【実施例】
【0059】
<出発化合物および中間体>
実施例1A
2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチンアミド
【化11】
濃硫酸(125ml)中の25g(130.90mmol)の2,6−ジクロロ−5−フルオロ−3−シアノピリジンの懸濁液を60〜65℃で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、フラスコの内容物を氷水に注ぎ、酢酸エチル(それぞれ100ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、水(100ml)で、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた物質を高真空下で乾燥させた。
収量:24.5 g (理論値の90%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 7.95 (br s, 1H), 8.11 (br s, 1H), 8.24 (d, 1H)。
【0060】
実施例2A
2−クロロ−5−フルオロニコチンアミド
【化12】
メタノール(207ml)中の21.9g(335.35mmol)の亜鉛の懸濁液を、室温で、44g(210.58mmol)の2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチンアミドと混合した。酢酸(18.5ml)を加え、混合物を撹拌しながら24時間還流した。その後、フラスコの内容物を傾斜して亜鉛と分け、酢酸エチル(414ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(414ml)を加え、次に激しく撹拌抽出した。続いて、反応混合物を珪藻土で吸引濾過し、濾過生成物を酢酸エチル(それぞれ517ml)で3回洗浄した。有機相を分離して取り、水相を酢酸エチル(258ml)で洗浄した。合わせた有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(414ml)で1回洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた結晶をジクロロメタン(388ml)と混合し、20分間撹拌抽出した。再度吸引濾過を行い、濾過生成物をジエチルエーテルで洗浄し、吸引して乾燥させた。
収量:20.2 g (理論値の53%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 7.87 (br s, 1H), 7.99 (dd, 1H), 8.10 (br s, 1H), 8.52 (d, 1H)。
【0061】
実施例3A
2−クロロ−5−フルオロニコチノニトリル
【化13】
ジクロロメタン(783ml)中の46.2g(264.66mmol)の2−クロロ−5−フルオロニコチンアミドの懸濁液を、81.2ml(582.25mmol)のトリエチルアミンと混合し、0℃に冷却した。撹拌しながら、41.12ml(291.13mmol)の無水トリフルオロ酢酸をゆっくりと滴下し、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。次に、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(それぞれ391ml)で2回洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。
収量:42.1 g (理論値の90%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 8.66 (dd, 1H), 8.82 (d, 1H)。
【0062】
実施例4A
5−フルオロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミン
【化14】
1,2−エタンジオール(380ml)中の38.5g(245.93mmol)の2−クロロ−5−フルオロニコチノニトリルの懸濁液を導入し、続いてヒドラジン水和物(119.6ml, 2.459mol)と混合した。混合物を撹拌しながら4時間加熱した。冷却時、生成物が沈殿した。黄色の結晶を水(380ml)と混合し、室温で10分間撹拌抽出した。懸濁液をフリットで吸引濾過し、濾過生成物を、水(200ml)で、そして−10℃に冷却したTHF(200ml)で洗浄した。残渣を、高真空下、五酸化リンで乾燥させた。
収量:22.8 g (理論値の61%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 5.54 (s, 2H), 7.96 (dd, 1H), 8.38 (m, 1H), 12.07(m, 1H)。
【0063】
実施例5A
5−フルオロ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
【化15】
THF(329ml)に、10g(65.75mmol)の5−フルオロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−アミンを導入し、0℃に冷却した。16.65ml(131.46mmol)の三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体をゆっくりと加えた。反応混合物をさらに−10℃まで冷却した。THF(24.39ml)中の10.01g(85.45mmol)の亜硝酸イソペンチルの溶液をゆっくりと加え、続いてさらに30分間撹拌した。混合物を冷ジエチルエーテル(329ml)で希釈し、得られた固体を濾過によって単離した。このようにして製造されたジアゾニウム塩を、アセトン(329ml)中の12.81g(85.45mmol)のヨウ化ナトリウムの0℃に冷却した溶液に少しずつ加え、混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を氷水(1.8L)に注ぎ、酢酸エチル(それぞれ487ml)で2回抽出した。集めた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(244ml)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより、12.1g(純度86%, 理論値の60%)の望ましい化合物を褐色の固体の形態で得た。粗生成物をさらに精製することなく反応させた。
LC-MS (方法1): R
t = 1.68分;
MS (ESIpos): m/z = 264 (M+H)
+。
【0064】
実施例6A
5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
【化16】
DMF(2538ml)に、141g(462.11mmol)の実施例5Aの化合物を導入し、96.09g(508.32mmol)の臭化 2−フルオロベンジルおよび165.62g(508.32mmol)の炭酸セシウムを加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(13670ml)に注ぎ、酢酸エチル(5858ml)で2回抽出した。集めた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液(3905ml)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣についてシリカゲルのクロマトグラフィーを行い(溶出液:石油エーテル/酢酸エチル 97:3)、生成物のフラクションを濃縮した。得られた固体をジクロロメタンに溶解し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(500ml)で1回、そして飽和塩化ナトリウム水溶液(500ml)で洗浄した。生成物を濃縮乾固し、残渣をジエチルエーテルと共に懸濁し、吸引濾過によって単離し、高真空下で乾燥させた。これにより106.6g(理論値の62%)の望ましい化合物を得た。
LC-MS (方法1): R
t = 2.57分。
MS (ESIpos): m/z = 372 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 5.73 (s, 2H), 7.13 - 7.26 (m, 3H), 7.33 - 7.41 (m, 1H), 7.94 (dd, 1H), 8.69 - 8.73 (m, 1H)。
【0065】
実施例7A
2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ニトロピリミジン−4,6−ジアミン
【化17】
1,4−ジオキサン(86ml)に、アルゴン下、860mg(2.32mmol)の実施例6Aの化合物を導入し、反応混合物にアルゴンを10分間吹き付けた。3.51ml(6.95mmol)のヘキサブチル 二錫および483mg(2.55mmol)の2−クロロ−5−ニトロピリミジン−4,6−ジアミン(Helvetica Chimica Acta (1951), 34, 835-40の方法によって製造)を加えた。次に、860mg(0.744mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を加え、反応混合物を一夜還流した。それを室温まで冷却し、水と混合し、酢酸エチルで2回抽出した。集めた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を酢酸エチル中で撹拌抽出を行い、固体を濾過によって単離し、高真空下で乾燥させた。これにより、355mg(純度62%, 理論値の24%)の望ましい化合物を得た。粗生成物をさらに精製することなく反応させた。
LC-MS (方法2): R
t = 1.03分。
MS (ESIpos): m/z = 399 (M+H)
+。
【0066】
実施例8A
5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化18】
DMSO(120ml)中の16.03g(43.19mmol)の5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(実施例6A)および4.25g(47.51mmol)のシアン化銅の懸濁液を導入し、150℃で2時間撹拌した。冷却後、フラスコの内容物を約40℃まで冷却し、濃アンモニア水(90ml)および水(500ml)の溶液に注ぎ、酢酸エチル(200ml)と混合し、短時間撹拌抽出した。水相を分離し、酢酸エチル(それぞれ200ml)で2回以上抽出した。合わせた有機相を濃度10%の塩化ナトリウム水溶液(それぞれ100ml)で2回洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を、さらに精製することなく反応させた。
収量:11.1 g (理論値の91%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 5.87 (s, 2H), 7.17 - 7.42 (m, 4H), 8.52 (dd, 1H), 8.87 (dd, 1H)。
【0067】
実施例9A
5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシミドアミド 酢酸塩
【化19】
メタノール(270ml)中の2.22g(41.07mmol)のナトリウム メトキシドに、11.1g(41.07mmol)の5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(実施例8A)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。2.64g(49.29mmol)の塩化アンモニウムおよび酢酸(9.17ml)を加え、混合物を一夜還流した。それを濃縮乾固し、残渣を水(100ml)および酢酸エチル(100ml)に溶かし、2N 水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH 10に調節した。それを室温で約1時間激しく撹拌した。得られた懸濁液を吸引濾過し、濾過生成物を、酢酸エチル(100ml)で、水(100ml)で、そして酢酸エチル(100ml)で再度洗浄した。残渣を、高真空下、五酸化リンで乾燥させた。
収量:9.6 g (理論値の78%)。
MS (ESIpos): m/z = 288 (M+H)
+
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 1.85 (s, 3H), 5.80 (s, 2H), 7.14 - 7.25 (m, 3H), 7.36 (m, 1H), 8.42 (dd, 1H), 8.72 (dd, 1H)。
【0068】
実施例10A
2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−[(E)−フェニルジアゼニル]ピリミジン−4,6−ジアミン
【化20】
水(40ml)および濃塩酸(7.07ml)を、撹拌しながら、3.85g(41.34mmol)のアニリンと混合し、この混合物を0℃まで冷却した。水(21ml)中の2.85g(41.34mmol)の亜硝酸ナトリウムの溶液を、0℃から5℃の間で滴下し、次に0℃で15分間撹拌した。その後、0℃で、水(19ml)中の4.28g(52.25mmol)の酢酸ナトリウムの溶液を迅速に滴下し、十分に撹拌しながら、エタノール(10ml)中の2.73g(41.34mmol)のマロノニトリルの溶液を滴下した。0℃で2時間後、得られた沈殿物を吸引濾過によって単離し、水(それぞれ50ml)で3回、そして石油エーテル(50ml)で洗浄した。未だ湿っている残渣を、DMF(46ml)に溶解して、正確に85℃で、DMF(46ml)およびトリエチルアミン(5.76ml)中の9.5g(33.07mmol)の5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシミドアミド 酢酸塩(実施例9A)の溶液に滴下した。混合物を100℃で4時間撹拌し、一夜室温まで冷却した。混合物を水(480ml)に注ぎ、室温で1時間撹拌抽出した。沈殿物を吸引濾過によって単離した後、それを水(それぞれ100ml)で2回、そしてメタノール(それぞれ50ml)で2回洗浄し、高真空下で乾燥させた。
収量:9.6 g (理論値の59%)。
LC-MS (方法2): R
t = 1.21分。
MS (ESIpos): m/z = 458 (M+H)
+。
【0069】
実施例11A
2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−4,5,6−トリアミン
【化21】
【0070】
変法A: 実施例7Aから出発する製法:
ピリジン(30ml)に、378mg(0.949mmol)の実施例7Aの化合物を導入し、143mg(0.135mmol)のパラジウム(10%, 炭素上)を加えた。混合物を、室温で一夜、標準水素圧下で水素化した。懸濁液を珪藻土で濾過し、フィルターケーキをエタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、233mg(純度81%, 理論値の51%)の望ましい化合物を得た。これをさらに精製することなく反応させた。
【0071】
変法B: 実施例10Aから出発する製法:
DMF(800ml)に、39.23g(85.75mmol)の実施例10Aの化合物を導入し、4gのパラジウム(10%, 炭素上)を加えた。混合物を、撹拌しながら、標準水素圧下で一夜水素化した。バッチを珪藻土で濾過し、濾過生成物を、少量のDMFで、そして少量のメタノールで洗浄し、濃縮乾固した。残渣を酢酸エチルと混合し、激しく撹拌し、沈殿物を吸引濾過し、酢酸エチルで、そしてジイソプロピル エーテルで洗浄し、高真空下、Sicapentで乾燥させた。
収量:31.7 g (理論値の100%)。
LC-MS (方法2): R
t+ = 0.81分。
MS (ESIpos): m/z = 369 (M+H)
+。
【0072】
<実施例>
実施例1
{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}カルバミン酸メチル
【化22】
アルゴン下、ピリジン(600ml)に、31.75g(86.20mmol)の実施例11Aの化合物を導入し、0℃まで冷却した。ジクロロメタン(10ml)中の6.66ml(86.20mmol)のクロロ蟻酸メチルの溶液を滴下し、混合物を0℃で1時間撹拌した。その後、反応混合物を室温とし、減圧下で濃縮し、トルエンと共蒸留した。残渣を水/エタノールと共に撹拌し、フリットで濾過した。その後、それをエタノールで、そして酢酸エチルで洗浄した。続いて、残渣を、再度ジエチルエーテルと共に撹拌し、吸引濾過によって単離し、高真空下で乾燥させた。
収量:24.24 g (理論値の65%)。
LC-MS (方法2): R
t = 0.79分。
MS (ESIpos): m/z = 427 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 3.62 (br. s, 3H), 5.79 (s, 2H), 6.22 (br. s, 4H), 7.10 - 7.19 (m, 2H), 7.19 - 7.26 (m, 1H), 7.32 - 7.40 (m, 1H), 7.67 (br. s, 0.2H), 7.99 (br. s, 0.8H), 8.66 (m, 1H), 8.89 (d, 1H)。
【0073】
実施例2
{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}メチルカルバミン酸メチル
【化23】
200mg(0.469mmol)の{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}カルバミン酸メチル(実施例1)を、0℃で、THF(5ml)に導入した。0.704ml(0.704mmol)のヘキサメチルジシラザン リチウム溶液(THF中1M)を加え、混合物をこの温度で20分間撹拌した。続いて、43.8μl(0.704mmol)のヨードメタンを加え、混合物を室温まで温めた。この温度で1時間後、反応を水(1ml)で終了させ、反応混合物を濃縮し、残渣を分取RP−HPLC(水(+0.05% 蟻酸)−アセトニトリルの濃度勾配)によって分離した。
収量:90 mg (理論値の44%)。
LC-MS (方法2): R
t = 0.85分。
MS (ESIpos): m/z = 441 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 3.00 (s, 3H), 3.53 (s, 2.2H), 3.66 (s, 0.8H), 5.81 (s, 2H), 6.57 (br. s, 4H), 7.13 (m, 2H), 7.22 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 8.67 (m, 1H), 8.87 (dd, 1H)。
【0074】
実施例3
{4,6−ジアミノ−2−[5−フルオロ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]ピリミジン−5−イル}(2,2,2−トリフルオロエチル)カルバミン酸メチル
【化24】
3.470g(8.138mmol)の実施例1の化合物を、35mlのTHFに懸濁し、0℃で、358mg(8.952mmol)の水素化ナトリウム(鉱物油中60%懸濁液)と混合し、0℃で90分間撹拌した。その過程で、溶液が形成した。2.519g(8.952mmol)の2,2,2−トリフルオロエチル トリクロロメタンスルホネートを加え、混合物を室温で48時間撹拌した。それを水と共に撹拌し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶かし、有機相を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。これにより、5.005gの標的化合物を得た(理論値の79%, HPLCによる純度65%)。250mgの残渣を分取HPLC(溶出液:メタノール/水, 濃度勾配30:70→90:10)によって精製した。
LC-MS (方法2): R
t = 0.97分。
MS (EIpos): m/z = 509 [M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ [ppm] = 3.63 (s, 3H), 4.06-4.15 (m, 2H), 5.80 (s, 2H), 6.46 (s br, 4H) 7.11-7.15 (m, 2H), 7.20-7.25 (m, 1H), 7.33-7.38 (m, 1H), 8.66 (dd, 1H), 8.91 (dd, 1H)。
【0075】
実施例A
ブレオマイシン誘発皮膚線維症
局所皮膚線維症を、6週齢の病原を持たないメスのDBA/2マウス(Charles River, Sulzfeld, Germany)に、背中上部の規定領域にブレオマイシン(食塩水中0.5mg/ml)の皮下注射を繰り返す(1日おき)ことによって誘発させた。コントロールマウスに、同じ方法で、食塩水のみを注射して、対照とした。全てのグループにおいて、注射容量は100μlであった。ブレオマイシン処置と同時に、マウスを、経口で、試験薬またはビークルで処置した。マウスを、a)ビークル、b)1mg/kg 実施例27、およびc)3mg/kg 実施例27で、1日2回、胃管栄養法で、21日間処置した。3週間の処置期間後、動物を屠殺し、分析のために皮膚サンプルを得た。
【0076】
組織学的分析
注射された皮膚領域を、4% ホルマリン中で固定化し、パラフィン中に包埋した。組織学的切片を、皮膚の厚みを測定するために、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。上皮−真皮接合部と、真皮−皮下脂肪接合部の間の最大距離を測定することによって、皮膚の厚みを測定した。測定は、マウスの処置について盲検化された試験官によって行われた。
【0077】
ヒドロキシプロリン アッセイ
皮膚サンプル中のコラーゲン含量を分析するために、ヒドロキシプロリン アッセイを行った。パンチ生検(直径3mm)を、6M HCl中で、120℃で3時間消化した後、クロラミンT(0.06M)を加え、サンプルを混合し、室温で20分間インキュベートした。3.15M 過塩素酸および20% p−ジメチルアミノベンズアルデヒドを加え、サンプルを60℃でさらに20分間インキュベートした。吸光度を557nmで測定した。
【0078】
α−平滑筋アクチンにおける免疫組織化学
パラフィン包埋切片において、α−平滑筋アクチン(αSMA)の発現を分析した。パラフィン除去後、サンプルを、3% ウシ血清アルブミンと共にインキュベートし、次に3% H
2O
2と共にインキュベートした。マウス切片において、αSMA陽性細胞を、モノクローナル抗αSMA抗体(クローン 1A4, Sigma-Aldrich, Steinheim, Germany)と共にインキュベートすることによって検出した。コントロールとして、同じ濃度の無関係なアイソタイプ抗体を用いた(Santa Cruz Biotechnology, Santa Cruz, CA, USA)。西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体(Dako, Hamburg, Germany)を二次抗体として用いた。NICDおよびαSMAの発現を、DABペルオキシダーゼ基質溶液(Sigma-Aldrich)で可視化した。筋線維芽細胞の数を、各マウスについて4個の異なる損傷性皮膚切片から、マウスの処置について盲検化された試験官が計数した。
【0079】
表1:ブレオマイシン誘発皮膚線維症の発症に対する実施例27の化合物の効果
【表2】
線維症パラメーターは、ビークル処置コントロールに関するx軸変化として表される。
【0080】
これらの投与量依存の顕著な効果は、他の実施例、すなわち実施例3、実施例6の化合物でも同様に見られた。
線維症パラメーターは、ビークル処置コントロールに関するx軸変化として表される。
表2:ブレオマイシン誘発皮膚線維症の発症に対する実施例3および実施例6の化合物の効果
【表3】
線維症パラメーターは、ビークル処置コントロールに関するx軸変化として表される。
【0081】
実施例B
ブレオマイシン誘発皮膚線維症
局所皮膚線維症を、6週齢の病原を持たないメスのDBA/2マウス(Charles River, Sulzfeld, Germany)に、背中上部の規定領域にブレオマイシン(食塩水中0.5mg/ml)の皮下注射を繰り返す(1日おき)ことによって誘発させた。コントロールマウスに、同じ方法で、食塩水のみを注射した。全てのグループにおいて、注射容量は100μlであった。試験は、
a) 食塩水の注射を6週間受けたマウス(対照として)
b) ブレオマイシン注射を6週間受けたマウス
c) ブレオマイシン注射を6週間受け、さらに最後の3週間に実施例27の化合物(3mg/kg)で1日2回胃管栄養法で処置されたマウス
d) 最初の3週間にブレオマイシン注射を受け、次の3週間に食塩水の注射を受けたマウス
の4つのアームを含む。
【0082】
6週後に動物を屠殺し、分析のために皮膚サンプルを得た。
組織学的分析、ヒドロキシプロリン アッセイおよびα−平滑筋アクチンにおける免疫組織化学を、実施例Aの章に記載した通りに行った。
【0083】
表3:確立されたブレオマイシン誘発皮膚線維症に対する実施例27の化合物(3mg/kg p.o.)の効果
【表4】
線維症パラメーターは、ビークル処置コントロール(グループa)に関するx軸変化として表される。
【0084】
実施例C
Tight skinマウスモデル
ブレオマイシン誘発皮膚線維症のマウスモデルに加えて、全身性強皮症のtight-skin (Tsk−1)マウスモデルを、試験薬物の抗線維症能を評価するために用いた。フィブリリン−1の優位な変異のために、Tsk−1の表現型は、皮下組織の厚みの増大によって特徴付けられる。Tsk−1マウスの遺伝子型は、変異させたフィブリリン−1/Tsk−1のフォワードプライマー:5'−GTTGGCAACTATACCTGCAT−3'、リバースプライマー:5'−CCTTTCCTGGTAACATAGGA−3'で、PCRを行った。Tsk−1マウスを、経口胃管栄養法によって、試験薬物またはビークルで、それぞれ1日1回処置した。さらに、対応する野生型(pa/pa)マウスのグループをビークルで処置した。処置を5週齢で開始した。処置の5週後にマウスを頚部脱臼によって屠殺し、分析のために皮膚サンプルを得た。
組織学的分析、ヒドロキシプロリン アッセイおよびα−平滑筋アクチンにおける免疫組織化学を、実施例Aの章に記載した通りに行った。
【0085】
表4:Tskマウスにおける確立した皮膚線維症に対する実施例27の化合物の効果
【表5】
線維症パラメーターは、ビークル処置野生型マウスに関するx軸変化として表される。
【0086】
実施例D
意識のあるマウスにおいて、実施例3、実施例4、実施例6の化合物の血行動態効果を分析した。遠隔測定インプラント(DSI(登録商標))を用いた。シグナルをRMC1-DSI(登録商標) receiver plateで受け取り、PONEMAH(登録商標) physiology platform softwareでコンパイルして分析した。
【0087】
マウスに、プラセボ(tylose)、0.3mg/kg 実施例27の化合物、1mg/kg 実施例27の化合物、3mg/kg 実施例27の化合物(
図1)、1.0mg/kg 実施例3の化合物、3.0mg/kg 実施例3の化合物、10.0mg/kg 実施例3の化合物(
図2A、2B)、1.0mg/kg 実施例4の化合物、3.0mg/kg 実施例4の化合物、10.0mg/kg 実施例4の化合物(
図3A/3B)、0.3mg/kg 実施例6の化合物、1.0mg/kg 実施例6の化合物、3.0mg/kg、10.0mg/kg 実施例6の化合物(
図4A/4B)の何れかを投与した。プラセボまたは化合物の適用前および後に、血圧および心拍数をモニターした。
図1は、血圧(左)および心拍数(右)に対する実施例27の化合物の効果を示し、
図2は、血圧(
図2A)および心拍数(
図2B)に対する実施例3の化合物の効果を示し、
図3は、血圧(
図3A)および心拍数(
図3B)に対する実施例4の化合物の効果を示し、
図4は、血圧(
図4A)および心拍数(
図4B)に対する実施例6の化合物の効果を示す。
【0088】
実施例E
実施例27の化合物およびバルデナフィルの単独および組み合わせの効果を、インビトロのヒト皮膚線維芽細胞で、インビトロで分析した。実施例27の化合物、バルデナフィルおよびそれらの組み合わせは、TGFβ誘発コラーゲン遺伝子発現およびヒドロキシプロリン(HP)堆積を、優位に遮断する。
【0089】
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