【課題を解決するための手段】
【0006】
ところで、アンダーブロー式の中子造型機の場合、中子型に中子砂を充填するために、中子型の下方に配置されたブローヘッド内にエアレーションエアを導入して、中子砂を十分に浮遊流動化させた状態とする工程と、ブローヘッド内に圧縮エアを導入してブローヘッドの上方に位置する中子型のキャビティに向かって中子砂を吹き込む工程とが行われる。しかしながら、本発明者らが鋭意研究を行ったところ、ブローヘッド内へのエアの供給状況によっては、中子砂の中子型への充填が良好に行えない場合があることが判明した。例えば、製造された中子に中子砂の充填密度の低い部分が存在してしまったり、製造された中子の表面に皺が発生してしまったり、といった充填不良が生じうる。そこで、本研究者らがさらなる検討を行ったところ、ブローヘッド内の圧力に着目し、当該圧力に応じたエアの供給制御を行うことにより、中子型に中子砂を良好に充填することができることを見出だした。
【0007】
すなわち、本発明の一側面に係る中子砂充填方法は、砂吹き込み室と砂貯留室とを有するブローヘッドから中子型のキャビティ内に中子砂を充填する中子砂充填方法であって、ブローヘッドが中子型の下方に位置すると共に、ブローヘッドと中子型とが連通された状態で、エアレーションエア供給手段が砂吹き込み室内にエアレーションエアを供給し、砂吹き込み室内の中子砂を浮遊流動化させる第1の工程と、第1の工程の後に、砂吹き込み室内の圧力が第1の圧力に到達した場合には、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる第2の工程と、第2の工程の後に、砂吹き込み室内及び砂貯留室内の圧力に基づいて制御部が中子砂のキャビティ内への充填が完了したか否かを判断し、充填が完了した場合には、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる第3の工程と、第3の工程の後に、砂吹き込み室内の圧縮エアを排気する第4の工程とを含む。
【0008】
本発明の一側面に係る中子砂充填方法では、砂吹き込み室内の圧力が第1の圧力に到達した場合に、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる。そのため、砂吹き込み室内の中子砂が浮遊流動化した時点で、速やかに圧縮エア供給手段を動作させ、中子砂を短時間に中子型のキャビティ内に充填できる。本発明の一側面に係る中子砂充填方法では、砂吹き込み室内の圧力及び砂貯留室内の圧力に基づいて制御部が中子砂のキャビティ内への充填が完了したか否かを判断し、充填が完了した場合に、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる。そのため、中子砂が中子型のキャビティ内に充填されたかどうかを、圧力を測定することで検出できる。以上のように、ブローヘッド内の圧力に応じたエアの供給制御を行うことで、中子砂を十分に浮遊流動化させつつ中子砂を中子型のキャビティ内へ充填させることと、充填を適切に完了させることとを共に実現できる。その結果、中子型に中子砂を良好に充填することができ、それにより中子の製造効率の向上を図ることができる。なお、砂吹き込み室内の圧力が第1の圧力に到達したかの判断は、砂吹き込み室内の圧力を測定して判断してもよいし、第1の圧力に到達したことを示す所定の時間が経過したか否かによって判断してもよい。
【0009】
第1の圧力は、中子砂を浮遊流動化させ且つキャビティ内に中子砂を吹き込むために適した状態にすることができる圧力であってもよい。この場合、砂吹き込み室内の圧力と第1の圧力とを比較することにより、砂吹き込み室内の中子砂が浮遊流動化され且つキャビティ内に中子砂を吹き込むために適した状態であるか否かを検知することができる。 第1の圧力は、例えば0.01MPa〜0.1MPaから選択してもよい。
【0010】
第3の工程では、砂吹き込み室内の圧力及び砂貯留室内の圧力が、第2の圧力に到達した否かを制御部が判断してもよい。この場合、砂吹き込み室内の圧力及び砂貯留室内の圧力と第2の圧力とを比較することで、中子砂が中子型のキャビティ内に充填されているかどうかを検知することができる。
【0011】
第3の工程では、砂吹き込み室内の圧力及び砂貯留室内の圧力が第2の圧力以上であるという第1の条件と、砂貯留室内の圧力と砂吹き込み室内の圧力との差圧が第3の圧力以下であるという第2の条件とが満たされているか否かを制御部が判断してもよい。この場合、中子型のキャビティ内が中子砂で充填されていくと、砂吹き込み室内の圧力が上昇して砂貯留室内の圧力に近づき、差圧が減少する。そのため、この差圧に基づく第2の条件を満たしているか否かを判断することにより、中子砂の中子型のキャビティ内への中子砂の充填完了を自動的に判断できる。第3の圧力は、例えば0.002MPa〜0.015MPaの範囲から選択してもよい。
【0012】
第3の工程では、第1の条件と第2の条件とが共に満たされた後、所定の第1の時間の間、エアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作を継続させ、その後、エアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させてもよい。この場合、第1の条件と第2の条件とが共に満たされた後、エアレーションエアと圧縮エアの供給を所定の時間継続することで、中子型のキャビティ内に充填された中子砂の状態を安定させることができる。第1の時間は例えば0.3秒〜1秒の範囲から選択してもよい。
【0013】
第2の圧力は、第1の圧力よりも高く、且つ、圧縮エア供給手段から供給される圧縮エアの圧力の75%〜80%の圧力に設定されていてもよい。この場合、砂吹き込み室内および砂吹き込み室内の圧力を計測して第2の圧力と比較することにより、砂吹き込み室及び砂貯留室に確実に圧縮エアが供給される。そのため、中子型のキャビティに中子砂を必要十分に吹き込むことができる。
【0014】
制御部は、第2の条件が満たされているか否かを所定の第2の時間内における差圧の平均値により評価してもよい。この場合、圧力センサにノイズが生じても第2の条件を満たしているか否かの判断を精度よく行うことができる。第2の時間は例えば0.05秒〜0.1秒の範囲から選択してもよい。
【0015】
本発明の他の側面に係る中子砂充填方法は、中子砂を中子型の下方から吹き込んで充填するアンダーブロー式の中子砂充填装置を用いた中子造型機における中子砂充填方法であって、中子砂充填装置は、中子砂を充填するキャビティを有する中子型と、キャビティ内に中子砂を吹き込む砂吹き込み室と、砂吹き込み室に供給する中子砂を貯留すると共に砂吹き込み室に連通された砂貯留室とを有するブローヘッドと、砂吹き込み室内の中子砂を浮遊流動化させるためのエアレーションエアを砂吹き込み室に供給するエアレーションエア供給手段と、砂貯留室に圧縮エアを供給する圧縮エア供給手段と、砂吹き込み室内に残存する圧縮エアを排気する排気弁と、砂吹き込み室内の圧力Pfを測定する第1の圧力センサと、砂貯留室内の圧力Pcを測定する第2の圧力センサと、第1及び第2の圧力センサからの信号に基づいて、エアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段及び排気弁の各動作を制御する制御部とを備えており、中子砂充填方法は、ブローヘッドが中子型の下方に位置すると共に、ブローヘッドと中子型とが連通された状態で、エアレーションエア供給手段が砂吹き込み室内にエアレーションエアを供給し、砂吹き込み室内の中子砂を浮遊流動化させる第1の工程と、第1の工程の後に、第1の圧力センサにより測定される砂吹き込み室の圧力Pfが第1の圧力P1に到達したか否かを制御部が判断して、第1の圧力P1に到達した場合には、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる第2の工程と、第2の工程の後に、砂吹き込み室内の圧力Pf及び砂貯留室内の圧力Pcが、第1の圧力P1よりも高い第2の圧力P2以上であるという第1の条件と、砂貯留室内の圧力Pcと砂吹き込み室内の圧力Pfとの差圧ΔP=Pc−Pfが第3の圧力P3以下であるという第2の条件とが満たされているか否かを制御部が判断して、第1及び第2の条件が共に満たされている場合には、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる第3の工程と、第3の工程の後に、制御部が排気弁に指示して排気弁を開放させ、砂吹き込み室内の圧縮エアを排気する第4の工程とを含む。
【0016】
本発明の他の側面に係る中子砂充填方法では、砂吹き込み室内の圧力Pfが第1の圧力P1に到達した場合に、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる。そのため、砂吹き込み室内の中子砂が浮遊流動化した時点で、速やかに圧縮エア供給手段を動作させ、中子砂を短時間に中子型のキャビティ内に充填できる。本発明の他の側面に係る中子砂充填方法では、砂吹き込み室内の圧力Pf及び砂貯留室Pc内の圧力が第2の圧力P2以上であるという第1の条件と、砂貯留室内の圧力Pcと砂吹き込み室内の圧力Pfとの差圧ΔP=Pc−Pfが第3の圧力P3以下であるという第2の条件とが満たされた場合に、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる。そのため、中子砂が中子型のキャビティ内に充填されたかどうかを、圧力を測定することで検出できる。また中子型のキャビティ内が中子砂で充填されていくと、砂吹き込み室Pf内の圧力が上昇して砂貯留室Pc内の圧力に近づき、差圧ΔPが減少する。そのため、この差圧ΔPに基づく第2の条件を満たしているか否かを判断することにより、中子型のキャビティ内への中子砂の充填完了を自動的に判断できる。以上のように、ブローヘッド内の圧力に応じたエアの供給制御を行うことで、中子砂を十分に浮遊流動化させつつ中子砂を中子型のキャビティ内へ充填させることと、中子砂の充填を適切に完了させることとを共に実現できる。その結果、中子型に中子砂を良好に充填することができ、それにより中子の製造効率の向上を図ることができる。
【0017】
第1の圧力P1は、中子砂を浮遊流動化させ且つキャビティ内に中子砂を吹き込むために適した状態にすることができる圧力であってもよい。この場合、砂吹き込み室内の圧力と第1の圧力P1とを比較することにより、砂吹き込み室内の中子砂が浮遊流動化され且つキャビティ内に中子砂を吹き込むために適した状態であるか否かを検知することができる。第1の圧力P1は、例えば0.01MPa〜0.1MPaの範囲から選択してもよい。第3の圧力は、例えば0.002MPa〜0.015MPaの範囲から選択してもよい。
【0018】
第2の圧力P2は、圧縮エア供給手段から供給される圧縮エアの圧力の75%〜80%の圧力に設定されていてもよい。この場合、砂吹き込み室内および砂吹き込み室内の圧力を計測して第2の圧力と比較することにより、砂吹き込み室及び砂貯留室に確実に圧縮エアが供給される。そのため、中子型のキャビティに中子砂を必要十分に吹き込むことができる。
【0019】
制御部は、第2の条件が満たされているか否かを所定時間内における差圧ΔPの平均値により評価してもよい。この場合、圧力センサにノイズが生じても第2の条件を満たしているか否かの判断を精度よく行うことができる。制御部は、第2の条件が満たされているか否かを例えば0.05秒〜0.1秒間における差圧ΔPの平均値により評価してもよい。
【0020】
第3の工程では、第1の条件と第2の条件とが共に満たされた後、所定の時間T1の間、エアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作を継続させ、その後、エアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させてもよい。この場合、第1の条件と第2の条件とが共に満たされた後、エアレーションエアと圧縮エアの供給を所定の時間継続することで、中子型のキャビティ内に充填された中子砂の状態を安定させることができる。所定の時間T1は、例えば0.3秒〜1秒の範囲から選択してもよい。
【0021】
制御部は、第1の工程が開始してから所定の時間T3が経過するまでに第1〜第4のそれぞれの工程が終了したか否かを判断し、第1〜第4のそれぞれの工程が終了する前に所定の時間T3が到来した場合には、中子砂充填装置の動作を停止させてもよい。この場合、圧縮空気の供給不足や、ブローヘッドからの圧縮空気の漏れなどの異常が発生したと判断して、自動的に中子砂充填装置の動作を停止できる。
【0022】
本発明の他の側面に係る中子砂充填方法は、中子砂を中子型の下方から吹き込んで充填するアンダーブロー式の中子砂充填装置を用いた中子造型機における中子砂充填方法であって、中子砂充填装置は、中子砂を充填するキャビティを有する中子型と、キャビティ内に中子砂を吹き込む砂吹き込み室と、砂吹き込み室に供給する中子砂を貯留すると共に砂吹き込み室に連通された砂貯留室とを有するブローヘッドと、砂吹き込み室内の中子砂を浮遊流動化させるためのエアレーションエアを砂吹き込み室に供給するエアレーションエア供給手段と、砂貯留室に圧縮エアを供給する圧縮エア供給手段と、砂吹き込み室内に残存する圧縮エアを排気する排気弁と、砂吹き込み室内の圧力Pfを測定する第1の圧力センサと、砂貯留室内の圧力Pcを測定する第2の圧力センサと、第1及び第2の圧力センサからの信号に基づいて、エアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段及び排気弁の各動作を制御する制御部とを備えており、中子砂充填方法は、ブローヘッドが中子型の下方に位置すると共に、ブローヘッドと中子型とが連通された状態で、エアレーションエア供給手段が砂吹き込み室内にエアレーションエアを供給し、砂吹き込み室内の中子砂を浮遊流動化させる第1の工程と、第1の工程の後に、第1の圧力センサにより測定される砂吹き込み室の圧力Pfが第1の圧力P1に到達したことを示す所定の時間が経過したか否かを制御部が判断して、所定の時間が到来した場合には、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる第2の工程と、第2の工程の後に、砂吹き込み室内の圧力Pf及び砂貯留室内の圧力Pcが、第1の圧力P1よりも高い第2の圧力P2以上であるという第1の条件と、砂貯留室内の圧力Pcと砂吹き込み室内の圧力Pfとの差圧ΔP=Pc−Pfが第3の圧力P3以下であるという第2の条件とが満たされているか否かを制御部が判断して、第1及び第2の条件が共に満たされている場合には、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる第3の工程と、第3の工程の後に、制御部が排気弁に指示して排気弁を開放させ、砂吹き込み室内の圧縮エアを排気する第4の工程とを含む。
【0023】
本発明の他の側面に係る中子砂充填方法では、砂吹き込み室内の圧力Pfが第1の圧力P1に到達したことを示す所定の時間が経過した場合に、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる。そのため、砂吹き込み室内の中子砂が浮遊流動化した時点で、速やかに圧縮エア供給手段を動作させ、中子砂を短時間に中子型のキャビティ内に充填できる。本発明の他の側面に係る中子砂充填方法では、砂吹き込み室内の圧力Pf及び砂貯留室Pc内の圧力が第2の圧力P2以上であるという第1の条件と、砂貯留室内の圧力Pcと砂吹き込み室内の圧力Pfとの差圧ΔP=Pc−Pfが第3の圧力P3以下であるという第2の条件とが満たされた場合に、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる。そのため、中子砂が中子型のキャビティ内に充填されたかどうかを、圧力を測定することで検出できる。また中子型のキャビティ内が中子砂で充填されていくと、砂吹き込み室Pf内の圧力が上昇して砂貯留室Pc内の圧力に近づき、差圧ΔPが減少する。そのため、この差圧ΔPに基づく第2の条件を満たしているか否かを判断することにより、中子型のキャビティ内への中子砂の充填完了を自動的に判断できる。以上のように、ブローヘッド内の圧力に応じたエアの供給制御を行うことで、中子砂を十分に浮遊流動化させつつ中子砂を中子型のキャビティ内へ充填させることと、中子砂の充填を適切に完了させることとを共に実現できる。その結果、中子型に中子砂を良好に充填することができ、それにより中子の製造効率の向上を図ることができる。
【0024】
本発明の他の側面に係る中子製造方法は、砂吹き込み室と砂貯留室とを有するブローヘッドから中子型のキャビティ内に中子砂を充填することで中子を製造する中子製造方法であって、ブローヘッドが中子型の下方に位置すると共に、ブローヘッドと中子型とが連通された状態で、エアレーションエア供給手段が砂吹き込み室内にエアレーションエアを供給し、砂吹き込み室内の中子砂を浮遊流動化させる第1の工程と、第1の工程の後に、砂吹き込み室内の圧力が第1の圧力に到達した場合には、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる第2の工程と、第2の工程の後に、砂吹き込み室内及び砂貯留室内の圧力に基づいて制御部が中子砂のキャビティ内への充填が完了したか否かを判断し、充填が完了砂吹き込み室内の圧力及び砂貯留室内の圧力が、第1の圧力よりも高い第2の圧力に到達したか否かを制御部が判断して、第2の圧力に到達した場合には、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる第3の工程と、第3の工程の後に、砂吹き込み室内の圧縮エアを排気する第4の工程と、中子型のキャビティ内の中子砂を固化して中子を造型する第5の工程とを含む。
【0025】
本発明の他の側面に係る中子製造方法では、砂吹き込み室内の圧力が第1の圧力に到達した場合に、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる。そのため、砂吹き込み室内の中子砂が浮遊流動化した時点で、速やかに圧縮エア供給手段を動作させ、中子砂を短時間に中子型のキャビティ内に充填できる。本発明の他の側面に係る中子製造方法では、砂吹き込み室内の圧力及び砂貯留室内の圧力に基づいて制御部が中子砂のキャビティ内への充填が完了したか否かを判断し、充填が完了した場合に、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる。そのため、中子砂が中子型のキャビティ内に充填されたかどうかを、圧力を測定することで検出できる。以上のように、ブローヘッド内の圧力に応じたエアの供給制御を行うことで、中子砂を十分に浮遊流動化させつつ中子砂を中子型のキャビティ内へ充填させることと、充填を適切に完了させることとを共に実現できる。その結果、中子型に中子砂を良好に充填することができ、それにより中子の製造効率の向上を図ることができる。
【0026】
本発明の他の側面に係る中子製造方法は、中子砂を中子型の下方から吹き込んで充填するアンダーブロー式の中子砂充填装置を用いた中子造型機における中子砂充填方法であって、中子砂充填装置は、中子砂を充填するキャビティを有する中子型と、キャビティ内に中子砂を吹き込む砂吹き込み室と、砂吹き込み室に供給する中子砂を貯留すると共に砂吹き込み室に連通された砂貯留室とを有するブローヘッドと、砂吹き込み室内の中子砂を浮遊流動化させるためのエアレーションエアを砂吹き込み室に供給するエアレーションエア供給手段と、砂貯留室に圧縮エアを供給する圧縮エア供給手段と、砂吹き込み室内に残存する圧縮エアを排気する排気弁と、砂吹き込み室内の圧力Pfを測定する第1の圧力センサと、砂貯留室内の圧力Pcを測定する第2の圧力センサと、第1及び第2の圧力センサからの信号に基づいて、エアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段及び排気弁の各動作を制御する制御部とを備えており、中子砂充填方法は、ブローヘッドが中子型の下方に位置すると共に、ブローヘッドと中子型とが連通された状態で、エアレーションエア供給手段が砂吹き込み室内にエアレーションエアを供給し、砂吹き込み室内の中子砂を浮遊流動化させる第1の工程と、第1の工程の後に、第1の圧力センサにより測定される砂吹き込み室の圧力Pfが第1の圧力P1に到達したか否かを制御部が判断して、第1の圧力P1に到達した場合には、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアし、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる第2の工程と、第2の工程の後に、砂吹き込み室内の圧力Pf及び砂貯留室内の圧力Pcが、第1の圧力P1よりも高い第2の圧力P2以上であるという第1の条件と、砂貯留室内の圧力Pcと砂吹き込み室内の圧力Pfとの差圧ΔP=Pc−Pfが第3の圧力P3以下であるという第2の条件とが満たされているか否かを制御部が判断して、第1及び第2の条件が共に満たされている場合には、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる第3の工程と、第3の工程の後に、制御部が排気弁に指示して排気弁を開放させ、砂吹き込み室内の圧縮エアを排気する第4の工程と、中子型のキャビティ内の中子砂を固化して中子を造型する第5の工程とを含む。
【0027】
本発明の他の側面に係る中子製造方法では、砂吹き込み室内の圧力Pfが第1の圧力P1に到達した場合に、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる。そのため、砂吹き込み室内の中子砂が浮遊流動化した時点で、速やかに圧縮エア供給手段を動作させ、中子砂を短時間に中子型のキャビティ内に充填できる。本発明の他の側面に係る中子製造方法では、砂吹き込み室内の圧力Pf及び砂貯留室Pc内の圧力が第2の圧力P2以上であるという第1の条件と、砂貯留室内の圧力Pcと砂吹き込み室内の圧力Pfとの差圧ΔP=Pc−Pfが第3の圧力P3以下であるという第2の条件とが満たされた場合に、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる。そのため、中子砂が中子型のキャビティ内に充填されたかどうかを、圧力を測定することで検出できる。また中子型のキャビティ内が中子砂で充填されていくと、砂吹き込み室Pf内の圧力が上昇して砂貯留室Pc内の圧力に近づき、差圧ΔPが減少する。そのため、この差圧ΔPに基づく第2の条件を満たしているか否かを判断することにより、中子型のキャビティ内への中子砂の充填完了を自動的に判断できる。以上のように、ブローヘッド内の圧力に応じたエアの供給制御を行うことで、中子砂を十分に浮遊流動化させつつ中子砂を中子型のキャビティ内へ充填させることと、中子砂の充填を適切に完了させることとを共に実現できる。その結果、中子型に中子砂を良好に充填することができ、それにより中子の製造効率の向上を図ることができる。
【0028】
本発明の他の側面に係る中子製造方法は、中子砂を中子型の下方から吹き込んで充填するアンダーブロー式の中子砂充填装置を用いた中子造型機における中子砂充填方法であって、中子砂充填装置は、中子砂を充填するキャビティを有する中子型と、キャビティ内に中子砂を吹き込む砂吹き込み室と、砂吹き込み室に供給する中子砂を貯留すると共に砂吹き込み室に連通された砂貯留室とを有するブローヘッドと、砂吹き込み室内の中子砂を浮遊流動化させるためのエアレーションエアを砂吹き込み室に供給するエアレーションエア供給手段と、砂貯留室に圧縮エアを供給する圧縮エア供給手段と、砂吹き込み室内に残存する圧縮エアを排気する排気弁と、砂吹き込み室内の圧力Pfを測定する第1の圧力センサと、砂貯留室内の圧力Pcを測定する第2の圧力センサと、第1及び第2の圧力センサからの信号に基づいて、エアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段及び排気弁の各動作を制御する制御部とを備えており、中子砂充填方法は、ブローヘッドが中子型の下方に位置すると共に、ブローヘッドと中子型とが連通された状態で、エアレーションエア供給手段が砂吹き込み室内にエアレーションエアを供給し、砂吹き込み室内の中子砂を浮遊流動化させる第1の工程と、第1の工程の後に、第1の圧力センサにより測定される砂吹き込み室の圧力Pfが第1の圧力P1に到達したことを示す所定の時間が経過したか否かを制御部が判断して、所定の時間が到来した場合には、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる第2の工程と、第2の工程の後に、砂吹き込み室内の圧力Pf及び砂貯留室内の圧力Pcが、第1の圧力P1よりも高い第2の圧力P2以上であるという第1の条件と、砂貯留室内の圧力Pcと砂吹き込み室内の圧力Pfとの差圧ΔP=Pc−Pfが第3の圧力P3以下であるという第2の条件とが満たされているか否かを制御部が判断して、第1及び第2の条件が共に満たされている場合には、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる第3の工程と、第3の工程の後に、制御部が排気弁に指示して排気弁を開放させ、砂吹き込み室内の圧縮エアを排気する第4の工程と、中子型のキャビティ内の中子砂を固化して中子を造型する第5の工程とを含む。
【0029】
本発明の他の側面に係る中子製造方法では、砂吹き込み室内の圧力Pfが第1の圧力P1に到達したことを示す所定の時間が経過した場合に、制御部からの指示に基づいて圧縮エア供給手段が砂貯留室内に圧縮エアを供給し、浮遊流動化した砂吹き込み室内の中子砂を中子型のキャビティ内に充填させる。そのため、砂吹き込み室内の中子砂が浮遊流動化した時点で、速やかに圧縮エア供給手段を動作させ、中子砂を短時間に中子型のキャビティ内に充填できる。本発明の他の側面に係る中子製造方法では、砂吹き込み室内の圧力Pf及び砂貯留室Pc内の圧力が第2の圧力P2以上であるという第1の条件と、砂貯留室内の圧力Pcと砂吹き込み室内の圧力Pfとの差圧ΔP=Pc−Pfが第3の圧力P3以下であるという第2の条件とが満たされた場合に、制御部からの指示に基づいてエアレーションエア供給手段及び圧縮エア供給手段の動作をそれぞれ停止させる。そのため、中子砂が中子型のキャビティ内に充填されたかどうかを、圧力を測定することで検出できる。また中子型のキャビティ内が中子砂で充填されていくと、砂吹き込み室Pf内の圧力が上昇して砂貯留室Pc内の圧力に近づき、差圧ΔPが減少する。そのため、この差圧ΔPに基づく第2の条件を満たしているか否かを判断することにより、中子型のキャビティ内への中子砂の充填完了を自動的に判断できる。以上のように、ブローヘッド内の圧力に応じたエアの供給制御を行うことで、中子砂を十分に浮遊流動化させつつ中子砂を中子型のキャビティ内へ充填させることと、中子砂の充填を適切に完了させることとを共に実現できる。その結果、中子型に中子砂を良好に充填することができ、それにより中子の製造効率の向上を図ることができる。