(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5883867
(24)【登録日】2016年2月12日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】チャネル情報の送信方法、端末、基地局及びLTE−Aシステム
(51)【国際特許分類】
H04J 99/00 20090101AFI20160301BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20160301BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20160301BHJP
【FI】
H04J15/00
H04W16/28 130
H04W24/10
【請求項の数】10
【全頁数】47
(21)【出願番号】特願2013-524340(P2013-524340)
(86)(22)【出願日】2011年7月15日
(65)【公表番号】特表2013-541249(P2013-541249A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】CN2011077191
(87)【国際公開番号】WO2012022208
(87)【国際公開日】20120223
【審査請求日】2014年5月26日
(31)【優先権主張番号】201010259081.9
(32)【優先日】2010年8月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツン イジェン
(72)【発明者】
【氏名】リ ジュガク
(72)【発明者】
【氏名】シュー ジュン
(72)【発明者】
【氏名】リー スーパン
(72)【発明者】
【氏名】ツァン ジュンフェン
【審査官】
速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/088225(WO,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0207784(US,A1)
【文献】
国際公開第2010/016719(WO,A2)
【文献】
国際公開第2010/076778(WO,A1)
【文献】
田岡秀和他,LTE−AdvancedにおけるMIMOおよびセル間協調送受信技術,NTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル,社団法人電気通信協会,2010年 7月 1日,Vol.18,No.2,pp.22−30
【文献】
Samsung,Views on the feedback framework for Rel. 10[online],3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-103377,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61/Docs/R1-103377.zip>
【文献】
CATT,Ericsson,LG Electronics,Mitsubishi Electric,Nokia,Way Forward on 8Tx Codebook for Rel.10 DL MIMO[online],3GPP TSG-RAN WG1#61b R1-104164,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61b/Docs/R1-104164.zip>
【文献】
CATT,Performance evaluation of 8Tx precoding[online],3GPP TSG-RAN WG1#61 R1-102658,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_61/Docs/R1-102658.zip>
【文献】
ZTE,Performance Evaluation of LTE-A DL MIMO with 8Tx codebook[online],3GPP TSG-RAN WG1#60b R1-101836,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_60b/Docs/R1-101836.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04W 16/28
H04W 24/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
【請求項2】
前記RIと前記PMIを基地局に送信した後、
前記基地局が前記RIと前記PMIを取得し、
前記RIと前記PMIによって、ダウンリンクプリコーディングを行うことをさらに含む請求項1に記載のチャネル情報の送信方法。
【請求項3】
コードブックスペースは前記移動端末と前記基地局両方に記憶される請求項2に記載のチャネル情報の送信方法。
【請求項4】
前記コードブックは所定のマトリクスM×もう一つのコードブックCという形式で、MとCを掛け算した積は前記コードブックと同価である請求項1に記載のチャネル情報の送信方法。
【請求項5】
前記コードブックの任意の列交換は前記コードブックの同価変換で、前記コードブックの任意の行交換が前記コードブックの同価変換である請求項1に記載のチャネル情報の送信方法。
【請求項6】
前記コードブックの任意の一列×モジュールの値が1の定数係数は、前記コードブックの同価変換である請求項1に記載のチャネル情報の送信方法。
【請求項7】
前記コードブックのすべての列と任意の0でない定数係数を掛け算した積は、前記コードブックと同価である請求項1に記載のチャネル情報の送信方法。
【請求項8】
チャネル情報を取得する第一取得モジュールと、
前記チャネル情報を基づき、コードブックスペースで前記チャネル情報に対応するランクインディケーターRIとプリコーディングマトリクスインディケーターPMIを確定する確定モジュールと、
前記RIと前記PMIを基地局に送信する送信モジュールと、
を含み、
前記RIが8の場合、以下の集合
【請求項9】
【請求項10】
請求項8に記載の移動端末と請求項9に記載の基地局を含むLTE−Aシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信分野に関し、具体的には、チャネル情報の送信方法、端末、基地局及び長期的進化(Long-Term Evolution Advance、LTE-Aと略称)システムである。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、送信端と受信側は空間多重方式でアンテナを複数セットすることで、高いレートが得られる。通常の空間多重方式に比べ、進化された技術は受信側がチャネル情報を送信端へフィードバックし、送信端では取得したチャネル情報に基づき、プリコーティング技術を利用し、伝送性能を大幅に高めている。シングルユーザーの多入力多出力(Multi-Input Multi-Output、MIMOと略称)では、チャネル特性ベクトル情報をそのまま使ってプリコーディングを行う。マルチユーザーMIMOの場合、より正確なチャネル情報が要求される。
【0003】
長期的進化技術(Long Term Evolution、LTEと略称)では、チャネル情報のフィードバックは主に単一のコードブックを通じて行うが、MIMOのプリコーディング技術のパフォーマンスは使用したコードブックのフィードバックの精度に依存する。
関連技術では、コードブックに基づいたチャネル情報の数量化フィードバックの基本原理は以下となる。
【0004】
【0005】
【0006】
【表1】
【0007】
【0008】
【表2】
【0009】
【0010】
前記はコードブックフィードバック技術の基本原理である。実際のシステムの応用において、一部の具体的なパラメーターにも関係する。LTE基準では、チャネル情報をフィードバックする場合の最小単位はサブバンド(Subband)であり、一つのサブバンドが幾つかのリソースブロック(Resource Block、RBと略称)によって構成される。その中、RB毎に複数のリソースエレメント(Resource Element、REと略称)によって構成される。その中、REはLTEシステムにおいての時間周波数リソースの最小単位であり、LTE-AはLTEのリソース表記方法をそのまま使う。ユーザー設備(User Equipment、UEと略称)では、チャネル情報をフィードバックする場合の対象はサブバンド、マルチサブバンド(Multi−Subband)または広帯域(Wideband)となる。
【0011】
チャネルステータス情報のフィードバックは:チャネルクオリティインディケーション情報(Channel quality indication、CQIと略称)、プリコーディングマトリクスインディケーター(Precoding Matrix Indicator、PMIと略称)とランクインディケーター(Rank Indicator、RIと略称)を含む。
【0012】
PMI:特性ベクトル情報を表わし、基地局へ送信し、ダウンリンクプリコーディング技術に使う。
RI:スペース独立チャネルの数を記述するため、チャネル応答マトリクスのランクに対応する。開ループ空間多重と閉ループ空間多重モードでは、UEにはRI情報のフィードバックが要求される。ほかのモードの場合は、RI情報のフィードバックが要求されない。チャネルマトリクスのランクはランク数に対応する。
CQI:ダウンリンクチャネルの品質が良いか悪いかを評価するための指標である。3GPP 36-213プロトコルにおいてCQIは0〜15の整数値で表し、それぞれ異なるCQIのレベルを表す。各CQIには、各自の変調方式とMCS(Modulation Code and MCS)を持つ。その中、CQIがPMIとともにフィードバックされることができる。
【0013】
通信技術の発展に伴い、長期的進化アドバンスシステム(LTE-Adavance)では、周波数スペクトルの効率に対する要求も高くなるので、アンテナを8本に増やした。現在、LTEシステムで、4本アンテナのコードブックでは、8本アンテナを使用したLTE-Aシステムでチャネル情報のフィードバックを実現できない。
【発明の概要】
【0014】
本発明の主要目的はチャネル情報の送信方法、端末、基地局及びLTE-Aシステムを提供し、前記LTEシステムで、4本アンテナのコードブックでは、8本アンテナを使用したLTE-Aシステムでのチャネル情報のフィードバックを実現できないという問題を解決する。
【0015】
本発明の一態様によって、チャネル情報の送信方法を提供した。
本発明によるチャネル情報の送信方法は移動端末でチャネル情報を取得し、チャネル情報により、コードブックスペースにてチャネル情報に対応するランクインディケーター(RI)とプリコーディングマトリクスインディケーター(PMI)を確定し、RIとPMIを基地局へ送信することを含む。
ここで、RIとPMIを基地局へ送信した後、基地局でRIとPMIを取得し、RIとPMIにより、ダウンリンクプリコーディングを行うことを含む。
【0021】
本発明のもう一態様によると、基地局を提供した。
本発明による基地局は、ランクインディケーター(RI)とプリコーディングマトリクスインディケータ(PMI)を取得するための第二取得モジュールと、RIとPMIによってダウンリンクプリコーディングを行うためのプリコーディングモジュール、とを含む。
【0022】
本発明のもう一態様によると、LTE-Aシステムを提供した。このシステムは前記移動端末と前記基地局を提供した。
本発明によって、端末でチャネル情報を取得し、チャネル情報で、コードブックスペースでチャネル情報に対応するランクインディケーター(RI)とプリコーディングマトリクスインディケーター(PMI)を確定し、RIとPMIを基地局へ送信するという方法を取ることで、LTEシステムの4本アンテナのコードブックでは、8本アンテナを使用したLTE-Aシステムでのチャネル情報のフィードバックができない問題を解決し、更にLTE-Aシステムの処理能力とシステム周波数スペクトル効率を高める効果も実現した。
【図面の簡単な説明】
【0023】
ここでの説明は本発明についての理解を深めるものとし、本発明の一部となる。本発明に使われた実施例及び説明は本発明を解釈するためのものであり、不当に限定するものではない。
【
図1】本発明の実施例によるチャネル情報の送信方法を示すフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例による移動端末の構造を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施例による基地局の構造を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施例によるLTE-Aシステムの構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、実施例に合わせて、本発明を詳しく説明する。矛盾しない場合、本発明に使われる実施例及び実施例の特徴は互いに結合することができる。
本発明の実施例により、チャネル情報の送信方法を提供した。
図1は、本発明の実施例によるチャネル情報の送信方法のフローチャートである。
図1に示すように以下を含む。
【0025】
ステップS102、端末でチャネル情報を取得する。
ステップS104、チャネル情報でコードブックスペースでチャネル情報に対応するランクインディケーター(RI)とプリコーディングインディケーター(PMI)を確定する。
【0026】
ステップS106、RIとPMIを基地局へ送信する。
前記ステップでは、端末で取得したチャネル情報を用いて、コードブックスペースで対応するRIとPMIを確定した後、基地局へ送信する。この方法を利用することで、関連技術で、LTEシステムの4本アンテナのコードブックスペースでは、8本アンテナを使用したLTE-Aシステムでのチャネル情報のフィードバックができない問題を解決し、更にLTE-Aシステムの処理能力とシステム周波数スペクトル効率を高める効果も実現した。
【0027】
ステップS106の後、前記方法は、基地局でRIとPMIを取得し、RIとPMIを使ってダウンリンクプリコーディングを行うことが好ましい。該好適な実施例のプリコーディング操作を通じて、取得したRIとPMIで、LTE-Aシステムの周波数スペクトル効率を高める。
【0028】
ステップS102は、移動端末では、ダウンリンクパイロット周波数によって、チャネルに対し想定し、チャネル情報を取得する。既存のチャネル予想技術を使えば、既存方法を変えずに実現でき、開発費用のコストダウンに繋がる。
前記コードブックスペースを移動端末と基地局両方で記憶することが好ましい。それで、チャネル情報の伝送の正確度を保証できる。
【0049】
本発明の実施例により、また、移動端末を提供した。
図2は本発明の実施例による移動端末の構造図で、
図2で示すように、チャネル情報を取得するための第一取得モジュール22と、第一モジュール22に接続、第一モジュール22で取得したチャネル情報を用いてコードブックスペースでチャネル情報に対応するランクインディケーター(RI)和プリコーディングマトリクスインディケーター(PMI)を確定するための確定モジュール24と、確定モジュール24に接続、確定モジュール24で確定したRIとPMIを基地局へ送信するための送信モジュール26、とを含む。以下、前記構造を詳しく記述する。
【0050】
本発明の実施例により、また、基地局を提供した。
図3は本発明の実施例による基地局の構造を示すブロック図で、該基地局は、RI和PMIを取得するための第二取得モジュール32と、第二取得モジュール32に接続、第一モジュール22で取得したRIとPMIを元に、ダウンリンクプリコーディングを行うプリコーディングモジュール34とを含む。
【0056】
当該好適な実施例により、Rank7(RI=7)の場合のコードブックスペースに基づいたチャネル情報のフィードバック方法を提供した。これで、Rank7の場合のシステムプリコーディング性能を高め、処理能力とシステム周波数スペクトル効率を向上する目的を果たす。
【0071】
本発明の実施例により、またLTE-Aシステムを提供した。
図4は本発明の実施例によったLTE-Aシステムの構造を示すブロック図である。
図4に示すとおり、このシステムは
図2に示された移動端末2と
図3で示された基地局4を含む。具体的な構造が
図2と
図3のと同じなので、ここでは記述しない。
【0072】
前記実施例によると、端末でチャネル情報を取得する。チャネル情報を用いてコードブックスペースでチャネル情報に対応するRIとPMIを確定する。RIとPMIを基地局に送信することで、LTEシステムの4本アンテナのコードブックでは、8本アンテナを使用したLTE-Aシステムでチャネル情報のフィードバックができない問題を解決した。更に、LTE-Aシステムの処理能力とシステム周波数スペクトル効率を向上することができた。
【0073】
当業者にとって、上述の本発明の各ブロック又は各ステップは共通の計算装置によって実現することができ、単独の計算装置に集中させることができれば、複数の計算装置から構成されるネットワークに分布させることもでき、さらに計算装置が実行可能なプログラムのコードによって実現することもできるので、それらを記憶装置に記憶させて計算装置によって実行することができ、又は夫々集積回路ブロックに製作し、又はそれらにおける複数のブロック又はステップを単独の集積回路ブロックに製作して実現することができることは明らかなことである。このように、本発明は如何なる特定のハードウェアとソフトウェアの結合にも限定されない。
【0074】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば本発明に様々な修正や変形が可能である。本発明の精神や原則内での如何なる修正、置換、改良などは本発明の保護範囲内に含まれる。