特許第5883824号(P5883824)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コナミデジタルエンタテインメントの特許一覧

<>
  • 特許5883824-ゲーム装置およびプログラム 図000002
  • 特許5883824-ゲーム装置およびプログラム 図000003
  • 特許5883824-ゲーム装置およびプログラム 図000004
  • 特許5883824-ゲーム装置およびプログラム 図000005
  • 特許5883824-ゲーム装置およびプログラム 図000006
  • 特許5883824-ゲーム装置およびプログラム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883824
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】ゲーム装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20160301BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20160301BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20160301BHJP
【FI】
   A63F13/795
   A63F13/35
   A63F13/45
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-80109(P2013-80109)
(22)【出願日】2013年4月8日
(62)【分割の表示】特願2011-276507(P2011-276507)の分割
【原出願日】2011年12月16日
(65)【公開番号】特開2013-135952(P2013-135952A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2014年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【弁理士】
【氏名又は名称】大林 章
(74)【代理人】
【識別番号】100128598
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 聖一
(74)【代理人】
【識別番号】100121108
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】梅川 知治
(72)【発明者】
【氏名】戸田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】海澤 俊顕
(72)【発明者】
【氏名】大和久 宏之
(72)【発明者】
【氏名】横山 賢治
【審査官】 植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−279345(JP,A)
【文献】 特開2008−264182(JP,A)
【文献】 ガンダムネットワークオペレーション プレイヤーズガイド,ソフトバンクパブリッシング株式会社,2003年 5月 7日,初版,第002-003,016-018,020-021,030-039,068頁,特に「長期任務」に関する記載等参照
【文献】 ドラゴンリーグ,アプリSTYLE Vol.5,株式会社イースト・プレス,2011年11月15日,第052−053頁,ダンジョンに関する記載等参照
【文献】 大熱狂!!プロ野球カード,アプリSTYLE Vol.5,株式会社イースト・プレス,2011年11月15日,第022−023頁,ミッションに関する記載等参照
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00−13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤがゲームの実行を指示すると、当該指示から開始されるゲーム期間が当該プレイヤに割り当てられ、当該ゲーム期間が終了した後に前記ゲームを実行した結果を当該プレイヤに通知するゲーム装置であって、
プレイヤに属する複数のキャラクタのうちイベントに使用する一又は複数のキャラクタに関するキャラクタ情報をプレイヤ毎に記憶するキャラクタ記憶部と、
前記プレイヤの端末から前記ゲームの実行要求を受信すると、当該プレイヤに割り当てられたゲーム期間が終了する前において、前記キャラクタ記憶部から読み出した当該プレイヤのキャラクタ情報と、当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報とに基づいて前記イベントの結果を決定するイベント処理部と、
前記ゲーム期間が終了した後、前記ゲームの結果をゲーム期間が割り当てられた当該プレイヤの端末に通知する結果通知部とを備え、
前記イベント処理部は、前記プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータと、前記当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータとに基づいて、前記キャラクタ記憶部から読み出す当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報を決定する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記イベント処理部は、前記プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタ及びアイテムのパラメータと、前記当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタ及びアイテムのパラメータとに基づいて、前記イベントの結果を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記キャラクタ記憶部は、前記ゲーム期間を特定する時間情報をプレイヤ毎に記憶しており、
前記イベント処理部は、
前記プレイヤの端末から前記ゲームの実行要求を受信した場合、前記キャラクタ記憶部に記憶された前記時間情報に基づいて、当該プレイヤのゲーム期間と、当該プレイヤ以外の他のプレイヤのゲーム期間とが、少なくとも一部で重複するように前記他のプレイヤを特定し、
当該プレイヤのキャラクタ情報及び特定した他のプレイヤのキャラクタ情報を前記キャラクタ記憶部から読み出し、読み出した前記キャラクタ情報に基づいて、前記イベントの結果を決定する、
ことを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記実行要求には、前記プレイヤのキャラクタ情報が示す一又は複数のキャラクタに対して付加するパラメータに対応する付加情報が含まれており、
前記イベント処理部は、前記キャラクタ記憶部から読み出した当該プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータに対して、前記付加情報に基づいてパラメータを付加し、前記付加情報の示すパラメータを付加したキャラクタのパラメータと、当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータとに基づいてイベントの結果を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項5】
プレイヤがゲームの実行を指示すると、当該指示から開始されるゲーム期間が当該プレイヤに割り当てられ、当該ゲーム期間が終了した後に前記ゲームを実行した結果を当該プレイヤに通知するゲーム装置のプログラムであって、
プレイヤに属する複数のキャラクタのうちイベントに使用する一又は複数のキャラクタに関するキャラクタ情報をプレイヤ毎にキャラクタ記憶部に記憶するステップと、
前記プレイヤの端末から前記ゲームの実行要求を受信すると、前記プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータと、前記当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータとに基づいて、前記キャラクタ記憶部から読み出す当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報を決定し、当該プレイヤに割り当てられたゲーム期間が終了する前において、前記キャラクタ記憶部から読み出した当該プレイヤのキャラクタ情報と、当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報とに基づいて前記イベントの結果を決定するステップと、
前記ゲーム期間が終了した後、前記ゲームの結果をゲーム期間が割り当てられた当該プレイヤの端末に通知するステップと
を前記ゲーム装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
プレイヤがゲームの実行を指示すると、当該指示から開始されるゲーム期間が当該プレイヤに割り当てられ、当該ゲーム期間が終了した後に前記ゲームを実行した結果を当該プレイヤに通知するゲーム装置の制御方法であって、
プレイヤに属する複数のキャラクタのうちイベントに使用する一又は複数のキャラクタに関するキャラクタ情報をプレイヤ毎にキャラクタ記憶部に記憶するステップと、
前記プレイヤの端末から前記ゲームの実行要求を受信すると、前記プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータと、前記当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータとに基づいて、前記キャラクタ記憶部から読み出す当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報を決定し、当該プレイヤに割り当てられたゲーム期間が終了する前において、前記キャラクタ記憶部から読み出した当該プレイヤのキャラクタ情報と、当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報とに基づいて前記イベントの結果を決定するステップと、
前記ゲーム期間が終了した後、前記ゲームの結果をゲーム期間が割り当てられた当該プレイヤの端末に通知するステップと
を備えることを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャラクタを使用したゲームを利用者にプレイさせる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤの端末装置とゲーム装置との間で通信を実行し、プレイヤに付与されたキャラクタ(例えばモンスター)を戦闘等のイベントに使用するゲームシステムが従来から提案されている。例えば非特許文献1には、プレイヤが所有する複数のキャラクタから所望の組合せのキャラクタを選択して他のプレイヤのキャラクタと戦闘させる技術が開示されている。このゲームは、プレイヤが端末装置において戦闘を指示すると、ゲーム装置においてインベトの処理が即時に実行され、対戦結果がプレイヤの端末装置に通知されていた。
また、プレイヤの端末装置において、探検などゲームの実行を指示すると、探索や戦闘といったプレイヤがその都度判断して指示する操作をゲーム装置で判断して自動的にイベントを進めるゲームも知られている。そして、所定期間が経過すると、キャラクタが戻ってきて、ゲーム中に起こった出来事や獲得したアイテムがプレイヤに知らされる。このゲームは、プレイヤがゲーム実行を指示した後、所定期間が経過するまで端末装置を操作する必要がなく、放置したままにすることから、放置ゲームと呼ばれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ソーシャルゲーム総合情報誌 アプリSTYLE Vol.2」,株式会社イースト・プレス,平成23年4月1日,p.26−p.29
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなゲームでは、複数のステージが用意されており、ステージが進むにつれて、強い敵を配置していることが一般的である。ゲーム開始時の各プレイヤのキャラクタのレベルに大差がない場合は、キャラクタの攻撃力や防御力のパラメータに応じた敵をゲーム装置が適切に配置しておいて戦闘することができる。
しかしながら、各プレイヤが育成したキャラクタを用いてゲームを行う場合、キャラクタの強さのばらつきが非常に大きくなる。このため、キャラクタが成長しているプレイヤは、どんどん先に進めるものの、あまりの簡単さにつまらなく感じるという問題がある。一方、キャラクタが成長していないプレイヤは、敵が強すぎて先に進めず飽きてしまうというといった問題がある。
特に、既存のゲームの期間限定イベントなどとして用いる場合、既にプレイしているゲームのキャラクタを使用するため、キャラクタやキャラクタの育成状況にバラツキが大きく、上記課題がより顕著となる。さらに、既にクリアしたステージを再び探索できるようにした場合、キャラクタが強いプレイヤにとっては、物足りなく、再び挑戦する動機づけが薄くなる。
くわえて、従来の放置ゲームでは、各プレイヤのキャラクタ同士を対戦させることができないといった問題があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、プレイヤが所定のゲームの開始を指示すると、プレイヤのキャラクタが探索に出かけ、その過程で遭遇する他のプレイヤのキャラクタと対戦可能なゲーム装置などを提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために本発明が採用する手段を以下に説明する。なお、本発明の理解を容易にするために以下では図面の参照符号を便宜的に括弧書で付記するが、本発明を図示の形態に限定する趣旨ではない。
【0007】
本発明のゲーム装置(14A,14B)は、プレイヤがゲームの実行を指示すると、当該指示から開始されるゲーム期間が当該プレイヤに割り当てられるとともに、当該ゲーム期間が終了した後に前記ゲームを実行した結果を当該プレイヤに通知するものであって、プレイヤに属する複数のキャラクタのうちイベントに使用する一又は複数のキャラクタに関するキャラクタ情報をプレイヤ毎に記憶するキャラクタ記憶部(TBL)と、前記プレイヤの端末から前記ゲームの実行要求を受信すると、当該プレイヤに割り当てられたゲーム期間が終了する前において、前記キャラクタ記憶部から読み出した当該プレイヤのキャラクタ情報と、当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報とに基づいて前記イベントの結果を決定するイベント処理部(32、Sa6)と、ゲーム期間が終了した後に、前記ゲームの結果をゲーム期間が割り当てられた当該プレイヤの端末に通知する結果通知部(32、Sa13)とを備え、前記イベント処理部は、前記プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータと、前記当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータとに基づいて、前記キャラクタ記憶部から読み出す当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報を決定する。
【0008】
この発明によれば、ゲーム期間が終了したことを条件にゲームの結果がプレイヤに通知されるゲームにおいて、プレイヤ同士のキャラクタを対戦させることができる。特に、ゲーム装置がプレイヤの交流を促進するメール、チャットあるいは掲示板といったSNS機能を有する場合には、ゲーム上でもプレイヤ同士の繋がりが重要な要素の一つであるところ、この発明によれば、いわゆる放置ゲームであってもプレイヤのキャラクタ同士が対戦するので、趣向性が向上する。
また、ゲーム装置では、プレイヤ同士のキャラクタを対戦させるので、運によって対戦相手が決まるため、戦闘の度に相手の強さが異なり、敵がいつも弱すぎたり強すぎたりすることがなくなる。
くわえて、ゲーム装置で実行される対戦の処理は、プレイヤの実行の指示とは必ずしも同期しておらずゲーム期間が終了する前に実行されるが、プレイヤ同士のキャラクタを対戦させているので、ゲームの結果はリアルタイムで対戦させる同期の場合と同じにすることができる。
さらに、対戦相手となるキャラクタを、能力などを示すパラメータに基づいて決定するので、対戦相手が強すぎてゲームに飽きてしまうといったことなく、弱いキャラクタしか所有していないプレイヤであってもゲームに参加して楽しむことが可能となる。
【0009】
上述したゲーム装置において、前記イベント処理部は、前記プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタ及びアイテムのパラメータと、前記当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタ及びアイテムのパラメータとに基づいて、前記イベントの結果を決定することが好ましい。
【0010】
上述したゲーム装置において、前記キャラクタ記憶部は、前記ゲーム期間を特定する時間情報をプレイヤ毎に記憶しており、前記イベント処理部は、前記プレイヤの端末から前記ゲームの実行要求を受信した場合、前記キャラクタ記憶部に記憶された前記時間情報に基づいて、当該プレイヤのゲーム期間と、当該プレイヤ以外の他のプレイヤのゲーム期間とが、少なくとも一部で重複するように前記他のプレイヤを特定し、当該プレイヤのキャラクタ情報及び特定した他のプレイヤのキャラクタ情報を前記キャラクタ記憶部から読み出し、読み出した前記キャラクタ情報に基づいて、前記イベントの結果を決定する、ことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、ゲーム期間の少なくとも一部が重複するプレイヤ同士のキャラクタを対戦させることができるので、対戦の処理が非同期で実行されても、各プレイヤのゲームの実行の指示とゲームの結果との間の矛盾を無くすことができる。この結果、リアルタイムでのプレイヤ同士の対戦と同様の結果が得られ、ゲームの面白さが向上する。
【0012】
また、上述したゲーム装置において、前記イベント処理部は、前記プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータと、前記当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータとに基づいて、前記キャラクタ記憶部から読み出す当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報を決定することが好ましい。
この発明によれば、対戦相手となるキャラクタを、能力などを示すパラメータに基づいて決定するので、対戦相手が強すぎてゲームに飽きてしまうといったことなく、弱いキャラクタしか所有していないプレイヤであってもゲームに参加して楽しむことが可能となる。
【0013】
また、上述したゲーム装置において、プレイヤのゲームの経験の程度を示すレベル情報をプレイヤ毎に記憶するレベル記憶部を備え、前記イベント処理部は、前記プレイヤの端末から実行要求を受信した場合に、前記レベル記憶部を参照して、当該プレイヤのレベル情報と当該プレイヤ以外の他のプレイヤのレベル情報とに基づいて、前記キャラクタ記憶部から前記キャラクタ情報を読み出す当該プレイヤ以外の他のプレイヤを決定し、前記プレイヤのキャラクタ情報と、当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報とに基づいて前記イベントの結果を決定する、ことが好ましい。
この発明によれば、対戦相手となるプレイヤを、ゲームの経験の程度を示すレベル情報に基づいて決定するので、同程度の経験を有するプレイヤ同士を対戦させることができる。この結果、対戦相手が強すぎてゲームに飽きてしまうといったことなく、経験の少ないプレイヤであってもゲームに参加して楽しむことが可能となる。
【0014】
また、上述したゲーム装置において、前記実行要求には、前記プレイヤのキャラクタ情報が示す一又は複数のキャラクタに対して付加するパラメータに対応する付加情報が含まれており、前記イベント処理部は、前記キャラクタ記憶部から読み出した当該プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータに対して、前記付加情報に基づいてパラメータを付加し、前記付加情報の示すパラメータを付加したキャラクタのパラメータと、当該プレイヤ以外のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータとに基づいてイベントの結果を決定することが好ましい。
この発明によれば、ゲーム装置は、勝敗を左右する基本的な要素であるキャラクタのパラメータとは別に、イベントごとに設定可能な付加情報を加味して、勝敗を決定する。この結果、プレイヤが付加情報をイベントごとに設定できるようになるので、ゲームの面白さが向上する。
【0015】
また、本発明は、ゲーム装置で実行されるプログラムの発明として把握することができる。すなわち、プレイヤがゲームの実行を指示すると、当該指示からゲーム期間が経過した後に前記ゲームを実行した結果を前記プレイヤに通知するゲーム装置のプログラムであって、プレイヤに属する複数のキャラクタのうちイベントに使用する一又は複数のキャラクタに関するキャラクタ情報を前記プレイヤ毎にキャラクタ記憶部に記憶するステップと、前記プレイヤの端末から前記ゲームの実行要求を受信すると、前記プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータと、前記当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータとに基づいて、前記キャラクタ記憶部から読み出す当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報を決定し、当該プレイヤに割り当てられたゲーム期間が終了する前において、前記キャラクタ記憶部から読み出した前記プレイヤのキャラクタ情報と、当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報とに基づいて前記イベントの結果を決定するステップと、前記ゲーム期間が経過したことを条件に、前記ゲームの結果を前記プレイヤの端末に通知するステップとを前記ゲーム装置に実行させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、ゲーム装置の制御方法として把握することができる。すなわち、プレイヤがゲームの実行を指示すると、当該指示から開始されるゲーム期間が当該プレイヤに割り当てられ、当該ゲーム期間が終了した後に前記ゲームを実行した結果を当該プレイヤに通知するゲーム装置の制御方法であって、プレイヤに属する複数のキャラクタのうちイベントに使用する一又は複数のキャラクタに関するキャラクタ情報をプレイヤ毎にキャラクタ記憶部に記憶するステップと、前記プレイヤの端末から前記ゲームの実行要求を受信すると、前記プレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータと、前記当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報が示すキャラクタのパラメータとに基づいて、前記キャラクタ記憶部から読み出す当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報を決定し、当該プレイヤに割り当てられたゲーム期間が終了する前において、前記キャラクタ記憶部から読み出した当該プレイヤのキャラクタ情報と、当該プレイヤ以外の他のプレイヤのキャラクタ情報とに基づいて前記イベントの結果を決定するステップと、前記ゲーム期間が終了した後、前記ゲームの結果をゲーム期間が割り当てられた当該プレイヤの端末に通知するステップとを備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係るゲームシステムのブロック図である。
図2】ゲームテーブルのデータ構造を示す説明図である。
図3】ゲームシステムの動作を示すシーケンス図である。
図4】探索イベント処理の内容を示すフローチャートである。
図5】結果通知処理の内容を示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係るゲーム装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム100のブロック図である。第1実施形態のゲームシステム100は、インターネット等の通信網16を介して相互に通信する端末装置12とゲーム装置14Aとを具備し、端末装置12を所有するプレイヤにゲームをプレイさせる通信システムである。なお、図1では便宜的に1個の端末装置12のみを図示したが、実際には複数の端末装置12が通信網16を介してゲーム装置14Aと通信する。
【0019】
端末装置12は、例えば携帯電話機や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)やパーソナルコンピュータ等の通信端末であり、通信装置20、表示装置22、入力装置24、及び制御装置26を含んで構成される。表示装置22(例えば液晶表示パネル)は、ゲーム画面等の各種の画像を表示する。入力装置24は、端末装置12に対する指示をプレイヤが入力するための機器であり、例えばプレイヤが操作する複数の操作子を含んで構成される。なお、表示装置22と一体に構成されて利用者からの操作を受付けるタッチパネルや、端末装置12に対する指示を利用者が音声で入力するためのマイクロホンを入力装置24として採用することも可能である。通信装置20は、通信網16を介してゲーム装置14Aと通信する。制御装置26は端末装置12の制御中枢として機能し、CPUなどで構成される。
【0020】
ゲーム装置14Aは、端末装置12を所有するプレイヤにブラウザゲームを提供するウェブサーバである。ブラウザゲームは、端末装置12におけるウェブブラウザの実行でプレイすることが可能なゲーム(ゲーム専用のソフトウェアを端末装置12にダウンロードすることが不要なゲーム)である。具体的には、ゲーム装置14Aは、入力装置24に対するプレイヤからの指示に応じて端末装置12から送信される要求を契機として各種の処理を実行し、処理の結果を示すウェブページ(ゲーム画面)を端末装置12の表示装置22に表示させる。本実施形態では、ゲーム内でプレイヤに付与されたモンスター等の複数のキャラクタ(以下「所有キャラクタ」という)を使用して他のプレイヤとの戦闘等のイベントを実行していくRPG(Role-Playing Game)型のソーシャルゲームがゲーム装置14Aから端末装置12に提供される。
【0021】
ゲーム内のイベントには、戦闘イベントと探索イベントが含まれる。戦闘イベントではプレイヤが実行の指示を入力すると、1回の対戦の結果が得られる。これに対して、探索イベントは、複数回の対戦の結果が得られる。戦闘イベントと探索イベントとは、いずれも探索の過程で敵と遭遇することによって、戦闘や防御が行われるものである。このため、プレイヤが探索イベント又は戦闘イベントの実行を指示してから、所定時間が経過した後に対戦の結果が得られるようになっている。
【0022】
戦闘イベントと探索イベントとでは、戦闘相手となるプレイヤ毎に編成されたデッキが適用される。デッキは、プレイヤに付与された複数の所有キャラクタからM個(Mは自然数)を上限として選択された1個以上のキャラクタ(以下「対象キャラクタ」という)の集合である。本実施形態では、戦闘イベント用のデッキと探索イベント用のデッキを個別に編成するが、両者を兼用してもよい。具体的には、戦闘イベント用のデッキは攻撃側を担当するプレイヤの攻撃用デッキと、防御側を担当するプレイヤの防御用デッキとが編成され、攻撃側のプレイヤと防御側のプレイヤとが各々のデッキを戦闘させる戦闘イベントが展開される。1人のプレイヤが攻撃側を担当する場合の攻撃用デッキを構成する対象キャラクタと、そのプレイヤが防御側を担当する場合の防御用デッキを構成する対象キャラクタとは、個別に選定されて相互に重複し得る。
【0023】
また、探索イベント用のデッキは、攻撃用と防御用の区別がない。デッキにはM個を上限として選択された1個以上の対象キャラクタが編成される。探索イベントでは、デッキに編成された対象キャラクタによって、攻撃と防御が行われる。
ところで、プレイヤは各種のイベントに参加することによって、所有キャラクタを増加させることができる。攻撃イベントで用いる対象キャラクタは、最大で攻撃用にM個と防御用にM個である。所有キャラクタの数が2M個を超えているプレイヤは、余剰のキャラクタを所有することになる。探索イベントでは、戦闘イベントと異なる対象キャラクタをデッキに編成するので、余剰のキャラクタを有効に活用することが可能となる。
【0024】
図1に示すように、ゲーム装置14Aは、制御装置32と記憶装置34と通信装置36とを含んで構成される。通信装置36は、通信網16を介して端末装置12と通信する。記憶装置34は、制御装置32が実行するプログラム(ゲームプログラム)PGMや制御装置32が使用する各種のデータ、及びゲームテーブルTBLを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の記録媒体または複数種の記録媒体の組合せが記憶装置34として採用され得る。
【0025】
図2に示すように、ゲームテーブルTBLは、プレイヤ情報P、第1のキャラクタ情報D1、第2のキャラクタ情報D2及び時間情報Tを、プレイヤを一意に識別するプレイヤ識別情報UIDと対応付けて記憶する。すなわち、ゲームテーブルTBLには、プレイヤ情報P、第1のキャラクタ情報D1、第2のキャラクタ情報D2及び時間情報Tがプレイヤ毎に記憶されている。
【0026】
プレイヤ情報Pは、ゲーム内でのプレイヤ自身の活動を示す情報である。具体的には、プレイヤ情報Pには、プレイヤの経験に基づくレベルを示すレベル情報、戦闘及び探索の履歴を示す履歴情報、魔法や武器といったゲームに用いることが可能なアイテムを示すアイテム情報、ゲーム内での各種の活動に用いられるポイントの大きさを示すポイント情報が含まれている。攻撃イベントや探索イベントにおいて、対戦に勝つとポイントが増加し、負けるとポイントが減少する。また、ポイントを用いて各種のアイテムを購入することも可能である。なお、プレイヤ情報Pに含まれるレベル情報を参照することによって、当該ゲームにおけるプレイヤの実力を相対的に比較することが可能となる。
【0027】
また、履歴情報は複数のレコードの集合で構成される。一つのレコードは、図2に示すように対戦結果がどちらのイベントに起因するものであるかを示す種別情報と、戦闘及び探索における対戦時刻を示す対戦時刻情報と、対戦の勝敗及び対戦相手を示す対戦結果情報とを含む。
本実施形態では、探索イベントはデッキを編成した対象キャラクタがプレイヤから離れ、探索に出かけるといったストーリーを想定しており、探索イベント期間が終了して対象キャラクタが探索から戻ってきて探索イベントの結果をプレイヤが知ることが可能になる。
【0028】
第1のキャラクタ情報D1は、戦闘イベントに使用する一又は複数の対象キャラクタに関する情報であり、対象キャラクタの各々対応する単位データU1からなる。単位データU1は、対象キャラクタを識別するキャラクタ識別情報CID、攻撃力を示す攻撃力パラメータPA、防御力を示す防御力パラメータPD、及び用途情報Xを含む。用途情報Xは攻撃用の対象キャラクタとして使用するか、防御用の対象キャラクタとして使用するかを示す情報である。なお、本実施形態において、戦闘イベントに使用する一又は複数の対象キャラクタはゲーム装置14Aの制御装置32が自動的に設定するものとするが、プレイヤが端末装置12の入力装置24を用いて、戦闘イベントに使用する一又は複数の対象キャラクタを指定してもよい。
【0029】
第2のキャラクタ情報D2は、探索イベントに使用する一又は複数の対象キャラクタに関する情報であり、対象キャラクタの各々対応する単位データU2からなる。単位データU2は、対象キャラクタを識別するキャラクタ識別情報CID、攻撃力を示す攻撃力パラメータPA、及び防御力を示す防御力パラメータPDを含む。
【0030】
次に、時間情報Tは探索イベントの終了時刻を指定する。終了時刻は直接的又は間接的に指定される。ゲームテーブルTBLにおいて時間情報Tをプレイヤ毎に記憶することによって、探索イベント期間(ゲーム期間)をプレイヤに割り当てることができる。
終了時刻を直接的に指定する場合、時間情報Tは終了時刻を示す。一方、終了時刻を間接的に指定する場合、時間情報Tは探索イベントの開始時刻を示す。この場合、終了時刻は、制御装置32が開始時刻に探索イベント期間を加算することによって算出される。間接的に終了時刻を示す場合には、システム管理者が探索イベント期間を延長した場合にも対応できるので、ゲームシステム100の多様な運用が可能となる。なお、以下の説明では時間情報Tは終了時刻を示すものとする。
なお、本実施形態において、探索イベントに使用する一又は複数の対象キャラクタは、プレイヤが端末装置12の入力装置24を用いて指定するものとするが、ゲーム装置14Aの制御装置32が自動的に設定してもよい。
【0031】
次に、ゲームシステム100の動作例を図3に示すシーケンス図を参照して説明する。この例では、プレイヤが端末装置12の入力装置24を操作して、探索ゲームの実行を指示したとする。ここで探索ゲームとは、探索イベント用のキャラクタを用いて探索する探索イベントであり、探索の途中で戦闘イベントが発生するというゲームである。
まず、探索ゲームの実行を指示したとする(Sa1)。この場合、端末装置12の制御装置26は通信装置20を用いて探索イベント実行要求をゲーム装置14Aに送信する。ゲーム装置14Aが探索イベント実行要求を受信すると、制御装置32は探索イベント処理を実行する(Sa2)。
【0032】
図4に探索イベント処理の処理内容を示す。まず、制御装置32は、探索イベントにおいて、プレイヤの対象キャラクタが対戦を行う対戦回数K(Kは2以上の自然数)を決定する(S20)。対戦回数Kの決定方法はどのような方法であってもよいが、例えば、抽選によって決定する。そして、制御装置32は変数Nに初期値「1」を設定する(S21)。制御装置32は、探索イベント実行要求を送信したプレイヤのプレイヤ識別情報UIDを特定し、ゲームテーブルTBLを参照してプレイヤ識別情報UIDに対応する第2のキャラクタ情報D2を特定する(S22)。
【0033】
次に、制御装置32は、第2のキャラクタ情報D2に属する一又は複数の単位データU2の攻撃力パラメータPAの合計値AS2を算出する(S23)。この後、制御装置32は、当該プレイヤの対戦相手となる当該プレイヤ以外の他のプレイヤを特定し、当該他のプレイヤの第2のキャラクタ情報D2を特定する(S24)。対戦相手となる他のプレイヤを特定の方法は任意であるが、レベル情報を参照して、ゲームに対する経験値が近い他のプレイヤを選択することが好ましい。
【0034】
また、探索イベント中に出会ったプレイヤ同士が対戦するといった観点から、当該プレイヤの探索イベント期間と他のプレイヤの探索イベント期間とが重なるように他のプレイヤを特定することが好ましい。現在時刻において、当該プレイヤについては探索イベント期間中である。これは、ステップS24は探索イベント期間中に実行される探索イベント処理の一部であることから明らかである。したがって、制御装置32は、他のプレイヤの時間情報Tを検索し、時間情報Tの示す終了時間が現在時刻より未来であるものを抽出し、それらの中から抽選などによって、他のプレイヤを一人特定し、当該他のプレイヤの第2キャラクタ情報を取得する。
【0035】
次に、制御装置32は、第1のキャラクタ情報D2に属する一又は複数の単位データU2の防御力パラメータPDの合計値DS2を算出する(S25)。
次に、制御装置32は、攻撃力の合計値AS2と防御力の合計値DS2とを比較し、攻撃力の合計値AS2が防御力の合計値DS2を上回る場合には、当該プレイヤの勝ちと判定し、下回る場合には当該プレイヤの負けと判定する(S26)。
【0036】
この後、制御装置32は、プレイヤ情報Pの更新を実行する(S27)。具体的には、履歴情報に含まれる対戦結果情報に勝敗と対戦相手を記録する。対戦時刻情報には、探索イベント期間中の時刻を対戦時刻として記録する。この時刻は、予め定められた規則に従うのであれば、どのような方法で決定してもよいが、例えば、探索イベント期間中の時刻を抽選で定めてもよい。
【0037】
この後、制御装置32は、変数Nが対戦回数Kと一致したか否かを判定し(S28)、不一致の場合には、ステップS29において変数Nを「1」インクリメントして処理をS22に戻す。そして、制御装置32は、ステップS28の判定条件を充足するまで処理を繰り返し、判定条件を充足すると探索イベント処理を終了する。本実施形態によれば、探索イベント期間中に実行されるK回の対戦を一括して処理することができる。
【0038】
説明を図3に戻す。探索イベント処理(Sa2)が終了すると、制御装置32は結果通知処理(Sa3)を実行する。ここで図5を用いて、結果通知処理の処理内容を説明する。なお、処理内容は図3に示すステップSa7及びSa9で共通である。
まず、制御装置32は、現在時刻を取得する(S11)。次に、制御装置32は、当該プレイヤの履歴情報のうち、種別情報が戦闘イベントを示すレコードを抽出する(S12)。さらに、制御装置32は、当該プレイヤの履歴情報のうち、種別情報が探索イベントを示し、かつ、対戦時刻情報が示す対戦時刻が現在の探索イベント期間に該当しないレコードを抽出する(S13)。
【0039】
種別情報が探索イベントを示す全てのレコードではなく、その一部を抽出するのは、探索イベント期間中は、探索イベント用のデッキに編成した対象キャラクタは、プレイヤの手元から探索に出かけており、探索イベント期間が終了して対象キャラクタが戻って来るまでは、探索における対戦結果が不明であるとの前提があるからである。
【0040】
探索イベントにおける対戦結果は、探索イベント期間の開始直後に確定し、処理結果が履歴情報に反映される。この際、対戦時刻情報には、現在時刻ではなく探索イベント期間中の時刻が所定の規則に従って記録される。一方、履歴情報には、種別情報が探索イベントを示し、且つ探索イベント期間が終了しているレコードもある。ここで、上述したように探索イベント期間は対戦の結果を不明とするためには、種別情報が探索イベントを示すレコードを探索イベント期間中であるか、あるいは探索イベント期間が終了しているかを判別する必要がある。対戦時刻情報が示す対戦時刻が現在の探索イベント期間中であるならば当該レコードは探索イベント期間中に該当し、対戦時刻情報が示す対戦時刻が現在の探索イベント期間中でないならば当該レコードは探索イベント期間が終了している。そこで、制御装置32は、種別情報が探索イベントを示し、かつ、対戦時刻情報が示す対戦時刻が現在の探索イベント期間に該当しないレコードを抽出したのである。なお、探索イベント期間中であるか否かは、例えば、時間情報の示す終了時刻から探索イベント期間の時間を差し引いた時刻から終了時刻までに該当するか否かで判断すればよい。
この後、制御装置32はステップS12及びS14で抽出されたレコードに基づいて対戦結果を示す画像データを生成する(S13)。但し、対戦結果を示す画像データでは、現在時刻が時間情報Tの示す終了時刻より過去である場合には、制御装置32は対戦結果とともに探索中であることを示す画像データが生成される。
【0041】
説明を図3に戻す。結果通知処理(Sa3)が終了すると、ゲーム装置14Aは、当該画像データを含む探索イベント実行応答を生成し、端末装置12に送信する。端末装置12は探索イベント実行応答を受信すると、画像データに基づいて、制御装置26は探索中であることを示す画像を表示装置22に表示させる(Sa4)。
【0042】
また、図に示すように探索イベント期間が終了した後、結果通知要求をゲーム装置14Aに送信したとすると、制御装置32は結果通知処理を実行する(Sa5)。この結果通知処理を実行するタイミングでは、探索イベント期間が終了しているので、制御装置32は、探索イベント処理(Sa2)で生成した履歴情報のレコードを反映させた画像データを生成し、当該画像データを含む結果通知応答を端末装置12に送信する。これにより、プレイヤは端末装置12の表示装置22には探索イベントの結果を含む画像が表示される(Sa6)。
【0043】
上記実施の形態では、探索中に複数回の戦闘が発生する探索イベントを用いて説明したが、例えば、戦闘を目的とした戦闘イベントであっても良い。戦闘イベントでは、イベントに参加するプレイヤに戦闘イベント期間が割り当てられる。戦闘イベント期間は時間情報Tによって特定できる。この点は、探索イベントと同様である。
【0044】
戦闘イベントについて説明する。まず、端末装置12において、プレイヤが戦闘イベントを選択すると、端末装置12は、戦闘イベント実行要求をゲーム装置14Aに送信する。戦闘イベント実行要求をゲーム装置14Aが受信すると、制御装置32は戦闘イベント処理を実行する。この場合、制御装置32は、当該プレイヤの第1のキャラクタ情報D1と当該プレイヤ以外の他のプレイヤの第1のキャラクタ情報D1とをゲームテーブルTBLから読み出す。この場合、戦闘イベント期間が重複するプレイヤを対戦相手として選択するが、その詳細は、探索イベントと同じである。
【0045】
そして、当該プレイヤの対象キャラクタの攻撃力パラメータPAと対戦相手となる他のプレイヤの対象キャラクタの防御力パラメータPDに基づいて、対戦の勝敗を決定し、対戦結果に基づいてプレイヤ情報Pを更新する。
戦闘イベントにおける対戦は1回であり、戦闘イベント期間が終了した後、戦闘イベントの結果が端末装置12に通知される点も探索イベントと同じである。
【0046】
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態のゲーム装置14Bのブロック図である。ゲーム装置14Bは、第1実施形態と同様のゲームをプレイヤ(所有者)にプレイさせる電子機器である。例えば携帯電話機や携帯情報端末等の携帯機器がゲーム装置14Bとして好適である。図7に示すように、ゲーム装置14Bは、制御装置32と記憶装置34と通信装置36と表示装置22と入力装置24とを具備する。通信装置36は、他のゲーム装置14Bと通信する。通信装置36による通信でプレイヤ間での戦闘イベント及び探索イベント等が実現される。
【0047】
記憶装置34は、第1実施形態と同様に、プログラムPGMとゲームテーブルTBLとを記憶する。制御装置32は、プログラムPGMを実行することで第1実施形態と同様に動作する。以上の説明から理解される通り、第2実施形態のゲーム装置14Bは、第1実施形態のゲーム装置14Aが提供するゲームを装置単体でプレイヤに提供する機器として機能する。したがって、第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
【0048】
<変形例>
前述の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0049】
(1)上述した実施形態においては、戦闘イベントに用いる対象キャラクタと、探索イベントに用いる対象キャラクタとの間の対戦はないものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの間の対戦を許容してもよい。
【0050】
即ち、戦闘イベントにおいて、戦闘イベント実行要求を送信した端末装置12のプレイヤの戦闘イベント用の対象キャラクタと他のプレイヤの探索イベント用の対象キャラクタとを対戦させてもよい。この場合は、図4を参照して説明した戦闘イベント処理のステップS4では、他のプレイヤの第1のキャラクタ情報D1を特定したが、この替わりに他のプレイヤの第1のキャラクタ情報D1と第2のキャラクタ情報D2とのうち一方を特定すればよい。
【0051】
また、探索イベントにおいて、探索イベント実行要求を送信した端末装置12のプレイヤの探索イベント用の対象キャラクタと他のプレイヤの戦闘イベント用の対象キャラクタとを対戦させてもよい。この場合は、図6を参照して説明した探索イベント処理のステップS24では、他のプレイヤの第2のキャラクタ情報D2を特定したが、この替わりに他のプレイヤの第1のキャラクタ情報D1と第2のキャラクタ情報D2とのうち一方を特定すればよい。
【0052】
(2)上述した実施形態では、探索イベントにおいて、探索イベント期間が重なるプレイヤ同士を対戦させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、探索イベント期間が重なっていない他のプレイヤの探索イベント用の対象キャラクタを対戦相手として特定してもよい。具体的には、図6を参照して説明した探索イベント処理のステップS24では、現在時刻と他のプレイヤの時間情報Tを考慮して、第2のキャラクタ情報D2を特定したが、現在時刻と他のプレイヤの時間情報Tを考慮することなく、他のプレイヤの第2のキャラクタ情報D2を特定すればよい。この点は戦闘イベントにおいても同様である。
【0053】
(3)上述した実施形態では、キャラクタは対戦を行うモンスターを一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームの進行に影響を及ぼすゲーム要素であってもよい。例えば、モンスターと武器や防具のアイテムとでデッキを編成してもよい。すなわち、アイテムはキャラクタに含まれる。この場合、武器と防具とを含むデッキを編成することによって、デッキに含まれる特定もしくは全体のモンスターの攻撃力や防御力を高めるようにしてもよい。
【0054】
(4)上述した実施形態では、探索イベント処理において、プレイヤの端末装置12から探索イベント実行要求をゲーム装置14Aが受信した場合に、当該プレイヤの第2のキャラクタ情報D2と当該プレイヤ以外のプレイヤの第2のキャラクタ情報D2とに基づいて探索イベントの結果を決定する処理を複数回一括して実行した(実施形態ではK回)。本発明はこれに限定されるものではなく、複数回の処理を分散して実行してもよい。例えば、探索イベント実行要求をゲーム装置14Aが受信した後にk1回の対戦を行い。探索イベント期間の1/3が終了した時点でk2回の対戦を行い、探索イベント期間の2/3が終了した時点でk3回の対戦を実行してもよい。但し、k1、k2、k3は自然数でK=k1+k2+k3を充足するものとする。具体的には図4に示す探索イベント処理のステップS24において「K」の替わりに「k1」、「k2」、「k3」を各々用いればよい。
【0055】
(5)上述した実施形態では、探索イベント期間が終了した後に、当該探索イベント期間の結果をゲーム装置14Aから端末装置12に通知したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プレイヤに割り当てられた探索イベント期間が終了する前において、制御装置32は、探索イベント処理で得られた複数回の対戦の処理結果の一部を当該プレイヤの端末装置12に通知するよう通信装置36を制御してもよい。例えば、制御装置32は、探索イベント実行要求を受信した直後の探索イベント処理で10回の対戦結果を得て(K=10)、そのうちの5回分の対戦結果を探索イベント期間の1/2が終了した時点で通知可能とし、残りを探索イベント期間の終了後に通知可能としてもよい。
【0056】
(6)上述した実施形態では、探索イベント処理は探索イベント実行要求を受信したら、直ちに実行していたが、本発明はこれに限定されるものではない。要は、探索イベント期間において探索イベントの結果が得られるのであれば、いつ実行してもよい。
さらに、制御装置32は、プレイヤの端末装置12から探索イベント実行要求を受信した場合に、当該プレイヤに割り当てられた探索イベント期間が終了する前において、ゲームテーブルTBLから読み出した当該プレイヤの第2のキャラクタ情報D2とゲームテーブルTBLから読み出した当該プレイヤ以外の他のプレイヤの第2のキャラクタ情報D2とに基づいてイベントの結果を決定する探索イベント処理を実行するタイミングをゲーム装置14Aの処理負荷に応じて決定することが好ましい。この場合、探索イベント処理を実行するタイミングを処理負荷に応じて変更できるので、例えば、戦闘イベントが集中して処理負荷が重い場合に、探索イベント期間中であればどのタイミングで処理を実行してもよいから、探索イベント処理を実行するタイミングを後回しできるので、ゲーム装置14A全体として負荷を分散させることが可能となる。
【0057】
(7)上述した実施形態では、探索イベントにおいて対戦相手の第2のキャラクタ情報D2は、探索イベント期間の少なくとも一部が重複するように選択したが、本発明のこれに限定されるものではなく、プレイヤのキャラクタの攻撃力パラメータPA及び防御力パラメータPDの少なくとも一方と、他のプレイヤのキャラクタの攻撃力パラメータPA及び防御力パラメータPDの少なくとも一方とに基づいて、ゲームテーブルTBLから読み出す他のプレイヤの第2のキャラクタ情報D2を決定してもよい。より具体的には、デッキを編成する複数のキャラクタについて、攻撃力パラメータPAの合計値又は防御力パラメータPDの合計値を当該プレイヤと他のプレイヤとで比較し、それらの差が所定値以下となるように他のプレイヤを特定し、特定した他のプレイヤの第2のキャラクタ情報D2をデータテーブルTBLから読み出す。この場合には、キャラクタの能力差が少ないので、能力の低いキャラクタしか所有していないプレイヤでも探索イベントを楽しむことが可能となる。
【0058】
(8)上述した実施形態の戦闘イベント及び探索イベントにおいて、対戦の勝敗は対象キャラクタの攻撃力パラメータPA及び防御力パラメータPDによって決定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、付加情報を考慮して勝敗を決定してもよい。より具体的には、プレイヤが戦闘イベント又は探索イベントの実行の指示を端末装置12で入力する際に、付加情報を入力可能とする。付加情報は、例えば、デッキを編成する対象キャラクタの攻撃力パラメータPAの合計値や防御力パラメータPDの合計値に加算するパラメータを示す。
【0059】
プレイヤが端末装置12で付加情報を設定すると、付加情報設定要求がゲーム装置14Aに送信される。付加情報設定要求がゲーム装置14Aが受信すると、制御装置32は付加情報をプレイヤ識別情報と対応づけてゲームテーブルTBLに記憶する。この後、戦闘イベント実行要求又は探索イベント実行要求をゲーム装置14Aが受信すると、制御装置32は、勝敗を判定する際に、付加情報の示すパラメータを当該プレイヤの対象キャラクタのパラメータの合計値に加算し、加算結果と他のプレイヤの対象キャラクタのパラメータの合計値とに基づいてイベントの結果を決定する。
【0060】
この変形例によれば、ゲーム装置14Aは、勝敗を左右する基本的な要素であるキャラクタの攻撃力パラメータPA及び防御力パラメータPDとは別に、イベントごとに設定可能な付加情報を加味して、勝敗を決定する。この結果、プレイヤが付加情報をイベントごとに設定できるようになるので、今回のイベントでは是が非でも勝利したいといったプレイヤの希望に沿うことができ、ゲームの面白さを向上させることができる。
【符号の説明】
【0061】
100……ゲームシステム、12……端末装置、14A,14B……ゲーム装置、16……通信網、22……表示装置、24……入力装置、26,32……制御装置、34……記憶装置、20,36……通信装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6