【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る電気接続箱1の分解斜視図を示した図である。
図2は、
図1に示した電気接続箱1の斜視図である。
なお、
図2は、アッパーカバー20を透視してその内部が見えるように図示している。
図3は、
図2に示したサイドカバー30周辺を下方から視た図である。
図4は、ロアカバー40を上端面40c側から視た図である。
図5は、
図1に示した当接突出部50の周辺を拡大した図である。
図6は、
図5に示した当接突出部50周辺のA−A線断面図である。
本発明の実施例に係る電気接続箱1は、下端面10fが開口されてなる上側箱体としての箱本体10と、上端面40cが開口された有底の箱であり、箱本体10の下端面10fを覆うように組み付けられる下側箱体としてのロアカバー40と、を有してなる。また、電気接続箱1は、箱本体10の上部がアッパーカバー20で覆われるようになっており、電気接続部材12の接続部12aが収容される箱側溝部10eを塞ぐように箱本体10にサイドカバー30が取り付けされるようになっている。
【0016】
まず、箱本体10について説明する。
箱本体10は、コネクタ、リレー、ヒューズ等の電気部品11aが内部に収容され、電気接続箱1の主な収容部を構成する箱である。
この箱本体10は、絶縁性の合成樹脂からなり、筒状の外壁によって外郭が形成されてなり、電気部品11aが装着されたブロック状のカセットブロック11が内部に区画されて収容されるように仕切り壁10aが設けられている。
【0017】
また、箱本体10は、上端から下端まで直線状に延びるように箱外面10dに形成されてなる箱側溝部10eを有し、箱側溝部10e内に電気接続部材12の接続部12aが収容されるようになっている。
【0018】
電気接続部材12は、
図1に示すように、端子付きの電線であり、接続部12aとしての端子が箱側溝部10e内に収容され、一端が電気接続箱1内にカセットブロック11とともに取り付けられた電気部品11aに接続され、他端がロアカバー40の溝部43から導出され、不図示の外部電源に接続されるようになっている。
なお、電気接続部材12として、端子付き電線を例示したが、これに限らず、電気接続箱1内の電気部品11を外部電源に電気的に接続させるものであれば、その他のものであっても構わない。
このような箱側溝部10eには、サイドカバー30が箱側溝部10eの上端から下端に向けてスライド移動されて取り付けられるようになっている。
【0019】
次に、アッパーカバー20について説明する。
アッパーカバー20は、下面が開口された箱形形状をなし、
図2に示すように、下端縁部20aが箱本体10の上端縁部にかぶさるようにして箱本体10に組み付けられるようになっている。
【0020】
次に、サイドカバー30について説明する。
サイドカバー30は、
図1−
図3に示すように、本体部となる板状の板状基部31に電気接続部材12を固定するための電気接続部材固定部32(
図3参照)を有してなる。
【0021】
電気接続固定部32は、板状基部31の箱本体10への取り付け側の面31aに設けられている。このため、サイドカバー30が箱本体10の溝開口を覆うように取り付けられた場合、箱側溝部10e内に電気接続部材12の接続部12aが収容される。
【0022】
次に、ロアカバー40について説明する。
ロアカバー40は、上端面40cが開口され、ほぼ矩形状の底壁41の縁に沿って立設された周側壁42を有してなる有底の箱形形状をなし、上端縁部40aが箱本体10の下端縁部10cにかぶさるようにして組み付けられるものである。すなわち、ロアカバー40は、下側箱体として、上側箱体としての箱本体10の下方に組み付けられるようになっている。
【0023】
このロアカバー40は、
図5および
図6に示すように、箱本体10の下端面10fを覆うように組み付けられ、箱本体10に組み付けされた場合、箱本体10の下端縁面10gに当接される当接面51が形成されるように箱外面40bから突出されてなる当接突出部50を有してなる。
【0024】
当接突出部50は、
図1に示すように、ロアカバー40をエンジンルーム内に支持固定させるため、ロアカバー40の底面よりも下方に延びるように設けられた支持脚であり、箱外面40bである周側壁42の一の外面の2箇所に設けられている。
このため、当接突出部50は、支持脚としてロアカバー40をエンジンルーム内に支持固定するとともに、箱本体10の下端縁面10gに当接されることによって箱本体10を支持するようになっている。すなわち、当接突出部50は、ロアカバー40の上方から負荷される荷重を支持する機能を有している。
【0025】
また、2箇所に設けられた当接突出部50の各当接突出部50は、当接面51に平行な方向で箱本体10よりも外側に突出される部分に、当接面51から下方に向けて傾斜されるように当接面51に繋がる傾斜面52が形成されてなる。
この傾斜面52は、当接面51に平行な方向で箱本体10の箱外面10dと同じ位置、あるいは箱外面10よりも僅かに内側の位置から当接面51に繋がるように形成されてなる。
なお、上側箱体よりも外側に突出される部分に傾斜面52を確実に形成するためには、傾斜面52が箱外面10よりよりも僅かに内側の位置から当接面51に繋がるように形成することが好ましい。
【0026】
また傾斜面52には、当接突出部50を上下方向で貫通する貫通孔53が形成されてなる。
【0027】
このような電気接続箱1は、例えば、エンジンルームの洗浄のため、当接面51の周辺に水がかかった場合、
図6に示すように、その水が傾斜面51につたわってロアカバー40の下方に誘導され、あるいはその水が電気接続箱1の外方向に向けて跳ね返される。
また、貫通孔53に水がかかった場合、その水は貫通孔53を通り抜けることによって、ロアカバー40の下方に誘導されるようになっている。
【0028】
本発明の実施例に係る電気接続箱1は、当接突出部50の当接面51に平行な方向で箱本体10よりも外側に突出される部分に水がかけられた場合、その水が傾斜面52をつたわってロアカバー40の下方に誘導され、あるいは電気接続箱1の外方向に向けて跳ね返されるので、箱本体10の下端縁面10gに当接されるロアカバー40の当接面51をつたわって内部に水が侵入することを防止することができる。
【0029】
また、本発明の実施例に係る電気接続箱1は、当接突出部50の当接面51に平行な方向で箱本体10よりも外側に突出される部分に水がかけられた場合、その水が貫通孔53を通り抜けることによって、ロアカバー40の下方に誘導されるので、防水効果をさらに高めることができる。
【0030】
また、本発明の実施例に係る電気接続箱1は、傾斜面52が当接面51に平行な方向で箱本体10の箱外面10dと同じ位置、あるいは箱外面10よりも僅かに内側の位置から当接面51に繋がるように形成されてなる場合、当接面51に平行な方向で箱本体10よりも外側に突出される部分に傾斜面52を確実に形成することができる。
【0031】
なお、本発明の実施例の電気接続箱1は、アッパーカバー20と、箱本体10と、サイドカバー30と、ロアカバー40とを有してなるものを例示したが、これに限らず、下端面が開口されてなる上側箱体と、上端面が開口され、上側箱体の下方に組み付けられ、上側箱体に組み付けされた場合、上側箱体の下端縁面に当接される当接面が形成されるように箱外面から突出されてなる当接突出部を含む下側箱体と、を有してなる電気接続箱であれば、その他の電気接続箱であっても構わない。例えば、アッパーカバー20が、箱本体10に対して上側箱体とされ、アッパーカバー20に対して下側箱体とされる箱本体10に当接突出部が設けられるようにしても構わない。あるいは、アッパーカバー20が上側箱体とされ、箱本体10とロアカバー40とが一体となる箱体が下側箱体とされるものであっても構わない。
【0032】
また、本発明の実施例の電気接続箱1は、当接突出部50がロアカバー40をエンジンルーム内に固定させるための支持脚であるものを例示したが、これに限らず、当接突出部は、上側箱体の下端縁面に当接される当接面が形成されるようにロアカバーの箱外面から突出されてなる部分であればよい。例えば、当接突出部が支持機能を伴わず、ロアカバーの剛性を高めるために突出されてなる補強部分であっても構わない。
【0033】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。