(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接触測定器は、進退ガイドレールに沿って半径方向に移動可能な測定器ホルダに設けられ、前記進退ガイドレールと平行にリニアスケールが設けられ、前記測定器ホルダにスケールセンサが設けられ、該スケールセンサにより前記接触測定器の進退距離が測定される請求項1の内径測定装置。
前記接触測定ヘッドは、前記旋回ユニットによって旋回される測定器支持基板を有し、前記進退ユニットは2組のリニアガイドを介して前記測定器支持基板に設けられ、各リニアガイドは一対の進退ガイドレールと、該進退ガイドレールにそれぞれ摺動自在に嵌合する一対のブロックとから構成され、一方のリニアガイドは前記進退ガイドレールが前記測定器支持基板に設けられ、前記ブロックが前記進退ユニットに設けられ、他方のリニアガイドは前記進退ガイドレールが前記進退ユニットに設けられ、前記ブロックが前記測定器支持基板に設けられた請求項1又は請求項4の内径測定装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
図1は本発明に係る実施例を示しており、
図1中、1は内径測定装置、2は該内径測定装置1を支持する棒状の支持部材を示している。
前記内径測定装置1は円筒面内に包含される形状となっており、該円筒面は前記支持部材2も包含し、円筒面は被測定物の中空部の内径より小さく設定されている。
前記内径測定装置1は、非接触測定部3及び接触測定部4から構成され、前記非接触測定部3、前記接触測定部4は前記支持部材2の軸心延長上に連設されている。又、前記非接触測定部3と前記接触測定部4とは、連結解除可能となっている。
先ず、前記非接触測定部3を
図2を参照して説明する。
前記非接触測定部3は主に、撮像部6、レーザ光線発光部7、芯合せ部8、レーザ光線拡散部9、フレーム部11等から構成される。又、前記撮像部6の光軸、前記レーザ光線発光部7の光軸、前記芯合せ部8の軸心、前記レーザ光線拡散部9の軸心、前記フレーム部11の軸心は、前記支持部材2の軸心と合致する様になっている。
該フレーム部11は、基端リング12と先端リング13とを複数の支柱14により連結した構成であり、該支柱14は同一円周上に所定の間隔、例えば3等分の位置に配置され、前記フレーム部11の中心部には基端から先端に貫通する空間が形成される。
前記基端リング12に前記撮像部6が取付けられる。該撮像部6は、前記基端リング12に取付けられるカメラホルダ15、該カメラホルダ15に収納されるカメラ16とを有し、前記カメラホルダ15は前記支持部材2に連結される。前記カメラ16の光軸は、前記支持部材2の軸心及び前記フレーム部11の軸心と合致する。
前記カメラ16は、撮像素子として、画素の集合体であるCCD或はCMOSセンサ等を具備し、撮像素子は各画素からの信号の集合であるデジタル画像信号を出力すると共に各画素からの信号はそれぞれ撮像素子内での位置が特定できる様になっている。
前記芯合せ部8は前記先端リング13に固着され、前記芯合せ部8の先端に前記レーザ光線拡散部9が固着される。前記芯合せ部8は内部に軸心調整機構18が収納されており、該軸心調整機構18の基端側に前記レーザ光線発光部7が取付けられる。
該レーザ光線発光部7は、前記軸心調整機構18に固着されるパイプ状の発光器ホルダ19、該発光器ホルダ19の基端部に嵌合され、取付けられたレーザ発光器20を具備し、該レーザ発光器20から発せられるレーザ光線21の光軸は、前記カメラ16の光軸及び前記フレーム部11の軸心と合致する。
前記軸心調整機構18の中心部には、前記レーザ光線21が通過する光路孔23が形成されている。前記軸心調整機構18は、前記レーザ光線21に直交し、紙面に対して垂直な方向にスライドするX軸スライダ25と、該X軸スライダ25に取付けられ、紙面に対して平行な方向にスライドするY軸スライダ26とを有し、前記X軸スライダ25、前記Y軸スライダ26はそれぞれ調整螺子(図示せず)によって位置を調整できる様に構成されている。
前記発光器ホルダ19は前記Y軸スライダ26に取付けられている。又、前記発光器ホルダ19は押し螺子、引き螺子が対となった固定手段27により円周3等分の位置で前記Y軸スライダ26に固着されている。前記固定手段27の調整で、前記発光器ホルダ19の軸心の傾き、即ち前記レーザ光線21の光軸の傾きを調整可能となっている。
而して、前記軸心調整機構18により前記レーザ光線21の光軸の位置は、X軸方向、Y軸方向の直交する2方向に位置が調整され、前記固定手段27により前記光軸の傾斜を調整することができ、前記レーザ光線21の光軸を前記撮像部6の軸心及び後述するコーンミラー29の軸心に合致させることができる様になっている。
前記芯合せ部8の先端にはレーザ光線拡散部9が設けられており、該レーザ光線拡散部9は軸心上にコーンミラー29及び該コーンミラー29と同心に全周透光窓30を有する。前記コーンミラー29は前記レーザ発光器20に向って尖端となった円錐曲面で構成され、該曲面の頂角は例えば90°となっている。尚、前記コーンミラー29は、測定状況に応じて頂角の異なるもの、例えば120°或は60°のものに適宜交換可能となっている。
該コーンミラー29の軸心、前記レーザ光線21の光軸、前記カメラ16の光軸が合致した状態で、前記レーザ発光器20より前記レーザ光線21を射出すると、該レーザ光線21は前記コーンミラー29の頂点に入射し、円錐曲面で全周方向に反射される。前記全周透光窓30を透過した反射レーザ光線21′が中空部の内面を照射すると、光リングが形成される。該光リングを前記カメラ16により撮像する。
尚、前記支柱14は、2本であっても或は4本であってもよく、前記撮像部6、前記芯合せ部8、前記レーザ光線拡散部9を支持し得、又前記撮像部6の撮像に支障なければよい。
ここで、
図2に示される様に、前記カメラ16の画角をθとし、前記レーザ発光器20、前記芯合せ部8等で遮られ、死角となる画角をθ1とすると、(θ1〜θ)の範囲で、中空部の内径を測定できる。又、前記カメラ16と前記コーンミラー29頂点迄の距離をLとすると、測定できる内径の範囲は、(2Ltanθ1/2〜2Ltanθ/2)となる。
図示しない測定部本体は画像処理部を有し、該画像処理部は前記カメラ16が撮像した画像を処理して、内径及び形状(真円、楕円等)又は内径、形状の少なくとも一方を測定する。更に、前記反射レーザ光線21′を照射した状態で前記内径測定装置1を軸心方向に移動させ、画像を取得することで内面の状態、例えばテーパ、段差等の情報が得られる。
図3、
図4により、前記接触測定部4について説明する。
図3、
図4中、41は旋回ユニットを示し、42は接触測定ヘッド、43は前記接触測定部4の軸心を示している。
先ず、前記旋回ユニット41について説明する。
該旋回ユニット41の軸心は前記支持部材2及び前記非接触測定部3の軸心と合致している。又、基端部に連結アダプタ44を有し、該連結アダプタ44を介して前記非接触測定部3に連結され、或は前記支持部材2に連結される。
前記連結アダプタ44に中空のシャフトホルダ45が取付けられる。該シャフトホルダ45の軸心は前記軸心43と合致しており、前記シャフトホルダ45には、軸受46,47を介して旋回軸48が前記軸心43を中心に回転自在に支持される。前記旋回軸48は、重量軽減の為、中空とするのが好ましい。
前記旋回軸48の先端(
図3に於いて左側)に旋回フランジ49が形成され、更に該旋回フランジ49の基側には旋回ギア51が前記旋回軸48に嵌着されている。
前記シャフトホルダ45の外面の所要位置に旋回モータ52が設けられ、該旋回モータ52の出力軸には旋回駆動ギア53が嵌着され、該旋回駆動ギア53は前記旋回ギア51と噛合される。又、前記旋回モータ52は、エンコーダ(図示せず)を具備し、前記旋回駆動ギア53即ち前記旋回ギア51の回転量を検出可能となっている。
前記シャフトホルダ45の所要位置、前記旋回モータ52と干渉しない位置に、前記旋回フランジ49の旋回制限手段54が設けられる。該旋回制限手段54の一例としては、前記シャフトホルダ45にリミットスイッチ55が設けられ、前記旋回フランジ49には前記リミットスイッチ55を作動させるスイッチ作動片56が取付けられる。本実施例では、リミットスイッチ55としては近接スイッチが用いられ、前記スイッチ作動片56としては前記リミットスイッチ55に対して所要の間隔で対峙する様に設定された金属片が用いられる。
前記連結アダプタ44、前記シャフトホルダ45、前記旋回フランジ49、前記旋回モータ52、前記旋回制限手段54を覆う、円筒状の旋回ユニットカバー58が前記連結アダプタ44の基端から前記旋回フランジ49に掛渡って設けられている。尚、前記旋回ユニットカバー58は前記旋回フランジ49とは非接触である。
次に、前記接触測定ヘッド42について説明する。
該接触測定ヘッド42は基端に旋回基盤61を有し、該旋回基盤61が前記旋回フランジ49に固着されることで前記旋回ユニット41と前記接触測定ヘッド42とが連結され、又一体となる様に構成されている。又、前記接触測定ヘッド42は、前記旋回ユニット41と同心であり、即ち前記レーザ光線発光部7と同心となっている。即ち、前記旋回ユニット41、前記接触測定ヘッド42、前記レーザ光線発光部7はそれぞれの軸心及び光軸が前記軸心43と合致する様に設けられている。
前記旋回基盤61に測定器支持基板62が垂直に設けられ、該測定器支持基板62に進退ユニット63及びスケールユニット64が設けられている。
先ず、前記進退ユニット63について説明する。
前記測定器支持基板62に前記軸心43と直交する方向に延出する進退ガイドレール65が設けられ、該進退ガイドレール65に摺動自在に測定器ホルダ66が設けられ、該測定器ホルダ66に接触測定器67が設けられる。該接触測定器67の測定方向は、前記測定器ホルダ66の進退方向と平行であり、即ち、前記接触測定器67は半径方向に移動し、半径方向の変位を測定する様に設定されている。尚、前記接触測定器67としては、例えば電気マイクロメータが用いられる。
前記測定器ホルダ66には進退モータ68が一体に設けられ、該進退モータ68は前記軸心43と平行に延出する出力軸69を有し、該出力軸69にはピニオンギア71が嵌着されている。前記測定器支持基板62にはラック72が前記軸心43と直交する方向で固着され、前記ラック72に前記ピニオンギア71が噛合する。
尚、図中、73は前記出力軸69との干渉を避ける為の逃げ穴である。前記進退モータ68が駆動されることで、前記ピニオンギア71が回転し、前記進退モータ68と前記進退ユニット63とが一体に、半径方向(図示では上下方向)に進退する様に構成されている。
尚、図中、75は接触子であり、該接触子75が測定点に接触し、該接触子75の変位を前記接触測定器67が検出する。
前記スケールユニット64は、前記進退ガイドレール65と平行に設けられたリニアスケール76と前記測定器ホルダ66と一体に設けられたスケールセンサ77を有し、前記測定器ホルダ66の変位と一体に前記スケールセンサ77が変位する。該スケールセンサ77は変位量を前記リニアスケール76から読取る様になっており、前記スケールセンサ77は前記測定器ホルダ66の半径方向の変位を検出する様になっている。
又、該スケールセンサ77が読取る測定値と、前記接触子75の位置は既知Aとなっており、例えば前記スケールセンサ77の測定値に既知Aを加えると前記軸心43から前記接触子75迄の距離が求められる様になっている。
前記測定器ホルダ66の進退量、即ち前記接触測定器67のストロークは、前記接触測定部4で測定できる内径の測定範囲に関係する。従って、前記接触測定器67のストロークは、前記非接触測定部3の測定範囲(2Ltanθ1/2〜2Ltanθ/2)をカバーできるストロークに設定する。
尚、図中、78はケーブル類(図示せず)を固定する為のケーブルホルダを示している。
前記測定器支持基板62、前記進退ユニット63、前記スケールユニット64、前記ケーブルホルダ78等は、円筒形状の計測ヘッドカバー79によって覆われ、該計測ヘッドカバー79には前記接触測定器67が突出できる様、測定窓81が穿設されている。又、前記計測ヘッドカバー79の外径は、前記旋回ユニットカバー58と同径であり、又被測定物の内径よりも小さくなっている。
更に、前記接触測定ヘッド42の重心が、前記軸心43上、或は略前記軸心43上となる様に、或は前記測定器ホルダ66が移動した場合、前記接触測定ヘッド42の重心が前記軸心43を中心に所定の範囲に収る様に、該接触測定ヘッド42の構成物(測定器ホルダ66、進退モータ68、スケールセンサ77等)の配置、重量を設定する。更に、構成物の配置だけでは、重心の位置が前記軸心43上とならない場合は、適宜バランス錘を設けて、前記接触測定ヘッド42の重心の位置を調整する。ここで、前記所定の範囲とは、前記接触測定ヘッド42を旋回させた場合に重心からの偏心により測定値に変動を生じない範囲とする。
以下、作用について説明する。
前記支持部材2に支持された前記内径測定装置1を中空の被測定物(例えば、被測定管)に非接触で挿入する。尚、挿入する際には前記接触子75を前記計測ヘッドカバー79の外面より完全に後退させた状態とする。
被測定管に、前記内径測定装置1を挿入しつつ測定するが、該内径測定装置1を固定して前記被測定管を移動させても、或は被測定管を固定し前記内径測定装置1を移動させてもよい。尚、前記内径測定装置1を固定して前記被測定管を移動させると、移動時による振動が前記内径測定装置1に作用しないので、測定状態が安定する。
前記レーザ発光器20よりレーザ光線21が射出されると、該レーザ光線21は前記コーンミラー29で全周に反射され、反射レーザ光線21′が前記全周透光窓30を透過して中空部内面に照射され、光リングが形成される。この光リングが前記カメラ16で撮像され、画像データが測定部本体に送信され、該測定部本体で画像処理により、直径、更にプロファイルが測定される。測定結果は、測定部本体の記憶装置に格納される。
又、並行して前記接触測定部4により内径が測定される。
前記進退ユニット63により前記測定器ホルダ66を、前記接触子75が内面に接触する直前迄移動させる。その後、徐々に移動させ、前記接触子75を被測定物の内面に接触させる。その時の、前記接触測定器67の検出値と前記スケールセンサ77が検出する前記測定器ホルダ66の移動量から、前記被測定物の内径が測定できる。
更に、前記旋回モータ52を駆動し、前記旋回駆動ギア53、前記旋回ギア51を介して前記旋回軸48を回転させ、更に前記旋回フランジ49を介して前記接触測定ヘッド42を回転させる。該接触測定ヘッド42を所定角度ピッチで回転させることで、前記被測定物の全内周について内径の測定を行うことができる。
この時、前記接触測定ヘッド42の重心位置を、前記軸心43上としているので、前記接触測定ヘッド42の回転による測定点のずれ、測定結果の変動を防止できる。更に、中空部のプロファイルは前記非接触測定部3の測定で分るので、前記接触測定部4で測定する点は、少なくて済み、測定時間を短縮できる。前記接触測定部4による測定結果も、測定部本体の記憶装置に格納される。
前記接触測定部4による全内周の測定が完了すると、前記内径測定装置1を軸心方向に所定距離移動させ、前記非接触測定部3、前記接触測定部4による測定を繰返し行う。尚、前記接触測定部4で測定した個所を、前記非接触測定部3で測定する様に、移動距離、移動ピッチを設定すると、前記非接触測定部3で測定した結果を前記接触測定部4で補正することができ、前記非接触測定部3の測定精度を向上させることができる。
而して、本実施例で内径を測定することで、前記接触測定部4で内径の高精度の測定が行えると同時に、前記非接触測定部3での内面のプロファイリングが同時に行え、更に、前記接触測定部4での接触式での測定と前記非接触測定部3での非接触式での測定を組合わせることで測定時間の短縮を図ることができる。
又、前記非接触測定部3、前記接触測定部4は同一円筒面内に包含される形状となっており、更に前記支持部材2の外径も前記円筒面より小さくなっているので、前記支持部材2を被測定管の長さに対応させたものとすることで、被測定管が長尺物であった場合も、全長に亘って内径の測定、プロファイルの測定等を実施することができる。
又、前記非接触測定部3、前記接触測定部4による測定は、上記した様に並行して実施してもよく、或はいずれか一方で測定してもよい。
次に、
図5〜
図7を参照して前記接触測定ヘッド42の他の例を説明する。
該接触測定ヘッド42は、測定器支持基板91と、第1リニアガイド92(92a,92b)及び第2リニアガイド93(93a,93b)と、前記リニアガイド92,93を介して前記測定器支持基板91に移動可能に支持されるテーブル94と、該テーブル94の正面に設置される接触測定器95と、前記テーブル94の背面に設置されるスケール96aと該スケール96aと対向して前記測定器支持基板91上に設置される検出手段96bとからなるリニアスケール96とを備えている。
前記測定器支持基板91は、
図5に示す様に、前記旋回ユニット41に垂直に固着され、該旋回ユニット41の回転と共に回転する。又、前記測定器支持基板91は、前記リニアガイド92,93を介して前記接触測定器95を保持する前記テーブル94を支持している。
前記第1リニアガイド92は2組の進退ガイドレール92aとブロック92bを有し、前記第2リニアガイド93は2組の進退ガイドレール93aとブロック93bを有している。各リニアガイド92,93は、それぞれ前記進退ガイドレール92a,93aと前記ブロック92b,93bとが嵌合し、前記進退ガイドレール92a,93aに沿って前記ブロック92b,93bが摺動可能に構成されている。
図6(A)は、前記測定器支持基板91の正面図であって、
図6(B)は、前記テーブル94の背面図である。前記測定器支持基板91には、
図5及び
図6(A)に示す様に、前記旋回ユニット41の回転の前記軸心43と直交して前記第1リニアガイド92の2本の進退ガイドレール92aが設置されている。又、
図5及び
図6(B)に示す様に、前記テーブル94の背面には、各前記進退ガイドレール92aと対向する位置に、前記第1リニアガイド92の前記ブロック92bがそれぞれ設置されている。
更に、前記テーブル94の背面には、
図5及び
図6(B)に示す様に、前記軸心43と直交して前記第2リニアガイド93の2本の前記進退ガイドレール93aが設置されている。又、
図5及び
図6(A)に示す様に、前記測定器支持基板91には、各前記進退ガイドレール93aと対向する位置に、前記第2リニアガイド93の前記ブロック93bがそれぞれ設置されている。
前記テーブル94は、前記リニアガイド92,93に案内されて前記測定器支持基板91上を前記軸心43と直交する方向に摺動する。又、前記テーブル94の正面で保持される前記接触測定器95も前記テーブル94と一体に移動する。該テーブル94は前記進退モータ68によりスライド移動されるが、進退移動機構については前述した前記接触式測定ヘッド42と同様であるので説明を省略する。
前記接触測定器95は、接触子95aを有し、該接触子95aが被測定物100の内壁と接触し、前記接触子95aの変位を測定する。上述した様に、前記接触測定器95の測定方向は、前記テーブル94の進退方向と平行である。即ち、前記接触測定器95は前記被測定物100の空間の半径方向に移動し、半径方向の変位を測定する。前記接触測定器95で測定された値は、ケーブル95bを介して演算手段(図示せず)に出力される。前記測定器支持基板91は、前記接触測定器95の測定方向の軸心97が前記旋回ユニット41の回転軸と直交する様に該旋回ユニット41に固着されている。
前記テーブル94の背面には、
図6(B)に示す様に、前記進退ガイドレール93aと並行して2本の該進退ガイドレール93aの間に前記リニアスケール96の前記スケール96aが設けられている。又、前記測定器支持基板91の前記スケール96aと対向する位置には、前記リニアスケール96の前記検出手段96bが設けられている。前記リニアスケール96は長さを検出する手段であり、前記スケール96aの目盛を前記検出手段96bで検出して長さを測定する。
前記演算手段は、前記接触測定器95から入力された値と、前記リニアスケール96から入力された値とに基づき、前記被測定物100の内径を求める。
上述した様に、前記第1リニアガイド92の各前記進退ガイドレール92aは、前記接触測定器95の前記軸心97を基準として左右対称な位置に設置されている。又、前記第2リニアガイド93の各前記進退ガイドレール93aは、前記接触測定器95の前記軸心97を基準として左右対称な位置に設置されている。更に、前記進退ガイドレール92aは前記測定器支持基板91に設置されているのに対し、前記進退ガイドレール93aは前記測定器支持基板91と対向する前記テーブル94に設置されている。従って、前記接触測定ヘッド42では、前記テーブル94を三次元方向で安定して支持することができる。前記接触測定器95と前記リニアスケール96とで値を正確に測定し、高精度な計測結果を得ることができる。又、該リニアスケール96は、前記リニアガイド92,93の間に設置されていることからも、安定した値を得ることができる。
上述した様に、本実施例によれば、正確な内径を高精度に測定することができる。