(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
固形組成物
本発明の組成物は、固形物である。
【0016】
用語「固形物」は、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)における組成物の状態を特徴付けるものであり、つまり、組成物は高濃度であって、貯蔵の間、その形態を維持する。「液体」組成物とは対照的に、固形物は、それ自体の質量によっては流動しない。有利には、固形物は、以下に定義される硬度によって特徴付けられる。
【0017】
より詳細には、固形物は、ルースパウダー又はプレストパウダーの形態である。
【0018】
優先的には、固形物は、プレストパウダーである。
【0019】
本発明の組成物は、硬度を評価するための圧入測定(圧縮力又は貫通力)によって特徴付けることができる。
【0020】
用語「硬度」は、下記に定義される操作の間に得られる最大貫通力を意味すると理解され、ニュートンの単位で表される。
【0021】
最大貫通力は、20℃で、直径5mmのビーズ形態のステンレス鋼スピンドルを備えるTAXT2iの名称でRHEO社より販売されているテクスチュアアナライザーを使用して、以下の操作の間の力の変化(圧縮力又は貫通力)(F)を時間の関数として測定することによって、測定される:
- 特性評価を受ける組成物のサンプルを、厚さが少なくとも10mmで表面積が少なくとも3cm
2である小皿に入れて、800kg/cm
2でプレスする。測定を受けるサンプルは、一旦プレスされた時に、最小で3mmの厚さを有し、目に見える何らかの欠陥(クラック、大きな砕片、粉々の領域)がないようにする。サンプルは、自動温度調節により、20℃に制御する。
- スピンドルを0.1mm/sの速度で移動させ、貫通深さが300μmとなるように製品に貫通させる。スピンドルが300μmの深さまで製品に貫通したら、スピンドルを0.1mm/sの速度で取り出す。スピンドルを引き出す間、力(圧縮力)は大きく低下し、時間t後に0になる。この操作の間に、スピンドルは、6秒かけて、後退及び前進する。
【0022】
9回の測定を、1つの同じ組成物に対して、サンプル全体に均一に分布及び間隔づけた異なる位置で行うか、又は1つの同じ組成物についての異なるサンプルで行う。これらの9つの測定値の平均より、組成物の硬度と95%信頼区間が示される。
【0023】
これに従い、本発明の組成物は、有利には、0.01〜5ニュートン、とりわけ0.04〜2N、より特におよそ0.07〜1N、さらに特に0.09〜0.3Nで変動する硬度を有し得る。
【0024】
本発明の化粧料組成物は、少なくとも1つの脂肪相をバインダーとして有する。
【0025】
バインダー脂肪相
本発明で必要とされる不揮発性オイルは、前記組成物の脂肪相(バインダーとも称される)の全部又は一部を形成し得る。
【0026】
用語「油(オイル)」は、水と非混和性の非水性化合物であって、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)で液体である化合物を意味する。
【0027】
液体脂肪相は、有利には、前記組成物の全質量に対して少なくとも15質量%、好ましくは組成物の全質量に対して15〜60質量%、特に25〜45質量%、優先的には30〜45質量%の割合で存在する。
【0028】
不揮発性オイル
用語「不揮発性オイル」は、皮膚又はケラチン線維上に、室温及び大気圧で残存するオイルを意味する。より詳細には、不揮発性オイルは、厳密には0.01mg/cm
2/分未満の蒸発速度を有する。
【0029】
この蒸発速度を測定するために、試験を受ける15gのオイル又はオイル混合物を、直径7cmの結晶皿に入れ、これを約0.3m
3の大きなチャンバー内に均衡をとって配置し、チャンバーに25℃の温度で温度制御と相対湿度50%での湿度制御を行う。液体は、撹拌せずに自由に蒸発させる。、一方で、前記オイル又は前記混合物を含む結晶皿の上に垂直に配置させた送風機(Papst-Motoren、参照名8550N、2700rpmで回転)で換気を行い、送風機の羽根は、結晶皿の方に向け、結晶皿の底部から20cm離れるように配置させる。結晶皿に残存するオイルの質量を、定期的に測定する。蒸発速度は、単位面積(cm
2)及び単位時間(分)あたりの蒸発したオイルのmgで表される。
【0030】
本発明に好適な不揮発性オイルは、特に、不揮発性の炭化水素系オイル、フッ素オイル、及び/又はシリコーンオイルから選択され得る。
【0031】
特定の一実施形態によれば、組成物は、少なくとも1種の不揮発性炭化水素系オイルを含む。
【0032】
別の実施形態によれば、組成物は、少なくとも1種の不揮発性シリコーンオイルを含む。
【0033】
不揮発性オイルとしては、特に以下のものが言及され得る:
- 動物起源の炭化水素系オイル、例えば、パーヒドロスクアレン、
- 植物起源の炭化水素系オイル、例えば、フィトステアリルエステル[例えば、フィトステアリルオレエート、フィトステアリルイソステアレート、及びラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリルグルタメート(Ajinomoto、Eldew PS203)]、グリセロールの脂肪酸エステルから形成されるトリグリセリド(特に、脂肪酸はC
4〜C
36、とりわけC
18〜C
36の鎖長を有し、直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和であり得る。このようなオイルはとりわけヘプタン酸又はオクタン酸のトリグリセリドであり得る)、シアオイル、アルファルファオイル、ポピーオイル、ウインタースカッシュオイル、キビオイル、オオムギオイル、キノアオイル、ライムギオイル、キャンドルナッツオイル、トケイソウオイル、シアバター、アロエベラオイル、スイートアーモンドオイル、ピーチストーンオイル、ピーナッツオイル、アルガンオイル、アボカドオイル、バオバブオイル、ルリジサオイル、ブロッコリオイル、カレンジュラオイル、カメリナオイル、キャノーラオイル、キャロットオイル、ベニバナオイル、フラックスオイル、レイプシードオイル、コットンシードオイル、ココナッツオイル、マローシードオイル、コムギ胚芽オイル、ホホバオイル、リリーオイル、マカデミアオイル、コーンオイル、メドウフォームオイル、セイヨウオトギリソウオイル、モノイオイル、ヘーゼルナッツオイル、アプリコットカーネルオイル、ウォールナッツオイル、オリーブオイル、マツヨイグサオイル、パームオイル、ブラックカーラントシードオイル、キウイシードオイル、グレープシードオイル、ピスタチオオイル、ウインタースカッシュオイル、パンプキンオイル、キノアオイル、ムスクローズオイル、セサミオイル、ダイズオイル、ヒマワリオイル、カスターオイル、及びスイカオイル、並びにそれらの混合物、又は代替的に、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearineries Dubois社より販売されているオイル、若しくはMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)の名称でDynamit Nobel社より販売されているオイル、
- 鉱物又は合成起源の直鎖状又は分岐状炭化水素、例えば、液体パラフィン及びその誘導体、ワセリン、ポリデセン、ポリブテン、水添ポリイソブテン(例えば、パーリーム)、並びにスクアラン、
- 10〜40個の炭素原子を含む合成エーテル、
- 合成エステル、例えば、式R
1COOR
2(式中、R
1は1〜40個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状脂肪酸残基を表し、R
2は1〜40個の炭素原子を含む特に分岐状の炭化水素鎖を表し、但し、R
1+R
2≧10)のオイル。エステルは、特に、アルコールの脂肪酸エステル、例えば、セトステアリルオクタノエート、イソプロピルアルコールエステル、例えば、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルパルミテート、2-エチルヘキシルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソステアリルイソステアレート、オクチルステアレート、ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、ジイソプロピルアジペート、ヘプタノエート、特にイソステアリルヘプタノエート、アルコール又はポリアルコールオクタノエート、デカノエート又はリシノレート、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、セチルオクタノエート、トリデシルオクタノエート、2-エチルヘキシル4-ジヘプタノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、アルキルベンゾエート、ポリエチレングリコールジヘプタノエート、プロピレングリコール2-ジエチルヘキサノエート及びそれらの混合物、C
12〜C
15アルコールベンゾエート、ヘキシルラウレート、ネオペンタン酸エステル、例えば、イソデシルネオペンタノエート、イソトリデシルネオペンタノエート、イソステアリルネオペンタノエート、オクチルドデシルネオペンタノエート、イソノナン酸エステル、例えばイソノニルイソノナノエート、イソトリデシルイソノナノエート、オクチルイソノナノエート、ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート及びジイソステアリルマレエート、
- ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例えば、ジペンタエリスリチルテトラヒドロキシステアレート/テトライソステアレート、
- ジオール二量体と二酸二量体とのエステル、例えば、Nippon Fine Chemical社より販売されているLusplan DD-DA5(登録商標)及びLusplan DD-DA7(登録商標)、及び特許出願US2004-175338に記載されているもの、
- ジオール二量体と二酸二量体とのコポリマー及びそのエステル、ジリノレイルジオール二量体/ジリノレイン酸二量体とのコポリマー及びそのエステル、例えばPlandool-G、
- ポリオールと二酸二量体とのコポリマー及びそのエステル、例えば、Hailuscent ISDA又はジリノレイン酸/ブタンジオールコポリマー、
- 室温で液体であって、12〜26個の炭素原子を有する分岐及び/又は不飽和の炭素鎖を有する脂肪族アルコール、例えば2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール及び2-ウンデシルペンタデカノール、
- C
12〜C
22高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸若しくはリノレン酸、及びそれらの混合物、
- ジアルキルカーボネート(2つのアルキル鎖は同一でも異なり得る)、例えば、Cetiol CC(登録商標)の名称でCognisにより販売されているジカプリリルカーボネート
- 高モル質量のオイル、特に約400〜約10000g/mol、特に約650〜約10000g/mol、特に約750〜約7500g/molの範囲、さらに特に約1000〜約5000g/molの範囲のモル質量を有するオイル。本発明で使用し得る高分子量のオイルとしては、とりわけ、以下から選択されるオイルが言及され得る:
・親油性ポリマー、
・全炭素数が35〜70である直鎖状脂肪酸エステル、
・ヒドロキシル化エステル、
・芳香族エステル、
・C
24〜C
28分岐脂肪酸又は脂肪族アルコールエステル、
・シリコーンオイル、
・植物起源のオイル、
・並びにそれらの混合物、
- 任意選択的に一部が炭化水素系及び/又はシリコーン系であるフッ素オイル、例えばフッ素化シリコーンオイル、フッ素化ポリエーテル、及び文献EP-A-847752に記載されているフッ素化シリコーン、
- シリコーンオイル、例えば、シリコーン鎖のペンダント基として又はシリコーン鎖の末端に〜24個の炭素原子を有するアルキル基、アルコキシ基又はフェニル基を含む直鎖状又は環状の不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、2、フェニルシリコーン(例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート)、並びに、
- それらの混合物。
【0034】
好ましい一変形例によれば、本発明で必要とされる不揮発性オイルは、シリコーンオイルから選択される。
【0035】
従って、本発明の組成物は、少なくとも1種の不揮発性シリコーンオイルを含み得る。
【0036】
一つの特定の実施形態によれば、組成物は、25℃で1000cst以下の粘度を有する少なくとも1種の不揮発性シリコーンオイルを含む。
【0037】
別の実施形態によれば、組成物は、式R
1COOR
2(式中、R
1は1〜40個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状脂肪酸基を表し、R
2は1〜40個の炭素原子を含むとりわけ分岐状の炭化水素鎖を表し、但し、R
1+R
2≧10)のオイルから選択される少なくとも1種の不揮発性炭化水素系オイル、特にイソノナン酸エステル、好ましくはイソノニルイソノナノエートを含む。
【0038】
有利には、本発明の組成物は、不揮発性オイルを、液体脂肪相の全質量に対して、20〜100質量%、好ましくは40〜95質量%、優先的には50〜90質量%の範囲の含有量で含む。
【0039】
特には、不揮発性オイルの含有量は、組成物の全質量に対して、15〜60質量%、特に30〜45質量%である。
【0040】
好ましい一実施形態によれば、不揮発性シリコーンオイルは、全不揮発性オイルの50質量%超、特に全不揮発性オイルの70質量%超、好ましくは80質量%超、さらには90質量%超である。
【0041】
従って、本発明の組成物は、組成物の全質量に対して、15〜60質量%、特に30〜45質量%の範囲の含有量の不揮発性シリコーンオイルを含むことができる。
【0042】
本発明で要求される不揮発性オイルに加えて、本発明の組成物は、組成物の全質量に対して、0〜20質量%、とりわけ0.1〜20質量%のさらなるオイル、即ち、揮発性オイルを含み得る。
【0043】
用語「揮発性オイル」は、室温及び大気圧で皮膚又は唇に接触したときに1時間未満で蒸発し得る任意の非水性媒体を意味する。揮発性オイルは、室温で液体である化粧用揮発性オイルである。より詳細には、揮発性オイルは、0.01〜200mg/cm
2/分(上限及び下限を含む)の蒸発速度を有する。オイルは、とりわけ、揮発性シリコーンオイル又は揮発性非シリコーンオイルから選択される揮発性オイルであり得る。
【0044】
本発明で使用し得る揮発性オイルとしては、揮発性の非シリコーンオイル、とりわけC
8〜C
16イソパラフィン(例えば、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン)、及び、例えば、「Isopar」「Permethyl」の商品名で販売されているオイルを使用し得、特にイソドデカン(Permethyl 99A)を使用し得る。
【0045】
本発明で使用し得る揮発性シリコーンオイルとしては、2〜7個のケイ素原子を有する直鎖状又は環状のシリコーン(任意選択的に1〜10個の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ基を含む)が言及し得る。特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、及びデカメチルテトラシロキサン、並びにそれらの混合物が言及し得る。
【0046】
本発明の組成物は、揮発性オイルを2質量%未満、さらには1質量%未満含んでもよく、或いは、揮発性オイルを全く含まない。
【0047】
液体脂肪相の構造化剤(structuring agent)
本発明の組成物は、ワックス、シリコーン樹脂、ペースト状化合物(pasty compound)及びそれらの混合物から選択される液体脂肪相の構造化剤も含み得る。
【0048】
好ましい一実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくとも1種のワックスを含む。
【0049】
本発明の内容に関連して検討されるワックスは、一般的に、室温(25℃)で固体であり、固体/液体の可逆的状態変化が可能であり、30℃以上の融点を有し、200℃まで、特に120℃までの融点を有し得る親油性化合物である。
【0050】
本発明に特に適したワックスは、45℃以上、特に55℃以上の融点を有し得る。
【0051】
本発明の組成物で使用し得るワックスは、室温で固体であり、動物、植物、鉱物又は合成に由来するワックス、及びそれらの混合物から選択される。
【0052】
本発明に適したワックスの例として言及し得るものは、とりわけ、炭化水素系ワックス、例えば、みつ蝋、ラノリンワックス、支那蝋、糠蝋、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、オーリクリーワックス、エスパルトグラスワックス、ベリーワックス、シェラックワックス、はぜ蝋、木蝋、モンタンワックス、オレンジワックス、レモンワックス、微結晶ワックス、パラフィン、オゾケライト、ポリエチレンワックス、Fischer-Tropsch合成により得られるワックス、及びワキシーコポリマー及びそのエステルである。
【0053】
また、直鎖状又は分岐状のC
8〜C
32脂肪鎖を有する動物又は植物オイルの触媒的水素添加によって得られるワックスも言及し得る。これらのワックスの中で、異性化ホホバオイル[例えば、Desert Whale社により製造又は販売され、商品名Iso-Jojoba-50(登録商標)のトランス異性化部分水添ホホバオイル]、水添ヒマワリオイル、水添カスターオイル、水添ココナッツオイル、水添ラノリンオイル、及びビス(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラステアレート[Hest 2T-4S(登録商標)の名称でHeterene社より販売]が特に言及され得る。
【0054】
また、シリコーンワックス(C
30〜45アルキルジメチコン)及びフッ素ワックスも言及し得る。
【0055】
セチルアルコールでエステル化されたカスターオイルの水添によって得られるワックス[Phytowax ricin 16L64(登録商標)及び22L73(登録商標)の名称でSophim社より販売]も使用し得る。かかるワックスは、特許出願FR-A-2792190に記載されている。
【0056】
使用し得る1つのワックスは、C
20〜C
40アルキル(ヒドロキシステアリルオキシ)ステアレート(アルキル基に20〜40個の炭素原子を含有)であり、その単独使用又はその混合物としての使用である。
【0057】
かかるワックスは、特に、KesterワックスK82P(登録商標)、ヒドロキシポリエステルK82P(登録商標)及びKesterワックスK80P(登録商標)の名称でKoster Keunen社より販売されている。
【0058】
本発明の組成物において使用し得るマイクロワックスとして特に言及し得るものは、カルナウバマイクロワックス[例えば、Micro Care 350(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されている製品]、合成ワックスマイクロワックス[例えば、Micro Ease 114S(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されている製品]、カルナウバワックスとポリエチレンワックスとの混合物からなるマイクロワックス[例えば、Micro Care 300(登録商標)及び310(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されている製品]、カルナウバワックスと合成ワックスとの混合物からなるマイクロワックス[例えば、Micro Care 325(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されている製品]、ポリエチレンマイクロワックス[例えば、Micropoly 200(登録商標)、220(登録商標)、220L(登録商標)及び250S(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されている製品]、及びポリテトラフルオロエチレンマイクロワックス[例えば、Microslip 519(登録商標)及び519L(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されている製品]が挙げられる。
【0059】
特定の一実施形態によれば、組成物は、少なくともカルナウバマイクロワックス[例えば、Micro Care 350(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されている製品]を含む。
【0060】
マイクロワックスの場合、ワックスは、一般的に、下記に記載されるような粉状相の構成成分であり、この相の構造化剤として作用する。
【0061】
本発明の組成物は、ワックス又はマイクロワックスを、組成物の全質量に対して0〜20質量%の範囲の含有量で含むことができ、特に組成物の全質量に対して1〜10質量%で含み得る。
【0062】
同様に、本発明の組成物は、シリコーン樹脂を含み得る。
【0063】
これらのシリコーン樹脂の例として言及し得るものには、以下が含まれる:
- シロキシシリケート、これは式[(CH
3)
3SiO]
x(SiO
4/2)
y(MQ単位)(式中、x及びyは50〜80の範囲の整数である)のトリメチルシロキシシリケートであり得る、
- 式(CH
3SiO
3/2)x(T単位)(式中、xは100より大きく、少なくとも1つのメチル基が、上記で定義したR基で置換され得る)のポリシルセスキオキサン、
- ポリメチルシルセスキオキサン、これはメチル基のいずれも別の基で置換されていないポリシルセスキオキサンである。かかるポリメチルシルセスキオキサンは、参照によりその内容が本明細書に組み込まれる文献US5246694に記載されている。
【0064】
商業的に利用可能なポリメチルシルセスキオキサン樹脂の例として、下記の商品が言及され得る:
- Wacker社によるResin MKで参照される樹脂、例えば、Belsil PMS MK[CH
3SiO
3/2繰り返し単位(T単位)を含むポリマーであって、1質量%までの(CH
3)
2SiO
2/2単位(D単位)を含み得、約10000の平均分子量を有するポリマー]、又は、
- Shin-Etsu社によるKR-220Lで参照される樹脂[式CH
3SiO
3/2のT単位から構成され、Si-OH(シラノール)末端基を含む]、KR-242Aで参照される樹脂[98%のT単位及び2%のジメチルD単位を含み、Si-OH末端基を有する]、又はKR-251で参照される樹脂[88%のT単位及び12%のジメチルD単位を含み、Si-OH末端基を含有する]。
【0065】
シロキシシリケート樹脂として言及し得るものとしては、任意選択的にパウダーの形態をとり得るトリメチルシロキシシリケート(TMS)樹脂が挙げられる。かかる樹脂は、SR1000の参照名でMomentive Performance Materials社から、又はTMS803の参照名でWacker社より販売されている。また、シクロメチコーンなどの溶媒中で販売されるトリメチルシロキシシリケート樹脂も言及することができ、例えば、KF-7312Jの名称でShin-Etsu社より、又はDC749及びDC593の名称でDow Corning社より販売されている。
【0066】
有利には、シリコーン樹脂、例えばトリメチルシロキシシリケート樹脂は、組成物の全質量に対して、0.5〜30%、より好適には1〜25%、より一層好適には、5〜25%の範囲の量で存在する。
【0067】
表現「ペースト状化合物」又は「ペースト状脂肪化合物」は、とりわけ、可逆的な固体/液体の状態変化が可能であり、固体状態で異方性の結晶組織を示し、23℃の温度で液体画分と固体画分を含む、親油性脂肪化合物を指すことを意図している。
【0068】
ペースト状化合物は、有利には、以下から選択される:
- ラノリン及びその誘導体、
- ポリアルキレングリコールペンタエリスリチルエーテル、糖の脂肪族アルコールエーテル、及びその混合物から選択されるポリオールエーテル、5個のオキシエチレン(5OE)単位を有するポリエチレングリコールペンタエリスリチルエーテル(CTFA名称:PEG-5ペンタエリスリチルエーテル)、5個のオキシプロピレン(5OP)単位を有するポリプロピレングリコールペンタエリスリチルエーテル(CTFA名称:PPG-5ペンタエリスリチルエーテル)及びその混合物、また特に、Lanolideの名称でVevy社より販売されているPEG-5ペンタエリスリチルエーテルとPPG-5ペンタエリスリチルエーテルとダイズオイルとの混合物(混合物の構成は質量比で46/46/8、即ち、46%のPEG-5ペンタエリスリチルエーテルと、46%のPPG-5ペンタエリスリチルエーテルと、8%のダイズオイル)、
- 重合性又は非重合性シリコーン化合物、
- 重合性又は非重合性フッ素化合物、
- ビニル重合体、とりわけ、
・オレフィンホモポリマー及びコポリマー、
・水添ジエンホモポリマー及びコポリマー、
・アルキル(メタ)アクリレートの直鎖状又は分岐状オリゴマー、ホモポリマー若しくはコポリマー(好ましくはC
8〜C
30アルキル基を含有)、
・C
8〜C
30アルキル基を含むビニルエステルのオリゴマー、ホモポリマー若しくはコポリマー、
・C
8〜C
30アルキル基を含むビニルエーテルのオリゴマー、ホモポリマー若しくはコポリマー、
- 1又は複数のC
2〜C
100、好ましくはC
2〜C
50ジオール間でのポリエーテル化から得られる脂溶性ポリエーテル、
- エステル、
- 並びに/又はその混合物。
【0069】
脂溶性ポリエーテルの中で特に好ましいものは、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとC
6〜C
30長鎖アルキレンオキシドとのコポリマーであり、より好ましくは、コポリマーにおけるエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド対アルキレンオキシドの質量比が5:95〜70:30となるものである。この一群において特に言及し得るものは、長鎖アルキレンオキシドが平均分子量1000〜10000を有するブロックとなるように構成されているコポリマーであり、例えばドデカンジオールのエーテル(22mol)とポリエチレングリコール(45 OE)とのようなポリオキシエチレン/ポリドデシルグリコールブロックコポリマーであり、Elfacos ST9(登録商標)の商品名でAkzo Nobelより販売されているコポリマーである。
【0070】
エステルでは、以下のものが、特に好ましい:
- グリセロールオリゴマーのエステル、とりわけジグリセロールエステル、特にアジピン酸とグリセロールとの縮合物であって、グリセロールのヒドロキシル基の一部が、脂肪酸(例えば、ステアリン酸、カプリン酸、ステアリン酸、及びイソステアリン酸、及び12-ヒドロキシステアリン酸)の混合物と反応しているもの、例えば、とりわけ商品名Softisan 649(登録商標)でSasol社より販売されている製品、
- 商品名Waxenol 801でAlzoより販売されているアラキジルプロピオネート、
- フィトステロールエステル、
- 脂肪酸トリグリセリド及びその誘導体、
- ペンタエリスリトールエステル、
- 直鎖状又は分岐状C
4〜C
50ジカルボン酸又はポリカルボン酸とC
2〜C
50ジオール又はポリオールとの重縮合から得られる非架橋ポリエステル、
脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルの脂肪族カルボン酸とのエステル化から得られるエステルの脂肪族エステル。好ましくは、脂肪族カルボン酸は、4〜30個、好ましくは8〜30個の炭素原子を含む。好ましくは、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、イソアラキジン酸、オクチルドデカン酸、ヘンエイコサン酸、及びドコサン酸、並びにその混合物から選択される。脂肪族カルボン酸は、好ましくは分岐状である。脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルは、有利には、2〜40個の炭素原子、好ましくは10〜34個の炭素原子、さらに好適には12〜28個の炭素原子、及び1〜20個のヒドロキシル基、好ましくは1〜10個のヒドロキシル基、さらに好適には1〜6個のヒドロキシル基を有するヒドロキシル化脂肪族カルボン酸から誘導される。脂肪族ヒドロキシカルボン酸エステルは、以下から選択される:
a)飽和直鎖状モノヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸の部分又は全エステル、
b)不飽和モノヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸の部分又は全エステル、
c)飽和モノヒドロキシル化脂肪族ポリカルボン酸の部分又は全エステル、
d)飽和ポリヒドロキシル化脂肪族ポリカルボン酸の部分又は全エステル、
e)モノヒドロキシル化又はポリヒドロキシル化脂肪族モノカルボン酸又はポリカルボン酸と反応したC
2〜C
16脂肪族ポリオールの部分又は全エステル、
並びにそれらの混合物、
- 遊離のアルコール又は酸官能基が酸又はアルコール基で適切にエステル化されたジオール二量体と二酸二量体とのエステル、特に二量体ジリノレエートエステル(かかるエステルは、以下のINCI名を有するエステルから特に選択され得る:ビス-ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル二量体ジリノレイル二量体ジリノレエート[Plandool G(登録商標)]、フィトステリルイソステアリル二量体ジリノレエート[Lusplan PI-DA(登録商標)、Lusplan PHY/IS-DA(登録商標)])、及びその混合物、
- 水添ロジン酸エステル、例えば、水添ロジネートのジリノレイル二量体[Nippon Fine ChemicalのLusplan DD-DHR(登録商標)又はDD-DHR(登録商標)]、
- 並びにそれらの混合物。
【0071】
粉状相
上述のように、本発明のパウダー組成物は、前記組成物の全質量に対して、30質量%以上、特に40質量%以上、さらに特には50〜85質量%の範囲の含有量の粉状相を有する。
【0072】
本発明の目的において、この粉状相は、組成物中に存在する任意の粒子状固形物質から形成され、特に、賦形剤、及び/又は染色物質(dyestuff)、例えば顔料から形成される。
【0073】
このように、粉状相は、少なくとも1種の賦形剤と、有利には少なくとも1種の染色物質とを含む。
【0074】
賦形剤
用語「賦形剤」は、無色又は白色の、鉱物又は合成の、任意の形状の粒子であって、組成物が製造される温度に関わりなく、組成物の媒体に溶解せず、分散している粒子を意味すると理解される。
【0075】
鉱物又は天然の有機物は、柔らかさ、マット感、及びメークアップの均一性を、組成物に付与し得る。
【0076】
本発明の組成物で使用される賦形剤は、ラメラ状、略球状若しくは球状の形態、又はこれらに定義される形態の中間に位置する任意の他の形態であり得る。
【0077】
一つの特定の実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくともラメラ状賦形剤と球状賦形剤とを含む。
【0078】
本発明の組成物において使用し得る無機賦形剤の中で言及し得るものは、タルク、雲母、シリカ、マグネシウムアルミニウムシリケート、トリメチルシロキシシリケート、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、中空シリカミクロスフェア(Maprecos社のシリカビーズ)、ガラス又はセラミックマイクロカプセル、シリカ系賦形剤、例えばAerosil 200又はAerosil 300、Asahi Glassより販売されているSunsphere H-33及びSunsphere H-51、Asahi Chemicalより販売されているChemicelen、シリカと二酸化チタンとの複合体、例えばNippon Sheet Glassより販売されているTSGシリーズ、パーライトパウダー、及びフッ素金雲母、並びにそれらの混合物である。
【0079】
本発明の組成物において使用し得る有機賦形剤の中で言及し得るものは、ポリアミドパウダー[Atochemによるナイロン(登録商標)オルガソル]、ポリ-β-アラニンパウダー及びポリエチレンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー[テフロン(登録商標)]、ラウロイルリシン、澱粉、テトラフルオロエチレンポリマーパウダー、中空ポリマーミクロスフェア、例えば(アルキル)アクリレートを含むもの[例えば、Expancel(登録商標)(Nobel Industrie)]、エラストマー性架橋オルガノポリシロキサン球状パウダー、特に文献JP-A-02243612に記載されているもの、例えば、TrefilパウダーE-506C又はDC9506又はDC9701の名称でDow Corning社より販売されているもの、式(R)
3SiOHCH
3及びSi(OCH
3)
4(式中、Rは1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基を表す)のシロキサン混合物の加水分解及び重縮合から得られるシリコーン樹脂(例えば、Shin EtsuによるKSP100)、シリコーン樹脂マイクロビーズ[例えば、ToshibaによるTospearl(登録商標)]、8〜22個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有する有機カルボン酸から得られる金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、Polypore(登録商標)L200(Chemdal Corporation)、ポリウレタンパウダー、特にコポリマーを含む架橋ポリウレタンのパウダーであり、前記コポリマーはトリメチロールヘキシルラクトンを含むもの、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンポリマー[Plastic Powder D-400(登録商標)又はPlastic Powder D-800(登録商標)の名称でTOSHIKI社より販売されているもの]、カルナウバマイクロワックス[例えばMicroCare 350(登録商標)の名称で、Micro Powders社より販売されている製品]、合成ワックスマイクロワックス[例えば、MicroEase 114S(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されている製品]、カルナウバワックスとポリエチレンワックスとの混合物で構成されるマイクロワックス[例えば、Micro Care 300(登録商標)及び310(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されている製品]、カルナウバワックスと合成ワックスとの混合物で構成されているマイクロワックス[例えば、Micro Care 325(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されている製品]、ポリエチレンマイクロワックス[例えば、Micropoly 200(登録商標)、220(登録商標)、220L(登録商標)及び250S(登録商標)の名称で、Micro Powders社より販売されている製品]、並びにそれらの混合物である。
【0080】
有利には、本発明の組成物は、オイルを吸収する能力を有する球状賦形剤を少なくとも含む。
【0081】
特に、言及し得るものとしては、
- シリカミクロスフェア、特に開通している孔を有するもの、又は好ましくは中空シリカミクロスフェア[例えば、Maprecos社による製品Silica Beads SB700/HA又はSilica Beads SB700]、これらのミクロスフェアは、化粧料活性剤で含浸されていてもよい、
- 微孔性ポリマーミクロスフェア[スポンジの構造と類似した構造を有し、一般に、少なくとも0.5m
2/g、特に少なくとも1m
2/gの比表面積を有する(前記比表面積の上限は、非常に多孔性の高いミクロスフェアの作製に関する実際上の限界から生ずるもの以外に制限はなく、例えば、比表面積は、1000m
2/g又はそれ以上であり得る)]。言及し得るミクロスフェアとしては、アクリルポリマーミクロスフェア、例えば、RP Scherer社の架橋アクリレートコポリマーPolytrap 6603 Adsorber(登録商標)で構成されるミクロスフェア、及びSEPPIC社のポリメチルメタクリレートMicropearl M100(登録商標)で構成されるミクロスフェアが挙げられる、
- ポリウレタンパウダー、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールヘキシルラクトンとのパウダー状のコポリマーで、Plastic Powder D-400及びT-7(登録商標)の名称でToshiki社より販売されているパウダー、
- エラストマー性架橋オルガノポリシロキサン球状パウダー、特に文献JP-A-02243612に記載されているパウダー[例えば、DC 9506 Powder(登録商標)の名称でDow Corning社より販売されているパウダー]、
- カルナウバワックスマイクロビーズ[Microcare 350(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されているマイクロビーズ]、及び、パラフィンワックスマイクロビーズ[Microease 114S(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されているマイクロビーズ]、
- 雲母又はアルミノシリケートの様々な組成物、特に、フレーク状で、大きさが2〜200μm、好ましくは5〜70μmであり、厚さが0.1〜5μm、好ましくは0.2〜3μmのもの[これらの雲母は、天然起源であってもよく(例えば、硬質雲母、真珠雲母、バナジン雲母、リチア雲母又は黒雲母)、合成起源であってもよい]、
- 窒化ホウ素、
- 球状化した、架橋又は非架橋の合成ポリマーのパウダー、例えば、ポリアミドパウダー(ポリ-β-アラニンパウダー又はナイロンパウダーなど)、例えばAtochem社のオルガソルパウダー、ポリアクリル酸又はポリメタクリル酸パウダー、ジビニルベンゼンで架橋されたポリスチレンのパウダー、及びシリコーン樹脂パウダー、
- オキシ塩化ビスマスパウダー、
- 天然由来の有機物質のパウダー、例えば、澱粉、特にトウモロコシ澱粉、コムギ澱粉、又はコメ澱粉、
- 並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0082】
特定の好ましい一実施形態によれば、組成物は、以下から選択される少なくとも1種の親油性賦形剤を含む:
- エラストマー性架橋オルガノポリシロキサン球状パウダー、特に文献JP-A-02243612に記載されているもの、例えば、DC9506(登録商標)又はDC9701(登録商標)の名称でDow Corning社より販売されている製品、好ましくはDC9506(登録商標)、
- 中空ポリマーミクロスフェア、例えば(アルキル)アクリレートを含むもの[Expancel(登録商標)(Nobel Industrie)など]、
- カルナウバワックスマイクロビーズ[Microcare 350(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されているもの]、及びパラフィンワックスマイクロビーズ[Microease 114S(登録商標)の名称でMicro Powders社より販売されているもの]、
- ポリウレタンパウダー、例えば、Plastic Powder D-400(登録商標)及びT-7(登録商標)の名称でToshiki社より販売されているヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールヘキシルラクトンとのパウダー状のコポリマー、
- ポリアミドパウダー(Atochem社のナイロン(登録商標)オルガソル)、
並びにそれらの混合物。
【0083】
特に好ましい一実施形態によれば、本発明の組成物は、架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン球状パウダー、又はINCI名「ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー」を有するパウダー、特に文献JP-A-02243612に記載されているパウダー[例えば、DC9506(登録商標)又はDC9701の名称でDow Corning社より販売されているパウダー]、好ましくはDC9506であって、とりわけ平均粒子サイズが3μmであるパウダーから選択される、少なくとも1種の賦形剤を含む。
【0084】
有利には、パウダー形態のエラストマー性架橋オルガノポリシロキサンは、組成物の全質量に対して、2〜15質量%、特に3〜10質量%の範囲の活性物質量で前記組成物中に存在する。
【0085】
有利な一変形例によれば、本発明の組成物は、賦形剤として、少なくとも、
- ラメラ賦形剤及び/又はラメラパール光沢剤から選択される、特に窒化ホウ素、雲母、オキシ塩化ビスマス及びそれらの混合物から選択されるラメラ粒子と、
- 架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン球状パウダー、特にINCI名「ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー」を有するものから選択されるもの;
- 有利には、ポリウレタンパウダー、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールヘキシルラクトンとのコポリマーのパウダー;及び/又は
- 有利には、ポリアミド(例えば、ナイロン)パウダーと
を含む。
【0086】
より詳細には、本発明の組成物は、賦形剤として、少なくとも、
- ラメラ賦形剤及び/又はラメラパール光沢剤から選択される、特に窒化ホウ素、雲母、オキシ塩化ビスマス及びそれらの混合物から選択されるラメラ粒子と、
- 架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン球状パウダー、特にINCI名「ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー」を有する製品から選択される、とりわけ平均粒子サイズが3μmであるもの;
- ポリウレタンパウダー、例えば、Plastic Powder D-400(登録商標)及びT-7(登録商標)の名称でToshiki社より販売されているヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールヘキシルラクトンとのパウダー状コポリマー;及び
- ポリアミド(例えば、ナイロン)パウダーと
を含有し得る。
【0087】
有利には、賦形剤は、疎水性被覆された形態で存在し得る。より詳細には、組成物の脂肪相と適合させるために疎水化剤で表面処理された賦形剤であり、とりわけ、賦形剤は、脂肪相のオイルとの良好な湿潤性を有する。
【0088】
疎水化処理剤は、シリコーン[例えば、メチコン、ジメチコン、及び、パーフルオロアルキルシラン]、脂肪酸[例えば、ステアリン酸]、金属石鹸[例えば、アルミニウムジミリステート]、水添タロウグルタメートのアルミニウム塩、パーフルオロアルキルホスフェート、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルシラザン、ポリヘキサフルオロプロピレンオキシド、パーフルオロアルキルパーフルオロポリエーテル基を含むポリオルガノシロキサン、アミノ酸、N-アシルアミノ酸又はその塩、レシチン、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、並びにそれらの混合物から選択し得る。
【0089】
N-アシルアミノ酸は、8〜22個の炭素原子を含むアシル基、例えば、2-エチルヘキサノイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、又はココイル基を含み得る。これらの化合物の塩は、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩であり得る。アミノ酸は、例えば、リジン、グルタミン酸、又はアラニンであり得る。
【0090】
上記で引用した化合物で言及した用語「アルキル」は、とりわけ1〜30個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは5〜16個の炭素原子を有するアルキル基を示す。
【0091】
一つの特定の実施形態によれば、組成物は、PFX-5 Sericite FSE(登録商標)の名称でDaito Kasei Kogyo社より販売されているような、C
9〜C
15フッ素アルコールホスフェートで処理された少なくとも1種のセリサイト(雲母)を含む。
【0092】
好ましい一実施形態によれば、本発明の組成物は、賦形剤として、前記組成物の全質量に対し、
- 6〜25質量%の、ラメラ賦形剤及び/又はラメラパール光沢剤から選択される、特に窒化ホウ素、雲母、オキシ塩化ビスマス及びそれらの混合物から選択されるラメラ粒子と、
- 2〜12質量%の、架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン球状パウダー、特にINCI名「ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー」を有する製品から選択される、とりわけ平均粒子サイズが3μmであるもの;
- 有利には2〜10質量%の、ポリウレタンパウダー(例えば、Plastic Powder D-400及びT-7の名称でToshiki社より販売されているヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールヘキシルラクトンとのパウダー状コポリマー);及び
- 有利には8〜20質量%の、ポリアミド(例えば、ナイロン)パウダーと
を含む。
【0093】
有利には、本発明の組成物は、賦形剤の総含有量が、組成物の全質量に対して、10〜60質量%、好ましくは12〜50質量%、優先的には20〜45質量%の範囲であり得る。
【0094】
上述のように、本発明の組成物は、粉状相に着色剤も含み得る。
【0095】
本発明に係る着色剤又は粉状染色物質は、好ましくは、顔料、真珠光沢剤(nacre)、反射性粒子、及びその混合物から選択される。
【0096】
顔料
用語「顔料」は、白色又は有色の、無機又は有機の、任意の形態の粒子であって、生理学的媒体に不溶で、組成物に着色することを意図する粒子を意味すると理解される。
【0097】
顔料は、白色又は有色の、無機及び/又は有機物質であり得る。
【0098】
無機顔料の中で言及し得るものは、二酸化チタン(任意選択で表面処理されているもの)、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、及び酸化亜鉛、(黒色、黄色、若しくは赤色の)酸化鉄又は酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物及びフェリックブルー、並びに金属パウダー(例えば、アルミニウムパウダー及び銅パウダー)である。
【0099】
好ましい一実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくとも幾らかの酸化鉄を含む。
【0100】
有利には、顔料は、疎水性被覆された形態で存在し得る。より詳細には、特に、賦形剤に関して先に述べた疎水化剤で表面処理された顔料であり得る。疎水性処理顔料の例として言及し得るものには、ステアロイルグルタミン酸アルミニウムで被覆された酸化鉄及び二酸化チタン[商業的参照名NAI-TAO-77891(登録商標)、NAI-C47-051-10(登録商標)、NAI-C33-8001-10(登録商標)、NAI-C33-7001-10(登録商標)、又はNAI-C33-9001-10(登録商標)で、Miyoshi Kasei社より販売]が挙げられる。
【0101】
有機顔料は、下記の物質及びその混合物から選択し得る:
- コチニールカーマイン
- 有機顔料のアゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、キサンテン染料、ピレン染料、キノリン染料、トリフェニルメタン染料及びフルオラン染料。有機顔料の中では、とりわけ以下の名称で知られるD&C認証顔料が言及し得る:D&C青色4号、D&C茶色1号、D&C緑色5号、D&C緑色6号、D&C橙色4号、D&C橙色5号、D&C橙色10号、D&C橙色11号、D&C赤色6号、D&C赤色7号、D&C赤色17号、D&C赤色21号、D&C赤色22号、D&C赤色27号、D&C赤色28号、D&C赤色30号、D&C赤色31号、D&C赤色33号、D&C赤色34号、D&C赤色36号、D&C紫色2号、D&C黄色7号、D&C黄色8号、D&C黄色10号、D&C黄色11号、FD&C青色1号、FD&C緑色3号、FD&C赤色40号、FD&C黄色5号、FD&C黄色6号。
【0102】
先に言及した各有機染色物質に対応する化学物質は、刊行物「International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」(1997版、371〜386及び524〜528頁、The Cosmetic, Toiletries and Fragrance Association発行)に記載されており、この内容は参照により本出願に組み込まれる。
【0103】
好ましい一変形例によれば、本発明の組成物は、前記組成物の全質量に対して、1〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、特に7〜25質量%、さらに特に7〜12質量%の範囲の含有量の顔料を含み得る。
【0104】
本発明に係る粉状相は、真珠光沢剤、反射性粒子、及びそれらの混合物も含み得る。
【0105】
用語「真珠光沢剤」は、任意の形態の有色粒子であって、色の変化はあってもなくてもよく、とりわけある種の軟体動物により貝殻の中で産生されるか、又は合成により製造されるものであり、光学的干渉を介して色彩効果を生ずるものを意味すると理解される。
【0106】
言及し得る真珠光沢剤の例としては、酸化鉄で被覆した雲母チタン、オキシ塩化ビスマスで被覆した雲母、酸化クロムで被覆した雲母チタンなどの真珠光沢顔料、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料が挙げられる。金属酸化物及び/又は有機染色物質の少なくとも2つの連続する層が表面に積層している雲母粒子であってもよい。特に言及し得るものとしては、二酸化チタンと酸化スズで被覆した合成雲母、例えば、Eckart社からSyncristal Silver(登録商標)の名称で販売されている製品が挙げられる。
【0107】
真珠光沢剤は、特に、黄色、桃色、赤色、ブロンズ、橙色、茶色、金色及び/又は銅色の色又は淡色(tint)を有し得る。
【0108】
組成物に導入し得る真珠光沢剤の例として、言及され得るものは、金色真珠光沢剤[特にEngelhard社によりBrillant gold 212G(Timica)、Gold 222C(Cloisonne)、Sparkle gold(Timica)、Gold 4504(Chromalite)、及びMonarch gold 233X(Cloisonne)の名称で販売されているもの]、ブロンズ真珠光沢剤[特にMerck社によりBronze fine(17384)(Colorona)及びBronze(17353)(Colorona)の名称で販売されているもの、並びにEngelhard社によりSuper bronze(Cloisonne)の名称で販売されているもの]、橙色真珠光沢剤[特にEngelhard社によりOrange 363C(Cloisonne)及びOrange MCR101(Cosmica)の名称で販売されているもの、並びにMerck社によりPassion Orange (Colorona)及びMatte Orange(17449)(Microna)の名称で販売されているもの]、茶色真珠光沢剤[特にEngelhard社によりNu-antique copper340XB(Cloisonne)及びBrown CL4509(Chromalite)の名称で販売されているもの]、淡い銅色を伴う真珠光沢剤[特にEngelhard社によりCopper 340A(Timica)の名称で販売されているもの]、淡い赤色を伴う真珠光沢剤[特にMerck社によりSienna fine(17386)(Colorona)の名称で販売されているもの]、淡い黄色を伴う真珠光沢剤[特にEngelhard社によりYellow(4502)(Chromalite)の名称で販売されているもの]、淡い金色を伴う赤色真珠光沢剤[特にEngelhard社によりSunstone G012(Gemtone)の名称で販売されているもの]、桃色真珠光沢剤[特にEngelhard社によりTan opale G005(Gemtone)の名称で販売されているもの]、淡い金色を伴う黒色真珠光沢剤[特にEngelhard社によりNuantique bronze 240AB(Timica)の名称で販売されているもの]、青色真珠光沢剤[特にMerck社によりMatte blue(17433)(Microna)の名称で販売されているもの]、淡い銀色を伴う白色真珠光沢剤[特にMerck社によりXirona Silverの名称で販売されているもの]、及び、金色-緑色 桃色-橙色真珠光沢剤[特にMerck社によりIndian summer(Xirona)の名称で販売されているもの]、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0109】
真珠光沢剤のさらなる例として、酸化チタンで被覆したホウケイ酸基材を含む粒子が言及し得る。
【0110】
酸化チタンで被覆されたガラス基材を有する粒子は、特に、Metashine MC1080RY(登録商標)の名称でToyal社より販売されている。
【0111】
好ましい一変形例によれば、本発明の組成物は、0.1〜40質量%の真珠光沢剤を含み得る。
【0112】
より好ましくは、本発明の組成物は、7質量%未満の真珠光沢剤、とりわけ0.1〜7質量%の真珠光沢剤、特に0.3〜5質量%の真珠光沢剤を含む。
【0113】
最後に、本発明に係る着色剤は、反射性粒子から選択され得る。
【0114】
用語「反射性粒子」は、その大きさ、構造、特に粒子を構成している層の厚み、粒子の物理的及び化学的性質、並びに表面状態によって、入射光を反射させる粒子を指す。この反射は、適切であれば、組成物又は混合物の表面に、メークアップされる基礎地の上に適用されたときに、肉眼でも視認し得る過度に明るい点、即ち、きらめきを放つことで周辺との対比をなす発光のより強い点を生じさせるために十分な強度を有し得る。
【0115】
反射性粒子は、併用される着色剤によって生ずる着色効果を著しく変化させないように、さらには、色の観点で最適な効果が得られるように選択され得る。反射性粒子は、特に、黄色、桃色、赤色、ブロンズ、橙色、茶色、金色及び/又は銅色の色又は淡色を有し得る。
【0116】
これらの粒子は様々な形を有することができ、とりわけ平板状又は略球状であってもよく、特に球状の形態であり得る。
【0117】
反射性粒子は、どのような形状であっても、多層構造であってもなくてもよく、多層構造の場合には、例えば、均一な厚みの、特に反射性物質からなる層を少なくとも1つ有し得る。
【0118】
反射性粒子が、多層構造を有しないとき、反射性粒子は、例えば、金属酸化物、とりわけ、合成により得られる酸化チタン又は酸化鉄で構成され得る。
【0119】
反射性粒子が多層構造を有するとき、反射性粒子は、例えば、天然又は合成の基材、とりわけ、反射性物質、とりわけ少なくとも1つの金属又は金属性物質の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆された合成基材を含んでもよい。基材は、1種又は複数の有機及び/又は無機材料から構成され得る。
【0120】
より具体的には、基材材料は、ガラス、セラミック、グラファイト、金属酸化物、アルミナ、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート、ホウケイ酸及び合成雲母、並びにそれらの混合物から選択され得るが、これらに限定されるわけではない。
【0121】
反射性物質は、金属又は金属性物質の層を含み得る。
【0122】
反射性粒子は、特に文献JP-A-09188830、JP-A-10158450、JP-A-10158541、JP-A-07258460及びJP-A-05017710に記載されている。
【0123】
また金属の層で被覆された無機基材を含む反射性粒子の例としては、銀被覆ホウケイ酸基材を含む粒子も言及し得る。
【0124】
銀で被覆されたガラス基材を有し、平板状の形態の粒子は、Microglass Matashine REF2025 PS(登録商標)の名称でToyal社より販売されている。ニッケル/クロム/モリブデンの合金で被覆されたガラス基材を有する粒子は、Crystal Star GF 550及びGF 2525(登録商標)の名称で、同じToyal社より販売されている。
【0125】
また、例えば、銀、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、マンガン、鋼鉄、ブロンズ又はチタンの金属性基材、すなわち酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化クロム、酸化ケイ素、及びこれらの混合物の少なくとも1種の金属酸化物を少なくとも1つの層で被覆した金属性基材を含む粒子を使用し得る。
【0126】
言及し得る例として、SiO
2で被覆されたアルミニウムパウダー、ブロンズパウダー又は銅パウダー(Visionaireの名称でEckart社より販売されているもの)が挙げられる。
【0127】
反射性粒子は、前記組成物の全質量に対して、0.1〜40質量%、特に0.1〜7質量%、特に0.3〜5質量%の範囲の量で存在し得る。
【0128】
従って、本発明の組成物は、前記組成物の全質量に対して、真珠光沢剤/反射性粒子を、0.1〜40質量%、とりわけ0.1〜7質量%、特に0.3〜5質量%の範囲の含有量で含み得る。
【0129】
好ましくは、粉状相は、以下から選択される少なくとも1種の化合物を含む:
以下のような有機顔料、例えば、
- CTFAの「着色添加剤-米国食品医薬局による一次認証(Color Additives - Batch Certified by the US Food and Drug Administration)」の項目に列挙されるような、米国食品医薬局(Food & Drug Administration)によって認証されたD&C顔料、特に言及し得るものは、青色1号及び4号、茶色1号、Ext.紫色2号、Ext.黄色7号、緑色3号、5号、6号及び8号、橙色4号、5号、10号及び11号、赤色4号、6号、7号、17号、21号、22号、27号、28号、30号、36号及び40号、紫色2号、黄色5号、6号、7号、8号、10号及び11号、
- 無機顔料(有利には、先に記載した疎水化剤で処理されたもの)、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化鉄、又は酸化クロム、フェリックブルー、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、ピンク若しくはバイオレット、クロム水和物、水酸化クロム、
- 真珠光沢剤、例えば酸化チタンで被覆された雲母又はセリサイト、酸化チタン及び酸化鉄で被覆された雲母、酸化チタン及び酸化スズで被覆された合成雲母、アミノ酸で被覆された雲母、例えばラウロイルリシン、
- 並びにそれらの混合物。
【0130】
本発明の組成物は、皮膚又は唇への局所適用に適したものでなければならず、従って、一般的に、生理学的に許容可能な媒体、つまり皮膚及び/又は唇と適合し得る媒体を含む。
【0131】
好ましくは、媒体は、化粧的に許容し得る媒体、即ち、心地よい色、香り、及び感覚を有する媒体であって、消費者が組成物の使用を避けたくなる許容されない不快感(刺すような痛み、つっぱり感、発赤)を生じさせない媒体である。
【0132】
本発明の組成物は、水性相を含んでもよい。但し、この水性相は、本発明で要求される粉状ガレノス形態に適合する量で使用しなければならない。
【0133】
水は、フローラルウォーター、例えば、コーンフラワーウォーター及び/又はミネラルウォーター、例えば、Vittelウォーター、Lucasウォーター、又はLa Roche Posayウォーター及び/又は湧水であり得る。
【0134】
水性相は、室温(25℃)で水と混和性であって、とりわけ2〜20個の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子、優先的には2〜6個の炭素原子を有するポリオールから選択されるポリオール[例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコール]、グリコールエーテル(特に、3〜16個の炭素原子を有するポリエーテル)[例えばモノ-、ジ-又はトリプロピレングリコール(C
1〜C
4)アルキルエーテル、モノ-、ジ-又はトリエチレングリコール(C
1〜C
4)アルキルエーテル]、並びにそれらの混合物から特に選択されるポリオールを含むことができる。
【0135】
本発明の組成物は、室温で水と混和性であるポリオールを含むことができる。本発明での使用に適したポリオールは、直鎖状、分岐状又は環状の、飽和又は不飽和の、アルキル型化合物であって、アルキル鎖上に少なくとも2個の-OH官能基、特に少なくとも3個の-OH官能基、を有する化合物であり得る。本発明の好ましい一実施形態によれば、前記ポリオールは、室温で液体である。
【0136】
有利には、ポリオールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール[グリセロールオリゴマーなど(例えば、ジグリセロール)]、及びその混合物から選択することができる。本発明の特に好ましい一実施形態によれば、前記ポリオールはグリセロールである。
【0137】
加えて、本発明の組成物は、2〜6個の炭素原子を有するモノアルコール、例えばエタノール又はイソプロパノールを含み得る。
【0138】
好ましくは本発明の組成物は、組成物の全質量に対して、水を5質量%未満、好ましくは3質量%未満で含み、好ましくは、組成物は水を含まない。
【0139】
組成物には、化粧料で通常使用されている他の添加剤(アジュバント)、例えば、保湿剤、染料(好ましくは脂溶性染料)、保存剤、化粧的又は皮膚科学的活性剤、増粘剤、界面活性剤、芳香剤、及びそれらの混合物を含み得る。
【0140】
一つの特定の実施形態によれば、組成物は、少なくとも1種の保湿剤(湿潤剤としても知られる)を含む。
【0141】
保湿剤は、組成物中に、前記組成物の全質量に対して、0.1〜15質量%、特に0.5〜10質量%、さらには1〜6質量%の範囲の量で存在し得る。
【0142】
特に言及し得る保湿剤又は湿潤剤としては、ソルビトール、多価アルコール、好ましくはC
2〜C
8、より好ましくはC
3〜C
6の多価アルコール、好ましくは、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、及びジグリセロール、並びにそれらの混合物、グリセロール及びその誘導体、グリコールエーテル(特に、3〜16個の炭素原子を含有するもの)、例えば、モノ-、ジ-又はトリプロピレングリコール(C
1〜C
4)アルキルエーテル、モノ-、ジ-又はトリエチレングリコール(C
1〜C
4)アルキルエーテル、尿素及びその誘導体、特に、National Starchより販売されるHydrovance(2-ヒドロキシエチル尿素)、乳酸、ヒアルロン酸、AHA、BHA、ピドル酸ナトリウム、キシリトール、セリン、乳酸ナトリウム、エクトイン及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、コラーゲン、プランクトン、イムペラタ・シリンドラ(Imperata cylindra)の抽出物(Moist24の名称でSederma社より販売)、アクリル酸ホモポリマー[例えばNOF Corporation社のLipidure-HM(登録商標)]、ベータ-グルカン[特にMibelle-AG-Biochemistry社のカルボキシメチルベータ-グルカンナトリウム]、トケイソウオイル、アプリコットオイル、コーンオイル及び米糠オイルの混合物[NestleよりNutraLipids(登録商標)の名称で販売されているもの]、C-グリコシド誘導体、[例えば特許出願WO02/051828に記載されているもの、特に水/プロピレングリコール混合物(60/40質量%)中に活性物質30質量%で含有される溶液形態のC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、例えば商品名Mexoryl SBB(登録商標)の名称でChimex社により製造されている製品]、Nestleより販売されているムスクローズオイル、Engelhard Lyon社によりMarine Filling Spheresの名称で販売されているコラーゲンと海洋起源のコンドロイチン硫酸塩(アテロコラーゲン)との球状体、ヒアルロン酸球状体(例えば、Engelhard Lyon社より販売されているもの)、アルギニン、アルガンオイル、並びにそれらのその混合物が挙げられる。
【0143】
好ましくは、使用される保湿剤は、グリセロール、尿素及びその誘導体[特にNational Starchより販売されているHydrovance(登録商標)]、C-グリコシド誘導体[例えば特許出願WO02/051828に記載されているもの]、特に水/プロピレングリコール混合物(60/40質量%)中に活性物質30質量%で含有される溶液形態のC-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、例えば商品名Mexoryl SBB(登録商標)の名称でChimex社により製造されている製品、アルガンオイル、及びそれらの混合物から選択される。
【0144】
より好ましくはグリセロールが使用される。
【0145】
脂溶性染料は、例えば、スーダン赤色、DC赤色17号、DC緑色6号、β-カロテン、ダイズオイル、スーダン茶色、DC黄色11号、DC紫色2号、DC橙色5号、及びキノリンイエローである。水溶性染料は、例えば、ビートルートジュース及びカラメルである。
【0146】
特に、液体脂肪相に運ばれ得る脂溶性染料が使用される。
【0147】
調製プロセス
本発明の組成物は、以下のプロトコルにより調製し得る。
【0148】
粉状相を形成する材料を、ペースト状及び/又はパウダー状製品に通常使用されるニーダーミキサー[例えば、Baker-Perkinsタービンミキサー/造粒機、ドウミキサー、又はClextral社製のBC21又はBC45ニーダー押出型の連続式二軸ニーダー]に、特に製造業者の指示書に従って、直接投入する。
【0149】
組成物が、揮発性オイルと非混和性である非乳化架橋エラストマー性オルガノポリシロキサンのパウダー形態[例えば、9506パウダー(登録商標)の名称でDow Corning社より販売されている製品]を含むとき、好ましくは単独でミキサーに添加する。粉状相及び架橋エラストマー性オルガノポリシロキサンの添加は、好ましくは室温(20℃)で行う。
【0150】
全体又は一部が不揮発性オイルで構成された液体脂肪相を、次いで粉状相に添加し、2つの相が均質化するまで撹拌する。
【0151】
次いで得られた脂肪パウダーを、小皿に入れて秤量し、次いでプレス操作を(例えばVetraco機器上)で施す。一般的には、200〜2000kg、優先的には600〜1000kgの力を、63.48cm
2の表面に、好ましくは800kgの力を63.48cm
2の表面に適用する。
【0152】
本発明のパウダーは、指を使用して、又は有利には本発明のパウダーの取扱い及び塗布に好適な特定のアプリケータ若しくはスポンジを使用して、ケラチン物質、特に皮膚及び唇に適用され得る。一例として、例えば下記の実施例で使用されているようなフィンガーチップアプリケータを使用することができる。
【0153】
第1の実施形態によれば、本発明の組成物は、皮膚、特に顔の皮膚に適用される。特に本発明の組成物は、ファンデーションパウダー、ほお紅、又はアイシャドウである。
【0154】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、唇に適用される。
【0155】
本発明を、下記に示される実施例により、本発明の分野の非限定的な例示として例証する。
【0156】
他に言及しない限り、下記の実施例における値は、組成物の全質量に対する質量%として表される。
【実施例1】
【0157】
ファンデーションプレストパウダー
【0158】
【表1A】
【0159】
【表1B】
【0160】
2つの組成物を、以下のプロトコルに従って調製する。
1)パウダー相の調製:全ての粉状の原材料を、Bakerミキサーのボウルに入れて混合する。ブレードは3000rpmに設定し、砕塊機は2700rpmに設定する。混合を20分間行う。
2)バインダー相の調製:バインダー相を、回転子-固定子ミキサーを用いて2000rpmで10分間、均質化する。
3)化粧用製品の製造:ペストリー型掻取ブレードを備えるドウミキサー内を用い、速度は2回転/秒とする。パウダーをボウルに入れ、バインダー相を、10g/分の流速で加える。
4)得られた調製物を、次いで、10kg/cm
2でプレスする。
【0161】
このように調製された組成物は、本明細書で先に記載したプロトコルに従って測定したときに、平均で0.1Nの硬度を有する。
【0162】
2つの組成物を、25〜50歳の、極端なタイプを除く全ての皮膚のタイプの、10名のコンパクトパウダー常時使用者により試験する。
【0163】
それぞれのパウダーを、フィンガーチップアプリケータを用いて、各使用者の顔に塗布する。
【0164】
パウダーのテクスチュアに使用者は驚かされる。実際に、その物質の非常に密でこってりとした態様は、視覚的にクリームのテクスチュアと類似しており、クリームコンパクトファンデーションの見た目を使用者に思い起こさせる。しかし、そのタッチは、あらゆる予期に反して、使用者の女性に、製品の粉っぽくなく、すべすべした特徴に対する心地よい感覚を生じさせる。従来のパウダーと異なって、使用者は、製品を取り出す間及び適用時の揮発しない態様を特に好む。
【0165】
使用者は、パウダーが付与する柔らかい感覚に引き込まれる。
【0166】
パウダーは、フィンガーチップアプリケータに良好に付着し、塗布が容易であることを示す。
【0167】
パウダーは、皮膚をマットにし、色合いの僅かな欠点を縮小させることができる。薄付きのままで一様な艶を与え、皮膚に自然な外観を与える。
【0168】
使用者は、塗布後も感じる心地よさと軽い感覚に満足する。
【実施例2】
【0169】
ファンデーションルースパウダー
【0170】
【表2A】
【0171】
【表2B】
【0172】
このルースパウダーは、実施例1に記載のプロトコルの、工程1)〜3)に従って調製される。但し、ふるい分けされ、プレスにはかけられない。
【0173】
柔らかく、軽いパウダーが得られ、このパウダーは、皮膚をマットにし、一様な艶を与える。