(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5884974
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】過電流保護回路
(51)【国際特許分類】
H02H 3/093 20060101AFI20160301BHJP
G05F 1/10 20060101ALI20160301BHJP
H02H 3/087 20060101ALI20160301BHJP
H02H 3/08 20060101ALI20160301BHJP
H02H 7/20 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
H02H3/093 A
G05F1/10 304M
H02H3/087
H02H3/08 L
H02H7/20 A
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-273422(P2011-273422)
(22)【出願日】2011年12月14日
(65)【公開番号】特開2013-126293(P2013-126293A)
(43)【公開日】2013年6月24日
【審査請求日】2014年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】古澤 泰行
【審査官】
田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−252650(JP,A)
【文献】
特開2001−333528(JP,A)
【文献】
特開平09−009483(JP,A)
【文献】
特開2007−318971(JP,A)
【文献】
特開昭62−031322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F1/00−1/10、1/445、1/56、1/613、
1/618
H02H3/08−3/253、7/00、7/10−7/20
H02J1/00−1/16、9/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源回路と負荷回路との間に接続される過電流保護回路であって、
前記負荷回路に流れる電流を測定し、前記測定した電流が所定値を超えたときに過電流検出信号を出力する電流検出回路と、
前記過電流検出信号を所定時間遅延する遅延回路と、
前記遅延回路の出力を入力として得、前記所定時間経過後の前記過電流検出信号を一定時間保持する保持回路と、
前記保持回路によって制御され、前記負荷回路に流れる電流を前記一定時間だけ供給停止するスイッチ回路と、
前記電源回路から電力供給を得て、少なくとも前記遅延回路が有する遅延時間分だけ電力を蓄積し、前記保持回路に前記蓄積した電力を供給する電力蓄積回路と、を有し、
前記保持回路は、
前記電流検出回路で検出される過電流検出信号が前記一定時間継続した場合に、前記スイッチ回路を制御して前記負荷回路への電力供給を停止することを特徴とする過電流保護回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源回路が過電流出力状態になった場合に制限電流や継続時間を変えることができない比較的低コストの汎用電源に用いて好適な、過電流保護回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器を動作させる電源には、下流に接続される負荷回路を過電流から保護する過電流保護回路が備わっている。過電流保護回路には、過電流検出時に電源をシャットダウンするタイプと、電流供給を継続して負荷を通常状態に自動復帰させるタイプの2種類が存在する。
【0003】
電源回路に比較的低コストの汎用電源を使用する前者の場合、電源回路が過電流出力状態になった場合に制限電流や継続時間を変えることができないため、電源回路と負荷回路との間に負荷を過電流から保護する過電流保護回路が設けられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図2に従来の過電流保護回路の構成が例示されている。
図2に示されるように、過電流保護回路100は、電源回路10と負荷回路20との間に接続される。この回路構成によれば、電源回路10が過電流出力状態になって電流検出回路101で設定電流値を超えたことが検出されると、遅延回路102に対して過電流検出信号を出力する。そして、遅延回路102は、設定時間経過後にスイッチ回路104をOFFして保持回路103に対して遅延した過電流検出信号を出力する。
【0005】
その結果、保持回路103はスイッチ回路104のOFF状態を維持する。スイッチ回路104がOFF状態になると、電流検出回路101に電流が流れなくなるため、電流検出回路101は過電流検出信号の出力を停止するが、保持回路103には電源回路10の入力電圧から補助電源106を介して電源供給が継続されているため、スイッチ回路104のOFF状態が維持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−185406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した従来の電源回路10によれば、過電流状態が発生して電流制限を行なうときに出力電圧も下がるため、保持回路103に必要な電力を確保できず、その結果、電源回路10から電力を得るための補助電源106の設置が必要であった。このため、従来の汎用電源は回路規模が大きくなってコスト高となり、その分実装面積も増え、実装をコンパクト化するうえで障害になっていた。
【0008】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、補助電源を使用せずに保持回路の電力を確保して過電流保護を行い、コスト低減、および実装面積の低減を可能にする過電流保護回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために本発明は、電源回路と負荷回路との間に接続される過電流保護回路であって、前記負荷回路に流れる電流を測定し、前記測定した電流が所定値を超えたときに過電流検出信号を出力する電流検出回路と、前記過電流検出信号を所定時間遅延する遅延回路と、前記遅延回路の出力を入力として得、前記
所定時間経過後の前記過電流検出信号を一定時間保持する保持回路と、前記保持回路によって制御され、前記負荷回路に流れる電流を
前記一定時間だけ供給停止するスイッチ回路と、前記電源回路から電力供給を得て、少なくとも前記遅延回路が有する遅延時間分だけ電力を蓄積し、前記保持回路に前記蓄積した電力を供給する電力蓄積回路と、を有し、前記保持回路は、前記電流検出回路で検出される過電流検出信号が前記一定時間継続した場合に、前記スイッチ回路を制御して前記負荷回路への電力供給を停止することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、保持回路は、少なくとも遅延回路が有する遅延時間分だけ電力を蓄積する電力蓄積回路から電力供給を得、電流検出回路で検出される過電流検出信号が一定時間継続した場合にスイッチ回路を制御して負荷回路への電力供給を停止する。したがって、保持回路は、過電流検出時の電源回路の出力電圧低下の影響を受けることなく、電源回路が過電流出力状態を継続する限りスイッチ回路を制御することによる電力供給禁止状態を継続して負荷回路への電力供給を停止することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、補助電源を使用せずに保持回路の電力を確保して過電流保護を行い、コスト低減、および実装面積の低減を可能にする過電流保護回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係る過電流保護回路の構成を示すブロック図である。
【
図2】従来の過電流保護回路の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
【0014】
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係る過電流検出回路30の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、本実施形態に係る過電流保護回路30は、電源回路10と負荷回路20との間に接続される。過電流保護回路30は、電流検出回路31と、遅延回路32と、保持回路33と、スイッチ回路34と、電力蓄積回路35とを含み構成される。
【0015】
電源回路10により供給される電力は、スイッチ回路34と電流検出回路31経由で負荷回路20に供給される他に、電力蓄積回路35に供給されている。電流検出回路31は、負荷回路20に流れる電流を測定し、測定した電流が所定値を超えたときに遅延回路32に過電流検出信号を出力する。遅延回路32は、電流検出回路31から出力される過電流検出信号を所定時間遅延してスイッチ回路34および保持回路33に出力する。保持回路33は、電力蓄積回路35から電力供給を得ながら、遅延回路32の出力を入力として遅延時間経過後の過電流検出信号を一定時間保持してスイッチ回路34を制御する。
【0016】
保持回路33は、電流検出回路31で検出される過電流検出信号が一定時間継続した場合に、スイッチ回路34を制御して負荷回路20への電力供給を停止する。スイッチ回路34は、保持回路33によって制御され、負荷回路20に流れる電流を一定時間だけ供給停止する。電力蓄積回路35は、電源回路10から電力供給を得て、少なくとも遅延回路32が有する遅延時間分だけ電力を蓄積し、保持回路33に蓄積した電力を供給する。
【0017】
(実施形態の動作)
以下、本実施形態に係る過電流保護回路30の動作について詳細に説明する。まず、電源回路10が過電流出力状態になって電流検出回路31で設定電流値を超えた過電流が検出されると、電流検出回路31は、遅延回路32に対して過電流検出信号を出力する。遅延回路32はこの過電流検出信号を受け、所定の遅延時間経過後に、スイッチ回路34をOFF設定すると共に、保持回路33に対して遅延された過電流検出信号を出力する。
【0018】
このとき、保持回路33は、過電流により電源回路10の出力電圧が低下しても(ゼロになっても)、電力蓄積回路35から電力供給がなされるため動作が可能であり、スイッチ回路34に遅延された過電流検出信号を出力する。こで、スイッチ回路34がOFFになれば電源回路10の過電流状態は解除され、したがって電源回路10の出力電圧が正常になって、保持回路33には電力蓄積回路35から電力供給が継続されるためスイッチ回路34のOFF状態は維持され、その結果、負荷回路20への電力供給は禁止される。
【0019】
(実施形態の効果)
以上説明のように本実施形態に係る過電流保護回路30によれば、電源回路10が過電流出力状態となったときに、電力蓄積回路35から電力供給を受けた保持回路33が、所定の電流値を超え、所定時間経過した後にスイッチ回路34をOFF状態に設定して負荷回路20への電力供給を停止する制御を行う。このことにより、電源回路10の過電流出力状態時の出力電圧低下の影響を受けず、電源回路10が電力供給を継続する限り電力供給停止状態を継続し、負荷回路20への電力供給を停止することができる。このとき、保持回路33は、補助電源に代わって容量の低いコンデンサ等、低コストの電力蓄積回路35により電力供給を得るため、補助電源により電力供給を受ける場合と比較して、低コスト化と実装のコンパクト化に寄与することができる。
【0020】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0021】
10・・・電源回路、20・・・負荷回路、30・・・過電流保護回路、31・・・電流検出回路、32・・・遅延回路、33・・・保持回路、34・・・スイッチ回路、35・・・電力蓄積回路。