(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の炭素繊維複合材は、アモルファスカーボンで被覆された炭素繊維と、マトリクス樹脂とを含有するものである。
【0011】
(炭素繊維)
本発明において、アモルファスカーボンで被覆される炭素繊維としては特に制限はなく、PAN系、PITCH系のどちらも使用可能である。また、形態については、すべての形態に本発明の適用が可能である。たとえば、繊維径は、一般に4〜20μmが使用でき、繊維の切断長さは、2mm以下に短く切断したミルドファイバーや、3〜30mmの長さのチョップドストランド形状のほかに、連続繊維も使用できる。連続繊維のフィラメントとしては、繊維の集合本数は、一般に500〜30,000本であり、フィラメントを縦、横に織り込んだいわゆるカーボン繊維クロスも使用が可能である。本発明では、予め、これらの炭素繊維の表面を被覆する。
本発明において、炭素繊維を被覆するアモルファスカーボンとしては、アモルファス構造を有し、炭素からなるものであれば特に限定されるものではない。
【0012】
炭素繊維表面をアモルファスカーボンで被覆する方法としては特に限定されるものではなく、多種の方法が考えられる。具体的には例えば、樹脂を適当な溶媒に溶解させ、その溶液に炭素繊維を浸漬して炭素繊維内に樹脂溶液を含浸させ、または樹脂溶液を炭素繊維表面にスプレーし、該樹脂溶液を加熱乾燥させた後、高温で加熱して樹脂を炭化する方法を挙げることができる。この場合、炭化した樹脂は無定形となり、アモルファスカーボンと呼ぶことができる。
【0013】
一般にカーボンと呼ばれるものは無定形であり、その判断は、ラマンスペクトルが分かりやすい。炭素材料のラマンスペクトルは、一般に2つの大きなピークが観察される。それぞれ、Gバンド(1580cm
−1付近)およびDバンド(1360cm
−1付近)と呼ばれている(
図1参照)。
図1中の(C)の高配向熱分解黒鉛のように、炭素材料が結晶性の場合には、上記の2バンドのうち、Dバンドが極小化してゆく。すなわち、GバンドとDバンドの2つのピークがはっきりと認められる
図1中の(A)のような場合に、アモルファスカーボンと判断することができる。
【0014】
一般に樹脂は高温で加熱することで炭化できるが、実際には300℃以上の高温で熱処理を行うことはコスト高とつながってしまうため、炭素繊維表面をアモルファスカーボンで被覆する際に用いる樹脂は、なるべく低温で炭化が可能な樹脂であることが好ましく、フェノール樹脂であることが特に好ましい。
フェノール樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒドを反応させて得られる熱硬化樹脂のひとつであって、極めて炭化しやすいという特徴がある。
【0015】
フェノール樹脂の中でも、オキサジン樹脂は、低温で炭化しやすいことから、さらに好適である。ここでオキサジン樹脂とは、一般にフェノール樹脂に分類される樹脂であるが、フェノール類とホルムアルデヒドに加えて、さらにアミン類を加えて反応させることで得られる熱硬化樹脂である。なお、フェノール類において、フェノール環にさらにアミノ基があるようなタイプ、例えば、パラアミノフェノールのようなフェノールを用いる場合には、上記反応でアミン類を加える必要はなく、炭化もしやすい傾向にある。炭化のしやすさでは、後述するように、ベンゼン環ではなく、ナフタレン環を用いることで、さらに炭化がしやすくなる。
【0016】
オキサジン樹脂には、ベンゾオキサジン樹脂およびナフトキサジン樹脂があり、このうち、ナフトキサジン樹脂は、最も低温で炭化しやすいため好適である。以下にオキサジン樹脂の構造の一部として、ベンゾオキサジン樹脂の部分構造を式(1)に、ナフトキサジン樹脂の部分構造を式(2)に示す。
このように、オキサジン樹脂とは、ベンゼン環またはナフタレン環に付加した6員環をもつ樹脂のことをさし、その6員環には、酸素と窒素が含まれ、これが名前の由来となっている。
【0018】
オキサジン樹脂を用いることにより、エポキシ樹脂等の他の樹脂に比べてかなり低温でアモルファスカーボンの皮膜を得ることが可能となる。具体的には200℃以下の温度で炭化が可能である。
【0019】
オキサジン樹脂には、ベンゾオキサジン樹脂およびナフトキサジン樹脂があるが、以下、より炭化しやすいナフトキサジン樹脂について説明を行う。
【0020】
ナフトキサジン樹脂の原料として用いられるのは、フェノール類であるジヒドロキシナフタレンと、ホルムアルデヒドと、アミン類とである。
ジヒドロキシナフタレンには多くの異性体がある。例えば、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンが挙げられる。
このうち、反応性の高さから、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレンが好ましい。さらに1,5−ジヒドロキシナフタレンが最も反応性が高いので好ましい。
【0021】
ホルムアルデヒドは不安定であるので、ホルムアルデヒド溶液であるホルマリンを用いることが好ましい。ホルマリンは、通常、ホルムアルデヒド及び水に加えて、安定剤として少量のメタノールが含有されている。本発明で用いられるホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒド含量が明確なものであれば、ホルマリンであっても構わない。
また、ホルムアルデヒドには、その重合形態としてパラホルムアルデヒドがあり、こちらの方も原料として使用可能であるが、反応性が劣るため、好ましくは上記したホルマリンが用いられる。
【0022】
アミン類としては、特に脂肪族アミンを用いることが好ましい。
脂肪族アミンの一般式はR−NH
2で表され、Rは炭素数5以下のアルキル基であることが好ましい。炭素数5以下のアルキル基としては、以下に制限されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n―ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロプロピルエチル基、及びシクロブチルメチル基が挙げられる。
分子量を小さくする方が好ましいので、置換基Rは、メチル基、エチル基、プロピル基などが好ましく、実際の化合物名としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等が好ましく使用できる。最も好ましいものは、分子量が一番小さなメチルアミンである。
【0023】
ジヒドロキシナフタレン、脂肪族アミン、ホルムアルデヒドの3成分の比率については、ジヒドロキシナフタレン1モルに対して、脂肪族アミンを1モル、ホルムアルデヒドを2モル配合することが最も好ましい。
反応条件によっては、反応中に揮発などにより原料を失うので、最適な配合比は正確に上記比率とは限らないが、ジヒドロキシナフタレン1モルに対して、脂肪族アミンを0.8〜1.2モル、ホルムアルデヒドを1.6〜2.4モルの配合比の範囲で配合することが好ましい。
脂肪族アミンを0.8モル以上とすることにより、オキサジン環を十分に形成することができ、重合を好適に進めることができる。また1.2モル以下とすることにより、反応に必要なホルムアルデヒドを余計に消費することがないため、反応が順調に進み、所望のナフトキサジンを得ることができる。同様に、ホルムアルデヒドを1.6モル以上とすることで、オキサジン環を十分に形成することができ、重合を好適に進めることができる。
また2.4モル以下とすることで、副反応の発生を低減できるため好ましい。
これら3成分を原料とした場合に、これらの原料を溶かし、反応させるための溶媒を用いることができる。
【0024】
溶媒は、原料を溶かすものであればすべてのものが適用できる。例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の通常樹脂を溶解するために用いられる溶媒が挙げられる。
溶媒の添加率は特に限定されないが、ジヒドロキシナフタレン、脂肪族アミン及びホルムアルデヒドを含む原料を100質量部とした場合は、通常100〜3000質量部で配合することが好ましい。100質量部以上とすることで、溶質を十分に溶解することができるため、皮膜を形成した際に均一な皮膜とすることができ、5000質量部以下とすることで、表面処理に必要な濃度を確保することができる。
【0025】
上記原料を溶媒に溶かして溶液を作成し、反応を進行させることにより、ナフトキサジン樹脂が製造される。
反応は常温でも進行するが、50℃以上に加温することで反応時間を短縮することができるため、好ましい。加温を続けることで、作成したオキサジン環が開き、重合が起こると分子量が増加し、いわゆるポリナフトキサジン樹脂となる。反応が進みすぎると溶液の粘度があがり被覆に適さないため注意を要する。
このようにしてできたナフトキサジン樹脂溶液を用いて、炭素繊維を被覆する方法について説明を行う。
【0026】
被覆方法としても特に制限はなく、上記反応後の樹脂溶液を、炭素繊維表面にスプレー、または、炭素繊維内に樹脂溶液を含浸させた後に、回転ロール等でピンチして余分な溶液を除去することで、炭素繊維表面に均一に樹脂を被覆することができる。
【0027】
また、被覆後に、熱風等により溶媒を乾燥除去することにより、樹脂を炭素繊維表面に均一に被覆してゆくことが可能である。加熱乾燥方法についても特に制限はない。
【0028】
炭素繊維表面を被覆する樹脂の厚みは特に限定されるものではなく、炭素繊維や樹脂の種類、用いるマトリクス樹脂の種類等に応じて決定することができるが、被覆する樹脂の厚みをコントロールする方法で最も簡便なものは、溶液中の樹脂濃度を変更する方法である。上述したように、原料100質量部に対して、溶媒を100質量部以上とすることで、十分な溶媒溶解性と皮膜形成性とを得ることができ、5000質量部以下とすることで、表面処理に必要な濃度を確保することができる。
【0029】
被覆した樹脂を炭化してアモルファスカーボンとする方法は特に限定されるものではなく、常法により加熱オーブン等を用いて樹脂を炭化させることができる。
なかでも、低温で炭化が可能なフェノール樹脂を用いた場合、加熱オーブン等を用いて300℃以下の温度で加熱することにより、アモルファスカーボンとすることができる。
さらに、低温で炭化が可能なオキサジン樹脂(なかでも、特に低温で炭化可能なナフトキサジン樹脂)を用いる場合には、200℃以下の温度にて炭化することも可能である。
このように低温で炭化する場合、加熱には窒素等の不活性ガスを用いる必要がなく、簡便で好適ある。
上記のような方法により、炭化によりアモルファスカーボンで表面が被覆された炭素繊維を得ることができる。
【0030】
(マトリクス樹脂)
本発明においてマトリクス樹脂としては特に限定されるものではないが、本発明における炭素繊維はアモルファスカーボンで被覆されることにより、極性が低く、一般的に炭素繊維との接着性が低いとされる樹脂にも応用が可能であるため、マトリクス樹脂として極性の低い樹脂を採用することも好ましく、ポリプロピレンを用いることが特に好ましい。
【0031】
ポリプロピレンは、プロピレンを重合させた熱可塑性樹脂であり、立体規則性の違いにより、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック等の違いがある。本発明では機械的物性の観点から主にアイソタクチックを用いることが好ましい。
また、ポリプロピレンとしては、プロピレン単位が重合した部分を有するものであれば他の単位を有するものであってもよく、例えば、成分として少量のエチレンや1−ブテン等を含んだランダムポリマーやブロックポリマーも用いることができる。
炭素樹脂への含浸性の観点からは、いわゆる分子量を反映するMFR(メルトフローレート)は高い方が好ましい。この観点からは、各社が販売する射出グレードのポリプロピレンから選定して用いることが好ましい。
【0032】
炭素繊維複合材の作成方法としては特に制限はなく一般的な方法を採用できる。例えば、溶融させたマトリクス樹脂を、シートダイ等を用いてフィルム状に射出成形し、該マトリクス樹脂シートと、予め製造しておいたアモルファスカーボンで被覆された炭素繊維織布とを積層し、加熱しながら圧縮することにより、溶融したマトリクス樹脂を、炭素繊維織布中に含浸させることができる。その後、冷却することで、容易にシート状の炭素繊維複合材を得ることができる。
炭素繊維とマトリクス樹脂との使用割合は、複合材の繊維の質量比率として捉えられる。好適な質量比率は、用いる炭素繊維の形態によるが、例えば炭素繊維クロスを用いた場合には、繊維の質量比率は、40〜60%が好適な範囲である。
【0033】
上記したシート状の炭素繊維複合材を所望枚数重ねて、加熱圧縮することで、任意の厚みの板状の炭素繊維複合材を得ることもできる。
また、圧縮する際に、型の形状を工夫することで、賦形を行うことも可能となる。
【実施例】
【0034】
<核磁気共鳴スペクトル(NMRスペクトル)>
Varian Inova社製の1H−NMR(600MHz)を用いた。その際、重水素ジメチルスルホキシドを測定に使用し、スペクトル積算回数は256回、緩和時間は10秒であった。
【0035】
<ラマン分光>
使用機器は、RENISHAW社製のInviaRaman Microscopeを用いた。レーザー光は530nmを選択した。
【0036】
<引張試験装置>
試験機:島津製作所社製オートグラフ AB−10TB
引張りスピード:5mm/分
巾10mmに切り出し、スパンは50mmで行った。
<破断面観察>
Nikon社製のEclipse L200を用いて観察した。画像は、Coolpix(登録商標、ニコン社製)を用いて撮影した。
【0037】
[実施例1]化学的分析
4.8gのジメチルスルホキシド−d6(和光純薬・品番044−29086)が入った50ccビーカーに、原料として、1,5−ジヒドロキシナフタレン(和光純薬・品番048−02342)0.16g(1ミリモル)、40%メチルアミン水溶液(和光純薬・品番132−01857)0.08g(1ミリモル)、さらに37%ホルムアルデヒド水溶液(和光純薬・品番064−00406)0.16g(2ミリモル)をこの順に加えた。
【0038】
そしてガラス棒を用いて軽く攪拌して原料を溶解することで、配合溶液を作成した。この配合溶液を3時間常温で放置した後、一部をとり、上述の方法によりNMRチャートを取得した。NMRチャートを
図2に示す。
図2の結果から、ナフトキサジン環の「ベンゼン環−CH
2−N」のメチレン基が3.95ppmに、さらに「O−CH
2−N」のメチレン基が、4.92ppmに、ほぼ等価な強度にて確認されたことから、ナフトキサジン環の形成反応は十分に進行したと判断した。
【0039】
さらに溶液を放置し、5時間経過した時点で、ガラス板状にナイフコーターを用いて溶液を塗布した。このガラス板を170℃に設定されたホットプレート上に配置し、1時間加熱することで溶媒の乾燥と炭化処理を同時に行った。
このようにしたガラス板状に形成された樹脂膜のラマン分光スペクトルを上述の方法により取得した。ラマン分光スペクトルを
図3に示す。
図3のラマン分光スペクトルでは、明確に、GバンドとDバンドが観察され、他にはピークが見られないことから、ナフトキサジン樹脂はアモルファスカーボンへと変化していると判断できた。
【0040】
[実施例2]炭素繊維複合材の作成
ビーカーに、溶媒として、ジメチルホルムアミド(和光純薬・品番045−02916)20g、原料として、1,5−ジヒドロキシナフタレン(和光純薬・品番048−02342)1.6g、40%メチルアミン水溶液(和光純薬・品番132−01857)0.8g、さらに37%ホルムアルデヒド水溶液(和光純薬・品番064−00406)1.6gをこの順に加え、攪拌することで溶液を作成した。
この溶液を攪拌しながら、100℃の水浴の中で10分間加熱して、ナフトキサジン樹脂溶液を作成した。
炭素繊維織布(トレカクロスCO6343B・日精株式会社)を上記溶液に含浸させた後に取り出して、ゴムローラー間でピンチすることで余分の樹脂溶液を取り除いた後に、垂下させた状態で常温にて5時間乾燥を行い、溶媒を除去した。その後、170℃に設定された加熱オーブン中に30分間入れることで、表面のナフトキサジン樹脂の炭化を行った。
【0041】
射出成形グレードのポリプロピレン(MFR=10,品番MA3H、日本ポリプロ株式会社)を加熱プレスを用いて、およそ160μmの厚みのシート状に成形した。このシートを上記の表面処理を施した炭素繊維織布状に積層し、200℃に加熱された熱板を用いて圧縮して、溶融したポリプロピレンを織布中へ含浸させた。(30tプレス 東洋精機(株))。この時のプレス圧力は、およそ10kgf/cm
2であった。プレス時間はおよそ2分であった。樹脂を含浸した炭素繊維織布を冷却することで、目的の炭素繊維複合材を作成し、その引張強度物性を上述の方法により測定した。引張強度物性の結果を表1に示す。
引張試験後の破断面の様子を光学顕微鏡で観察したところ、樹脂より引き抜けている炭素繊維は観察されず、しっかりと樹脂と接着していることが明らかとなった。光学顕微鏡を用いて観察した、炭素繊維複合材の破断面写真図を
図4に示す。
【0042】
[比較例1]
表面処理を行っていない炭素繊維織布(トレカクロスCO6343B・日精株式会社)を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてサンプルを調整し、試験を行った。引張強度物性の結果を表1に示す。
引張試験後の破断面の様子を光学顕微鏡で観察したところ、樹脂より引き抜けている炭素繊維が多く観察され、樹脂との接着が不十分であることが明らかとなった。光学顕微鏡を用いて観察した、炭素繊維複合材の破断面写真図を
図5に示す。
【0043】
[比較例2]
予め、エポキシ樹脂が含浸されているプリプレグ(トレカプリプレグF6343B・日精株式会社)を用いて、130℃に加熱された熱板を用いて圧縮して(30tプレス 東洋精機(株))、含浸されている未硬化のエポキシ樹脂の重合を行い、炭素繊維複合材を作成した。この時のプレス圧力は、およそ1kgf/cm
2であった。プレス時間は1時間とした。引張強度物性の結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
複合材としての物性を比較する上では、繊維方向の値で評価することが好ましい。実施例2においては、表面処理を施していない比較例1に比べて、弾性率、最大点応力ともに高い値を示していて、この値は、熱硬化樹脂をマトリクス樹脂とした比較例2の値も上回っている。
参考として、繊維方向から45°ずれた方向の引張物性値も掲載した。熱硬化樹脂をマトリクス樹脂とした比較例2の値には及ばないものの無処理の比較例1の弾性率からは大きく向上しており、やはり炭素繊維と強固に接着ができている結果と考察される。