(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のハンダ用ランドのそれぞれは、前記平面部において、前記光ファイバの長手方向に直交する方向に沿って、所定の間隔を空けて配置されることを特徴とする請求項1に記載の光走査型内視鏡。
前記複数の配線パターンは、他端部が前記マウント部材の先端面で機能部品に接続される複数の第2パターンを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光走査型内視鏡。
前記複数の第1パターンのハンダ用ランドと、前記複数の第2パターンのハンダ用ランドとは、前記平面部において、対向しないように配置されることを特徴とする請求項4に記載の光走査型内視鏡。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の光走査内視鏡における光ファイバの先端部の構成について、
図12を用いて説明する。
図12に示すように、光ファイバ2の先端部近辺には、ファイバ駆動部23が設けられ、ファイバ駆動部23は、マウント部材22によって支持されて光走査内視鏡の挿入管(不図示)に固定される。ファイバ駆動部23は、円筒形状をしており、円筒軸線に沿って光ファイバ2が挿通されている。また、ファイバ駆動部23の円筒外周面には90°毎に4つの圧電アクチュエータが形成されおり、各圧電アクチュエータの表面に形成された電極23X、23X’、23Y、23Y’に駆動信号が供給されることによって、光ファイバ2の先端部が屈曲するように構成されている。
【0005】
ファイバ駆動部23の各圧電アクチュエータに駆動信号を供給するためには、不図示の駆動回路と各圧電アクチュエータの電極23X、23X’、23Y、23Y’とを接続する必要があるため、リード線12を各圧電アクチュエータの電極23X、23X’、23Y、23Y’の表面にハンダ付けしている。しかし、ファイバ駆動部23の外径は極めて細いため(例えば、φ0.8mm)、その円筒外周面に90°毎にリード線12をハンダ付けする作業は、自動化が難しく、手作業によるハンダ付けは作業性(すなわち、歩留まり)の極めて悪いものとなっていた。
【0006】
また、手作業によるハンダ付けのため、光ファイバ202Aの長手方向に沿って、ハンダ代、予長(膨らみ)等も考慮する必要が生じ、光ファイバ202Aの先端部周辺に無駄な空間を必要としていた。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光走査型内視鏡の光ファイバ先端部を細径化すると共に、光走査型内視鏡の製造時の歩留まりを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の光走査型内視鏡は、入射端に入射する光を出射端まで導光し該出射端から出射する光ファイバと、光ファイバの出射端近辺に設けられ光ファイバの側面を光ファイバの長手方向に直交する方向に押圧して屈曲させる複数のアクチュエータを備えるファイバ駆動部と、表面に複数の配線パターンが形成された略円筒状のMID(Molded Interconnect Device)部品であって、円筒軸線に沿ってファイバ駆動部を支持するマウント部材と、複数のアクチュエータのそれぞれに駆動信号を供給し光ファイバの屈曲量及び屈曲方向を制御する制御回路と、マウント部材の複数の配線パターンと制御回路とを電気的に接続する配線部材とを備え、マウント部材は、該マウント部材の円筒外周面の基端面側の一部に平面部を備え、複数の配線パターンは、一端部が平面部上に配置されて複数のハンダ用ランドを形成し、少なくとも、他端部がマウント部材の基端面で複数のアクチュエータのそれぞれに電気的に接続される複数の第1パターンを含み、配線部材は、複数のハンダ用ランドに接続されることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、配線部材と複数のアクチュエータとの電気的な接続を、マウント部材の平面部で行うことができるため、組み立て作業性が改善される。
【0010】
また、複数のハンダ用ランドのそれぞれは、平面部において、光ファイバの長手方向に直交する方向に沿って所定の間隔を空けて配置されることが好ましい。このような構成によれば、各配線部材を光ファイバの長手方向に直交する方向に並べて配線できるため組み立て作業性がさらに向上する。
【0011】
また、複数の配線パターンは、他端部がマウント部材の先端面で機能部品に接続される複数の第2パターンを含むことができる。このような構成によれば、光ファイバの出射端近辺に機能部品を追加したとしても新たな配線経路を確保する必要がなくなる。
【0012】
また、複数の第1パターンのハンダ用ランドは、平面部の基端面側に配置され、複数の第2パターンのハンダ用ランドは、平面部の先端面側に配置されることが好ましい。また、この場合、複数の第1パターンのハンダ用ランドと、複数の第2パターンのハンダ用ランドとは、平面部において、対向しないように配置されることが好ましい。このような構成によれば、ハンダ用ランドに配線部材を接続するときに、隣接する配線部材同士が干渉しないため、組み立て作業性が向上する。
【0013】
また、平面部は、先端面側から基端面側に向かって高さが低くなるように形成された階段状の複数の平面を有し、複数の第1パターンのハンダ用ランドは、基端面に最も近い平面に配置され、複数の第2配線パターンのハンダ用ランドは、前記第1配線パターンのハンダ用ランドとは異なる平面に配置されることが好ましい。このような構成によれば、配線部材の配線が、マウント部材上で複数段に分かれるため、隣接する配線部材同士の干渉が減り、組み立て作業性が向上する。
【0014】
また、機能部品が、サーミスタであることが好ましい。
【0015】
また、配線部材が、リード線であることが好ましい。
【0016】
また、配線部材が、フレキシブル基板であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の構成によれば、光走査型内視鏡のファイバ駆動部の配線接続を、マウント部材に形成された平面部で行うことができるため、ハンダ付けの作業性は飛躍的に向上する。また、配線の予長(膨らみ)等を考慮する必要がなく、配線をほぼ直線的に配置できるため、光走査型内視鏡の光ファイバ先端部を細径化することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態を適用した光走査型内視鏡を有する光走査型内視鏡装置の構成を示すブロック図である。光走査型内視鏡装置1は、プロセッサ(一般側ブロック)100、光走査型内視鏡(患者側ブロック)200、モニタ300によって構成される。
【0021】
プロセッサ100は、光源102、光ファイバ104、CPU108、CPUメモリ110、光ファイバ112、受光器114、映像信号処理回路116、画像メモリ118、映像信号出力回路120を有している。光走査型内視鏡200は、光ファイバ202、光走査ユニット220、光ファイバ230、サブCPU206、サブメモリ208、走査ドライバ210を有している。
【0022】
光源102は、赤色の光を発する赤色光レーザ(図示せず)、緑色の光を発する緑色光レーザ(図示せず)、および青色の光を発する青色光レーザ(図示せず)を有する。光源102は、これらのレーザ光を混合することにより白色光(以下、「照明光」という。)を生成し出射する。照明光は、光ファイバ104の基端部に入射する。光ファイバ104の先端部は、プロセッサ100と光走査型内視鏡装置200とを光学的に接続する光コネクタ152に結合している。従って、光ファイバ104の基端部に入射した照明光は、光コネクタ152を通過して光走査型内視鏡200内に配置された光学系に入射する。
【0023】
光ファイバ202の基端部は、光コネクタ152によって光ファイバ104と結合している。光ファイバ202の先端部は、光走査型内視鏡200の挿入管200aの先端部に組み込まれた光走査ユニット220内に収められている。従って、光ファイバ104を出射した照明光は、光コネクタ152を通過して光ファイバ202の基端部に入射後、光ファイバ202を伝送して光ファイバ202の先端から出射される。
【0024】
図2は、光走査ユニット220の構成を概略的に示す図である。以下、光走査ユニット220を説明する便宜上、光走査ユニット220の長手方向をZ方向と定義し、Z方向に直交しかつ互いに直交する二方向をX方向、Y方向と定義する。
図2に示すように、光走査ユニット220は、各種構成部品を収容する金属製の中空管221を有している。中空管221は、その軸方向が光走査型内視鏡200の挿入管200aの軸方向と平行になるように調整されて、挿入管200aの先端部に固定される。光ファイバ202は、2軸アクチュエータ223(ファイバ駆動部)、マウント部材222を介して中空管221内に収容支持されており、光走査型内視鏡200の二次的な点光源として機能する。点光源である先端202aの位置は、CPU108による制御に基づいて周期的に変化する。
【0025】
サブメモリ208(
図1)は、光走査型内視鏡200の識別情報や各種プロパティ等のプローブ情報を格納している。サブCPU206は、システム起動時にサブメモリ208からプローブ情報を読み出して、プロセッサ100と光走査型内視鏡200とを電気的に接続する電気コネクタ154を介してCPU108に送信する。CPU108は、送信されたプローブ情報をCPUメモリ110に格納する。CPU108は、格納したプローブ情報を必要時に読み出して光走査型内視鏡200の制御に必要な信号を生成して、サブCPU206に送信する。サブCPU206は、CPU108から送信された制御信号に従って走査ドライバ210に必要な設定値を指定する。
【0026】
走査ドライバ210は、指定された設定値に応じたドライブ信号を生成して、光ファイバ202の先端202a付近の外周面に接着固定された筒状の2軸アクチュエータ223を駆動する。
図3は、2軸アクチュエータ223の構成を概略的に示す断面図である。
図3に示すように、2軸アクチュエータ223は、光ファイバ202を中心として、一対のX軸用電極(図中「223X」、「223X’」)及びY軸用電極(図中「223Y」、「223Y’」)を圧電体上に形成した圧電アクチュエータであり、各電極がそれぞれ独立した4つのアクチュエータを構成している。なお、本実施形態においては、走査ドライバ210からのドライブ信号は、走査ドライバ210とマウント部材222とを接続するリード線212(
図2)、およびマウント部材222上に形成された配線パターンP1〜P4を介して、各圧電アクチュエータの電極223X、223X’、223Y、223Y’に供給される(詳細は後述)。
【0027】
走査ドライバ210は、交流電圧X(ドライブ信号)を2軸アクチュエータ223のX軸用電極223X、223X’間に印加して圧電体をX方向に共振させると共に、交流電圧Xと同一周波数であって位相が直交する交流電圧Y(ドライブ信号)をY軸用電極間223Y、223Y’間に印加して圧電体をY方向に共振させる。交流電圧X、Yはそれぞれ、振幅が時間に比例して線形に増加して、時間(X)、(Y)かけて実効値(X)、(Y)に達する電圧として定義される。光ファイバ202の先端202aは、2軸アクチュエータ223によるX方向、Y方向への運動エネルギーが合成されることにより、X−Y平面に近似する面(以下、「XY近似面」と記す。)上において中心軸AXを中心に渦巻状のパターンを描くように回転する。先端202aの回転軌跡は、印加電圧に比例して大きくなり、実効値(X)、(Y)の交流電圧が印加された時点で最も大きい径を有する円の軌跡を描く。
図4に、XY近似面上の先端202aの回転軌跡を示す。なお、先端202aの回転軌跡は、2軸アクチュエータ223の周辺の温度によって多少変化するため(すなわち、温度特性を有するため)、本実施形態においては、中空管221内にヒーター(不図示)を備え、マウント部材222の先端面に配置したサーミスタ225(
図2)で温度をモニタしながら、ヒーターを制御し、2軸アクチュエータ223の周辺の温度が一定(例えば、42℃)となるようにしている。後述するように、サーミスタ225は、リード線212を介して、サブCPU206に接続され、サブCPU206によって温度制御がなされる。
【0028】
光源102から出射される照明光は、2軸アクチュエータ223への交流電圧の印加開始直後から印加停止までの期間中、光ファイバ202の先端202aから出射される。以下、説明の便宜上、この期間を「サンプリング期間」と記す。サンプリング期間が経過して2軸アクチュエータ223への交流電圧の印加が停止すると、光ファイバ202の振動が減衰する。XY近似面上における先端202aの円運動は、光ファイバ202の振動の減衰に伴って収束し、所定時間後に中心軸AX上で停止する。以下、説明の便宜上、サンプリング期間が終了してから先端202aが中心軸AX上に停止するまでの期間(より正確には、中心軸AX上での停止を保証するため、停止までに要する計算上の時間より僅かに長い期間)を「制動期間」と記す。一フレームに対応する期間は、一つのサンプリング期間と一つの制動期間で構成される。制動期間を短縮するため、制動期間の初期段階に2軸アクチュエータ223に逆相電圧を印加して制動トルクを積極的に加えてもよい。
図5に、XY近似面上における光ファイバ202の先端202aのX(又はY)方向の変位量(振幅)と、サンプリング期間及び制動期間との関係を示す。
【0029】
光ファイバ202の先端202aの前方には、対物光学系224が設置されている(
図2)。対物光学系224は、複数枚の光学レンズで構成されており、図示省略されたレンズ枠を介して中空管221に保持されている。
【0030】
光ファイバ202の先端202aを出射した照明光は、対物光学系224を透過して被写体の表面でスポットを形成する。スポット形成位置は、光ファイバ202の先端202aが渦巻状に回転駆動されることによって変位し、被写体上を2次元に走査する。
【0031】
光ファイバ202の先端202aを出射した照明光は、被写体の表面で反射(散乱)し、その反射光の一部が光ファイバ230の一端(入射端)に入射する。反射光は、光ファイバ230を伝送後、光コネクタ153を通過し、さらに光ファイバ112を伝送して受光器114で検出される。受光器114では、受光した反射光の赤色光成分、緑色光成分、および青色光成分毎の受光量を検出し、それぞれの受光量に応じた画素信号が生成される。
【0032】
受光器114によって生成された画素信号は、映像信号処理回路116に入力される。映像信号処理回路116は、CPU108の制御下で動作し、画素信号を一定のレートでサンプルホールド及びAD変換してデジタル画素信号を得る。ここで、サンプリング期間中の光ファイバ202の先端202aの位置(軌跡)が決まると、当該位置に対応する観察領域(走査領域)中のスポット形成位置、当該スポット形成位置からの戻り光(反射光)を検出してデジタル画素信号を得る信号取得タイミング(以下、「サンプリング点」という)がほぼ一義的に決まる。従って、映像信号処理回路116は、走査ドライバ210を制御するための信号に基づいて、照射光のスポット形成位置及びサンプリング点を推定し、当該サンプリング点に対応する画像上の位置(モニタ300に表示される内視鏡画像の画素位置)を求め、この画像上の位置に対応する画像メモリ26のアドレスに、デジタル画素信号を格納する。このように、映像信号処理回路116は、各点像の空間的配列によって構成される画像データを画像メモリ118にフレーム単位でバッファリングする。
【0033】
バッファリングされた画像データは、所定のタイミングで画像メモリ118から映像信号出力回路120に掃き出されて、NTSC(National Television System Committee)やPAL(Phase Alternating Line)等の所定の規格に準拠した映像信号に変換されてモニタ300に出力される。かくして、モニタ300の表示画面には、照明光によって走査された被写体の画像(内視鏡画像)が表示される。
【0034】
上述したように、本実施形態の光走査型内視鏡200においては、走査ドライバ210からのドライブ信号を2軸アクチュエータ223の各圧電アクチュエータの電極223X、223X’、223Y、223Y’に供給することで、光ファイバ202の先端部202aを渦巻状に回転駆動させている。従って、走査ドライバ210と各圧電アクチュエータの電極223X、223X’、223Y、223Y’とを電気的に接続する必要があるが、2軸アクチュエータ223の外径は極めて細く構成されているため(例えば、φ0.8mm)、リード線を直接各圧電アクチュエータの電極223X、223X’、223Y、223Y’にハンダ付けすることは極めて困難な作業となる。そこで、本実施形態においては、マウント部材222を、表面に配線パターンを形成可能な樹脂成形部品(以下、「MID(Molded Interconnect Device)部品」という。)として構成することにより、かかる問題を解決している。
【0035】
図6は、本実施形態のマウント部材222周辺の斜視図である。また、
図7は、マウント部材222を基端面222a側(光ファイバ202の基端側)から見たときの図である。なお、
図6及び
図7においては、図面を見やすくするために、中空管221、対物光学系224およびリード線212を省略して示している。
図6及び
図7に示すように、マウント部材222は、略円筒状のMID部品であり、基端面222aと先端面222bを貫通するように円筒軸線に沿って形成された貫通孔222cを備える。貫通孔222cの内径は、2軸アクチュエータ223の外径よりわずかに大きな径となっており、光ファイバ202の先端部202aに固定された2軸アクチュエータ223を貫通孔222cに貫入することで、2軸アクチュエータ223と光ファイバ202がマウント部材222内に支持、固定される。
【0036】
マウント部材222の円筒外周面の基端面222a側の一部には、基端面222aと連続する第1平面部222dが形成されている。また、第1平面部222dの先端面222b側には、第1平面部222dに対して垂直に立ち上がる段差部222eが形成されており、段差部222eの上段には、第1平面部222dと平行な第2平面部222fが形成されている。
【0037】
マウント部材222の表面には、配線パターンP1〜P4が形成されている。配線パターンP1〜P4の基端部は、それぞれ第1平面部222d上の基端面222a側にY方向(光ファイバ202の長手方向に直交する方向)に沿って所定の間隔を空けて並べられ、ハンダ付け用のランドを形成している。配線パターンP1は、第1平面部222dから基端面222aの貫通孔222cの左下側の位置(
図7)に延びている。また、配線パターンP1の先端部は、貫通孔222cとの境界S付近で2軸アクチュエータ223のY軸用電極223Y’とハンダ付けされている。配線パターンP2は、第1平面部222dから基端面222aの貫通孔222cの左上側の位置(
図7)に延びている。また、配線パターンP2の先端部は、貫通孔222cとの境界S付近で2軸アクチュエータ223のX軸用電極223Xとハンダ付けされている。配線パターンP3は、第1平面部222dから基端面222aの貫通孔222cの右上側の位置(
図7)に延びている。また、配線パターンP3の先端部は、貫通孔222cとの境界S付近で2軸アクチュエータ223のY軸用電極223Yとハンダ付けされている。配線パターンP4は、第1平面部222dから基端面222aの貫通孔222cの右下側の位置(
図7)に延びている。また、配線パターンP4の先端部は、貫通孔222cとの境界S付近で2軸アクチュエータ223のX軸用電極223X’とハンダ付けされている。このように、2軸アクチュエータ223の各電極223X、223X’、223Y、223Y’は、マウント部材222の基端面222aで配線パターンP1〜P4に電気的に接続され、第1平面部222d上に引き出されている。
【0038】
また、マウント部材222の表面には、機能部品を搭載するための配線パターンP5〜P8が形成されており、各パターンの基端部は第1平面部222d上の先端面222b側に配置されている。配線パターンP6は、第1平面部222dから段差部222e、第2平面部222f、マウント部材222の円筒外周面を通り、先端面222bの上側に延びている(
図6)。また、配線パターンP7は、第1平面部222dから段差部222e、第2平面部222f、マウント部材222の円筒外周面を通り、先端面222bの上側に延びている(
図6)。配線パターンP6の先端部と配線パターンP7の先端部は、マウント部材222の先端面222b上で所定の間隔を空けて対向しており、サーミスタ225の端子がそれぞれハンダ付けされている。すなわち、サーミスタ225の端子は、配線パターンP6及びP7によって、第1平面部222d上に引き出されている。配線パターンP5及びP8は、それぞれ第1平面部222dからマウント部材222の円筒外周面を通り、先端面222bの下側に延びている(
図6)。配線パターンP5の先端部と配線パターンP8の先端部は、先端面222b上で所定の間隔を空けて対向しており、サーミスタ等の機能部品の端子をハンダ付けできるように構成されている。なお、本実施形態においては、配線パターンP5と配線パターンP8は、機能部品を搭載するための予備パターンであり、両パターン間に機能部品は搭載されていない。このように、マウント部材222に搭載される機能部品の各端子は、配線パターンP5〜P8の先端部で電気的に接続され、第1平面部222d上に引き出され、Y方向に沿って所定の間隔を空けて並べられている。そして、配線パターンP5〜P8の基端部は、第1平面部222d上でハンダ付け用のランドを形成している。
【0039】
このように、本実施形態のマウント部材222に形成された配線パターンP1〜P8は、2軸アクチュエータ223の各圧電アクチュエータの電極223X、223X’、223Y、223Y’及びマウント部材222に搭載される機能部品(サーミスタ225)の端子を第1平面部222d上に引き出している。従って、各圧電アクチュエータの電極223X、223X’、223Y、223Y’及び機能部品に必要な信号(及び電源)を供給するリード線212を第1平面部222d上に形成されたハンダ付け用の各ランドにハンダ付けすれば、2軸アクチュエータ223の各圧電アクチュエータの電極223X、223X’、223Y、223Y’と走査ドライバ210とが電気的に接続され、またマウント部材222に搭載された機能部品の端子がサブCPU206に電気的に接続される。このように、本実施形態によれば、従来のように、2軸アクチュエータ223の円筒外周面に90°毎に配置された各圧電アクチュエータの電極223X、223X’、223Y、223Y’に直接リード線をハンダ付けする必要がなく、第1平面部222d上でのみハンダ付けを行えばよくなるため、作業性が飛躍的に向上する。なお、
図6に示すように、本実施形態においては、第1平面部222d上に各リード線212をハンダ付けした場合に、隣接するリード線212同士が干渉しないように、第1平面部222dに配置された配線パターンP1〜P4の基端部と配線パターンP5〜P8の基端部は、互いに対向しないように配置されている。
図8は、各リード線212を配線パターンP1〜P8にハンダ付けした状態を示す図である。
図8に示すように、本実施形態の構成によれば、安定した位置(すなわち、第1平面部222d上に形成されたハンダ付け用のランド)でハンダ付けできるためリード線212の予長等を考慮せずともよい。従って、リード線212は、従来のように膨らみを持つこともなく、光ファイバ202の長手方向に沿って無理なく配置されるため、光ファイバ202の先端部周辺に無駄な空間が発生せず、光ファイバ202の先端部周辺をさらに細径化することが可能となる。
【0040】
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内において様々な変形が可能である。例えば、本実施形態においては、走査ドライバ210及びサブCPU206と、マウント部材222に形成された配線パターンP1〜P8とをリード線212によって接続する構成としたが、例えば、リード線212に代えて、フレキシブル基板で接続することも可能である。
図9は、走査ドライバ210及びサブCPU206と、マウント部材222に形成された配線パターンP1〜P8とをフレキシブル基板212Mを用いて接続する構成を示す図である。
図9(a)に示すように、フレキシブル基板212Mの先端部には、第1平面部222d上の配線パターンP1〜P8(すなわち、ハンダ付け用のランド)に対応するランドパターンが形成されている。そして、第1平面部222d上の配線パターンP1〜P8上にハンダペーストを塗布した上で、フレキシブル基板212Mの先端部を第1平面部222d上に配置し(
図9(b))、リフロー炉を通すことでハンダ付けを行うことができる。このような構成によれば、ハンダ付けの工程を自動化できる点で有効である。
【0041】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る光走査型内視鏡に内蔵されるマウント部材2220周辺の斜視図である。また、
図11は、本実施形態のマウント部材2220を基端面2220a側から見た斜視図である。本実施形態のマウント部材2220は、第1平面部2220dと第2平面部2220fとの間に、段差部2220gと、第3平面部2220hが形成されており、配線パターンP1〜P4の基端部が第1平面部2220dに形成され、配線パターンP5〜P8の基端部が第3平面部2220hに形成されている点で第1の実施形態のマウント部材222と異なる。すなわち、本実施形態においては、リード線212の配線が第1平面部2220dと第3平面部2220hの2段に分かれるため、隣接するリード線212の干渉が減り、ハンダ付け作業はさらに容易になる。また、第1の実施形態においては、隣接するリード線212が互いに干渉しないように配線パターンP1〜P4の基端部と配線パターンP5〜P8の基端部とが、互いに対向しないように配線したが、本実施形態においては、隣接するリード線212の干渉を考慮する必要がないため、配線パターンP1〜P4の基端部及び配線パターンP5〜P8の基端部は、第1平面部2220d及び第3平面部2220h上において、それぞれ等ピッチとなるように形成してもよい。このような構成によれば、第1の実施形態と比較して、ハンダ付け用の各ランド間を拡げることができるため、ハンダ付け作業はさらに容易になる。なお、本実施形態においては、リード線212の配線が第1平面部2220dと第3平面部2220hの2段に分かれるように構成したが、2段に限定されるものではなく、先端面2220b側から基端面2220a側に向かって階段状に高さが低くなるように、さらに多段の(複数の)平面を形成してもよい。この場合、配線パターンP1〜P4は、マウント部材2220の基端面2220a側に配線され、配線パターンP5〜P8は、マウント部材2220の先端面2220b側に配線されることから、配線パターンP1〜P4の基端部をマウント部材2220の基端面2220aに最も近い平面に配置し、配線パターンP5〜P8の基端部を配線パターンP1〜P4の基端部とは異なる平面(すなわち、先端面2220b側の平面)上に配置すると配線効率がよい。また、必ずしも配線パターンP1〜P4の基端部及び配線パターンP5〜P8の基端部を、それぞれ異なる同一平面上に配置する必要はなく、例えば、配線パターンP1〜P4の基端部を異なる平面上に分散して配置してもよい。