(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ターゲット反射信号検出部は、カプラーによって前記反射信号を検出することを特徴とする請求項1に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
前記ターゲットインピーダンストラッキング部は、複数のキャパシタ及びスイッチを含み、前記複数のキャパシタを順次スイッチングすることにより前記共振周波数の決定要素を調節することを特徴とする請求項1に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
前記ソース反射信号検出部は、カプラーによって前記反射信号を検出することを特徴とする請求項6に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
前記ソースインピーダンストラッキング部は、複数のキャパシタ及びスイッチを含み、前記複数のキャパシタを順次スイッチングすることにより前記共振周波数の決定要素を調節することを特徴とする請求項6に記載の共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る共振電力伝送システムにおける共振インピーダンストラッキング装置及びその方法を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
図1は、例示的の実施形態に係る無線電力伝送システムを示す。
【0011】
図1に示す例は、無線電力伝送システムを介して伝送される無線電力は、共振電力(resonance power)と仮定する。
図1を参照すると、無線電力伝送システムは、ソースとターゲットで構成されるソース−ターゲット構造である。
例えば、無線電力伝送システムは、ソースに該当する共振電力伝送装置110とターゲットに該当する共振電力受信装置120とを含む。
【0012】
共振電力伝送装置110は、外部の電圧供給装置からエネルギーを受信して共振電力を発生させるソース部111及びソース共振器115を含む。
また、共振電力伝送装置110は、共振周波数又はインピーダンスマッチングを行うマッチング制御部113をさらに含んで構成してもよい。
【0013】
ソース部111は、外部装置から入力される交流信号の信号レベルを所望するレベルに調整するためのAC/ACコンバータ、AC/ACコンバータから出力される交流信号を整流することによって一定レベルのDC電圧を出力するAC/DCコンバータ、AC/DCコンバータから出力されるDC電圧を高速スイッチングすることにより数MHz〜数十MHz帯域のAC信号を生成するDC/ACインバータを含む。
【0014】
マッチング制御部113は、ソース共振器115の共振帯域幅又はソース共振器115のインピーダンスマッチング周波数、又はその両方を設定する。
マッチング制御部113は、ソース共振帯域幅設定部(図示せず)又は、ソースマッチング周波数設定部(図示せず)のうち少なくとも1つを含む。ソース共振帯域幅設定部は、ソース共振器115の共振帯域幅を設定する。ソースマッチング周波数設定部は、ソース共振器115のインピーダンスマッチング周波数を設定する。ここで、ソース共振器の共振帯域幅設定又はソース共振器のインピーダンスマッチング周波数設定に基づいて、ソース共振器115のQファクター(Q−factor)が決定されてもよい。
【0015】
ソース共振器115は、電磁気エネルギーをターゲット共振器に伝送とする。
例えば、ソース共振器115は、ターゲット共振器121との電磁結合101によって共振電力をターゲット装置120に伝送する。ここで、ソース共振器115は、設定された共振帯域幅内で共振する。
【0016】
共振電力受信装置120は、ターゲット共振器121、共振周波数又はインピーダンスマッチングを行うマッチング制御部123、及び受信された共振電力を負荷に伝送するためのターゲット部125を含む。
ターゲット共振器121は、ソース共振器115から電磁気エネルギーを受信する。ここで、ターゲット共振器121は、設定された共振帯域幅内で共振する。
【0017】
マッチング制御部123は、ターゲット共振器121の共振帯域幅又はターゲット共振器121のインピーダンスマッチング周波数の内の少なくとも1つを設定する。
マッチング制御部123は、ターゲット共振帯域幅設定部(図示せず)又はターゲットマッチング周波数設定部(図示せず)の内の少なくとも1つを含む。ターゲット共振帯域幅設定部は、ターゲット共振器121の共振帯域幅を設定する。ターゲットマッチング周波数設定部は、ターゲット共振器121のインピーダンスマッチング周波数を設定する。
ここで、ターゲット共振器121の共振帯域幅設定又はターゲット共振器121のインピーダンスマッチング周波数設定に基づいて、ターゲット共振器121のQファクターが決定されてもよい。
【0018】
ターゲット部125は、受信された共振電力を負荷に伝送する。
ここで、ターゲット部125は、ソース共振器115からターゲット共振器121で受信されるAC信号を整流してDC電圧を生成するAC/DCコンバータと、DC電圧の電圧レベルを調整することによって定格電圧をデバイス又は負荷に供給するDC/DCコンバータを含んでもよい。
【0019】
ソース共振器115及びターゲット共振器121は、ヘリックス(helix)コイル構造の共振器又はスパイラル(spiral)コイル構造の共振器、又はメタ構造(meta−structured)共振器で構成してもよい。
【0020】
図1を参照すると、Qファクターの制御工程は、ソース共振器115の共振帯域幅及びターゲット共振器121の共振帯域幅を設定して、ソース共振器115とターゲット共振器121との間の電磁結合101によって電磁気エネルギーをソース共振器115からターゲット共振器121に伝送することを含む。
ここで、ソース共振器115の共振帯域幅は、ターゲット共振器121の共振帯域幅より広く或いは狭く設定してもよい。例えば、ソース共振器115の共振帯域幅がターゲット共振器121の共振帯域幅より広く或いは狭く設定されることによって、ソース共振器のBW−factorとターゲット共振器のBW−factorは、不平衡(unbalance)な関係が保たれる。
【0021】
共振方式の無線電力伝送において、共振帯域幅は重要な因数(factor)である。
ソース共振器115とターゲット共振器121間の距離変化、共振インピーダンス変化、インピーダンスミスマッチング、反射信号などを全て考慮したQファクターをQtとする時、Qtは以下の数式1のように共振帯域幅と反比例関係を有する。
【0023】
数式1で、f
0は中心周波数、△fは帯域幅、Γ
S,Dは共振器間の反射損失、BW
Sはソース共振器115の共振帯域幅、BW
Dはターゲット共振器121の共振帯域幅を示す。
ここで、BW−factorは、1/BW
S又は1/BW
Dを意味する。
【0024】
一方、ソース共振器115とターゲット共振器121間の距離が変わったり、2つの共振器の内少なくとも1つの位置が変わるなどの外部影響によって、ソース共振器115とターゲット共振器121との間のインピーダンスミスマッチングが発生する。
インピーダンスミスマッチングは、電力伝送の効率を減少させる直接的な原因になることがある。
マッチング制御部113は、伝送信号の一部が反射して戻ってくる反射波を検出することによって、インピーダンスミスマッチングが発生したと判断して、インピーダンスマッチングを実行してもよい。また、マッチング制御部113は、反射波の波形分析によって共振ポイントを検出することにより、共振周波数を変更してもよい。
ここで、マッチング制御部113は、反射波の波形で振幅(amplitude)が最小の周波数を共振周波数として決定してもよい。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態に係る共振電力伝送システムを示すブロック図である。
図2を参照すると、共振電力伝送システムのソース装置は、AC/DCコンバータ210、DC/ACインバータ220、及びソース共振部230を含む。
また、共振電力伝送システムのターゲット装置は、ターゲット共振部240、AC/DCコンバータ250を含む。
図2の例で、負荷260は、ターゲット装置に含まれた構成、或いは外部装置であってもよい。
【0026】
図2を参照すると、負荷260のインピーダンスZ
Lの変化に対するインピーダンスマッチング及びターゲット装置から眺めたソース装置のインピーダンス変化に対するインピーダンスマッチングは、B地点で行う。
また、DC/ACインバータ220とソース共振部230との間のインピーダンス変化に対するインピーダンスマッチングは、A地点で行う。
ここで、インピーダンスマッチングは、後述するインピーダンストラッキングによって行ってもよい。
【0027】
以下、ソース装置及びターゲット装置の具体的な構成によって、ソース装置におけるインピーダンストラッキング、ターゲット装置におけるインピーダンストラッキング、及びソース装置−ターゲット装置間のインピーダンストラッキングについて詳細に説明する。
一方、共振インピーダンスをトラッキングするための共振インピーダンストラッキング装置は、ソース装置及びターゲット装置の各々に備えるか、或いはソース装置又はターゲット装置のいずれか1つに備えてもよい。
ここで、共振インピーダンスとは、共振器が共振周波数を有する時のインピーダンス値を意味する。
【0028】
図3は、本発明の一実施形態に係るソース装置の構成を示すブロック図である。
図3を参照すると、ソース装置300は、電圧制御部310、AC/DCインバータ320、スイッチング制御部330、ソース制御部340、ターゲット検出部350、ソース反射信号検出部360、ソース共振部390を含む。
【0029】
電圧制御部310は、第1周波数のAC信号が入力され、一定レベルのDC電圧を出力する。ここで、第1周波数は、例えば、数十Hz帯域であってもよい。ここで、第1周波数のAC信号は、高速スイッチング素子を用いる高速スイッチング方式によって生成されたり、又は、オシレータを用いる発振方式によって生成されてもよい。電圧制御部310は、トランス311、整流部313、及び定電圧制御部315を含む。
【0030】
トランス311は、外部装置から入力されるAC信号の信号レベルを所望するレベルに調整する。
整流部313は、トランス311から出力されるAC信号を整流することによって、DC信号を出力する。
定電圧制御部315は、ソース制御部340の制御によって、一定レベルのDC電圧を出力する。定電圧制御部315は、一定レベルのDC電圧を出力するための安定化回路を含んで構成してもよい。定電圧制御部315から出力されるDC電圧の電圧レベルは、ターゲット装置で必要な電力量及び共振電力の出力量制御にしたがって決定されてもよい。
【0031】
AC/DCインバータ320は、電圧制御部310から出力されるDC信号をAC信号に変換することによって共振電力を生成する。すなわち、AC/DCインバータ320は、第2周波数のスイッチングパルス信号によって定電圧制御部315から出力される一定レベルのDC電圧をAC電圧に変換する。
AC/DCインバータ320は、高速スイッチングのためのスイッチング素子を含んでもよい。ここで、スイッチング素子は、スイッチングパルス信号が「ハイ(high)」であるときオン(On)になり、スイッチングパルス信号が「ロー(Low)」であるときオフ(off)になるように構成してもよい。
【0032】
スイッチング制御部330は、スイッチングパルス信号を生成し、生成されたスイッチングパルス信号をAC/DCインバータ320に提供する。ここで、スイッチングパルス信号は、高速スイッチング方式又は発振(oscillation)方式によって生成してもよい。
高速スイッチング方式は、高速スイッチング素子、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を用いて実現してもよい。発振方式は、オシレータによって実現してもよい。すなわち、スイッチング制御部330は、オシレータをさらに含んでもよい。ここで、オシレータは、所定の発振周波数を有するAC信号を出力する。
【0033】
スイッチング制御部330から出力されるスイッチングパルス信号は、第2周波数を有する。
図5に示すように、スイッチングパルス信号は、矩形波(square wave)であってもよい。また、スイッチングパルス信号は、正弦波(sine wave)であってもよい。
図6に示すように、スイッチング制御部330は、スイッチングパルス信号のデューティ比を50:50で制御してもよい。
ここで、第2周波数は、例えば、数MHz〜数十MHz帯域であってもよい。スイッチングパルス信号のデューティ比は、50:50を基準として、±10%のマージンを有するように設定してもよい。すなわち、スイッチング制御部330は、スイッチングパルス信号のデューティ比を40〜60%で制御してもよい。
【0034】
ソース制御部340は、ソース装置の全般的な動作、インピーダンスマッチング及び共振インピーダンストラッキングを制御するように構成される。
したがって、ソース制御部340は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。
例えば、ソース制御部340に備えられる少なくとも1つのプロセッサは、共振インピーダンストラッキングを制御するように構成させる。
【0035】
ソース制御部340は、ターゲット装置に対するインピーダンス変化又は反射信号の少なくともいずれか1つの検出の有無に応じて、共振インピーダンスのトラッキングを制御する。
ここで、「共振インピーダンスのトラッキング」とは、ソースインピーダンストラッキング部370で行われるインピーダンスの調節工程である。
ソース制御部340は、ターゲット装置に対するインピーダンス変化量を取得し、インピーダンス変化量に基づいてソースインピーダンストラッキング部370を制御する。
ここで、ターゲット装置に対するインピーダンスは、
図2のA地点からB地点を眺める時のインピーダンスを意味する。ターゲット装置に対するインピーダンス変化は、ターゲット検出部350からソース制御部340に提供される。
【0036】
ターゲット検出部350は、ターゲット装置に対するインピーダンス変化を検出する。
ターゲット検出部350は、外部電源から電圧制御部310から入力されるAC電力量、ソース共振部380の出力電力量、ターゲット装置に伝送される共振電力に対応する反射電力の大きさなどに基づいてターゲット装置に対するインピーダンス変化を検出する。
例えば、ターゲット検出部350は、ターゲット装置に伝送される共振電力の電力量と反射電力の比を用いてターゲット装置に対するインピーダンス変化を検出する。
【0037】
一方、共振電力伝送において、ソース共振器とターゲット共振器との間のインピーダンスに基づく電圧関係式は、以下の数式2のように定義することができる。
【数2】
【0038】
数式2において、Viはソース側の出力電圧、Vrはインピーダンスミスマッチングによる反射電圧、Γは反射係数を意味する。
また、数式2における反射係数Γは、以下の数式3のように定義することができる。
【数3】
【0039】
ソース反射信号検出部360は、ターゲット装置に送信する共振電力に対応する反射信号を検出する。
ソース反射信号検出部360は、反射信号をカップリングするためのカプラーを含んでもよい。すなわち、ソース反射信号検出部360は、カプラーによって反射信号を検出してもよい。
一側面において、ソース制御部360は、ソース反射信号検出部360を介して反射信号が検出されなければ、共振インピーダンストラッキングを終了するようにスイッチ379を制御する。また、ソース制御部360は、ソース反射信号検出部360を介して反射信号が検出されれば、共振インピーダンストラッキングを続けて行うようにスイッチ379を制御する。
【0040】
ソース共振部390は、ソースインピーダンストラッキング部370及びソース共振器380を含む。
ソースインピーダンストラッキング部370は、共振周波数の決定要素(factor)を調節して共振インピーダンスのトラッキングを行う。
【0041】
共振周波数の決定要素は、以下の数式4のように定義される共振周波数のC値を意味する。C値は、共振器のキャパシタ成分(キャパシタンス)であり、Lは共振器のインダクタンス値である。
【数4】
【0042】
「共振インピーダンスのトラッキング」とは、共振器のC値をトラッキング又は調節することによって、インピーダンスマッチングを行うものである。
共振器のC値は、即ち、共振周波数のC値と同一の意味である。
ソースインピーダンストラッキング部370は、共振器のC値をトラッキングするための可変キャパシタ又は複数のキャパシタ(371、373、375)を含む。ソースインピーダンストラッキング部370は、スイッチ379をさらに含む。
【0043】
スイッチ379は、ソース制御部340から入力される制御信号によって複数のキャパシタ(371、373、375)を順次スイッチングすることによって、共振周波数の決定要素(factor)を調節する。すなわち、ソース制御部340は、ターゲット検出部350からターゲット装置に対するインピーダンス変化量を取得し、インピーダンス変化量に基づいてスイッチ379のスイッチング方向を決定する。
例えば、制御信号は、C値が順次小さくなる方向にスイッチ379をスイッチングしたり、C値が順次大きくなる方向にスイッチ379をスイッチングするための信号であり得る。
【0044】
図3に示してはいないが、ソース装置300は、通信部をさらに含んでもよい。
通信部は、共振周波数によってターゲット装置とデータとを送受信するイン−バンド(in−band)通信及びデータ通信のために割り当てられた周波数によってターゲット装置とデータとを送受信するアウト−バンド(out−band)通信を実行してもよい。
一側面において、通信部は、ターゲット装置で検出される負荷のインピーダンス変化量を受信してソース制御部340に提供してもよい。ソース制御部340は、負荷のインピーダンス変化量を用いてソースインピーダンストラッキング部370を制御してもよい。
【0045】
図4は、本発明の一実施形態に係るターゲット装置の構成を示すブロック図である。
図4を参照すると、ターゲット装置400は、ターゲット共振部450、AC/DCコンバータ470、DC/DCコンバータ480、負荷検出部410、ターゲット反射信号検出部420、及びターゲット制御部440を含む。
図4の例で、負荷401は、ターゲット装置400に含まれる構成であるか、又は外部装置であってもよい。
【0046】
ターゲット共振部450は、ソース共振部390と類似するように構成される。すなわち、ターゲット共振部450は、ターゲット共振器460、及びターゲットインピーダンストラッキング部430を含む。
ターゲットインピーダンストラッキング部430は、共振周波数の決定要素を調節して共振インピーダンスのトラッキングを行う。ターゲットインピーダンストラッキング部430で行われる共振インピーダンスのトラッキングは、
図2のB地点におけるインピーダンス調節工程である。
ターゲットインピーダンストラッキング部430で行われる共振インピーダンストラッキングは、ソースインピーダンストラッキング部370で行われるものと同一の方式によって行ってもよい。ソースインピーダンストラッキング部370と同様に、ターゲットインピーダンストラッキング部430は、複数のキャパシタ(431、433、435)、及びスイッチ437を含む。
【0047】
AC/DCコンバータ470は、AC電圧をDC電圧に変換する。すなわち、AC/DCコンバータ470は、AC信号の共振電力をDC電力に変換する。
DC/DCコンバータ480は、DC電圧の信号レベルを調節することによって定格電圧を負荷401に供給する。
【0048】
負荷検出部410は、共振電力を受信するターゲット装置400に接続された負荷401のインピーダンス及び負荷401のインピーダンス変化を検出する。
ここで、負荷検出部410は、負荷401にかかる電圧及び負荷401に流れる電流量を検出することによって、負荷のインピーダンス変化を検出する。
【0049】
ターゲット反射信号検出部420は、受信された共振電力に対応する反射信号を検出する。
ターゲット反射信号検出部420は、反射信号をカップリングするためのカプラーを含んでもよい。すなわち、ターゲット反射信号検出部420は、カプラーによって反射信号を検出する。
【0050】
一側面において、ターゲット制御部440は、ターゲット反射信号検出部420を介して反射信号が検出されなければ、共振インピーダンストラッキングを終了するようにスイッチ437を制御する。また、ターゲット制御部440は、ターゲット反射信号検出部420を介して反射信号が検出されれば、共振インピーダンストラッキングを続けて行うようにスイッチ437を制御する。
反射信号が発生する原因は様々であり得る。例えば、負荷401の消費電力が変化した場合にも負荷のインピーダンスが変わることがある。
【0051】
ターゲット制御部440は、ターゲット装置400の全般的な動作、インピーダンスマッチング、及び共振インピーダンストラッキングを制御するように構成される。したがって、ターゲット制御部440は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。例えば、ターゲット制御部440に備えられる少なくとも1つのプロセッサは、共振インピーダンストラッキングを制御するように構成される。
【0052】
ターゲット制御部440は、負荷401のインピーダンス変化又は反射信号の少なくともいずれか1つの検出有無に基づいて共振インピーダンスのトラッキングを制御する。
ターゲット制御部440は、負荷のインピーダンス変化量を取得し、インピーダンス変化量に基づいてターゲットインピーダンストラッキング部430を制御する。ターゲット制御部440は、負荷のインピーダンス変化量にしたがって、スイッチ437のスイッチング方向を制御する。例えば、ターゲット制御部440は、ターゲット共振器460のC値が順次小さくなる方向にスイッチ437を制御する。
【0053】
図4に示してはいないが、ターゲット装置400は、通信部をさらに含んでもよい。
通信部は共振周波数によってソース装置とデータを送受信するイン−バンド通信及びデータ通信のために割り当てられた周波数によってソース装置とデータを送受信するアウト−バンド通信を実行してもよい。
一側面において、通信部はターゲット装置で検出される負荷のインピーダンス変化量をソース装置に伝送してもよい。
【0054】
図7は、ソース装置が固定された状態でターゲット装置が共振インピーダンストラッキングを行う例を説明するための図である。
図7は、ソース装置のインピーダンスZ
0と負荷のインピーダンスZ
Lを等価的に表現したのである。
図7において、「Γ(S11)_Target」は、ソース装置に対するターゲット装置の反射インピーダンス又は反射電力を意味する。
【0055】
共振電力伝送システムにおいて、効率Uは、以下の数式5のように定義することができる。
【数5】
【0056】
ここで、Kはソース共振器とターゲット共振器との間のエネルギーカップリングに対する結合係数であり、Γ
Sはソース共振器における反射インピーダンスであり、Γ
Dはターゲット共振器における反射インピーダンスであり、ω
0は共振周波数であり、Mはソース共振器とターゲット共振器との間の相互インダクタンスであり、R
Sはソース共振器のインピーダンスであり、R
Dはターゲット共振器のインピーダンスであり、Q
Sはソース共振器のQファクターであり、Q
Dはターゲット共振器のQファクターであり、Q
Kはソース共振器とターゲット共振器間のエネルギーカップリングに対するQファクターである。
数式5を参照すると、共振インピーダンスが変化する時、Γ
S又はΓ
Dの補正によって全体効率Uを保持することができる。
【0057】
図8は、ソース装置が固定された状態において、ターゲット装置の共振インピーダンストラッキング方法を説明するためのフローチャートである。
図8に示した方法は、ターゲット装置400によって行う。
図8を参照すると、ターゲット装置400は、ステップS810でソース装置から共振電力を受信する。
ステップS810で受信される共振電力は、ターゲット制御部440をウェイクアップ(wake−up)させることができる程度の小さい電力量を有してもよい。
【0058】
ステップS820において、ターゲット装置400は、受信された共振電力を用いてターゲット制御部440をウェイクアップ又は活性化させる。
ステップS830において、ターゲット装置400は、共振電力の受信状態をチェックする。
例えば、ターゲット装置400は、受信される共振電力の量が一定、或いは受信状態が不安定であるかなどをチェックしてもよい。
ターゲット装置400は、ステップS840で負荷のインピーダンスを検出し、
ステップS850で負荷のインピーダンス変化を検出する。
すなわち、ステップS850でターゲット装置400は、負荷のインピーダンス変化が検出されたか否かを判断し、負荷のインピーダンス変化が検出された場合、ステップS860で共振インピーダンスのトラッキングを行う。
【0059】
ステップS860において、ターゲット装置400は、インピーダンス変化の検出の有無及びインピーダンス変化量に基づいて共振インピーダンスのトラッキングを行う。
インピーダンス変化量は、負荷にかかる電圧及び負荷に流れる電流量を検出することによって検出してもよい。
ステップS870において、ターゲット装置400は、共振電力に対応する反射信号の検出有無に基づいて共振インピーダンスのトラッキングを制御する。すなわち、ターゲット装置400は、反射信号が検出されれば、ステップS860に戻って共振インピーダンスのトラッキングを続けて行うようにターゲットインピーダンストラッキング部430を制御する。
また、ターゲット装置400は反射信号が検出されなければ、ステップS830に戻るか、或いは共振インピーダンストラッキング方法を終了してもよい。
【0060】
一方、ステップS870において、負荷のインピーダンス変化量に関連する制御信号を生成することと、制御信号に基づいて共振周波数の決定要素を順次変更することを含んでもよい。
「インピーダンス変化量に関連する制御信号」は、共振周波数の決定要素を順次変更する順序に対応してもよい。共振周波数の決定要素は、ターゲット共振器のキャパシタ成分であってもよい。制御信号は、キャパシタ成分の順次的な増加又は減少に関する情報であってもよい。
【0061】
図9は、負荷変化によってソース装置が共振インピーダンストラッキングを行う例を説明するための図である。
図9は、
図7のようにソース装置のインピーダンスZ
0と負荷のインピーダンスZ
Lとを等価的に表現したものである。
【0062】
図9において、「Γ(S11)_Source」は、ターゲット装置に対するソース装置の反射インピーダンス又は反射電力を意味する。
ソース装置から入力されるAC電力、共振電力に変換するときに生じる電力転換損失、及び「Γ(S11)_Source」を検出すると、ソース装置はインピーダンスZ
Lを認識することができる。
ソース装置は、インピーダンスZ
Lの変化を検出することによって共振インピーダンスのトラッキングを実行する。
【0063】
図10は、負荷変化によってソース装置で行われる共振インピーダンストラッキング方法を説明するためのフローチャートである。
図10に示した方法は、ソース装置300によって行われる。
図10を参照すると、ソース装置300は、ステップS1010で外部装置から入力される入力交流電力を測定する。
【0064】
ステップS1020において、ソース装置300はターゲット装置の負荷を検出する。
ここで、ターゲット装置の負荷を検出することは、
図9においてターゲット装置に対するインピーダンスZ
Lの大きさを検出することを意味する。
ステップS1030において、ソース装置300はターゲット装置に対するインピーダンス変化を検出する。すなわち、ステップS1030でソース装置300はターゲット装置に対するインピーダンス変化が検出されたか否かを判断し、ターゲット装置に対するインピーダンス変化が検出された場合、ステップS1040で共振インピーダンスのトラッキングを行う。
【0065】
ステップS1040において、ソース装置300は、ターゲット装置に対するインピーダンス変化の検出有無及びターゲット装置に対するインピーダンス変化量に基づいて共振インピーダンスのトラッキングを行う。ここで、ターゲット装置に対するインピーダンス変化は、ターゲット装置に伝送される共振電力の電力量及び反射信号に基づいて検出される。
ステップS1050において、ソース装置300は、共振電力に対応する反射信号の検出有無に基づいて共振インピーダンスのトラッキングを制御する。すなわち、ソース装置300は、反射信号が検出されれば、ステップS1040に戻って共振インピーダンスのトラッキングを続けて行うようにソースインピーダンストラッキング部370を制御する。
また、ソース装置300は、反射信号が検出されなければ、ステップS1010に戻るか、或いは共振インピーダンストラッキング方法を終了してもよい。
【0066】
一方、ステップS1050は、ターゲット装置に対するインピーダンス変化量に関連する制御信号を生成することと、制御信号に基づいて共振周波数の決定要素を順次変更することを含んでもよい。
「インピーダンス変化量に関連する制御信号」は、共振周波数の決定要素を順次変更する順序に対応してもよい。共振周波数の決定要素は、ターゲット共振器のキャパシタ成分であってもよい。制御信号は、キャパシタ成分の順次的な増加又は減少に関する情報であってもよい。
【0067】
図11は、負荷変化に従うソース装置とターゲット装置との間の共振インピーダンストラッキング方法を説明するための図である。
ソース装置は、ターゲット装置の接続が検出された場合、まずターゲット装置に対する負荷の大きさに対応するZ
Lを知る必要がある。
ソース装置は、Z
Lを知るためにステップS1110で「Wake−Up Power」をターゲット装置に送信する。ここで、「Wake−Up Power」とは、ターゲット装置に備わったプロセッサなどを活性化させることができる程度の小さい電力量を有するPowerに相当する。
【0068】
ターゲット装置は、「Wake−Up Power」によってオン(turn on)になれば、ステップS1120で負荷検出を行う。
負荷検出は、負荷のインピーダンスの大きさ及び負荷のインピーダンス変化を検出するものである。
ステップS1130において、ターゲット装置は共振インピーダンストラッキングを行う。共振インピーダンストラッキングが完了すると、ターゲット装置はソース装置に共振インピーダンストラッキングが完了したという報告(Report)を伝送する。
ターゲット装置の共振インピーダンストラッキングが完了すると、ステップS1150でソース装置は共振インピーダンストラッキングを行う。ソース装置において共振インピーダンストラッキングが完了すると、ステップS1160でインピーダンスマッチングされた共振電力がソース装置からターゲット装置に伝送される。
【0069】
図12は、共振インピーダンストラッキング方法の一例を説明するための図である。
図12に示した例は、ソース装置に備えられた共振インピーダンストラッキング装置によって行う。又は、
図12に示した例は、ターゲット装置に備えられた共振インピーダンストラッキング装置で行ってもよい。以下の説明では、
図12に示した例がターゲット装置に備えられた共振インピーダンストラッキング装置によって行われるものと仮定する。
【0070】
図12を参照すると、制御信号は、スイッチのスイッチング方向に関する情報であってもよい。又は、制御信号は、特定キャパシタに対してOn/Offを制御する信号であってもよい。
図12の例において、複数のキャパシタ(1201、1203、1205)の各々は、周波数オフセットに対応する互いに異なるC値を有するように決定する。
図12の例において、複数のキャパシタ(1201、1203、1205)の各々のC値は、「1201」、「1203」、「1205」と仮定する。
【0071】
一例として、「基準(Reference)インピーダンス周波数」F2を現在の共振周波数と仮定する。
ターゲット装置に接続された負荷変化又は消費電力が変化すれば、インピーダンスミスマッチングが発生する。
ターゲット制御部は、負荷変化を検出すれば、共振インピーダンストラッキングのための制御信号を生成する。ここで、ターゲット制御部は、共振インピーダンストラッキングがハイバンド(High Band)に進むべきか、又はローバンド(Low Band)で実行されるべきかを決定する。共振インピーダンストラッキングがハイバンド方向に進む場合、スイッチのスイッチングは、F2からF4に順次進める。すなわち、ターゲット制御部は、負荷のインピーダンスが変わって共振周波数をハイバンド方向に調節する必要がある場合、F2からF4方向にスイッチングするようにスイッチを制御する。
【0072】
一方、ソース共振器及び/又はターゲット共振器は、ヘリックス(helix)コイル構造の共振器、又は、スパイラル(spiral)コイル構造の共振器、又はメタ構造共振器で構成してもよい。
【0073】
すでに周知の内容であるが、理解の便宜のために関連する用語を記述する。
全ての物質は、固有の透磁率及び誘電率を有する。透磁率は、当該物質からえられた磁界に対して発生する磁束密度と、真空中でその磁界に対して発生する磁束密度との比を意味する。そして、誘電率は、当該物質からえられた電界に対して発生する電束密度と、真空中でその電界に対して発生する電束密度との比を意味する。
透磁率及び誘電率は、所定の周波数又は波長から当該物質の伝搬定数を決定し、透磁率及び誘電率によってその物質の電磁気特性が決定される。
特に、自然界に存在しない誘電率又は透磁率を有し、人工的に設計された物質をメタ物質とよび、メタ物質は非常に大きい波長又は非常に低い周波数領域においても容易に(すなわち、物質のサイズが大きく変わらなくても)共振状態に置くことができる。
【0074】
図13は、本発明の一実施形態に係る平面構造を有する共振器の図である。
図13を参照すると、本発明の一実施形態に係る共振器1300は、第1信号導体部分1311、第2信号導体部分1312、及びグラウンド導体部分1313を含む伝送線路、キャパシタ1320、整合器1330、及び導体(1341、1342)を含む。
【0075】
図13に示すように、キャパシタ1320は、伝送線路で第1信号導体部分1311と第2信号導体部分1312との間に直列に挿入され、それによって電界がキャパシタ1320に閉じ込められる。一般的に、伝送線路は、上部に少なくとも1つの導体、下部に少なくとも1つの導体を含み、上部にある導体を介して電流が流れ、下部にある導体は電気的に接地される。本明細書では伝送線路の上部にある導体を第1信号導体部分1311と第2信号導体部分1312に分けて呼び、伝送線路の下部にある導体をグラウンド導体部分1313と呼ぶことにする。
【0076】
本発明の一実施形態に係る共振器1300は、
図13に示すような平面構造を有する。伝送線路は、上部に第1信号導体部分1311及び第2信号導体部分1312を含み、下部にグラウンド導体部分1313を含む。第1信号導体部分1311及び第2信号導体部分1312とグラウンド導体部分1313は、互いに向かい合うように配置される。電流は、第1信号導体部分1311及び第2信号導体部分1312を介して流れる。
【0077】
また、
図13に示すように、第1信号導体部分1311の一端は、導体1342に接続され、他端はキャパシタ1320に接続される。そして、第2信号導体部分1312の一端は、導体1341と接続され、他端はキャパシタ1320と接続される。即ち、第1信号導体部分1311、第2信号導体部分1312、及びグラウンド導体部分1313、導体(1341、1342)は、互いに接続することによって、共振器1300は電気的に閉じられたループ構造を有する。
ここで、「ループ構造」は、円形の構造、四角形のような多角形の構造などを全て含み、「ループ構造を有するとは」電気的に閉じていることを意味する。
【0078】
キャパシタ1320は、伝送線路の中断部に挿入される。より具体的には、キャパシタ1320は、第1信号導体部分1311と第2信号導体部分1312との間に挿入される。ここで、キャパシタ1320は、集中素子(lumped element)及び分布素子(distributed element)などの形態を有してもよい。特に、分布素子の形態を有する分布型キャパシタは、ジグザグ形状の導体ラインとその導体ラインの間に存在する高誘電率を有する誘電体とを含んでもよい。
【0079】
キャパシタ1320が伝送線路に挿入されることによって、共振器1300はメタ物質の特性を有してもよい。ここで、メタ物質とは、自然界で見つけることができない特別な電気的性質を有する物質であり、人工的に設計された構造を有する。自然界に存在する全ての物質の電磁気特性は、固有の誘電率又は透磁率を有し、大部分の物質は正の誘電率及び量の透磁率を有する。大部分の物質に電界、磁界、及びポインティングベクトルには、右手の法則が適用されるため、このような物質をRHM(Right Handed Material)という。しかし、メタ物質は、自然界に存在しない誘電率又は透磁率を有する物質として、誘電率又は透磁率の符号によってENG(epsilon negative)物質、MNG(mu negative)物質、DNG(double negative)物質、NRI(negative refractive index)物質、LH(left−handed)物質などに分類される。
【0080】
ここで、集中素子として挿入されたキャパシタ1320の容量が適切に決められる場合、共振器1300はメタ物質の特性を有してもよい。特に、キャパシタ1320の容量を適切に調整することによって、共振器は負の透磁率を有するため、共振器1300は、MNG共振器と呼ぶことができる。下記にて説明するが、キャパシタ1320の容量を定める前提(criterion)は多様であってもよい。共振器1300がメタ物質の特性を有することができるようにする前提、共振器1300が対象周波数で負の透磁率を有するようにする前提、又は共振器1300が対象周波数で零次共振(Zeroth−Order Resonance)特性を有する前提などがあり、上述した前提のうち少なくとも1つの前提の下でキャパシタ1320の容量を決めてもよい。
【0081】
(MNG)共振器1300は、伝搬定数(propagation constant)が0であるときの周波数を共振周波数として有する零次共振(Zeroth−Order Resonance)特性を有してもよい。(MNG)共振器1300は、零次共振特性を有するため、共振周波数は、(MNG)共振器1300の物理的なサイズに対して独立的であってもよい。すなわち、下記にて再び説明するが、(MNG)共振器1300において、共振周波数を変更するためには、キャパシタ1320を適切に設計することで充分であるため、(MNG)共振器1300の物理的なサイズを変更しなくてもよい。
【0082】
また、近接フィールドにおいて、電界は、伝送線路に挿入されたキャパシタ1320に集中するため、キャパシタ1320によって近接フィールドでは、磁界がドミナント(dominant)になる。そして、(MNG)共振器1300は、集中素子のキャパシタ1320を用いて高いQファクターを有するため、電力伝送の効率を向上させることができる。参考として、Qファクターは、無線電力伝送において抵抗損失の程度又は抵抗に対するリアクタンスの比を表すので、Qファクターが大きいほど無線電力伝送の効率が大きいことが理解される。
【0083】
また、(MNG)共振器1300は、インピーダンスマッチングのための整合器1330を含んでもよい。ここで、整合器1330は、(MNG)共振器1300の磁界の強度を適切に調整することができ、整合器1330によって(MNG)共振器1300のインピーダンスが決定される。そして、電流は、コネクタ(図示せず)を介して(MNG)共振器1300に流入したり、(MNG)共振器1300から流出してもよい。ここで、コネクタは、グラウンド導体部分1313又は整合器1330と接続されてもよい。ただし、コネクタとグラウンド導体部分1313又は整合器1330の間には物理的な接続を形成してもよく、コネクタとグラウンド導体部分1313又は整合器1330との間の物理的な接続なしにカップリングによって電力を伝えてもよい。
【0084】
より具体的には、
図13に示すように、整合器1330は共振器1300のループ構造によって形成されるループ内に位置する。整合器1330は物理的な形態を変更することによって、共振器1300のインピーダンスを調整する。特に、整合器1330は、グラウンド導体部分1313から距離「h」だけ離れた位置にインピーダンスマッチングのための導体1331を含み、共振器1300のインピーダンスは、距離「h」を調整することによって変更される。
【0085】
図13に示していないが、整合器1330を制御できるコントローラが存在する場合、整合器1330はコントローラによって生成される制御信号に応じて整合器1330の物理的形状を変更してもよい。例えば、制御信号に応じて整合器1330の導体1331とグラウンド導体部分1313との間の距離「h」を増加させたり減少させたりし、これにより整合器1330の物理的形状を変更することで、共振器1300のインピーダンスを調整することができる。コントローラは、多様なファクターを考慮して制御信号を生成してもよく、これらについては下記にて説明する。
【0086】
整合器1330は、
図13に示すように、導体部分1331のような受動素子で実現してもよく、実施形態によってはダイオード、トランジスタなどのような能動素子で実現してもよい。
能動素子が整合器1330に含まれる場合、能動素子はコントローラによって生成される制御信号に応答して駆動し、その制御信号に応じて共振器1300のインピーダンスを調整する。例えば、整合器1330には、能動素子の一種のダイオードを含んでもよく、ダイオードが「on」状態にあるか又は「off」状態にあるかによって、共振器1300のインピーダンスを調整することができる。
また、
図13に示していないが、(MNG)共振器1300を貫通する磁気コアをさらに含んでもよい。このような磁気コアは、電力伝送距離を増加させる機能を行う。
【0087】
図14は、本発明の一実施形態に係る立体構造の共振器を示す斜視図である。
図14を参照すると、本発明の一実施形態に係る立体構造の共振器1400は、第1信号導体部分1411、第2信号導体部分1412、及びグラウンド導体部分1413を含む伝送線路及びキャパシタ1420を含む。ここでキャパシタ1420は、伝送線路で第1信号導体部分1411と第2信号導体部分1412との間に直列に挿入され、電界はキャパシタ1420に閉じ込められる。
【0088】
また、
図14に示すように共振器1400は、立体構造の形態を有する。
伝送線路は、上部に第1信号導体部分1411及び第2信号導体部分1412を含み、下部にグラウンド導体部分1413を含む。第1信号導体部分1411及び第2信号導体部分1412とグラウンド導体部分1413とは、互いに向かい合うように配置される。
電流は、第1信号導体部分1411及び第2信号導体部分1412を介してx方向に流れ、このような電流によって−y方向に磁界H(w)が発生する。勿論、
図14に示すものとは異なり+y方向に磁界H(w)が発生させることもできる。
【0089】
また、
図14に示すように第1信号導体部分1411の一端は、導体1042と接続され、他端はキャパシタ1420と接続される。そして、第2信号導体部分1412の一端は導体1041に接続され、他端はキャパシタ1420と接続される。即ち、第1信号導体部分1411、第2信号導体部分1412、及びグラウンド導体部分1413、導体(1041、1042)は互いに接続することによって、共振器1400は電気的に閉じられたループ構造を有する。ここで、「ループ構造」は、円形の構造、四角形のような多角形の構造などを全て含み、「ループ構造を有するとは」電気的に閉じていることを意味する。
【0090】
また、
図14に示すように、キャパシタ1420は、第1信号導体部分1411及び第2信号導体部分1412の間に挿入される。ここで、キャパシタ1420は、集中素子及び分布素子などの形態を有してもよい。
特に、分布素子の形態を有する分布型キャパシタは、ジグザグ形状の導体ラインとその導体ラインの間に存在する高誘電率を有する誘電体とを含んでもよい。
【0091】
図14に示すように、キャパシタ1420が伝送線路に挿入されることによって、共振器1400は、メタ物質の特性を有し得る。
集中素子として挿入されたキャパシタ1420の容量が適切に決められる場合、共振器1400はメタ物質の特性を有する。特に、キャパシタ1420の容量を適切に調整することによって、共振器1400は特定周波数帯域で負の透磁率を有するため、本発明の一実施形態に係る共振器1400はMNG共振器と呼ばれる。
以下で説明するように、キャパシタ1420の容量を定める前提は多様であり得る。共振器1400がメタ物質の特性を有する前提、共振器1400が対象周波数で負の透磁率を有する前提、又は共振器1400が対象周波数で零次共振(Zeroth−Order Resonance)特性を有する前提などがあり、上述した前提のうち少なくとも1つの前提の下でキャパシタ1420の容量を決めてもよい。
【0092】
図14に示した(MNG)共振器1400は、伝搬定数が0であるときの周波数を共振周波数として有する零次共振特性を有する。
(MNG)共振器1400は、零次共振特性を有するため、共振周波数は(MNG)共振器1400の物理的なサイズに対して独立的であり得る。(MNG)共振器1400において、共振周波数を変更するためにはキャパシタ1420を適切に設定することで充分であるため、(MNG)共振器1400の物理的なサイズを変更しなくてもよい。
【0093】
図14に示すように、(MNG)共振器1400を参照すると、近接フィールドで電界は伝送線路に挿入されたキャパシタ1420に集中するため、キャパシタ1420によって近接フィールドでは磁界がドミナントされる。特に、零次共振特性を有するMNG共振器1400は、磁気双極子(magnetic dipole)と類似の特性を有するため、近接フィールドでは磁界がドミナントになり、キャパシタ1420の挿入により発生する少ない量の電界もそのキャパシタ1420に集中するため、近接フィールドでは磁界がよりドミナントになる。
MNG共振器1400は、集中素子のキャパシタ1420を用いて高いQファクターを有するため、電力伝送の効率を向上させることができる。
【0094】
また、
図14に示した(MNG)共振器1400は、インピーダンスマッチングのための整合器1430を含んでもよい。ここで、整合器1430は、(MNG)共振器1400の磁界の強度を適切に調整することができ、整合器1430によって(MNG)共振器1400のインピーダンスが決定される。
そして、電流は、コネクタ1440を介して(MNG)共振器1400に流入したり(MNG)共振器1400から流出する。
ここで、コネクタ1440はグラウンド導体部分1413又は整合器1430と接続されてもよい。
【0095】
より具体的には、
図14に示すように、整合器1430は共振器1400のループ構造によって形成されるループ内に位置する。整合器1430は、物理的な形状を変更することによって、共振器1400のインピーダンスを調整する。特に、整合器1430は、グラウンド導体部分1413から距離「h」だけ離れた位置にインピーダンスマッチングのための導体部分1431を含んでもよく、共振器1400のインピーダンスは、距離「h」を調整することによって変更される。
【0096】
図14に示していないが、整合器1430を制御できるコントローラが存在する場合、整合器1430は、コントローラによって生成される制御信号に基づいて整合器1430の物理的形状を変更してもよい。例えば、制御信号に基づいて整合器1430の導体1431とグラウンド導体部分1413との間の距離「h」を増加させたり減少させたりし、これにより整合器1430の物理的形状が変更されることによって、共振器1400のインピーダンスを調整する。整合器1430の導体1431とグラウンド導体部分1413との間の距離「h」は、多様な方式によって調整してもよい。すなわち、第1に、整合器1430には様々な導体を含むことができ、その導体のうちいずれか1つを適応的に活性化することによって距離「h」を調整してもよい。
【0097】
第2に、導体1431の物理的な位置を上下に調整することによって、距離「h」を調整してもよい。このような距離「h」は、コントローラの制御信号に基づいて制御され、コントローラは多様なファクターを考慮して制御信号を生成してもよい。コントローラが制御信号を生成することについては下記で説明する。
【0098】
整合器1430は、
図14に示すように、導体部分1431のような受動素子で具現することができ、実施形態によっては、ダイオード、トランジスタなどのような能動素子で実現することもできる。
能動素子が整合器1430に含まれる場合、能動素子は、コントローラによって生成される制御信号に基づいて駆動し、その制御信号に基づいて共振器1400のインピーダンスが調整される。例えば、整合器1430には、能動素子の一種のダイオードを含むことができ、ダイオードが「on」状態にあるか又は「off」状態にあるかによって、共振器1400のインピーダンスを調整することができる。
また、
図14に明確に示していないが、(MNG)共振器1400を貫通する磁気コアをさらに含んでもよい。このような磁気コアは、電力伝送距離を増加させる機能を行ってもよい。
【0099】
図15は、「bulky type」で設計された無線電力伝送のための共振器の例を示す図である。
図15を参照すると、第1信号導体部分1511と導体1542は、個別的に製作した後に互いに接続したものではなく、1つの一体型に製作してもよい。同様に、第2信号導体部分1512と導体1541もまた1つの一体型に製作してもよい。
【0100】
第2信号導体部分1512と導体1541が個別的に製作した後に互いに接続する場合、継ぎ目1550による導体損失が起こり得る。
ここで、本発明の実施形態によれば、第2信号導体部分1512と導体1541とは継ぎ目なしに(seamless)互いに接続され、導体1541とグラウンド導体部分1513とも継ぎ目なしに互いに接続され、継ぎ目による導体損失を減らすことができる。
即ち、第2信号導体部分1512とグラウンド導体部分1513とは、継ぎ目なしに1つの一体型に製作することができる。同様に、第1信号導体部分1511とグラウンド導体部分1513とは、継ぎ目なしに1つの一体型に製作することができる。
図15に示すように、継ぎ目なしに1つの一体型に2つ以上の部分を互いに接続する類型を「bulky type」と呼ぶこともある。
【0101】
図16は、「Hollow type」で設計された無線電力伝送のための共振器の例を示す図である。
図16を参照すると、「Hollow type」で設計された無線電力伝送のための共振器の第1信号導体部分1611、第2信号導体部分1612、グラウンド導体部分1613、導体(1641、1642)の各々は、内部に空いた空間を含む。
【0102】
所定の(given)共振周波数において、有効電流は、第1信号導体部分1611、第2信号導体部分1612、グラウンド導体部分1613、導体(1641、1642)の各々の全ての部分を介して流れるのではなく、一部の部分だけを介して流れるようにモデリングしてもよい。すなわち、所定の共振周波数において、第1信号導体部分1611、第2信号導体部分1612、グラウンド導体部分1613、導体(1641、1642)の厚さ(depth)が各々の表皮厚さ(skin depth)より過度に厚いことは、非効率的といえる。すなわち、それは共振器1600の重さ又は共振器1600の製造コストを増加させる原因となり得る。
【0103】
したがって、本発明の実施形態によれば、所定の共振周波数において、第1信号導体部分1611、第2信号導体部分1612、グラウンド導体部分1613、導体(1641、1642)の各々の表皮厚さに基づいて第1信号導体部分1611、第2信号導体部分1612、グラウンド導体部分1613、導体(1641、1642)の各々の厚さを適切に決定する。第1信号導体部分1611、第2信号導体部分1612、グラウンド導体部分1613、導体(1641、1642)の各々が当該表皮厚さより大きくなりながらも適切な厚さを有する場合、共振器1600が軽くなり、共振器1600の製造コストもまた減らすことができる。
【0104】
例えば、
図16に示すように、第2信号導体部分1612の厚さは、「d」mmと定めることができ、「d」は、
によって決定してもよい。
ここで、fは周波数、μは透磁率、σは導体定数を示す。
【0105】
特に、第1信号導体部分1611、第2信号導体部分1612、グラウンド導体部分1613、導体(1641、1642)が銅(copper)として5.8×10
7(Sm
−1)の導電率(conductivity)を有する場合に、共振周波数が10kHzに対しては表皮厚さが約0.6mmであり、共振周波数が100MHzに対しては表皮厚さは0.006mmである。
【0106】
図17は、パラレルシート(parallel−sheet)を適用した無線電力伝送のための共振器の例を示す図である。
図17を参照すると、パラレルシートを適用した無線電力伝送のための共振器に含まれる第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1312の各々の表面にはパラレルシートが適用される。
第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1712は、完全な導体(perfect conductor)ではないため抵抗成分を有してもよく、その抵抗成分によって抵抗損失が発生することもある。このような抵抗損失は、Qファクターを減少させ、カップリング効率を減少させることがある。
【0107】
本発明の実施形態によれば、第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1712の各々の表面にパラレルシートを適用することによって、抵抗損失を減らし、Qファクター及びカップリング効率を向上させることができる。
図17の符号1770の部分の拡大図を参照すると、パラレルシートが適用される場合、第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1712の各々は複数の導体ラインを含む。この導体ラインは、並列に配置され、第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1712の各々の終端で接続される。
第1信号導体部分1711、第2信号導体部分1712の各々の表面にパラレルシートを適用する場合、導体ラインが並列に配置されるため、導体ラインが有する抵抗成分の合計は減少する。したがって、抵抗損失を減らし、Qファクター及びカップリング効率を向上させることができる。
【0108】
図18は、分布型キャパシタを含む無線電力伝送のための共振器の例を示す図である。
図18を参照すると、無線電力伝送のための共振器に含まれるキャパシタ1820は、分布型キャパシタである。集中素子としてのキャパシタは、相対的に高い等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance:ESR)を有する。集中素子としてのキャパシタが有するESRを減らすための様々な提案があるが、本発明の実施形態は分布素子としてのキャパシタ1820を用いることによって、ESRを減らすことができる。参考として、ESRによる損失は、Qファクター及びカップリング効率を減少させることができる。
分布素子としてのキャパシタ1820は、
図18に示すように、ジグザグ構造を有する。すなわち、分布素子としてのキャパシタ1820は、ジグザグ構造の導体ライン及び誘電体で実現される。
【0109】
それだけでなく、
図18に示すように、本発明の実施形態は、分布素子としてのキャパシタ1820を用いることによって、ESRによる損失を減らすことができるだけでなく、複数の集中素子としてのキャパシタを並列的に用いることによって、ESRによる損失を減らすことができる。
なぜなら、集中素子としてのキャパシタの各々が有する抵抗成分は、並列接続によって小さくなるため、並列的に接続された集中素子としてのキャパシタの有効抵抗もまた小さくなることができ、したがって、ESRによる損失を減らすことができる。例えば、10pFのキャパシタ1つを用いるものを1pFのキャパシタ10個を用いるものに変えることによって、ESRによる損失を減らすことができる。
【0110】
図19及び
図20は、各々平面構造の共振器及び立体構造の共振器として用いられる整合器の例を示す図である。
図19は、整合器を含む
図13に示した平面構造の共振器の一部を示し、
図20は、整合器を含む
図14に示した立体構造の共振器の一部を示す。
【0111】
図19を参照すると、整合器は、導体1331、導体1332、及び導体1333を含み、導体1332及び導体1333は、伝送線路のグラウンド導体部分1313及び導体1331と接続される。
導体1331とグラウンド導体部分1313との間の距離「h」によって平面構造の共振器のインピーダンスは決定され、導体1331とグラウンド導体部分1313との間の距離「h」は、コントローラによって制御される。導体1331及びグラウンド導体部分1313の間の距離「h」は、多様な方式によって調整することができ、複数の導体のうちいずれか1つを適応的に活性化することによって導体1331となし、距離「h」を調整する方式、導体1331の物理的な位置を上下に調整することによって、距離「h」を調整する方式などがあり得る。
【0112】
図20を参照すると、整合器は、導体1431、導体1432、及び導体1433を含み、導体1432及び導体1433は、伝送線路のグラウンド導体部分1413及び導体1431と接続される。
導体1431とグラウンド導体部分1413との間の距離「h」によって立体共振器のインピーダンスは決定され、導体1431とグラウンド導体部分1413との間の距離「h」は、コントローラによって制御される。平面構造の共振器に含まれる整合器と同様に、立体構造の共振器に含まれる整合器においても導体1431とグラウンド導体部分1413との間の距離「h」は多様な方式によって調整することができる。例えば、複数の導体のうちいずれか1つを適応的に活性化することによって導体1431となし距離「h」を調整する方式、導体1431の物理的な位置を上下に調整することによって、距離「h」を調整する方式などがあり得る。
【0113】
図19及び
図20に示していないが、整合器は、能動素子を含んでもよく、能動素子を用いて共振器のインピーダンスを調整する方式は、上述したものに類似する。すなわち、能動素子を用いて整合器を介して流れる電流の経路を変更することによって、共振器のインピーダンスを調整してもよい。
【0114】
図21は、
図13に示した無線電力伝送のための共振器の等価回路を示す図である。
図13に示した無線電力伝送のための共振器は、
図21に示す等価回路でモデリングすることができる。
図21の等価回路において、C
Lは、
図13の伝送線路の中断部に集中素子の形態で挿入されたキャパシタを示す。
L
Rは伝送線路のインダクタンスであり、C
Rは伝送線路と接地間のキャパシタンスである。
【0115】
ここで、
図13に示した無線電力伝送のための共振器1300は、零次共振特性を有する。
例えば、伝搬定数が0の場合、無線電力伝送のための共振器はω
MZRを共振周波数として有すると仮定する。
ここで、共振周波数ω
MZRは、以下の数式6のように表される。ここで、MZRは、「Mu Zero Resonator」を意味する。
【0117】
数式6参照すると、共振器の共振周波数ω
MZRは、L
R/C
Lによって決定することができ、共振周波数ω
MZRと共振器との物理的なサイズは、互いに独立的である得ることが分かる。
したがって、共振周波数ω
MZRと共振器との物理的なサイズが互いに独立的であるため、共振器の物理的なサイズは十分に小さくなり得る。
【0118】
一方、
図13に明確に示していないが、キャパシタ1420は、
図3のソースインピーダンストラッキング部370又は
図4のターゲットインピーダンストラッキング部430に接続してもよい。
例えば、キャパシタ1420は、キャパシタ431と並列に接続してもよい。すなわち、ソースインピーダンストラッキング部370又は
図4のターゲットインピーダンストラッキング部430は、共振器1300のC
L値を調節できる多様な形態でキャパシタ1420に接続されてもよい。
【0119】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって行うことができるプログラム命令形態で実現され、コンピュータ読み出し可能媒体に記録してもよい。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせたものを含んでもよい。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。
【0120】
コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気−光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含んでもよい。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含む。上述のハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0121】
上述したように本発明を限定した実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
例えば、説明した技術が説明した方法と異なる順序で実行したり、及び/又は説明したシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明した方法と異なる形態で結合又は組み合わせたり、他の構成要素又は均等物によって置き換えたり置換されても適切な結果を達成することができる。
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されて定められるものではなく、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。