(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来のエレベータのドアレール清掃装置は給油装置としての役割から、清掃ブラシ体が弾力性のあるフェルト状の材料から形成されている(例えば、特許文献1および特許文献2段落番号0020)。
【0007】
一方、エレベータのドアレールはドアレール長手方向から見た断面において、上部が凸状になっている場合が多い。これは、ドアの上端側に設けたドアハンガーと、このドアハンガーに設けられて前記ドアレールの長手方向に沿ってそのドアレール上を転動するハンガーローラにおいて、前記ハンガーローラが前記ドアレールから脱輪しないように、前記ハンガーローラの前記ドアレールと当接する面を凹状とし、前記ドアレールの上部の凸状部を、前記ハンガーローラの凹状部に嵌合させているためである。
【0008】
ところで、エレベータの使用に伴い、前記ドアレール上には塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れが付着する。これら塵埃等を除去するには、前記清掃ブラシ体は硬度が高い方が、前記塵埃等を擦り落とすには有効である。しかし、給油装置としての機能を有する場合、油を含侵する必要があり、前記特許文献1あるいは前記特許文献2のように、フェルト状の材料など硬度の低いものを使用する必要があった。
【0009】
前述のように、前記清掃ブラシ体の材質をフェルト状の材料など硬度の低いものとした場合、前記清掃ブラシ体を前記ドアレールに押し付けると前記ドアレールの上部の凸状部に合わせて、前記清掃ブラシ体が変形し、前記ドアレールの上部を満遍なく清掃あるいは給油することが可能である。
【0010】
しかし、前記ドアレール上の塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れをより強力に除去するために、前記清掃ブラシ体の材質を硬度の高いものとした場合、以下の問題点がある。当該問題点について
図11を用いて説明する。
【0011】
図11は、従来技術に係るエレベータのドアレール清掃装置とドアレールの当接部分を示す部分断面図である。
【0012】
図11において、5a、5bはドアハンガー、11はドアレール、25は清掃部材、23は清掃部材25をドアハンガー5a、5bに固定するための保持体、24は保持体23をドアハンガー5a、5bに固定するための固定具、15はドアハンガー5a、5bがドアレール11より脱落するのを防止するためにドアハンガー5a、5bに回動自在に取り付けられたアップスラストローラ、16はアップスラストローラ15をドアハンガー5a、5bに固定するためのナット、A、Aは清掃部材25とドアレール11の非接触部である。
【0013】
清掃部材25は固定具24を調整することにより、ドアレール11の上部の凸状部に押し付けられ、塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れを清掃する。しかし、清掃部材25の硬度が高いと清掃部材25とドアレール11は上部の凸状部における頂点のみで当接し、A、Aに示した非接触部を生じる。その結果、ドアレール11の上部の凸状部の頂点は清掃されるものの、上部の凸状部における頂点以外の部分は塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れが残留したままになってしまう。その結果、ドアハンガーローラ(
図11では図示せず)はドアレール11の非接触部に残留した塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れにより、ガタツキや異音を生じるなど、エレベータドアの開閉性能を劣化させるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係るエレベータのドアレール清掃装置は、エレベータのドアレールを清掃する装置であって、エレベータ出入口の上方に配置した上部フレームを備え、前記上部フレームはドアレールを含み、前記ドアレールの上端はドアレール長手方向から見た断面が凸状であり、ドアの上端側に設けられたドアハンガーをさらに備え、前記ドアハンガーは、前記ドアレールの長手方向に沿ってそのドアレールの上を転動するハンガーローラと、前記ドアハンガーに取り付けられて前記ドしアレールの上面を清掃する清掃部材を含み、前記清掃部材は、植毛台と前記植毛台に植毛された複数の毛束を含み、前記複数の毛束はドアレール長手方向から見たときに、前記ドアレールと接する部分に凹部を有し、前記植毛台は鉛直方向と直交する断面が略T形状のフランジ部を含み、保持体を介して、前記ドアハンガーに取り付けられ、前記保持体は、保持辺と固定辺を有し、前記保持辺は前記フランジ部と当接する先端部を含み、かつ、前記フランジ部と前記先端部が当接する状態において、前記ドアレールのドアレール長手方向から見た鉛直方向中心線と、前記凹部のドアレール長手方向から見た鉛直方向中心線とが略一致していることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るエレベータのドアレール清掃装置は、前記凸状を曲線状とすることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るエレベータのドアレール清掃装置は、前記凹部がドアレール長手方向から見たときに、前記ドアレールと接する部分の前記毛束の先端を結んだ稜線が凹の弧状である前記複数の毛束を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るエレベータのドアレール清掃装置は、前記凹の弧状が前記ドアレール上端のドアレール長手方向から見た断面形状と略同一であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るエレベータのドアレール清掃装置は、前記植毛台が油を含浸することが可能な素材を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係るエレベータのドアレール清掃装置は、前記植毛台が上部に筐体を含み、前記筐体は、上部が開口し、その内部に油が注入可能であり、前記開口は、開閉自在の蓋体により閉塞され、前記油は前記筐体下部より前記植毛台に注油可能な構成になっていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係るエレベータのドアレール清掃装置は、前記ドアハンガーが前記ドアハンガーに取り付けられて前記ドアレールの上面に注油する注油部材をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係るエレベータのドアレール清掃装置は、前記保持体が前記固定辺の有する固定穴を介して前記ドアハンガーに取り付けられ、前記固定穴は前記保持辺側に近づくに従って水平方向から上方に離れるように傾斜した長穴であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、ドアレールの上端に付着した塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れを確実に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施形態に係るエレベータのドアレール清掃装置が適用されるドア開閉機構の概略図を示す正面図である。
【
図2】実施例1に係るエレベータのドアレール清掃装置とドアレールの当接部分を示す
図1におけるX部分断面図である。
【
図3】実施例1に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材を示す斜視図である。
【
図4】実施例1に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材を示す正面図である。
【
図5】実施例1に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材と保持具の取付状態を示す斜視図である。
【
図6】実施例5に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材と保持具の取付状態を示す斜視図である。
【
図7】実施例4に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材を示す斜視図である。
【
図8】実施例4に係るエレベータのドアレール清掃装置の
図7における清掃部材の変形状態を示す斜視図である。
【
図9】実施例2に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材の先端部拡大図である。
【
図10】実施例6に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材を示す正面図である。
【
図11】従来技術に係るエレベータのドアレール清掃装置とドアレールの当接部分を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明する。
【0028】
図1は本実施形態のエレベータのドアレール清掃装置が適用されるドア開閉機構の概略図を示す正面図である。
【0029】
まず、このドア開閉装置の構造を
図1に基づいて簡単に説明すると、2枚のエレベータドア4a、4bを有する中央開き型ドア開閉装置であり、両エレベータドア4a、4bはかご室の上部に設置された上部フレーム3に配置されたドアレール11にドアハンガー5a、5bを介して吊り下げ支持されている。ドアハンガー5a、5bには少なくとも2個以上のハンガーローラ27が回動自在に配置され、ハンガーローラ27はドアレール11に載置される。また、2はエレベータのドアレール清掃装置である。
【0030】
ドアハンガー5a、5bは連結具7、8を介しドア開閉装置の駆動ベルト10に連結されている。
【0031】
電動機1は固定部材6により、上部フレーム3に固定されている。そして、駆動ベルト10は電動機1の動力を伝達するものであり、電動機1の駆動プーリ26と従動プーリ9に無端状に巻き掛けられている。連結具7は駆動プーリ26と従動プーリ9に無端状に巻き掛けられた駆動ベルト10の下部側区間に連結され、連結具8は駆動プーリ26と従動プーリ9に無端状に巻き掛けられた駆動ベルト10の上部側区間に連結されている。
【0032】
従って、電動機1により駆動ベルト10が循環すると、ドアハンガー5aのハンガーローラ27が転動することにより、ドアハンガー5aがドアレール11に沿って移動し、ドアハンガー5bのハンガーローラ27が転動することにより、ドアハンガー5bがドアレール11に沿ってドアハンガー5aと反対方向に移動する。
【実施例1】
【0033】
次に、
図1乃至
図5を用いて、本実施形態のエレベータのドアレール清掃装置について説明する。なお、各図面における対応する構成については、同一の符合を付して重複する説明を省略する。
【0034】
図2は実施例1に係るエレベータのドアレール清掃装置とドアレールの当接部分を示す
図1におけるX部分断面図である。
図3は実施例1に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材を示す斜視図である。
図4は実施例1に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材を示す正面図である。
図5は実施例1に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材と保持具の取付状態を示す斜視図である。
【0035】
図2において、12は清掃部材、12aは植毛台、12bは植毛台12aに植毛された毛束、17は植毛台12aを保持する保持体、14は保持体17をドアハンガー5a、5bに固定する固定部材である。
【0036】
図3において、12eは植毛台12aの毛束12bと直交する方向の断面のT形状におけるフランジ部、12cは植毛台に開けられた固定用穴である。
【0037】
図4において、12dは毛束12bの先端弧状部である。
【0038】
図5において、17aは保持体17のL字状に折れ曲がった一辺でありその先端に清掃部材12を取り付ける保持辺、17bは保持体17のL字状に折れ曲がった一辺である保持辺17aと直交する他方の辺である固定辺、17cは保持体17の固定辺17bに開けられたエレベータのドアレール清掃装置2をドアハンガー5a、5bに固定するための固定穴、17dは保持辺17aの清掃部材12取り付け側の先端部、13は清掃部材12を保持辺17aに開けられた取付穴(図示せず)を介して保持体17に固定する固定部材である。
【0039】
ここで、
図5における清掃部材12はフランジ部12eと保持辺17aの先端部17dと当接し、固定部材13によって保持体17に固定される。フランジ部12eと先端部17dとを当接させることにより、固定部材13が1本であっても、固定部材13を中心に清掃部材12が回転して毛束12bとドアレール11の上部の凸状部との当りがずれることを防ぐことができる。
【0040】
図2において、清掃部材12の毛束12bの先端である先端弧状部12d(
図4)は、ドアレール11の上部の凸状部に押し付けられ、先端弧状部12dの凹部形状とドアレール11の上部の凸状部の形状が略同一のため、ドアレール11の上部の凸状部に満遍なく清掃部材12の毛束12bが当接する。ここで、先端弧状部12dとドアレール11の上部の凸状部との当たり具合は、保持体17の固定穴17cがドアレールの長手方向に対して傾斜した長穴により、固定穴17cにおける固定部材14の固定位置によって調節することができる。そして、ドアハンガー5a、5bがドアレール11の長手方向に開閉することにより、毛束12bがドアレール11の上部の凸状部に付着した塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れを清掃する。
【0041】
先端弧状部12dの形状であれば、毛束12bの硬度が高くとも、毛束12bとドアレール11の当接部に、従来技術のような非接触部A、A(
図11)は生じない。その結果、ドアレール11の上部の凸状部における塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れを漏らすことなく清掃することができる。そして、ガタツキや異音を生じることがないため、エレベータドアの開閉性能を劣化させるという問題が解消する。
【実施例2】
【0042】
次に、
図4および
図9を用いて、本実施形態のエレベータのドアレール清掃装置について説明する。なお、各図面における対応する構成については、同一の符合を付して重複する説明を省略する。
【0043】
図9は実施例2に係るエレベータのドアレール清掃装置の別の例における清掃部材の先端部拡大図である。
【0044】
図9において、12fは毛束12bの毛1本1本の先端がドアレール11の上部の凸状部に合わせて切断された場合の先端弧状部である。
【0045】
前記実施例1において、
図4における本実施例の毛束12bの先端弧状部12dは毛束を構成する1本1本の毛の先端は水平に切断されているが、
図9に示す先端弧状部12fのように、毛1本1本の先端がドアレール11の上部の凸状部に合わせて切断されていれば、より確実に毛束12bの先端がドアレール11の上部の凸状部に接することができる。その結果、さらに確実にドアレール11の上部の凸状部における塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れを漏らすことなく清掃することができる。そして、ガタツキや異音を生じることがないため、エレベータドアの開閉性能を劣化させるという問題が解消する。
【実施例3】
【0046】
実施例3は実施例1または実施例2の植毛台12aを、潤滑油を含浸することが可能な素材とする。例えば、多孔質樹脂などの吸油性樹脂である。
【0047】
実施例3において、植毛台12aに定期的に注油することにより、植毛台12aに含浸した潤滑油が毛束12bに染み出し、ドアレール11上の上部の凸状部における塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れを漏らすことなく清掃すると共に、潤滑油をドアレール11上の上部の凸状部に塗布することができる。そして、ガタツキや異音を生じることがないため、エレベータドアの開閉性能を劣化させるという問題が解消する。
【実施例4】
【0048】
次に、
図7および
図8を用いて、本実施形態のエレベータのドアレール清掃装置について説明する。なお、各図面における対応する構成については、同一の符合を付して重複する説明を省略する。
【0049】
図7は実施例4に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材を示す斜視図である。また、
図8は実施例4に係るエレベータのドアレール清掃装置の
図7における清掃部材の変形状態を示す斜視図である。
【0050】
図7において、28は内部にドアレール11の潤滑油を保持可能な筐体、20は筐体28の上部開口を閉塞する蓋体、21は蓋体20を開閉するための取手である。
【0051】
筐体28の底面は筐体内部に保持された潤滑油を所定の量染み出させるための微小な貫通孔を有する。また、蓋体20の取手21と反対側は、図示しないヒンジ機構により筐体28に持着されている。
【0052】
本実施例においては、
図8に示すように、取手21を引き起こし、蓋体20を開放し、筐体28内に潤滑油を注入する。そして、蓋体20を閉じ、図示しない保持機構により、筐体28の開口部を蓋体20が閉塞した状態で保持する。
【0053】
実施例4において、筐体28に定期的に注油することにより、筐体28から潤滑油が植毛台12aに染み出し、さらに植毛台12aに含浸した潤滑油が毛束12bに染み出し、ドアレール11上の上部の凸状部における塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れを漏らすことなく清掃すると共に、潤滑油をドアレール11上の上部の凸状部に塗布することができる。そして、ガタツキや異音を生じることがないため、エレベータドアの開閉性能を劣化させるという問題が解消する。
【実施例5】
【0054】
次に、
図6を用いて、本実施形態のエレベータのドアレール清掃装置について説明する。なお、各図面における対応する構成については、同一の符合を付して重複する説明を省略する。
【0055】
図6は実施例5に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材と保持具の取付状態を示す斜視図である。
【0056】
図6において、22は植毛台12aを保持する保持体、22aは保持体22のL字状に折れ曲がった一辺でありその先端に清掃部材12を取り付ける保持辺、22bは保持体22のL字状に折れ曲がった一辺である保持辺22aと直交する他方の辺である固定辺、22cは保持体22の固定辺22bに開けられたエレベータのドアレール清掃装置19をドアハンガー5a、5bに固定するための固定穴、22dは保持辺22aの清掃部材12取り付け側の先端部、18は潤滑油をドアレール11に塗布するための給油体、18aは潤滑油を含浸するためのフェルト、18bはフェルト18aを保持するための軸部である。
【0057】
実施例5は実施例1または実施例2と同様の構成をとるが、固定辺22bに開けられた固定穴(図示せず)を介し、給油体18を構成するフェルト18aに固定された軸部18bを保持体22に固定する。保持体22がドアハンガー5a、5bに固定されると、フェルト18aはドアレール11の上部の凸状部に当接する。
【0058】
実施例5において、給油体18を構成するフェルト18aに定期的に注油することにより、潤滑油をドアレール11上の上部の凸状部に塗布すると共に、清掃部材12によりドアレール11上の上部の凸状部における塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れを漏らすことなく清掃することができる。そして、ガタツキや異音を生じることがないため、エレベータドアの開閉性能を劣化させるという問題が解消する。
【実施例6】
【0059】
次に、
図10を用いて、本実施形態のエレベータのドアレール清掃装置について説明する。なお、各図面における対応する構成については、同一の符合を付して重複する説明を省略する。
【0060】
図10は実施例6に係るエレベータのドアレール清掃装置の清掃部材を示す正面図である。
【0061】
図10において、29は清掃部材、29aは植毛台、29bは植毛台29aに植毛された毛束、29eは植毛台29aの毛束29bと直交する方向の断面のT形状におけるフランジ部、29cは植毛台に開けられた固定用穴、29dは毛束29bの先端弧状部である。
【0062】
ドアレールのドアレール長手方向から見た断面において、上部の凸状部が半円状、半だ円形状など曲線状の凸状である場合、毛束29bがドアレールの上部の前記凸状部(上面)の法線方向に向って植毛台29aに植毛されている。その結果、毛束29bとドアレール11が当接する当接点における法線方向と毛束29bが植毛される方向とが略一致する。
【0063】
先端弧状部29dの形状であれば、毛束29bの硬度が高くとも、毛束29bとドアレール11の当接部に、従来技術のような非接触部A、A(
図11)は生じない。その結果、ドアレール11の上部の凸状部における塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れを漏らすことなく清掃することができる。当該実施例の場合、ドアレールのドアレール長手方向から見た断面において、上部の凸状部が半円状、半だ円形状など曲線状の凸状である場合に特に確実に、清掃部材29によりドアレール11上の上部の凸状部における塵埃あるいは塵埃と油分が混合した粘度のある汚れを漏らすことなく清掃することができる。そして、ガタツキや異音を生じることがないため、エレベータドアの開閉性能を劣化させるという問題が解消する。
【0064】
前記各実施例はかごのドア開閉機構について記載したが、乗場のドア開閉機構についても同様の効果を得ることができるのはもちろんである。
【0065】
また、実施例は中央開き型ドア開閉装置について説明したが、片開き型ドア開閉装置についても同様の効果を得ることができるのは当然である。
【0066】
また、実施例では2枚のエレベータドアを有するドア開閉装置について説明したが、少なくとも1枚のエレベータドアを有するドア開閉装置であれば、同様の効果を得ることができるのは当然である。
【0067】
また、各実施例におけるドアレールのドアレール長手方向から見た断面において、上部の凸状部は半円状、三角形状、台形、半だ円形状など凸状であれば、同様の効果を得ることができるのは当然である。