【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、電気通信ネットワークにおける合法的傍受を可能にする方法であって、前記電気通信ネットワークはコアネットワーク及びアクセスネットワークを備え、前記電気通信ネットワークにキャンプオンしているユーザ機器はデバイスツーデバイス通信に対応し、前記電気通信ネットワークの前記アクセスネットワークは基地送受信局を備え、前記ユーザ機器は前記基地送受信局に接続され、該基地送受信局は前記ユーザ機器がデバイスツーデバイス通信を行うことを許可することを可能にされ、最小送信電力レベルは、前記ユーザ機器が無線信号を送信するときに用いる最も小さい送信電力に対応し、
前記ユーザ機器が合法的傍受観察を受け、かつ
前記ユーザ機器が、デバイスツーデバイス通信を行うことの要求を前記基地送受信局に送信している場合、
第1のメッセージが前記基地送受信局から前記ユーザ機器に送信され、前記第1のメッセージは、前記ユーザ機器によるデバイスツーデバイス通信を行うことの許可のインジケーションを含み、
前記第1のメッセージ、又は、
前記基地送受信局から前記ユーザ機器に送信される第2のメッセージ、
のいずれかは、送信電力情報を更に含み、該送信電力情報は、デバイスツーデバイス通信を行うときの前記ユーザ機器の前記最小送信電力の値を示す、方法により達成される。
【0009】
代替的に、本発明の目的は、電気通信ネットワークにおける合法的傍受を可能にする方法であって、前記電気通信ネットワークはコアネットワーク及びアクセスネットワークを備え、前記電気通信ネットワークにキャンプオンしているユーザ機器はデバイスツーデバイス通信に対応し、前記電気通信ネットワークの前記アクセスネットワークは基地送受信局を備え、前記ユーザ機器は前記基地送受信局に接続され、該基地送受信局は前記ユーザ機器がデバイスツーデバイス通信を行うことを許可することを可能にされ、最小送信電力レベルは、前記ユーザ機器が無線信号を送信するときに用いる最も小さい送信電力に対応し、
前記ユーザ機器が合法的傍受観察を受け、かつ
前記ユーザ機器が、デバイスツーデバイス通信を行うことの要求を前記基地送受信局に送信している場合、
第1のメッセージが前記基地送受信局から前記ユーザ機器に送信され、前記第1のメッセージは、前記ユーザ機器によるデバイスツーデバイス通信を行うことの許可のインジケーションを含み、
前記第1のメッセージ、又は、
前記基地送受信局から前記ユーザ機器に送信される第2のメッセージ、
のいずれかは、送信電力情報を更に含み、該送信電力情報は、デバイスツーデバイス通信を行うときの前記ユーザ機器の前記最小送信電力の値を示し、それにより、前記ユーザ機器の前記送信電力が、該ユーザ機器によって、前記基地送受信局における前記デバイスツーデバイス通信の受信を可能にするのに十分高く設定されるようにする、方法により達成される。
【0010】
したがって、本発明によれば、デバイスツーデバイス通信に対応しているユーザ機器間で交換されるデータトラフィック、特に、デバイスツーデバイス通信に対応している2つのユーザ機器(又は端末)間で直接(又はデバイスツーデバイス通信目的に対応している2つより多く、例えば3つ、4つ、又は更に多くのユーザ機器(又は端末)間で直接)送信されるデータトラフィックが、合法的傍受目的で捕捉されることが有利には可能である。そのようなデータトラフィックは、(ユーザ機器間の)直接パス上で、ブロードキャストのような方式か、又は2つのデバイスツーデバイス対応ユーザ機器(又は多数のデバイスツーデバイス対応ユーザ機器/端末デバイス)間の専用通信(直接モード)において送信される。
【0011】
本発明によれば、2つ以上のユーザ機器がデバイスツーデバイス通信手順に従って互いに直接通信する状況であっても合法的傍受を行えることが有利には可能である。合法的傍受観察に従って監視されなくてはならないユーザ機器へ、又はそのユーザ機器から送信されるユーザトラフィックデータは、電気通信ネットワークのアクセスネットワーク、すなわち、少なくとも基地送受信局にアクセス可能であることが保証されなくてはならない。本発明によれば、特に直接モードのデバイスツーデバイス通信状況において、合法的傍受監視を受けるユーザ機器、及び監視されるユーザ機器と通信しているユーザ機器に増大した送信電力レベルを課すことが提案される。
【0012】
合法的傍受観察を受けるユーザ機器によって用いられる増大した送信電力レベルは、ユーザ機器が無線信号を送信するときに用いる最小送信電力に対応する最小送信電力レベルを設定することによって規定される。
【0013】
通常、デバイスツーデバイス通信は、電気通信ネットワーク、特にセルラ公衆陸上移動ネットワークにキャンプオンしているユーザ機器によって、このユーザ機器が電気通信ネットワークの構成要素、特にアクセスネットワークの構成要素、通常は基地送受信局の、デバイスツーデバイス通信がその特定のユーザ機器に対して認可されるという同意を含むメッセージを受信することなく開始することができない。これは、ユーザ機器が、デバイスツーデバイス通信を開始する前に、少なくとも(おそらくとりわけ)、デバイスツーデバイス通信を行う可能性を認可するコンテンツを有するメッセージ(以降「第1のメッセージ」とも呼ばれる)を受信することを意味する。
【0014】
基地送受信局から受信されるこの第1のメッセージ、又は基地送受信局から受信される別のメッセージ(以降「第2のメッセージ」とも呼ばれる)のいずれかにおいて、最小送信電力レベルがユーザ機器に通信される。これは、送信電力情報の送信によって行われる。この送信電力情報は、デバイスツーデバイス通信を行うときのユーザ機器の最小送信電力の値を示す。
【0015】
本発明によれば、最小送信電力レベルは、デバイスツーデバイス通信を行うときに、合法的傍受観察を受けるユーザ機器によって送信される無線信号の、それぞれの基地送受信局による信頼性のある受信が可能であるように選択されるべきである。最小送信電力レベルは、例えば、符号化された情報、例えば8つの異なる最小送信電力レベルの場合3ビット、又は16個の異なる最小送信電力レベルの場合4ビット等を用いるバイナリ値の形態で、送信電力情報によって示すことができる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、デバイスツーデバイス通信を行うことの要求は、近接送信を送ることの要求又は直接モード送信を確立することの要求である。
【0017】
したがって、様々なデバイスツーデバイス通信状況において最小の送信電力レベルを用いることが有利には可能である。
【0018】
本発明の更に好ましい実施形態によれば、更なるユーザ機器が前記電気通信ネットワークにキャンプオンしており、前記更なるユーザ機器はデバイスツーデバイス通信に対応し、前記更なるユーザ機器は前記基地送受信局に接続され、該基地送受信局は前記更なるユーザ機器がデバイスツーデバイス通信を行うことを許可することを可能にされ、前記更なるユーザ機器が、前記ユーザ機器が合法的傍受観察を受けている間に該ユーザ機器との直接モードのデバイスツーデバイス通信を行うことの更なる要求を前記基地送受信局に送信している場合、
前記基地送受信局から前記更なるユーザ機器に更なる第1のメッセージが送信され、該更なる第1のメッセージは、前記更なるユーザ機器による、前記ユーザ機器とのデバイスツーデバイス通信を行うことの許可の前記インジケーションを含み、
前記更なる第1のメッセージ、又は
前記基地送受信局から前記更なるユーザ機器に送信される更なる第2のメッセージ、
のいずれかが更なる送信電力情報を含み、該更なる送信電力情報は、前記ユーザ機器との前記直接モードのデバイスツーデバイス通信を行うときの前記更なるユーザ機器の前記最小送信電力を示す。
【0019】
したがって、合法的傍受観察を受けるユーザ機器のデバイスツーデバイス通信全体、また、デバイスツーデバイス通信のうちの、ユーザ機器が合法的傍受観察を受けない別のユーザ機器と通信する部分を傍受することが有利には可能である。
【0020】
更に、本発明は、電気通信ネットワークにおける合法的傍受を可能にするユーザ機器に関し、前記電気通信ネットワークはコアネットワーク及びアクセスネットワークを備え、前記電気通信ネットワークにキャンプオンしている該ユーザ機器はデバイスツーデバイス通信に対応し、該ユーザ機器は前記電気通信ネットワークの前記アクセスネットワークの前記基地送受信局に接続され、該基地送受信局は該ユーザ機器がデバイスツーデバイス通信を行うことを許可することを可能にされ、該ユーザ機器は、
該ユーザ機器が合法的傍受観察を受け、かつ該ユーザ機器が、デバイスツーデバイス通信を行うことの要求を前記基地送受信局に送信している場合、
第1のメッセージが該ユーザ機器によって前記基地送受信局から受信されるように構成され、前記第1のメッセージは、該ユーザ機器によるデバイスツーデバイス通信を行うことの許可のインジケーションを含み、該ユーザ機器は、最小送信電力レベルが、該ユーザ機器が無線信号を送信するときに用いる最も小さい送信電力に対応するように構成され、前記最小送信電力は、該ユーザ機器によってデバイスツーデバイス通信を行うときに用いられ、
前記最小電力は、
該ユーザ機器によって受信される送信電力情報によって、
前記第1のメッセージ、又は、
前記基地送受信局から該ユーザ機器に送信される第2のメッセージ、
のいずれかによって示される。
【0021】
代替的に、本発明はまた更に、電気通信ネットワークにおける合法的傍受を可能にするユーザ機器に関し、前記電気通信ネットワークはコアネットワーク及びアクセスネットワークを備え、前記電気通信ネットワークにキャンプオンしている該ユーザ機器はデバイスツーデバイス通信に対応し、該ユーザ機器は電気通信ネットワークの前記アクセスネットワークの前記基地送受信局に接続され、該基地送受信局は該ユーザ機器がデバイスツーデバイス通信を行うことを許可することを可能にされ、該ユーザ機器は、
該ユーザ機器が合法的傍受観察を受け、かつ該ユーザ機器が、デバイスツーデバイス通信を行うことの要求を前記基地送受信局に送信している場合、
第1のメッセージが該ユーザ機器によって前記基地送受信局から受信されるように構成され、前記第1のメッセージは、該ユーザ機器によるデバイスツーデバイス通信を行うことの許可のインジケーションを含み、該ユーザ機器は、最小送信電力レベルが、該ユーザ機器が無線信号を送信するときに用いる最も小さい送信電力に対応するように構成され、前記最小送信電力は、該ユーザ機器によってデバイスツーデバイス通信を行うときに用いられ、
前記最小電力は、
該ユーザ機器によって受信される送信電力情報によって、
前記第1のメッセージ、又は、
前記基地送受信局から該ユーザ機器に送信される第2のメッセージ、
のいずれかによって示され、
それにより、該ユーザ機器の前記送信電力が、該ユーザ機器によって、前記基地送受信局における前記デバイスツーデバイス通信の受信を可能にするのに十分高く設定される。
【0022】
したがって、合法的傍受観察を受けるユーザ機器がデバイスツーデバイス通信を行うことができること、及びそれでもなおデータトラフィックを傍受することができることが有利には可能である。
【0023】
本発明によれば、ユーザ機器に関しても、デバイスツーデバイス通信を行うことの要求は、近接送信を送ることの要求又は直接モード送信を確立することの要求であることが更に好ましい。
【0024】
さらに、本発明は、電気通信ネットワークにおける合法的傍受を可能にする基地送受信局に関し、前記電気通信ネットワークはコアネットワーク及びアクセスネットワークを備え、前記電気通信ネットワークにキャンプオンしているユーザ機器はデバイスツーデバイス通信に対応し、前記ユーザ機器は前記電気通信ネットワークの前記アクセスネットワークの前記基地送受信局に接続され、該基地送受信局は前記ユーザ機器がデバイスツーデバイス通信を行うことを許可することを可能にされ、最小送信電力レベルは、前記ユーザ機器が無線信号を送信するときに用いる最も小さい送信電力に対応し、前記基地送受信局は、
前記ユーザ機器が合法的傍受観察を受け、かつ前記基地送受信局が、前記ユーザ機器による、デバイスツーデバイス通信を行うことの要求を受信している場合、
第1のメッセージが前記基地送受信局によって前記ユーザ機器に送信されるように構成され、前記第1のメッセージは、前記ユーザ機器によるデバイスツーデバイス通信を行うことの許可のインジケーションを含み、前記基地送受信局は、
前記第1のメッセージ、又は、
前記基地送受信局から前記ユーザ機器に送信される第2のメッセージ、
のいずれかが、送信電力情報を更に含むように構成され、該送信電力情報は、デバイスツーデバイス通信を行うときの前記ユーザ機器の前記最小送信電力を示す。
【0025】
代替的に、本発明はまた更に、電気通信ネットワークにおける合法的傍受を可能にする基地送受信局に関し、前記電気通信ネットワークはコアネットワーク及びアクセスネットワークを備え、前記電気通信ネットワークにキャンプオンしているユーザ機器はデバイスツーデバイス通信に対応し、前記ユーザ機器は前記電気通信ネットワークの前記アクセスネットワークの前記基地送受信局に接続され、該基地送受信局は前記ユーザ機器がデバイスツーデバイス通信を行うことを許可することを可能にされ、最小送信電力レベルは、前記ユーザ機器が無線信号を送信するときに用いる最も小さい送信電力に対応し、前記基地送受信局は、
前記ユーザ機器が合法的傍受観察を受け、かつ前記基地送受信局が、前記ユーザ機器による、デバイスツーデバイス通信を行うことの要求を受信している場合、
第1のメッセージが前記基地送受信局によって前記ユーザ機器に送信されるように構成され、前記第1のメッセージは、前記ユーザ機器によるデバイスツーデバイス通信を行うことの許可のインジケーションを含み、前記基地送受信局は、
前記第1のメッセージ、又は、
前記基地送受信局から前記ユーザ機器に送信される第2のメッセージ、
のいずれかが、送信電力情報を更に含むように構成され、該送信電力情報は、デバイスツーデバイス通信を行うときの前記ユーザ機器の前記最小送信電力を示し、それにより前記ユーザ機器(20)の前記送信電力が、該ユーザ機器によって、前記基地送受信局における前記デバイスツーデバイス通信の受信を可能にするのに十分高く設定される。
【0026】
基地送受信局は、合法的傍受観察を受けるユーザ機器がデバイスツーデバイス通信を行うことができること、及びそれでもなおデータトラフィックを傍受することができることを有利には可能にする。
【0027】
加えて、本発明は、コンピュータ又はユーザ機器又は基地送受信局において実行されると、当該コンピュータ又は当該ユーザ機器又は当該基地送受信局に本発明の方法を実行させるコンピュータ可読プログラムコードを含むプログラムに関する。
【0028】
更に加えて、本発明は、ユーザ機器を基地送受信局とともに用いるコンピュータプログラム製品に関し、記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを含み、このコンピュータプログラムは、コンピュータ又はユーザ機器又は基地送受信局において実行されると当該コンピュータ又は当該ユーザ機器又は当該基地送受信局に本発明の方法を実行させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0029】
本発明のこれらの特性、特徴、及び利点、並びに他の特性、特徴、及び利点は、添付図面とともに用いられた以下の詳細な説明から明らかになる。これらの添付図面は、本発明の原理を例として示している。説明は、本発明の範囲を限定するものではなく、例示のためにのみ与えられている。以下で引用される参照図は、添付図面を指す。