】
前記圧縮可能な材料は、バルーンの内部に収納されることを特徴とする請求項22のLED照明装置。
【請求項26】
前記圧縮可能な材料は、密封した端を有するチューブの内部に収納されることを特徴とする請求項22のLED照明装置。
【請求項27】
前記圧縮可能な材料は、球状か、環状体か、円盤状のカバーの内部に収納されることを特徴とする請求項22のLED照明装置。
【請求項28】
前記圧縮可能な材料は、複数の密封したエアポケットを含む発泡材料を含むことを特徴とする請求項22のLED照明装置。
【請求項29】
前記LED部材によって生じた熱を分散させるための、前記冷却液を循環させるポンプをさらに含むことを特徴とする請求項22のLED照明装置。
【請求項30】
前記ポンプは、前記ハウジングの内部に配置されることを特徴とする請求項29のLED照明装置。
【請求項31】
前記ハウジングには入口と出口を有し、
前記ポンプは、前記入口と前記出口の間に接続され、前記ハウジングの外部に配置されることを特徴とする請求項29のLED照明装置。
【請求項32】
前記開口は、レンズを含むことを特徴とする請求項22のLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年2月1日に提出された米国仮出願シリアル番号61/438,389、及び、2010年4月23日に提出された仮出願シリアル番号61/327,180に対して、35U.S.C.セクション119(e)の下で優先権の利益を要求し、それらは参照によって完全にここに組込まれる。
【0002】
本発明は照明装置及び特にLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0003】
LED(発光ダイオード)イルミネーション又は照明の多くのイルミネーション利用に関して、重要な問題は、LEDチップのLED照明部材から生じた熱の除去である。伝統的に、LEDチップは金属基体に搭載され、基体は冷却フィンを備えたヒートシンクに搭載される。それから、ファンは、LEDチップを冷やすヒートシンク・フィン上に空気を吹きつけるために使用することが可能である。
【0004】
しかしながら、LEDチップとヒートシンク・フィンの間の相対的に大きな距離により、冷却効率は通常低い。その結果、LED接合はより高温度で作動し、それはLEDチップの寿命と照明出力を減じる。
【0005】
したがって、より効率的にLED照明部材を冷却するLED照明装置、及び、方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の1つの態様によれば、液冷LED照明装置は、透過開口を有する密封したハウジングと、ハウジングに収納されるLED部材を含む。LED部材は、開口を介した伝達のための照明を放射する放射するエリアを有する。LED部材によって生じた熱を分散させるために、冷却液はハウジングに収納される。好ましくは、カバーで密封された圧縮可能な材料はハウジング内に位置し、放射光線の光路の外にある。LED部材から熱を吸収するにつれて、圧縮可能な材料を含むカバーは、冷却液の膨張に応じて圧縮する。
【0007】
有利に、冷却液及び圧縮可能な材料はより効率的にLED部材を冷やすために作用し、それにより、より高い照明出力及び増加した寿命を提供する。同時に、ハウジング中の圧縮可能な材料の使用は、ハウジングが完全に密封した強剛なパッケージで作られることを可能にする。
【0008】
本発明の他の態様によれば、液冷LED照明装置は、リサイクル反射器を有する密封したハウジングを含む。リサイクル反射器は反射面を有し、反射面に当たるLEDライトは、LED部材の放射するエリアへ反射する。ハウジングに収納される冷却液及び圧縮可能な材料はLED部材によって生じた熱を分散させるために作用する。
【0009】
本発明の他の態様によれば、液冷LED照明装置は、密封したハウジングの外部へ付けられているLED部材を含む。ハウジングに収納された冷却液及び圧縮可能な材料は、LED部材によって生じた熱を分散させるために作用する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による典型的なLED照明装置を示す。
【
図2】
図2は、リサイクル反射器を有するLED照明装置を示す。
【
図3A】
図3Aは、少なくとも1つの対称的に配列された有色のペアを備えた4つのLED部材のLEDアレイを示す。
【
図3B】
図3Bは、6つの対称的に配置されたLED部材のLEDアレイを示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による、より高出力の輝度を可能にするために、照明出力がリサイクルされる液冷LED照明装置を示す。
【
図5】
図5A-5Eは、本発明による圧縮可能な材料を密封するために使用することが可能である様々なタイプのカバーを示す。
【
図6A】
図6Aは、本発明の実施形態によるポンプを有するLED照明装置を示す。
【
図6B】
図6Bは、本発明の実施形態による冷却液に接する、ポンプ及びLED部材を有するLED照明装置を示す。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態による外部ポンプを有するLED照明装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の1つの実施形態による典型的なLED照明装置を示す。LED照明装置2は、LEDパッケージ4、ヒートシンク5及び冷却液9を含む。
【0012】
LEDパッケージ4は、一般的に照明を放射する放射エリアを有するLED部材である少なくとも1つのLEDチップ10と、チップが搭載される基体12を含む。放射エリアは、LEDチップ10を保護する任意の透明ウィンドウ7を含む。LEDチップ10から熱を除去するために、ヒートシンク5は基体12に取り付けられている。そのようなLEDパッケージは例えば、マサチューセッツ州、ビレリカのLuminus Devices社から入手可能である。
【0013】
液体の密封したハウジングに収納された冷却液9は、LEDチップ10の近く、又は、そのチップのすぐ近くに位置する。異なるタイプのハウジングを使用する様々な応用例の中でそれを使用することが可能であるので、
図1において、冷却液を収納しているハウジングの境界線は示されない。好ましくは、冷却液9は、LEDチップ10(すなわち、LED半導体自体又はウィンドウ7)と直接的に接触し、その結果、チップによって生じたいかなる熱も、全く少量の耐熱性を有する液体によって直ちに除去される。
図1の場合には、冷却液9が、チップの透明ウィンドウ7と直接接触する。透明ウィンドウ7がない場合には、冷却液9は、LED半導体自体と直接接触する。好ましくは、冷却液9は、低い熱膨張、高い熱伝導率、化学上不活性で、電気的に絶縁する特性を有する。そのような液体の1つは、ミネソタ州、セントポールの3M社から入手可能なFluorinert
TMと呼ばれる、過ふっ化液(perfluorinated liquid)がある。より低コストな液体は、鉱油、パラフィン又はその他同種のものになりえる。
【0014】
図2は、リサイクル反射器を備えたLED照明装置を示し、本出願人がより早く提出した、2011年3月31日に提出の出願番号13/077,006に開示され、参照によってここに組込まれる。LED照明装置はLEDパッケージ4と、LEDチップ10を駆動するための駆動回路3と、LEDチップの前に位置した、リサイクルするカラーのようなリサイクル反射器6と、LEDライトが通り抜ける透過開口8とを含む。
【0015】
LEDチップ/部材10は、白色、単一色又は複数の色のシングル・チップか多数のチップになりえる。特定の用途について、それらは、リサイクル反射器6の透過開口8の光軸16は、LED部材の中心20(
図3を参照)を通り、中心は、さらに実質的に、リサイクル反射器の曲率中心の近隣にあるように配列することが可能である。LED部材10は、同じ面に好ましくは配列され、LED部材の任意の2つの放射エリア間のいかなるスペースも最小限にするために接近して位置する。LED部材10は、赤、緑、青、あるいは、放射白色光のような単一色の照明を放射することが可能である。放射角度は一般的に180度以下である。
【0016】
リサイクルカラー6は、LED部材10に関して凹面の方式で曲げられる。内部の表面14が反射面であるので、内部の表面に当たるLED光は光源(すなわちLED部材)に反射される。反射面は、カラー6の外部か内部の表面をコーティングすることにより、あるいは、カラーに取り付いた分離した反射ミラーを有することによって提供することが可能である。好ましい実施形態によれば、リサイクルカラー6は、LED部材10の中心20に関する形状において球状であり、その結果、出力が単位拡大によりそれ自体に反射される。したがって、LED部材10が、それ自体の上へのイメージを形成する場合に、それは有効に画像処理システムになる。有利に、実質的に、内側の球状の反射面14に当たるLED光はすべて、光源、すなわち、LED部材10の放射エリアに反射される。
【0017】
当業者が十分に理解することが可能であるように、従来の照射系の透過開口を通り抜けないすべてのLED光は永久に失われる。しかしながら、湾曲した反射面14の使用によって、本発明のLED照明装置は、失われたであろう相当な量の照明の回収を可能にする。例えば、その透過開口のサイズが放射光線の約20%を取り込む照射系において、リサイクルカラー6は、放射光線のさらに20%の回収を可能にする。有利には、それは取り込まれた照明スループットの100%の改善であり、それは輝度における本質的な改善につながる。
【0018】
本発明でのLEDは単一のLED又はアレイLEDになりえる。LEDは白い単一色になりえるか、又は単一の色又は多数の色を備えた多数のチップからできてよい。LEDはさらにDC LED、又はAC LEDになりえる。
【0019】
図3は、本発明と共に使用することが可能であるLEDチップのうちのいくつかを示す。
図3Aは、4つの有色のLED部材10のLEDアレイ18を示す。特に、LEDアレイ18は、赤色照明を放射する1つの赤色LED部材Rと、反対のコーナーで、中心20について対称的に配置された青色照明を放射する1つの青色LED部材Bと、反対のコーナーで、LEDアレイの中心20について対称的に配置された緑色照明を放射する2つの緑色LED部材G1、G2と、を含む。LEDアレイ18は、リサイクル反射器6の光軸16が中心20を通過し、この中心は、リサイクル反射器6の曲率中心の付近にさらに実質的にあるように配列される。
【0020】
LEDアレイ18は4つのLED部材で示されているが、本発明は少なくとも1つのLED部材で動作することが可能である。さらに、1ペアのLED部材の場合には、ペア中のLED部材が同じ色を放射することが好ましいが、効率はより低いかもしれないが、それらが異なる色を放射することが可能である。さらに、アレイ中の各LED部材のサイズは他のLED部材とは異なることが可能である。
【0021】
LED部材10はそれぞれ正方形として示されているが、それが長方形でもよいことに注目する。好ましくは、LEDアレイ18の全体の放射エリアは、投射されるイメージと同じ縦横比であるべきである。例えば、その縦横比が9:16であるハイビジョン・イメージを投射するために、LEDアレイ18の全体の放射エリアは同じ9:16の寸法を有するべきである。同様に、LEDアレイ18の寸法は、特に4:3、1:1、2.2:1でありえ、それらはポピュラーな縦横比でもある。
【0022】
図3Aの実施形態の中で、2つの緑のLED部材G1、G2は互いの上へイメージされる。具体的には、内部の反射面14に当たるLED部材G1からのいかなる照明も、対称的に位置したLED部材G2に反射され、また、その逆も成立する。対称的に配置された同じ色のLED部材が動作するために、駆動回路3は同じ色のLED部材(例えばG1、G2)を同時に駆動する。したがって、この配置は高いリサイクル効率を提供する。一方、青色LED部材Bからの照明は赤色LED部材Rの上にイメージされ、また、その逆も成立する。したがって、リサイクル効率はこれらの二色はより低い。
【0023】
マルチカラーのLED部材での効率を増加させるために、
図3Bの中で示されるような対称な構成を使用することが可能である。この実施形態において、赤色チップ(LED部材R)は、中心20に関して対称的に配列される。そのため、赤色チップは高いリサイクル効率を伴って、互いの上にイメージされる。同様に、青色チップ(LED部材B)及び緑色チップ(LED部材G)も、中心20に関して対称的に配列され、高いリサイクル効率を伴って、互いの上にイメージされるだろう。
【0024】
図4は、本発明の実施形態によって高出力の強度を可能にするために、照明出力がリサイクルされる液冷LED照明装置を示す。
図4において、LED照明装置は、密封ハウジング/バルブ24及び基礎部26を有するLED光バルブ22である。密封バルブ24は、プラスチック、ガラス又は金属で作ることが可能である。
【0025】
LEDマウント28は基礎部26へ取り付けられており、制御回路3と、ヒートシンク5と、基体12と、制御回路に電気的に接続されるLEDチップ10を取り付けるための剛性支持構造を備える。LEDチップ10を支持する基体12は、ヒートシンク5に搭載される。LEDマウント28は、さらに、制御回路から電気的な下部接触部32及びねじが切られた接触部30までの電線を導くためのダクトを有する。動作において、電気的な接触部30及び32からの線間電圧は、制御/駆動回路3によってLEDチップ10のための所要のレベルに変換される。
【0026】
図4は、エジソン・タイプのねじが切られた基礎部コネクターを有する光バルブを示すが、さらに、MR-16タイプの基礎部を有するような他のLED照明装置も、本発明の使用に適している。
【0027】
バルブ24にはLEDチップ10からの放射光線が通過する、光学的に透明な透過開口8を有する。開口8は、単純な光学的に透明な球状のウィンドウになりえ、又は、所要の出力ビームの開きを得るために集束レンズかコリメータレンズのようなレンズを有することが可能である。
【0028】
基体12の上のバルブ24の部分は、LEDチップ10の放射エリアの中心に関して、球形に形作られる。透過開口8のまわりの球状のバルブ表面の一部は、LEDチップ10の照明放射エリアに放射光線を反射するためにミラー・コーティング14でコーティングされる。これは、
図2に示されるようなリサイクルカラー6として機能する。
【0029】
本発明によれば、密封された光バルブ24は、ヒートシンク用冷却液9で満たされる。
図1と同様に、密封された冷却液9は、LEDチップ10の近く、又は、すぐ近くに位置する。図示されるように、冷却液9は、LEDチップ10の放射エリアと直接接触し、その結果、チップによって生じたいかなる熱も、非常に小さな耐熱性とともに、液体によって直ちに除去される。
【0030】
照明を放射する場合、LEDチップ10は熱を発する。熱は、体積で膨張する冷却液9を次には加熱する。冷却液9がバルブ24の内部で密封されるので、リリーフは、冷却液の膨張による爆発を防ぐために必要である。
図4に示されるように、圧縮により冷却液9の膨張する体積を吸収するために、圧縮可能な材料34はバルブの内部に位置する。示された実施形態において、圧縮可能な材料34は固定して位置し、放射光線の光路の外部にあり、その結果、それが透過開口8を通して伝搬される照明に干渉しない。そうでなければ、圧縮可能な材料34は照明の光路へ移動し、開口8を出る照明の中にひずみとシャドーを生成するかもしれないし、さらに照明出力を低減するかもしれない。
【0031】
図4において、圧縮可能な材料34はバルブ24の内部表面に取り付けられている。あるいは、圧縮可能な材料34は、材料が放射光線の光路の外部に位置する限り、LEDマウント28、ヒートシンク、又は、バルブ24内の他の部分に固定して取り付けることが可能である。ある実施形態において、圧縮可能な材料は
図4に示されるような密封したカバーに収納されている。
【0032】
図4に示されるような圧縮可能な材料はエアーポケットである。エアポケットは小さな密封したバルーンカバーの内部に収納されている。バルブ24の内部の圧力が増加するにつれて、エアポケット34は光バルブの内部の圧力を取り除いて、体積が減少するだろう。
【0033】
ハウジング24の内部の圧縮可能な材料34の位置を決める代わりに、冷却液9が膨張するにつれて、それが膨張する場合があるように、ハウジングの一部は、ゴムのような可撓性材料で作ることが可能である。しかしながら、可撓性材料と剛体のハウジングの間のシールを維持するのが難しいので、これは好ましい解決策ではない。したがって、本発明によるハウジング24の内部の圧縮可能な材料34の位置付けは、ハウジングが完全に剛体で、は完全に密封される膨張しない材料で作られることを可能にし、それによって、LED照明装置の信頼性及び耐久性を改善する。
【0034】
代替の実施形態において、エアーのような圧縮可能な材料34はカバーに収納されており、開口を有する内部壁33によって定義された内室35内に閉じ込められ、その結果、流体9が自由にそれを通って流れる。このように、圧縮可能な材料34は固定して位置する必要はない。好ましくは、壁33、また、それゆえ、圧縮可能な材料34及びそのカバーは、放射光線の光路の外部にある。
【0035】
図4の実施形態は圧縮可能な材料としてエアーを示すが、窒素のような、他のタイプのガス(それは生来圧縮可能である)を使用することが可能である。実際、カバーが真空の力に耐えるのに十分に強剛であるが、膨張する冷却液9の外圧により圧縮するのに十分に柔軟な限り、真空でさえ使用することが可能である。
【0036】
図5は本発明によって圧縮可能な材料を密封するための様々なタイプのカバーを示す。
図5Aは両端を密封した、エアーを収納する管の部分である。管はゴム、シリコーン、プラスチックなどになりえる。
【0037】
カバーの形状は、
図5Aに示されるように円筒状、
図5Bに示されるように球状、
図5Cに示されるように環状体、
図5Dに示されるようなディスクのような平らなキャビティ、あるいは、その他同種のものになりうる。エアポケットはパッケージと独立してよく、又はパッケージに取り付けることが可能であり、パッケージと一体化することが可能である。
【0038】
図5Eに示されるように、圧縮可能な物質34は、1個の「泡」として、ともにパックされた小さなエアポケットの集合になりえる。そのような材料は、扱うのが簡単であり、求められるようなサイズにカットすることが可能であり、要求されるガスの必要な体積を提供する。例えば、発泡材料はクッション材料のパックで見つけることが可能である。これらの発泡を構成する材料はビニール、シリコーン、ゴムなどでありえる。ポケットの内部のガスは空気、窒素などになりえる。
【0039】
冷却及びヒートシンクの効率を向上させるために、ポンプ38は、ハウジング24の内部の冷却液を循環させるために付け加えることが可能である。ポンプ38は、LEDチップ10の近くの熱い液体を素速く移動させ、より冷たい液体にそれを置換し、それによって、LEDチップの接合温度を下げるために冷却効率を増加させる。
【0040】
好ましい実施形態において、ポンプ38は超音波ポンプである。超音波信号は、変換器を駆動するために使用され、冷却液9中に音波を生成する。ポンプ38の構成は、音波が液体の純フローを生成するようなものである。
【0041】
図6Aは、そのようなポンプを備えたLED照明装置を示す。液体の密封されたハウジング24は、一側面に入口40を有し、他の側面に出口42を有する超音波ポンプ38を含んでいる。超音波ポンプ38は、超音波の駆動信号を生成するハウジング24の外部で位置した、超音波駆動回路44によって駆動される。
図6Aにおいて、基体12及び基体に付けられたLEDチップ10は、
図4に示されるようなハウジングの内部に付けられる代わりにハウジング24の外部表面に搭載される。冷却液9から熱を取り除くために、冷却フィン50がハウジング24に取り付けられている。好ましくは、
図6Aのハウジング24は金属又は合金のような熱伝導材料で作られている。
【0042】
図6Aのエアポケット34は、LEDチップ10がハウジング24の外部へ付けられているので、ハウジング24に固定してエアポケットを付ける必要がないこと以外は、
図4のそれと同様である。
【0043】
図6Bは、LEDチップ10及び内部ヒートシンク5が効果的な冷却のための冷却液9に浸される代替のLED照明装置を示す。圧縮可能な材料34は
図4のそれと同様であり、液体の密封したハウジング24の内部の表面に、LEDチップ10の光路から遠ざけて取り付けられている。冷却液9から熱を取り除くために、フィン50はハウジング24に取り付けられている。好ましくは、
図6Bの中のハウジング24は金属又は合金のような熱伝導材料で作られている。
【0044】
ヒートシンク5はハウジング24の内部の表面へ取り付けられ、その結果、ハウジングの全体にわたってヒートシンクからの熱を再分配することを可能とする。ハウジング24に取り付けられた基礎部26は、コネクター46に、LEDチップ10及びポンプ38からの電線を接続する。LEDチップ10からの光を放射は、開口/光学ウィンドウ8を通して伝達される。
【0045】
図7は、本発明の他の実施形態によるLED照明装置を示す。アレイLEDチップ10及び基体12が、ハウジング24の内部の表面へ取り付けられたヒートシンク5に搭載される。圧縮可能な材料34はハウジング24の内部の表面へ付けられており、放射光線の光路の外部に位置する。ハウジング24は入口52及び出口54を有する。流管56は入口52と出口54の間で連結される。冷却フィン50は、冷却チェンバー58を定義する流管56の一部分に付けられている。超音波ポンプ38のようなポンプは、ハウジング24から、冷却フィンによる、効率的なヒートシンクのための、冷却チェンバー58へ冷却液9を送るために、流管56にインラインで接続される。
【0046】
上記の開示は、例示であり、かつ完全でないように意図される。この明細書は多くの変更、バリエーションを示唆するだろう。また、代替物は発明の範囲から外れずに、当業者によってなされるかもしれない。本技術に精通している人々は、ここに記述された特定の実施形態に対する他の等価物を認識するだろう。例えば、本発明にはリサイクル反射器が示されるが、それは、照明のリサイクルなしで使用することが可能である。さらに、本発明は光源としてLEDの文脈の中で示されているが、それは、動作中の著しい量の熱を発するあらゆる光源に使用することが可能である。例えば、本発明はレーザー、アーク灯などに使用することが可能である。本発明の原理は、熱が、パワートランジスタ、マイクロプロセッサー、誘導器、整流器及び変圧器のように生じる、他の光学以外の用途に適用することも可能である。従って、本発明の範囲は前述の明細書に制限されない。