(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
自動車(10)のためのルーフ用荷物運搬ラック(20)用の荷台脚(21,22)であって、該荷台脚(21,22)は長手方向の長さ(LI)、高さ(HI)、および幅(WI)を有する荷台バー(23)と接続されるように形成されており、
前記荷台脚(21,22)は前記自動車(10)の第1面に対して静止するように形成された支持面(25)と、前記荷台バー(23)を前記荷台脚(21,22)にロックするためのロック手段(40)と、維持手段(30)と、を具備し、該ロック手段(40)は、少なくとも前記荷台バー(23)の前記長手方向の長さ(LI)に沿って楔部材(43)を、該楔部材(43)が前記荷台バー(23)を前記荷台脚(21,22)にロック位置において維持する維持位置へと移動させるように動作可能な伸長部材(42)を具備しており、前記維持手段(30)が前記荷台脚(21,22)を前記自動車(10)に維持し、
前記ロック手段(40)の前記伸長部材(42)はさらに、前記維持手段(30)を動作させるために配置された荷台脚において、
前記荷台脚(21,22)はキャビティ(80)を備えた本体(24)を具備し、前記キャビティ(80)は前記荷台バー(23)の少なくとも一部を受容するように形成されており、
前記楔部材(43)の移動の際に、前記楔部材(43)は前記荷台バー(23)の少なくとも1つの内表面(27,27u,27l,28,29)に当接し、前記荷台バー(23)をロック位置において前記荷台脚(21,22)に対して維持することを特徴とする荷台脚。
前記楔部材(43)の移動の際に、前記楔部材(43)は中間部材に当接し、該中間部材を前記荷台バー(23)の少なくとも1つの内表面(27,27u,27l,28,29)に向かって割り込ませ、これによって前記荷台バー(23)をロック位置において前記荷台脚(21,22)に対して維持することを特徴とする請求項1に記載の荷台脚。
前記荷台脚(21,22)の前記中間部材は移動可能なロック部材(44,45)によって形成されており、該移動可能なロック部材(44,45)は第1部分(44a,45a)と第2部分(44b,45b)とを具備し、前記第1部分(44a,45a)は前記第2部分(44b,45b)よりも大きい距離を移動するように形成されており、
前記楔部材(43)は、前記維持位置に向かう前記移動の際に、前記移動可能なロック部材(44,45)の前記第1部分(44a,45a)から前記第2部分(44b,45b)への方向において移動するように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の荷台脚。
前記本体(24)の前記キャビティ(80)は少なくとも1つの前記移動可能なロック部材(44,45)と協働し、前記荷台バー(23)をロック位置において前記荷台脚(21,22)に対して維持することを特徴とする請求項3に記載の荷台脚。
前記楔部材(43)は、前記維持位置にある場合に、前記荷台バー(23)の前記高さ(HI)に沿ったおよび/または前記荷台バー(23)の前記幅(WI)に沿った力の成分を負荷し、前記楔部材(43)が前記荷台バー(23)をロック位置において前記荷台脚(21,22)に対して維持していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の荷台脚。
前記維持手段(30)はクランプ部材(90)を具備し、該クランプ部材(90)は前記自動車(10)の前記第1面と前記クランプ部材(90)との間において前記伸長部材(42)の動作の下でクランプ力を負荷するように構成され、これによって前記荷台脚(21,22)を前記自動車(10)に対して維持していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の荷台脚。
前記クランプ部材(90)はスレッジ(70)を介して動作可能であり、前記楔部材(43)は動作中に前記スレッジ(70)と前記伸長部材(41)を介して協働して、前記伸長部材(41)の動作の下で、前記スレッジ(70)と前記楔部材(43)とは互いに対して移動されることを特徴とする請求項6に記載の荷台脚。
前記スレッジは、前記荷台バー(23)の前記長手方向の長さ(LI)に沿って移動されるように形成されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の荷台脚。
前記クランプ部材(90)は、第1位置において前記荷台脚(21,22)および前記スレッジ(70)に取り付けられていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の荷台脚。
前記維持手段(30)はスレッジ(70)を介して操作可能であり、前記回転可能な伸長部材はスイベル接続部を介して前記スレッジ(70)に接続されていることを特徴とする請求項12に記載の荷台脚。
前記荷台バー(23)は上方内表面(27u)と下方内表面(27l)とを具備し、前記楔部材(43)は前記荷台バー(23)の前記上方内表面(27u)および前記下方内表面(27l)に向かって力の成分を負荷するように形成されていることを特徴とする請求項14に記載のルーフ用荷物運搬ラック(20)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公知の先行技術には欠点が存在している。荷台脚と荷台バーとの間の接続があまり高機能ではない。一般的に、それらは空間を消費する傾向にあり、したがって、低い風の抵抗への寄与能力と荷台脚の荷台バーへの安全な固定能力との間の妥協を必要としている。
【0006】
本発明の目的は、この欠点を少なくとも部分的に解決することであり、または有用な代替品を少なくとも提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
より詳細には、その目的は自動車のためのルーフ用荷物運搬ラックのための荷台脚によって達成される。荷台脚は、長手方向の長さ、高さ、および幅を備えた荷台バーに接続されるように形成されている。荷台バーを荷台脚に取り付けるためのロック手段は、荷台バーの長手方向の長さに沿って楔部材を、楔部材が荷台バーをロック位置において荷台脚に対して維持する維持位置へと移動させるように操作可能な伸長部材を具備している。維持手段は荷台脚を自動車に維持する。伸長部材はさらに、維持手段を動作させるために配置されている。
荷台脚はさらにキャビティを備えた本体を具備し、キャビティは荷台バーの少なくとも一部を受容するように形成されている。
【0008】
本体のキャビティは荷台脚、例えば少なくとも1つの移動可能なロック部材と協働し、ロック位置において荷台バーを荷台脚に維持することが可能である。
【0009】
本発明は荷台バー内部の、特に荷台バーの高さおよび/または幅方向のわずかな空間を使用するロック手段を備えた荷台脚を提供し、一方で、それと同時に、本発明は自動車への良好な取り付け能力を提供する。この取り付け能力は伸長部材を使用して同時に締め付けられる、すなわち、一動作のみが両方の固定、すなわち荷台バーの荷台脚へのロック、および荷台脚の自動車への固定、すなわちロックのために必要とされるものである。
【0010】
ロック手段が荷台バー内に概略挿入され得ることは利点であり、このことは荷台バーの位置が第1および第2荷台脚に対して調節されることを可能にしている。したがって、ルーフ用荷物運搬ラックは異なったサイズの異なった自動車に取り付けられるように調節されることが可能である。随意的に、ルーフ用荷物運搬ラックをフラッシュバーのルーフ用荷物運搬ラックとすることが可能である。
【0011】
維持手段はクランプ部材を具備することが可能であり、このクランプ部材は自動車の第1面とクランプ部材との間において伸長部材の操作の下でクランプ力を負荷し、これによって荷台脚を自動車に対して維持する。
【0012】
一態様によれば、楔部材は作動中に荷台脚の移動可能なロック部材のような少なくとも1つの中間部材と協働するように配置され、中間部材を荷台バーの内表面に当接させるように割り込ませて、これによって荷台バーをロック位置において荷台脚に対して維持することが可能である。
【0013】
中間部材または少なくとも1つの移動可能なロック部材は、荷台バーが自動車に組み付けられた場合に、荷台バーの幅および/または高さに対応した方向に沿って少なくとも部分的に移動することが可能である。
【0014】
一態様によれば、楔部材の移動の際に、楔部材は荷台バーの内表面に配置された少なくとも1つの面に当接し、荷台バーをロック位置において荷台脚に対して維持する。したがって、楔部材と荷台脚とは、荷台バーの少なくとも1つの内表面に対しておよび/または荷台バーの少なくとも1つの面に対して割り込むように形成されることが可能である。楔部材が荷台脚の面に対しておよび荷台バーの内表面に対して当接して、荷台バーを荷台脚に対してロックすることは利点であると考えられる。
【0015】
一態様によれば、移動可能なロック部材は第1部分と第2部分とを具備している。第1部分は第2部分よりも大きい距離だけ移動されるように形成されており、楔部材は、ロック位置への移動の際に、移動可能なロック部材の第1部分から第2部分への方向において移動されるように形成されている。このことは、ロック部材が荷台脚の本体から延びて、これによって荷台バーの端部の開口部を通じて延びることを可能にしている。スリットまたは特別な開口部は、荷台バーを荷台脚に固定するために荷台バーに必要とされない。荷台バーは突出した態様において荷台脚を越えて延びることを必要としておらず、これは一般的に「フラッシュ」荷台脚として参照される。
【0016】
一態様によれば、楔部材は、維持位置にある場合、荷台バーの高さに沿ったおよび/または荷台バーの幅に沿った力の成分を負荷し、楔部材が荷台バーをロック位置において荷台脚に対して維持している。どのように楔部材が形成されているかおよびどのような荷台バーの内表面であるかによって、または中間部材が使用されている場合、どのように中間部材が形成されているかによって、楔機能は荷台バーの上方内表面と下方内表面との間および/または荷台バーの前方内表面と後方内表面との間に作用することが可能とされている。このことは柔軟な解決策を提供し、異なったサイズの広範囲の種類の異なった自動車に適合されることを可能にしている。
【0017】
一態様によれば、荷台脚はさらにスレッジを具備している。クランプ部材はスレッジを介して動作可能であり、動作時には伸長部材を介してスレッジと協働して、伸長部材の動作の下で、スレッジと楔部材とは互いに対して移動される。実際のところは、それはスレッジと楔部材との間の相対移動であることが理解される。スレッジはクランプ部材が十分なクランプ力を発生するのに十分な距離だけ移動され、一方で楔部材は2つの面の間に固定される、すなわち割り込まされることのみ必要とされ、クランプ部材の締付に必要な対抗力を提供する。一態様によれば、クランプ部材の少なくとも一部は、スレッジに取外し可能に接続可能なように形成されている。荷台脚は、解放可能なクランプ部材を備えたことによって自動車に容易に取り付けられることが可能である。しかしながら、本発明の境界の範囲内において、スレッジは代わりに伸長部材に取外し可能に接続されることが可能である。したがって、クランプ部材は第1位置において荷台脚に取り付けられているか、またはクランプ部材は第1位置において荷台脚および/またはスレッジに取外し可能に取り付けられている。
【0018】
スレッジは開口部またはスロットを具備し、開口部またはスロットを通じて伸長部材が延びている。随意的に、スレッジは荷台脚にスライド可能に配置されており、しかしながら、スレッジは他の手段によって移動可能とされ得る。一態様によれば、荷台脚は少なくとも1つのすべり面を具備し、伸長部材を操作する場合、スレッジは荷台脚の少なくとも1つのすべり面上を滑る。
【0019】
スレッジは、有利に例えば略C字状断面を備えた荷台脚の一部においてスライドする。
【0020】
一態様によれば、伸長部材はネジのような回転可能な伸長部材である。しかしながら、スレッジの長手方向の移動が、必要とされる適切なクランプ力を提供する限り、伸長部材を押すまたは引っ張ることによって操作される伸長部材を備えることが可能である。
【0021】
一態様によれば、楔部材は伸長部材とネジ係合し、伸長部材の回転の下で、荷台バーの長手方向の長さに沿った楔部材の移動を可能にしている。したがって、楔部材は伸長部材のネジセクションと協働するネジ開口部を具備している。ネジ接続の使用は、適切なレベルのトルクを伸長部材を介して楔部材に伝達することを可能にしている。
【0022】
一態様によれば、ロック手段は第1および第
2の移動可能なロック部材を具備し、第1および第
2の移動可能なロック部材は1つの材料の単一片によって形成されている。それらは荷台脚の本体と一体に形成されるか、またはそこに取り付けられる分離した部品によって形成されることも可能である。荷台脚の本体と一体の第1および第
2の移動可能なロック部材を形成することによって、荷台脚は容易な方式においてモールド成型されることが可能である。一態様によれば、ロック手段は第1および第
2の移動可能なロック部材を具備し、第1および第
2の移動可能なロック部材は別々の要素によって形成されている。
【0023】
一態様によれば、楔部材は概略第1の
移動可能なロック部材と第
2の移動可能なロック部材との間に延びている。
【0024】
一態様によれば、少なくとも1つの移動可能なロック部材は、少なくとも1つのすべり面を具備している。スレッジと楔部材とは、移動の際、すなわち伸長部材が操作された場合、少なくとも1つの移動可能なロック部材の少なくとも1つのすべり面上を滑る。
【0025】
一態様によれば、移動可能なロック部材のすべり面は溝によって形成されている。溝は移動可能なロック部材上に配置され、全体的に楔部材をガイドする目的を
果たし、楔部材が位置ずれを起こすこと、または締め付けられることを回避している。
【0026】
一態様によれば、クランプ部材はストラップ要素によって、または剛体のブラケット部材によって形成されている。ストラップ要素または剛体のブラケット部材の一部は、スレッジに取外し可能に接続されることが可能である。
【0027】
一態様によれば、伸長部材はネジのような回転可能な伸長部材である。
【0028】
一態様によれば、荷台脚は本体を具備し、少なくとも1つの移動可能なロック部材は本体と一体に形成されている。実施形態においては、少なくとも2つの移動可能なロック部材が本体と一体に形成されている。このことは非常に少数の部品を備えた荷台脚を提供し、荷台脚を組み立てるために必要な時間を減少させる。
【0029】
一態様によれば、移動可能なロック部材は変形可能なロック部材である。変形可能なロック部材は、変形後に元の形状に戻った後、変形することが可能である。
【0030】
一態様によれば、変形可能なロック部材は第1部分と第2部分とを具備し、第1部分は第2部分よりもより大きい範囲で変形するように形成されている。楔部材はさらに、ロック位置への変形の際に、変形可能なロック部材の第1位置から第2位置への方向において移動されるように形成されている。
【0031】
一態様によれば、本発明は自動車のルーフ用荷物運搬ラックにも関連し、このラックは請求項1もしくは請求項1〜24のいずれか一項、またはここの任意の実施形態による第1および第2荷台脚と、荷台バーと、を具備している。
【0032】
一態様によれば、少なくとも1つの第1および第2荷台脚は、複数の異なった位置において荷台バーを荷台脚に対して維持し、これによって第1および第2荷台脚の間の距離が異なったサイズの多様な自動車に適合するように調節されることが可能である。
【0033】
一態様によれば、ルーフ用荷物運搬ラックは、定常状態の位置に向かって第1および第2荷台脚に対して荷台バーを付勢するための手段を具備している。
【0034】
一態様によれば、荷台バーは前方内表面と後方内表面とを具備し、少なくとも1つの移動可能なロック部材は、荷台バーの少なくとも1つの前方内表面または後方内表面に対して移動されるように形成されている。
【0035】
一態様によれば、荷台バーは上方内表面と下方内表面とを具備し、楔部材は、荷台バーの上方内表面および下方内表面に向かって力の成分を負荷するように形成されている。
【0036】
一態様によれば、ロック手段は第1および第2の移動可能なロック部材を具備している。第1の移動可能なロック部材は後方内表面に対して移動されるように形成されており、第2の移動可能なロック部材は荷台バーの前方内表面に対して移動されるように形成されている。
【0037】
本発明の実施形態は、添付図を参照するとともに以下に詳細に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は以下の実施形態を参照してより詳細に記載されるだろう。
図1はルーフ11を備えた自動車10の一部を示している。第1荷台脚21および第2荷台脚22を備えたルーフ用荷物運搬ラック20は、ルーフ11に配置されている。荷台バー23は第1荷台脚21と第2荷台脚22との間に延びている。
図1に示された実施形態においては、
図1において参照符号Dによって示された第1荷台脚21と第2荷台脚22との間の距離が変化されて、異なったサイズの自動車にルーフ用荷物運搬ラック20を調節することが可能である。本発明は異なったタイプのルーフ用荷物運搬ラックに適用可能であるが、ルーフ用フラッシュロードキャリアラック(flush load carrying roof rack)に適用されることが有利である。ルーフ用フラッシュロードキャリアラックは、一般的にクロスバーの端部がルーフの脚を超えて延びておらず、その代わりにクロスバーの各端部が端部においてロードキャリアバーを支持したルーフラックの個々の脚と同一平面となっているものとして定義されている。そのようなルーフラックは「フラッシュバー」ルーフラック、またはルーフ用フラッシュロードキャリアラックとして本明細書中では参照されている。フラッシュロードキャリアラックの荷台バーの長さは、ルーフラックが取り付けられる自動車の幅よりも短い。
【0040】
位置付けの目的のために、荷台バー23は、自動車10のルーフ11を横断して延びた長さLI、高さHI、および幅WIを有する。荷台バー23の幅WIは自動車10の長手方向に延びている。Z軸は自動車10の高さHvおよび荷台バー23の高さHIに対応し、X軸は自動車10の幅Wvおよび荷台バー23の長さLIに対応し、Y軸は自動車10の長さLvおよび荷台バー23の幅WIに対応している。
【0041】
図2は第1荷台脚21をより詳細に示しており、荷台脚21としてのみこれ以降参照されている。荷台脚21は、自動車10の第1面に対して当接するように形成された支持面25を備えた本体24を備えている。自動車10の第1面は自動車10のルーフ11の面、または随意的にレール、フラッシュレール(flush rail)、もしくはそれに類似したもののような
図2に示されたような面とすることが可能である。支持面25は維持手段30と協働して、荷台脚21を自動車10に維持および固定するように形成されている。維持手段30は、例えばストラップアラウンドタイプ(strapping around type)のようなクランプタイプ、ブラケットタイプ、固定点タイプ、または他の任意の維持機構といった、異なったタイプとすることが可能である。ここでは、ストラップアラウンドタイプ、またはストラップタイプの維持手段が記載されている。
【0042】
荷台脚21の荷台バー23は、ロック手段40を使用して複数の異なった位置において荷台脚21をロックするように形成されており、これによって第1荷台脚21と第2荷台脚22との間の距離Dが変化されることを可能にしている。しかしながら、ロック手段40は、必要に応じて単一の位置のみにおいて荷台バー23をロックするように使用されることも可能である。
【0043】
ロック手段40は伸長部材41を具備し、この部材によってロック手段40は動作可能とされている。
図2に示された実施形態においては、伸長部材は回転可能部材であり、この場合ネジ42である。
【0044】
伸長部材41は動作中に楔部材43と協働する。伸長部材41が操作された場合、楔部材43は少なくとも第1位置と第2位置との間において移動する。ネジ42の場合では、ネジ42が回転された場合、楔部材43は第1位置と第2位置との間において移動され、このことは以下により詳細に記載されている。
【0045】
伸長部材41、すなわちネジ42は、荷台バー23とともに組み立てられた後に、ネジ42が荷台バー23の長手方向に、すなわちX軸および荷台バー23の長さLIに沿って配置されるように設置される。このことは、ネジ42の回転が荷台バー23の長さLIに沿った方向において楔部材43を移動させることを可能にしている。
【0046】
楔部材43はさらに、動作中に少なくとも1つの移動可能なロック部材44と協働するように配置されており、このロック部材は荷台バー23の内表面に中間部材を形成している。移動可能なロック部材44は荷台バー23の面と、より詳細には荷台バー23の内表面と協働するように形成されている。ロック部材44が荷台バー23の面に正確に係合した場合、荷台バー23は荷台脚21に固定され、移動することを防止される。移動可能なロック部材44と荷台バー23の面との間を係合するための手段は、摩擦とすることが可能である。ロック部材44がフランジまたは波形面と協働して、摩擦および移動可能なロック部材44のロック性能を向上することも可能である。
【0047】
楔部材43は、楔部材43の移動の際に、協働する移動可能なロック部材44上において滑るように形成された、少なくとも1つのすべり面43sを具備している。図示された実施形態においては、すべり面43sは移動可能なロック部材44に直接隣接するように位置しているが、中間材料層または中間部材が存在することも可能である。楔部材43は概略細長い平坦な部材である。楔部材43の細長い伸びはY軸、すなわち組み立て後の荷台バー23の幅WIに沿って伸びている。楔部材43の平坦な形状は、荷台バー23の制限された高さHIのために好都合である。
図2〜
図9に示された実施形態においては、楔部材43は楔部材43の第1端部および第2端部に配置された2つのすべり面43sを具備している。楔部材43の概略中央且つすべり面43sの間にはネジ開口部が形成されており、その内部には伸長部材41、この場合はネジ42がねじ込まれている。
【0048】
しかしながら、さらに以下に記載されているように、楔部材43のすべり面が楔部材43の他の部分または他のセクションに配置されることが可能である。
【0049】
少なくとも1つの移動可能なロック部材は、
図2において矢印Aによって示されたような、荷台バー23の幅WIに対応した方向に沿って少なくとも部分的に移動可能である。このことは、荷台バー23が非常に小さい高さHIとともに製造されることを可能としており、言い換えると自動車10を運転する場合に風の抵抗を減少することを可能にしている。
【0050】
荷台脚21は少なくとも1つの移動可能なロック部材、随意的に少なくとも2つの移動可能なロック部材とともに配置されることが可能である。
図2〜
図9に示された実施形態においては、楔部材43は第1の移動可能なロック部材44と第2の移動可能なロック部材45との間に延びている。楔部材43が移動された場合、両方の移動可能なロック部材44、45は移動して、個々に荷台バー23の内表面に当接する。
【0051】
図3は荷台バー23を備えた組み立て後の荷台脚21を示している。明確化のために、機構の一部が示されている。荷台バー23は押出アルミニウムまたは他の適切な材料から製造されることが可能である。本発明による荷台脚を使用することによって、荷台バーは荷台脚に取り付けられるための特別な開口部、キャビティ、またはそのようなものを必要としない。その代わりに、荷台バー23はマスターピースから荷台バーを切り出すことによって単純に製造されることが可能であり、例えばそれは押し出しの際に、または押し出されたピースが適当な長さに切断された後に実施される。このことは荷台バーの製造を簡素化し、製造コストを減少させる。
【0052】
荷台バー23は多様な異なった断面を有することが可能である。
図4は荷台バー23の断面を示している。見てわかるように、断面は水滴形状とされ、荷台バー23に翼のような形状を与え、風の抵抗を減少している。荷台バー23は外表面26と内表面27とを備えている。荷台バー23の高さHIと幅WIとは矢印によって示されている。荷台バー23の内表面27は前方内表面28と後方内表面29とを備え、内表面はさらに上方内表面27uと下方内表面27lとを備え、下方内表面は自動車用として組み付けられた後に上方内表面27uよりも自動車のルーフに接近することを意図されている。前方内表面28は移動の主方向に向かって、したがって使用の際、すなわちルーフ用荷物運搬ラック20が自動車10に組み付けられた後で、自動車10の前方に向かって配置されることを目的としている。後方内表面29は、使用の際、すなわちルーフ用荷物運搬ラック20が自動車10に組み付けられた後で、自動車10の後方に向いて配置されることを目的としている。
【0053】
図5は側方からの荷台脚21を示しており、
図6はセクションC−Cに沿った荷台脚21の断面を示している。荷台バー23は
図1に示されたように第1端部23aおよび第2端部23bを備え、それらは各々がリム23r(
図6においては1つのみが示されている。)を備えている。荷台バー23の第1端部23aのリム23rは
図5〜
図8に示されており、第1端部23aにおいてスリットまたは切込みが無いため、リム23rは
図6および
図8において破線によって示された単一面Pを形成している。ロック手段40は単一面Pを通じて延びており、したがって、単一面Pとの交点は荷台バー23の位置とは無関係である。したがって、ロック手段40は荷台バー23の内部空洞内において荷台バー23の第1端部23aから延びており、それは
図6〜
図8に示されている。
【0054】
図6に戻って、楔部材43が移動された場合、両方の移動可能なロック部材44、45は移動され、荷台バー23の内表面、この場合は前方内表面28および後方内表面29に個々に当接する。しかしながら、荷台バー23の断面は、例えば荷台バー23に剛性を与えるために、1つ以上の内壁によって分割されることが可能であることが理解されるべきである。そのような場合、少なくとも1つの移動可能なロック部材44、45は荷台バー23の分割壁に当接し、分割壁も荷台バー23の内壁となり得ると考えられる。
【0055】
第1の移動可能なロック部材44および第2の移動可能なロック部材45は、
図2〜
図9に示されたように、第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45とすることが可能である。変形可能という用語は、弾性的に変形可能と解されるべきである。変形可能なロック部材44、45は、楔部材43が移動されて、荷台バー23の前方内表面28および後方内表面29と当接した場合に変形されるように形成されている。各変形可能なロック部材44、45は、第1端部50a、51aおよび第2端部50b、51bを備えた細長い本体50、51によって形成されている。第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45の第1端部50aおよび51aは、荷台脚21の本体24と一体化されている。楔部材43が荷台バー23の第1端部23aに向かって移動された場合、第2端部50b、51bは移動されて荷台バー23の内表面27に当接し、一方で第1端部50a、51aは大きくは移動しない。楔部材43が反対向きに、すなわち荷台バー23の第2端部23bに向かって、伸長部材41を使用して移動された場合、第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45は荷台バー23の前方内表面28および後方内表面29と係合解除され、それらの原点位置に戻る。したがって、第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45の変形は、第1の移動可能なロック部材44および第2の移動可能なロック部材45が製造される材料の弾性に依存している。適切な材料は1つ以上の熱可塑性プラスチック材料、強化熱可塑性プラスチック材料のようなカーボンファイバ強化型材料、ファイバガラス、またはそれらに類似したものである。バネ鋼、アルミニウム、またはそれらに類似したもののような金属も可能である。
【0056】
図6に示されたように、楔部材43はほぼ第1の変形可能なロック部材44と第2の変形可能なロック部材45との間に延びており、移動の際に、第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45のそれぞれに配置された第1滑り面60および第2滑り面61上において滑る。したがって、楔部材43は第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45に配置された第1滑り面60と第2滑り面61との間に延びている。
【0057】
変形可能なロック部材44、45は、各々が第1部分44a、45aおよび第2部分44b、45bを具備している。第1部分44a、45aは、変形可能なロック部材44、45の第2部分44b、45bよりも大きい距離を移動または変形されるように形成されている。楔部材43は、ロック位置へ向かう変形の間の変形可能なロック部材44、45の第1部分44a、45aから第2部分44b、45bへと向かう方向において、およびその反対のロック解除位置へと向かう方向において、移動されるように形成されている。ロック位置に到達したとき、楔部材43は、第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45とそれらの荷台バー23の前方内表面28および後方内表面29との相互作用によって、さらなる移動を物理的に制限される。
【0058】
第1の変形可能なロック部材44と第2の変形可能なロック部材45とは、互いに単一部品素材として製造されることが可能であり、および荷台脚21の本体24と単一部品素材として製造されることが可能であり、またはそれらは荷台脚21の本体24に分離した部品素材として取り付けられることが可能である。
【0059】
伸長部材41は、
図2〜
図9に示された実施形態においては、スレッジ70と協働する。スレッジ70は、第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45に対して、および楔部材43に対して移動可能に配置されている。理解されるように、スレッジ70は第1の変形可能なロック部材44と第2の変形可能なロック部材45とに沿って延びた滑り面60、61上において滑るように配置されており、したがって、伸長部材41の動作の際に楔部材43と相互作用する。スレッジ70と楔部材43とは、この実施形態においては同一の面P2(
図9において詳細に示されている)において整列されており、面P2は第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45の第1溝62および第2溝63によって確定されており、組み立てられた後に荷台バー23の長さLIと略平行に広がっている。
【0060】
伸長部材41は楔部材43とスレッジ70との間に延びており、動作中に楔部材43とスレッジ70とを協働させるように形成されている。図示された実施形態においては、伸長部材41はねじ山を備えたネジ42の形態である。ネジ42は楔部材43とネジ係合され、一方でスイベル接続によってスレッジ70と接続されており、この場合、スレッジ70の開口部71を介して挿入されており、ネジ42の頭との一体的なスイベル接続を提供している。
【0061】
図9に見られているように、第1滑り面60および第2滑り面61は、個々に第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45の第1溝62および第2溝63内に配置されている。第1溝62および第2溝63は移動の際に楔部材43をガイドする機能を提供し、したがって、楔部材43が正しく位置合わせされない危険性を減少している。図示された実施形態においては、これらの溝は個々に第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45内に形成されている。しかしながら、溝の代わりに、ガイドピン、またはガイド壁とすることが可能である。
【0062】
荷台脚21の本体24は、組み立て後に荷台バー23の一部を少なくとも部分的に収容するように形成されており、それは例えば
図3、
図5、および
図7に示された通りである。より詳細には、荷台脚21の本体24は、
図9においてより明確に示されたキャビティ80を具備し、そのキャビティ内には荷台バー23の第1端部23aが挿入され得る。図示された実施形態においては、第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45は、荷台脚21の本体24のキャビティ80とともに変形可能なスロット部81を形成し、このスロット部は荷台脚21に荷台バー23を固定するように形成されている。キャビティ80は単独で、またはロック手段40とともに荷台バー23へのガイド機能、またはガイド手段を提供している。そのようなガイド機能は、第1荷台脚21と第2荷台脚22との間の距離が調節される場合に有利である。
【0063】
組み立ての際、荷台バー23は荷台脚21のキャビティ80内にエンドユーザによって、またはルーフ用荷物運搬ラック20の製造の際に製造環境において挿入される。ルーフ用荷物運搬ラック20は、その後自動車10のルーフ11を横切るように配置され、荷台脚21の本体24の支持面25は、自動車10の適切な面、例えば
図2に示されたような自動車10のレールに静止して配置される。
【0064】
さらに
図2および
図8に見られているように、クランプ部材90、この場合、第1端部91および第2端部92を備えたストラップ要素90aが図示された実施形態においては使用されており、荷台脚21を自動車10に取り付けている。ストラップ要素90aの第1端部91は荷台脚21の本体24に取り付けられ、第2端部92は荷台脚21のスレッジ70に取外し可能に配置されている。荷台脚21は、ストラップ要素90aを自動車10のレールに巻き付け、その後ストラップ要素90aの第2端部92を荷台脚21のスレッジ70に取り付けることによって、自動車10に取り付けられており、それは
図3に示されている。ストラップ要素90aは、別の要素の周りに巻付ける、または折りたたむことが可能であるという意味においては柔軟である。それは弾性または非弾性であり得る。それは好適に非常に高い負荷を許容するための補強された鋼ワイヤである。
【0065】
クランプ部材90、この場合ストラップ要素90aは、複数の所定の位置101、102、103、104において荷台脚21に取り付けられ得る。所定の位置はクランプ部材90内の開口部によって形成されている。このことは、クランプ部材90が最初に適切な長さに調節され、レールの周りに巻きつけられることを可能にしており、これは
図11aに示されている。クランプ部材90の長さが調節された場合、ここに記載されたように、クランプ部材はスレッジに取り付けられ、締め付けられて荷台脚を自動車に取り付けることが可能である。
【0066】
荷台脚21は、自動車の選択された面、例えばレール上に荷台脚21の支持面25を静止させることによって例えばレールに組み付けられ、長さは荷台脚21および第2荷台脚22を順にはめ込むことによって、選択された自動車に適合するように適切な長さに調節される。
図10aに示された実施形態における付勢部材96およびバネ97は、自動的に荷台バーを概略第1荷台脚21と第2荷台脚22との間の定常状態位置に自動的に調節する。
【0067】
伸長部材41、すなわちネジ42が回転された場合、スレッジ70は楔部材43に向かって移動し、
図2の矢印A2によって示されたようにストラップ要素90aを締め付け、いくつかの位置においては、ストラップ要素90aはさらに締め付けられることが不可能である。スレッジ70はスイベル接続においてネジ42を抑制し、楔部材43は
図2に示された第1位置から第2位置まで移動され、第2位置では第1の変形可能なロック部材44と第2の変形可能なロック部材45とが荷台バー23の前方内表面28および後方内表面29に当接する。楔部材43の移動の間、第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45は変形され、第1の変形可能なロック部材44の第2端部50bと第2の変形可能なロック部材45の第2端部51bとの間の距離は増大する。第1の変形可能なロック部材44の第2端部50bと第2の変形可能なロック部材45の第2端部51bとの間の距離が増大した場合、第2端部50b、51bは荷台バー23の前方内表面28および後方内表面29に最終的に突き当たり、これによって荷台バー23を荷台脚21に固定する。
【0068】
したがって、第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45は、ネジ42が回転された場合に同時に変形され、いずれかが荷台バー23を荷台脚21の本体24に固定するか、または荷台バー23の内表面27から第1の変形可能なロック部材44および第2の変形可能なロック部材45を係合解除する。
【0069】
ストラップ要素90aの代わりに、荷台脚21を自動車10のルーフ11に固定するために、クランプブラケットが使用され得る。クランプブラケットは、通常は荷台脚の支持面と協働し、クランプ力をクランプブラケットの一部と支持面との間に負荷して、荷台脚を固定する。
【0070】
ストラップ要素またはクランプブラケットの代わりとして、荷台脚は例えばネジのような固定ポイントを使用して自動車10に取り付けられ得る。伸長部材41およびネジ42は、その場合荷台脚21の本体24にスイベル接続によって接続され得る。
【0071】
実施形態においては、荷台脚21の本体24には、荷台バー23の第1端部23aが挿入され得るキャビティが設けられていない。その代わりに、荷台バー23の第1端部23aは、使用の際に荷台バー支持面に載置されるように配置され得る。しかしながら、荷台バー23の第1端部23aはロック手段40を部分的に、または全体を収容している。
【0072】
ルーフ用荷物運搬ラック20の第2荷台脚22は、第1荷台脚21と同じタイプ、または随意的に従来タイプとすることが可能である。第1荷台脚21と第2荷台脚との間の個別の改良も可能である。
【0073】
図10aは荷台脚21の第2実施形態を示している。
図1〜
図9に関して使用された同一の参照符号は、同一の特徴に関して使用されている。荷台バーの一部は透明に描写され、荷台脚21の特徴をより明確に示している。
図10bは
図10aの線D2−D2に沿った断面図である。
図10a、
図10bを参照すると、荷台脚21は支持面25を備えた本体24を具備し、支持面25は自動車10の第1面に対して当接する。自動車10の第1面は自動車10のルーフ11の面、または随意的に
図2に示したようなレール、フラッシュレール、もしくはそれに類似した面とすることが可能である。支持面25は維持手段30と協働するように形成され、荷台脚21を自動車10に維持且つ固定する(
図1参照)。図示された実施形態においては、ストラップ要素90aの形態のクランプ部材90が、荷台脚21を自動車10に維持するために使用されている。
【0074】
荷台脚21は、荷台バー23がロック部材40を使用して複数の異なった点において荷台脚21にロックされることを可能にし、これによって第1荷台脚21と第2荷台脚22との間の距離D(
図1に示されている)が変化される、すなわち可変であることを可能にしている。しかしながら、ロック手段40は、必要である場合にのみ単一の位置において荷台バー23をロックするために使用されることも可能である。ロック手段40は伸長部材41を具備し、この部材によってロック手段40は操作され得る。
図10a、
図10bに示された実施形態においては、伸長部材は回転可能な部材であり、この場合ネジ42である。
【0075】
伸長部材41は動作中に楔部材43と協働する。伸長部材41が動作された場合、楔部材43は少なくとも第1位置と第2位置との間において移動される。ネジ42の場合、ネジ42が回転されると、以下により詳細に記載されたように、楔部材43は第1位置と第2位置との間において移動される。楔部材は、図示された実施形態においては、ネジ開口部を具備したバー43bによって形成されており、このネジ開口部を通じて伸長部材、この場合ネジ42が協働する態様において延びている。伸長部材41、すなわちネジ42は、荷台バー23と組み立てられた後に、ねじ42が荷台バー23の長手方向において、すなわち荷台バーのX軸(
図1に示されている)に沿って配置されるように位置している。このことはネジ42が回転によって楔部材43を荷台バー23と平行に移動させ、係合する態様において荷台バー23と相互作用し、荷台脚21を荷台バー23にロックすることを可能にしている。
【0076】
伸長部材41は、
図10に図示された実施形態においては、スレッジ70とも協働する。スレッジ70は楔部材43および荷台脚21に対して移動可能に配置されている。前述したように、スレッジ70は、荷台バー23の長手方向長さLIの方向に延びた滑り面上において滑るように配置されている。スレッジ70および楔部材43は同一の面において概略整列されている。伸長部材41は楔部材43とスレッジ70との間で延びており、動作中に楔部材43およびスレッジ70と協働するように形成されている。図示された実施形態においては、伸長部材41はネジ山を備えたネジ42の形態である。ネジ42は楔部材43とネジ係合し、一方でスイベル接続部によってスレッジ70と接続されており、この場合スレッジ70の開口部71を通じて挿入されており、ネジ42の頭とともにスイベル接続部を提供している。スレッジ70はさらに、クランプ部材90、この場合ストラップ要素90aに接続されるように形成され、荷台脚21を自動車、例えば自動車のレールに取り付ける。
【0077】
楔部材43は荷台バー23の上方内側27uおよび下方内側27lと直接的または間接的に係合し、
図10bにおいて矢印によって示されたような、楔部材43の移動によって負荷された力の成分Fを示す。したがって、力の成分FはZ軸の方向且つ荷台バー23の高さHIの方向において負荷される。
図10bに見られているように、荷台脚21は楔部材43と相互作用する楔部144を具備している。したがって、荷台脚21は楔部材43と荷台バーの内表面との間に中間部材を形成している。楔部144は、伸長部材41がスレッジ70に向かう方向において連続的に楔部材43を移動させる場合に、荷台バー23の内側のとり得る高さを減少させ、楔部材43を固定する。
【0078】
伸長部材41が回転した場合、スレッジ70は第2荷台脚22(
図1参照)に向かう方向において荷台バー23の長さLIに沿って移動される。したがって、クランプ部材90、この場合ストラップ要素90aは締め付けられ、レールに関して確固たるグリップを提供する。
【0079】
図11a〜
図11cは、伸長部材41が締め付けられた後の
図10aの荷台脚21を示している。楔部材43はここでは維持位置、すなわち楔部材43が荷台バー23を荷台脚21に維持、すなわち固定している位置である。したがって、荷台バーは移動することなくロックされ、すなわちロック位置にある。荷台バー23は部分的に透明に示され、より良好に荷台脚21の特徴を示している。
図11bは
図11aの線D3−D3に沿った断面図である。
図11cは荷台脚21の斜視図である。前述の通り、荷台脚21はカバーまたはハウジングを排除して示されており、荷台脚21の内部をより良好に視覚化している。
図11aは、楔部材43とスレッジ70との間の距離が
図10aと比較して減少していることをさらに示している。スレッジ70は移動されて、ストラップ要素は自動車のレールRに巻き付けられたクランプ部材90、この場合ストラップ要素90aを締め付けている。クランプ部材90、この場合ストラップ要素90aはクランプ部材90の2つの開口部95を介してスレッジ70に離脱可能に接続されており、クランプ部材90はフック状の突起72を利用してスレッジ70にフックされている。
【0080】
図10bに戻って、クランプ部材90、この場合ストラップ要素90aは複数の所定の位置101、102、103、104において荷台脚21に取り付けられ得る。所定の位置はクランプ部材90の開口部によって形成されている。このことは、クランプ部材90が初期的に適切な長さに調節され、
図11aに示されたようにレールの周りに巻きつけられることを可能にしている。クランプ部材90の長さが調節された場合、クランプ部材はスレッジに取り付けられ、ここに記載されたようにクランプ部材は締め付けられて荷台脚を自動車に取り付ける。
【0081】
前述の通り、楔部材43は荷台バー23の端部23rに対して
図10aに示された位置と概略同じ位置にある。楔部材43は短い距離だけ移動され、その距離は楔部材を荷台バー23の上方内側27uに向かって割り込ませるのに十分である。荷台バー23の断面は、例えば荷台バー23に剛性を与えるための1つ以上の内壁によって区切られてもよいことが理解される。そのような場合、楔部材43が荷台バー23の隔壁に当接することが可能であり、隔壁は荷台バー23の内壁とされることも考えられる。重要なことは、楔部材43によって負荷される力の成分が、この実施形態においては、荷台バー23の高さHIの方向に沿って向けられていることである。