特許第5883852号(P5883852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5883852全身性強皮症(SSc)を処置するためのsGC刺激剤、sGCアクチベーター単独およびPDE5阻害剤との組み合わせ剤の使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883852
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】全身性強皮症(SSc)を処置するためのsGC刺激剤、sGCアクチベーター単独およびPDE5阻害剤との組み合わせ剤の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/506 20060101AFI20160301BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20160301BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20160301BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20160301BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160301BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20160301BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20160301BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20160301BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
   A61K31/506
   A61K31/519
   A61K31/53
   A61P17/00
   A61P43/00 111
   A61P43/00 121
   A61P1/00
   A61P11/00
   A61P13/12
   A61P9/00
【請求項の数】16
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2013-511644(P2013-511644)
(86)(22)【出願日】2011年5月24日
(65)【公表番号】特表2013-526598(P2013-526598A)
(43)【公表日】2013年6月24日
(86)【国際出願番号】EP2011058433
(87)【国際公開番号】WO2011147810
(87)【国際公開日】20111201
【審査請求日】2014年5月22日
(31)【優先権主張番号】10170413.8
(32)【優先日】2010年7月22日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】102010021637.2
(32)【優先日】2010年5月26日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515174593
【氏名又は名称】アドヴェリオ・ファーマ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クラウディア・ヒルト−ディートリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・ザントナー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス−ペーター・シュタッシュ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・クノール
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジュ・ヴォン・デジェンフェルド
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ハーン
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・フォルマン
【審査官】 磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−501739(JP,A)
【文献】 特表2004−512366(JP,A)
【文献】 特表2008−509101(JP,A)
【文献】 特表2005−523263(JP,A)
【文献】 今日の治療指針, 2002, p.515-516
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/506
A61K 31/519
A61K 31/53
A61P 1/00
A61P 9/00
A61P 11/00
A61P 13/12
A61P 17/00
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(3)及び(27)
【化1】
のいずれかの化合物を含む、全身性強皮症(SSc)または全身性強皮症(SSc)付随線維症の予防および/または処置剤。
【請求項2】
(3)の化合物を含む、請求項1に記載の予防および/または処置剤。
【請求項3】
前記化合物をシルデナフィルまたはバルデナフィルと組み合わせて用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の予防および/または処置剤。
【請求項4】
全身性強皮症(SSc)が、びまん型全身性強皮症(dSSc)、限局型全身性強皮症(lSSc)、オーバーラップ型全身性強皮症、未分化型全身性強皮症、皮膚硬化のない全身性強皮症、皮膚線維症、強皮症、腎性線維化性皮膚症(NFD)、腎性全身性線維症(NSF)またはケロイド形成である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の予防および/または処置剤。
【請求項5】
全身性強皮症(SSc)付随線維症が、腸、肺、腎臓または血管を含む内臓の全身性強皮症(SSc)付随線維症である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の予防および/または処置剤。
【請求項6】
全身性強皮症(SSc)または全身性強皮症(SSc)付随線維症の予防および/または処置用の医薬を製造するための、請求項1又は2に記載の少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項7】
全身性強皮症(SSc)または全身性強皮症(SSc)付随線維症の予防および/または処置用の医薬を製造するための、シルデナフィルまたはバルデナフィルと請求項1又は2に記載の少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項8】
全身性強皮症(SSc)が、びまん型全身性強皮症(dSSc)、限局型全身性強皮症(lSSc)、オーバーラップ型全身性強皮症、未分化型全身性強皮症、皮膚硬化のない全身性強皮症、皮膚線維症、強皮症、腎性線維化性皮膚症(NFD)またはケロイド形成である、請求項6または7に記載の使用。
【請求項9】
全身性強皮症(SSc)付随線維症が、腸、肺、腎臓または血管を含む内臓の全身性強皮症(SSc)付随線維症である、請求項6または7に記載の使用。
【請求項10】
全身性強皮症(SSc)または全身性強皮症(SSc)付随線維症の予防および/または処置用の、請求項1又は2に記載の少なくとも1種の化合物を含む医薬製剤。
【請求項11】
全身性強皮症(SSc)または全身性強皮症(SSc)付随線維症の予防および/または処置用の、請求項1又は2に記載の少なくとも1種の化合物とシルデナフィルまたはバルデナフィルとを含む医薬製剤。
【請求項12】
全身性強皮症(SSc)が、びまん型全身性強皮症(dSSc)、限局型全身性強皮症(lSSc)、オーバーラップ型全身性強皮症、未分化型全身性強皮症、皮膚硬化のない全身性強皮症、皮膚線維症、強皮症、腎性線維化性皮膚症(NFD)またはケロイド形成である、請求項10又は11に記載の医薬製剤。
【請求項13】
全身性強皮症(SSc)付随線維症が、腸、肺、腎臓または血管を含む内臓の全身性強皮症(SSc)付随線維症である、請求項10又は11に記載の医薬製剤。
【請求項14】
全身性強皮症(SSc)または全身性強皮症(SSc)付随線維症の予防および/または処置用の、
a)請求項1又は2に記載の少なくとも1種の化合物を含む医薬製剤、および、b)シルデナフィルまたはバルデナフィルを含む医薬製剤
を含むキット。
【請求項15】
全身性強皮症(SSc)が、びまん型全身性強皮症(dSSc)、限局型全身性強皮症(lSSc)、オーバーラップ型全身性強皮症、未分化型全身性強皮症、皮膚硬化のない全身性強皮症、皮膚線維症、強皮症、腎性線維化性皮膚症(NFD)またはケロイド形成である、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
全身性強皮症(SSc)付随線維症が、腸、肺、腎臓または血管を含む内臓の全身性強皮症(SSc)付随線維症である、請求項14に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
線維性疾患、例えば全身性強皮症、強皮症およびそれらに付随する内臓の線維症を予防および処置するための、sGC刺激剤、sGCアクチベーター単独またはPDE5阻害剤との組み合わせ剤の使用。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
<全身性強皮症>
全身性強皮症(SSc)の病因は、未だ不明であり、分からないままである。しかし、強皮症は、非遺伝性かつ非感染性疾患であり、自己免疫疾患であると考えられている。SScは、皮膚線維症を起こす真皮中の細胞外マトリックスの過剰な沈着によって引き起こされる多様な症状を有する。後期では、SScは、他の内臓、例えば腸、肺または腎臓を冒す進行性組織線維症によって特徴付けられる。従って、強皮症は、例えば肺線維症、腎線維症、心臓、腸または血管の線維症を含む疾患のホールマークである。炎症、自己免疫障害または血管損傷が線維芽細胞を活性化することが示唆されている。線維増殖は、I型コラーゲンが優勢である、過剰な細胞外マトリックスが付随し、その結果、末期臓器機能不全を起こし、末期SSc患者の高い罹患率および死亡率をもたらし得る進行性組織線維症を起こす(Harris et al. 2005 - Kelley's Textbook of Rhematology 7th edition. Elsevier Saunders, Philadelphia PA)。
【0003】
全身性強皮症(SSc)のための原因に対する利用可能な処置は未だなく、現行の治療は、コルチコステロイド、シクロホスファミド、メトトレキサートによる免疫系の抑制を基礎としている。最近では、キナーゼ阻害剤が、SScにおける免疫抑制剤および抗線維症剤として治験下にあるが、耐容性はSSc患者において限定されている(Khanna and Denton 2010 - Best. Pract. Res. Clin. Rheumatol. 24:387-400, Ong and Denton 2010 - Curr. Opin. Rheumatol. 22:264-272, Spiera 2011 - Ann. Rheum. Dis. Epub Mar 2011)。単独でまたは組み合わせた処置として用いられるこれらの治療は、その効果が限定的であり、強い副作用を示した。従って、有効で安全なSSc処置の他の選択肢の必要に迫られている。
【0004】
<cGMPの抗線維症作用>
環状ヌクレオチドである環状アデノシン モノホスフェート(cAMP)および環状グアノシン モノホスフェート(cGMP)は、数十年前に発見され、細胞内の最も重要な二次メッセンジャー経路の1つを表す。細胞内cGMP貯蔵の制御は、生理学および病態生理学に対して実質的な影響を有し、薬理学的介入の1つの基本原則であることが、十分に確立されている(Evgenov et al. 2006 - Nat. Rev. Drug. Discov. 5(9):755-768)。心血管、肺またはCNS障害の処置に加えて、cGMP増加が泌尿器科の障害にも非常に有効な処置選択肢であるという十分な証拠がある(Sandner et al. 2009 - Handbook Exper. Pharmacol. 191:507-531)。PDE5阻害剤は勃起不全(ED)の処置において代表的なものであるが、PDE5阻害剤は、過活動膀胱(OAB)および下部尿路症状(LUTS)によって特徴付けられる症候性BPHの処置に有用であることが示された(Porst et al. 2008 - Curr. Urol. Rep. 9:295-301; .McVary et al. 2007 - J. Urol. 177:1071-1077, J Urol. 177:1401-1407, Kaplan and Gonzalez. 2007 - Rev. Urol. 9:73-77)。sGC刺激剤およびsGCアクチベーターであるバルデナフィルの抗線維症作用は、まだ理解されていない。他の臓器において、おそらくcGMPが介在する一酸化窒素の抗線維症作用について幾らか記載があり、PDE5阻害剤またはグアニル酸シクラーゼ刺激剤は、それぞれ、陰茎線維症(ペイロニー病)(Ferrini et al. 2006 - B. J. Urol. 97:625-633)および肝臓線維症(Knorr et al. 2008 - Arzneimittelforschung 58:71-80)に効果を示す。
【0005】
NO/cGMP系がSScに関係するかどうか、およびcGMP増加がこの疾患における処置の選択肢を提供するかどうかは、知られていない。我々は、内因性NO/cGMP産生と無関係に、sGC刺激剤およびアクチベーターが、全身性強皮症(SSc)における有効な処置の選択肢であるという仮説を立てた。
【0006】
従って、我々は、sGC刺激剤およびsGCアクチベーター、すなわち式:
【化1】
の化合物である実施例27の化合物と、そのPDE5阻害剤との組み合わせについて、SScにおけるインビトロおよびインビボ動物モデルで調べた。インビボ試験は、マウスのブレオマイシン誘発皮膚および肺線維症試験およびTSKマウスの皮膚線維症試験を含む。さらに、抗線維症可能性について試験した投与量範囲を、マウスの血圧および心拍数分析のための遠隔測定インプラントでも分析した。
【0007】
我々は、我々の動物モデルにおいて、インビボで、以下の事項を見出した:
・マウスのブレオマイシン誘発SScにおいて、sGC刺激剤またはsGCアクチベーター、すなわち実施例27、実施例3、実施例6の化合物は、予防投与量レジメで投与したとき、皮膚の厚み、皮膚のヒドロキシプロリン含量および皮膚の筋線維芽細胞数を有意に減少させた(実施例A:表1、表2)。これらのデータは、これらの化合物を予防的に与えたとき、全身性強皮症における抗線維症作用を示唆している。
・マウスのブレオマイシン誘発SScにおいて、sGC刺激剤またはsGCアクチベーター、すなわち実施例27の化合物は、線維症を確立させた後に治療投与量レジメで投与したとき、皮膚の厚み、皮膚のヒドロキシプロリン含量および皮膚の筋線維芽細胞数を有意に減少させた(実施例B:表3)。これらのデータは、当該化合物を治療的に与えたとき、全身性強皮症における抗線維症作用および確立された線維症の退縮を示唆している。
・sGC刺激剤またはsGCアクチベーター、すなわち実施例27の化合物は、TSKマウスの皮膚の厚み、皮膚のヒドロキシプロリン含量および皮膚の筋線維芽細胞数を有意に減少させた。TSKマウスが処置の開始前にすでに確立された線維症を示すため、実施例27の化合物は、線維症の退縮を起こした(実施例C:表4)。これらのデータは、当該化合物を治療的に与えたとき、全身性強皮症における抗線維症作用および確立された線維症の退縮を示唆している。
・sGC刺激剤またはsGCアクチベーター、すなわち実施例27、実施例3、実施例4、実施例6の化合物を、遠隔測定インプラントを有する意識のあるマウスにおいて調べ、血圧および心拍数をモニターした(実施例D)。実施例27、実施例3、実施例4、実施例7の化合物は、抗線維症性を有する投与量で、マウスの血液動態プロファイルを変化させないか、または穏やかに変化させるのみであった(実施例D:図1、2A、2B、3A、3B、4A、4B)。これらのデータは、これらの化合物による、血圧低下と無関係のsGC刺激剤およびsGCアクチベーターの直接的抗線維症作用機序を示唆している。
・sGC刺激剤またはsGCアクチベーター、すなわち実施例27の化合物は、単独およびPDE5阻害剤(すなわちバルデナフィル)との組み合わせで、ヒトの皮膚線維症において、インビトロで、TGF誘発コラーゲン遺伝子発現を遮断した(実施例E)。これらのデータは、コラーゲン産生のレベルに対する直接的抗線維症効果を示唆する。
【0008】
従って、我々は、sGC刺激剤またはsGCアクチベーター、すなわち実施例27の化合物が、ブレオマイシン誘発線維症モデルおよびTSKマウスモデルを含む炎症性および非炎症性SScの異なる動物モデルで、線維症を予防し、確立された線維症を退縮することを、全く予測せずに、初めて見出した。
【0009】
さらに、全身の血圧に対して顕著な作用が見られず、このことから、これらのsGC刺激剤が血圧低下と無関係にSScの直接的抗線維症性を有することを初めて示した。
さらに、sGC刺激剤およびsGCアクチベーターは、SSc以外の他の線維性障害への広範な抗線維症効果を意味するTGFβ誘発コラーゲン合成を遮断した。
【0010】
総合すると、このデータは、sGC刺激剤およびsGCアクチベーター、すなわち実施例27、実施例3、実施例4、実施例6の化合物が、SScのためのさらなる処置の選択肢を表すことを、初めて示したものである。
【発明の概要】
【0011】
本発明の開示
特に、実質的な利点を有して、単独またはPDE5阻害剤と組み合わせた上記のsGC刺激剤またはsGCアクチベーターが処置することができる、本発明の治療薬によって対処される線維性障害は、全身性強皮症(SSc)、全身性強皮症(SSc)付随線維症および線維性疾患を含むがこれらに限定されない。
【0012】
全身性強皮症(SSc)は、びまん型全身性強皮症(dSSc)、限局型全身性強皮症(lSSc)、オーバーラップ型全身性強皮症、未分化型全身性強皮症、皮膚硬化のない全身性強皮症、皮膚線維症、強皮症、腎性線維化性皮膚症(NFD)、腎性全身性線維症(NSF)、ケロイド形成を言うが、これらに限定されない。
【0013】
SSc付随線維症は、腸、肺、腎臓および血管を含むがこれらに限定されない内臓の線維症を言う。
【0014】
線維性疾患は、病因、すなわち自己免疫障害、放射線治療、中毒、糖尿病、手術と無関係に、コラーゲン過剰が、皮膚、腸、肝臓、肺、心臓、膀胱、前立腺、血管の線維症または他の何れかの組織中の局在化したもしくは全身の線維症状態をもたらす状態を含むが、これらに限定されない。
【0015】
本発明の好ましい態様は、線維性疾患、例えば全身性強皮症、強皮症およびそれらに付随する内臓の線維症を予防および処置するための、下に示した式(1)〜(27)の化合物である:
・ 国際公開第00/06569号に実施例16として開示された2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−モルホリニル)−4,6−ピリミジンジアミン(1)、
・ 国際公開第02/42301号に実施例1として開示された2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−(4−ピリジニル)−4−ピリミジンアミン(2)、
・ 国際公開第03/095451号に実施例8として開示されたメチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル−(メチル)カルバメート(3)、
・ 国際公開第03/095451号に実施例5として開示されたメチル−4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル−カルバメート(4)、
・ 国際公開第01/019780号に実施例8aとして開示された4−({(4−カルボキシブチル)[2−(2−{[4−(2−フェニルエチル)ベンジル]オキシ}フェニル)エチル]アミノ}メチル)カルボン酸(5)、
・ メチル−{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}カルバメート(6)、
・ メチル−{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}メチルカルバメート(7)、
・ メチル−{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバメート(8)、
・ 国際公開第00/02851号に開示された5−クロロ−2−(5−クロロチオフェン−2−スルホニルアミノ−N−(4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミドのナトリウム塩(9)、
・ 国際公開第00/02851号に開示された2−(4−クロロ−フェニルスルホニルアミノ)−4,5−ジメトキシ−N−(4−(チオモルホリン−4−スルホニル)−フェニル)−ベンズアミド(10)、
・ 国際公開第2009/032249号に開示された1−{6−[5−クロロ−2−({4−trans−4−}トリフルオロメチル)シクロヘキシル]ベンジル}オキシ)フェニル]ピリジン−2−イル}−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(11)、
・ 国際公開第2009/071504号に開示された1−[6−(2−(2−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ベンジルオキシ)−フェニル)ピリジン−2−イル]−5−トリフルオロメチル−ピラゾール−4−カルボン酸(12)、
【0016】
・ 国際公開第2009/068652号に開示された1−[6−(3,4−ジクロロフェニル)−2−ピリジニル−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(13)、
・ 国際公開第2009/123316号に開示された1−({2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(14)、4−({2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)安息香酸(15)および1−({2−[2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−チアゾール−4−イル}メチル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(16)、
・ 国際公開第2010/065275号に開示された4−アミノ−2−[5−クロロ−3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1H−インダゾール−1−イル]−5,5−ジメチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(17)、4−アミノ−2−[5−クロロ−3−(2,3,6−トリフルオロベンジル)−1H−インダゾール−1−イル]−5,5−ジメチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(18)、4−アミノ−5,5−ジメチル−2−[3−(2,3,6−トリフルオロベンジル)−1H−チエノ[3,4−c]ピラゾール−1−イル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(19)、4−アミノ−5,5−ジメチル−2−[3−(2,3,6−トリフルオロベンジル)−1H−チエノ[2,3−d]ピラゾール−1−イル]−5,5−ジメチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(20)、4−アミノ−5,5−ジメチル−2−[7−(2,3,6−トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5−b]ピリダジン−5−イル]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(21)、4−アミノ−2−[6−クロロ−3−(2,3,6−トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−イル]]−5,5−ジメチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(22)、4−アミノ−2−[6−フルオロ−3−(2,3,6−トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−イル]]−5,5−ジメチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(23)、4−アミノ−2−[6−フルオロ−3−(2,3,6−トリフルオロベンジル)−6−フルオロイミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−イル]−5,5−ジメチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(24)、4−アミノ−5,5−ジメチル−2−[3−(2,4,6−トリフルオロベンジル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−イル]]−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(25)、4−アミノ−2−[3−(2−シクロペンチルエチル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン−1−イル]−5,5−ジメチル−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(26)、
・ 国際公開第00/06568号に実施例1として開示された、BAY 41-2272として知られる3−(4−アミノ−5−シクロプロピルピリミジン−2−イル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(27)。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
式(1)、(2)、(3)、(4)、(6)〜(8)および(17)〜(27)の化合物は、sGC刺激剤として知られている。式(1)、(2)、(3)、(4)、(6)、(7)および(27)の化合物が好ましい。式(3)、(4)、(6)および(7)の化合物が特に好ましい。
【0027】
式(5)および(9)〜(16)の化合物は、sGCアクチベーターとして知られている。式(5)の化合物が好ましい。
【0028】
本発明のさらなる態様は、線維性疾患、例えば全身性強皮症、強皮症およびそれらに付随する内臓の線維症を予防および処置するための、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤および/またはアクチベーターと、PDE5阻害剤との組み合わせ剤である。sGC刺激剤および/またはアクチベーターとの組み合わせ剤において、下記のPDE5阻害剤が好ましい:タダラフィル((6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレン−ジオキシフェニル)ピラジノ(1',2':1,6)ピリド(3,4−b)インドール−1,4−ジオン)、バルデナフィル(2−(2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル−1−スルホニル)フェニル)−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ(5,1−f)(1,2,4)トリアジン−4−オン)、シルデナフィル(3−[2−エトキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)スルホニル−フェニル]−7−メチル−9−プロピル−2,4,7,8−テトラアザビシクロ[4.3.0]ノナ−3,8,10−トリエン−5−オン)、ウデナフィル(5−[2−プロピルオキシ−5−(1−メチル−2−ピロリジニルエチルアミドスルホニル)フェニル]−メチル−3−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン)、ダサンタフィル(Dasantafil)(7−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−1−エチル−8−[[(1,2)−2−ヒドロキシシクロペンチル]アミノ]−3−(2−ヒドロキシエチル)−3,7−ジヒドロ−1−プリン−2,6−ジオン)、アバナフィル(Avanafil)(4−{[(3−クロロ−4−メトキシフェニル)メチル]アミノ}−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド)、ミロデナフィル(Mirodenafil)、ロデナフィル(Lodenafil)、UK 369.003、UK 371.800、Surface Logix社のSLx 2101、LAS 34179(トリアゾロ[1,2−]キサンチン,6−メチル−4−プロピル−2−[2−プロポキシ−5−(4−メチルピペラジノ)スルホニル]フェニル)またはそれらの塩、水和物または塩の水和物。
【0029】
式(1)、(2)、(3)、(4)、(6)、(7)、(27)および/または(5)の化合物と、バルデナフィルおよび/またはシルデナフィルとの組み合わせ剤が特に好ましい。
全身性強皮症(SSc)の予防および/または処置に使用するための、式(3)、(4)、(6)、(7)および/または(5)の化合物と、バルデナフィルおよび/またはシルデナフィルとの組み合わせ剤が特に好ましい。
【0030】
全身性強皮症(SSc)の予防および/または処置に使用するための、式(3)、(4)、(6)および/または(7)の化合物が特に好ましい。
全身性強皮症(SSc)の予防および/または処置に使用するための、式(3)、(4)および/または(6)の化合物が特に好ましい。
【0031】
強皮症の予防および/または処置に使用するための、バルデナフィルまたはシルデナフィルと組み合わせた、少なくとも1つの式(3)、(4)、(6)および/または(7)の化合物が特に好ましい。
【0032】
本発明のさらなる態様は、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤および/またはアクチベーターと、免疫抑制治療剤(すなわちシクロホスファミド CYP、メトトレキサート MTX)、キナーゼ阻害剤(すなわちソラフェニブ、レゴラフェニブ、イマチニブ、ダサチニブ)、グルココルチコイド(すなわちプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン)、抗CD20抗体、P144β−グリカン、アバタセプトとの組み合わせ剤である。
【0033】
本発明のさらなる態様は、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤および/またはアクチベーターと、ACE阻害剤(すなわちカプトプリル、エナラプリル)、カルシウムチャネル遮断薬(すなわちニフェジピン)、プロスタノイド(すなわちイロプロスト)、エンドセリンアンタゴニスト(すなわちボセンタン)との組み合わせ剤である。
【0034】
本発明の他の好ましい態様は、全身性強皮症(SSc)、びまん型全身性強皮症(dSSc)、限局型全身性強皮症(lSSc)、オーバーラップ型全身性強皮症、未分化型全身性強皮症、皮膚硬化のない全身性強皮症、皮膚線維症、強皮症、腎性線維化性皮膚症(NFD)、ケロイド形成の予防および/または処置に使用するための、上に示した化合物および/または組み合わせ剤である。
【0035】
本発明の他の好ましい態様は、強皮症の予防および/または処置に使用するための、上に示した化合物および/または組み合わせ剤である。
【0036】
本発明の他の好ましい態様は、腸、肺、腎臓および血管を含む内臓の全身性強皮症(SSc)付随線維症の予防および/または処置に使用するための、上に示した化合物および/または組み合わせ剤である。
【0037】
本発明の他の好ましい態様は、全身性強皮症(SSc)を予防および/または処置するための、有効量の上に示した化合物および/または組み合わせ剤を含む医薬の製造における使用である。
【0038】
本発明の他の好ましい態様は、強皮症を予防および/または処置するための、有効量の上に示した化合物および/または組み合わせ剤を含む医薬の製造における使用である。
【0039】
本発明の他の好ましい態様は、全身性強皮症(SSc)、びまん型全身性強皮症(dSSc)、限局型全身性強皮症(lSSc)、オーバーラップ型全身性強皮症、未分化型全身性強皮症、皮膚硬化のない全身性強皮症、皮膚線維症、強皮症、腎性線維化性皮膚症(NFD)、ケロイド形成を予防および/または処置するための、有効量の上に示した化合物および/または組み合わせ剤を含む医薬の製造における使用である。
【0040】
本発明の他の好ましい態様は、腸、肺、腎臓および血管を含む内臓の全身性強皮症(SSc)付随線維症を予防および/または処置するための、有効量の上に示した化合物および/または組み合わせ剤を含む医薬の製造における使用である。
【0041】
本発明の他の好ましい態様は、全身性強皮症(SSc)の予防および/または処置に使用するための、上に示した少なくとも1種の化合物または1つの組み合わせ剤を含む医薬製剤である。
【0042】
本発明の他の好ましい態様は、全身性強皮症(SSc)、びまん型全身性強皮症(dSSc)、限局型全身性強皮症(lSSc)、オーバーラップ型全身性強皮症、未分化型全身性強皮症、皮膚硬化のない全身性強皮症、皮膚線維症、強皮症、腎性線維化性皮膚症(NFD)、ケロイド形成の予防および/または処置に使用するための、上に示した少なくとも1種の化合物または1つの組み合わせ剤を含む医薬製剤である。
【0043】
本発明の他の好ましい態様は、全身性強皮症(SSc)の予防および/または処置に使用するための、上に示した少なくとも1種の化合物または1つの組み合わせ剤を含む医薬製剤である。
【0044】
本発明の他の好ましい態様は、腸、肺、腎臓および血管を含む内臓の全身性強皮症(SSc)付随線維症の予防および/または処置に使用するための、上に示した少なくとも1種の化合物または1つの組み合わせ剤を含む医薬製剤である。
【0045】
本発明の他の好ましい態様は、全身性強皮症(SSc)の予防および/または処置に使用するための、少なくとも1種の上に示したsGC刺激剤および/またはアクチベーター、または上に示した組み合わせ剤を含むキットである。
【0046】
本発明の他の好ましい態様は、全身性強皮症(SSc)、びまん型全身性強皮症(dSSc)、限局型全身性強皮症(lSSc)、オーバーラップ型全身性強皮症、未分化型全身性強皮症、皮膚硬化のない全身性強皮症、皮膚線維症、強皮症、腎性線維化性皮膚症(NFD)、ケロイド形成の予防および/または処置に使用するための、上に示したキットである。
【0047】
本発明の他の好ましい態様は、強皮症の予防および/または処置に使用するための、少なくとも1種の上に示したsGC刺激剤および/またはアクチベーター、または、上に示した組み合わせ剤を含むキットである。
【0048】
本発明の他の好ましい態様は、腸、肺、腎臓および血管を含む内臓の全身性強皮症(SSc)付随線維症の予防および/または処置に使用するための上に示したキットである。
【0049】
本発明の医薬組成物は、意図された投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例は、非経腸、例えば静脈内、皮内、皮下、経口(例えば‘吸入')、経皮(局所)、経粘膜および直腸投与を含む。注射可能な使用に適当な医薬組成物は、滅菌処理した水溶液(水に可溶な場合)または分散液、および、滅菌処理された注射可能な溶液または分散液を即時調製するための滅菌処理された粉末を含む。担体は、溶媒または分散媒体であってもよく、例えば水、エタノール、薬学的に許容されるポリオール、例えばグリセロール、プロピレン グリコール、液体ポリエチレン グリコールおよび適当なそれらの混合物を含む。例えばレシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合は必要とされる粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって、適切な流動性を維持することができる。種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって、微細物の作用の予防を達成することができる。多くの場合において、組成物中に、等張剤、例えば糖類、ポリアルコール類、例えばマンニトール(maitol)、ソルビトール、塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
【0050】
経口組成物は、一般的に、不活性な希釈剤または食用担体を含む。それらを、ゼラチンカプセルに封入することも、錠剤に圧縮することもできる。経口治療投与の目的のために、活性な化合物を、添加物と組み合わせて、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形態で用いることができる。また、流体担体中の本化合物を経口で適用し、口を漱ぎ、吐き出し、または飲み込む洗口液として使用するために、流体担体を用いて、経口組成物を製造することもできる。
【0051】
薬学的に適合性の結合剤および/またはアジュバント物質を、組成物の一部として含むことができる。錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤などは、下記の何れかの成分または同様の性質の化合物を含むことができる:結合剤、例えば微晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン;添加物、例えば澱粉または乳糖、崩壊剤、例えばアルギン酸、Primogelまたはトウモロコシ澱粉;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸エステル(sterotes);滑剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;甘味料、例えばショ糖またはサッカリン;または風味剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料。
【0052】
吸入によって投与するために、本化合物は、適当な噴射剤、例えばガス、例えば二酸化炭素を含む加圧容器またはディスペンサー、またはネブライザーから、エアゾールスプレーの形態で送達される。
【0053】
全身投与はまた、経粘膜または経皮手段によって行うことができる。経粘膜または経皮投与のために、浸透されるべき障壁に適切な浸透剤が製剤に用いられる。このような浸透剤は、一般的に、当技術分野で知られており、例えば、経粘膜投与のためには、界面活性剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与を、鼻用スプレーまたは坐剤によって達成することができる。経皮投与のためには、活性な化合物は、当技術分野で一般的に知られている軟膏、ロウ膏、ゲルまたはクリームに製剤化される。
【0054】
また、本化合物を、坐剤(例えば慣用の坐剤用基剤、例えばカカオ脂および他のグリセリドと共に)または直腸送達用停留浣腸の形態で製造することができる。
【0055】
一つの態様において、活性な化合物は、身体からの迅速な排泄から化合物を保護する担体と共に、例えば、インプラントおよびミクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤として製造される。生分解性生体適合性ポリマー、例えばエチレン ビニル アセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】平均動脈血圧(左)および心拍数(右)に対する実施例27の化合物の効果
図2A】収縮期血圧に対する実施例3の化合物の効果
図2B】心拍数に対する実施例3の化合物の効果
図3A】収縮期血圧に対する実施例4の化合物の効果
図3B】心拍数に対する実施例4の化合物の効果
図4A】収縮期血圧に対する実施例7の化合物の効果
図4B】心拍数に対する実施例7の化合物の効果
【発明を実施するための形態】
【0057】
実験部
A. 実施例
略号および頭字語:
【表1】
【0058】
LC/MS法:
方法1:MS装置:Waters ZQ;HPLC装置:Agilent 1100 Series;UV DAD;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20mm×4mm;溶出液A:1L 水+0.5ml 50% 蟻酸, 溶出剤B:1L アセトニトリル+0.5mlの50% 蟻酸;濃度勾配:0.0分 100% A→3.0分 10% A→4.0分 10% A→4.1分 100% A(流速 2.5ml/分);オーブン:55℃;流速:2ml/分;UV検出:210nm。
方法2:装置:Waters ACQUITY SQD UPLC System;カラム:Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ 50×1mm;溶出液A:1L 水+0.25ml 99% 蟻酸, 溶出液B:1L アセトニトリル+0.25ml 99% 蟻酸;濃度勾配:0.0分 90% A→1.2分 5% A→2.0分 5% A;オーブン:50℃;流速:0.40ml/分;UV検出:210〜400nm。
【実施例】
【0059】
<出発化合物および中間体>
実施例1A
2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチンアミド
【化11】
濃硫酸(125ml)中の25g(130.90mmol)の2,6−ジクロロ−5−フルオロ−3−シアノピリジンの懸濁液を60〜65℃で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、フラスコの内容物を氷水に注ぎ、酢酸エチル(それぞれ100ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、水(100ml)で、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた物質を高真空下で乾燥させた。
収量:24.5 g (理論値の90%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.95 (br s, 1H), 8.11 (br s, 1H), 8.24 (d, 1H)。
【0060】
実施例2A
2−クロロ−5−フルオロニコチンアミド
【化12】
メタノール(207ml)中の21.9g(335.35mmol)の亜鉛の懸濁液を、室温で、44g(210.58mmol)の2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチンアミドと混合した。酢酸(18.5ml)を加え、混合物を撹拌しながら24時間還流した。その後、フラスコの内容物を傾斜して亜鉛と分け、酢酸エチル(414ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(414ml)を加え、次に激しく撹拌抽出した。続いて、反応混合物を珪藻土で吸引濾過し、濾過生成物を酢酸エチル(それぞれ517ml)で3回洗浄した。有機相を分離して取り、水相を酢酸エチル(258ml)で洗浄した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(414ml)で1回洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた結晶をジクロロメタン(388ml)と混合し、20分間撹拌抽出した。再度吸引濾過を行い、濾過生成物をジエチルエーテルで洗浄し、吸引して乾燥させた。
収量:20.2 g (理論値の53%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.87 (br s, 1H), 7.99 (dd, 1H), 8.10 (br s, 1H), 8.52 (d, 1H)。
【0061】
実施例3A
2−クロロ−5−フルオロニコチノニトリル
【化13】
ジクロロメタン(783ml)中の46.2g(264.66mmol)の2−クロロ−5−フルオロニコチンアミドの懸濁液を、81.2ml(582.25mmol)のトリエチルアミンと混合し、0℃に冷却した。撹拌しながら、41.12ml(291.13mmol)の無水トリフルオロ酢酸をゆっくりと滴下し、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。次に、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(それぞれ391ml)で2回洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。
収量:42.1 g (理論値の90%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.66 (dd, 1H), 8.82 (d, 1H)。
【0062】
実施例4A
5−フルオロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミン
【化14】
1,2−エタンジオール(380ml)中の38.5g(245.93mmol)の2−クロロ−5−フルオロニコチノニトリルの懸濁液を導入し、続いてヒドラジン水和物(119.6ml, 2.459mol)と混合した。混合物を撹拌しながら4時間加熱した。冷却時、生成物が沈殿した。黄色の結晶を水(380ml)と混合し、室温で10分間撹拌抽出した。懸濁液をフリットで吸引濾過し、濾過生成物を、水(200ml)で、そして−10℃に冷却したTHF(200ml)で洗浄した。残渣を、高真空下、五酸化リンで乾燥させた。
収量:22.8 g (理論値の61%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.54 (s, 2H), 7.96 (dd, 1H), 8.38 (m, 1H), 12.07(m, 1H)。
【0063】
実施例5A
5−フルオロ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
【化15】
THF(329ml)に、10g(65.75mmol)の5−フルオロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミンを導入し、0℃に冷却した。16.65ml(131.46mmol)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体をゆっくりと加えた。反応混合物をさらに−10℃まで冷却した。THF(24.39ml)中の10.01g(85.45mmol)の亜硝酸イソペンチルの溶液をゆっくりと加え、続いてさらに30分間撹拌した。混合物を冷ジエチルエーテル(329ml)で希釈し、得られた固体を濾過によって単離した。このようにして製造されたジアゾニウム塩を、アセトン(329ml)中の12.81g(85.45mmol)のヨウ化ナトリウムの0℃に冷却した溶液に少しずつ加え、混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を氷水(1.8L)に注ぎ、酢酸エチル(それぞれ487ml)で2回抽出した。集めた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(244ml)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより、12.1g(純度86%, 理論値の60%)の望ましい化合物を褐色の固体の形態で得た。粗生成物をさらに精製することなく反応させた。
LC-MS (方法1): Rt = 1.68分;
MS (ESIpos): m/z = 264 (M+H)+
【0064】
実施例6A
5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
【化16】
DMF(2538ml)に、141g(462.11mmol)の実施例5Aの化合物を導入し、96.09g(508.32mmol)の臭化 2−フルオロベンジルおよび165.62g(508.32mmol)の炭酸セシウムを加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(13670ml)に注ぎ、酢酸エチル(5858ml)で2回抽出した。集めた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(3905ml)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣についてシリカゲルのクロマトグラフィーを行い(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル 97:3)、生成物のフラクションを濃縮した。得られた固体をジクロロメタンに溶解し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(500ml)で1回、そして飽和塩化ナトリウム水溶液(500ml)で洗浄した。生成物を濃縮乾固し、残渣をジエチルエーテルと共に懸濁し、吸引濾過によって単離し、高真空下で乾燥させた。これにより106.6g(理論値の62%)の望ましい化合物を得た。
LC-MS (方法1): Rt = 2.57分。
MS (ESIpos): m/z = 372 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.73 (s, 2H), 7.13 - 7.26 (m, 3H), 7.33 - 7.41 (m, 1H), 7.94 (dd, 1H), 8.69 - 8.73 (m, 1H)。
【0065】
実施例7A
2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ニトロピリミジン−4,6−ジアミン
【化17】
1,4−ジオキサン(86ml)に、アルゴン下、860mg(2.32mmol)の実施例6Aの化合物を導入し、反応混合物にアルゴンを10分間吹き付けた。3.51ml(6.95mmol)のヘキサブチル 二錫および483mg(2.55mmol)の2−クロロ−5−ニトロピリミジン−4,6−ジアミン(Helvetica Chimica Acta (1951), 34, 835-40の方法によって製造)を加えた。次に、860mg(0.744mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加え、反応混合物を一夜還流した。それを室温まで冷却し、水と混合し、酢酸エチルで2回抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を酢酸エチル中で撹拌抽出を行い、固体を濾過によって単離し、高真空下で乾燥させた。これにより、355mg(純度62%, 理論値の24%)の望ましい化合物を得た。粗生成物をさらに精製することなく反応させた。
LC-MS (方法2): Rt = 1.03分。
MS (ESIpos): m/z = 399 (M+H)+
【0066】
実施例8A
5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化18】
DMSO(120ml)中の16.03g(43.19mmol)の5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(実施例6A)および4.25g(47.51mmol)のシアン化銅の懸濁液を導入し、150℃で2時間撹拌した。冷却後、フラスコの内容物を約40℃まで冷却し、濃アンモニア水(90ml)および水(500ml)の溶液に注ぎ、酢酸エチル(200ml)と混合し、短時間撹拌抽出した。水相を分離し、酢酸エチル(それぞれ200ml)で2回以上抽出した。合わせた有機相を濃度10%の塩化ナトリウム水溶液(それぞれ100ml)で2回洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、さらに精製することなく反応させた。
収量:11.1 g (理論値の91%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.87 (s, 2H), 7.17 - 7.42 (m, 4H), 8.52 (dd, 1H), 8.87 (dd, 1H)。
【0067】
実施例9A
5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシミドアミド 酢酸塩
【化19】
メタノール(270ml)中の2.22g(41.07mmol)のナトリウム メトキシドに、11.1g(41.07mmol)の5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(実施例8A)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。2.64g(49.29mmol)の塩化アンモニウムおよび酢酸(9.17ml)を加え、混合物を一夜還流した。それを濃縮乾固し、残渣を水(100ml)および酢酸エチル(100ml)に溶かし、2N 水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 10に調節した。それを室温で約1時間激しく撹拌した。得られた懸濁液を吸引濾過し、濾過生成物を、酢酸エチル(100ml)で、水(100ml)で、そして酢酸エチル(100ml)で再度洗浄した。残渣を、高真空下、五酸化リンで乾燥させた。
収量:9.6 g (理論値の78%)。
MS (ESIpos): m/z = 288 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.85 (s, 3H), 5.80 (s, 2H), 7.14 - 7.25 (m, 3H), 7.36 (m, 1H), 8.42 (dd, 1H), 8.72 (dd, 1H)。
【0068】
実施例10A
2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−[(E)−フェニルジアゼニル]ピリミジン−4,6−ジアミン
【化20】
水(40ml)および濃塩酸(7.07ml)を、撹拌しながら、3.85g(41.34mmol)のアニリンと混合し、この混合物を0℃まで冷却した。水(21ml)中の2.85g(41.34mmol)の亜硝酸ナトリウムの溶液を、0℃から5℃の間で滴下し、次に0℃で15分間撹拌した。その後、0℃で、水(19ml)中の4.28g(52.25mmol)の酢酸ナトリウムの溶液を迅速に滴下し、十分に撹拌しながら、エタノール(10ml)中の2.73g(41.34mmol)のマロノニトリルの溶液を滴下した。0℃で2時間後、得られた沈殿物を吸引濾過によって単離し、水(それぞれ50ml)で3回、そして石油エーテル(50ml)で洗浄した。未だ湿っている残渣を、DMF(46ml)に溶解して、正確に85℃で、DMF(46ml)およびトリエチルアミン(5.76ml)中の9.5g(33.07mmol)の5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシミドアミド 酢酸塩(実施例9A)の溶液に滴下した。混合物を100℃で4時間撹拌し、一夜室温まで冷却した。混合物を水(480ml)に注ぎ、室温で1時間撹拌抽出した。沈殿物を吸引濾過によって単離した後、それを水(それぞれ100ml)で2回、そしてメタノール(それぞれ50ml)で2回洗浄し、高真空下で乾燥させた。
収量:9.6 g (理論値の59%)。
LC-MS (方法2): Rt = 1.21分。
MS (ESIpos): m/z = 458 (M+H)+
【0069】
実施例11A
2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−4,5,6−トリアミン
【化21】
【0070】
変法A: 実施例7Aから出発する製法:
ピリジン(30ml)に、378mg(0.949mmol)の実施例7Aの化合物を導入し、143mg(0.135mmol)のパラジウム(10%, 炭素上)を加えた。混合物を、室温で一夜、標準水素圧下で水素化した。懸濁液を珪藻土で濾過し、フィルターケーキをエタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、233mg(純度81%, 理論値の51%)の望ましい化合物を得た。これをさらに精製することなく反応させた。
【0071】
変法B: 実施例10Aから出発する製法:
DMF(800ml)に、39.23g(85.75mmol)の実施例10Aの化合物を導入し、4gのパラジウム(10%, 炭素上)を加えた。混合物を、撹拌しながら、標準水素圧下で一夜水素化した。バッチを珪藻土で濾過し、濾過生成物を、少量のDMFで、そして少量のメタノールで洗浄し、濃縮乾固した。残渣を酢酸エチルと混合し、激しく撹拌し、沈殿物を吸引濾過し、酢酸エチルで、そしてジイソプロピル エーテルで洗浄し、高真空下、Sicapentで乾燥させた。
収量:31.7 g (理論値の100%)。
LC-MS (方法2): Rt+ = 0.81分。
MS (ESIpos): m/z = 369 (M+H)+
【0072】
<実施例>
実施例1
{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}カルバミン酸メチル
【化22】
アルゴン下、ピリジン(600ml)に、31.75g(86.20mmol)の実施例11Aの化合物を導入し、0℃まで冷却した。ジクロロメタン(10ml)中の6.66ml(86.20mmol)のクロロ蟻酸メチルの溶液を滴下し、混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、反応混合物を室温とし、減圧下で濃縮し、トルエンと共蒸留した。残渣を水/エタノールと共に撹拌し、フリットで濾過した。その後、それをエタノールで、そして酢酸エチルで洗浄した。続いて、残渣を、再度ジエチルエーテルと共に撹拌し、吸引濾過によって単離し、高真空下で乾燥させた。
収量:24.24 g (理論値の65%)。
LC-MS (方法2): Rt = 0.79分。
MS (ESIpos): m/z = 427 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.62 (br. s, 3H), 5.79 (s, 2H), 6.22 (br. s, 4H), 7.10 - 7.19 (m, 2H), 7.19 - 7.26 (m, 1H), 7.32 - 7.40 (m, 1H), 7.67 (br. s, 0.2H), 7.99 (br. s, 0.8H), 8.66 (m, 1H), 8.89 (d, 1H)。
【0073】
実施例2
{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}メチルカルバミン酸メチル
【化23】
200mg(0.469mmol)の{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}カルバミン酸メチル(実施例1)を、0℃で、THF(5ml)に導入した。0.704ml(0.704mmol)のヘキサメチルジシラザン リチウム溶液(THF中1M)を加え、混合物をこの温度で20分間撹拌した。続いて、43.8μl(0.704mmol)のヨードメタンを加え、混合物を室温まで温めた。この温度で1時間後、反応を水(1ml)で終了させ、反応混合物を濃縮し、残渣を分取RP−HPLC(水(+0.05% 蟻酸)−アセトニトリルの濃度勾配)によって分離した。
収量:90 mg (理論値の44%)。
LC-MS (方法2): Rt = 0.85分。
MS (ESIpos): m/z = 441 (M+H)+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.00 (s, 3H), 3.53 (s, 2.2H), 3.66 (s, 0.8H), 5.81 (s, 2H), 6.57 (br. s, 4H), 7.13 (m, 2H), 7.22 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 8.67 (m, 1H), 8.87 (dd, 1H)。
【0074】
実施例3
{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバミン酸メチル
【化24】
3.470g(8.138mmol)の実施例1の化合物を、35mlのTHFに懸濁し、0℃で、358mg(8.952mmol)の水素化ナトリウム(鉱物油中60%懸濁液)と混合し、0℃で90分間撹拌した。その過程で、溶液が形成した。2.519g(8.952mmol)の2,2,2−トリフルオロエチル トリクロロメタンスルホネートを加え、混合物を室温で48時間撹拌した。それを水と共に撹拌し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かし、有機相を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。これにより、5.005gの標的化合物を得た(理論値の79%, HPLCによる純度65%)。250mgの残渣を分取HPLC(溶出液:メタノール/水, 濃度勾配30:70→90:10)によって精製した。
LC-MS (方法2): Rt = 0.97分。
MS (EIpos): m/z = 509 [M+H]+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ [ppm] = 3.63 (s, 3H), 4.06-4.15 (m, 2H), 5.80 (s, 2H), 6.46 (s br, 4H) 7.11-7.15 (m, 2H), 7.20-7.25 (m, 1H), 7.33-7.38 (m, 1H), 8.66 (dd, 1H), 8.91 (dd, 1H)。
【0075】
実施例A
ブレオマイシン誘発皮膚線維症
局所皮膚線維症を、6週齢の病原を持たないメスのDBA/2マウス(Charles River, Sulzfeld, Germany)に、背中上部の規定領域にブレオマイシン(食塩水中0.5mg/ml)の皮下注射を繰り返す(1日おき)ことによって誘発させた。コントロールマウスに、同じ方法で、食塩水のみを注射して、対照とした。全てのグループにおいて、注射容量は100μlであった。ブレオマイシン処置と同時に、マウスを、経口で、試験薬またはビークルで処置した。マウスを、a)ビークル、b)1mg/kg 実施例27、およびc)3mg/kg 実施例27で、1日2回、胃管栄養法で、21日間処置した。3週間の処置期間後、動物を屠殺し、分析のために皮膚サンプルを得た。
【0076】
組織学的分析
注射された皮膚領域を、4% ホルマリン中で固定化し、パラフィン中に包埋した。組織学的切片を、皮膚の厚みを測定するために、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。上皮−真皮接合部と、真皮−皮下脂肪接合部の間の最大距離を測定することによって、皮膚の厚みを測定した。測定は、マウスの処置について盲検化された試験官によって行われた。
【0077】
ヒドロキシプロリン アッセイ
皮膚サンプル中のコラーゲン含量を分析するために、ヒドロキシプロリン アッセイを行った。パンチ生検(直径3mm)を、6M HCl中で、120℃で3時間消化した後、クロラミンT(0.06M)を加え、サンプルを混合し、室温で20分間インキュベートした。3.15M 過塩素酸および20% p−ジメチルアミノベンズアルデヒドを加え、サンプルを60℃でさらに20分間インキュベートした。吸光度を557nmで測定した。
【0078】
α−平滑筋アクチンにおける免疫組織化学
パラフィン包埋切片において、α−平滑筋アクチン(αSMA)の発現を分析した。パラフィン除去後、サンプルを、3% ウシ血清アルブミンと共にインキュベートし、次に3% Hと共にインキュベートした。マウス切片において、αSMA陽性細胞を、モノクローナル抗αSMA抗体(クローン 1A4, Sigma-Aldrich, Steinheim, Germany)と共にインキュベートすることによって検出した。コントロールとして、同じ濃度の無関係なアイソタイプ抗体を用いた(Santa Cruz Biotechnology, Santa Cruz, CA, USA)。西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体(Dako, Hamburg, Germany)を二次抗体として用いた。NICDおよびαSMAの発現を、DABペルオキシダーゼ基質溶液(Sigma-Aldrich)で可視化した。筋線維芽細胞の数を、各マウスについて4個の異なる損傷性皮膚切片から、マウスの処置について盲検化された試験官が計数した。
【0079】
表1:ブレオマイシン誘発皮膚線維症の発症に対する実施例27の化合物の効果
【表2】
線維症パラメーターは、ビークル処置コントロールに関するx軸変化として表される。
【0080】
これらの投与量依存の顕著な効果は、他の実施例、すなわち実施例3、実施例6の化合物でも同様に見られた。
線維症パラメーターは、ビークル処置コントロールに関するx軸変化として表される。
表2:ブレオマイシン誘発皮膚線維症の発症に対する実施例3および実施例6の化合物の効果
【表3】
線維症パラメーターは、ビークル処置コントロールに関するx軸変化として表される。
【0081】
実施例B
ブレオマイシン誘発皮膚線維症
局所皮膚線維症を、6週齢の病原を持たないメスのDBA/2マウス(Charles River, Sulzfeld, Germany)に、背中上部の規定領域にブレオマイシン(食塩水中0.5mg/ml)の皮下注射を繰り返す(1日おき)ことによって誘発させた。コントロールマウスに、同じ方法で、食塩水のみを注射した。全てのグループにおいて、注射容量は100μlであった。試験は、
a) 食塩水の注射を6週間受けたマウス(対照として)
b) ブレオマイシン注射を6週間受けたマウス
c) ブレオマイシン注射を6週間受け、さらに最後の3週間に実施例27の化合物(3mg/kg)で1日2回胃管栄養法で処置されたマウス
d) 最初の3週間にブレオマイシン注射を受け、次の3週間に食塩水の注射を受けたマウス
の4つのアームを含む。
【0082】
6週後に動物を屠殺し、分析のために皮膚サンプルを得た。
組織学的分析、ヒドロキシプロリン アッセイおよびα−平滑筋アクチンにおける免疫組織化学を、実施例Aの章に記載した通りに行った。
【0083】
表3:確立されたブレオマイシン誘発皮膚線維症に対する実施例27の化合物(3mg/kg p.o.)の効果
【表4】
線維症パラメーターは、ビークル処置コントロール(グループa)に関するx軸変化として表される。
【0084】
実施例C
Tight skinマウスモデル
ブレオマイシン誘発皮膚線維症のマウスモデルに加えて、全身性強皮症のtight-skin (Tsk−1)マウスモデルを、試験薬物の抗線維症能を評価するために用いた。フィブリリン−1の優位な変異のために、Tsk−1の表現型は、皮下組織の厚みの増大によって特徴付けられる。Tsk−1マウスの遺伝子型は、変異させたフィブリリン−1/Tsk−1のフォワードプライマー:5'−GTTGGCAACTATACCTGCAT−3'、リバースプライマー:5'−CCTTTCCTGGTAACATAGGA−3'で、PCRを行った。Tsk−1マウスを、経口胃管栄養法によって、試験薬物またはビークルで、それぞれ1日1回処置した。さらに、対応する野生型(pa/pa)マウスのグループをビークルで処置した。処置を5週齢で開始した。処置の5週後にマウスを頚部脱臼によって屠殺し、分析のために皮膚サンプルを得た。
組織学的分析、ヒドロキシプロリン アッセイおよびα−平滑筋アクチンにおける免疫組織化学を、実施例Aの章に記載した通りに行った。
【0085】
表4:Tskマウスにおける確立した皮膚線維症に対する実施例27の化合物の効果
【表5】
線維症パラメーターは、ビークル処置野生型マウスに関するx軸変化として表される。
【0086】
実施例D
意識のあるマウスにおいて、実施例3、実施例4、実施例6の化合物の血行動態効果を分析した。遠隔測定インプラント(DSI(登録商標))を用いた。シグナルをRMC1-DSI(登録商標) receiver plateで受け取り、PONEMAH(登録商標) physiology platform softwareでコンパイルして分析した。
【0087】
マウスに、プラセボ(tylose)、0.3mg/kg 実施例27の化合物、1mg/kg 実施例27の化合物、3mg/kg 実施例27の化合物(図1)、1.0mg/kg 実施例3の化合物、3.0mg/kg 実施例3の化合物、10.0mg/kg 実施例3の化合物(図2A、2B)、1.0mg/kg 実施例4の化合物、3.0mg/kg 実施例4の化合物、10.0mg/kg 実施例4の化合物(図3A/3B)、0.3mg/kg 実施例6の化合物、1.0mg/kg 実施例6の化合物、3.0mg/kg、10.0mg/kg 実施例6の化合物(図4A/4B)の何れかを投与した。プラセボまたは化合物の適用前および後に、血圧および心拍数をモニターした。図1は、血圧(左)および心拍数(右)に対する実施例27の化合物の効果を示し、図2は、血圧(図2A)および心拍数(図2B)に対する実施例3の化合物の効果を示し、図3は、血圧(図3A)および心拍数(図3B)に対する実施例4の化合物の効果を示し、図4は、血圧(図4A)および心拍数(図4B)に対する実施例6の化合物の効果を示す。
【0088】
実施例E
実施例27の化合物およびバルデナフィルの単独および組み合わせの効果を、インビトロのヒト皮膚線維芽細胞で、インビトロで分析した。実施例27の化合物、バルデナフィルおよびそれらの組み合わせは、TGFβ誘発コラーゲン遺伝子発現およびヒドロキシプロリン(HP)堆積を、優位に遮断する。
【0089】
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図1
図1A
図1A-1】
図1A-2】
図1A-3】
図1B
図1B-1】
図1B-2】
図1B-3】
図2A
図2A-1】
図2A-2】
図2A-3】
図2B
図2B-1】
図2B-2】
図2B-3】
図3A
図3A-1】
図3A-2】
図3A-3】
図3B
図3B-1】
図3B-2】
図3B-3】
図4A
図4A-1】
図4A-2】
図4A-3】
図4A-4】
図4B
図4B-1】
図4B-2】
図4B-3】
図4B-4】