(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
レンズ組立体を取り付けることが可能なレンズホルダと、該レンズホルダの周囲に固定される駆動コイルと、該駆動コイルと対向する磁石と、前記磁石を備えたヨークと、前記レンズホルダを光軸方向に変位可能に支持する弾性部材と、前記レンズホルダの下側に配置されたベースと、からなるレンズホルダ駆動装置において、
前記弾性部材は、前記レンズホルダの下側に配置されて、2つに分割された第1および第2の板バネ片から成る下側弾性部材を有し、
前記第1および第2の板バネ片は、それぞれ、前記駆動コイルの第1および第2の端部にはんだ付けにより電気的に接続される表面を持つ第1および第2の側部を有し、
前記第1および第2の側部の各々は、前記表面にエッジが形成された少なくとも1つの凹部から成る側部エッジ形成部を持つ、ことを特徴とするレンズホルダ駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1乃至
図4を参照して、本発明の一実施の形態によるレンズホルダ駆動装置10について説明する。
図1はレンズホルダ駆動装置10を示す斜視図であり、
図2はレンズホルダ駆動装置10の分解斜視図である。
図3は
図1の線III-IIIについての断面図である。
図4は
図1の線IV-IVについての断面図である。ここでは、
図1乃至
図4に示されるように、直交座標系(X,Y,Z)を使用している。
図1乃至
図4に図示した状態では、直交座標系(X,Y,Z)において、X軸は前後方向(奥行方向)であり、Y軸は左右方向(幅方向)であり、Z軸は上下方向(高さ方向)である。そして、
図1乃至
図4に示す例においては、上下方向Zがレンズの光軸O方向である。
【0023】
但し、実際の使用状況においては、光軸O方向、すなわち、Z軸方向が前後方向となる。換言すれば、Z軸の上方向が前方向となり、Z軸の下方向が後方向となる。
【0024】
図示のレンズホルダ駆動装置10は、駆動源(駆動方法)として、ボイス・コイル・モータ(VCM)を使用した「ムービングコイル方式」の駆動部(VCM方式)を備えた、レンズホルダ駆動装置である。
【0025】
図示のレンズホルダ駆動装置10は、オートフォーカス可能なカメラ付きの携帯電話、スマートフォン、ノート型パソコン、タブレット型パソコン、携帯型ゲーム機、Webカメラ、車載用カメラなどに備えられる。レンズホルダ駆動装置10は、レンズ組立体(レンズバレル)(図示せず)を取り付けることが可能なレンズホルダ14(後述する)を光軸O方向に移動させるためのものである。レンズホルダ駆動装置10は、Z軸方向(光軸O方向)の下側(後側)に配置されたベース12を有する。このベース12の下部(後部)には、図示はしないが、モジュール基板に配置された撮像素子が搭載される。この撮像素子は、レンズ組立体により結像された被写体像を撮像して電気信号に変換する。撮像素子は、例えば、CCD(charge coupled device)型イメージセンサ、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサ等により構成される。したがって、レンズホルダ駆動装置10と、モジュール基板と、撮像素子との組み合わせによって、カメラモジュールが構成される。
【0026】
ベース12は、外形が四角形で内部に円形開口部12aをもつリング形状をしている。図示の例では、ベース12の材質として、寸法精度が良く、耐熱性に優れた樹脂が使用される。そのような樹脂は、例えば、大塚化学株式会社製のポチコン(登録商標)や液晶ポリマー(LCP)であってよい。
【0027】
レンズホルダ駆動装置10は、レンズ組立体(レンズバレル)を保持するための筒状部140を有するレンズホルダ14と、このレンズホルダ14に筒状部140の周囲に位置するように固定された駆動コイル16と、この駆動コイル16と対向する永久磁石18と、永久磁石18を内壁面に備えた外側ヨーク20と、内側ヨーク30と、レンズホルダ14の筒状部140の光軸O方向両側に設けられた一対の弾性部材22、24とを備える。
【0028】
レンズ組立体とレンズホルダ14との組み合わせは、レンズ体と呼ばれる。永久磁石18と外側ヨーク20と内側ヨーク30とによって磁気回路(18,20,30)が構成される。磁気回路(18,20,30)と駆動コイル16との組み合わせによって、ムービングコイル方式の駆動部が構成される。
【0029】
一対の弾性部材22、24は、レンズホルダ14を径方向に位置決めした状態で光軸O方向に変位可能に支持する。一対の弾性部材22、24のうち、一方の弾性部材22は上側弾性部材と呼ばれ、他方の弾性部材24は下側弾性部材と呼ばれる。図示の弾性部材は板バネから構成される。従って、上側弾性部材22は上側板バネとも呼ばれ、下側弾性部材24は下側板バネとも呼ばれる。
【0030】
また、前述したように、実際の使用状況においては、Z軸方向(光軸O方向)の上方向が前方向、Z軸方向(光軸O方向)の下方向が後方向となる。したがって、上側弾性部材(上側板バネ)22は前側スプリングとも呼ばれ、下側弾性部材(下側板バネ)24は後側スプリングとも呼ばれる。
【0031】
上側弾性部材(上側板バネ、前側スプリング)22および下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24は、例えば、ステンレス鋼やベリリウム銅などの金属製からなる。そして、上側弾性部材(上側板バネ、前側スプリング)22および下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24は、所定の薄板に対するプレス加工、あるいはフォトリソグラフィ技術を用いたエッチング加工により製造される。尚、プレス加工よりもエッチング加工の方が好ましい。その理由は、エッチング加工では、板バネに残留応力が残らないからである。
【0032】
外側ヨーク20は四角筒状をしている。すなわち、外側ヨーク20は、四角筒形状の外筒部202と、この外筒部202の上端(前端)で、外筒部202の内側へ延出する四角形の外側リング状端部204とを有する。外筒部202はシールドヨークとも呼ばれる。
【0033】
一方、駆動コイル16は、八角筒状をしている。すなわち、駆動コイル16は、4つの長辺部162と、これら4つの長辺部162間に配置された4つの短辺部164とから成る。レンズホルダ14の筒状部140は、光軸Oの回りで90°の角度間隔で、半径方向外側へ突出して設けられた4つの接着面142を持つ。これら4つの接着面142に、駆動コイル16の4つの長辺部162の内周面が、接着剤で接着固定される。また、レンズホルダ14は、その下端部で、半径方向外側へ突出して、駆動コイル16の底面部を位置決めするための八角環状のリング端部144を持つ。
【0034】
このように、レンズホルダ14は、筒状部140に、駆動コイル16の内周面の4箇所(この例では、4つの長辺部162の内周面)をそれぞれ接着剤で接着させるための4つの接着面142を持つ。図示の例では、レンズホルダ14の材質は、ポリカーボネート(PC)から成る。
【0035】
これに対して、永久磁石18は、駆動コイル16の4つの短辺部164にそれぞれ対向して配置された4個の略三角柱状の永久磁石片182から構成される。4個の永久磁石片182は、外側ヨーク20の外筒部(シールドヨーク)202の四隅の内壁面に配置されている。尚、実際には、各永久磁石片182は、光軸O方向と直交する方向の断面が台形をしている。
【0036】
上述したように、永久磁石18は、外側ヨーク20の四角筒形状の外筒部(シールドヨーク)202の四隅に配置された、4個の略三角柱状の永久磁石片182から成る。外側リング状端部204は、開口204aを持つ。
【0037】
図4に示されるように、外側ヨーク20の外筒部(シールドヨーク)202の,四隅の内壁面に、駆動コイル16と間隔を置いて、永久磁石18が配置されている。
【0038】
上側弾性部材(上側板バネ、前側スプリング)22はレンズホルダ14における光軸O方向上側(前側)に配置され、下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24はレンズホルダ14における光軸O方向下側(後側)に配置される。
【0039】
詳述すると、上側弾性部材(上側板バネ、前側スプリング)22は、レンズホルダ14の上端部に取り付けられる内周側端部222と、外側ヨーク20に後述するスペーサ28を介して取り付けられる外周側端部224とを有する。内周側端部222と外周側端部224との間には、4本の腕部226が設けられている。各腕部226は、内周側端部222と外周側端部224とを繋いでいる。
【0040】
一方、下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24は、レンズホルダ14の下端に取り付けられる内周側端部242と、ベース12に後述のようにして取り付けられる外周側端部244とを有する。内周側端部242と外周側端部244とに間には、4本の腕部246が設けられている。各腕部246は、内周側端部242と外周側端部244とを繋いでいる。
【0041】
尚、内周側端部は内輪とも呼ばれ、外周側端部は外輪とも呼ばれる。
【0042】
上側弾性部材(上側板バネ、前側スプリング)22の内周側端部222は、レンズホルダ14の上端に固定されている。一方、上側弾性部材(上側板バネ、前側スプリング)22の外周側端部224は、スペーサ28を介して外側ヨーク20に接着固定されている。図示の例では、スペーサ28の材質は、ポリカーボネート(PC)から成る。
【0043】
図示の例では、上側弾性部材(上側板バネ、前側スプリング)22は、スペーサ28と内側ヨーク30との間に配置されている。内側ヨーク30は、対向ヨーク又はバックヨークとも呼ばれる。そして、これら3部品は、後述するように熱溶着されて1つの構造物(22,28,30)として一体化される。
【0044】
詳述すると、スペーサ28は、中央部に開口部28aを持つ、四角リング形状をしている。スペーサ28は、その四隅で下方へ突出する4つの突起282を持つ。これら4つの突起282は、後述するように、熱溶着部として働く。上側弾性部材(上側板バネ、前側スプリング)22の外周側端部224は、スペーサ28のこれら4つの突起282がそれぞれ貫通する4つの貫通穴224aを持つ。
【0045】
一方、内側ヨーク(対向ヨーク、バックヨーク)30は、外側ヨーク20の外筒部202の内壁に上端側で取り付けられる四角環状の内側リング端部302と、この内側リング端部302の四隅の内側で光軸Oと平行に垂直下方へ延在する4つの垂直延在部304とを有する。内側リング端部302は、その四隅に、スペーサ28の4つの突起282が嵌入される4つの嵌入穴302aを持つ。
【0046】
したがって、
図4に示されるように、スペーサ28の4つの突起282を、上側弾性部材22の外周側端部224の4つの貫通穴224aを介して、内側ヨーク30の内側リング端部302の4つの嵌入穴302aにそれぞれ嵌入し、4つの突起282の先端を熱溶着することにより、上記構造物(22.28.30)が組み立てられる。この構造物(22.28.30)は、接着剤により外側ヨーク20の内壁面に取り付けられる。
【0047】
図4に示されるように、上記熱溶着により、スペーサ28の4つの突起282の先端の各々に熱溶着部分282aが形成される。これら熱溶着部分282aによって、4個の永久磁石片182が位置決めされる。換言すれば、内側ヨーク30の内側リング端部302と永久磁石18とは、熱溶着部分282aによって互いに離間されている。
【0048】
また、内側ヨーク30の内側リング端部302は、その4つの外辺に、凹み部302bを持つ。これは、上記構造物(22.28.30)を外側ヨーク20へ挿入するのを容易にするためである。
【0049】
尚、図示の例では、構造物(22.28.30)の外側ヨーク20への取り付け(固定)を接着剤により行っているが、レーザ溶接や熱溶着により行っても良い。ここで、「レーザ溶接」では、外側ヨーク20の外側リング状端部204へ外側からレーザ光を照射することにより、構造物(22.28.30)を外側ヨーク20の内壁面へ癒着させる。また、「熱溶着」では、スペーサ28に上側へ突出する複数の突起を形成し、外側ヨーク20の外側リング状端部204にそれら複数の突起が挿入される複数の穴を形成して、当該複数の突起の先端を熱溶着することにより、構造物(22.28.30)を外側ヨーク20に取り付ける。
【0050】
このように、本実施の形態では、上側弾性部材22がスペーサ28に熱溶着されているので、上側弾性部材22を外側ヨーク20に容易に取り付けることができ、上側弾性部材22を外側ヨーク20に対して容易に位置合わせすることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、ヨークが、外側ヨーク20と内側ヨーク30とから構成されている。そのため、ヨークの設計の自由度が向上するという利点がある。また、内側ヨーク(対向ヨーク、バックヨーク)30が、外側ヨーク20の外筒部の内壁の上端側に取り付けられているので、レンズホルダ駆動装置10を容易に組立てることが可能となる。
【0052】
上述したように、下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24の内周側端部242は、レンズホルダ14の下端側に固定されている。一方、下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24の外周側端部244は、ベース12に固定される。
【0053】
詳述すると、前述したように、ベース12は、中央部に円形開口部12aを持つ、四角リング形状をしている。ベース12は、その四隅で、上方へ突出する4つの突起122を持つ。下側板バネ24の外周側端部244は、これら4つの突起122が嵌入する4つの嵌入孔244aを持つ。
【0054】
尚、図示はしないが、レンズホルダ14の筒状部140の内周壁には雌ネジが切られている。又、図示はしないが、レンズ組立体(レンズバレル)の外周壁には、上記雌ネジに螺合される雄ネジが切られている。従って、レンズ組立体(レンズバレル)をレンズホルダ14に装着するには、レンズ組立体(レンズバレル)をレンズホルダ14の筒状部140に対して光軸O周りに回転して光軸O方向に沿って螺合することにより、レンズ組立体(レンズバレル)をレンズホルダ14内に収容し、接着剤などによって互いに接合する。
【0055】
図2に戻って、レンズホルダ駆動装置10は、駆動コイル16に電力を供給するための第1及び第2の電極端子32−1、32−2を備えている。ベース12は、これら第1及び第2の電極端子32−1、32−2を挿設するための一対の挿入孔12bを持つ。また、下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24は、互いに電気的に絶縁された第1及び第2の板バネ片24−1、24−2から構成されている。第1及び第2の電極端子32−1、32−2は、それぞれ、第1及び第2の板バネ片24−1、24−2にはんだ38(
図21参照)で電気的に接続される。また、第1及び第2の板バネ片24−1、24−2は、それぞれ、駆動コイル16の第1及び第2の端部16−1、16−2にはんだ36で電気的に接続される(
図18参照)。
【0056】
したがって、第1及び第2の電極端子32−1、32−2から第1及び第2の板バネ片24−1、24−2を介して駆動コイル16に通電することで、永久磁石18の磁界と駆動コイル16に流れる電流による磁界との相互作用によって、レンズホルダ14(レンズ組立体)を光軸O方向に位置調整することが可能である。
【0057】
上記レンズホルダ駆動装置10において、レンズ組立体を保持するレンズホルダ14と駆動コイル16との組み合わせは、中央部に配置された柱状の可動部(14,16)として働く。また、ベース12、永久磁石18、外側ヨーク20、スペーサ28、および内側ヨーク30の組み合わせは、可動部(14,16)の周囲に配置された筒状の固定部(12、18,20、28、30)として働く。
【0058】
次に、
図5乃至
図11を参照して、レンズホルダ14の上下方向のストッパについて説明する。
図5は外側ヨーク20の底面図であり、
図6はレンズホルダ14の平面図である。
図7はレンズホルダ14の側面図である。
図8はレンズホルダ14の底面図であり、
図9はベース12の平面図である。
図10は外側ヨーク20とレンズホルダ14との間のストッパ箇所を示す説明図であり、
図11はレンズホルダ14とベース12との間のストッパ箇所を示す説明図である。
【0059】
図5に示されるように、外側ヨーク20のリング状端部204は、半径方向内側へ突出する4つのヨーク突出部204−1を持つ。一方、
図6に示されるように、レンズホルダ14の筒状部140は、その上端から上方へ突出する4つのホルダ上側突出部146を持つ。
【0060】
図10に示されるように、レンズホルダ14が上方へ移動されたとき、これら4つのホルダ上側突出部146は、外側ヨーク20のそれぞれ対応する4つのヨーク突出部204−1で係止される。すなわち、外側ヨーク20の4つのヨーク突出部204−1は、レンズホルダ14の上方向の移動を規制する上側ストッパ(係止部材)として働く。
【0061】
図9に示されるように、ベース12は、円形開口部12aの周囲で、上方へ突出する4つのベース突出部124を持つ。一方、
図8に示されるように、レンズホルダ14のリング端部144は、下方へ突出する4つのホルダ下側突出部148を持つ。
【0062】
図11に示されるように、レンズホルダ14が下方へ移動されたとき、これら4つのホルダ下側突出部148は、ベース12のそれぞれ対応する4つのベース突出部124で係止される。すなわち、ベース12の4つのベース突出部124は、レンズホルダ14の下方向の移動を規制する下側ストッパ(係止部材)として働く。
【0063】
次に、
図12乃至
図17を参照して、レンズホルダ14の回転規制機構について説明する。
図12は内側ヨーク30の斜視図であり、
図13はレンズホルダ14の斜視図である。
図14は内側ヨーク30とレンズホルダ14とを組立てた組立体の横断面図である。
図15はレンズホルダ14の斜視図であり、
図16はベース12の斜視図である。
図17はレンズホルダ14とベース12とを組立てた組立体の横断面図である。
【0064】
最初に、
図12乃至
図14を参照して、レンズホルダ14の上部の回転規制機構について説明する。
【0065】
図12に示されるように、内側ヨーク30の4つの垂直延在部304は、内壁面304aを持つ。一方、
図13に示されるように、レンズホルダ14の筒状部140は、これら4つの垂直延在部304の内壁面304aと所定の隙間をあけてそれぞれ対向する4つの外壁面140aを持つ。
【0066】
従って、
図14に示されるように、内側ヨーク30に対してレンズホルダ14が光軸Oの回りで回転しようとすると、
図14のAで示される位置で、内側ヨーク30の4つの垂直延在部304の内壁面304aが、レンズホルダ14の筒状部140の4つの外壁面140aと接触するので、レンズホルダ14の回転が規制される。
【0067】
次に、
図15乃至
図17を参照して、レンズホルダ14の下部の回転規制機構について説明する。
【0068】
図15に示されるように、レンズホルダ14の筒状部140は、その下端から半径方向外側へ突出する4つの係合突起149を持つ。一方、
図16に示されるように、ベース12は、円形開口部12aの周囲に、これら4つの係合突起149がそれぞれ遊嵌される4つの係合溝12cを持つ。
【0069】
従って、
図17に示されるように、ベース12に対してレンズホルダ14が光軸Oの回りで回転しようとすると、
図17のBで示される位置で、ベース12の4つの係合溝12cに、レンズホルダ14の4つの係合突起149が係止するので、レンズホルダ14の回転が規制される。
【0070】
次に、
図18および
図19を参照して、下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24を駆動コイル16に電気的に接続する方法について説明する。
【0071】
図18は、レンズホルダ14の下端に配置された下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24を、斜め下方から見た斜視図である。
図19は、
図18の下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24の第2の板バネ片24−2を駆動コイル16の第2の端部16−2にはんだ36付けする箇所を、拡大して示す部分拡大斜視図である。
【0072】
図18に示されるように、レンズホルダ14のリング端部144は、下方へ突出する6つの下側突起144aを持つ。一方、
図2に示されるように、下側弾性部材24の内周側端部242は、これら6つの下側突起144aがそれぞれ圧入(装入)される6つの下側穴242aを持つ。すなわち、レンズホルダ14のリング状端部144の6つの下側突起144aは、それぞれ、下側弾性部材24の内周側端部242の6つの下側穴242aに圧入(装入)されている。
【0073】
また、下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24の第1および第2の板バネ片24−1、24−2は、その内周側端部242に、それぞれ、駆動コイル16の第1および第2の端部16−1、16−2にはんだ36付けにより電気的に接続するための
表面を持つ第1および第2の側部242−1、242−2を
有する。これら第1および第2の側部242−1、242−2は、レンズホルダ14のリング端部144に近接して配置されている。
【0074】
図19に示されるように、第2の側部242−2は、その表面にハーフエッチング加工が施された側部エッジ形成部242−2aを持つ。この側部エッジ形成部242−2aのハーフエッチング加工により、第2の側部242−2の表面に形成されている酸化膜が除去され、表面粗さも大きくなる。換言すれば、側部エッジ形成部242−2a
は、ハーフエッチング加工を施すことにより、第2の側部242−2
の表面にエッジ(角部)が形成され
た少なくとも1つの凹部(図19では3つの凹部)から成るので、
図18に示されるように、第2の側部242−2のはんだ36付け性が良好となる(改良される)。
【0075】
図示はしないが、第1の側部242−1も、その表面にハーフエッチング加工が施された側部エッジ形成部を持つ。その結果、同様に、第1の側部242−1のはんだ36付け性も良好である(改良される)。
【0076】
このように、第1および第2の側部242−1、242−2の表面にハーフエッチング加工を施した側部エッジ形成部242−2aを有することにより、はんだ36付けする際に、レンズホルダ14へ熱が加わる時間を短くすることができる。その結果、熱によるレンズホルダ14の変形を防止することができる。
【0077】
図20乃至
図22を参照して、下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24を第1および第2の電極端子32−1、32−2に電気的に接続する方法について説明する。
【0078】
図20は、レンズホルダ駆動装置10から外側ヨーク20、スペーサ28、上側弾性部材(上側板バネ、前側スプリング)22、および内側ヨーク30を削除した状態を示す斜視図である。
図21は、
図20の下側弾性部材(下側板バネ、後側スプリング)24の第1の板バネ片24−1を第1の電極端子32−1にはんだ38付けして電気的に接続した部分を拡大して示す部分拡大斜視図である。
図22は、
図21においてはんだ38付けする前の、第1の板バネ片24−1と第1の電極端子32−1との被接続部分を拡大して示す部分拡大斜視図である。
【0079】
図20において、34はベース12の下部(後部)に配置されたモジュール基板である。このモジュール基板34に、撮像素子(図示せず)が搭載される。
【0080】
図20に示されるように、下側弾性部材24の第1および第2の板バネ片24−1は、その外周側端部244に、それぞれ、第1および第2の電極端子32−1、32−2と電気的に接続するための
表面を持つ第1および第2の端子接続部244−1、244−2を
有する。これら第1および第2の端子接続部244−1、244−2は、ベース12上に搭載されている。
【0081】
図22に示されるように、第1の端子接続部244−1は、その表面にハーフエッチング加工が施された接続部エッジ形成部244−1aを持つ。この接続部エッジ形成部244−1aのハーフエッチング加工により、第1の端子接続部244−1の表面に形成されている酸化膜が除去され、表面粗さも大きくなる。換言すれば、接続部エッジ形成部244−1a
は、ハーフエッチング加工を施すことにより、第1の端子接続部244−1
の表面にエッジ(角部)が形成され
た少なくとも1つの凹部(図22では3つの凹部)から成るので、
図21に示されるように、第1の端子接続部244−1のはんだ38付け性が良好となる(改良される)。
【0082】
図示はしないが、第2の端子接続部244−2も、その表面にハーフエッチング加工が施された接続部エッジ形成部を持つ。その結果、同様に、第2の端子接続部244−2のはんだ38付け性も良好である(改良される)。
【0083】
このように、第1および第2の端子接続部244−1、244−2の接続部エッジ形成部244−1aにハーフエッチング加工を施すことにより、はんだ38付けする際に、ベース12へ熱が加わる時間を短くすることができる。その結果、熱によるベース12の変形を防止することができる。
【0084】
また、本実施の形態では、
図22に示されるように、第1の電極端子32−1は、第1の端子接続部244−1が接続される部分の表面に、ハーフエッチング加工が施された端子エッジ形成部32−1aを持つ。この端子エッジ形成部32−1aのハーフエッチング加工により、第1の電極端子32−1の表面に形成されている酸化膜が除去され、表面粗さも大きくなる。換言すれば、端子エッジ形成部32−1a
は、ハーフエッチング加工を施すことにより、第1の電極端子32−1
の表面にエッジ(角部)が形成され
た少なくとも1つの凹部(図22では3つの凹部)から成るので、
図21に示されるように、第1の電極端子32−1のはんだ38付け性が良好となる(改良される)。
【0085】
図示はしないが、第2の電極端子32−2も、第2の端子接続部244−2が接続される部分の表面に、ハーフエッチング加工が施された端子エッジ形成部を持つ。その結果、同様に、第2の電極端子32−2のはんだ38付け性も良好である(改良される)。
【0086】
このように、第1および第2の電極端子32−1、32−2の端子エッジ形成部32−1aにハーフエッチング加工を施すことにより、はんだ38付けする際に、ベース12へ熱が加わる時間を短くすることができる。その結果、熱によるベース12の変形を防止することができる。
【0087】
以上、本発明についてその好ましい実施の形態によって説明してきたが、本発明の精神を逸脱しない範囲内で、種々の変形が当業者によって可能であるのは明らかである。例えば、上記実施の形態では、エッジ形成部として、
表面にハーフエッチング加工を施した場合を例に挙げて説明しているが、エッジ形成部はハーフエッチング加工を施したものに限定されず、
表面にエッジが形成されるものであればどのような形状であってもよ
い。