(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の決定手段より決定された処理に中継禁止が含まれる場合、前記第2の決定手段は、中継禁止を優先して実行する処理として決定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の一例について説明する。
図1は、本発明の情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本発明は、電子メール制御サーバ101、前段メールサーバ102、後段メールサーバ103、LAN104、クライアント装置105−1〜105−3(以下まとめてクライアント装置105とする)、インターネット等の広域通信網106を備えて構成されている。
【0017】
図中、電子メール制御サーバ101は、本発明の情報処理装置として機能するサーバ装置であって、電子メールの内容に応じて、監査者による監査の後にその監査結果に従った中継制御をおこなうフィルタリング処理や、電子メールを直ちに宛先に対して送信せずに一旦送信を保留し、電子メールの送信者等からの送信指示を受け付けた後に、電子メールを宛先に対して送信する遅延送信処理を行う。電子メールサーバ101はこのような処理を行うサービスをSaaS等の形態でクライアント装置105に対して提供しており、クライアント装置105から送信される電子メールに対するフィルタリング処理や遅延送信処理を行う。
【0018】
前段メールサーバ102は、クライアント装置105から送信された電子メールデータを受信するメール受信サーバである。そして、前段メールサーバ102が受信した電子メールは、電子メール制御サーバ101に対して送信され、電子メール制御サーバ101によるフィルタリング処理や遅延送信処理が行われることになる。
【0019】
後段メールサーバ103は、電子メール制御サーバ101によるフィルタリング処理や遅延送信処理等の結果、電子メールに設定された宛先に対して中継を行うと決定された電子メールを該指定された宛先に対して送信する処理を行う。
【0020】
LAN104は、電子メール制御サーバ101、前段メールサーバ102、後段メールサーバ103を相互に通信可能に接続するためのネットワークである。
【0021】
クライアント装置105は、前段メールサーバ102や後段メールサーバ103で電子メールのアカウント管理が行われている電子メールアカウントを使用するユーザが、電子メールの送受信を行うために使用する端末装置である。
【0022】
広域通信網106は、クライアント装置105と電子メール制御サーバ101、前段メールサーバ102、後段メールサーバ103とを相互に通信可能に接続するためのネットワークである。以上が、本発明の情報処理システムのシステム構成の一例の説明である。
【0023】
尚、電子メール制御サーバ101、前段メールサーバ102、後段メールサーバ103のうち複数の装置が有する機能を1つの装置で実行するようにしてももちろん構わない。例えば、前段メールサーバ102と後段メールサーバ103を1つのサーバ装置とすることや、電子メール制御サーバ101、前段メールサーバ102、後段メールサーバ103を1つのサーバ装置とすることなども可能である。
【0024】
次に、
図2を参照して、
図1の電子メール制御サーバ101に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の一例について説明する。
【0025】
図中、CPU201は、システムバス204に接続される後述の各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、電子メール制御サーバ101に後述する各種の処理を実行させるために必要な各種プログラムやデータ等が記憶されている。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0026】
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで後述する各種処理を実現するものである。また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボードやポインティングデバイス等で構成される入力装置209からの入力を制御する。ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ装置210等の表示装置への表示を制御する。ディスプレイ装置210は、例えばCRTディスプレイや液晶ディスプレイ等で構成される。
【0027】
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフロッピーディスク(登録商標 FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュメモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0028】
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
【0029】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ装置210上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ装置210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。以上が、電子メール制御サーバ101に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の説明であるが、後述する各種の処理を実行可能であれば、必ずしも
図2に記載のハードウェア構成を有していなくとも構わないことは言うまでもない。
【0030】
また、前段メールサーバ102、後段メールサーバ103、クライアント装置105等もほぼ同様のハードウェア構成を有しているので、ここでも説明は割愛する。
【0031】
次に、
図3を参照して、
図1の電子メール制御サーバ101の機能構成の一例について説明する。
【0032】
電子メール制御サーバ101は、メール受信部301、中継制御部302、メール送信部303、記憶部304、メール制御指示受付部305、メール削除部306等を備えて構成されている。
【0033】
メール受信部301は、前段メールサーバ102から送信された電子メールを受信する機能部である。
【0034】
中継制御部302は、メール受信部301で受信した電子メールを中継/削除/保留/遅延送信等する中継制御を行う機能部であり、フィルタリングルール判定部302−1、遅延送信ルール判定部302−2、優先アクション決定部302−3を備えている。
【0035】
フィルタリング処理部302−1は、後述する記憶部304のフィルタリングルール記憶部304−1に記憶されているフィルタリングルールを用いたフィルタリングアクション判定処理を行う機能部であって、メール受信部301が受信した電子メールがフィルタリングルールの条件に合致するかを判定し、合致している場合にそのフィルタリングルールに設定されているアクションを当該電子メールに実行する処理として決定する機能部である。
【0036】
遅延送信処理部302−2は、記憶部304の遅延送信ルール記憶部304−2に記憶されている遅延送信ルールを用いた遅延送信アクション判定処理を行う機能部であって、メール受信部301が受信した電子メールが遅延送信ルールの条件に合致するかを判定し、合致している場合にその遅延送信ルールに設定されているアクションを当該電子メールに実行する処理として決定する機能部である。
【0037】
優先アクション決定部302−3は、フィルタリング処理部302−1で決定されたアクションと、遅延送信処理部302−2で決定されたアクションのどちらのアクションを優先的に実行するかを記憶部304の優先アクション決定ルール記憶部に記憶されている優先アクション決定ルールに従って決定する機能部である。
【0038】
メール送信部303は、中継制御部302での中継制御処理の結果、中継すると決定された電子メールを後段メールサーバ103に送信する機能部である。
【0039】
記憶部304は、後述する処理を電子メール制御サーバ101のCPU201が行う際に用いる各種のデータを記憶する記憶部であって、フィルタリングルール記憶部304−1、遅延送信ルール記憶部304−2、優先アクション決定ルール記憶部304−3、保留メール記憶部304−4、遅延送信メール記憶部304−5、操作ログ記憶部304−6等を備えている。
【0040】
メール制御指示受付部305は、中継制御部302により、中継を遅延された電子メールや、中継が保留された電子メールに対する中継/削除の指示を受け付ける機能部である。
【0041】
メール削除部306は、中継制御部302により削除すると決定された電子メールや、メール制御指示受付部305で削除の指示を受け付けた電子メールの削除処理を行う機能部である。
【0042】
以上が、電子メール制御サーバ101の機能構成の一例の説明である。
【0043】
次に、
図4を参照して、本発明における電子メール送信時の電子メールの流れについて説明する。クライアント装置105から送信された電子メールは、まず前段メールサーバ102が受信することになる。その後、前段メールサーバ102はその電子メールを電子メール制御サーバ101に転送することになる。
【0044】
前段メールサーバ102が転送した電子メールを受信した電子メール制御サーバ101は、中継制御部302で当該電子メールに対して実行する処理を決定し、その処理を電子メールに対して実行する。
【0045】
電子メール制御サーバ101で中継処理が実行された電子メールは後段メールサーバ103に送信されることになる。
【0046】
後段メールサーバ103は、電子メール制御サーバ101から受信した電子メールを、当該電子メールの宛先(TO、CC、BCC)に設定された電子メールアドレスを管理するメールサーバに対して送信する。尚、ここで、宛先に設定された電子メールアドレスが、本システムが管理する電子メールアドレスである場合には、後段メールサーバ103はその電子メールを前段メールサーバ101に対して送信する。
【0047】
後段メールサーバ103からの電子メールを受信した前段メールサーバ102は、その電子メールの宛先に設定されている電子メールアドレス(電子メールアカウント)のメールボックスにその電子メールを記憶する。以上が、本発明における電子メール送信時の電子メールの流れの説明である。
【0048】
次に、
図5を参照して、
図1の電子メール制御サーバ101によって行われる処理の概要について説明する。本図に示す処理を電子メール制御サーバ101のCPU201に行わせるためのプログラムは外部メモリ211等に記憶されており、CPU201は、本図に示す処理を実行する際に、当該プログラムを外部メモリ211からRAM202にロードし、ロードしたプログラムによる制御に従って本処理を実行することになる。
【0049】
電子メール制御サーバ101は、前段メールサーバ101から送信された電子メールを受信すると(ステップS501でYES)、電子メールのフィルタリング・遅延送信アクション判定処理を行う(ステップS502)。この処理の詳細については、
図6を参照して後述することにする。
【0050】
また、クライアント装置105より、送信が保留された電子メールの監査要求を受け付けると(ステップS503でYES)、保留メール制御処理を行う(ステップS504)。この処理の詳細については、
図11を参照して後述することにする。
【0051】
また、クライアント装置105より、送信が遅延されている電子メール(遅延送信メール)の確認要求を受け付けると(ステップS505でYES)、遅延送信メール制御処理を行う(ステップS506)。この処理の詳細については、
図12を参照して後述することにする。
【0052】
また、CPU201は、遅延送信メールの自動送信処理を実行すると判定した場合(ステップS507でYES)、遅延送信メールの自動送信処理を行う(ステップS508)。この処理の詳細については、
図15を参照して後述することにする。
【0053】
そして以上の処理を、本処理を終了するという指示を受け付けるまで(ステップS509でYESと判定するまで)行うことになる。以上が、電子メール制御サーバ101によって行われる処理の概要である。
【0054】
次に、
図6を参照して、
図5のステップS502の「フィルタリング・遅延送信アクション判定処理」の詳細について説明する。
【0055】
まずCPU201は、
図5のステップS501で受信した電子メールファイルを外部メモリ211に保存する。そしてその後、フィルタリングルールを用いたフィルタリングアクション判定処理を行うことになる(ステップS602〜ステップS605の処理)。
【0056】
まず、CPU201は、当該電子メールに対して未適用のフィルタリングルールがあるかを判定する(ステップS602)。フィルタリングルールとは、CPU201がフィルタリングアクション判定処理を行う際に用いるルールである。
【0057】
ここで、
図19を参照して、フィルタリングルールのデータ構成の一例について説明する。
図19に示すように、フィルタリングルール1900は、ID1901、ルール名1902、条件1903、アクション1904等のデータ項目を備えて構成されている。
【0058】
ID1901は、個々のフィルタリングルールを一意に識別するための識別情報が登録されるデータ項目である。以降、個々のフィルタリングルールを個別フィルタリングルールという。ルール名1902は、当該レコードの個別フィルタリングルールのルール名称が登録されるデータ項目である。
【0059】
条件1903は、当該レコードで示される個別フィルタリングルールのアクション1904に示す処理を実行する電子メールの条件が登録されるデータ項目である。条件1903として、送信元条件1903−1、宛先条件1903−2、添付ファイル条件1903−3、キーワード条件1903−4などのデータ項目が設定されている。
【0060】
送信元条件1903−1は、電子メールの送信元に関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、データ送信元となる電子メールアドレス、その電子メールアドレスを使用するユーザが所属するグループ、電子メールヘッダーのFROMとエンベロープのFROMとが異なるといった事項を、条件として登録することが可能である。上記以外でも送信元に関する条件であれば登録可能であることは言うまでもない。
【0061】
宛先条件1903−2は、電子メールの宛先に関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、電子メールの宛先となる電子メールアドレス、宛先となる電子メールアドレスのドメインや、宛先として指定された電子メールアドレスの数、そのドメイン数、などを条件として登録することが可能である。上記以外でも宛先に関する条件であれば登録可能であることは言うまでもない。
【0062】
添付ファイル条件1903−3は、電子メールの添付ファイルに関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、電子メールへの添付ファイルの有無、添付ファイルのサイズやファイル形式などを条件として登録することが可能である。
【0063】
キーワード条件1903−4は、電子メールの件名や、本文、添付ファイルに含まれるキーワードに関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、「電子メールの本文に『機密、極秘、社外秘』のうちのいずれか1つが含まれる」などといった条件を登録することが可能である。
【0064】
アクション1904は、条件1903に登録されている各種の条件に合致した電子メールに対して実行する処理を登録するためのデータ項目である。このデータ項目に「中継」が設定されている場合には、フィルタリングアクション判定処理の処理結果として、当該電子メールデータを「中継」とすることを決定する。また、「保留」が設定されている場合には、その処理結果として、当該電子メールの中継を一時保留し、電子メールを送信したユーザの監査者による監査結果の入力によって、当該電子メールを中継する/しないを決定する処理である「保留」とすることを決定する。「削除」が設定されている場合には、当該電子メールの中継を行わない、電子メールを「削除」することを決定する。
【0065】
以上が、フィルタリングルールのデータ構成の一例の説明である。尚、フィルタリングルールを用いて、電子メール制御サーバ101が後述する処理を実行することが可能であれば、
図19に示すデータ構成以外であっても構わないことは言うまでもない。
【0066】
図6の説明に戻る。ステップS602の判定処理で、まだ電子メールに適用していない個別フィルタリングルールがある(YES)と判定した場合、優先順に従って未適用の個別フィルタリングルールのうちの1つを取得する(ステップS603)。優先度は、例えばID1901が小さい順などである。
【0067】
そして、ステップS603で取得した個別フィルタリングルールの条件1903に、受信した電子メールが合致するかを判定し(ステップS604)、条件に合致する(YES)と判定した場合、処理をステップS605に進める。一方、ステップS604の判定処理で条件に合致しない(NO)と判定した場合には、処理をステップS602に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0068】
ステップS605では、ステップS604で条件に合致したと判定した個別フィルタリングルールのアクション1904に設定されている処理を当該電子メールに対するフィルタリングアクション判定処理により決定されるアクションとする(フィルタリングルールによるアクションを決定:ステップ605)。尚、ステップS602でNOと判定した結果ステップS605へと処理が移行した場合には、フィルタリングアクション判定処理のデフォルトのアクションとして設定されている処理を、当該電子メールデータに対して実行するアクションとすることになる。
【0069】
ステップS602からステップS605に示す電子メールのフィルタリングアクション判定処理が終了後、今度は、CPU201は、遅延送信ルールを用いた遅延送信アクション判定処理を行うことになる(ステップS606〜ステップS609の処理)。
【0070】
まず、CPU201は、当該電子メールに対して未適用の遅延送信ルールがあるかを判定する(ステップS606)。遅延送信ルールとは、CPU201が遅延送信処理を行う際に用いるルールである。
【0071】
ここで、
図18を参照して、遅延送信ルールのデータ構成の一例について説明する。
図18に示すように、遅延送信ルール1800は、ID1801、ルール名1802、条件1803、アクション1804等のデータ項目を備えて構成されている。
【0072】
ID1801は、個々の遅延送信ルールを一意に識別するための識別情報が登録されるデータ項目である。以降、個々の遅延送信ルールを個別遅延送信ルールという。ルール名1802は、当該レコードの個別遅延送信ルールのルール名称が登録されるデータ項目である。
【0073】
条件1803は、当該レコードで示される個別遅延送信ルールのアクション1804に示す処理を実行する電子メールの条件が登録されるデータ項目である。条件1803として、送信元条件1803−1、宛先条件1803−2、添付ファイル条件1803−3、キーワード条件1803−4などのデータ項目が設定されている。
【0074】
送信元条件1803−1は、電子メールの送信元に関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、データ送信元となる電子メールアドレス、その電子メールアドレスを使用するユーザが所属するグループ、電子メールヘッダーのFROMとエンベロープのFROMが異なるといった事項を、条件として登録することが可能である。上記以外でも送信元に関する条件であれば登録可能であることは言うまでもない。
【0075】
宛先条件1803−2は、電子メールの宛先に関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、電子メールの宛先となる電子メールアドレス、宛先となる電子メールアドレスのドメインや、宛先として指定された電子メールアドレスの数、そのドメイン数、などを条件として登録することが可能である。上記以外でも宛先に関する条件であれば登録可能であることは言うまでもない。
【0076】
添付ファイル条件1803−3は、電子メールの添付ファイルに関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、電子メールへの添付ファイルの有無、添付ファイルのサイズやファイル形式などを条件として登録することが可能である。
【0077】
キーワード条件1803−4は、電子メールの件名や、本文、添付ファイルに含まれるキーワードに関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、「電子メールの本文に『機密、極秘、社外秘』のうちのいずれか1つが含まれる」などといった条件を登録することが可能である。
【0078】
アクション1804は、条件1803に登録されている各種の条件に合致した電子メールに対して実行する処理を登録するためのデータ項目である。このデータ項目に「遅延」が設定されている場合には、遅延送信アクション判定処理の処理結果として、遅延時間として設定されている時間、宛先に対して送信するのを遅延させる「遅延」とすることを決定する。また、「中継」が設定されている場合には、遅延送信処理の処理結果として、当該電子メールデータを「中継」とすることを決定する。
【0079】
以上が、遅延送信ルールのデータ構成の一例の説明である。尚、遅延送信ルールを用いて、電子メール制御サーバ101が後述する処理を実行することが可能であれば、
図18に示すデータ構成以外であっても構わない。
【0080】
図6の説明に戻る。ステップS606の判定処理で、まだ電子メールに適用していない遅延送信ルールがある(YES)と判定した場合、優先順に従って未適用の個別遅延送信ルールのうちの1つを取得する(ステップS607)。優先度は、例えばID1801が小さい順などである。
【0081】
そして、ステップS607で取得した個別遅延送信ルールの条件1803に、受信した電子メールが合致するかを判定し(ステップS608)、条件に合致する(YES)と判定した場合、処理をステップS609に進める。一方、ステップS608の判定処理で条件に合致しない(NO)と判定した場合には、処理をステップS606に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0082】
ステップS609では、ステップS608で条件に合致したと判定した個別遅延送信ルールのアクション1804に設定されている処理を当該電子メールに対する遅延送信アクション判定処理により決定されるアクションとする(遅延送信ルールによるアクションを決定:ステップ609)。尚、ステップS606でNOと判定した結果ステップS609へと処理が移行した場合には、遅延送信アクション判定処理のデフォルトのアクションとして設定されている処理を、当該電子メールデータに対して実行する遅延送信アクション判定処理により決定されるアクションとすることになる。
【0083】
その後、電子メールに対して実行するアクションを決定する(ステップS610)。尚、このときCPU201は
図21に示すアクション決定ルール2100を用いて、フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションと、遅延送信アクション判定処理により決定されたアクションのいずれを先に実行するかを決定することになる。
【0084】
ここで、
図21を参照してアクション決定ルールのデータ構成について説明する。
図21は、アクション決定ルールのデータ構成の一例について説明する。このアクション決定ルール2100には、フィルタリングアクション判定処理で決定されたアクションと、遅延送信アクション判定処理で決定されたアクションのどちらを先に実行するかの定義がなされている。
【0085】
例えば、図中の2101は、フィルタリングアクション判定処理で決定されたアクションが「中継」であり、遅延送信アクション判定処理で決定されたアクションが「遅延」である場合には、遅延送信アクション判定処理で決定されたアクションである「遅延」を先に実行することを示している。
【0086】
また、図中の2102は、フィルタリングアクション判定処理で決定されたアクションが「保留」であり、遅延送信アクション判定処理で決定されたアクションが「遅延」である場合には、遅延送信アクション判定処理で決定されたアクションである「遅延」を先に実行することを示している。さらに、図中の2103は、フィルタリングアクション判定処理で決定されたアクションが「削除」であり、遅延送信アクション判定処理で決定されたアクションが「遅延」である場合には、フィルタリングアクション判定処理で決定された「削除」を先に実行することを示している。この場合は、遅延を行って送信者に電子メールを確認させても、結局はその電子メールにフィルタリングアクション判定処理で決定された削除を実行することになるので、遅延送信アクション判定処理で決定された電子メールの遅延と行う前に削除を行ったほうが効率的である。よってフィルタリングアクション判定処理で決定された「削除」を優先している。以上が
図21のアクション決定ルール2100の説明である。
【0087】
図6の説明に戻る。ステップS610で電子メールに対して実行するアクションを決定した後に、ステップS605、ステップS609、ステップS610で決定されたアクションに従って配送制御ファイルを作成し、保存する(ステップS611)。配送制御ファイルは、例えば、
図22に示すようなものである。また、当該電子メールに対して実行する処理を記憶する操作ログも合わせて作成し保存する(ステップS612)。
【0088】
ここで、
図22を参照して、配送制御ファイルについて説明する。配送制御ファイル2200には、電子メールの送信者(FROM)、電子メールの宛先(RCTP)、送信日時(TIMESTAMP)、遅延送信処理の結果(DELAY_RULE)、フィルタリング処理の結果(FILTERING_RULE)が設定されることになる。そして、DELAY_RULEが1、FILTERING_RULEが2となっているが、それが処理の順序を示している。
【0089】
図22では、abcde@example.comからvwxyz@asdfg.co.jpに対して2011年5月17日16時44分02秒に送信された電子メールの遅延送信処理の結果が遅延(1800秒)、フィルタリング処理の結果が保留(HOLD)であり、その処理順は遅延、保留の順であることを示している。以上が
図22の配送制御ファイルの説明である。
【0090】
図6の説明に戻る。ステップS611で配送制御ファイルを作成・保存した後に、CPU201は、電子メールに対して決定されたアクション(処理)を実行することになる。電子メールに実行するアクションが「遅延」である場合には(ステップS613でYES)、CPU201は、メール遅延送信処理を実行する(ステップS614)。この処理の詳細は、
図7を参照して説明する。
【0091】
ここで、
図7を参照してメール遅延送信処理の詳細について説明する。CPU201はまず、遅延送信の対象の電子メールを遅延キューに保存する(ステップS701)。そして、遅延送信の対象となった電子メールの送信者に電子メールが遅延送信となった旨の通知を行う(ステップS702)。この通知は、例えば電子メール等を用いて行われることになる。以上が、
図6のステップS614のメール遅延送信処理の詳細な説明である。
【0092】
図6の説明に戻る。電子メールに対して実行するアクション(処理)が「保留」である場合には(ステップS615でYES)、CPU201は、メール保留処理を実行する(ステップS616)。この処理の詳細については、
図8を参照して説明する。
【0093】
ここで、
図8を参照してメール保留処理の詳細について説明する。CPU201は、あず、保留の対象となった電子メールを保留キューに保存する(ステップS801)。そして、その後、当該電子メールの監査を行う監査者を特定する(ステップS802)。CPU201は、例えば、当該電子メールの送信処理を行ったユーザの上長を監査者として決定することになる。また、これに限らず、電子メールセキュリティ担当者などを監査者としても良い。
【0094】
そして、ステップS802で決定された監査者に対して保留となっている電子メールが存在する旨の通知を行う(ステップS803)。この通知は例えば、電子メール等を用いて行われることになる。以上が
図6のステップS616のメール保留処理の説明である。
【0095】
図6の説明に戻る。電子メールに対して実行するアクション(処理)が「削除」である場合には(ステップS617でYES)、CPU201は、メール削除処理を行う(ステップS618)。この処理の詳細については、
図9を参照して後述することにする。
【0096】
電子メールに対して実行するアクション(処理)が「中継」である場合には(ステップS617でNO)、CPU201は、電子メールの中継処理を行う(ステップS619)。この処理の詳細については、
図10を参照して後述することにする。以上が、
図5のステップS502のフィルタリング・遅延送信判定処理の説明である。
【0097】
次に、
図11を参照して、
図5のステップS504の保留メール制御処理の詳細について説明する。尚、ステップS1101〜ステップS1112に示す処理は、電子メール制御サーバ101のCPU201によって行われる処理である。また、ステップS1121〜1134に示す処理は、クライアント装置105のCPUによって行われる処理である。
【0098】
まず、電子メール制御サーバ101のCPU201は、クライアント装置105から保留メールの監査要求を受信すると(
図5のステップS503でYES)、保留メールの監査要求を行ってきた監査者が監査を行う電子メール(監査対象電子メール)を取得する(ステップS1101)。
【0099】
そして、ステップS1101で取得した電子メールの一覧情報を含む画面情報を作成し(ステップS1102)、作成した画面情報を保留メールの監査要求を行ったクライアント装置105に対して送信する(ステップS1103)。
【0100】
クライアント装置105のCPUは、電子メール制御サーバ101から画面情報を受信すると(ステップS1121)、受信した画面情報に基づいて、ディスプレイ装置に保留電子メール操作画面を表示する(ステップS1122)。ここで表示される保留電子メール操作画面は
図16に示すようなものである。
【0101】
ここで、
図16を参照して、保留電子メール操作画面の一例について説明する。保留電子メール操作画面1600には、保留メール一覧表示部1601、保留メール選択チェックボックス1602、詳細アンカー1603、中継するボタン1604、削除するボタン1605、終了ボタン1606等が設定されている。
【0102】
保留電子メール一覧表示部1601は、当該監査者の監査対象となる保留電子メールの一覧を表示するための表示部である。ここには、保留電子メールに関する情報として、保留電子メールの送信日時1601−1、送信者1601−2、宛先(TO)1601−3、宛先(CC)1601−4、宛先(BCC)1601−5、件名1601−6、添付ファイルの有無1601−7等の情報が表示されることになる。尚、表示項目はこれらに限られない。
【0103】
チェックボックス1602は保留電子メールの選択/非選択の切り替えを行うためのコントロールであり、このチェックボックスにチェックが入れられている、すなわち選択状態の保留電子メールが、中継するボタン1604や削除するボタン1605に対する押下指示を受け付けた際の処理対象の保留電子メールとなる。
【0104】
詳細アンカー1603は、一覧表示されている保留電子メールの詳細情報を要求するために用いられる。この詳細アンカー1603に対するクリック指示を受け付けると、クライアント装置105のCPUは、電子メール制御サーバ101に対して電子メールの詳細情報要求を行うことになる。
【0105】
中継するボタン1604は、選択状態の保留電子メールに対する中継指示を、削除するボタン1605は、選択状態の保留電子メールに対する削除指示を電子メール制御サーバ101に対して行うためのコントロールである。また、終了ボタン1606は、本画面を用いた処理を終了するために用いられるコントロールである。以上が、保留電子メール操作画面1600の構成の一例の説明である。
【0106】
図11の説明に戻る。クライアント装置105のCPUは、ステップS1122において、電子メール制御サーバ101より受信した画面情報に基づき保留電子メール操作画面1600を表示した後、保留電子メールに対する削除指示を受け付けると、すなわち、
図16の保留電子メール操作画面1600で、チェックボックス1602にチェックが入れられている状態で削除するボタン1605の押下指示を受け付けると(ステップS1123でYES)、削除指示を行う保留電子メールを特定する特定情報を取得する(ステップS1124)。その後、特定情報を含む保留電子メールの削除指示を電子メール制御サーバ101に対して送信する(ステップS1125)。
【0107】
電子メール制御サーバ101のCPU201は、クライアント装置105から保留電子メールの特定情報を含む保留電子メールの削除指示を受け付けると(ステップS1104)、削除指示を受け付けた全ての保留電子メールに対して、
図9に示すメール削除処理を行う(ステップS1105、ステップS1106)。その後、処理をステップS1101に移行させ、削除指示を受け付けた保留メールを削除後の当該監査者の監査対象の保留電子メールの一覧を表示するための画面情報を作成し、その画面情報をクライアント装置105に送信することになる。ステップS1106のメール削除処理の詳細については、
図9を参照して後述することにする。
【0108】
クライアント装置105のCPUは、保留電子メールに対する中継指示を受け付けると、すなわち、
図16の保留電子メール操作画面1600で、チェックボックス1602にチェックが入れられている状態で中継するボタン1604の押下指示を受け付けると(ステップS1126でYES)、中継指示を行う保留電子メールを特定する特定情報を取得する(ステップS1127)。その後、特定情報を含む保留電子メールの中継指示を電子メール制御サーバ101に対して送信する(ステップS1128)。
【0109】
電子メール制御サーバ101のCPU201は、クライアント装置105から電子メールの特定情報を含む保留電子メールの中継指示を受け付けると(ステップS1107)、中継指示を受け付けた全ての保留電子メールに対して、
図13に示す保留メール中継処理を行う(ステップS1108、ステップS1109)。その後、処理をステップS1101に移行させ、中継指示を受け付けた保留メールを中継(送信)後の当該監査者の監査対象の保留電子メールの一覧を表示するための画面情報を作成し、その画面情報をクライアント装置105に送信することになる。
【0110】
ここで、
図13を参照して、
図11のステップS1109の保留メール中継処理の詳細について説明する。
【0111】
電子メール制御サーバ101のCPU201は、中継指示を受け付けた保留電子メールの配信制御ファイルを取得する(ステップS1301)。そして、配信制御ファイル中のアクション情報(DELAY_RULE、FILTERING_RULE)を取得する(ステップS1302)。そして、取得したアクション情報を用いてフィルタリングアクション判定処理によるアクション(処理)が優先して行われたかを判定する(ステップS1303)。
【0112】
ステップS1303の判定処理で、フィルタリングアクション判定処理で決定されたアクションを優先的に行った(YES)と判定した場合には、処理をステップS1304に進め、アクション情報のDELAY_RULEに設定されている遅延送信アクション判定処理のアクションが「遅延」であるかそれとも「中継」であるかを判定する。
【0113】
ステップ1304で遅延送信アクション判定処理のアクションが「遅延」であると判定した場合には、処理をステップS1305に進め、メール遅延送信処理を行う。このメール遅延送信処理は、既に
図7を参照して説明しているので、ここでの説明は割愛する。
【0114】
ステップS1303の判定処理でNO、またはステップS1304の判定処理で中継と判定した場合には、処理をステップS1306に進め、中継指示を受け付けた電子メールに対してメール中継処理を行う。このメール中継処理の詳細については、
図10を参照して後述することにする。
【0115】
ステップS1305の遅延送信処理またはステップS1306のメール中継処理終了後、CPU201は、処理をステップS1307に進め、遅延キューに保存されている当該電子メールのデータを削除する。以上が、
図11のステップS1109の保留メール中継処理の詳細である。
【0116】
図11の説明に戻る。クライアント装置105のCPUは、保留電子メールの詳細情報要求指示を受け付けると、すなわち、
図16の保留電子メール操作画面1600で、いずれかの詳細アンカー1603に対するクリック指示を受け付けると(ステップS1129でYES)、詳細情報を要求する保留電子メールを特定する特定情報を取得する(ステップS1130)。その後、特定情報を含む保留電子メールの詳細情報要求を電子メール制御サーバ101に対して送信する(ステップS1131)。
【0117】
電子メール制御サーバ101のCPU201は、クライアント装置105から保留電子メールの特定情報を含む詳細情報要求を受信すると(ステップS1110)、当該特定情報が示す保留電子メールデータを取得し(ステップS1111)、その保留電子メールデータを用いて、当該保留電子メールの内容を確認するための画面を表示するための画面情報を作成し、詳細情報要求を行ったクライアント装置105に対して送信する(ステップS1112)。
【0118】
クライアント装置105のCPUは、電子メール制御サーバ101より送信された画面情報を受信すると(ステップS1132)、受信した画面情報に基づいて、ディスプレイ装置に保留電子メール詳細表示画面を表示する(ステップS1133)。ここで表示される保留電子メール詳細表示画面は、
図17に示すようなものである。保留電子メール詳細表示画面を表示後、処理をステップS1123に進める。
【0119】
そして、上記した処理をクライアント装置105のCPUが終了指示を受け付けた、すなわち、
図16の保留電子メール操作画面1600の終了ボタン1606に対する押下指示を受け付けたと判定するまで(ステップS1134でYES)繰り返し行うことになる。以上が、
図5のステップS504の保留メール制御処理の詳細な説明である。
【0120】
ここで、
図17を参照して、保留電子メール詳細表示画面の構成の一例について説明する。保留電子メール詳細表示画面1700には、FROM表示部1701、TO表示部1702、CC表示部1703、BCC表示部1704、件名表示部1705、本文表示部1706、添付ファイル表示部1707、中継ボタン1708、削除ボタン1709、キャンセルボタン1710等が設定されている。
【0121】
FROM表示部1701は、表示されている保留電子メールの送信者の電子メールアドレスを表示する表示部である。TO表示部1702は、保留電子メールの宛先(TO)に設定された電子メールアドレスを表示する表示部である。CC表示部1703は、保留電子メールの宛先(CC)に設定された電子メールアドレスを表示する表示部である。BCC表示部1704は、で保留電子メールの宛先(BCC)に設定された電子メールアドレスを表示する表示部である。
【0122】
件名表示部1705は、保留電子メールの件名を表示する表示部である。本文表示部1706は、保留電子メールの本文を表示する表示部である。添付ファイル表示部1707は、保留電子メールに添付された添付ファイルの名称を表示する表示部である。ここに表示されている添付ファイル名称に対してクリック指示を受け付けると、そのファイルの内容が表示されることになる。
【0123】
中継ボタン1708は、この画面に表示されている保留電子メールに対して中継指示を入力するために用いられるボタンである。削除ボタン1709は、この画面に表示されている保留電子メールに対して削除指示を入力するために用いられるボタンである。キャンセルボタン1710は、本画面の表示を終了するために用いられるボタンである。以上が保留電子メール詳細表示画面1700の構成の一例の説明である。
【0124】
本発明では、電子メールの監査者はこの保留電子メール詳細表示画面1700を表示することで、中継が保留された電子メールの詳細を確認し、その保留電子メールに対して中継や削除の指示を行うことができる。これにより、監査者は保留電子メールの適切な中継制御指示を行うことが可能である。
【0125】
次に、
図12を参照して、
図5のステップS506の遅延送信メール制御処理の詳細について説明する。尚、ステップS1201〜ステップS1212に示す処理は、電子メール制御サーバ101のCPU201によって行われる処理である。また、ステップS1221〜1233に示す処理は、クライアント装置105のCPUによって行われる処理である。
【0126】
まず、電子メール制御サーバ101のCPU201は、クライアント装置105から遅延送信メールの確認要求を受信すると(
図5のステップS505でYES)、遅延送信の確認要求を行ったユーザ(送信者)の確認対象となる遅延送信電子メール(確認対象メール)を取得する(ステップS1201)。
【0127】
そして、ステップS1201で取得した電子メールの一覧情報を含む画面情報を作成し(ステップS1202)、作成した画面情報を遅延送信メールの確認要求を行ったクライアント装置105に対して送信する(ステップS1203)。
【0128】
クライアント装置105のCPUは、電子メール制御サーバ101から画面情報を受信すると(ステップS1221)、受信した画面情報に基づいて、ディスプレイ装置に遅延送信電子メール操作画面を表示する(ステップS1222)。この遅延送信電子メール操作画面は、既に説明した保留電子メール操作画面1600の構成と略同様あるので、詳細な説明は割愛する。
【0129】
クライアント装置105のCPUは、不図示の遅延送信操作画面を介して遅延送信電子メールに対する削除指示を受け付けると(ステップS1223でYES)、削除指示する遅延送信電子メールを特定する特定情報を取得する(ステップS1224)。その後、特定情報を含む遅延送信電子メールの削除指示を電子メール制御サーバ101に対して送信する。
【0130】
電子メール制御サーバ101のCPU201は、クライアント装置105から電子メール特定情報を含む遅延送信電子メールの削除指示を受け付けると(ステップS1204)、削除指示を受け付けた全ての遅延送信電子メールに対して、
図9に示すメール削除処理を行う(ステップS1205、ステップS1206)。ステップS1206のメール削除処理の詳細については、
図9を参照して後述することにする。
【0131】
クライアント装置105のCPUは、遅延送信電子メールに対する中継指示を受け付けると(ステップS1226でYES)、中継指示を行う遅延送信電子メールを特定する特定情報を取得する(ステップS1227)。その後、特定情報を含む遅延送信電子メールの中継指示を電子メール制御サーバ101に対して送信する(ステップS1228)。
【0132】
電子メール制御サーバ101のCPU201は、クライアント装置105から電子メールの特定情報を含む遅延送信電子メールの中継指示を受け付けると(ステップS1207)、中継指示を受け付けた全ての遅延送信電子メールに対して、
図14に示す遅延送信メール中継処理を行う(ステップS1208、ステップS1209)。その後、処理をステップ1201に移行させ、中継指示を受け付けた遅延送信メールを中継(送信)後の当該ユーザ(送信者)の確認対象の遅延送信電子メールの一覧を表示するための画面情報を作成し、その画面情報をクライアント装置105に送信することになる。
【0133】
ここで、
図14を参照して、
図12のステップS1209の遅延送信メール中継処理の詳細について説明する。
【0134】
電子メール制御サーバ101のCPU201は、中継指示を受け付けた遅延送信電子メールの配信制御ファイルを取得する(ステップS1401)。そして、配信制御ファイル中のアクション情報(DELAY_RULE、FILTERING_RULE)を取得する(ステップS1402)。そして、取得したアクション情報を用いて遅延送信アクション判定処理によるアクション(処理)が優先して行われたかを判定する(ステップS1403)。
【0135】
ステップS1403の判定処理で、遅延送信アクション判定処理で決定されたアクションを優先的に行った(YES)と判定した場合には、処理をステップS1404に進め、アクション情報のFILTERING_RULEに設定されているフィルタリングアクション判定処理によるアクションが「中継」、「保留」、「削除」のいずれであるかを判定する。
【0136】
ステップS1404の判定処理で、フィルタリングアクション判定処理のアクションが「削除」であると判定した場合には、処理をステップS1405に進め、メール削除処理を行う。この処理の詳細については
図9を参照して後述することにする。
【0137】
ステップS1404の判定処理で、フィルタリングアクション判定処理のアクションが「保留」であると判定した場合には、CPU201は、処理をステップS1406に進め、メール保留処理を行う。この処理の詳細については、既に
図7を参照して説明しているので、ここでの詳細な説明は割愛する。ステップS1406のメール保留処理終了後、遅延送信キューから当該電子メールを削除する(ステップS1407)。
【0138】
ステップS1404の判定処理で、フィルタリングアクション判定処理のアクションが「中継」であると判定した場合には、CPU201は処理をステップS1408に進め、メール中継処理を行う。この処理の詳細については、
図10を参照して後述する。以上が
図12のステップS1209の遅延送信メール中継処理の詳細な説明である。
【0139】
図12の説明に戻る。クライアント装置105のCPUは、不図示の遅延送信操作画面を介して、遅延送信電子メールの詳細情報要求指示を受け付けると(ステップS1229でYES)、詳細情報を要求する遅延送信電子メールを特定する特定情報を取得する(ステップS1230)。その後、特定情報を含む遅延送信電子メールの詳細情報要求を電子メール制御サーバ101に対して送信する(ステップS1231)。
【0140】
電子メール制御サーバ101のCPU201は、クライアント装置105から遅延送信メールの特定情報を含む詳細情報要求を受信すると(ステップS1210)、当該特定情報が示す遅延送信電子メールを取得し(ステップS1211)、その遅延送信電子メールデータを用いて、当該遅延送信電子メールの内容を確認するための画面である不図示の遅延送信メール詳細表示画面を表示させるための画面情報を作成し、詳細情報要求を行ったクライアント装置105に対して送信する(ステップS1212)。
【0141】
クライアント装置105のCPUは、電子メール制御サーバ101より送信された画面情報を受信すると(ステップS1232)、受信した画面情報に基づいて、ディスプレイ装置に不図示の遅延送信メール詳細表示画面を表示する。この遅延送信メール詳細表示画面の構成は既に説明している保留電子メール詳細画面と略同様であるため、詳細な説明は割愛する。その後、処理をステップS1223に進める。
【0142】
保留電子メールと同様に、本発明では、電子メールの送信者はこの遅延送信電子メール詳細表示画面で、遅延送信とされた電子メールの詳細を確認し、その遅延送信電子メールに対して中継や削除の指示を行うことができる。これにより、遅延送信電子メールの適切な中継制御を行うことが可能である。
【0143】
そして、上記した処理をクライアント装置105のCPUが終了指示を受け付けたと判定するまで(ステップS1233でYES)繰り返し行うことになる。以上が
図5のステップS506の遅延送信電子メール制御処理の詳細な説明である。
【0144】
次に、
図15を参照して、
図5のステップS508の遅延送信メール自動送信処理の詳細について説明する。この処理は電子メール制御サーバ101のCPU201によって行われる処理である。
【0145】
まず、CPU201は、遅延送信キューに保存されているすべての電子メールデータを取得する(ステップS1501)。そして、ステップS1501で取得したそれぞれの電子メールに対して、ステップS1503〜S1505の処理を実行する。
【0146】
まず、ステップS1503では、ステップS1501で取得したうちの1つの電子メールの配信制御ファイルを取得する。そして、配信制御ファイルのTIME_STAMPに設定されている送信指示時間と、DELAY_RULEに設定されている遅延送信時間(
図22の場合は1800秒)を取得する。
【0147】
その後、現在時刻と取得し、送信指示時間から遅延送信時間が経過したかを判定する(ステップS1504)。経過した(YES)と判定した場合には、当該遅延送信電子メールに対して、遅延送信メール中継処理を実行する。この処理の詳細については、
図14を参照して説明する。以上が、
図5のステップS508の遅延送信メール自動送信処理の詳細な説明である。
【0148】
次に、
図9を参照して
図6のステップS618、
図11のステップS1106、
図12のステップS1206、
図14のステップS1405のメール削除処理の詳細について説明する。この処理は、電子メール制御サーバ101のCPU201によって行われる処理である。
【0149】
電子メール制御サーバ101のCPU201は、まず、電子メールデータの削除処理が、監査者やメール送信者からの削除指示に基づいて行われるものであるか、それともフィルタリングアクション判定処理により決定されたものであるかを判定する(ステップS901)。具体的には、
図11のステップS1106の処理や
図12のステップS1206の処理として本処理を実行する場合、すなわち、送信者や監査者より電子メールの削除指示を受け付け、本処理を実行する場合には、CPU201はこの判定処理でYES判定する。
【0150】
一方、
図6のステップS618の処理、
図14のステップS1405の処理として本処理を実行する場合、すなわち、フィルタリングアクション判定処理によりアクションが「削除」と決定された場合には、CPU201はこの判定処理でNOと判定する。
【0151】
ステップS901の判定処理でNOと判定した場合には、CPU201は処理をステップS902に進め、削除対象である電子メールを削除し、その後処理をステップS906に進め、当該電子メールデータの配信制御ファイルを削除する。ステップS902、ステップS906の処理順を変更しても、また、これら処理を同時に行っても構わない。
【0152】
一方、ステップS901の判定処理でYESと判定した場合には、CPU201は処理をステップS903に進め、保留キューに当該電子メールデータが保存されているかを判定する。ステップS903でYESと判定した場合には、保留キューに保存されている当該電子メールを削除する(ステップS904)。その後処理をステップS906に進め、当該電子メールデータの配信制御ファイルを削除する。ステップS904、ステップS906の処理順を変更しても、また、これら処理を同時に行っても構わない。
【0153】
ステップS903でNOと判定した場合には、処理をステップS905に進め、遅延キューに保存されている当該電子メールを削除する。その後処理をステップS906に進め、当該電子メールデータの配信制御ファイルを削除する。ステップS905、ステップS906の処理順を変更しても、また、これら処理を同時に行っても構わない。
【0154】
ステップS907では、当該電子メールが削除された旨を示す操作ログを記憶し、本処理を終了する。以上が、電子メール削除処理の詳細な説明である。
【0155】
次に、
図10を参照して、
図6のステップS619、
図13のステップS1306、
図14のステップS1408のメール中継処理の詳細について説明する。この処理は、電子メール制御サーバ101のCPU201によって行われる処理である。
【0156】
まず、CPU201は、中継を行う電子メールを取得する(ステップS1001)。尚、保留電子メールを中継する際には保留キューから、遅延送信メールを中継する際には遅延送信キューから電子メールを取得することになる。その場合、保留キューや遅延送信キューからは当該電子メールを削除する。また、直ちに中継する場合には、RAM202に一時保存した電子メールを取得することになる。
【0157】
そして、ステップS1001で取得した電子メールをそのまま宛先に送付するか、それとも暗号化処理を実施後宛先に送付するかを、電子メールを暗号化ルールと照合することで決定する。この処理は、
図6でフィルタリングアクション判定処理や、遅延送信アクション判定処理を行うタイミングで行っても構わない(後述する
図23では、フィルタリングアクション判定処理等と同じタイミングで暗号化処理判定を行う例について説明することにする)。
【0158】
ここで、
図20を参照して、暗号化ルールのデータ構成の一例について説明する。
図20に示すように、暗号化ルール2000は、ID2001、ルール名2002、条件2003、アクション2004等のデータ項目を備えて構成されている。
【0159】
ID2001は、個々の暗号化ルールを一意に識別するための識別情報が登録されるデータ項目である。以降、個々の暗号化ルールを個別暗号化ルールという。ルール名1802は、当該レコードの個別暗号化ルールのルール名称が登録されるデータ項目である。
【0160】
条件2003は、当該レコードで示される個別暗号化ルールのアクション2004に示す処理を電子メールの条件が登録されるデータ項目である。条件2003として、送信元条件2003−1、宛先条件2003−2、添付ファイル条件2003−3、キーワード条件2003−4などのデータ項目が設定されている。
【0161】
送信元条件2003−1は、電子メールの送信元に関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、データ送信元となる電子メールアドレス、その電子メールアドレスを使用するユーザが所属するグループ等を条件として登録することが可能である。上記以外でも送信元に関する条件であれば登録可能であることは言うまでもない。
【0162】
宛先条件2003−2は、電子メールの宛先に関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、電子メールの宛先となる電子メールアドレス、宛先となる電子メールアドレスのドメインや、宛先として指定された電子メールアドレスの数、そのドメイン数、などを条件として登録することが可能である。上記以外でも宛先に関する条件であれば登録可能であることは言うまでもない。
【0163】
添付ファイル条件2003−3は、電子メールの添付ファイルに関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、電子メールへの添付ファイルの有無、添付ファイルのサイズやファイル形式などを条件として登録することが可能である。
【0164】
キーワード条件2003−4は、電子メールの件名や、本文、添付ファイルに含まれるキーワードに関する条件を登録するためのデータ項目である。例えば、「電子メールの本文に『機密、極秘、社外秘』のうちいずれか1つが含まれる」などといった条件を登録することが可能である。
【0165】
アクション2004は、条件2003に登録されている各種の条件に合致した電子メールに対して実行する処理を登録するためのデータ項目である。このデータ項目には、暗号化の方法が登録されている。また、このデータ項目にアクション登録されていない場合には、暗号化処理を行わずそのまま電子メールを中継することになる。以上が、
図20の暗号化ルールの説明である。
【0166】
図10の説明に戻る。CPU201は、ステップS1002で中継を行う電子メールに未適用の個別暗号化ルールがまだあるかを判定する。この判定処理でYESと判定した場合には、CPU201は優先順に従って未適用の個別暗号化ルールのうちの1つを取得する(ステップS1003)。優先度は、例えばID2001が小さい順などである。
【0167】
そして、ステップS1003で取得した個別暗号化ルールの条件に、中継処理を行う電子メールが合致するかを判定し(ステップS1004)、条件に合致する(YES)と判定した場合、処理をステップS1005に進める。一方、ステップS1004の判定処理でNOと判定した場合にはステップS1002に処理を戻す。その後、ステップS1002の判定処理でNOと判定した場合には、処理をステップS1007に進める。
【0168】
ステップS1005では、CPU201は、ステップS1004で電子メールが設定されている条件に合致したと判定した個別暗号化ルールのアクション2004に暗号化処理に関する処理が登録されているか否かにより、電子メールに対して暗号化処理を実行するかを判定する。
【0169】
CPU201が、ステップS1005で暗号化処理を実行する(YES)と判定した場合には、処理をステップS1006に進め、当該電子メールに適用する個別暗号化ルールのアクション2004に設定されたアクションを実行することにより、電子メールに対する暗号化処理を行う。
【0170】
ステップS1005でNOと判定した場合には、ステップS1006の暗号化処理を実行することなく処理をステップ1007に進める。
【0171】
ステップS1007では、CPU201は、操作ログを記録する。そして、操作ログ記録後、電子メールを宛先に対して送信する(ステップS1008)。以上が、メール中継処理の詳細な説明である。
【0172】
最後に、本発明を用いた、好適なメールの中継制御について説明する。以下の説明では、優先アクション決定ルールが
図21に示すような場合を最適な電子メールの中継制御とし、その優先アクション決定ルールを用いて電子メールの中継制御処理を行った場合の、1通の電子メールの中継制御の流れについて説明する。
【0173】
ここで、フィルタリングアクション判定処理によるアクションと、遅延送信アクション判定処理によるアクションのいずれを優先するかを
図21に示す優先アクション決定ルールによって決定することが最適な電子メールの中継制御処理である理由について説明する。
【0174】
フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションと、遅延送信アクション判定処理により決定されたアクションとがともに「中継」である場合には、どちらを優先させても処理自体は変わらないが、便宜上、フィルタリングアクション判定処理を優先させ、電子メールの中継処理を行わせるようにしている。
【0175】
フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションが「中継」であり、遅延送信アクション判定処理により決定されたアクションが「遅延送信」である場合には、中継を行う前に電子メールの遅延送信処理を行い送信者による確認を行わせる必要があるので、遅延送信アクション判定処理で決定されたアクションを優先させ「遅延送信」を先に行う。
【0176】
フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションが「保留」であり、遅延送信アクション判定処理により決定されたアクションが「中継」である場合には、中継を行う前に電子メールの保留処理を行い監査者による監査を行わせる必要があるので、フィルタリングアクション判定処理で決定されたアクションを優先させ「保留」を先に行う。
【0177】
フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションが「保留」であり、遅延送信アクション判定処理により決定されたアクションが「遅延送信」である場合には、中継を行う前に送信者による確認と、監査者による監査の行わせる必要があるが、先に監査者による監査を行わせると、送信者はいつになったら監査者による監査が終了するかわからず、確認をいつになったらできるのかが把握できない。なので、送信者による確認を先に行わせ、その確認処理の結果、電子メールを中継する指示を受け付けてから監査者に監査を行う必要がある旨の通知を行い、監査者に監査を行わせることが好ましい。なので、遅延送信アクション判定処理によるアクションを優先し、「遅延送信」を先に行わせる。
【0178】
フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションが「削除」であり、遅延送信アクション判定処理により決定されたアクションが「中継」である場合には、当該電子メールは中継をさせず削除させるべきなので、フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションを優先し、「削除」を先に行わせる。
【0179】
フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションが「削除」であり、遅延送信アクション判定処理により決定されたアクションが「中継」である場合には、当該電子メールは中継をさせず削除させるべきなので、フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションを優先し、「削除」を先に行わせる。
【0180】
フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションが「削除」であり、遅延送信アクション判定処理により決定されたアクションが「遅延送信」である場合には、先に「遅延送信」を行っても、結局はその後当該電子メールは削除されることになるので、フィルタリングアクション判定処理により決定されたアクションを優先し、「削除」を先に行わせる。
【0181】
以下、
図21に示す優先アクション決定ルールを用いて優先アクションを決定した場合の電子メールの中継制御処理の例について説明する。
【0182】
まず、電子メール制御サーバ101のCPU201は、受信したメールをRAM202等に保存する(ステップS2301)。その後、フィルタリングルールを用いたフィルタリングアクション判定処理(ステップS2302)、遅延送信ルールを用いた遅延送信処理を実行する(ステップS2303)。ステップS2301の処理は、
図6のステップS601の処理に該当する。また、ステップS2302の処理は、
図6のステップS602からステップS605の処理に、ステップS2303の処理は、
図6のステップS606からステップS608の処理に該当する。
【0183】
そして、ステップS2303の処理終了後、暗号化ルールの判定処理を行う(ステップS2304)。この処理は、
図10のステップS1002〜ステップS1004の処理に該当する。尚、この処理は、このタイミングで行っても、メールを中継する直前に行ってもどちらでも構わない。
【0184】
その後、電子メールの配信制御ファイル、ログデータを、外部メモリ211等に保存する(ステップS2305、ステップS2306)。ステップS2305の処理は
図6のステップS611、ステップS2306の処理は
図6のステップS612の処理に該当する。
【0185】
そして、ステップS2302のフィルタリング処理で決定された電子メールに対するアクションが中継、保留、削除のいずれであるかを判定する(ステップS2307)。この処理は
図6のステップS610の処理に該当する。
【0186】
ステップS2307の判定処理で、CPU201が、ステップS2302で決定したアクションが中継または保留であると判定した場合には、ステップS2307に処理を進め、ステップS2303の遅延送信アクション判定処理で決定されたアクションが中継であるか、それとも遅延であるかを判定する。このステップS2307の処理は、
図6のステップS610の処理に該当する。
【0187】
一方、ステップS2307の判定処理で、CPU201が、削除であると判定した場合には、処理をステップS2321に進め、当該電子メールを削除する。このステップS2321の判定処理は、
図6のステップS617の処理に該当する。
【0188】
ステップS2308の判定処理で、CPU201が中継であると判定した場合には、処理をステップS2313に進める。一方、CPU201が遅延であると判定した場合には、処理をステップS2309に進め、当該電子メールを遅延キューに保存する。その後、操作者による制御指示(中継/削除)を受け付ける(ステップS2310)。ステップS2308の処理は
図6のステップS610の処理に該当する。ステップS2309の処理は、
図7のステップS701の処理に該当する。ステップS2310の処理は、
図12のステップS1204またはステップS1207の処理に該当する。
【0189】
その後、送信者から受け付けた電子メールの制御指示を操作ログとして記憶する(ステップS2311)。この処理は
図9のステップS907等の処理に該当する。尚、電子メールに設定された遅延時間が経過し、自動的に中継とされた場合にも、その制御内容(自動中継)を記憶することになる。
【0190】
そして、ステップS2310で受け付けた制御指示が中継であるか、それとも削除であるか、また、操作者からの制御指示の入力がなく遅延時間が経過したか(自動中継)を判定する(ステップS2312)。この処理は、
図15のステップS1504の判定処理に該当する。
【0191】
ステップS2312の判定処理で削除と判定した場合には、処理をステップS2321に進め、削除指示を受け付けた電子メールを削除する。
【0192】
一方、ステップS2312の判定処理で中継または自動中継と判定した場合には、処理をステップS2313に進める。
【0193】
ステップS2313では、CPU201は、ステップS2302で決定されたアクションが中継であるかそれとも保留であるかを判定する。この処理は
図6のステップS610の処理に該当する。この判定処理で、中継であるとCPU201が判定した場合には処理をステップS2318に進める。
【0194】
一方、ステップS2313の判定処理で、CPU201が保留であると判定した場合には、処理をステップS2314に進め、当該電子メールを保留キューに保存する。この処理は
図8のステップS801の処理に該当する。
【0195】
その後、電子メールの監査者(例えば電子メールの送信者の上長)からの保留電子メールに対する制御指示の入力を受け付ける(ステップS2315)。この処理は、
図11のステップS1104またはステップS1107の処理に該当する。
【0196】
その後、監査者から受け付けた電子メールの制御指示を操作ログとして記憶する(ステップS2316)。
【0197】
そして、ステップS2315で受け付けた制御指示が中継であるか、それとも削除であるかを判定する(ステップS2317)。
【0198】
このステップS2317の判定処理で、CPU201が削除であると判定した場合には、処理をステップS2321に進め、当該電子メールデータを削除する。一方、ステップS2317の判定処理で、中継であると判定した場合には、処理をステップS2318に進める。
【0199】
ステップS2318では、中継すると決定された電子メールに対して暗号化ルールを適用した結果(ステップS2304で適用している)、当該電子メールに暗号化処理を実行するか否かを判定する。この処理は
図10のステップS1005の処理に該当する。この処理で暗号化処理を実行すると判定した場合には(ステップS2318でYES)、処理をステップS2319に進め、暗号化ルールに設定された暗号化処理を実行する。この処理は
図10のステップS1006の処理に該当する。
【0200】
その後、ステップS2320に処理を進め、暗号化処理を施された電子メールを指定された宛先に送信する。このステップS2320の処理は
図10のステップS1008の処理に該当する。
【0201】
一方、ステップS2318の判定処理で暗号化処理を行わない(NO)と判定した場合には、暗号化を行わずに電子メールを指定された宛先に送信する(ステップS2320)。
【0202】
以上が、本発明における好適なメールの制御の一例である。
【0203】
尚、
図21に示す優先アクション決定ルール2100を用いず、上記のような処理手順になるようなプログラムを作成しておき、そのプログラムによる制御に従い、
図23のような処理手順になるような電子メール制御処理を行うようにしても勿論構わない。
【0204】
また、本実施例では、フィルタリングアクション判定処理で決定されたアクションと、遅延送信アクション判定処理で決定されたアクションとのどちらを優先させるかを決定する例について説明したが、それ以外にも、フィルタリングアクション判定処理で決定されたアクション、遅延送信アクション判定処理で決定されたアクション、暗号化ルールにより決定されるアクションという3つのアクションの処理順を、それぞれで決定されたアクションの内容に従って決定するようにしても勿論構わない。
【0205】
本発明によれば、条件に従って実行する処理が決定する複数の処理のうち、いずれの処理を優先させるかを好適に設定し、電子メールの中継制御を行う技術を提供することができる。
【0206】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体(または記憶媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0207】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0208】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0209】
本発明を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャー
トに対応するプログラムコードが格納されることになる。