(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883477
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】電圧制御発振器
(51)【国際特許分類】
H03B 5/12 20060101AFI20160301BHJP
H03K 3/354 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
H03B5/12 B
H03K3/354 D
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-127220(P2014-127220)
(22)【出願日】2014年6月20日
(65)【公開番号】特開2015-5985(P2015-5985A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2014年6月20日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0071645
(32)【優先日】2013年6月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513192683
【氏名又は名称】スンシル ユニバーシティー リサーチ コンソルティウム テクノ−パーク
【氏名又は名称原語表記】SOONGSIL UNIVERSITY RESEARCH CONSORTIUM TECHNO−PARK
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】パク チャン グン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ソン ウン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ジェ ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】イ ミ リム
【審査官】
鬼塚 由佳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−287997(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0044838(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0111644(US,A1)
【文献】
特開2007−267353(JP,A)
【文献】
特表2010−541371(JP,A)
【文献】
Sheng-Lyang Jang and Chein-Feng Lee,A Low Voltage and Power LC VCO Implemented With Dynamic Threshold Voltage MOSFETS ,IEEE Microwave and Wireless Components Letters,米国,IEEE,2007年 5月,vol.17,No.5,pp.376 - 378
【文献】
Nam-Jin Oh and Sang-Gug Lee,11-GHz CMOS differential VCO with back-gate transformer feedback,IEEE Microwave and Wireless Components Letters,米国,IEEE,2005年11月,Vol.15,No.11,pp.733 - 735
【文献】
Chieh-An Lin, et al.,A 24 GHz low power VCO with transformer feedback,Proceeding of IEEE Radio Frequency Integrated Circuits Symposium, 2009,米国,IEEE,2009年 6月 7日,pp.75 - 78
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03B 5/12
H03K 3/354
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端が第1電源に直接連結され、第2端を通じて第1出力信号が出力される第1トランジスタと、
第1端が前記第1電源に直接連結され、ゲートが前記第1トランジスタの第2端と連結されており、第2端が前記第1トランジスタのゲートに連結されて、前記第1トランジスタと交差結合されており、第2端を通じて前記第1出力信号と逆位相の第2出力信号とが出力される第2トランジスタと、
1次側の第1端が前記第1トランジスタの第2端に連結され、第2端が前記第2トランジスタの第2端に連結され、2次側の第1端が前記第1トランジスタのボディーに連結され、第2端が前記第2トランジスタのボディーに連結されているトランスフォーマーと、 第1端が前記第1トランジスタの第2端に連結され、第2端が前記第2トランジスタの第2端に連結されたキャパシタと、
を含み、
前記第1電源は、接地電源である、電圧制御発振器。
【請求項2】
前記トランスフォーマーの1次側に第2電源が連結されている請求項1に記載の電圧制御発振器。
【請求項3】
前記トランスフォーマーの2次側に連結されている直流電源をさらに含む請求項2に記載の電圧制御発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧制御発振器に係り、より詳細には、電圧制御発振器を構成する電力増幅器のボディー効果を制御して、同じ消費電力に比べて、相対的に高い利得値が得られる電圧制御発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電圧制御発振器は、外部から印加された電圧で所望の発振周波数を出力可能にする装置に該当する。これと関連して、交差結合(cross couple)されたトランジスタを活用した電圧制御発振器が、関連技術として開示されている。
【0003】
図1は、従来技術による交差結合構造のLC電圧制御発振器を示す。一般的に、LC電圧制御発振器は、LC共振フィルターを利用した電圧制御発振器の設計時に発振のために、任意の帰還ループを形成させ、差動構造である場合、互いの入出力を連結させることによって、発振条件を満足させる。
【0004】
図1を参照すれば、各トランジスタのゲートには、相対トランジスタのドレイン信号が入力され、ドレインは、再びそれを増幅して出力する過程を繰り返す。
図1の構造は、別途の交流入力信号なしに自体的に発振する構造を有する。
【0005】
ところで、このような従来技術によるトランジスタのボディー活用は、通常、スレショルド電圧を一定に保持させることに限る。所望しないスレショルド電圧の変動は、信号の歪曲で線形性を減少させ、場合によっては、漏れ電流の発生など、回路の性能に悪影響を与えるためである。このようなスレショルド電圧は、製造工程上の変数及びトランジスタの物理的変数、ソースとボディーとの電圧差によって変動される。そのうち、製造工程上の変数及びトランジスタの物理的変数は、制御しにくいために、このような変数の影響を最小化する必要がある。したがって、一般的に、ソースとボディーとを連結させることによって、工程及び物理的変数による影響を除去して、トランジスタ固有のスレショルド電圧を保持する。
【0006】
しかし、実際の回路具現時には、スレショルド電圧を保持するために、性能が制限される傾向がある。トリプルウェル(Triple−well)工程が適用されていない従来技術の場合、ソースとボディーとを連結させて、固有のスレショルド電圧を保持しにくい。カスコード構造及びそれと類似した構造が適用される場合、それぞれのMOSFETが基板を互いに共有しているために、MOSFETのボディーは、互いに連結されなければならない。この際、MOSFETがPMOSである場合には、ボディーが電源電圧に連結されなければならず、NMOSである場合には、ボディーはグラウンドに連結されなければならない。それによって、ボディーとソースとが分離される事が発生し、スレショルド電圧の上昇によるRon抵抗の増加など性能の減少を引き起こす。
【0007】
他の方法で、スレショルド電圧の上昇を阻むために、基板の共有を無視し、それぞれのボディーをソースに連結すれば、ボディー間の異なる電圧差によって、基板が有する抵抗成分を通じて電流が流れ、これは、発熱、ノイズ生成、信号漏れなどむしろ多くの問題を引き起こす。
【0008】
トリプルウェル工程が適用された従来技術の場合は、それぞれのMOSFETがトリプルウェルによって分離されて、それぞれのボディーをソースと連結することができる。したがって、基板効果によるスレショルド電圧の変化を防止し、結果的に、設計面積が増加するが、性能の悪化を防止することができる。
【0009】
このように、従来技術によるソースとボディーとをDC的に連結して使う場合、トランジスタのスレショルド電圧は、1つの値に固定される。したがって、当該増幅器の利得あるいは最大出力電力は、増幅器に使われるトランジスタのサイズに比例する特性を有する。
【0010】
さらに他の従来技術として、ソースとボディーとのバイアスを分離させ、ボディーバイアスを増加させる技法である場合、ボディーバイアスエフェクト(Body−Bias Effect)によって、スレショルド電圧が低くなる効果を期待することができるが、この場合、ソースとボディーとを連結する従来技術と比較して、同じトランジスタを使ってからも、相対的に高い利得と最大出力電力とが得られる利点がある。しかし、このような従来技術は、高い利得と高い最大出力電力の特性を確保するために、ボディーバイアスを高く設定することによって、高いDC電流を使うようになって、全体増幅器の電力使用効率が低くなり、漏れ電流が増加する問題点がある。
【0011】
本発明の背景となる技術は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2009−0040640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、同じ消費電力に比べて、高い利得を有しうる電圧制御発振器を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、第1端が第1電源に連結され、ボディーがゲートと連結されており、第2端を通じて第1出力信号が出力される第1トランジスタと、第1端が前記第1電源に連結され、前記第1トランジスタの第2端と連結されたボディーがゲートと連結されており、第2端が前記第1トランジスタのボディーに連結されて、前記第1トランジスタと交差結合されており、第2端を通じて前記第1出力信号と逆位相の第2出力信号とが出力される第2トランジスタと、第1端が前記第1トランジスタの第2端に連結され、第2端が前記第2トランジスタの第2端に連結された共振フィルターと、を含む電圧制御発振器を提供する。
【0015】
ここで、前記電圧制御発振器は、前記第1及び第2トランジスタのボディーに連結されている直流電源をさらに含みうる。
【0016】
また、前記電圧制御発振器は、第1端が前記第1トランジスタのゲートに連結され、第2端が前記直流電源に連結されている第1キャパシタと、第1端が前記第2トランジスタのゲートに連結され、第2端が前記直流電源に連結されている第2キャパシタと、をさらに含みうる。
【0017】
また、前記第1及び第2トランジスタの第2端は、第2電源に連結されうる。
【0018】
ここで、前記第1電源は、接地電源であり得る。
【0019】
そして、本発明は、第1端が第1電源に連結され、第2端を通じて第1出力信号が出力される第1トランジスタと、第1端が前記第1電源に連結され、ゲートが前記第1トランジスタの第2端と連結されており、第2端が前記第1トランジスタのゲートに連結されて、前記第1トランジスタと交差結合されており、第2端を通じて前記第1出力信号と逆位相の第2出力信号とが出力される第2トランジスタと、1次側の第1端が前記第1トランジスタの第2端に連結され、第2端が前記第2トランジスタの第2端に連結され、2次側の第1端が前記第1トランジスタのボディーに連結され、第2端が前記第2トランジスタのボディーに連結されているトランスフォーマーと、第1端が前記第1トランジスタの第2端に連結され、第2端が前記第2トランジスタの第2端に連結された共振フィルターと、を含む電圧制御発振器を提供する。
【0020】
ここで、前記トランスフォーマーの1次側に第2電源が連結されうる。
【0021】
また、前記電圧制御発振器は、前記トランスフォーマーの2次側に連結されている直流電源をさらに含みうる。
【0022】
また、前記第1電源は、接地電源であり得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、トランジスタのボディーを通じてゲートと同じ位相の信号及び直流電圧を印加することによって、スレショルド電圧を調節することができて、従来技術に比べて、同じ消費電力に比べて、相対的に高い利得を有し、追加帰還ループを形成することによって、発振時間を短縮させる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】従来技術による交差結合構造のLC電圧制御発振器を示す図面である。
【
図2】本発明の実施形態による電圧制御発振器を説明する図面である。
【
図3】本発明の第1実施形態による電圧制御発振器の構造を示す図面である。
【
図4】
図3でボディーバイアシングネットワークをキャパシタを通じて具現した例を示す図面である。
【
図5】本発明の第2実施形態による電圧制御発振器の構造を示す図面である。
【
図6】本発明の第1実施形態による電圧制御発振器にPMOSを共に使った発振器の構造を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について当業者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、さまざまな異なる形態で具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。そして、図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体として類似した部分に対しては、類似した図面符号を付けた。
【0026】
明細書全体で、ある部分が他の部分と“連結”されているとする時、これは、“直接連結”されている場合だけではなく、その中間に他の素子を挟んで“電気的に連結”されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を“含む”とする時、これは、特に取り立てて言及しない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0027】
そして、明細書全体で、電圧を保持するという表現は、特定2点間の電位差が経時的に変化しても、その変化が設計上許容される範囲内であるか、変化の原因が、当業者の設計慣行では無視されている寄生成分による場合を含む。また、放電電圧に比べて、半導体素子(トランジスタ、ダイオードなど)のスレショルド電圧が非常に低いので、スレショルド電圧を0Vと見なし、近似処理する。
【0028】
図2は、本発明の実施形態による電圧制御発振器を説明する図面である。電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator)は、一般的に低電力動作を必要とし、低い位相ノイズ、高い利得を要求する。このような限界を克服するために、本発明の実施形態では、ボディーバイアシングネットワーク(Body Biasing Network)を通じるトランジスタのボディー効果(body effect)を用いて位相ノイズはさらに高くならないように制御する一方、同じ消費電力に比べて、相対的に高い利得値が得られるようにする。
【0029】
以下、本発明の実施形態による電圧制御発振器を構成するトランジスタを、説明の便宜上、NMOS(N−Channel MOSFET)であると表わしたが、PMOS(P−Channel MOSFET)で形成されたトランジスタも、同様に適用可能である。
【0030】
図3は、本発明の第1実施形態による電圧制御発振器の構造を示す図面である。このような
図3の電圧制御発振器は、差動構造を有する。各トランジスタのボディーは、ゲートと連結されており、ボディーには、トランジスタのVGS(ゲート−ソース間の電圧)と同じ位相の信号とが入力される。
【0031】
これを具体的に説明すれば、
図3に示された電圧制御発振器は、第1トランジスタ110、第2トランジスタ120、共振フィルター130を含む。第1トランジスタ110は、第1端が第1電源(ex、GND)に連結され、ボディーがゲートと連結されており、第2端を通じて第1出力信号(Positive output)が出力される。
【0032】
第2トランジスタ120は、第1端が前記第1電源(ex、GND)に連結され、前記第1トランジスタ110の第2端と連結されたボディーがゲートと連結されており、第2端が前記第1トランジスタ110のボディーに連結されて、前記第1トランジスタと交差結合されている。このような第2トランジスタ120は、第2端を通じて前記第1出力信号と逆位相の第2出力信号(Negative output)とを出力する。
【0033】
前記第1トランジスタ110及び第2トランジスタ120の第2端は、共振フィルター130を通じて第1電源よりも大きな第2電源(ex、VDD)に連結されている。前記共振フィルター130は、LC共振フィルターの構造を有し、第1端が前記第1トランジスタ110の第2端に連結され、第2端が前記第2トランジスタ120の第2端に連結されている。
【0034】
以上のような
図3のような第1実施形態による構成において、電圧制御発振器の信号変化についてさらに詳細に説明すれば、次の通りである。第2トランジスタ120のドレインに出力されたNegative output信号は、第1トランジスタ110のゲート及びボディーに同時に入力される(1、2)。
【0035】
そして、第1トランジスタ110のドレインを通じては、自体のゲートに入力された信号と逆位相を有するPositive output信号とが増幅されて出力される(3)。この際、前記第1トランジスタ110のゲートに入力される信号は、ボディーに入力される信号と位相とが同一であるために、結果的に、前記ボディーに入力された同一位相の信号によって、第1トランジスタ110を通じる信号増幅の効果がさらに大きくなり、電力効率性も増大する。
【0036】
また、第1トランジスタ110のドレインに出力されたPositive output信号は、再び第2トランジスタのゲート及びボディーに同時に入力される(4、5)。そして、第2トランジスタ120のドレインを通じては、自体のゲートに入力された信号と逆位相を有するNegative output信号とが増幅されて出力される(6)。この際、第2トランジスタ120のゲートに入力される信号は、ボディーに入力される信号と位相とが同一であるために、結果的に、前記ボディーに入力された同一位相の信号によって、第2トランジスタ120を通じる信号増幅の効果がさらに大きくなり、電力効率性も増大する。
【0037】
図4は、
図3でボディーバイアシングネットワークをキャパシタを通じて具現した例を示す。
図4は、
図3のように、各トランジスタのボディーは、ゲートと連結されており、ボディーには、トランジスタのVGS(ゲート−ソース間の電圧)と同じ位相の信号とが入力され、共に直流電圧(Body bias)が印加される。
【0038】
さらに詳細には、
図4の構成によれば、第1トランジスタ110及び第2トランジスタ120のボディーに直流電圧(Body bias)印加のための直流電源が連結されている。また、直流電源と各トランジスタのゲートとの間には、キャパシタ140、150が連結されている。
【0039】
前記第1キャパシタ140は、第1端が前記第1トランジスタ110のゲートに連結され、第2端が前記直流電源に連結されている。第2キャパシタ150は、第1端が前記第2トランジスタ120のゲートに連結され、第2端が前記直流電源に連結されている。
【0040】
それぞれのキャパシタ140、150は、DCブロックキャップ(DC block cap)に該当するものであって、ボディーに直接印加される直流電圧(Body bias)が、各トランジスタ110、120のゲートに流入されることを防止する役割を果たす。このような
図4の実施形態の場合、結果的に、前記直流電圧(Body Bias)とキャパシタとを利用することによって、発振開始時点を繰り上げて、発振時間を短縮させる役割を果たす。
【0041】
以上のような本発明の実施形態によれば、電圧制御発振器を構成する電力増幅器(MOSFET)の動作位相による信号とDCバイアス(DC Bias)電圧とをボディーにそれぞれ印加して、スレショルド電圧を適切に変化させて、従来技術での増幅限界を克服する。また、帰還ループを追加することによって、発振時間を短縮させる。さらに、単純にVGSと同じ位相の信号とを該当するトランジスタのボディーに帰還させることだけでも、追加的な素子の連結なしに簡単に具現することができる。
【0042】
図5は、本発明の第2実施形態による電圧制御発振器の構造を示す図面である。
図5で、各トランジスタのボディーは、トランスフォーマー230の2次側232と連結されており、これを通じてボディーバイアシングネットワークを構成している。これにより、各トランジスタのボディーには、トランジスタのVGS(ゲート−ソース間の電圧)と同じ位相の信号とが入力される構成を有する。
【0043】
これを具体的に説明すれば、
図5に示された電圧制御発振器は、第1トランジスタ210、第2トランジスタ220、トランスフォーマー230、キャパシタ240を含む。
【0044】
第1トランジスタ210は、第1端が第1電源(ex、GND)に連結され、第2端を通じて第1出力信号(Positive output)が出力される。
【0045】
第2トランジスタ220は、第1端が前記第1電源(ex、GND)に連結され、ゲートが前記第1トランジスタ210の第2端と連結されており、第2端が前記第1トランジスタ210のゲートに連結されて、前記第1トランジスタ210と交差結合されている。このような第2トランジスタ220は、第2端を通じて前記第1出力信号と逆位相の第2出力信号(Negative output)とを出力する。
【0046】
前記トランスフォーマー230は、1次側231と2次側232とを含む。1次側231は、第1段が前記第1トランジスタ210の第2端に連結され、第2端が前記第2トランジスタ220の第2端に連結されている。2次側232は、第1段が前記第1トランジスタ210のボディーに連結され、第2端が前記第2トランジスタ220のボディーに連結されている。また、トランスフォーマー230の1次側231には、第1電源よりも大きな第2電源(ex、VDD)が連結されており、2次側232には、ボディーに直流電圧(Body Bias)を印加する電源電圧が連結されている。
【0047】
前記キャパシタ240は、第1端が前記第1トランジスタ210の第2端に連結され、第2端が前記第2トランジスタ220の第2端に連結されて、トランスフォーマー230と共振フィルター構造を形成する。
【0048】
以上のような
図5のような第2実施形態による構成において、電圧制御発振器の信号変化についてさらに詳細に説明すれば、次の通りである。
【0049】
第2トランジスタ220のドレインに出力されたNegative output信号は、第1トランジスタ210のゲートに入力される(1)。そして、第1トランジスタ210のドレインを通じては、自体のゲートに入力された信号と逆位相を有するPositive output信号とが増幅されて出力される(2)。同様に、第1トランジスタ210のドレインに出力された信号は、第2トランジスタ220のゲートに入力される(3)。そして、第2トランジスタ220のドレインを通じては、自体のゲートに入力された信号と逆位相を有するNegative output信号とが増幅されて出力される(4)。
【0050】
これに先立って、2の過程を通じて第1トランジスタ210のドレインを通じて出力された信号は、トランスフォーマー230の1次側231の第1端に入力され(5)、前記(4)の過程を通じて第2トランジスタ220のドレインを通じて出力されたその逆位相の信号は、1次側231の第2端に入力される(6)。
【0051】
これにより、2次側232の第1端を通じては、前記1次側231の第1端に入力された信号と逆位相の信号とが出力されて、第1トランジスタ210のボディーに流入される(7)。この際、第1トランジスタ210のボディーに流入された信号と前記過程(1)でゲートに入力された信号との位相が同一なので、結果的に、ボディーに入力された同一位相の信号によって、第1トランジスタ210を通じる信号増幅の効果がさらに大きくなり、電力効率性も増大する。
【0052】
逆に、2次側232の第2端を通じては、前記1次側231の第2端に入力された信号と逆位相の信号とが出力されて、第2トランジスタ220のボディーに流入される(8)。この際、第2トランジスタ220のボディーに流入された信号と前記過程(3)でゲートに入力された信号との位相が同一なので、結果的に、ボディーに入力された同一位相の信号によって、第2トランジスタ220を通じる信号増幅の効果がさらに大きくなり、電力効率性も増大する。
【0053】
図6は、本発明の第1実施形態による電圧制御発振器にPMOSを共に使った発振器の構造を示す図面である。このような
図6は、これは、
図3のNMPSで構成された電圧制御発振器にPMOSの構造を併用した構成であって、上端にPMOSの第3トランジスタ160及び第4トランジスタ170をさらに含んだものである。
【0054】
ここで、前記第3トランジスタ160と第4トランジスタ170は、互いに交差結合された形態を有し、自体のボディーとゲートとが互いに連結された構造を有していて、増幅効率をさらに高める。このように、第1トランジスタ210及び第2トランジスタ220の出力端に第3トランジスタ160及び第4トランジスタ170をさらに使うならば、
図3に比べて、回路のサイズは大きくなるが、より高い利得を確保させうる。
【0055】
以上のような本発明による電圧制御発振器によれば、同じ消費電力に比べて、高い利得を有しうる。また、受動素子を活用した多様な方法を通じてほとんどの増幅器に適用できる利点がある。
【0056】
本発明は、図面に示された実施形態を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、電圧制御発振器関連の技術分野に適用可能である。