(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記容器回転部は、前記移動経路部に対して移動自在であって、前記操作部によるカセットからの前記薬品容器取り出し操作前に、前記移動経路部に対して前記容器回転部を接近移動させる、
請求項1から8のいずれか1項に記載の薬品払出装置。
前記容器回転部は、前記移動経路部に対して移動自在であって、前記操作部による前記カセットからの前記容器取り出し操作前に、前記移動経路部に対して前記容器回転部を接近移動させる、
請求項11から17のいずれか1項に記載の容器識別装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る容器識別装置を、薬品払出装置101に適応した場合について、添付図面を用いて以下で説明する。
(実施形態1)
図1は、薬品払出装置101の外観正面図である。
薬品払出装置101は、未収納トレイユニット102、薬品投入ユニット103、プリンタユニット104、収納済トレイユニット105、およびこれらをつなぐトレイ搬送部106を備えている。
【0012】
未収納トレイユニット102は、各種薬品を乗せるための空のトレイ107を積載、収容するとともに、下部に設けられたトレイ搬送部106に空のトレイ107を供給する。
本実施形態では、未収納トレイユニット102は、前面を透明プラスチックやガラス等で形成した扉を備えている。これにより、未収納トレイユニット102内部のトレイ107の在庫を容易に確認することができる。なお、未収納トレイユニット102としては、このような扉(覆い)は必ずしも必要ではなく、トレイ107を露出するような形で積載、収容する形態であってもよい。
【0013】
薬品投入ユニット103は、各種薬品を分別保管するとともに、トレイ搬送部106で未収納トレイユニット102から移送された空のトレイ107に、処方箋データ等による調剤指示に基づいて、患者ごとに必要な薬品を投入する。
薬品投入ユニット103には、薬品を種類別に保管する多数のカセット403、そして、カセット403から調剤指示に基づき所望の薬品を取り出し、トレイ107に載置することにより払い出す投入手段等が設けられている。なお、薬品投入ユニット103の詳細な構成については、後述する。
【0014】
また、薬品は、処方の対象となるものであって、例えば、注射薬、点滴薬、内服薬、貼付薬、座薬等が含まれる。さらに、薬品のパッケージとしては、例えば、注射薬においてはアンプルやプラスチックボトル、点滴薬においては輸液バッグ、内服用の錠剤、粉末剤などは小瓶やSP包装、PTP包装などが代表的である。
プリンタユニット104は、処方箋データに基づいて、
各種薬剤の薬品ラベルや、注射箋等の薬剤処方の内容を記載した処方
箋を印刷するプリンタを備えている。さらに、プリンタユニット104は、印刷された処方箋や薬品ラベルを、トレイ搬送部106によって薬品投入ユニット103から移送されてきたトレイ107に投入する。
【0015】
本実施形態では、プリンタユニット104に、外部からほこりや異物が入り込むのを防止するため、プリンタユニット104の前面を不透明な金属、あるいはプラスチックの開閉可能な扉で覆っている。ここで、プリンタユニット104によって印刷される印刷物は、個人情報が記載されており機密性が高い。このため、扉の開閉を行う人を選別する個人認証手段を設け、認証された人だけが扉の開閉を行えるようにしてもよい。なお、薬品投入ユニット103とプリンタユニット104とは、配置順を逆にしてもよい。
【0016】
収納済トレイユニット105は、トレイ搬送部106によってプリンタユニット104から移送されたトレイ107を受け取り、積載、収容する。この時点で、トレイ107には、各種薬品および注射箋、薬品ラベルが載置されている。
また、収納済トレイユニット105は、未収納トレイユニット102と同様に、その前面に透明プラスチックやガラス等で形成した開閉可能な扉を備えている。この扉は、透明プラスチック等で形成されているため、収納済トレイユニット105内の収納済トレイの数等を容易に確認することができる。そして、前面に設けられた扉によって、薬剤が載置されたトレイ107が倒壊することを防止することで、トレイ内の薬剤の破損を防止することができる。なお、収納済トレイユニット105は、機能的には必ずしもこれらの扉(覆い)は必要ではなく、トレイ107が露出する状態で積載・収容される形態であってもよい。そして、収納済トレイユニット105に積載されたトレイ107は、カート等に移し替えられる等して、看護士や薬剤師等によって医師や患者の元に運ばれる。
【0017】
トレイ搬送部106は、ベルトコンベア等の手段によって、未収納トレイユニット102から薬品投入ユニット103、プリンタユニット104を経て、収納済トレイユニット105までトレイ107を搬送する。本実施形態の薬品払出装置101では、
トレイ搬送部106は、各ユニットの下部に、各ユニットからは独立して設けられている。
トレイ搬送部106は、未収納トレイユニット102から空のトレイ107を受け取って所定の方向に搬送する。このとき、トレイ107が薬品投入ユニット103に移動した際に薬剤が、プリンタユニット104に移動した際に処方箋や薬品ラベルがそれぞれ投入される。そして、トレイ搬送部106は、収納済トレイユニット105に薬剤および処方箋
、薬品ラベルが載置されたトレイ107を引き渡す。
【0018】
このように、トレイ搬送部106を各ユニットの下部に一列に設けることにより、トレイ107の配置、薬品投入、印刷物投入、トレイ107の搬出を、各ユニットにおいて同時並行で進めることができる。この結果、より迅速な薬品払出動作を実現することができる。なお、トレイ搬送部106の詳細な構成および動作については後述する。
次に、
図2および
図3を用いて、トレイ搬送部106の構成を説明する。
【0019】
図2は、薬品投入ユニット103の下部のトレイ搬送部106の構成を示す外観斜視図、
図3は、トレイ搬送部106に含まれる旋回可能な第2のコンベア202(
図3参照)の構成を示す斜視図である。
なお、
図2および
図3は、
図1の薬品払出装置101を右前方側から見た状態を示している。よって、
図1において左から右へ搬送されるトレイ107は、
図2および
図3においては、同様に、左から右に搬送される。
【0020】
薬品投入ユニット103の下部に配置されたトレイ搬送部106は、複数のベルトコンベアを組み合わせて構成されている。
すなわち、トレイ搬送部は106、
図2に示すように、第1のコンベア201、第2のコンベア202、第3のコンベア203を有している。
第1のコンベア201は、ローラ、ベルト、およびローラを駆動するためのモータを有している。モータは、図示しないコンピュータ等の制御装置からの命令を受けて駆動され、トレイ107を搬送する。
【0021】
第1のコンベア201は、薬品投入ユニット103の上流側に配置されており、未収納トレイユニット102の側から搬送されてきたトレイ107を受け取り、第2のコンベア202に受け渡す。なお、例えば、第2のコンベア202にトレイ107が滞留している場合には、第1のコンベア201上でトレイ107を待機させるように、第1のコンベア201が制御される。
【0022】
第2のコンベア202は、第2のコンベア202自体がトレイ107の搬送方向に対して直角に移動し、あるいは第2のコンベア202自体が旋回動作を行う。さらに、第2のコンベア202上には、
容器取出ヘッド401(図4参照)等を含む薬剤投入機構が設けられており、移動、旋回、投入という各種動作を組み合わせることにより、所望のトレイ107の領域に適切な薬品を払い出すことができる。
【0023】
ここで、第2のコンベア202の詳細な構成について、
図3を用いて説明する。
第2のコンベア202は、トレイ107を投入部側に移動させる移動部、およびトレイ107を回転させる旋回部を兼ねている。なお、移動、旋回という動作は、トレイ107を搬送方向に対して直角に移動させ、あるいは回転させることができれば、以下の手段には限定されない。
【0024】
第2のコンベア202は、ローラ205、ベルト206、モータ207を有している。よって、モータ207の駆動力がローラ205に伝達され、無端状のベルト206を回転させることにより、ベルト206上に載置されたトレイ107を所望の方向に搬送することができる。
また、第2のコンベア202は、第1のコンベア201と第3のコンベア203との間に配置されており、トレイ107を、第1のコンベア201から受け取って、第3のコンベア203に受け渡す。
【0025】
ここで、第2のコンベア202は、旋回部208、モータ209、ベルト210、ローラ211を有している。モータ209の駆動力がベルト210、ローラ211を介して、旋回部208に伝達されると、旋回部208が旋回する。これにより、第2のコンベア202全体が、その上面に載置されたトレイ107とともに水平方向において回転する。
さらに、第2のコンベア202には、モータ212、ボールねじ213、レール部材214が設けられている。モータ212の駆動力がボールねじ213に伝えられると、モータ212の回転運動が直線運動に変換される。これにより、第2のコンベア202全体が、第1のコンベア201から第3のコンベア203に至るトレイ107の搬送経路に直交する方向(
図3の矢印方向)に移動する。
【0026】
第3のコンベア203は、第1のコンベア201と同様に、ローラ、ベルト、およびローラを駆動するためのモータを有している。第3のコンベア203は、図示しないコンピュータなどの制御装置からの命令を受けてモータが駆動され、薬品投入済みのトレイ107を搬送する。そして、第3のコンベア203は、薬品投入ユニット103の下流側に配置されており、薬品容器1,2,3が収納されたトレイ107をプリンタユニット104や収納済トレイユニット105の下方に配置されたコンベアに受け渡す。
【0027】
ここで、第3のコンベア203の途中には、電子カード書込み装置204が設けられている。電子カード書込み装置204は、トレイ107の側面に設けられた患者カード(電子カード)に、日付、患者名、病棟、病室、患者ID等の患者情報を書き込み、患者カード上の表示部分においてこれらの情報を表示させる。
なお、患者カードには、処方箋の内容や処方薬の種類などの情報を、上記情報と同時に書き込んでもよい。
【0028】
また、電子カード書込み装置204は、第1のコンベア201、あるいはプリンタユニット104の下部のトレイ搬送部106に設けられていてもよい。
次に、
図4を用いて、薬品容器1,2,3をトレイ107へ投入する手段の詳細な構成について説明する。
図4は、薬品払出装置101に含まれる薬品投入ユニット103内部の側面図である。
【0029】
図4において、紙面奥側がX方向、紙面下方向がZ方向、紙面左方向がY方向とする。
薬品投入ユニット103は、
図5(a)、
図5(b)、
図5(c)に示す薬品容器1,2,3を、
図6に示すカセット403から取り出してトレイ107に投入する容器取出ヘッド401、容器取出ヘッド401をXZ方向に移動させることにより各カセット403に装填された各種薬品容器1,2,3を取り出すヘッド搬送部402、薬品の種類ごとに薬品容器1,2,3が複数装填された複数のカセット403からなる。
【0030】
すなわち、本実施形態では、薬品容器1,2,3は、それぞれ別々のカセット403に収納されている。
容器取出ヘッド401は、図示しないコンピュータからの調剤指示に基づいて、ヘッド搬送部402によって所望の薬品容器1,2,3のいずれかを保管しているカセット403の近傍まで移動する。そして、カセット403から所望の薬品容器1,2,3のいずれかを受け取って、再びヘッド搬送部402によってトレイ107直上に移動した後、薬品容器1,2,3のいずれかをトレイ107上に投入、すなわち払い出す。
【0031】
ここで、容器取出ヘッド401によってトレイ107に投入される薬品容器1,2,3について説明する。
これら薬品容器1,2,3は、それぞれ異なる薬品が収納されている。そして、薬品容器1,2,3は、いずれも円筒状で、その外周には識別マーク4,5,6が設けられている。さらに詳細に説明すると、薬品容器1,2,3は、それぞれ円筒状ではあるが、その直径は異なる。また、薬品容器1,2,3の外周面の一部には、薬品容器1,2,3の長手方向に沿って、識別マーク4,5,6が設けられている。
【0032】
薬品容器1,2,3は、上述したように、それぞれ異なるカセット403に収納されており、容器取出ヘッド401によって、後述する
図6から
図13に示すように、カセット403から取り出される。
容器取出ヘッド401は、
図6および
図7に示すように、操作部7と、移動経路部8と、容器回転部10と、識別マーク読取部11と、を備えている。
【0033】
操作部7は、カセット403から薬品容器1,2,3のいずれかを取り出す。さらに、操作部7は、回動軸12を中心に、時計回り、あるいは反時計回りに回動する。
移動経路部8は、操作部7によって取り出された薬品容器1,2,3のいずれかを識別位置(
図12参照)9まで移動させる。また、移動経路部8は、円筒状の薬品容器1,2,3を自重(重力)によって転動させる下り傾斜面を有している。
【0034】
容器回転部10は、移動経路部8を介して識別位置9に移動した薬品容器1,2,3のいずれかを、識別マーク読取部11が薬品容器1,2,3の外周面に設けられた識別マーク4,5,6のいずれかを読み取るまで、その識別位置9において外周面に沿って回転させる。また、容器回転部10は、移動経路部8の傾斜方向に移動する薬品容器1,2,3の傾斜方向における移動を一時的に止めるベルト(停止部)13と、ベルト13によって傾斜方向移動が一時的に止められた薬品容器1,2,3を外周面に沿って回転させるモータ(回転部)14と、を有している。
【0035】
ここで、容器回転部10によって回転する薬品容器1,2,3は、ベルト13に当接した状態で、所定の識別位置9において外周面に沿って回転する。換言すれば、薬品容器1,2,3は、円筒状の薬品容器1,2,3の中心軸を中心にベルト13の回転に伴って回転する。
なお、ベルト13は、ゴムベルトによって形成されており、
図7に示すように、移動経路部8において転動してきた薬品容器1,2,3を受け止めるために、複数本のベルト13が所定間隔をあけて配置されている。そして、
ベルト13は、転動を停止させた薬品容器1,2,3の外周面に当接した状態で、薬品容器1,2,3を保持する。
【0036】
識別マーク読取部11は、容器回転部10によって識別位置9において回転する薬品容器1,2,3の識別マーク4,5,6を読み取る。
本実施形態の薬品払出装置101は、以上の構成において、操作部7、移動経路部8、容器回転部10、識別マーク読取部11は、
図6に示す基台15に装着されている。
基台15は、歯車16を反時計回りに回転させることで、薬品投入ユニット103内に固定配置されたカセット403側へと接近移動する。
【0037】
ここで、
図6および
図7は、容器取出ヘッド401による取り出し対象となる薬品容器1,2,3のいずれかを収納したカセット403の前方まで
、基台15を移動させた状態を示している。
このとき、操作部7は、カセット403の上方に位置している。また、容器回転部10は、その下部がカセット403から離れる方向(移動経路部8から離れる方向)に位置している。この状態で、歯車16が反時計回りに回転すると、基台15は、
図8および
図9に示すように、カセット403側へと移動する。そして、基台15が、
図8および
図9に示す位置まで移動した状態においては、まず、容器回転部10の下部が移動経路部8側へと接近移動する。
【0038】
これにより、移動経路部8の下部と容器回転部10の下部との間で、上述した識別位置9が形成される。つまり、容器回転部10は、移動経路部8に対して近接・離間移動が可能であって、操作部7によるカセット403からの薬品容器1,2,3のいずれかの取り出し操作前に、移動経路部8に対して容器回転部10を接近移動させることができる。これにより、移動経路部8の下流側の所定の位置に、識別位置9を形成することができる。
【0039】
次に、
図10および
図11に示すように、操作部7を反時計回りに回動させることによって、カセット403を操作する。この操作に関しては、従来からよく知られているように、操作部7によってカセット403を操作すれば、
図12および
図13に示すように、カセット403から薬品容器1,2,3が1つだけ取り出される。そして、カセット403から取り出された薬品容器1,2,3は、移動経路部8の下方傾斜面によって識別位置9へと転動する。
【0040】
すなわち、薬品容器1,2,3は、
図5に示すように、いずれもその外周が円筒状となっているので、移動経路部8の下方傾斜面によって下方へと転動する。
本実施形態では、薬品容器1,2,3のいずれかの転動前に、容器回転部10を構成するベルト13が、移動経路部8の下部付近に接近移動している。
このため、移動経路部8の下方傾斜面に沿って転動する薬品容器1,2,3は、ベルト13に接触することで下方への転動が停止する。
【0041】
このとき、ベルト13は、ゴムベルトであって、かつ複数本を所定間隔(薬品容器1,2,3のいずれもすり抜けない間隔)だけ離した状態で配置されている。このため、ベルト13は、薬品容器1,2,3に対して十分な緩衝作用を発揮することができる。これにより、移動経路部8の下方傾斜面に沿って転動してきた薬品容器1,2,3がベルト13に接触した際に、薬品容器1,2,3が破損することはない。
【0042】
次に、本実施形態の薬品払出装置101では、移動経路部8の下部に形成された識別位置9において、薬品容器1,2,3のいずれかが下方への転動が停止された状態で回転する。このとき、回転中の薬品容器1,2,3の外周面に付された識別マーク4,5,6が、識別マーク読取部11によって読み取られる。つまり、
図12および
図13に示す移動経路部8の下部と容器回転部10の下部とによって識別位置9が形成され、この識別位置9において、識別マーク読取部11による識別マーク4,5,6の読み取りが行われる。
【0043】
このとき、薬品容器1,2,3の外周面に設けられた識別マーク4,5,6のいずれかは、
図5(a)〜
図5(c)に示すように、その外周面の一部に長手方向に沿って設けられている。このため、識別位置9において、これら識別マーク4,5,6が、識別マーク読取部11に正対した状態にならない場合がある。
そこで、本実施形態の薬品払出装置101では、識別位置9まで転動してきた薬品容器1,2,3を、当接している容器回転部10のベルト13を回転させることによって、その中心軸を中心として外周面に沿ってその場で回転させる。
【0044】
具体的には、容器回転部10を構成するベルト13を、
図12および
図13に示す時計回りに回転させることにより、薬品容器1,2,3を反時計回りに回転させる。さらに、本実施形態では、識別マーク読取部11によって識別マーク4,5,6が読み取りを完了するまで、ベルト13の回転を継続する。換言すれば、識別マーク読取部11によって識別マーク4,5,6が読み取りを完了すると、ベルト13の回転を停止させる。すなわち、本実施形態では、識別マーク読取部11によって識別マーク4,5,6が読み取りを完了するまでは、識別位置9において、各薬品容器1,2,3を360度以上回転させることも可能である。
【0045】
これにより、識別位置9において、薬品容器1,2,3の識別マーク4,5,6は、識別マーク読取部11に正対した状態が形成される。よって、識別マーク読取部11によって確実に識別マーク4,5,6を読み取ることができる。
つまり、例えば、薬品容器1,2,3がそれぞれ種類別に装填されたカセット403内に、誤って異なる種類の薬品容器が紛れて収納されている場合でも、そのカセット403から取り出された薬品容器1,2,3は、識別マーク読取部11によって、その外周面に付された識別マーク4,5,6を確実に読み取ることができる。よって、
収納部17へ投入される直前の識別位置9において、適切な薬品容器1,2,3が取り出されたか否かを認識することができる。この結果、処方箋等に対応した所望の薬品容器1,2,3を、より高精度にトレイ107へ集めることができる。
【0046】
また、本実施形態では、移動経路部8を設けることによって、容器回転部10を構成するベルト13と移動経路部8との間で、鋭角(90度未満)に近接する状態が形成される。この状態において、
ベルト13を時計回りに回転させることにより、薬品容器1,2,3を反時計回りに回転させることができる。
より詳細には、例えば、薬品容器1,2,3を時計回りに回転させるように、容器回転部10を構成するベルト13を反時計回りに回転させた場合には、時計回りに転動してきた薬品容器1,2,3が、移動経路部8と容器回転部10を構成するベルト13との間に挟まれてしまうおそれがある。
【0047】
そこで、本実施形態では、上述したように、容器回転部10を構成するベルト13を
時計回りに回転させ、さらに容器回転部10を構成するベルト13と移動経路部8との間で形成される鋭角部分に対して各薬品容器1,2,3を排出する外側に向かって回転させる。
これにより、各薬品容器1,2,3がベルト13と移動経路部8の下方傾斜面との間に挟みこまれることを防止して、各薬品容器1,2,3を、識別位置9において正確に回転させることができる。その結果、各薬品容器1,2,3は、識別マーク読取部11によって、それぞれの識別マーク4,5,6を確実に読み取らせることができる。
【0048】
次に、
図14および
図15は、識別マーク読取部11によって、識別が完了した各薬品容器1,2,3を収納部17に移動させる状態を示したものである。
つまり、
図12および
図13に示す状態から、歯車16を時計回りに回転させると、基台15がカセット403から離れる方向に移動を始める前に、容器回転部10の下部が反時計回りに回動することで、移動経路部8の下部との間に大きな隙間が形成されるとともに、識別位置9が解除される。
【0049】
すると、識別位置9において保持されていた各薬品容器1,2,3は、移動経路部8の下方傾斜面によって、移動経路部8の下部に設けられた収納部17内へと転動する。
その後、容器取出ヘッド401は、
図4に示すヘッド搬送部402によって、トレイ107まで移動させられる。
次に、
図16に示すように、収納部17が下方のトレイ107に向けて開放される。これにより、各薬品容器1,2,3は、トレイ107に収納される。
【0050】
なお、識別位置9において回転する薬品容器1,2,3の外周面に付された識別マーク4,5,6を識別マーク読取部11によって読み取った結果、本来、カセット403から取り出すべき薬品容器とは異なる薬品容器を認識した場合には、例えば
、トレイ107とは別の位置に設けられた廃棄用のトレイ(図示せず)に、その薬品容器を投入するように制御してもよい。
【0051】
あるいは、誤って取り出された薬品容器については、そのま
まトレイ107に投入しておき、プリンタユニット104において作成される処方箋等に、誤った薬品が投入されていることを示す「NG」マークを記して
、トレイ107内に投入してもよい。この場合には、薬品払出装置101において払い出された薬品の照合作業が行われる際に、看護師等によって誤って投入された薬品容器を取り出して、適正な薬品容器と入れ替える作業を行えばよい。
【0052】
(実施形態2)
本発明の他の実施形態に係る薬品払出装置501について、
図17および
図18を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態の薬品払出装置501は、薬品容器1,2,3の識別マーク4,5,6を読み取る識別位置9付近に、薬品容器1,2,3の回転を補助する補助ローラ503を設けた点において、上記実施形態1の薬品払出装置101とは異なっているが、その他の構成についてはほぼ同様である。よって、本実施形態では、上記実施形態と同じ機能を有する部材については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0053】
本実施形態の薬品払出装置501は、
図17に示すように、容器取出ヘッド502内における移動経路部8に、識別位置9において保持された薬品容器1,2,3を下方から
支持するように設けられた複数の補助ローラ503,503を備えている。
すなわち、補助ローラ503.503は、駆動源を持たないフリーの回転ローラであって、識別位置9において保持された薬品容器1,2,3の外周面に対して下方から当接するように、搬送経路部8に設けられている。
【0054】
これにより、
図18に示すように、円筒の直径が異なる薬品容器1,2,3が識別位置9に保持された状態において、薬品容器1,2,3を下方から2点
支持することができる。よって、識別位置9において、ベルト13に当接した状態でベルト13が時計回りに回転することによって薬品容器1,2,3を反時計回りに回転させる際に、搬送経路部8上における摩擦抵抗を軽減して、容易に所望の方向へ薬品容器1,2,3を回転させることができる。
【0055】
(他の実施形態)
以上、本発明
の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、容器回転部10はモータ14を回転させることで、移動経路部8に対して接近・離間させる例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0056】
例えば、このモータ14を利用して、操作部7を駆動してもよい。もちろん、操作部7を駆動するモータ(図示せず)を別途設けてもよい。また、歯車16を回転させるモータ(図示せず)を利用して、収納部17を回動させてもよい。
(B)
上記実施形態では、薬品容器1,2,3を取り出し、これらの識別を行う薬品払出装置101について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0057】
例えば、薬品以外の内容物を充填した容器の取り出し・識別を行う容器識別装置に対しても本発明の適応は可能である。
(C)
上記実施形態2では、識別位置9において薬品容器1,2,3の回転を補助する補助ローラ503を2つ設けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0058】
例えば、補助ローラの数としては、2つ以外に、1つ、あるいは3つ以上であってもよい。