(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883810
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】プロゲストゲン及び/又はエストロゲン及び5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートを含んで成る医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20160301BHJP
A61K 31/4415 20060101ALI20160301BHJP
A61K 31/525 20060101ALI20160301BHJP
A61K 31/565 20060101ALI20160301BHJP
A61K 31/566 20060101ALI20160301BHJP
A61K 31/567 20060101ALI20160301BHJP
A61K 31/58 20060101ALI20160301BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20160301BHJP
A61P 15/18 20060101ALI20160301BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20160301BHJP
A61J 3/06 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K31/4415
A61K31/525
A61K31/565
A61K31/566
A61K31/567
A61K31/58
A61P15/00
A61P15/18
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61J3/06 A
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-29277(P2013-29277)
(22)【出願日】2013年2月18日
(62)【分割の表示】特願2008-510518(P2008-510518)の分割
【原出願日】2006年5月15日
(65)【公開番号】特開2013-166753(P2013-166753A)
(43)【公開日】2013年8月29日
【審査請求日】2013年3月4日
(31)【優先権主張番号】102005023301.5
(32)【優先日】2005年5月13日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102006016285.4
(32)【優先日】2006年4月3日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512137348
【氏名又は名称】バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Bayer Intellectual Property GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(73)【特許権者】
【識別番号】513039311
【氏名又は名称】メルク エ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ストロートマン,カイ
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ガビン ウェルチ
(72)【発明者】
【氏名】キング,クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】モザー,ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】ピートルツィック,クラウス
【審査官】
磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第03/070255(WO,A1)
【文献】
特表2002−527484(JP,A)
【文献】
特表2001−522798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/519
A61J 3/06
A61K 31/4415
A61K 31/525
A61K 31/565
A61K 31/566
A61K 31/567
A61K 31/58
A61P 15/00
A61P 15/18
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
造粒工程を含む医薬の製剤化方法において、
当該医薬が、
0.4〜1mgの日用量の5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩、及び更にエストロゲン及び/又はプロゲストゲン;
任意には、ビタミンB6及び/又はビタミンB2;並びに
医薬として許容される賦形剤/キャリアー;
を含んで成り、該医薬はビタミンB12を含まず、そして
前記5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩を造粒後にのみ添加することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記医薬が、エチニルエストラジオール、メストラノール、キニンエストラノール、エストラジオール、エストロン、エストリオール、エステトロール及び接合ウマエストロゲンから成る群から選択される、1又は複数のエストロゲンを含んでなる、請求項1に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項3】
レボノルゲストレル、ノルゲスチメート、ノルエチステロン、ジドロゲステロン、ドロスピレノン、3−β−ヒドロキシデソゲストレル、3−ケトデソゲストレル(=エトノゲストレル)、17-デアセチルノルゲスチメート、19-ノルプロゲステロン、アセトキシプレグネノロン、アリルエストレノール、アムゲストン、クロルマジノン、シプロテロン、デメゲストン、デソゲストレル、ジエノゲスト、ジヒドロゲステロン、ジメチステロン、エチステロン、二酢酸エチノジオール、酢酸フルオロゲストン、ガストリノン、ゲストデン、ゲストリノン、ヒドロキシメチルプロゲステロン、ヒドロキシプロゲステロン、リネストレノール(=リノエストレノール)、メシロゲストン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メレンゲストロール、ノメゲストロール、ノルエチンドロン、(=ノレチステロン)、ノルエチノドレル、ノルゲストレル(d−ノルゲストレル及びdl−ノルゲストレルを包含する)、ノルゲストリエノン、ノルメチステロン、プロゲステロン、キンゲスタノール、(17α)−17−ヒドロキシ−11−メチレン−19−ノルプレグナ−4,14−ジエン−20−イン−3−オン、チボロン、トリメゲストン、アルゲストンアセトフェニド、ネストロン、プロメゲストン、17−ヒドロキシプロゲステロンエステル、19−ノル−17ヒドロキシプロゲステロン、17α−エチニルテストステロン、17α−エチニル−19−ノルテストステロン、d−17β−アセトキシ−13β−エチル−17α−エチニルゴン−4−エン−3−オンオキシム又はタナプロゲットから成る群から選択される少なくとも1つのプロゲストゲンを含んで成る、請求項1に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項4】
前記医薬が、5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸の結晶性カルシウム塩を含んで成る、請求項1に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項5】
前記医薬が、5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩、ドロスピレノン及びエチニルエストラジオールを含んで成る、請求項1に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項6】
前記医薬が、451μgの日用量の5−メチル(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩を含んで成る、請求項5に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項7】
前記医薬が、3mgの日用量のドロスピレノンを含んで成る、請求項5に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項8】
前記医薬が、10〜50μgの日用量のエチニルエストラジオールを含んで成る、請求項5に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項9】
前記医薬が、10〜30μgの日用量のエチニルエストラジオールを含んで成る、請求項5に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項10】
前記医薬が、20μgの日用量のエチニルエストラジオールを含んで成る、請求項5に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項11】
前記医薬が、30μgの日用量のエチニルエストラジオールを含んで成る、請求項5に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項12】
前記医薬が、
451μgの日用量の5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩、
3mgの日用量のドロスピレノン、及び
20μgの日用量のエチニルエストラジオール、
を含んで成る、請求項5に記載の医薬の製剤化方法。
【請求項13】
前記医薬が、
451μgの日用量の5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩、
3mgの日用量のドロスピレノン、及び
30μgの日用量のエチニルエストラジオール、
を含んで成る、請求項5に記載の医薬の製剤化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロゲストロゲン、エストロゲン及び5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートを含んで成り、経口避妊薬として使用され得、そしてさらに、ビタミンB
12欠乏の徴候を、同時に遮断しないで、フォレート欠乏により引起される障害及び異常を予防する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
受精能調節の分野において活動的な薬剤会社は、入手できる避妊薬を改良するために常に努力をしている。新規物質を開発することにより避妊信頼性を高めるのみならず、改良された使用便利性を高めることが本明細書に包含される。一方では、避妊及び疾病の予防を組合すことへの革新的アプローチがまた、追求されている。
【0003】
多くの疾病は、フォレート欠乏に関連しているものとして見なされる。従って、例えば葉酸の形でのフォレートの投与は、心血管障害及び一定の悪性障害(例えば、乳癌又は結腸癌)の危険性を最少にすることができる。
【0004】
おなかの中の子供の成長の欠陥は、子供を生む年齢の女性におけるフォレート欠乏の特に重大な結果である。従って、低いフォレートレベルの女性は、十分に高いフォレートレベルを有するそれらの女性に比較して、先天性異常、例えば神経管、心室弁及び生殖器欠陥を有する子供の誕生の危険性を高める。
【0005】
神経管欠陥は、中枢神経系の最も共通する先天性異常である。それらは、胚成長の約第3〜第4週での神経管の不完全な閉鎖を通して発生する。神経管欠陥は、脳の領域の部分的又は完全な不在により特徴づけられる、二分脊椎(多くの場合、髄膜瘤又は髄膜脊髄瘤を伴う)、脳ヘルニア及び無脳症を包含する。無脳症を有する子供は、実質的に生存することはできない。
【0006】
二分脊椎は、椎弓の不完全な閉鎖により識別される。その結果は、損傷の性質に依存して、種々の知覚欠損(又は運動欠損)の形での一生の疾病であり、従って、例えば子供及び成人の2/3が筋肉麻痺のために車椅子に依存している。治療は、欠損の被覆、CSFを排出するためにシャントの固定、及び長い整形外科的及び神経学的リハビリでーションを必要とする。医薬的処理の費用は、子供あたり平均約500,000ユーロである。
【0007】
世界中に、神経管欠陥を有する約250,000人の新生児が存在すると思われる。ドイツ及びアメリカ合衆国における新生児障害の割合は、1000人の誕生当たり約1〜2人である。ドイツにおいては、毎年約500人の乳児が神経管欠陥を持って生存しており、そしてさらに500人の妊婦が出生前超音波診断に基づいて人工的に出産されてきた。
【0008】
受胎の時点での及び妊娠の初期における十分に高いフォレートレベルは、神経管欠陥を回避するために決定的である。少なくとも906nモル/lの赤血球フォレートレベルが一般的に、神経管欠陥の頻度を低めるために所望のものとして見なされる。
【0009】
受胎の正しい時点で葉酸の摂取が神経管欠陥を50〜70%低めることが知られている。アメリカ合衆国において実施される食品の葉酸強化が神経管欠陥の発生率をすでに著しく低めており;カナダ及びチリにおいては、実施、50%以上、低められている。
【0010】
しかしながら、ドイツにおける食品の自発的強化、及び葉酸製品の摂取の両者は、子供を生む年齢のすべての女性を十分な程度まで到達さし得ない。最初に、多くの女性は、神経管欠陥の危険性、及び葉酸の摂取による対応する危険性を低める可能性を気づいていない。従って、多くの国々においては、彼女らの10%よりもかなり低い割合しか、受胎の時期あたりで葉酸製品を摂取していない。ますます使用するのに容易になっている避妊の近代的方法にもかかわらず、多数の妊娠(アメリカ合衆国においては、50%までと推定される(Inst, of Medicine 1998, NEJM 2004))が非計画的であり、その結果、受胎の前、葉酸製品の意図的な摂取が着手から除外されている。さらに、例えばアメリカ合衆国においては、使用者の5〜8%が経口避妊薬を信頼して摂取していない。
【0011】
従って、アメリカ特許第6,190,693号(Kafrissenなど.)が基本とする目的は、避妊薬の消費者において、葉酸により処理され得る一定の障害を予防するためであった。Kafrissenは、経口避妊薬に葉酸を添加することにより、この目的を達成した。彼は、避妊活性を有する従来の物質及び葉酸の両者を含んで成る医薬組成物の使用による葉酸を投与するための方法を開示した。
【0012】
しかしながら、経口避妊薬自体への葉酸の導入は、それがまだ処理できる初期徴候を隠すので、ビタミンB
12欠乏の重度の健康危険性、例えば巨大赤芽球性貧血を包含する。これは、ビタミンB
12欠乏により引起される血液学的徴候が、ビタミンB
12欠乏がすべてではないが、高い困難性を伴ってのみ検出され得、そして結果的に、診断され得ない追加のフォレート投与により、十分に処理され得るからである。次に、しかしながら、神経精神医学的徴候、例えば感覚異常及び失調が未処理のまま存続し、そして不可逆的に、悪化する。
【0013】
従って、特許出願WO03/070255号(Coelingh Bennink)が基本とする目的は、葉酸−含有経口妊娠薬の消費者においてビタミンB
12欠乏の徴候のマスキングから発生する健康危険性を回避することであった。Coelingh Benninkは、経口避妊薬にビタミンB
12を添加することにより、この目的を達成する。彼は、エストロゲン及び/又はプロゲストゲン、テトラヒドロフォレート及び必須には、ビタミンB
12を含んで成る経口ホルモン避妊のためのキットを開示する。
【0014】
5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートを含まない、葉酸及びテトラヒドロフォレート製品の投与に関連する追加の問題は、白人の人口の約55%でヘテロ接合性であり、そして約10〜15%でホモ接合性であるメチレンテトラヒドロフォレートレダクターゼ(MTHFR C677T)の多形現象である。この多形現象は、メチレンテトラヒドロフォレートレダクターゼの低められた活性を導き、その結果、影響される女性は、供給されるフォレート及びテトラヒドロフォレートを、身体において活性的である5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートに十分に代謝することができない。この多形現象は、フォレート欠乏により引起される障害、特に神経管欠陥のための認識される危険因子である。
【0015】
困難性を引起す、さらなる問題は、葉酸が、天然において食品に存在しない物質である。生物学的に活性であるためには、それは、最初に、酵素ジヒドロフォレートレダクターゼにより7,8−ジヒドロフォレート及び(6S)−テトラヒドロフォレートに代謝的に転換されるべきである。プロビタミン葉酸のその活性的な還元形への転換のための代謝能力、特に最初の活性化段階は制限され、そしてさらに、個人から個人に非常に変化する。酵素ジヒドロフォレートレダクターゼはメタフォリンの代謝において役割を演じないので、ジヒドロフォレートレダクターゼ、例えばメトトレキセートを阻害する薬剤とジヒドロフォレートレダクターゼとの間の相互作用は予測されない。
【0016】
メチレンテトラヒドロフォレートレダクターゼ欠乏の女性へのフォレートの適切な供給を提供するために、EP0898965号(Muller など.)は、規定食サプリメントとして又は薬剤の成分として、5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸又は適切な医薬的に許容できるその塩の使用を提案している。EP1044975A1は、中でも、5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸の安定した結晶性塩、及びそれらの調製方法を開示している。
【0017】
高い割合の妊娠が、避妊の中断の後、すぐに生じることが知られている(Farrow など., Human Reproduction Vol. 17, No, 10, S. 2754 - 2761 , 2002)。投与が不規則で且つ信頼できない場合、妊娠は摂取の間でさえ生じることができる。同様に、追加のフォレート投与の停止の後でさえ、個人はさらなる90日又はそれぐらいの間、それから有益になることが知られている(FDA Advisory Committee for Reproductive Health Drugs (ACRHD):葉酸及び経口避妊薬の単一の組合せ製品への組合せに関連する、安全性及び可能性ある臨床学的有益性を包含する公的健康発行物;12月15日、2003年;Summary Minutes, Question 4)。しかしながら、葉酸が十分に長い期間で、通常の規定食の他に、十分に多量に取られることが、このための前提条件である。この、いわゆる組織でデポット効果が、赤血球において高められたフォレートを通して見出され得る。
【0018】
低いフォレート/高いホモシステインレベルが多数の自然流産に関連していることが、さらに知られている(Merlenなど., Obstet, et Gynecol. 2000, 95: S. 519 - 524)。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、フォレート欠乏により引起される疾病を予防できるけれども、同時に、ビタミンB
12欠乏の徴候をマスキングできない経口避妊薬の生成の目的に基づかれる。本発明はさらに、本発明の医薬組成物の消費者が、フォレート欠乏により引起される障害又は異常、特に神経管欠陥から、中断の後、一定の時間、信頼を持って保護されることを確証する投与レジメを開示する目的に基づかれている。それらの両者はまた、身体による葉酸の利用能力及び従って、神経管欠陥を予防するためのその生物学的活性に悪影響を及ぼす、使用者におけるメチレンテトラヒドロフォレートレダクターゼのホモ接合又はへテロ接合多形現象の場合に適用できる。
【0020】
前記目的は、1又は複数のプロゲストゲン及び/又はエストロゲン、及び5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート、及び医薬的に許容できる賦形剤及びキャリヤーを含んで成る医薬組成物により、本発明に従って達成される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、フォレート欠乏により引起される障害の処理及び予防が5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートのみの投与により、ビタミンB
12欠乏の徴候をマスキングしないでさえ可能である、WO03/070255号に関して驚くべき実現に基づかれている。従って、ビタミンB
12の投与は、WO03/070255号に記載される健康危険性を回避するために、もはや必要でない。5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートの投与にかかわらず、医者は診断することができ、そして適切な場合、ビタミンB
12欠乏を処理することができる。
【0023】
存在するビタミンB
12欠乏の場合、もちろんビタミンB
12をさらに投与することは可能である。追加のビタミン、例えばビタミンB
6又はビタミンB
2の添加は、任意には可能である。本発明はさらに、フォレート又は他のテトラヒドロフォレートの投与とは異なって、避妊薬への5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートのみの使用が、メチレンテトラヒドロフォレートレダクターゼのホモ接合又はヘテロ接合多形現象の場合でさえ、身体によるフォレート成分の制限のない及び適切な利用性、及び従って、フォレート欠乏により引起される先天性異常を予防するためのその生物学的活性を可能にする、WO03/070255号に関する驚くべき現実に基づかれている。
【0024】
5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートは、5,10−メチレン−(6R)−テトラヒドロフォレートから代謝的に合成される(
図1を参照のこと)。この生化学的反応は、種々の遺伝子突然変異が知られている(それらのいくつかは、制限された生物学的活性(MTHFRC677T多形現象)により明白である)、酵素メチレンテトラヒドロフォレートレダクターゼ(MTHFR)により触媒される。5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートは、酵素メチオニンシンターゼ(MS)により触媒される追加の段階において、テトラヒドロフォレートに転換される。これは、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートの5−メチル基のアミノ酸ホモシステイン(Hcy)への移行を必要とし、従って後者は、アミノ酸メチルニン(Met)に転換される。
【0025】
このビタミンB
12依存性反応はまた、ホモシステイン代謝においては、ホモシステインメチル化として言及される。5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートは、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートがホモシステインメチル化反応によってのみテトラヒドロフォレートに転換されるので、還元されたフォレートの基における特定の位置を占める。テトラヒドロフォレートは、種々の酸化状態の1つの炭素ユニットのための実際的なキャリヤー分子である。代謝においては、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートは、5,10−メチレン−(6S)−テトラヒドロフォレートからのみ合成され得、そしてテトラヒドロフォレートへの転換においてのみ、さらに代謝され得る。
【0026】
最初の酵素反応(MTHFR)は、生理学的条件下で不可逆的であり、そして第2の酵素反応(MS)は、ビタミンB
12依存性であり、これは、ビタミンB
12欠乏が存在する場合、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートが蓄積し、そしてさらに代謝され得ないことを意味する。この現象はまた、メチルトラップとしても知られている。いずれか他の酸化された及び還元されたフォレート、例えば葉酸、7,8−ジヒドロフォレート、(6S)−テトラヒドロフォレート、5−ホルミル−(6S)−テトラヒドロフォレート、10−ホルミル−(6S)−テトラヒドロフォレート、5,10−メテニル−(6R)−テトラヒドロフォレート、5,10−メチレン−(6R)−テトラヒドロフォレート、5−ホルムイミノ−(6S)−テトラヒドロフォレートではなく、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートのみが、この特定の性質を示す。5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートは、ビタミンB
12欠乏をマスキングしない唯一の天然に存在するフォレートである。これは、経口避妊薬と組合しての5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートの使用において特に重要なものであり、そして本発明の観点である。
【0027】
本発明の医薬組成物に使用され得るプロゲストゲンは、次の物質である:レボノルゲストレル、ノルゲスチメート、ノルエチステロン、ジドロゲステロン、ドロスピレノン、3−β−ヒドロキシデソゲストレル、3−ケトデソゲストレル(=エトノゲストレル)、17-デアセチルノルゲスチメート、19-ノルプロゲステロン、アセトキシプレグネノロン、アリルエストレノール、アムゲストン、クロルマジノン、シプロテロン、デメゲストン、デソゲストレル、ジエノゲスト、ジヒドロゲステロン、
ジメチステロン、エチステロン、二酢酸エチノジオール、酢酸フルオロゲストン、ガストリノン、ゲストデン、ゲストリノン、ヒドロキシメチルプロゲステロン、ヒドロキシプロゲステロン、リネストレノール(=リノエストレノール)、メシロゲストン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メレンゲストロール、ノメゲストロール、ノルエチンドロン、(=ノレチステロン)、
ノルエチノドレル、ノルゲストレル(d−ノルゲストレル及びdl−ノルゲストレルを包含する)、ノルゲストリエノン、ノルメチステロン、プロゲステロン、キンゲスタノール、(17α)−17−ヒドロキシ−11−メチレン−19−ノルプレグナ−4,14−ジエン−20−イン−3−オン、チボロン、トリメゲストン、
アルゲストンアセトフェニド、ネストロン、プロメゲストン、17−ヒドロキシプロゲステロンエステル、19−ノル−17ヒドロキシプロゲステロン、17α−エチニルテストステロン、17α−エチニル−19−ノルテストステロン、d−17β−アセトキシ−13β−エチル−17α−エチニルゴン−4−エン−3−オンオキシム又はWO00/66570号に開示される化合物、特にタナプロゲット。レボノルゲストレル、ノルゲスチメート、ノルエチステロン、ドロスピレノン、ジヒドロゲステロンが好ましい。ドロスピレノンが特に好ましい。
【0028】
適切なエストロゲンは、エチニルエストラジオール、メストラノール、キネストラノール、エストラジオール、エストロン、エストラン、エストリオール、エステロール及び接合ウマエストロゲンである。これに関しては、エチニルエストラジオール、エストラジオール及びメストラノールが好ましく、そしてエチニルエストラジオールが特に好ましい。
【0029】
それぞれのプロゲストゲン及び/又はエストロゲンの本発明に従って使用される量は、避妊薬において通常知られている量に対応する。
それらの量は、通常、下記に言及されるプロゲストゲンについてである:
ドロスピレノン 0.5-5mg
レボノルゲストレル 30-250μg
ノルゲスチメート 180-250μg
酢酸ノルエチステロン 0.5-1mg
酢酸シプロテロン 1-2mg
デソゲストレル 20-150μg
ジエノゲスト 2-3mg
ゲストデン 60-75μg
チボロン 2.5mg
【0030】
本発明に従って、個々の日に投与される好ましい量は例えば、0.5〜5mg、特に好ましくは、3mgのドロスピレノンである。
本発明に従って使用されるエストロゲンの量は、下記に言及されるエストロゲンについてである:
エチルエストラジオール 10-50μg
エストラジオール 1-4mg
メストラノール 50μg
【0031】
本発明に従っての個々の日に投与される好ましい量は例えば、10〜50μg、特に好ましくは10〜30μg、非常に特に好ましくは20〜30μgのエチニルエストラジオールである。
本発明に従っての形での5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートは、遊離酸形及び医薬的に許容できる塩、及び5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸(N−[4−[[(2−アミノ−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−4−オキソ−5−メチル−(6S)−プテリジニル)メチル]アミノ]ベンゾイル]−L−グルタミン酸)の変性を意味する。
【0032】
医薬的に許容できる塩は、薬理学的に及び医薬的に許容できるものとして意図される。そのような薬理学的に及び医薬的に許容できる塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、好ましくはナトリウム、カリウム、マグネシウム又はカルシウム塩であり得る。カルシウム塩が特に好ましい。
【0033】
5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸(メタフォリン)の、本発明に従って特に好ましいカルシウム塩の使用される量は、0.1〜10mg、好ましくは0.4〜1mg、特に好ましくは451μg(400μgの葉酸又は416μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸に等しい)である。
EP1044975号に開示される結晶性変性は好ましくは、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートの変性として使用される。
【0034】
任意には、ビタミンB
6又はビタミンB
2の存在が可能である。しかしながら、対応する添加は、本発明を実施するためには不必要である。ビタミンB
6は、通常に投与される使用に基づいて、1日当たり、1mg〜5mg、好ましくは1mg〜3mgの用量で使用され得る。ビタミンB
2は、通常に投与される使用に基づいて、1日当たり、1mg〜5mg、好ましくは1mg〜2mgの用量で、及び高く投与される使用に基づいて、1日当たり2〜5mgの用量で使用され得る。
【0035】
プロゲストゲン及び/又はエストロゲンは、この場合、避妊効能を有する物質である。5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートは、存在し得るビタミンB
12欠乏の徴候を、同時にマスキングしないで、フォレート欠乏により引起される障害及び異常を予防するために、ビタミンとして添加される。さらに、それらの還元されたMTHFR酵素活性(MTHFR C677T多形現象)のために、葉酸のみならず、また還元されたフォレートをまた、制限代謝できるそれらの女性はまた、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートから利益を得る。
【0036】
本発明の好ましい変異体においては、個々の日に投与されるドロスピレノンの量は、0.5〜5mg、好ましくは3mgであり、エチニルエストラジオールの量は、10〜50μg、好ましくは10〜30μg、特に好ましくは20〜30μgである。5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩は、本発明のこの好ましい変異体において、0.1〜10mg、好ましくは0.4〜1mg、特に好ましくは451μg(400μgの葉酸に等しい)の量で存在する。
【0037】
新規医薬組成物に基づいての医薬製品の形成は、医薬技法に使用される、キャリヤー物質、充填剤、砕解に影響を及ぼす物質、結合剤、保湿剤、滑剤、吸収剤、希釈剤、マスキング風味剤、着色剤及び同様のものにより活性成分を処理し、そして遅延性形を包含する所望する投与形に転換することにより、それ自体既知の態様で行われる。
【0038】
本発明の薬剤においては、エストロゲン及びプロゲストゲン、並びに5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートがジョイント用量単位に存在することが可能である。しかしながら、一方では、プロゲストゲンと共にエストロゲン、及び他方では、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートがまた、別々の用量単位に配合され得る。
【0039】
ビタミンB
12及び5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートの両者は、大気中の酸素及び湿度の存在下で不安定である。エチニルエストラジオール及びビタミンB
12を一緒に配合する試みに基づいて、それらの2種の物質はお互い不相溶性であることが見出された。意図される配合成分間での不相溶性の測定が、熱分析方法(DSC、示差走査熱量法)により実施された。これは、低いエンタルピーの融合及び溶融温度を通しての不相溶性の認識を可能にする。それらは例えば、結晶性物質の低められた割合及び不純物の上昇により引起される。決定においては、個々の場合、ビタミンB
12と、賦形剤又は活性成分との二成分混合物が調べられ、そして相溶性が種々のガス及び温度の影響下で試験された。ビタミンB
12は、記載される調査においてエチニルエストラジオールとの強い相互作用を示した。不相溶性の測定の結果が表1に見出され得る。
【0041】
ポリビニルピロリドン(PVP)は、ホルモン配合物に対するその湿潤性質のために、特に適切である(Moneghini など., Int J Pharm 175, 1998, 177 - 183)。しかしながら、PVPと5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートとの配合は、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートの分解速度を早める(表2及び3;工程3を比較のこと)。
【0042】
従って、本出願が基本とし、そして本発明により達成される追加の目的は、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート及び任意には、可能なビタミンB
12の存在下でエチニルエストラジオールの安定した配合物を製造することである。
エチニルエストラジオールとビタミンB
12との間の不相溶性が驚くべきことには、エチニルエストラジオール−β−シクロデキストリン複合体として配合物にエチニルエストラジオールを用いることにより妨げられ得ることが見出された(β−シクロデキストリン包接体としてのエチニルエストラジオール;調製に関しては、WO02/49675号を比較すること)。
【0043】
本発明の対応する配合物は、例1に記載されている(組成物A, B及びDを比較すること)。
それらは中でも、トウモロコシ澱粉及び変性されたトウモロコシ澱粉の混合物を含んで成る。澱粉は、アミロース及びアミロペクチンから成る。両者は、α−グルコース単位に基づいて多糖類である。しかしながら、医薬配合物におけるトウモロコシ澱粉の代わりに、例えば米澱粉、ジャガイモ澱粉又は小麦澱粉を使用することがまた可能である。前記澱粉は、結合液体又は固体として膨張され、懸濁され又は溶解されて使用される。それは、変性されていないか、又は一部変性され得る。好ましくは、本発明に従って使用されるトウモロコシ澱粉は、実験式(C
6H
10O
5)n(n=300〜1000)を有する。その分子量は、50,000〜160,000である。
【0044】
医薬配合物に使用される澱粉は、一部のみ、純粋な充填剤として作用する。他方では、それは結合剤として使用される。錠剤重量の1〜5%、好ましくは1.8〜3%が、トウモロコシ澱粉の形で結合剤として、本発明に従って添加される。トウモロコシ澱粉の他に、澱粉、澱粉化合物、例えばマルトデキストリン又はセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はメチルセルロースを、結合剤として使用することもまた可能である。低置換セルロース誘導体を用いることが、本発明に従って好ましい。それらは、2%水溶液において、1〜20mPasの粘度を有する。2〜20mPasの粘度を有する誘導体が本発明に従って好ましく、そして3〜6mPasの粘度を有するそれらの誘導体が特に好ましい。
【0045】
本発明の好ましい配合物に使用されるトウモロコシ澱粉の一部は、0.5〜5%(w/w)、好ましくは1〜3%(w/w)、特に好ましくは2%(w/w)の濃度で低置換ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)により置換され得る。本発明の場合、ヒドロキシプロピルセルロースは、5%〜16%のそのヒドロキシル基がエステル化又はエーテル化される場合、低置換を有する。
【0046】
表2は、調製の直後に使用される結合剤の関数として100%の特定される含有率に基づいて、%での錠剤当たりの5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート含有率を示す。示される5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート含有率は、含有率均質性試験(CUT)により測定された。調べられる配合物は、成分を混合し、結合剤として使用されるトウモロコシ澱粉の一部と共に粒質化し、粒質化工程の完結の後、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートを吸収し、再混合し、そして錠剤化することにより調製された(工程2)。それらとの比較により、ポリビニルピロリドンが、工程3により配合物に、トウモロコシ澱粉の代わりに、結合剤として添加された。工程3により調製された配合物における5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート含有率はより低い。
【0048】
表3は、定義される温度及び湿度での1ヶ月間の貯蔵の後、使用される結合剤の関数としての5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート含有率を示す。低い安定性であるPVPと共に配合された5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートについての表2から明白な傾向が、40℃及び75%の相対湿度(rH)での条件下での貯蔵に基づいて確かめられる。
【0050】
経口配合物は通常、造粒、錠剤化及びフィルム−被覆により調製される。しかしながら、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートは、酸素及び湿気に対するその敏感性のために、造粒の間でさえ、分解される。しかしながら、貯蔵の間、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートのさらなる分解が特に注目すべきである。通常通りに、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートを含む、薬剤のすべての成分がまず混合され、そして次に、単に造粒される配合においては、密閉されたバイアルにおける40℃及び75%の相対湿度での1ヶ月間の貯蔵の後に残存する残留物は、最初に使用された5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートのわずか60%(表5を比較のこと)であった。
【0051】
造粒工程の間の損失は造粒工程の完結の後でのみ、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートを吸収することにより低められ得る。従って、調製の間の乾燥混合が、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートの安定化を導く。しかしながら、さらに、これは驚くべきことには、貯蔵の間、さらなる安定化の効果を有する。後での吸収により調製される配合物における5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート含有率は、同一の条件下で同一の貯蔵時間の場合、90%以上である(表5を比較のこと)。
【0052】
表4は、調製の直後、使用される調製工程の関数としての%での錠剤当たりの5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート含有率を示す。工程1と工程2との間の差異は、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートが、調べられる錠剤の調製の間、添加される時点に由来する。工程1においては、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートは、造粒の間でさえ混合物に存在し、そして工程2においては、それは造粒の後でのみ、吸収された。工程1により調製される配合物における5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート含有率は明らかに低い。
【0054】
表5は、定義される温度及び湿度での1ヶ月間の貯蔵の後、使用される調製工程の関数としての5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート含有率を示す。低い安定性である造粒の前、添加される5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートについての表4から明白な傾向が、40℃及び75%の相対湿度(rH)での条件下での貯蔵に基づいて確かめられる。
【0056】
開放が、造粒の場合においてよりも乾燥混合により、よりゆっくり生じることは知られている。しかしながら、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートの乾燥混合は開放を遅延しないが、しかし実際、それを促進することが、驚くべきことには見出された。このためには、錠剤は、0.03%のアスコルビン酸水溶液において50rpm及び37℃で、USP櫂装置を用いてインビトロ溶解試験により調査された。表6は、そのインビトロ溶解試験の結果を示す。
【0058】
1日当たり451μgの特に好ましい用量の5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩を含む本発明の医薬組成物の規則的摂取は、定常状態に達するまで、血清及び赤血球におけるフォレート濃度の上昇を導く。その対応する赤血球フォレート侵入運動学が、6〜10週の半減期により記載されている。この半減期に基づけば、約97%の定常状態赤血球フォレートレベルが、約5半減期(約30〜50週に対応する)の後、達成することが予測され得る。本発明に医薬組成物の毎日の摂取がつづけられる場合、赤血球フォレートレベルは定常状態濃度の領域に存続する。本発明の医薬組成物の中断の後、赤血球フォレートレベルは、神経管欠陥を予防するのに十分であるもとして一般的に見なされる906nモル/l限界以上の範囲で、数週間、本発明の医薬組成物のさらなる連続した摂取を伴わないでされ存続する。従って、本発明の生成物は、フォレート欠乏により引起される障害及びフォレート欠乏により引起される先天性異常の危険性の低下を、本発明の薬剤(“ピル”)の長期摂取の停止の後でされ、保証する。
【0059】
これまでの長期及び連続したこの薬剤の摂取の停止の後、少なくとも8週間、フォレート欠乏により引起される障害及びフォレート欠乏により引起される先天性異常の危険性を低めるための薬剤を生成するためへの、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート、1又は複数のエストロゲン及び/又はプロゲストゲン、及び任意にはビタミンB
6及び/又はビタミンB
2、及び医薬的に許容できる賦形剤及びキャリヤーの使用はまた、本発明の態様である。
【0060】
同様に、本発明によれば、本発明の薬剤を含んで成る、少なくとも20の日用量単位、及び5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレート及び任意にはビタミンB
6及び/又はビタミンB
2を含んで成る、少なくとも1つの日用量単位を含んで成るキットに関し、ここで前記キットの存在するすべての用量単位の数が少なくとも28であり、そして前記用量単位は、最初、本発明の薬剤を含んで成る用量単位、及び続いて、エストロゲンもプロゲストゲンも含まない用量単位が取られるよう配置される。5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートについての本発明の薬剤を含んで成る、最初に言及された少なくとも20の日用量単位の場合、別々に配合され、そして両用量単位のジョイント摂取がこの傾向からの明白である追加の用量単位として空間的に分配されることもまた可能である。
【0061】
異なったキットについての本発明のさらなる開発は、請求項18〜22, 38, 39及び40に記載のように表される。
【0062】
本発明の薬剤がいわゆる拡張されたレジメにより投与されることはまた、特に請求項43〜50に記載に従って可能である。これは、28日以上の間、薬剤の連続した投与を意味し、この拡張された使用サイクルは、5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートを独占的に含んで成る用量単位の1〜7日間の投与により、又は1〜7のプラシーボ(活性剤の用量単位)又は1〜7のブランクピル(いずれの用量単位の投与もなし)の摂取により完結される。
次の例は、本発明の対象物質を、より詳細に説明するよう作用するが、但し本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0063】
例1:
本発明の錠剤(80mg)の組成が表7に見出され得る。
【0064】
【表7】
【0065】
*:任意には、エチニルエストラジオール−β−シクロデキストリン複合体として;言及される量は、この場合、複合体化されていないエチニルエストラジオールを意味する。エチニルエストラジオール−β−シクロデキストリン複合体が使用される場合、約10倍の前記量が使用される。これは、β−シクロデキストリン複合体におけるエチニルエストラジオール含有率が約9.5〜12.5%である理由からである(WO02/49675号を比較すること)。
【0066】
**:**により同定されるトウモロコシ澱粉の一部が、他の結合剤、例えば1.6mgの低置換ヒドロキシプロピルセルロースにより置換され得る。
***:結合剤として使用されるトウモロコシ沈殿**の量はまた、例えば1.8mgであり得る。
経口配合物を、上記成分を混合し、結合剤として使用されるトウモロコシ澱粉の一部と共に造粒し、造粒工程の完結の後、5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩を吸収し、再混合し、錠剤化し、そしてフィルム被膜することにより生成する。
【0067】
例2:
血液を、子供を生む年齢の80人の健康な若い女性から8週間隔で採血し、そして赤血球フォレートレベルを、確認された微生物学的、免疫学的又は手段的(例えば、HPLC、LC−MS/MS)方法又はそれらの方法の適切な組合せを用いて、決定する。
【0068】
最初の血液サンプリングの8週間後(スクリーニング相)、451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩を個々の日、40週間にわたって投与し、
あるいは:
3mgのドロスピレノン、30μgのエチニルエストラジオール及び451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩を、それぞれのサイクルの最初の21日の個々で同時に投与する(例1における組成物Aの錠剤)。451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩の投与を、それに続く直後の相において7日間、続ける(組成物C)。3mgのドロスピレノン、30μgのエチニルエストラジオール及び451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩(組成物A)を再び、さらに21日間、投与し(第2サイクル)、そしてわずか451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩(組成物C)を、追加の7日間、及び同様にして投与する(薬剤相)。
【0069】
5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートを、48週の後、もはや投与しない。他方では、ドロスピレノン及びエチニルエストラジオールをさらに、追加の40週の間、投与し、又は同時に、中断することができる。
最後の血液サンプルを、88週の後、採取する。ドロップアウト率は、研究の長期性質のために、50%まであり得る。
【0070】
例3:
血液を、子供を生む年齢の80人の健康な若い女性から8週間隔で採血し、そして赤血球フォレートレベルを、確認された微生物学的、免疫学的又は手段的(例えば、HPLC、LC−MS/MS)方法又はそれらの方法の適切な組合せを用いて、決定する。
【0071】
最初の血液サンプリングの8週後、3mgのドロスピレノン、20μgのエチニルエストラジオール及び451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩(組成物B)を、それぞれのサイクルの最初の24日の個々で同時に40週間、投与する。451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩の投与を、それに続く直後の相において7日間、続ける(組成物C)。3mgのドロスピレノン、20μgのエチニルエストラジオール及び451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩(組成物B)を再び、さらに21日間、投与し(第2サイクル)、そしてわずか451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩(組成物C)を、追加の7日間、及び同様にして投与する(薬剤相)。
【0072】
5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートを、48週の後、もはや投与しない。他方では、ドロスピレノン及びエチニルエストラジオールをさらに、追加の40週の間、投与し、又は同時に、中断することができる。
最後の血液サンプルを、88週の後、採取する。ドロップアウト率は、研究の長期性質のために、50%まであり得る。
【0073】
対象における初期赤血球フォレートレベルは、食事環境に依存して、約500〜700nモル/lである。この値は、食事環境を同じに存続しながら、次の日、本発明の医薬組成物の投与に基づいて上昇し、そしてわずか6〜8週後、すなわち第2サイクルの後、約906nモル/lの値に達する。食事環境は同じに存続しながら、少なくとも30週間の連続投与の後(半減期の下限の5倍に対応する)、赤血球フォレートレベルは、約1200〜1600nモル/lに達する(定常状態)。5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートの投与の停止の後、赤血球フォレートレベルは連続して低下する。1400nモル/lの平均定常状態濃度から出発して、及び同じ条件で存続する食事環境を伴って、赤血球フォレートレベルには、906nモル/l以下に低下することが予測され、そして従って、赤血球における最小濃度が一般的に、本発明の医薬阻止得物の中断の後、11〜13週で神経管欠陥を予防するのに十分である。
【0074】
例4:
長期フォレート研究:
子供を生む年齢の180人の健康な若い女性(それらの半分は、葉酸により強化された規定食を受ける)は、2週間隔で血液を採取され、そして赤血球フォレートレベルを、確認された微生物学的、免疫学的又は手段的(例えば、HPLC、LC−MS/MS)方法又はそれらの方法の適切な組合せを用いて、決定する。
【0075】
血液の最初の採取の8週後、第1グループの90人の女性は、24週間にわたって、それぞれのサイクルの最初の21日の個々の日、3mgのドロスピレノン、30μgのエチニルエストラジオール及び451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩の同時投与を受ける。451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩の投与を、それに続く直後の相において7日間、続ける。3mgのドロスピレノン、30μgのエチニルエストラジオール及び451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩を再び、さらに21日間、投与し(第2サイクル)、そしてわずか451μgの5−メチル−(6S)−テトラヒドロ葉酸のカルシウム塩を、追加の7日間、及び同様にして投与する(薬剤相)。
【0076】
90人の女性グループは、対照グループと同じ投与スキームに従って、3mgのドロスピレノン、30μgのエチニルエストラジオール及び400μgの葉酸を受ける。
最後の血液を、両者の場合、24週後に採取する。これに続いて、20週間の観察が伴い、ここで避妊薬製品Yasmin(商標)を20週間、投与し、すなわちそれぞれのサイクルの最初の21日の個々において、3mgのドロスピレノン及び30μgのエチニルエストラジオールを同時に投与し;これに直接的に続いて、活性物質は7日間、投与されない(プラシーボ又は投与なし)。ドロップアウト率は、30%までであり得る。
【0077】
対象における初期赤血球フォレートレベルは、906nモル/l以下である。この値は、食事環境が同じで存続する場合、本発明の医薬組成物の投与により、続く日に上昇し、そしてほとんどの女性において、6〜8週後、約906nモル/lの値に達する。24週の間、連続した投与の後、及び食事環境は同じに存続する場合、赤血球フォレートレベルが、両グループにおいて達し、これは2種の処理グループ間で同等性を示す(生物同時基準80〜125%)。5−メチル−(6S)−テトラヒドロフォレートの投与の停止の後、赤血球フォレートレベルは連続して低下する。それは赤血球フォレートレベルが、神経管欠陥を回避するのに十分であるものとして一般的に見なされる、906nモル/lの認識される限界値以下に低下する場合、確かめられる。
【0078】
そのような適切な赤血球フォレートレベルは、摂取の停止の後、3ヶ月で、最初のグループにおける女性のほとんどにより示されている。