(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5884632
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】送電装置と周波数変更方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/00 20160101AFI20160301BHJP
【FI】
H02J17/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-111202(P2012-111202)
(22)【出願日】2012年5月15日
(65)【公開番号】特開2013-240189(P2013-240189A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2015年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】道家 和隆
(72)【発明者】
【氏名】遠嶋 成文
(72)【発明者】
【氏名】前川 祐司
(72)【発明者】
【氏名】高津 裕二
【審査官】
馬場 慎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−113992(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/046452(WO,A1)
【文献】
特開2012−95456(JP,A)
【文献】
特開2002−272134(JP,A)
【文献】
特開2009−268181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力を受ける給電回路と、給電回路から非接触で電力を受ける受電回路とを備える送電装置であって、
給電回路は、
入力される直流電力を交流電力に変換するインバータと、
変換された交流電力が供給される給電側コンデンサと、
給電側コンデンサに直列に接続された給電側コイルと、を有し、
受電回路は、
給電側コイルから非接触で給電される受電側コイルと、
受電側コイルに直列に接続された受電側コンデンサと、
受電側コンデンサに直列に接続された負荷と、を有し、
給電回路のインバータから出力される交流電力の周波数で、受電回路の負荷に交流電力が供給されるようになっており、
給電側コンデンサの容量と給電側コイルのインダクタンスは可変であり、受電側コンデンサの容量と受電側コイルのインダクタンスは可変であり、
さらに、前記インバータを制御することにより、前記インバータからの交流電力の周波数を変える制御部を備え、
制御部は、前記周波数を変える時に、変更後の周波数で、給電回路が共振するように、給電側コンデンサの容量と給電側コイルのインダクタンスを変え、変更後の周波数で、受電回路が共振するように、受電側コンデンサの容量と受電側コイルのインダクタンスを変える、ことを特徴とする送電装置。
【請求項2】
制御部は、インバータから出力される交流電圧の周波数を、現在の周波数fcからA×fcに変え、
Aは、10以上または1/10以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
【請求項3】
給電回路から受電回路へ非接触で供給する交流電力の周波数を変更する方法であって、
給電回路は、
入力される直流電力を交流電力に変換するインバータと、
変換された交流電力が供給される給電側コンデンサと、
給電側コンデンサに直列に接続された給電側コイルと、を有し、
受電回路は、
給電側コイルから非接触で給電される受電側コイルと、
受電側コイルに直列に接続された受電側コンデンサと、
受電側コンデンサに直列に接続された負荷と、を有し、
給電回路のインバータから出力される交流電力の周波数で、受電回路の負荷に交流電力が供給されるようになっており、
給電側コンデンサの容量と給電側コイルのインダクタンスは可変であり、受電側コンデンサの容量と受電側コイルのインダクタンスは可変であり、
前記周波数を変える時に、変更後の周波数で、給電回路が共振するように、給電側コンデンサの容量と給電側コイルのインダクタンスを変え、変更後の周波数で、受電回路が共振するように、受電側コンデンサの容量と受電側コイルのインダクタンスを変える、ことを特徴とする周波数変更方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電力を受ける給電回路と、給電回路から非接触で電力を受ける受電回路とを備える送電装置に関する。また、本発明は、給電回路から受電回路へ非接触で供給する交流電力の周波数を変更する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
給電回路から受電回路へ非接触で電力を供給して、受電回路の負荷へ交流電力を供給する場合の回路は、
図1に示す構成を有する。
【0003】
給電回路31は、
図1に示すように、インバータ33と給電側コイル35を有する。インバータ33は、直流電力供給部37から直流電力を受けて、交流電力を給電側コイル35に供給する。給電側コイル35は、非接触で、受電回路39の受電側コイル41に電力を供給する。また、給電回路31は、コンデンサ43を有する。
【0004】
受電回路39は、
図1に示すように、受電側コイル41と、整流器45と、インバータ47と、負荷49を有する。受電側コイル41は、給電側コイル35から非接触で電力を受ける。整流器45は、給電側コイル35から受電側コイル41を通して供給された交流電力を直流電力に変換する。インバータ47は、整流器45からの直流電力を、所望の周波数の交流電力に変換する。負荷49は、インバータ47から交流電力を受ける。また、受電回路39は、コンデンサ51を有する。
【0005】
効率よく電力を負荷49へ供給するために、回路のインダクタンスと容量は、次のように、回路が共振するように定められる。給電回路31において、インバータ33より下流側に位置し、給電側コイル35とコンデンサ43を有する給電側回路部が、インバータ33からの交流電力の周波数で共振するように、給電側コイル35のインダクタンスとコンデンサ43の容量が定められている。同様に、受電回路39において、整流器45よりも上流側に位置し、受電側コイル41とコンデンサ51を有する受電側回路部が、インバータ33からの交流電力の周波数で共振するように、受電側コイル41のインダクタンスとコンデンサ51の容量が定められている。
【0006】
一方、負荷49へ供給する交流電力の周波数を、所望の値に維持したり、変えたりするために、受電回路39において、上述の整流器45とインバータ47を設けている。整流器45により、受電側コイル41からの交流電力を、一旦、直流電力に変換し、この直流電力を、インバータ47により、所望の周波数の交流電力に変換し、この交流電力を負荷49に供給している。また、インバータ47を制御することにより、負荷49へ供給する交流電力の周波数を変えている。
【0007】
特許文献1にも、上述と同様の構成が記載されている。すなわち、特許文献1でも、給電回路から受電回路へ非接触で給電し、受電回路において、一旦、直流電力に変換し、この直流電力を、インバータにより、所望の周波数の交流電力に変換し、この交流電力を負荷に供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−096853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、給電回路と受電回路とを共振させつつ、負荷へ供給する交流電力の周波数を、所望の値に維持したり、変えたりするためには、受電回路において、整流器とインバータが必要となっていた。その結果、回路の寸法が大きくなっていた。
【0010】
そこで、本発明の目的は、受電回路において整流器とインバータを設けることなく、給電回路と受電回路とを共振させつつ、負荷へ供給する交流電力の周波数を、所望の値に維持したり、変えたりできるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、本発明によると、直流電力を受ける給電回路と、給電回路から非接触で電力を受ける受電回路とを備える送電装置であって、
給電回路は、
入力される直流電力を交流電力に変換するインバータと、
変換された交流電力が供給される給電側コンデンサと、
給電側コンデンサに直列に接続された給電側コイルと、を有し、
受電回路は、
給電側コイルから非接触で給電される受電側コイルと、
受電側コイルに直列に接続された受電側コンデンサと、
受電側コンデンサに直列に接続された負荷と、を有し、
給電回路のインバータから出力される交流電力の周波数で、受電回路の負荷に交流電力が供給されるようになっており、
給電側コンデンサの容量と給電側コイルのインダクタンスは可変であり、受電側コンデンサの容量と受電側コイルのインダクタンスは可変であり、
さらに、前記インバータを制御することにより、前記インバータからの交流電力の周波数を変える制御部を備え、
制御部は、前記周波数を変える時に、変更後の周波数で、給電回路が共振するように、給電側コンデンサの容量と給電側コイルのインダクタンスを変え、変更後の周波数で、受電回路が共振するように、受電側コンデンサの容量と受電側コイルのインダクタンスを変える、ことを特徴とする送電装置が供給される。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によると、制御部は、インバータから出力される交流電圧の周波数を、現在の周波数fcからA×fcに変え、Aは、10以上または1/10以下である。
【0013】
また、上述の目的を達成するため、本発明によると 給電回路から受電回路へ非接触で供給する交流電力の周波数を変更する方法であって、
給電回路は、
入力される直流電力を交流電力に変換するインバータと、
変換された交流電力が供給される給電側コンデンサと、
給電側コンデンサに直列に接続された給電側コイルと、を有し、
受電回路は、
給電側コイルから非接触で給電される受電側コイルと、
受電側コイルに直列に接続された受電側コンデンサと、
受電側コンデンサに直列に接続された負荷と、を有し、
給電回路のインバータから出力される交流電力の周波数で、受電回路の負荷に交流電力が供給されるようになっており、
給電側コンデンサの容量と給電側コイルのインダクタンスは可変であり、受電側コンデンサの容量と受電側コイルのインダクタンスは可変であり、
前記周波数を変える時に、変更後の周波数で、給電回路が共振するように、給電側コンデンサの容量と給電側コイルのインダクタンスを変え、変更後の周波数で、受電回路が共振するように、受電側コンデンサの容量と受電側コイルのインダクタンスを変える、ことを特徴とする周波数変更方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
上述した本発明によると、次のように、受電回路において整流器とインバータを設けることなく、給電回路と受電回路とを共振させつつ、負荷へ供給する交流電力の周波数を、所望の値に維持し、または、変えることができる。
【0015】
給電回路のインバータから出力される交流電力の周波数で、受電回路の負荷に交流電力が供給されるので、給電回路のインバータを制御することにより、負荷へ供給する交流電力の周波数を、所望の値に維持したり、変えることができる。この場合、受電回路に整流器とインバータを設ける必要がない。
【0016】
制御部は、前記周波数を変える時に、変更後の周波数で、給電回路が共振するように、給電側コンデンサの容量と給電側コイルのインダクタンスを変え、変更後の周波数で、受電回路が共振するように、受電側コンデンサの容量と受電側コイルのインダクタンスを変える。したがって、給電回路と受電回路とを共振させつつ、負荷へ供給する交流電力の周波数を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】給電回路から受電回路へ非接触で給電する構成の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0019】
図2は、本発明の実施形態による送電装置10を示す。送電装置10は、直流電力を受ける給電回路3と、給電回路3から非接触で電力を受ける受電回路5とを備える。
【0020】
給電回路3は、インバータ7と、給電側コンデンサ9と、給電側コイル11とを有する。インバータ7は、直流電力を受け、この直流電力を交流電力に変換する。給電側コンデンサ9には、インバータ7から交流電力が供給される。給電側コイル11は、給電側コンデンサ9に直列に接続されている。また、給電側コイル11には、インバータ7から交流電力が供給される。なお、直流電力供給部13は、
図2の例では、整流器13である。整流器13は、外部電源15から交流電力を受け、この交流電力を直流電力に変換し、この直流電力をインバータ7に供給する。また、
図2の例では、給電回路3は、給電側コンデンサ9に直列に接続されている抵抗14を有する。
【0021】
受電回路5は、受電側コイル17と、受電側コンデンサ19と、負荷21とを有する。受電側コイル17には、給電側コイル11から交流電力が非接触で供給される。給電側コイル11と受電側コイル17により電磁気結合回路が形成される。電磁気結合回路は、電磁誘導方式または電磁界共鳴方式によるものである。電磁気結合回路により、受電側コイル17に交流電力が生じる。受電側コンデンサ19は、受電側コイル17に直列に接続されている。負荷21は、受電側コンデンサ19に直列に接続されている。負荷21は、
図2の例では、モータのロータ22を回転駆動する磁界を発生するコイル21aを有する。
図2の例では、モータは、2極モータであり、2相で回転駆動される。この場合、適宜の始動装置が設けられてよい。この始動装置は、コイル21aによるロータ22の回転駆動の開始時に、ロータ22の回転を補助する。このようなモータは、例えば、人の歯の治療のために、歯を削る切削具を回転させるものであってよい。また、負荷21は、
図2に示すように抵抗21bを有していてもよい。
【0022】
本実施形態では、給電回路3のインバータ7から出力される交流電力の周波数で、受電回路5の負荷21に交流電力が供給されるようになっている。
【0023】
給電側コンデンサ9の容量と給電側コイル11のインダクタンスは可変である。受電側コンデンサ19の容量と受電側コイル17のインダクタンスは可変である。容量が可変である給電側コンデンサ9と受電側コンデンサ19とは、公知の構成を有していてよく、インダクタンスが可変である給電側コイル11と受電側コイル17は、公知の構成を有していてよい。
【0024】
送電装置10は、インバータ7を制御することにより、インバータ7からの交流電力の周波数を変える制御部23を有する。例えば、制御部23には、周波数を指令値に変える旨の指令信号が入力され、制御部23は、この指令信号を受けると、この指令信号が示す指令値の周波数の交流電力をインバータ7が出力するようにインバータ7を制御する。この指令信号は、例えば、人が入力装置を操作することにより生成されて、または、負荷21の制御装置により生成されて、制御部23に入力されてよい。
一例では、制御部23は、インバータ7が出力する交流電力の周波数を、数Hz(例えば5Hz)以上であって、数百kHz(例えば、200kHz)以下の範囲内の任意の値に変えることが可能である。この場合、上述の指令信号が示す周波数(指令値)も、同じ範囲内の任意の値であってよい。
【0025】
制御部23は、インバータ7が出力する交流電源の周波数を変える時に、変更後の周波数で、給電側コンデンサ9と給電側コイル11を含む給電側回路部25が共振するように、給電側コンデンサ9の容量と給電側コイル11のインダクタンスの両方を変え、変更後の周波数で、受電側コンデンサ19と受電側コイル17を含む受電回路5全体が共振するように、受電側コンデンサ19の容量と受電側コイル17のインダクタンスの両方を変える。
図2の例では、上述の給電側回路部25は、給電回路3において、インバータ7よりも下流側の部分であり、給電側コンデンサ9と給電側コイル11と抵抗14とからなる。
【0026】
給電側コンデンサ9の容量を変える容量変更機構(図示せず)と、給電側コイル11のインダクタンスを変えるインダクタンス変更機構(図示せず)とが、設けられてよい。容量変更機構は、駆動されることにより、この駆動量に応じて給電側コンデンサ9の容量を変え、インダクタンス変更機構は、駆動されることにより、この駆動量に応じて給電側コイル11のインダクタンスを変える。制御部23が、インバータ7からの交流電力の周波数を連続的にまたは不連続的(段階的)に変化させる場合には、これらの各周波数について、上述の給電側回路部25がこの周波数で共振するための容量変更機構の駆動量とインダクタンス変更機構の駆動量を予め求め、当該各駆動量と当該周波数とを対応づけておく。このように互いに対応づけられた周波数と駆動量とを、制御部23に記憶させておく。制御部23は、インバータ7が出力する交流電源の周波数を変える時に、この変更後の周波数に対応づけられた容量変更機構の駆動量だけ容量変更機構を駆動させるように容量変更機構を駆動し、この変更後の周波数に対応づけられたインダクタンス変更機構の駆動量だけインダクタンス変更機構を駆動させるようにインダクタンス変更機構を駆動する。
このように、上述の給電側回路部25において、給電側コンデンサ9の容量と、給電側コイル11のインダクタンスを変えてよい。受電回路5においても、同様に、受電側コンデンサ19の容量と、受電側コイル17のインダクタンスを変えてよい。
【0027】
図3は、
図2に示す給電側回路部25と受電回路5を合わせた回路の等価回路を示す。
上述の給電側回路部25における共振周波数f
1と、受電回路5における共振周波数f
2を、次の[数1]に示す。
【数1】
ここで、L
1は、給電側コイル11のインダクタンスであり、C
1は、給電側コンデンサ9の容量であり、L
2は、受電側コイル17のインダクタンスであり、C
2は、受電側コンデンサ19の容量である。
なお、
図3において、L
mは、給電側コイル11と受電側コイル17の相互インダクタンスであり、R
1は、抵抗14の電気抵抗値であり、R
2は、抵抗21bの電気抵抗値である。
【0028】
インバータ7から出力される交流電圧の現在の周波数がfcであり、Aが10以上または1/10以下であるとする(以下、同様)。この例では、制御部23は、インバータ7から出力される交流電圧の周波数を、徐々に変化させることにより、または、一度に不連続的に変化させることにより、現在の周波数fcからA×fcに変える。この場合、給電側回路部25の共振を保つために、給電側コンデンサ9の容量のみを変えようとすると、給電側コンデンサ9の容量を、百分の一以下にし、または、百倍以上大きくする必要がある。
【0029】
このように大きくコンデンサの容量を変えると、次の問題(1)(2)が生じるので、本実施形態では、コンデンサの容量とコイルのインダクタンスの両方を変えている。
【0030】
(1)このように大きくコンデンサの容量を変えることは、現実的ではなく困難である。
【0031】
(2)Q値が急激に変わって、受電側コイル17の電圧が急激に変化してしまう。Q値は、次の[数2]で表される。
【数2】
Q値が急激に変化することは、給電側コイル11の電圧が急激に変化することを意味し、また、受電側コイル17の電圧が急激に変化することも意味する。
【0032】
上記(1)(2)の問題を避けるために、本実施形態によると、制御部23は、インバータ7から出力される交流電圧の周波数を、fcからA×fcに変える場合、給電側回路部25において、給電側コンデンサ9の容量と給電側コイル11のインダクタンスの両方を変え、受電回路5において、受電側コンデンサ19の容量と受電側コイル17のインダクタンスの両方を変える。例えば、制御部23は、インバータ7からの交流電力の周波数を、5Hzから100Hzに変える時に、給電側回路部25において、給電側コンデンサ9の容量と給電側コイル11のインダクタンスの両方を小さくし(例えば、これらの両方をそれぞれ1/20倍だけ小さくし)、受電回路5において、受電側コンデンサ19の容量と受電側コイル17のインダクタンスの両方を小さくする(例えば、これらの両方をそれぞれ1/20倍だけ小さくする)。
【0033】
上述した実施形態によると、次のように、受電回路5において整流器とインバータを設けることなく、給電側回路部25と受電回路5とを共振させつつ、負荷21へ供給する交流電力の周波数を、所望の値に維持し、または、変えることができる。
【0034】
給電回路3のインバータ7から出力される交流電力の周波数で、受電回路5の負荷21に交流電力が供給されるので、給電回路3のインバータ7を制御部23が制御することにより、負荷21へ供給する交流電力の周波数を、所望の値に維持したり、変えることができる。この場合、受電回路5に整流器とインバータを設ける必要がない。
【0035】
制御部23は、インバータ7から出力される交流電力の周波数を変える時に、変更後の周波数で、給電側コンデンサ9と給電側コイル11を含む給電側回路部25が共振するように、給電側コンデンサ9の容量と給電側コイル11のインダクタンスを変え、変更後の周波数で、受電回路5が共振するように、受電側コンデンサ19の容量と受電側コイル17のインダクタンスを変える。したがって、給電側回路部25と受電回路5とを共振させつつ、負荷21へ供給する交流電力の周波数を変えることができる。
【0036】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0037】
3 給電回路、5 受電回路、7 インバータ、9 給電側コンデンサ、10 送電装置、11 給電側コイル、13 整流器(直流電力供給部)、14 抵抗、15 外部電源、17 受電側コイル、19 受電側コンデンサ、21 負荷、21a コイル、21b 抵抗、22 ロータ、23 制御部、25 給電側回路部、31 給電回路、33 インバータ、35 給電側コイル、37 直流電力供給部、39 受電回路、41 受電側コイル、43 コンデンサ、45 整流器、47 インバータ、49 負荷、51 コンデンサ