(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ドレン貯留部は、前記他方の端部側から前記一方の端部側に向けて流路が縮小する縮小部を有するように構成されており、前記流量制御弁は前記縮小部において前記ドレン排出管内の流路を前記閉じた状態とできるように配置されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の給湯装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、排気吸引方式の潜熱回収型の給湯装置では、ファンにより燃焼ガスを吸引して給湯装置の外部に排出するため、熱交換器内が負圧になる。熱交換器内が負圧になると、熱交換器に接続されたドレン排出管を介して、給湯装置が設置された空間内の空気が熱交換器内に吸引される可能性がある。このため、ドレン排出管内においてドレンの排出方向と逆方向に大量の空気が流れると、熱交換器からのドレンの排出が阻害される恐れがあった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ドレン排出管からの空気の吸引を制限し、ドレン排出管を介してドレンを確実に排出することが可能な、排気吸引方式の潜熱回収型の給湯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の給湯装置は、燃焼ガスの潜熱を回収することで湯水を加熱可能な潜熱回収型の給湯装置であって、燃焼ガスを発生させるバーナと、バーナで発生した燃焼ガスとの熱交換によって内部を流れる湯水を加熱する熱交換器と、熱交換器を経由した後の燃焼ガスを吸引して給湯装置の外部へ排出するファンと、熱交換器に一方の端部が接続され、かつ他方の端部が給湯装置の外部に接続されており、熱交換器内で発生したドレンを給湯装置の外部へ排出するためのドレン排出管とを備える。
【0009】
さらに、本発明の給湯装置は、ドレン排出管の途中に設けられた流量制御弁を備えている。この流量制御弁は、ドレン排出管内の流路を開いた状態と閉じた状態との間で移動可能であり、閉じた状態においては、開いた状態よりも少ない流量となるように、他方の端部から一方の端部へ流入する空気の流量を制限する。
【0010】
本発明の給湯装置においては、このような流路制御弁によって、ドレン排出管内におけるドレンの排出方向と逆方向の空気の流れ(空気の逆流)の流量を制限することで、ドレン排出管を介してドレンを確実に排出することができる。また、空気の通過を完全には遮断しないため、熱交換器の負圧による弁の吸引に起因する弁固着が生じ難くなり、もし弁固着が生じた場合でも、ドレン排出管内の流路が完全に閉塞されることを防止できる。
【0011】
上記の給湯装置において、ドレン排出管の途中には、ドレン貯留部が形成されており、流量制御弁は、ドレン貯留部内に設けられた、ドレンに対して浮くフロート式の弁である。この場合、熱交換器から排出されるドレンに対しては、フロート式の弁が浮くことで、ドレン排出管内の流路をより確実に開放することができる。
【0012】
上記の給湯装置において、フロート式の弁は、球形状である。この場合、フロート式の弁が回転しても、安定的にドレン排出管からの空気の吸引を制限することができる。
【0013】
上記の給湯装置において、フロート式の弁は、内部に空洞を有し、空洞に連通する複数の貫通孔を有している。貫通孔を有していることにより、熱交換器内が負圧になったときでもドレン排出管内の流路が完全には閉塞されない。このため、ドレン排出管からの空気の吸引を制限しつつ、弁固着が生じ難くなり、もし弁固着が生じた場合でも、ドレン排出管内の流路が完全に閉塞されることを防止することができる。
【0014】
上記のフロート式の弁を備える給湯装置において、他方の端部側(外部側)から一方の端部側(熱交換器側)に向けて流路が縮小する縮小部を有するように構成されており、流量制御弁は縮小部においてドレン排出管内の流路を閉じた状態とできるように配置されている。この場合、ドレンが排出されるときは、ドレン貯留部内に溜まったドレンによってフロート式の弁が浮くことで、一方の端部側(熱交換器側)から遠ざかり、ドレン排出管内の流路が開放される。一方で、ドレン貯留部内にドレンが溜まっていない状態で、熱交換器内が負圧になったときには、フロート式の弁が一方の端部側(熱交換器側)に吸い寄せられることで、ドレン排出管内の流路が狭められ、ドレン排出管からの空気の吸引を制限することができる。
【0015】
上記のフロート式の弁を備える給湯装置において、縮小部の内面に流量制御弁が当接したときに、縮小部の内面と流量制御弁との間に隙間を形成するための溝部または突起部が、縮小部の内面に形成されている。溝部または突起部が形成されていることにより、熱交換器内が負圧になったときでもドレン排出管内の流路が完全には閉塞されない。このため、ドレン排出管からの空気の吸引を制限しつつ、弁固着が生じ難くなり、もし弁固着が生じた場合でも、ドレン排出管内の流路が完全に閉塞されることを防止できる。
【0016】
上記のフロート式の弁を備える給湯装置において、ドレン排出管は、ドレンによって水封される水封構造を有している。この場合、ドレン排出管が水封されるまでの期間においては、流量制御弁によってドレン排出管からの空気の吸引を制限することができ、ドレン排出管が水封された後は、水封構造によって確実にドレン排出管からの空気の吸引を阻止することができるため、より確実にドレン排出管を介してドレンを排出することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ドレン排出管からの空気の吸引を制限し、ドレン排出管を介してドレンを確実に排出することが可能な、排気吸引方式の潜熱回収型の給湯装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図に基づいて説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
【0020】
<実施形態1>
本発明の実施形態1における給湯装置の構成について
図1〜
図4を参照して説明する。
【0021】
まず、主に
図1および
図2を参照して、本実施形態の給湯装置100の全体的構成について先に説明し、特徴的部分であるドレン排出管については後述する。
【0022】
本実施形態の給湯装置100は、排気吸引方式の潜熱回収型の給湯装置である。この給湯装置100は、筐体1と、バーナ2と、一次熱交換器3と、二次熱交換器4と、排気ボックス5と、ファン6と、排気管7と、ドレン貯留部8と、配管9〜15とを主に有している。なお、本実施形態の給湯装置100は排気吸引方式であるため、燃焼ガスの流れの上流側から下流側に向かって、バーナ2、一次熱交換器3、二次熱交換器4およびファン6がこの順で配置されている。
【0023】
主に
図1および
図2を参照して、バーナ2は、燃料ガスを燃焼させることにより燃焼ガスを生じさせるための装置であり、複数の炎孔部24を有する燃焼管22を含んでいる。燃焼管22にはガス供給配管10が接続されている。このガス供給配管10は燃焼管22に燃料ガスを供給するためのものである。このガス供給配管10には、たとえば電磁弁および比例弁(図示せず)が取り付けられている。また、バーナ2には、燃焼管22を収容するバーナケース21の底部の開口部21aから空気も供給される。
【0024】
燃焼管22の上方には点火プラグ2aが配置されている。この点火プラグ2aは、点火装置(イグナイタ)の作動により、燃焼管22に設けられたターゲット(図示せず)との間で点火スパークを生じさせることによって、燃焼管22の炎孔部24から噴き出された燃料空気混合気に火炎を生じさせるためのものである。バーナ2は、ガス供給配管10から供給された燃料ガスを燃焼することによって熱量を発生する(これを、燃焼動作という)。
【0025】
なお、
図2を参照して、この給湯装置100においては、給湯装置100の周囲の空気がバーナケース21の底板に設けられた開口部21aを通じてバーナケース21内に取り込まれる。バーナケース21内に入った空気の一部は、一次空気として燃料ガスと混合され、燃料空気混合気として燃焼管22内に供給される。またバーナケース21内に入った空気の残りの部分は、空気の通路と燃焼管22の格納部とを仕切る仕切り板21bに設けられた貫通孔21cから燃焼管22の格納部へ二次空気として供給される。
【0026】
主に
図2を参照して、一次熱交換器3は顕熱回収型の熱交換器である。この一次熱交換器3は、複数の板状のフィン3bと、その複数の板状のフィン3bを貫通する伝熱管3aと、フィン3bおよび伝熱管3aを内部に収容するケース3cとを主に有している。一次熱交換器3は、バーナ2で発生する燃焼ガスとの間で熱交換を行なうものであり、具体的にはバーナ2の燃焼動作により発生した熱量によって一次熱交換器3の伝熱管3a内を流れる湯水を加熱するためのものである。
【0027】
主に
図2を参照して、二次熱交換器4は潜熱回収型の熱交換器である。この二次熱交換器4は、一次熱交換器3よりも燃焼ガスの流れの下流側に位置し、一次熱交換器3と互いに直列に接続されている。このように本実施形態の給湯装置100は潜熱回収型の二次熱交換器4を有しているため潜熱回収型の給湯装置となっている。
【0028】
二次熱交換器4は、ドレン排出口4aと、伝熱管4bと、側壁4cと、底壁4dと、上壁4gとを主に有している。伝熱管4bは、螺旋状に巻き回されることによって積層されている。側壁4c、底壁4dおよび上壁4gは、伝熱管4bの周囲を取り囲むように配置されている。
【0029】
二次熱交換器4においては、一次熱交換器3で熱交換された後の燃焼ガスとの熱交換によって伝熱管4b内を流れる湯水が予熱(加熱)される。この過程で燃焼ガスの温度が60℃程度まで下がることで、燃焼ガス中に含まれる水分が凝縮して潜熱を得ることができる。また二次熱交換器4で潜熱が回収されて燃焼ガス中に含まれる水分が凝縮することによりドレンが発生する。
【0030】
底壁4dは一次熱交換器3と二次熱交換器4との間を区画するためのものであり、一次熱交換器3の上壁でもある。この底壁4dには開口部4eが設けられており、この開口部4eにより一次熱交換器3の伝熱管3aが配置された空間と二次熱交換器4の伝熱管4bが配置された空間とが連通している。
【0031】
図2の白矢印で示すように、開口部4eを通じて燃焼ガスは一次熱交換器3から二次熱交換器4へ流れることが可能である。この実施形態では簡単化のために二次熱交換器4の底壁4dと一次熱交換器3の上壁とを共通のものとしたが、一次熱交換器3と二次熱交換器4の間に排気集合部材を接続してもよい。
【0032】
また上壁4gには開口部4hが設けられており、この開口部4hにより二次熱交換器4の伝熱管4bが配置された空間と排気ボックス5の内部空間とが連通している。
図2の白矢印で示すように、開口部4hを通じて燃焼ガスは二次熱交換器4から排気ボックス5の内部空間内へ流れることが可能である。
【0033】
ドレン排出口4aは側壁4cまたは底壁4dに設けられている。このドレン排出口4aは、側壁4c、底壁4dおよび上壁4gによって取り囲まれた空間の最も低い位置(給湯装置の設置状態において鉛直方向の最も下側の位置)であって伝熱管4bの最下端部よりも下側に開口している。これにより二次熱交換器4で生じたドレンを、
図2において黒矢印で示すように底壁4dおよび側壁4cを伝ってドレン排出口4aに導くことが可能である。
【0034】
主に
図2を参照して、排気ボックス5は二次熱交換器4とファン6との間の燃焼ガスの流れの経路を構成している。この排気ボックス5により、二次熱交換器4で熱交換された後の燃焼ガスをファン6へ導くことが可能である。排気ボックス5は、二次熱交換器4に取り付けられており、二次熱交換器4よりも燃焼ガスの流れの下流側に位置している。
【0035】
排気ボックス5は、ボックス本体5aと、ファン接続部5bとを主に有している。ボックス本体5aの内部空間は、二次熱交換器4の開口部4hを通じて二次熱交換器4の伝熱管4bが配置された内部空間に連通している。ファン接続部5bは、ボックス本体5aの上部から突き出すように設けられている。このファン接続部5bはたとえば筒形状を有しており、その内部空間5baはボックス本体5aの内部空間と連通している。
【0036】
主に
図1および
図2を参照して、ファン6は、ファンケース61と、羽根車62と、駆動源63と、回転軸64とを主に有している。駆動源63は、ファンケース61の外部に設けられており、回転軸64は、ファンケース61内に収容される羽根車62と、ファンケース61の外部に設けられる駆動源63とを連結する。これにより、羽根車62は駆動源63から駆動力を与えられることにより回転軸64を中心として回転可能である。
【0037】
ファン6は、熱交換器(1次熱交換器および2次熱交換器)よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に配置されてバーナ2内に空気を引き込むように構成されている。また、ファン6は、二次熱交換器4を経由した(二次熱交換器4で熱交換された)後の燃焼ガスを吸引して給湯装置100の外部へ排出するために、給湯装置100の外部に位置する排気管7に接続されている。排気管7は給湯装置100の外部に配置されており、かつファンケース61の外周側に接続されている。このため、羽根車62の外周側へ排出された燃焼ガスを、排気管7を通じて給湯装置100の外部へ排出することが可能である。
【0038】
このように、ファン6は、排気ボックス5および二次熱交換器4よりも燃焼ガスの流れの下流側に位置している。つまり給湯装置100においては、バーナ2で生じた燃焼ガスの流れの上流側から下流側に沿って、バーナ2、一次熱交換器3、二次熱交換器4、排気ボックス5およびファン6の順で並んでいる。この配置において上記のとおりファン6で燃焼ガスを吸引して排気するため、本実施形態の給湯装置100は排気吸引方式の給湯装置となっている。
【0039】
主に
図1および
図2を参照して、給水配管11は二次熱交換器4の伝熱管4bの一方端に接続されており、出湯配管12は一次熱交換器3の伝熱管3aの一方端に接続されている。また、一次熱交換器3の伝熱管3aの他方端と二次熱交換器4の伝熱管4bの他方端とは接続配管13により相互に接続されている。上記のガス供給配管10、給水配管11および出湯配管12の各々は、たとえば給湯装置100の上部において外部に通じている。またバーナ2、一次熱交換器3、二次熱交換器4、排気ボックス5、ファン6、ドレン貯留部8などは、筺体1内に配置されている。
【0040】
主に
図1を参照して、ガス供給配管10はバーナ2に接続されている。給水配管11は二次熱交換器4の伝熱管4b(
図2参照)に接続されており、出湯配管12は一次熱交換器3の伝熱管3a(
図2参照)に接続されている。また、一次熱交換器3の伝熱管3aと二次熱交換器4の伝熱管4bとは接続配管13により相互に接続されている。上記のガス供給配管10、給水配管11および出湯配管12の各々は、たとえば給湯装置100の上部において外部に通じている。
【0041】
(ドレン排出管)
主に
図3、
図4および
図1を参照して、本実施形態の給湯装置におけるドレン排出管について説明する。
【0042】
ドレン排出管は、流入側配管9、ドレン貯留部8および排出側配管14から構成される。ドレン排出管の一方の端部(流入側配管9)は、二次熱交換器4のドレン排出口4aに接続されている。ドレン排出管の他方の端部(排出側配管14)は、給湯装置100の外部に通じている。このような構成を有するドレン排出管によって、熱交換器内で発生したドレンを給湯装置の外部へ排出することができる。なお、
図3における矢印の方向は、ドレンの排出方向を示す。
【0043】
ドレン貯留部8は、二次熱交換器4で生じたドレンを一時的に貯留するための内部空間8aを有している。このドレン貯留部8は、主に内部空間8aを取り囲む壁部80から構成される。壁部80は、流入側配管9と連通する開口部であるドレン導入部8bと、排出側配管14と連通する開口部であるドレン排出部8cとを有している。
【0044】
そして、ドレン貯留部8の内部空間8a内には、フロート式の弁81(流量制御弁)が設けられている。フロート式の弁81は、ドレンに対して浮くものである。具体的に、フロート式の弁81は、
図4に示されるように、球形状であり、内部に空洞を有し、その空洞に連通する複数の貫通孔81aを有している。
【0045】
このようなフロート式の弁81は、ドレンによりも比重の小さい材質から構成されていることにより、ドレンに対して浮くことができる。ただし、本発明に用いられる流量制御弁は、必ずしもドレンに対して浮くものである必要はなく、ドレンの圧力等によってドレン排出管内の流路を開いた状態(開弁状態)となるものであれば、フロート式以外の弁を用いることもできる。
【0046】
このフロート式の弁81(流量制御弁)は、熱交換器(ドレン排出管の一方の端部)から排出されるドレンに対しては、開弁状態となることでドレンの通過を許可する。すなわち、フロート式の弁81はドレンに対して浮くため、ドレン貯留部8内部空間8a内にドレンが貯留されることで、フロート式の弁81は
図3に実線で示すようにドレン導入部8bから離れた状態となり、ドレン排出管内の流路を開いた状態(開弁状態)となる。したがって、フロート式の弁81は、基本的にドレンの排出を阻害しない。
【0047】
一方で、フロート式の弁81は、排出側配管14(ドレン排出管の他方の端部)から吸い込まれた空気に対しては、ドレン排出管内の流路を閉じた状態(閉弁状態)となることで、他方の端部(外部側)から一方の端部(熱交換器側)へ流入する空気の流量を、開弁状態よりも少ない流量に制限することができる。なお、空気の流量を「制限する」とは、空気の流量を低減させることを意味するが、空気の流れを完全に閉止することは含まれない。
【0048】
そして、排出側配管14から空気が吸い込まれた場合(
図3に示す矢印と逆方向)、上記のフロート式の弁81が、吸い込まれた空気と共にドレン導入部8b(熱交換器側)に吸い寄せられ、
図3に点線で示すように縮小部801に当接する。ただし、フロート式の弁81に設けられた貫通孔81aによって、ドレン導入部8bは部分的に空気が通過可能である。このようにして、部分的に空気が通過可能なように、ドレン排出管の流路が閉じた状態となる。
【0049】
これにより、ドレン排出管内の空気の通過(逆流)を、開弁状態において通過可能な空気の流量よりも少ない流量に制限することができる。したがって、空気の逆流によってドレンの排出が阻害されにくくなるため、ドレン排出管を介してドレンを確実に排出することが可能となる。
【0050】
また、ドレン導入部8bがフロート式の弁81によって完全に閉塞される状態になると、フロート式の弁81が強い吸引力でドレン導入部8bに嵌入し、フロート式の弁81がドレン導入部8bから外れなくなることによる弁固着が生じる恐れがある。これに対して、本実施形態では、フロート式の弁81の貫通孔81aによって部分的に空気が通過可能であるため、熱交換器の負圧による吸引力が低減され、このような強い吸引力による弁固着が生じ難くなる。
【0051】
さらに、異物等の介在や材質の劣化等によって、フロート式の弁81とドレン導入部8b周囲のドレン貯留部8の壁部80(縮小部801)と固着することによる弁固着が生じる恐れもある。本実施形態においては、もしこのような弁固着が生じた場合でも、フロート式の弁81の貫通孔81aを通じてドレンを排出することができるため、完全にドレンの排出されなくなる状態を回避することができる。
【0052】
フロート式の弁81の貫通孔81aの大きさは、ドレン導入部8bより小さいことが好ましい。ドレン導入部8bよりも大きいと空気の通過を制限する効果が得られ難いためである。なお、貫通孔81aの大きさは、小さければ小さい程、空気の通過を制限する効果が得られるが、小さ過ぎると異物等によって貫通孔81aが閉塞され易くなるため、このような閉塞が生じがたい大きさにすることが望ましい。
【0053】
また、貫通孔81a同士の間隔は、ドレン導入部8bの大きさよりも短いことが好ましい。ドレン導入部8bの大きさよりも長いと、フロート式の弁81の貫通孔81a以外の部分で、ドレン導入部8bが閉塞されてしまう恐れがあるためである。
【0054】
本実施形態の給湯装置においては、ドレン貯留部8を形成する壁部80のうち、熱交換器側(ドレン導入部8b側)に位置する縮小部801は、熱交換器側に向けて流路が縮小するように構成されている。これにより、ドレンが排出されているときは、ドレン貯留部8内に溜まったドレンによってフロート式の弁81が浮くことで、熱交換器側から遠ざかり、ドレン排出管内の流路が開放される。一方で、ドレン貯留部8内にドレンが溜まっていない状態で、熱交換器内が負圧になったときには、フロート式の弁81が熱交換器側に吸い寄せられることで、ドレン排出管内の流路が狭められ、ドレン排出管からの空気の吸引(逆流)を制限することができる。
【0055】
なお、
図3に示すような構成を有するドレン排出管は、ドレンによって水封される水封構造を有している。すなわち、ドレン貯留部8の内部空間8aおよび流入側配管9内のドレン排出部8cの下端の高さまでドレンを貯留することができる。これにより、給湯装置100が設置された空間内の空気がドレン排出管を介して熱交換器(給湯装置100)内に吸引されることを防止できる。
【0056】
このように、本実施形態においては、ドレンが貯留された状態においては、ドレン排出管を介したドレンの排出が阻害されないような対策が施されている。
【0057】
しかしながら、ドレン排出管が水封構造を有する給湯装置であっても、新品の給湯装置の試運転や、長期間使用されていなかった給湯装置、メンテナンスや凍結防止のためにドレンを抜き取った給湯装置などの再稼働の際には、稼働開始からドレン排出管が水封されるまでの間において、大量の空気がドレン排出管から吸引される可能性がある。
【0058】
したがって、本実施形態において、必ずしもドレン排出管が水封構造を有する必要はないが、このようなドレン排出管が水封構造を有する給湯措置においても、本発明の流量制御弁を適用する意義がある。そして、本実施形態の流量制御弁(フロート式の弁81)とドレン排出管の水封構造とを併用することで、より確実に空気の逆流を防止し、より確実にドレンを排出することが可能となる。
【0059】
また、
図3では、
図1に示すドレン抜き用配管15等は省略しているが、ドレン貯留部8の下部にドレン抜き口を設け、ドレン抜き用配管15に接続してもよい。ドレン抜き用配管15は、通常、閉じられているが、メンテナンスや凍結防止などのために、ドレン抜き用配管15を開くことで、排出側配管14からは排出できないドレン貯留部8内のドレンを排出することができる。
【0060】
また、燃焼ガスには、燃焼によって空気中の窒素と酸素とが反応することで生成する窒素酸化物や、燃焼によって燃料の硫黄分が酸素と反応することで生成する硫黄酸化物等が含まれている。そのため、発生したドレンは、これら窒素酸化物や硫黄酸化物によって強酸性を呈する。
【0061】
このため、ドレン貯留部8の内部空間内には、酸性のドレンを中和するための中和剤が充填されていてもよい。
【0062】
また、ドレン排出管は、ドレンに対して耐腐食性を有する材料から構成されていることが好ましい。なお、熱交換器や、熱交換器を通過した後の燃焼ガスの排気経路の構成部品も、ドレンに対して耐腐食性を有する材料から構成されていることが好ましい。
【0063】
ドレンに対して耐腐食性を有する材料としては、特に限定されないが、例えば、耐酸性の金属材料や樹脂材料が挙げられる。耐酸性の金属材料としては、例えば、ステンレス、チタンが挙げられる。耐酸性の樹脂材料としては、例えば、ポリフェニレンニレンサルファイド(PPS)、シンジオタクティックポリスチレン(SPS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリ四フッ化エチレン等のフッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリルスチレン(MS)樹脂、メタクリル樹脂、AS樹脂(スチレンアクリロニトリルコポリマー)、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。
【0064】
<実施形態2>
本実施形態の給湯装置は、ドレン貯留部8の縮小部801の内面にフロート式の弁81(流量制御弁)が当接したときに、縮小部の内面と流量制御弁との間に隙間を形成するための溝部801a等が形成されている点で、実施形態1とは異なる。なお、実施形態1と同様である点については、ここでは説明を繰り返さない。
【0065】
図5に示されるように、本実施形態においては、ドレン貯留部8の縮小部801の内面に、ドレン導入部8bから延びる直線状の溝部801aが少なくとも1つ形成されている。この場合、熱交換器内が負圧になり、縮小部801の内面にフロート式の弁81(流量制御弁)が当接したときでも、縮小部801の内面とフロート式の弁81との間に隙間が形成されるため、ドレン排出管内の流路が完全には閉塞されない。これにより、ドレン排出管からの空気の吸引(逆流)を制限しつつ、ドレン排出管内の流路の閉塞を防止することができる。
【0066】
本実施形態においては、フロート式の弁81は、必ずしも実施形態1のように内部の空洞や貫通孔81a(
図4)を有している必要はない。フロート式の弁81が貫通孔等を有していなくても、溝部801aまたは突起部801bによってドレン排出管の流路が完全に閉塞されてしまうことがないからである。
【0067】
なお、フロート式の弁81が貫通孔を有していない場合は、全体としてドレンより比重が軽ければよく、例えば、内部の空洞を設けて空気を封入すれば、ドレンよりも比重の重い材質でフロート式の弁81を構成してもよい。
【0068】
また、フロート式の弁81が貫通孔を有していない場合、フロート式の弁81は、熱交換器内の負圧によって熱交換器側に吸引された場合でも、元の形状をある程度維持できるような硬度を有する材質で構成されていることが好ましい。フロート式の弁81の材質が柔らか過ぎると、フロート式の弁81が吸引された場合に、縮小部801の内面に設けられた溝部801aを塞いでしまい、溝部801aによる効果が発揮されなくなってしまうためである。
【0069】
なお、実施形態1と同様にフロート式の弁81が貫通孔を有していてもよく、この場合、より確実にドレン排出管の流路が完全に閉塞されてしまうことを防止できる。
【0070】
本実施形態の給湯装置の変形例としては、
図6に示されるように、縮小部801の内面に突起部801bが形成されていてもよい。この場合も上記の溝部801aが形成されている場合と同様の効果が得られる。
【0071】
また、上記の溝部801aが形成されている場合よりも、フロート式の弁81との接触面積が小さくなるため、上述の強い吸引力による弁固着や、異物等の介在や材質の劣化等による弁固着が生じ難くなる。ただし、フロート式の弁81と突起部801bとが接触していない面積が大きくなるため、空気の通過を制限する効果を維持するためには、突起部801bの高さを溝部801aの深さよりも低くすることが望ましい。
【0072】
本実施形態の給湯装置の別の変形例としては、
図7に示されるように、縮小部801の内面に螺旋状の溝部801cが形成されていてもよい。この場合、フロート式の弁81を
図7に示されるような円錐形状とすることで、閉弁状態における空気の流路が螺旋状となり、空気の通過に対する抵抗が増すため、異物等による閉塞を防止するためにある程度溝部を大きくしても、十分に空気の通過を制限することが可能となる。
【0073】
なお、この場合は、フロート式の弁81の下端部を重くする等の方法により、フロート式の弁81が縮小部801の内面に対して、
図7示す方向のままで嵌入するように制御することが望ましい。別の方向で嵌入すると、空気の流路が螺旋状とならないため、上記の効果が得られないからである。
【0074】
なお、フロート式の弁81が円錐形状等の球形状以外の形状である場合、フロート式の弁81が縮小部801の内面に嵌入する方向によって、ドレン導入部8bの開口を塞ぐ面積が変化し、安定した効果が得られ難い場合がある。従って、容易に安定した効果を得る観点からは、フロート式の弁81は球形状であることが好ましい。
【0075】
<実施形態3>
本実施形態の給湯装置は、
図8(a)および
図8(b)に示されるように、ドレン貯留部8の縮小部801のドレン導入部8bの周囲の一部に、縮小部801から内部空間8a側に突出した突出部801dが設けられている点で、上記の実施形態とは異なる。なお、上記の実施形態1同様である点については、ここでは説明を繰り返さない。
【0076】
このように、突出部801dがドレン導入部8bの周囲の一部のみに設けられていることで、熱交換器内が負圧になり、逆流した空気によってフロート式の弁81が熱交換器側(ドレン導入部8b)側に吸い寄せられたときでも、上記実施形態と同様に、ドレン排出管からの空気の吸引(逆流)を制限しつつ、ドレン排出管内の流路の閉塞を防止することができる。
【0077】
<実施形態4>
本実施形態の給湯装置は、
図9に示されるように、ドレン貯留部内に設けられる流量制御弁がフラッパー弁83である点で、上記の実施形態とは異なる。なお、上記の実施形態1同様である点については、ここでは説明を繰り返さない。
【0078】
このフラッパー弁83(流量制御弁)は、熱交換器から排出されるドレンに対しては上方に移動可能であるため、開弁状態となることでドレンの通過を許可する。したがって、フラッパー弁83は、基本的にドレンの排出を阻害しない。
【0079】
そして、フラッパー弁83は、図示しない貫通孔を有している。このため、排出側配管14から空気が吸い込まれた場合、上記のフラッパー弁83が下方に移動し、閉弁状態となるが、フラッパー弁83に設けられた貫通孔によって、部分的に空気が通過可能である。このようにして、フラッパー弁83は、部分的に空気が通過可能な閉弁状態となる。
【0080】
したがって、ドレン排出管内の空気の通過(逆流)を、開弁状態において通過可能な空気の流量よりも少ない流量に制限することができる。したがって、空気の逆流によってドレンの排出が阻害されにくくなるため、ドレン排出管を介してドレンを確実に排出することが可能となる。
【0081】
なお、フラッパー弁83は、ドレンに対して浮くフロート式のものであることが好ましい。この場合、フラッパー弁83はドレン対して浮くことで、より確実にドレンに対して通過を許可することができる。ただし、フロート式でないフラッパー弁83であっても、ドレンの圧力等によって開弁するものであれば、ドレンに対して通過を許可することができるため、問題なく使用することができる。
【0082】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【解決手段】本発明の給湯装置は、排気吸引方式の潜熱回収型の給湯装置であって、燃焼ガスを発生させるバーナと、湯水を加熱する熱交換器と、燃焼ガスを吸引して給湯装置の外部へ排出するファンと、熱交換器内で発生したドレンを給湯装置の外部へ排出するためのドレン排出管とを備える。そして、ドレン排出管の途中に設けられ、熱交換器から排出されたドレンに対しては、開弁状態となることでドレンの通過を許可し、ドレン排出管の他方の端部から吸い込まれた空気に対しては、部分的に空気が通過可能な閉弁状態となることで、空気の通過を開弁状態において通過可能な空気の流量よりも少ない流量に制限するための流量制御弁を備えている。