【実施例】
【0162】
合成例1.メチレンビス(メタンスルホネート)の合成
炭酸ジメチル(10mL)中、米国特許第4649209号公報記載の方法に従って合成されたメチレンビス(クロロスルフェート)〔ClSO
2OCH
2OSO
2Cl〕(1.5g, 6.1mmol)及びメタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)を55℃で3時間撹拌反応させた。反応終了後、析出したクロロスルホン酸ピリジニウム塩を濾別し、減圧濃縮して薄茶褐色固体を得た。活性炭で吸着処理した後に再結晶で精製することにより、目的物であるメチレンビス(メタンスルホネート)を収率48%(0.6g, 2.9mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 5.80 (s, 2H), 3.19 (s, 6H)
【0163】
合成例2.メチレンビス(トリフルオロメタンスルホネート)の合成
n-ヘキサン(10mL)中、ジヨードメタン(1.0g, 3.7mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸銀(2.0g, 7.8mmol)を加熱還流下で4時間反応させた。反応終了後、析出したヨウ化銀を濾別し、減圧濃縮して薄褐色オイルを得た。活性炭で吸着処理した後に活性炭を濾別し、減圧濃縮して目的物であるメチレンビス(トリフルオロメタンスルホネート)を収率76%(0.9g, 2.9mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 6.06 (s, 2H)
【0164】
合成例3.メチレンビス(エタンスルホネート)
の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりにエタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.3g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(エタンスルホネート)を収率41%(0.6g, 2.5mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 5.82 (s, 2H), 3.31-3.26 (q, 4H), 1.50-1.46 (t, 6H)
【0165】
合成例4.メチレンビス(オクタンスルホネート)
の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりにオクタンスルホン酸ピリジニウム塩(3.6g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(オクタンスルホネート)を収率35%(0.98g, 2.1mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 5.81 (s, 2H), 3.25-3.21 (m, 4H), 1.93-1.85 (m, 4H), 1.46-1.41 (m, 4H), 1.32-1.28 (m, 16H), 0.90-0.87 (t, 6H)
【0166】
合成例5.メチレンビス(ビニルスルホネート)
の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりにビニルスルホン酸ピリジニウム塩(2.2g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(ビニルスルホネート)を収率61%(0.8g, 3.7mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 6.77-6.72 (q, 2H), 6.47-6.43 (d, 2H), 6.29-6.27 (d, 2H), 5.73 (s, 2H)
【0167】
合成例6
.メチレンビス(2-ベンゾイルオキシエタンスルホネート)
の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりに2-ベンゾイルオキシエタンスルホン酸ピリジニウム塩(3.7g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(
2-ベンゾイルオキシエタンスルホネート)を収率44%(1.2g, 2.6mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 8.04-8.00 (m, 4H), 7.64-7.61 (m, 2H), 7.53-7.47 (m, 4H), 5.88-5.85 (d, 2H), 4.71-4.67 (m, 4H), 3.82-3.71 (m, 4H)
【0168】
合成例7.メチレンビス(ベンジルスルホネート)
の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりにベンジルスルホン酸ピリジニウム塩(3.0g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(ベンジルスルホネート)を収率31%(0.7g, 1.9mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 7.43 (s, 10H), 5.58 (s, 2H), 4.56 (s, 4H)
【0169】
合成例8.メチレンビス(ベンゼンスルホネート)
の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりにベンゼンスルホン酸ピリジニウム塩(2.8g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(ベンゼンスルホネート)を収率58%(1.2g, 3.5mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 7.71-7.69 (m, 6H), 5.58 (s, 2H), 4.56 (s, 4H)
【0170】
合成例9.メチレンビス(4-メチルベンゼンスルホネート)
の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりに4-メチルベンゼンスルホン酸ピリジニウム塩(3.0g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(4-メチルベンゼンスルホネート)を収率53%(1.2g, 3.2mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 7.61-7.58 (d, 4H), 7.26-7.24 (d, 4H), 5.81 (s, 2H), 2.45 (s, 6H)
【0171】
合成例10.メチレンビス(2-ナフタレンスルホネート)
の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりに2-ナフタレンスルホン酸ピリジニウム塩(3.5g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(2-ナフタレンスルホネート)を収率60%(1.6g, 3.7mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 8.25 (s, 2H), 7.87-7.85 (m, 4H), 7.74-7.62 (m, 6H), 7.49-7.47 (d, 2H), 5.95 (s, 2H)
【0172】
合成例11.メチレンビス(1-ナフタレンスルホネート)
の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりに1-ナフタレンスルホン酸ピリジニウム塩(3.4g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(1-ナフタレンスルホネート)を収率46%(1.2g, 2.8mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 8.12-8.10 (m, 4H), 8.03-7.95 (m, 4H), 7.64-7.56 (m, 4H), 7.49-7.41 (t, 2H), 5.83 (s, 2H)
【0173】
合成例12.1,2-ビス(メタンスルホニルオキシ)エタン
の合成
ジクロロメタン-トルエン(1/1, 10mL)中に炭酸カリウム(6.7g, 48.5mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.3g, 2.3mmol)を懸濁させ、氷冷下でエチレングリコール(1.5g, 23.3mmol)及び塩化メタンスルホニル(5.5g, 48.0mmol)を同時に滴下した。室温で
3時間反応させた後に氷水に加えて反応を停止させ、分液した有機層を濃縮することにより目的物である1,2-ビス(メタンスルホニルオキシ)エタンを収率36%(1.8g, 8.4mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 4.42 (s, 4H), 3.07 (s, 6H)
【0174】
合成例13.1,4-ビス(メタンスルホニルオキシ)ブタン
の合成
合成例12において、エチレングリコール(1.5g, 23.3mmol)の代わりに1,4-ブタンジオール(2.1g, 23.3mmol)を使用した他は合成例
12と同様に処理して、1,4-ビス(メタンスルホニルオキシ)ブタンを収率21%(1.2g, 4.9mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 4.22 (s, 4H), 3.00 (s, 6H), 1.82(m, 4H)
【0175】
合成例14.メチレンビス(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネート)の合成
合成例8において、ベンゼンスルホン酸ピリジニウム塩(2.8g, 12.0mmol)の代わりにメシチレンスルホン酸ピリジニウム塩(151g, 0.540mol)を使用した他は合成例8と同様に処理して、メチレンビス(2,4,6-トリメチルベンゼンスルホネート)を収率11%(24.3g, 0.059mol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO) ; δ = 7.02 (s, 4H), 5.89 (s, 2H), 2.35 (s, 12H), 2.29 (s, 6H)
【0176】
合成例15.メチレンビス(4-メトキシベンゼンスルホネート)の合成
炭酸ジメチル(30mL)中、メチレンビス(クロロスルフェート)〔ClSO
2OCH
2OSO
2Cl〕(4.5g, 13mmol)及び4-メトキシベンゼンスルホン酸ピリジニウム塩(7g, 26mmol)を55℃で2時間撹拌反応させた。反応終了後、析出したクロロスルホン酸ピリジニウム塩を濾別し、水洗後に減圧濃縮して微赤色透明オイルを得た。再結晶で精製することにより、目的物であるメチレンビス(4-メトキシベンゼンスルホネート)を収率32%(1.65g, 4.2mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 7.62 (d, 4H), 6.88 (d, 4H), 5.81 (s, 2H), 3.88 (s, 6H)
【0177】
合成例16.メチレンビス(4-フェニルベンゼンスルホネート)の合成
合成例8において、ベンゼンスルホン酸ピリジニウム塩(2.8g, 12.0mmol)の代わりに4-フェニルベンゼンスルホン酸ピリジニウム塩(3.8g, 12.0mmol)を使用した他は合成例
8と同様に処理して、メチレンビス(4-フェニルベンゼンスルホネート)を収率65%(1.9g, 3.9mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO) ; δ = 7.85-7.80 (m, 8H), 7.68-7.65 (m, 4H), 7.52-7.47 (m, 6H), 6.08 (s, 2H)
【0178】
合成例17.メチレンビス
(n-ブタンスルホネート
)の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりにn-ブタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.6g, 12.0mmol)を使用
した他は合成例1と同様
に処理して、メチレンビス(n-ブタンスルホネート)を収率55%(1.0g, 3.3mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO)
; δ = 5.86 (s, 2H), 3.44-3.49 (m, 4H), 1.68-1.73 (
m, 4H), 1.37-1.44 (
m, 4H), 0.87-0.92 (t, 6H
)
【0179】
合成例18.メチレンビス
(アリルスルホネート
)の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりにアリルスルホン酸ピリジニウム塩(2.4g, 12.0mmol)を使用
した他は合成例1と同様
に処理して、メチレンビス(アリルスルホネート)を収率43%(0.7g, 2.6mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 5.93-5.82 (m, 2H), 5.76 (s, 2H), 5.55-5.49 (m, 4H), 4.06-4.04 (d, 4H)
【0180】
合成例19.メチレンビス
(2-メチルアリルスルホネート
)の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりに2-メチルアリルスルホン酸ピリジニウム塩(2.6g, 12.0mmol)を使用
した他は合成例1と同様
に処理して、メチレンビス(2-メチルアリルスルホネート)を収率35%(0.6g, 2.1mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 5.78 (s, 2H), 5.26-5.20 (d, 4H), 4.04 (s, 4H), 1.93 (s, 6H)
【0181】
合成例20.メチレンビス
(シンナミルスルホネート
)の合成
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりにシンナミルスルホン酸ピリジニウム塩(3.3g, 12.0mmol)を使用
した他は合成例1と同様
に処理して、メチレンビス(シンナミルスルホネート)を収率40%(1.0g, 2.4mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) ; δ = 7.48 (d, 4H), 7.38-7.30 (m, 6H), 6.83 (d, 2H), 6.29-6.22 (m, 2H), 5.95 (s, 2H), 4.47 (d, 4H)
【0182】
合成例21.メチレンビス
(2-チエニルスルホネート
)の合成
合成例2において、トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.0g, 7.8mmol)の代わりに2-チエニルスルホン
酸銀(2.1g, 7.8mmol)を使用した他は合成例2と同様に処理して、メチレンビス(2-チエニルスルホネート)を収率52%(0.7g, 2.0mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO) ; δ = 8.19-8.21 (m, 2H), 7.81-7.83 (m, 2H), 7.27-7.30 (m, 2H), 6.00 (s, 2H)
【0183】
実施例1.メチレンビス(4-クロロベンゼンスルホネート)
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりに4-クロロベンゼンスルホン酸ピリジニウム塩(3.3g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(4-クロロベンゼンスルホネート)を収率57%(1.3g, 3.3mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 7.68-7.60 (d, 4H), 7.53-7.48 (d, 4H), 5.88 (s, 2H)
【0184】
実施例2.メチレンビス(2,5-ジクロロベンゼンスルホネート)
合成例1において、メタンスルホン酸ピリジニウム塩(2.1g, 12.0mmol)の代わりに2,5-ジクロロベンゼンスルホン酸ピリジニウム塩(3.0g, 12.0mmol)を使用した他は合成例1と同様に処理して、メチレンビス(2,5-ジクロロベンゼンスルホネート)を収率58%(1.6g, 3.5mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 7.97-7.96 (d, 2H), 7.56-7.53 (dd, 2H), 7.48-7.46 (d, 2H), 6.00 (s, 2H)
【0185】
実施例3.メチレンビス(4-フルオロベンゼンスルホネート)
合成例2において、トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.0g, 7.8mmol)の代わりに4-フルオロベンゼンスルホン酸銀(2.2g, 7.8mmol)を使用した他は合成例2と同様に処理して、メチレンビス(4-フルオロベンゼンスルホネート)を収率34%(0.5g, 1.3mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 7.79-7.76 (d, 4H), 7.29-7.24 (d, 4H), 5.85 (s, 2H)
【0186】
実施例4.メチレンビス(2,4-ジフルオロベンゼンスルホネート)
合成例2において、トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.0g, 7.8mmol)の代わりに2,4-ジフルオロベンゼンスルホン酸銀(2.3g, 7.8mmol)を使用した他は合成例2と同様に処理して、メチレンビス(2,4-ジフルオロベンゼンスルホネート)を収率78%(1.2g, 3.0mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 7.89-7.84 (m, 2H), 7.05-6.95 (m, 4H), 5.96 (s, 2H)
【0187】
実施例5.メチレンビス(ペンタフルオロベンゼンスルホネート)
合成例2において、トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.0g, 7.8mmol)の代わりにペンタオロベンゼンスルホン酸銀(2.7g, 7.8mmol)を使用した他は合成例2と同様に処理して、メチレンビス(ペンタフルオロベンゼンスルホネート)を収率85%(1.7g, 3.3mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 6.08 (s, 2H)
【0188】
実施例6.メチレンビス(3-クロロ-4-フルオロベンゼンスルホネート)
合成例2において、トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.0g, 7.8mmol)の代わりに3-クロロ-4-フルオロベンゼンスルホン酸銀(2.4g, 7.8mmol)を使用した他は合成例2と同様に処理して、メチレンビス(3-クロロ-4-フルオロベンゼンスルホネート)を収率64%(1.1g, 2.5mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 5.90 (s, 2H), 7.28 (dd, 2H), 7.68〜7.72 (m, 2H), 7.81 (dd, 2H)
【0189】
実施例7.メチレンビス(4-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート)
合成例2において、トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.0g, 7.8mmol)の代わりに4-トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸銀(2.6g, 7.8mmol)を使用した他は合成例2と同様に処理して、メチレンビス(4-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート)を収率55%(1.0g, 2.1mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3CN) ; δ = 7.91-7.89 (d, 4H), 7.83-7.81 (d, 4H), 5.94 (s, 2H)
【0190】
実施例8.メチレンビス(3-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート)
合成例2において、トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.0g, 7.8mmol)の代わりに3-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸銀(2.6g, 7.8mmol)を使用した他は合成例2と同様に処理して、メチレンビス(3-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート)を収率45%(0.81g, 1.8mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 5.94 (s, 2H), 7.65 (t, 2H), 7.90 (d, 2H), 7.96 (d, 2H), 8.02 (s, 2H)
【0191】
実施例9.メチレンビス(2-トリフルオロメチルベンゼンスルホネート)
合成例2において、トリフルオロメタンスルホン酸銀(2.0g, 7.8mmol)の代わりに2- (トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸銀(2.6g, 7.8mmol)を使用した他は合成例2と同様に処理して、メチレンビス(2-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホネート)を収率39%(0.71g, 1.5mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl
3) ; δ = 5.94 (s, 2H), 7.71〜7.85 (m, 6H), 8.15 (d, 2H)
【0192】
実施例10.メチレンビス(ピリジニウムメタンスルホネート)
【0193】
合成例1で得られたメチレンビス(メタンスルホネート)(1.0g, 4.9mmol)とピリジン(0.78g, 9.8mmol)を混合し、80℃で2時間撹拌させた。反応後、メタノールで溶解してからアセトンを加えて晶析させ、目的のメチレンビス(ピリジニウムメタンスルホネート)を収率82%(1.5g, 4.0mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 9.44-9.43 (d, 4H), 8.86-8.81 (t, 2H), 8.34-8.30 (m, 4H), 7.39 (s, 2H)
【0194】
実施例11.メチレンビス(ピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート)
【0195】
実施例10において、メチレンビス(メタンスルホネート)(1.0g, 4.9mmol)の代わりに合成例2で得られたメチレンビス(トリフルオロメタンスルホネート)(1.5g, 4.9mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、メチレンビス(ピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート)を収率79%(1.8g, 3.9mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (acetone-d
6) ; δ = 9.78-9.76 (d, 4H), 9.01-8.97 (t, 2H), 8.50-8.46 (m, 4H), 7.79 (s, 2H)
【0196】
実施例12.メチレンビス(ピリジニウムエタンスルホネート)
【0197】
実施例10において、メチレンビス(メタンスルホネート)(1.0g, 4.9mmol)の代わりに合成例3で得られたメチレンビス(エタンスルホネート)(1.1g, 4.9mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、メチレンビス(ピリジニウムエタンスルホネート)を収率73%(1.4g, 3.6mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 9.44-9.42 (d, 4H), 8.86-8.82 (t, 2H), 8.34-8.31 (m, 4H), 7.39 (s, 2H)
【0198】
実施例13.メチレンビス(ピリジニウムベンジルスルホネート)
【0199】
実施例10において、メチレンビス(メタンスルホネート)(1.0g, 4.9mmol)の代わりに合成例7で得られたメチレンビス(ベンジルスルホネート)(1.4g, 4.9mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、メチレンビス(ピリジニウムベンジルスルホネート)を収率68%(1.5g, 3.3mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 9.29-9.28 (d, 4H), 8.78-8.74 (t, 2H), 8.21-8.18 (t, 4H), 7.41-7.40 (d, 4H), 7.30-7.22 (m, 8H), 4.05 (s, 4H)
【0200】
実施例14.メチレンビス(ピリジニウム4-メチルベンゼンスルホネート)
【0201】
実施例10において、メチレンビス(メタンスルホネート)(1.0g, 4.9mmol)の代わりに合成例9で得られたメチレンビス(4-メチルベンゼンスルホネート)(1.8g, 4.9mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、メチレンビス(ピリジニウム4-メチルベンゼンスルホネート)を収率67%(1.7g, 3.3mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 9.41-9.40 (d, 4H), 8.81-8.79 (t, 2H), 8.28-8.26 (t, 4H), 7.68-7.66 (d, 4H), 7.38 (s, 2H), 7.24-7.22 (d, 4H), 2.36 (s, 6H)
【0202】
実施例15.メチレンビス(ピリジニウム2-ナフタレンスルホネート)
【0203】
実施例10において、メチレンビス(メタンスルホネート)(1.0g, 4.9mmol)の代わりに合成例10で得られたメチレンビス(2-ナフタレンスルホネート)(2.1g, 4.9mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、メチレンビス(ピリジニウム2-ナフタレンスルホネート)を収率72%(2.0g, 3.4mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (acetone-d
6) ; δ = 9.79-9.78 (d, 4H), 8.89-8.86 (t,2H), 8.40-8.36 (t, 4H), 8.33 (s, 2H), 7.98-7.91 (m, 8H), 7.79 (s, 2H), 7.57-7.55 (m, 4H)
【0204】
実施例16.エチレンビス(ピリジニウムメタンスルホネート)
【0205】
実施例10において、メチレンビス(メタンスルホネート)(1.0g, 4.9mmol)の代わりに合成例12で得られた1,2-ビス(メタンスルホニルオキシ)エタン(1.1g, 4.9mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、エチレンビス(ピリジニウムメタンスルホネート)を収率69%(1.3g, 3.4mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 9.02-9.01 (d, 4H), 8.67-8.65 (t, 2H), 8.18-8.17 (t, 4h), 5.01 (s, 4H), 2.69 (s, 6H)
【0206】
実施例17.テトラメチレンビス(ピリジニウムメタンスルホネート)
【0207】
実施例10において、メチレンビス(メタンスルホネート)(1.0g, 4.9mmol)の代わりに合成例13で得られた1,4-ビス(メタンスルホニルオキシ)ブタン(1.2g, 4.9mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、テトラメチレンビス(ピリジニウムメタンスルホネート)を収率68%(1.3g, 3.3mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 9.02-9.01 (d, 4H), 8.60-8.59 (t, 2H), 8.13-8.12 (t, 4H), 4.72 (s, 4H), 2.70 (s, 6H), 2.14 (s, 4H)
【0208】
実施例18.メチレンビス(3-メチルピリジニウムメタンスルホネート)
【0209】
実施例10において、ピリジン(0.78g, 9.8mmol)の代わりに3-メチルピリジン(0.91g, 9.8mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、メチレンビス(3-メチルピリジニウムメタンスルホネート)を収率77%(1.5g, 3.8mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 9.27 (s, 2H), 9.23-9.22 (m, 2H), 8.67-8.85 (m, 2H), 8.20-8,17 (m, 2H), 2.69 (s, 6H), 2.64 (s, 6H)
【0210】
実施例19.メチレンビス(3,5-ジメチルピリジニウムメタンスルホネート)
【0211】
実施例10において、ピリジン(0.78g, 9.8mmol)の代わりに3,5-ジメチルピリジン(1.05g, 9.8mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、メチレンビス(3,5-ジメチルピリジニウムメタンスルホネート)を収率85%(1.7g, 4.2mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 9.09 (s, 4H), 8.49 (s, 2H), 7.15 (s, 2H), 2.67 (s, 6H)
【0212】
実施例20.メチレンビス(1-メチルイミダゾリウムメタンスルホネート)
【0213】
実施例10において、ピリジン(0.78g, 9.8mmol)の代わりに1-メチルイミダゾール(0.81g, 9.8mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、メチレンビス(1-メチルイミダゾリウムメタンスルホネート)を収率84%(1.5g, 4.1mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 9.35 (s, 2H), 7.92 (s, 2H), 7.70 (s, 2H), 6.70 (s, 2H), 3.98 (s, 6H), 2.70 (s, 6H)
【0214】
実施例21.メチレンビス(1,2-ジメチルイミダゾリウムメタンスルホネート)
【0215】
実施例10において、ピリジン(0.78g, 9.8mmol)の代わりに1,2-ジメチルイミダゾール(0.94g, 9.8mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、メチレンビス(1,2-ジメチルイミダゾリウムメタンスルホネート)を収率88%(1.7g, 4.3mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 7.73 (s, 2H), 7.62 (s, 2H), 6.61 (s, 2H), 3.87 (s, 6H), 2.79 (s, 6H), 2.66 (s, 6H)
【0216】
実施例22.メチレンビス(3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート)
【0217】
実施例18において、メチレンビス(メタンスルホネート)(1.0g, 4.9mmol)の代わりにメチレンビス(トリフルオロメタンスルホネート)(1.5g, 4.9mmol)を使用した他は実施例18と同様に処理して、メチレンビス(3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート)を収率68%(1.7g, 3.3mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 9.21-9.16 (d, 4H), 8.65 (s, 2H), 8.17 (s, 2H), 7.22 (s, 2H), 2.63 (s, 6H)
【0218】
実施例23.メチレンビス(トリブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート)
【0219】
※Bu=n-ブチル基
実施例10において、メチレンビス(メタンスルホネート)(1.0g, 4.9mmol)の代わりにメチレンビス(トリフルオロメタンスルホネート)(1.5g, 4.9mmol)、ピリジン(0.78g, 9.8mmol)の代わりにトリブチルアミン(1.82g, 9.8mmol)を使用した他は実施例10と同様に処理して、メチレンビス(トリブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート)を収率77%(2.6g, 3.8mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 5.84 (s, 2H), 3.46-3.42 (m, 8H), 3.14-3.10 (m, 4H), 1.74-1.65 (m, 12H), 1.45-1.40 (m, 12H), 1.05-0.99 (m, 18H)
【0220】
実施例24.エチレンビス(3-メチルピリジニウムメタンスルホネート)
【0221】
実施例16において、ピリジン(0.78g, 9.8mmol)の代わりに3-メチルピリジン(0.91g, 9.8mmol)を使用した他は実施例16と同様に処理して、エチレンビス(3-メチルピリジニウムメタンスルホネート)を収率76%(1.5g, 3.7mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 8.95-8.92 (d, 2H), 8.79-8.75 (d, 2H), 8.54-8.52 (d, 2H), 8.06-8.02 (t, 2H), 5.24 (s, 4H), 2.70 (s, 6H), 2.60 (s, 6H)
【0222】
実施例25.テトラメチレンビス(3-メチルピリジニウムメタンスルホネート)
【0223】
実施例17において、ピリジン(0.78g, 9.8mmol)の代わりに3-メチルピリジン(0.91g, 9.8mmol)を使用した他は実施例17と同様に処理して、テトラメチレンビス(3-メチルピリジニウムメタンスルホネート)を収率69%(1.5g, 3.4mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 8.89 (s, 2H), 8.83-8.81 (d, 2H), 8.44-8.42 (d, 2H), 8.01-7.98 (t, 2H), 4.66 (s, 4H), 2.70 (s, 6H), 2.58 (s, 6H), 2.12 (s, 4H)
【0224】
実施例26.テトラメチレンビス(3,5-ジメチルピリジニウムメタンスルホネート)
【0225】
実施例17において、ピリジン(0.78g, 9.8mmol)の代わりに3,5-ジメチルピリジン(1.05g, 9.8mmol)を使用した他は実施例17と同様に処理して、テトラメチレンビス(3,5-ジメチルピリジニウムメタンスルホネート)を収率67%(1.5g, 3.3mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 8.69 (s, 4H), 8.26 (s, 2H), 4.60 (m, 4H), 2.69 (s, 6H), 2.53 (s, 12H), 2.10-2.09 (m, 4H)
【0226】
実施例27.テトラメチレンビス(1-メチルイミダゾリウムメタンスルホネート)
【0227】
実施例17において、ピリジン(0.78g, 9.8mmol)の代わりに1-メチルイミダゾール(0.80g, 9.8mmol)を使用した他は実施例17と同様に処理して、テトラメチレンビス(1-メチルイミダゾリウムメタンスルホネート)を収率80%(1.6g, 3.9mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (CD
3OD) ; δ = 8.93 (s, 2H), 7.61 (s, 2H), 7.53 (s, 2H), 4.25 (s, 4H), 3.89 (s, 6H), 2.65 (s, 6H), 1.91-1.89 (t, 4H)
【0228】
比較例1.従来法によるメチレンビス(ピリジニウムブロマイド)の合成
【0229】
ジブロモメタン(0.85g, 4.9mmol)とピリジン(0.78g, 9.8mmol)を混合し、80℃で4時間撹拌させた。反応後、メタノールで溶解してからアセトンを加えて晶析させ、目的のメチレンビス(ピリジニウムブロマイド)を収率29%(0.5g, 1.4mmol)で得た。
1H NMRの測定結果を以下に示す。
1H NMR (D
2O) ; δ = 9.23-9.21 (d, 4H), 8.74-8.70 (t, 2H), 8.21-8.17 (t, 4H), 7.33 (s, 2H)
【0230】
実施例1〜実施例27と比較例1の結果から明らかなように、従来法では目的物であるビス第4級アンモニウム塩を、長い反応時間でも低い収率でしか得られない(比較例1)のに対して、本願の方法では短い反応時間でありながら高い収率で得ることができる。
【0231】
実験例1.実施例1の化合物を用いたサイクリックボルタンメトリ測定
(1)電解液1の調製
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との等体積混合溶媒(EC/DEC=1/1)中に、リチウム塩としてLiPF
6を1モル/Lとなるように溶解させた(基準電解液)。得られた基準電解液に、実施例1の化合物を電解液全量に対して1重量%になるように夫々添加した(電解液1)。
【0232】
(2)サクリックボルタンメトリ(CV)測定
作用極としてBAS社製GCEグラッシーカーボン(0.07cm
2)を、参照極としてLi金属(0.5cm
2)を用いて、Li金属(3.75cm
2)を対極とした3極式ビーカーセルに電解液1を入れて、北斗電工社製HZ−3000で測定した。自然電位の3Vから0Vにかけて掃引速度5mv/sで2回掃引して、サイクリックボルタモグラムを作製した。
このサイクリックボルタモグラムに基づいて、電解液に於いて、添加剤の還元分解に起因する電流が観測された電位を求めた。その結果を表1に示す。
【0233】
実験例2〜9.
電解液の添加剤として実施例1の化合物の代わりに、実施例2〜9の化合物を用いた以外は、実験例1と同様の操作を行うことにより、各電解液2〜9を調製した。これを用いてCV測定により、添加剤の還元分解に起因する電流が観測された電位を求めた。その結果を表1に併せて示す。
また、実験例7(実施例7の化合物を用いた場合)のサイクリックボルタモグラムを
図1に示す。
【0234】
比較例2〜6.
電解液の添加剤として実施例1の化合物の代わりに、合成例1〜3、9及び12
の化合物を用いた以外は、実験例1と同様の操作を行うことにより、電解液を調製した。これを用いてCV測定により、添加剤の還元分解に起因する電流が観測された電位を求めた。その結果を表1に併せて示す。
【0235】
【表1】
【0236】
表1の実施例1〜9の結果から明らかなように、新規物質である一般式[1’]で示されるジスルホン酸エステルを添加剤として含有する電解液では、何れも1.6Vより貴な電位に添加剤の還元分解に起因する電流が観測された。
尚、還元側の測定は、貴な電位から卑な電位に向けて掃引して測定されるため、数値が大きいほど少ない電荷消費量で還元分解が進行することを意味している。
つまり、一般式[1’]で示されるジスルホン酸エステルは、比較化合物(合成例1〜3、9及び12の化合物)に比べて、少ない電荷消費量で還元分解することが判る。
【0237】
また、
図1の結果から明らかなように、2回目の掃引では、1回目の掃引で観測された添加剤の還元ピーク(1.8V)と電解液の還元ピーク(0.4V以下)が共に観測されないことから、添加剤(実施例7の化合物)の還元分解によって不働態皮膜が生成し、電解液の還元が抑制されていることが判った。
即ち、本発明のジスルホン酸エステルを添加剤として用いた電解液では、これと類似構造を示す比較化合物を添加剤として含有するものに比べて、少ない電荷消費量で添加剤が還元分解され、負極上に不働態皮膜を生成するのである。
【0238】
このように、本発明のジスルホン酸エステルを添加剤として含有する電解液をリチウム二次電池に用いた場合、少ない電荷消費量で安定な不動態皮膜を生成するため、サイクル特性に優れ、且つ、不可逆容量が小さく、充放電容量の大きい電池を提供することができる。