(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
平面視において前記入水部を含む前記構成部品の天面の周囲端部には、上方に突出する突出部が設けられており、前記突出部は前記周囲端部の所定位置に切欠部を有する、請求項1または2に記載の給湯装置。
平面視において前記入水部を含む前記構成部品の天面には、平面視で前記入水部を含む所定範囲の外周部に溝部が設けられており、さらに前記天面の周囲端部の所定位置と前記溝部とを接続する流路が設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の給湯装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような入水部からの結露水の滴下を防止するためだけのカバーを設けると、部品点数が増加する。よって、コスト面やコンパクト化の面からはこのようなカバーを必要とせずに電気部品への結露水の滴下を防止することが望ましい。
【0007】
このため、入水部の直下に電気部品以外の構成部品を配置し、入水部からの結露水を該構成部品上に滴下させて、電気部品を保護することが考えられる。ここで、入水部の直下に配置される電気部品以外の構成部品としては、一般的に上部側に配置される熱交換器、および、熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路を構成する部品が挙げられる。
【0008】
しかしながら、熱交換器、および、熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路を構成する部品の内部には燃焼ガスが存在している。この燃焼ガスが結露水によって冷却されると、燃焼ガス中に含まれる水分が凝縮することによりドレンが発生する。この発生したドレンによって、熱交換器、および、熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路を構成する部品が腐食してしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、筐体の天板に入水部を有する給湯装置において、入水部の位置を制限したり、入水部からの結露水の滴下を防止するためだけのカバーを設けたりすることを必要とせず、また構成部品を腐食させることなく、入水部からの結露水の滴下による電気部品の不具合を抑制することのできる給湯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の給湯装置は、燃焼ガスを発生させるバーナと、前記バーナで発生した前記燃焼ガスとの熱交換によって内部を流れる湯水を加熱する熱交換器と、前記バーナに空気を供給するファンと、前記バーナ、前記熱交換器および前記ファンを格納する筐体とを備える。
【0011】
本発明の給湯装置は、前記筐体の天板に入水部を有し、前記熱交換器の内部に水を供給するための給水管が前記入水部に接続されており、前記入水部が、平面視において、前記熱交換器と該熱交換器を通過した後の前記燃焼ガスの排気経路とを構成する少なくとも1つの構成部品に含まれるように配置され、前記構成部品は、前記燃焼ガスの凝縮によって生じるドレンに対して耐腐食性を有する材料からなることを特徴とする。
【0012】
このような特徴により、筐体の天板に入水部を有する給湯装置においても、入水部の位置を制限したり、入水部からの結露水の滴下を防止するためだけのカバーを設けたりすることを必要とせず、また構成部品を腐食させることなく、入水部からの結露水の滴下による電気部品の不具合を抑制することができる。
【0013】
本発明の給湯装置において、前記熱交換器は、前記燃焼ガスの潜熱を回収することで湯水を加熱可能な熱交換器(二次熱交換器)を含むことが好ましい。このような潜熱回収型の給湯装置においては、二次熱交換器内で燃焼ガス中の水蒸気が結露することによりドレンが発生するため、従来から、二次熱交換器、および、熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路の構成部品は、ドレンに対して耐腐食性を有する材料から構成されている。このため、これらの構成部品と入水部との配置を調整するだけで、従来の構成部品をそのまま適用することができる。また、二次熱交換器、および、熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路の構成部品であれば、一次熱交換器ほど高温にならないため、結露水がそれらの上に滴下した場合でも結露水の蒸発が起こりにくく、結露水の蒸発時に生じる騒音等などの不具合を抑制するができる。
【0014】
また、前記ファンは、前記熱交換器よりも前記燃焼ガスの流れ方向下流側に配置され、前記バーナ内に空気を引き込むように構成されており、前記排気経路を構成する前記構成部品が前記ファンであることが好ましい。このような排気吸引方式の給湯装置においては、通常、ファンが給湯装置の筐体内部の最も上部に配置されているため、ファンの直上に入水部を配置することにより、部品の配置設計を容易に行うことができる。
【0015】
また、平面視において前記入水部を含む前記構成部品の天面の周囲端部には、上方に突出する突出部が設けられており、前記突出部は前記周囲端部の所定位置に切欠部を有することが好ましい。これにより、入水部で生じ構成部品の天面に滴下した結露水を、天面の外周端部の望ましい所定位置から下方に流すことができる。
【0016】
また、平面視において前記入水部を含む前記構成部品の天面には、平面視で前記入水部を含む所定範囲の外周部に溝部が設けられており、さらに前記天面の周囲端部の所定位置と前記溝部とを接続する流路が設けられていることが好ましい。これにより、入水部で生じ構成部品の天面に滴下した結露水を、天面の外周端部の望ましい所定位置から下方に流すことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、筐体の天板に入水部を有する給湯装置において、入水部の位置を制限したり、入水部からの結露水の滴下を防止するためだけのカバーを設けたりすることを必要とせず、また構成部品を腐食させることなく、入水部からの結露水の滴下による電気部品の不具合を抑制することのできる給湯装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
【0020】
<実施形態1>
本発明の実施形態1における給湯装置の構成について
図1、2、4〜10を参照して説明する。
【0021】
主に
図1および
図2を参照して、本実施形態の給湯装置100は、筐体1と、バーナ2と、一次熱交換器3と、二次熱交換器4と、排気ボックス5と、ファン6と、排気管7と、ドレンタンク8と、配管10〜15とを主に有している。なお、本実施形態の給湯装置100は排気吸引燃焼方式であるため、燃焼ガスの流れの上流側から下流側に向かって、バーナ2、一次熱交換器3、二次熱交換器4およびファン6がこの順で配置されている。
【0022】
なお、本実施形態においては、ファン6が、熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に配置されてバーナ内に空気を引き込むように構成されている排気吸引方式の給湯装置について説明するが、本発明の給湯装置は、ファンが熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向上流側に配置されてバーナ内に空気を押し込むように構成されている排気押込み方式の給湯装置であってもよい。
【0023】
(バーナ)
主に
図1および
図2を参照して、バーナ2は、燃料ガスを燃焼させることにより燃焼ガスを生じさせるための装置であり、複数の炎孔部24を有する燃焼管22を含んでいる。燃焼管22にはガス供給配管10が接続されている。このガス供給配管10は燃焼管22に燃料ガスを供給するためのものである。このガス供給配管10には、たとえば電磁弁および比例弁(図示せず)が取り付けられている。また、バーナ2には、燃焼管22を収容するバーナケース21の底部の開口部21aから空気も供給される。
【0024】
燃焼管22の上方には点火プラグ2aが配置されている。この点火プラグ2aは、点火装置(イグナイタ)の作動により、燃焼管22に設けられたターゲット(図示せず)との間で点火スパークを生じさせることによって、燃焼管22の炎孔部24から噴き出された燃料空気混合気に火炎を生じさせるためのものである。バーナ2は、ガス供給配管10から供給された燃料ガスを燃焼することによって熱量を発生する(これを、燃焼動作という)。
【0025】
(一次熱交換器)
主に
図2を参照して、一次熱交換器3は顕熱回収型の熱交換器である。この一次熱交換器3は、複数の板状のフィン3bと、その複数の板状のフィン3bを貫通する伝熱管3aと、フィン3bおよび伝熱管3aを内部に収容するケース3cとを主に有している。一次熱交換器3は、バーナ2で発生する燃焼ガスとの間で熱交換を行なうものであり、具体的にはバーナ2の燃焼動作により発生した熱量によって一次熱交換器3の伝熱管3a内を流れる湯水を加熱するためのものである。
【0026】
(二次熱交換器)
主に
図2を参照して、二次熱交換器4は潜熱回収型の熱交換器である。この二次熱交換器4は、一次熱交換器3よりも燃焼ガスの流れの下流側に位置し、一次熱交換器3と互いに直列に接続されている。このように本実施形態の給湯装置100は潜熱回収型の二次熱交換器4を有しているため潜熱回収型の給湯装置となっている。
【0027】
二次熱交換器4は、ドレン排出口4aと、伝熱管4bと、側壁4cと、底壁4dと、上壁4gとを主に有している。伝熱管4bは、螺旋状に巻き回されることによって積層されている。側壁4c、底壁4dおよび上壁4gは、伝熱管4bの周囲を取り囲むように配置されている。
【0028】
二次熱交換器4においては、一次熱交換器3で熱交換された後の燃焼ガスとの熱交換によって伝熱管4b内を流れる湯水が予熱(加熱)される。この過程で燃焼ガスの温度が60℃程度まで下がることで、燃焼ガス中に含まれる水分が凝縮して潜熱を得ることができる。このように、潜熱回収型の給湯装置は、燃焼ガスの主に顕熱を回収する一次熱交換器に加え、主に潜熱を回収する二次熱交換器を具備しており、燃焼ガスに含まれる水蒸気を凝縮させて凝縮熱(潜熱)を得ることができるため、高い熱変換効率を達成することができる。
【0029】
また、二次熱交換器4で潜熱が回収されて燃焼ガス中に含まれる水分が凝縮することにより酸性のドレンが発生する。このため、二次熱交換器4、および、熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路の構成部品は、ドレンに対して耐腐食性を有する材料から構成されている。なお、本実施形態の給湯装置100において、熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路の構成部品とは、排気ボックス5、ファンケース61および排気管7である。
【0030】
ドレンに対して耐腐食性を有する材料としては、特に限定されないが、例えば、耐酸性の金属材料や樹脂材料が挙げられる。耐酸性の金属材料としては、例えば、ステンレス、チタンが挙げられる。耐酸性の樹脂材料としては、例えば、ポリフェニレンニレンサルファイド(PPS)、シンジオタクティックポリスチレン(SPS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリルスチレン(MS)樹脂、メタクリル樹脂、AS樹脂(スチレンアクリロニトリルコポリマー)、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。
【0031】
底壁4dは一次熱交換器3と二次熱交換器4との間を区画するためのものであり、一次熱交換器3の上壁でもある。この底壁4dには開口部4eが設けられており、この開口部4eにより一次熱交換器3の伝熱管3aが配置された空間と二次熱交換器4の伝熱管4bが配置された空間とが連通している。
【0032】
図2の白矢印で示すように、開口部4eを通じて燃焼ガスは一次熱交換器3から二次熱交換器4へ流れることが可能である。この実施形態では簡単化のために二次熱交換器4の底壁4dと一次熱交換器3の上壁とを共通のものとしたが、一次熱交換器3と二次熱交換器4の間に排気集合部材を接続してもよい。
【0033】
また上壁4gには開口部4hが設けられており、この開口部4hにより二次熱交換器4の伝熱管4bが配置された空間と排気ボックス5の内部空間とが連通している。
図2の白矢印で示すように、開口部4hを通じて燃焼ガスは二次熱交換器4から排気ボックス5の内部空間内へ流れることが可能である。
【0034】
ドレン排出口4aは側壁4cまたは底壁4dに設けられている。このドレン排出口4aは、側壁4c、底壁4dおよび上壁4gによって取り囲まれた空間の最も低い位置であって伝熱管4bの最下端部よりも下側に開口している。これにより二次熱交換器4で生じたドレンを、
図2において黒矢印で示すように底壁4dおよび側壁4cを伝ってドレン排出口4aに導くことが可能である。
【0035】
(排気ボックス)
主に
図2を参照して、排気ボックス5は二次熱交換器4とファン6との間の燃焼ガスの流れの経路を構成している。この排気ボックス5により、二次熱交換器4で熱交換された後の燃焼ガスをファン6へ導くことが可能である。排気ボックス5は、二次熱交換器4に取り付けられており、二次熱交換器4よりも燃焼ガスの流れの下流側に位置している。
【0036】
排気ボックス5は、ボックス本体5aと、ファン接続部5bとを主に有している。ボックス本体5aの内部空間は、二次熱交換器4の開口部4hを通じて二次熱交換器4の伝熱管4bが配置された内部空間に連通している。ファン接続部5bは、ボックス本体5aの上部から突き出すように設けられている。このファン接続部5bはたとえば筒形状を有しており、その内部空間5baはボックス本体5aの内部空間と連通している。
【0037】
(ファン)
主に
図1および
図2を参照して、ファン6は、ファンケース61と、羽根車62と、駆動源63と、回転軸64とを主に有している。駆動源63は、ファンケース61の外部に設けられており、回転軸64は、ファンケース61内に収容される羽根車62と、ファンケース61の外部に設けられる駆動源63とを連結する。これにより、羽根車62は駆動源63から駆動力を与えられることにより回転軸64を中心として回転可能である。
【0038】
ファン6は、熱交換器(一次熱交換器および二次熱交換器)よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に配置されてバーナ2内に空気を引き込むように構成されている。また、ファン6は、二次熱交換器4を経由した(二次熱交換器4で熱交換された)後の燃焼ガスを吸引して給湯装置100の外部へ排出するために、給湯装置100の外部に位置する排気管7に接続されている。排気管7は給湯装置100の外部に配置されており、かつファンケース61の外周側に接続されている。このため、羽根車62の外周側へ排出された燃焼ガスを、排気管7を通じて給湯装置100の外部へ排出することが可能である。
【0039】
このように、ファン6は、排気ボックス5および二次熱交換器4よりも燃焼ガスの流れの下流側に位置している。そして、本実施形態の給湯装置100においては、排気ボックス5、ファンケース61および排気管7が、熱交換器(二次熱交換器4)を通過した後の燃焼ガスの排気経路を構成する構成部品である。
【0040】
(ドレンタンク)
潜熱回収型の給湯装置では、二次熱交換器内で燃焼ガス中の水蒸気が結露することによりドレン(結露水)が発生する。このとき、燃焼ガスには、燃焼によって空気中の窒素と酸素とが反応することで生成する窒素酸化物や、燃焼によって燃料の硫黄分が酸素と反応することで生成する硫黄酸化物等が含まれている。このように、二次熱交換器で発生したドレンは、これら窒素酸化物や硫黄酸化物によって強酸性を呈するため、通常はドレンタンク等に配された中和剤で中和された後に、外部に排出される。
【0041】
主に
図1および
図2を参照して、本実施形態の給湯装置において、二次熱交換器4内のドレンを外部へ排出するために、二次熱交換器4のドレン排出口4aとドレンタンク8とは、配管15により接続されている。また、ドレン排出用配管14は、ドレンタンク8に接続され、かつ給湯装置100の外部に通じている。ドレンタンク8に貯留された酸性のドレンは、ドレンタンク8の内部空間内に一時的に貯留された後に、通常はドレン排出用配管14から給湯装置100の外部に排出される。
【0042】
(配管、入水部)
主に
図1および
図2を参照して、ガス供給配管10はバーナ2に接続されている。また、給水管11は二次熱交換器4の伝熱管4bの一方端に接続されており、出湯配管12は一次熱交換器3の伝熱管3aの一方端に接続されている。また、一次熱交換器3の伝熱管3aの他方端と二次熱交換器4の伝熱管4bの他方端とは接続配管13により相互に接続されている。
【0043】
そして、上記の給水管11は、筐体1の天板1aの入水部11aに接続され、外部に通じている。なお、上記のガス供給配管10および出湯配管12の各々も、たとえば給湯装置100の筐体1の上部において外部に通じている。また、バーナ2、一次熱交換器3、二次熱交換器4、排気ボックス5、ファン6、ドレンタンク8などは、筺体1内に配置されている。
【0044】
主に
図3および
図4を参照して、天板1aの入水部11aは、平面視(給湯装置の設置状態において鉛直方向から見た平面視)においてファンケース61の天面611に含まれるように配置されている。ここで、熱交換器(二次熱交換器4)を通過した後の燃焼ガスの排気経路を構成する構成部品であるファンケース61は、上記のとおり、燃焼ガスの凝縮によって生じるドレンに対して耐腐食性を有する材料から構成されている。
【0045】
なお、入水部11aの付近以外においても給水管11の表面に結露水が生じる可能性があるが、これを抑制するために、給水管11を断熱効果を有する防滴シール11bで被覆している。ここで、少なくとも給水管11の露出部分(入水部11aと防滴シール11bと間の部分)は、平面視においてファンケース61の天面611に含まれるように配置されている。従来は、給水管11で生じた結露水の滴下を防止するためには、筐体1内部の給水管11の全体を防滴シール11bで覆う必要があったが、本実施形態の給湯装置においては、給水管11の平面視において天面611に含まれる部分については防滴シール11bを省略しても、電子部品への結露水の滴下を防止することが可能である。
【0046】
図5および
図6は、本実施形態の給湯装置の変形例について、入水部11aと二次熱交換器4および排気ボックス5との配置関係を概略的に示す上面図である。本実施形態の給湯装置は、
図5および
図6に示すように、入水部11aが、平面視において排気ボックス5および二次熱交換器4(
図5)、または、二次熱交換器4(
図6)に含まれるように配置すれば、入水部11aが平面視においてファンケース61に含まれないようにファン6の配置や形状を変更してもよい。このような変更を行った場合でも、耐腐食性材料から構成される二次熱交換器4および排気ボックス5の少なくとも1つの上に、入水部11aに生じた結露水を滴下させることができるため、本実施形態と同様に、カバーを設けたりすることを必要とせず、また構成部品を腐食させることなく、入水部11aからの結露水の滴下による電気部品の不具合を抑制することができる。
【0047】
次に、本実施形態の給湯装置の作用効果について説明する。まず、本実施形態の給湯装置100は、筐体1の天板1aに入水部11aを有し、熱交換器の内部に水を供給するための給水管11が入水部11aに接続されている。そして、入水部11aが、平面視において、熱交換器と該熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路とを構成する少なくとも1つの構成部品に含まれるように配置され、該構成部品は、燃焼ガスの凝縮によって生じるドレンに対して耐腐食性を有する材料からなることを特徴とする。
【0048】
このような特徴により、特に結露水が発生しやすい入水部11aで発生した結露水を電気部品以外の構成部品上に滴下させることで、入水部11aの位置を制限したり、入水部11aからの結露水の滴下を防止するためだけのカバーを設けたりすることを必要とせず、電気部品への結露水の滴下を防止し、結露水の滴下による電気部品の不具合を抑制することができる。なお、電気部品としては、特に限定されないが、例えば、比例弁、コネクター、アクチュエータ、電線が挙げられる。
【0049】
また、結露水を滴下させる構成部品は、熱交換器と該熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路とを構成する部品であり、内部に燃焼ガスが存在する。このため、結露水の滴下によってこれらの構成部品が冷却されると、構成部品の内部にドレンが発生してしまう。発生したドレンは、強酸性を呈し、例えば、従来から潜熱回収型でない給湯装置の熱交換器等に使用されていた材料(例えば、銅)に対しては腐食性を有している。しかし、本実施形態において、結露水の滴下によってドレンが発生する構成部品は耐腐食性材料から構成されているため、構成部品の腐食は生じない。
【0050】
したがって、本実施形態の給湯装置100によれば、筐体1の天板1aに入水部11aを有する給湯装置であっても、入水部の位置を制限したり、入水部からの結露水の滴下を防止するためだけのカバーを設けたりすることを必要とせず、また構成部品を腐食させることなく、入水部11aからの結露水の滴下による電気部品の不具合を抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態の給湯装置100において、熱交換器は、燃焼ガスの潜熱を回収することで湯水を加熱可能な二次熱交換器4を含んでいる。このような潜熱回収型の給湯装置においては、通常の運転時に二次熱交換器4内でドレンが発生する。このため、従来から、二次熱交換器4、ならびに、二次熱交換器4を通過した後の燃焼ガスの排気経路を構成する排気ボックス5、ファンケース61および排気管7は、ドレンに対する耐腐食性材料から構成されている。よって、これらの構成部品と入水部11aとの配置関係を調整するだけで、従来の構成部品をそのまま適用し、これらの構成部品上に入水部11aで発生した結露水を滴下させることができる。また、二次熱交換器、および、熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路の構成部品であれば、一次熱交換器ほど高温にならないため、結露水がそれらの上に滴下した場合でも結露水の蒸発が起こりにくく、結露水の蒸発時に生じる騒音等などの不具合を抑制するができる。
【0052】
また、本実施形態の給湯装置100において、ファン6は、熱交換器(二次熱交換器4)よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に配置され、バーナ2内に空気を引き込むように構成されており、このファン6が排気経路の構成部品の1つとなっている。このような排気吸引方式の給湯装置においては、通常、ファン6が給湯装置100の筐体1内部の最も上部に配置されているため、ファンケース61の直上に入水部を配置することにより、部品の配置設計を容易に行うことができる。
【0053】
<実施形態2>
本実施形態における給湯装置の構成について
図7を参照して説明する。本実施形態の給湯装置は、ファンケース61の天面611の周囲端部に突出部612が設けられている点で、実施形態1とは異なる。なお、突出部612は、天面611の周囲端部の所定位置に切欠部612aを有している。それ以外の点は、実施形態1と同様であるため、重複する説明については省略する。
【0054】
上記の切欠部612aの所定位置において、ファンケース61の天面611上に滴下した結露水を下方に流すことができる。この切欠部612aの位置は、電気部品(図示せず)の直上ではないことが好ましい。ただし、この切欠部612aと電気部品との間に別の構成部品(例えば、二次熱交換器4)が介在している場合は、切欠部612aの位置が電気部品の上方であってもよい。なお、切欠部とは、突出部612がない部分であってもよく、部分的に欠けている部分や孔が設けられた部分であってもよい。
【0055】
なお、例えば、電子部品が主に筐体1の前面側に配置され、筐体1の背面および底板に近接していない場合は、筐体1の背面に近接した位置に切欠部612aを設け、ファンケース61の天面611上に滴下した結露水を筐体1の背面の内側を伝って下方に流すことが好ましい。これにより、より確実に、結露水の滴下による電気部品の不具合を抑制することができる。
【0056】
本実施形態の給湯装置によれば、入水部で生じ構成部品の天面に滴下した結露水を、天面の外周端部の望ましい所定位置から下方に流すことができ、より確実に結露水の滴下による電気部品の不具合を抑制することができる。
【0057】
<実施形態3>
本実施形態における給湯装置の構成について
図8を参照して説明する。本実施形態の給湯装置は、ファンケース61の天面611には、平面視で入水部11aを含む所定範囲613bの外周部に溝部613が設けられており、さらに天面611の周囲端部の所定位置613cと溝部613とを接続する流路613aが設けられている点で、実施形態1とは異なる。それ以外の点は、実施形態1と同様であるため、重複する説明については省略する。
【0058】
上記の所定位置613cにおいて、ファンケース61の天面611上の所定範囲613bに滴下した結露水を下方に流すことができる。この所定位置613cは、電気部品(図示せず)の直上ではないことが好ましい。ただし、この所定位置613cと電気部品との間に別の構成部品(例えば、二次熱交換器4)が介在している場合は、所定位置613cが電気部品の上方であってもよい。
【0059】
なお、例えば、電子部品が主に筐体1の前面側に配置され、筐体1の背面および底板に近接していない場合は、筐体1の背面に近接した所定位置613cに流路613aを設け、ファンケース61の天面611上の所定範囲613bに滴下した結露水を筐体1の背面の内側を伝って下方に流すことが好ましい。これにより、より確実に、結露水の滴下による電気部品の不具合を抑制することができる。
【0060】
また、本実施形態の給湯装置におけるファンケース61の天面611の形態と、実施形態2の給湯装置におけるファンケース61の天面611の形態とを組み合わせてもよい。
【0061】
本実施形態の給湯装置によれば、入水部で生じ構成部品の天面に滴下した結露水を、天面の外周端部の望ましい所定位置から下方に流すことができ、より確実に結露水の滴下による電気部品の不具合を抑制することができる。
【0062】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。