(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5884625
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 23/40 20060101AFI20160301BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20160301BHJP
C23F 4/00 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
H01L23/40
H01L21/302 104C
H01L21/302 105A
C23F4/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-107151(P2012-107151)
(22)【出願日】2012年5月9日
(65)【公開番号】特開2013-235948(P2013-235948A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛
(72)【発明者】
【氏名】三浦 敏徳
(72)【発明者】
【氏名】山田 真一
(72)【発明者】
【氏名】西口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】野寄 剛示
【審査官】
下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第99/012197(WO,A1)
【文献】
実開昭61−199042(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/34 − 23/48
H01L 21/302
H01L 21/461
H01L 21/52
H01L 21/58
H01L 25/00 − 25/16
C23F 1/00 − 4/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子上の電極パッドに圧接する当該パッドよりも硬質の導体を備え、
前記パッドと接合する導体の端面には凹凸部が形成され、この凹凸部における凸部の縁部には縦断面尖塔状の凸部が形成されたこと
を特徴とする半導体デバイス。
【請求項2】
前記凹凸部を有する導体の端面は前記パッド及び導体よりも軟質で電気抵抗の低い導電性材料によって被覆されたこと
を特徴とする請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記被覆の膜厚が前記端面の表面粗さよりも厚いこと
を特徴とする請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記凸部の下端から前記縦断面尖塔状の凸部の頂点までの距離は前記パッドの厚さ以下であること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記縦断面尖塔状の凸部を有する凹凸部はイオンミリングによって形成されること
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスにおける圧接構造、特に半導体素子上の電極パッドと導体との圧接構造に関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な絶縁型パワー半導体モジュールとして、インバータ等の電力変換装置に用いられるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)モジュールがある。また、このIGBTモジュールに代表される「絶縁型パワー半導体モジュール」若しくは「Isolated power semiconductor devices」はそれぞれJEC−2407−2007、IEC60747−15にて規格が制定されている。
【0003】
非特許文献1に開示された一般的な絶縁型パワー半導体モジュールの構造について説明する。
図4(a)に示された絶縁型パワー半導体モジュール60において、
図4(b)に示されたスイッチング素子であるIGBTやダイオード等の半導体素子61はその下面電極層を介してDBC(Direct Bond Copper)基板62の銅回路箔63上にはんだ付けされる。DBC基板62はセラミックス等からなる絶縁板64の両面に銅回路箔63を直接接合したものである。DBC基板62は放熱のための銅ベース65に、はんだ部66を介して接続される。
【0004】
半導体素子61の上面電極層はアルミワイヤー67を超音波でボンディングされ、例えばDBC基板62上のもう一つの銅回路箔63と電気的に接続される。そして、DBC基板62の銅回路箔63から外部へ電気を接続するための銅端子68は銅回路箔63とはんだ付けにより接続されている。さらにこの周りをプラスチックのケース69で囲み、その中を電気絶縁のためのシリコーンゲル等が充填されている。ここで、一般に半導体素子61,DBC基板62間のはんだ接合部はDBC基板62,銅ベース65間のはんだ接合部に対し、融点が高く、2回のリフローにより接合されている。
【0005】
近年、半導体素子の動作温度の高温化が進んでおり、動作温度が175℃〜200℃となっており、汎用的なはんだ材料の融点に近い。このため、代替的な材料として金属系高温はんだ(Bi,Zn,Au)、化合物系高温はんだ(Sn−Cu)、低温焼結金属(Agナノペースト)等が提案されている。また、次世代の半導体素子であるSiCは250〜300℃での動作が報告されている。
【0006】
一方、はんだ接続を採用していない半導体モジュールとして
図5(a)に例示した平型圧接構造パッケージ70が知られている(非特許文献1,2等)。
図5(b)に示したように平型圧接構造パッケージ70内の半導体素子71の上面電極層はコンタクト端子72に接触した状態でMo板73上に備えられている。そして、半導体素子71の端部には半導体素子71及びコンタクト端子72の位置決めをするガイド74が備えられている。
【0007】
平型圧接構造パッケージ70は半導体素子71を両面から冷却できると共にはんだを用いないで電気的、熱的に外部と接続できる。このため、一般的に平型圧接構造パッケージ70の両端をヒートシンクで圧接することで当該パッケージ70の両面を冷却すると共にそのヒートシンクを導電部材として用いている。
【0008】
前記圧接は平型圧接構造パッケージ70の上下のヒートシンク間とで電気的に絶縁する必要があること、当該圧接は板バネで行うがその設計圧接力が平型圧接構造パッケージ70の電極ポストに均等にかかるようにする必要がある。圧接が不良であった場合は半導体素子71の破壊につながる。また、回路を構成するのに、このヒートシンクや圧接のため板バネが小型化の妨げとなるなど使いこなすには熟練を要する。
【0009】
このことから平型圧接構造パッケージ70は限られた装置への適用となり、代わりに使い勝手のよい前記絶縁型パワー半導体モジュールが広く用いられていた。
【0010】
温度サイクル、パワーサイクル等への信頼性を向上するには半導体モジュールを構成する各部材(半導体、金属、セラミックス等)の熱膨張の違いにより生じる課題がある。すなわち、DBC基板‐銅ベース間、DBC基板‐銅端子間において、銅とセラミックスの熱膨張係数の差から間のはんだにせん断応力が働き、はんだに亀裂が生じて熱抵抗が増大し、端子が剥離する虞がある。さらに、半導体素子‐DBC基板間のはんだにも亀裂が生じる場合がある。条件によっては半導体素子上のアルミワイヤーの接続部でも、アルミニウムと半導体素子の熱膨張の差で応力が発生してアルミワイヤーが疲労破断する。
【0011】
近年、年々電力密度が増すこと及び半導体素子内部の接合温度が高くなっていることから、はんだ接合部のせん断応力、アルミワイヤーにかかる応力が大きくなってきている。これに対して熱膨張の影響が半導体モジュールの設計寿命に至るまでの期間の間は顕在化しないようにする必要がある。SiCやGaNのような高温で使用できるワイドバンドキャップ半導体素子の出現によりさらに熱膨張の影響の低減が要求される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】電気学会高性能高機能パワーデバイス・パワーIC調査専門委員会編,「パワーデバイス・パワーICハンドブック」,コロナ社,1996.7,p.289,p.336
【非特許文献2】森 睦宏、関 康和,「大容量IGBTの最近の進歩」,電気学会誌Vol.118,1998,p276
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平5−13409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
高信頼性、環境性、利便性を同時に実現するために、圧接のようにはんだ接合、あるいはワイヤーボンドを用いず、且つ使い勝手の良い絶縁形パワー半導体モジュールの実現が求められている。また、SiC、GaN等の高温で使用可能な半導体素子の性能を活かす半導体モジュールとしても、温度サイクル、パワーサイクル等の信頼性の向上が求められている。
【0015】
しかしながら、圧接構造は半導体チップ上の電極パッドに導体が直接接触しているが、この接触面を介した電流経路には、
図6(a)に示したように、電極パッド81と導体82との界面状態に起因する接触抵抗が存在する。この原因として、
図6(b)に示したように、表面の汚れ、吸着物、表面酸化物等の皮膜、加工に伴う変質層、表面粗さに応じた空隙層83等が挙げられる。これらの接触面では圧接力によって接触部分が摺動、皮膜の一部が破れ、押し付けられることによって抵抗の低い部材が接触すると導通状態となるが、電極の材質本来の抵抗率と比べると著しく大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そこで、請求項1の半導体デバイスは、半導体素子上の電極パッドに圧接する当該パッドよりも硬質の導体を備え、前記パッドと接合する導体の端面には凹凸部が形成され、この凹凸部における凸部の縁部には縦断面尖塔状の凸部が形成されたことを特徴とする。本発明によれば、電極パッドと導体との接合面積が拡大し、当該パッドと導体との接触抵抗が低減する。特に、電極パッドへの導体の圧接時に、より小さな圧接力で当該パッドと導体との接触抵抗を低減できる。また、圧接力のばらつきに対して電極パッドと導体との間の抵抗分布を抑制し易くなる。
【0017】
請求項2の半導体デバイスは、請求項1の半導体デバイスにおいて、前記凹凸部を有する導体の端面は前記パッド及び導体よりも軟質で電気抵抗の低い導電性材料によって被覆されたことを特徴とする。本発明によれば電極パッドと導体との接触抵抗がさらに低減する。
【0018】
請求項3の半導体デバイスは、請求項2の半導体デバイスにおいて、前記被覆の膜厚が前記端面の表面粗さよりも厚いことを特徴とする。本発明によれば電極パッドと当接する導体の端面の表面粗さに起因する微細な凹凸間の空隙が導電性材料によって充足されるので当該パッドと導体との接触抵抗がさらに一層低減する。
【0019】
請求項4の半導体デバイスは、請求項1から3のいずれかの半導体デバイスにおいて、前記凸部の下端から前記縦断面尖塔状の凸部の頂点までの距離は前記パッドの厚さ以下であることを特徴とする。本発明によれば電極パッドと導体とが接合した際に当該導体の凹凸部が当該パッドの厚さの範囲内に納まる。
【0020】
請求項5の半導体デバイスは、請求項1から4のいずれかの半導体デバイスにおいて、前記縦断面尖塔状の凸部を有する凹凸部はイオンミリングによって形成されることを特徴とする。本発明によれば凹凸部における凸部の縁部に縦断面尖塔状の凸部を効率的に形成できる。
【発明の効果】
【0021】
したがって、以上の発明によれば圧接型の半導体デバイスにおける電極パッドと導体との接触抵抗を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態の導体と電極パッドとの接合状態を示した縦断面図。
【
図2】(a)は本発明の実施形態における半導体デバイスの縦断面図,(b)は同デバイスの斜視図。
【
図3】凸部の縁部に縦断面尖塔状の凸部を形成させる工程(a)〜(d)の説明図。
【
図4】(a)ははんだ接続型半導体モジュールの斜視図,(b)は同モジュールにおける半導体素子上の電極パッド周辺の縦断面図。
【
図5】(a)は圧接型半導体モジュールの斜視図,(b)は同モジュールの縦断面図。
【
図6】(a)は従来の導体と電極パッドとの接触状態を説明した縦断面図,(b)は同状態の拡大縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態の半導体デバイスについて説明する。尚、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく特許請求の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0024】
図1に示された本実施形態の半導体デバイス1は半導体素子2上の電極パッド3に圧接する当該パッド3よりも硬質の導体4を備える。電極パッド3と接合する導体4の端面には凸部51,凹部52から成る凹凸部5が複数形成されている。また、凸部51の縁部には縦断面尖塔状の凸部53が形成されている。
【0025】
導体4の態様としては
図2(a)に例示された圧接型の半導体モジュール20に具備された導体41〜43が挙げられる。導体41〜43は半導体素子2上の電極パッド21〜23をそれぞれ引出電極24〜26と導通させるための導体である。特に、導体43は、半導体素子2上にてゲートパッドとして機能している電極パッド23に接続される導体であって、針状に形成されている。
【0026】
パワー半導体チップにおいては、電極パッド3の材質として数%のSiを含有するAl合金が数ミクロン〜十ミクロン程度の厚さに製膜加工して用いられている。これに対して圧接型のパワー半導体チップにおいて、コンタクト電極として適用される導体4には温度変化時の半導体チップとの熱膨張差による界面応力発生を低減させ、圧接力を完全に半導体チップに伝えるために、Mo合金やW合金等の低熱膨張、高硬度金属を主成分とするもの用いられている。その他には大電流を流さないゲート電極等には前記低熱膨張、高硬度金属を主成分とする先端径1mm以下の針状の導体4が適用されている。
【0027】
以上の半導体素子2,導体41〜43,引出電極24〜26から成る積層体は
図2(b)に示したようにセラミックケース27に収納される。そして、引出電極24,26には絶縁部材28aを介して冷却部材29aが、引出電極25には絶縁部材28bを介して冷却部材29bが配置される。
【0028】
凸部53を有する凹凸部5はイオンミリング法によって導体4の端面に形成される。具体的には、電極パッド3を構成する材料(例えばAl合金)よりも硬質の材料(例えばMo合金,W合金等)から成る導体4の端面に、この導体4の材料から成る凹凸部5がイオンミリング法によって形成される。この方法には例えば特許文献1(段落[0003])に開示されたイオンミリング法が適用される。イオンミリング法はAr等の不活性ガスのプラズマを被加工物に物理的に衝突させて対象物を除去する方法である。尚、凸部51の下端から縦断面尖塔状の凸部53の頂点までの距離H1は電極パッド3の厚さH2以下に設定すると、導体4と電極パッド3とが接合した際に導体4の凹凸部5を電極パッド3の厚さH2の範囲内に納めることができる。
【0029】
図3を参照しながらイオンミリング法の具体的な工程(a)〜(d)について説明する。
【0030】
工程(a):電極パッド3を構成する材料(例えばAl合金)よりも硬質の材料(例えばMo合金,W合金等)から成る導体4の端面上に当該導体4と同じ材料から成る金属層501が形成される。尚、導体4の端面は平坦であり、予め、表面粗さRaが例えば0.5μm以下に加工される。
【0031】
工程(b):前記形成された金属層501上に感光性樹脂から成るレジスト層502が直接形成され、このレジスト層502がパターンニングされる。具体的には、感光性樹脂が電極パッド3の厚さ以下に塗布され、既知のフォトリソグラフィ技術により、導体4の端面の形状(例えば円形)に応じて例えば直径数ミクロン〜数十ミクロンの円形パターンのレジスト層502が均等に配置される。
【0032】
工程(c):前記パターンニングされたレジスト層502をマスクとしたイオンミリング法によるエッチングにより金属層501がパターンニングされる。この工程で金属層501から飛散した当該層501の成分はレジスト層502の側壁に衝突して付着する。
【0033】
工程(d):そして、有機溶剤を用いたウェットエッチングまたはオゾンガスを用いたドライエッチングによりレジスト層502が除去されることで、パターンニングされた金属層501が導体4の端面上に形成される。この金属層501の縁部には工程(c)で飛散した同層501の成分から成る縦断面尖塔状のバリ層503が残留した状態となっている。この金属層501,バリ層503がそれぞれ
図1に示された凹凸部5の凸部51,凸部53となる。
【0034】
上記の工程(a)〜(d)により、縁部にバリ層503を有する複数の金属層501がパターンニングされることで、半導体素子2上の電極パッド3と接合する導体4の端面にて凸部51,53,凹部52から成る複数の凹凸部5が効率的に形成される。
【0035】
また、導体4の端面の表面粗さに起因する空隙をなくすため、工程(d)の後に導体4の端面上を導電性材料にて被膜すると、電極パッド3と導体4との接触抵抗がさらに低減する。例えば、電極パッド3がAl合金から成り、導体4がMo合金またはW合金から成る場合、この電極パッド3,導体4よりも軟質で電気抵抗の低い導電性材料として例えばAg合金が真空蒸着法によって導体4の端面に所定の膜厚(例えば約0.5μm)で被膜される。製膜はメッキ法、スパッタ蒸着法等の他の方法によって行ってもよい。尚、前記被覆の膜厚は電極パッド3と当接する導体4の端面の表面粗さよりも厚くすると、当該端面の表面粗さに起因する微細な凹凸間の空隙が導電性材料により充足され、電極パッド3と導体4との接触抵抗をさらに低減させることができる。
【0036】
工程(a)〜(d)で製造された導体4が半導体素子2上の電極パッド3に圧接すると、
図1に示したように導体4の凹凸部5が電極パッド3の酸化膜や吸着被膜等を突き破りパッド3の内部に食い込む。電極パッド3に圧接する導体4の端面に凹凸部5が形成されたことで、電極パッド3と導体4との接合面積が拡大した状態となる。これにより、導体4は凹凸部5を有しない導体と比べて電極パッド3との接触抵抗が低減したものとなる。
【0037】
特に、凹凸部5における凸部51の縁部には凸部53が形成されることで、電極パッド3と導体4との接合面積がさらに拡大し、電極パッド3と導体4との接触抵抗がさらに低減する。そして、電極パッド3への導体4の圧接時に、より小さな圧接力で電極パッド3と導体4との接触抵抗を低減できる。また、圧接力のばらつきに対して電極パッド3と導体4との間の抵抗分布を抑制し易くなる。
【0038】
さらに、凹凸部5を有する導体4の端面に電極パッド3及び導体4よりも軟質で電気抵抗の低い導電性材料が被覆されることで、電極パッド3と導体4の接触抵抗がさらに低減する。
【0039】
また、前記被覆の膜厚が前記端面の表面粗さよりも厚く設定されることで、電極パッド3と当接する導体4の端面の表面粗さに起因する微細な凹凸間の空隙が導電性材料によって充足され、当該パッド3と導体4との接触抵抗をさらに一層低減させることができる。
【0040】
さらに、凸部51の下端から凸部53の頂点までの距離H1が電極パッド3の厚さ以下に設定されることで、電極パッド3と導体4とが接合した際に導体4の凹凸部5が電極パッド3の厚さの範囲内に納まる。
【0041】
また、凸部53を有する凹凸部5は、イオンミリング法により、凹凸部5における凸部51の縁部に凸部53を効率的に形成できる。
【符号の説明】
【0042】
1…半導体デバイス
2…半導体素子
3…電極パッド
4…導体
5…凹凸部,51,53…凸部,52…凹部