(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明によるバランスバイクを示す。
【
図2】
図2は、
図1においてF2により示される部分のより詳細な分解図である。
【
図3】
図3は、他の使用位置の
図1に示されるバランスバイクを示す。
【
図4】
図4は、本発明によるバランスバイクの他の実施形態を上から見た図である。
【
図5】
図5は、
図4とは異なる使用位置にある本発明によるバランスバイクの他の実施形態を上から見た図である。
【
図6】
図6は、
図4の対応する使用位置における後輪のより詳細な断面図である。
【
図7】
図7は、
図5の対応する使用位置における後輪のより詳細な断面図である。
【0017】
図1は、本発明によるバランスバイク1を示す。バランスバイク1は、一方の遠端にハンドルバー3と前輪フォーク4を備えるフレーム2を含み、前輪フォーク4には、この場合は1つの前輪5が連結されている。
【0018】
他方の遠端で、フレーム2には2つの後輪6Aと6Bが設けられている。
【0019】
中間部分において、フレーム2にはサドル7が設けられている。
【0020】
ハンドルバー3と前輪フォーク4の組み合わせが、この場合は特定なフレームヘッド9の中に設けられた通路であるステアリングブッシュ8と呼ばれるものの中に自由に回転可能に設置され、それによって保持される。
【0021】
前記フレームヘッド9は2つのヒンジ10Aと10Bを含み、各々がステアリングブッシュ8のそれぞれの側にある。
【0022】
これらのヒンジ10Aと10Bは、フレーム2を形成する2つのフレーム部品2Aと2Bをフレームヘッド9に蝶着するように設計されている。
【0023】
さらに、ヒンジ10Aと10Bの軸はステアリングブッシュ8の軸に平行に延びる。
【0024】
各フレーム部品2Aと2Bは、この場合細長いL字形である。
【0025】
特に、各フレーム部品2Aと2Bはそれぞれ、この場合、まっすぐで概ね平坦な主架橋部11A、11Bと、主架橋部11A、11Bに関してそれぞれ斜めに向けられた後方架橋部12A、12Bを有する。
【0026】
後方架橋部12Aと12Bは、それぞれ主架橋部11A、11Bに関して傾斜しているだけでなく、それぞれ主架橋部11A、11Bで形成される平面から突出もしている点に留意する。
【0027】
したがって、両方のフレーム部品2Aと2Bは非常に異なるため、それぞれの後方架橋部12Aと12Bは関係する平面から反対方向に突出する。
【0028】
主架橋部11Aと11Bはまた、おそらくは水平な底面に関して幾分斜めに傾斜している。
【0029】
前記の斜めの配置は、異なるパラメータ、たとえば前輪フォーク4の長さ、前輪4の直径、ヒンジ10Aと10Bの位置、フレーム2の設計、後輪6Aと6Bの直径を適当に組み合わせることによって得られる。
【0030】
これらすべてにより、トレイルと呼ばれるものが得られ、ハンドルバーの安定性と挙動が改善される。
【0031】
トレイルとは、一方でステアリングブッシュ8の軸と路面との交点と、他方で前輪5と路面との接触点の間の距離である。
【0032】
ここでは、直前で述べた前輪5と路面との接触点が、最初に述べたステアリングブッシュ8の軸と路面との交点より後方に位置付けられる時のトレイルを意味している。
【0033】
後輪6Aと6Bは、各々が関係する後方架橋部12A、12Bの自由端にそれぞれ設けられている。
【0034】
後輪6Aと6Bは特殊な構造を有し、特に支持縁辺13Aと13B、すなわち、車輪6Aと6Bの、路面と接触する円形の縁辺が設けられ、この支持縁辺13Aと13Bは、それぞれが関係する後方架橋部12A、12Bに沿って横方向に、特に、関係する後方架橋部12A、12Bがそれぞれ関係する主架橋部11A、11Bにより形成される平面から突出するのと同じ方向に突出する。
【0035】
後輪6Aと6Bの最も横方向に位置付けられる部分は、それぞれ関係する主架橋部11A、11Bにより形成される平面に沿って、ある距離だけ離れた位置に位置付けられ、この距離は、少なくとも主架橋部11A、11Bの中心線から測定して、主架橋部11Aと11Bの間の距離Dの最大で半分、好ましくは正確に半分である。
【0036】
後方架橋部12Aと12Bの自由端には、概ね半球形のキャップ14Aと14Bが設けられ、それぞれ後方架橋部12A、12Bに固定されている。
【0037】
この実施形態において、前記キャップは一体化されている、すなわち、それぞれのフレーム部品2Aと2Bに固定されている。
【0038】
図2に示されるように、サドル7は底に突起15を有し、これらは両方のフレーム部品2Aと2Bに設けられた凹部16と協働することができる。
【0039】
これらの凹部16はこの場合、主架橋部12Aと12Bの、関係する後方架橋部品12Aと12Bへの移行部に設置される。
【0040】
本発明によるこのようなバランスバイク1の動作と使用は単純であり、以下のとおりである。
【0041】
図1に示される使用位置にあるバランスバイク1は、まだ十分なバランスおよび平衡感覚を持たない子供がこれを使用することができる。
【0042】
実際、発散形の後方架橋部12Aと12Bのおかげで、また、これに加えて、後輪6Aと6Bの支持縁辺13Aと13Bがより外側にあることにより、広い支持底面が提供される。
【0043】
この実施形態において、キャップ14Aと14Bによって後輪6Aと6Bの相互間の距離が確保され、さらに保護の役割が果たされる。
【0044】
このように広い支持底面を有するバランスバイク1は、横方向に傾く可能性が低い。また、この使用位置は安定位置と呼ばれる。
【0045】
前述のように作られるトレイルによって安定に制御可能なバランスバイクが得られる。
【0046】
本発明によるバランスバイク1は、
図3に示されるような別の使用位置に容易に変形可能である。
【0047】
変形はサドル7を持ち上げることによって行われ、その結果、突起15が凹部16から外れる。
【0048】
突起15は、凹部16と協働し、ここではフレーム部品2Aと2Bを相互に連結するための手段としての役割を果たす。
【0049】
それゆえ、自由に回転するフレーム部品2Aと2Bが得られ、各々、反対側に、言い換えればヒンジ10Aと10Bの周囲で概ね180°回転させることができる。
【0050】
この位置で再びサドル7を取り付けることができる。
【0051】
図3に示されるような本発明によるバランスバイク1のこの第二の位置は、すでにある程度のバランスおよび平衡感覚を有しているか、またはすでにそれを習得した子供に適している。
【0052】
また、この第二の使用位置はバランス位置と呼ばれる。
【0053】
今度は収束形となった後方架橋部12Aと12Bのおかげで、また、これに加えて、後輪6Aと6Bの支持縁辺13Aと13Bがはるかに内側に位置付けられることにより、狭い、または見掛け上1本の支持底面が提供される。
【0054】
この位置において、後輪6Aと6Bの支持縁辺13Aと13Bは、相互に略隣接している。
【0055】
キャップ14Aと14Bは、横方向に外側に向けられている。
【0056】
上記のトレイルは、本発明によるバランスバイク1のこの第二の使用位置においても保持される。
【0057】
サドル7は、必ずしもフレーム部品2Aと2Bのための連結機能を想定する必要がないことは明らかである。
【0058】
前記フレーム部品2Aと2Bはまた、別の方法で相互に連結し、一定の距離に保持することもできる
【0059】
後輪6Aと6Bの特別な設計と各種のパラメータにより得られるトレイルのいずれも、上記の両使用位置間でバランスバイク1を簡単に変形するために必要ではない。
【0060】
それゆえ、後輪6Aと6Bは、支持縁辺13Aと13Bが車輪の中央に設けられる一般的な車輪であってもよい。
【0061】
これらは単に好ましい特徴である。
【0062】
また、フレーム部品2Aと2Bを別の方法で製造し、それでもなお、簡単な変形という目標の効果を得ることができる。
【0063】
実際、2つの同様の使用位置にある本発明による別のバランスバイク1を示している
図4と5に示されるように、フレーム部品2Aと2Bを概ね平坦に、または非発散形とすることが可能であり、すなわち、バランスバイク1を第二の使用位置、またはバランス位置にした時に収束形とならない。
【0064】
実際、このような平坦なフレーム部品2Aと2Bには、それと協働する調節可能な後輪6Aと6Bを設けることができる。
【0065】
このような調節可能な後輪6Aと6Bが、それぞれ異なる使用位置で
図6と7に例として示されている。
【0066】
各後輪6Aと6Bは、それぞれ支持縁辺13Aと13Bを含む。
【0067】
各後輪6Aと6Bは、それぞれ車軸17Aと17Bに取り付けられており、各後輪6Aと6Bは、後方架橋部12Aと12Bの各々の自由端の付近に固定された、キャップ14A、14Bに摺動可能にそれぞれ装着されている。
【0068】
キャップ14Aと14Bは、それぞれ貫通穴18A、18Bを有し、貫通穴18A、18Bは内部にそれぞれ停止部19A、19Bが設けられ、これはこの場合、斜めである。
【0069】
車軸17Aと17Bは、それぞれボルト20A、20B、たとえばM5またはM7を有する点が特別であり、ボルト20A、20Bはそれぞれボルト頭部21A、21Bと、それぞれねじ山のない車輪接触面22A、22Bと、さらにその自由端に至るまで、雄ねじが設けられた、それぞれ取付部23A、23Bを有する。
【0070】
前記取付部23Aと23Bは、それぞれブッシュ24A、24Bの中に設置され、ブッシュ24A、24Bは、雌ねじが設けられ、第一の直径によって特徴付けられる、それぞれ第一の部分25A、25Bと、より大きな直径を有する、それぞれ第二の部分26A、26Bを含む。
【0071】
一方でそれぞれ第一の部分25A、25Bと、他方でそれぞれ第二の部分26A、26Bの間の移行は、この場合、漸進的であり、それゆえ、それぞれ斜めの移行部分27A、27Bが設けられている。
【0072】
ワイヤレス車輪接触面22A、22Bと車輪6Aと6Bの回転部分との間には、この場合、ポリアミドまたはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、別名テフロン製の、それぞれ適当なすべり軸受け28A、28Bが設けられている。
【0073】
しかしながら、このようなすべり軸受けは、他の適当な材料でも作製でき、あるいはころ軸受またはその他の種類の軸受けに置き換えてもよいことは明らかである。
【0074】
それぞれ車輪6A、6Bの内側部分において、すべり軸受け28A、28Bにはそれぞれ肩部29A、29Bが設けられている。
【0075】
本発明による
図4と5に示されるこのようなバランスバイク1の動作と使用は単純であり、
図1〜3に示されるバランスバイク1に関して説明した動作に概ね対応する。
【0076】
主な違いは、フレーム部品2Aと2Bの使用位置が変わった時の後輪6Aと6Bの調節に関する。
【0077】
図4に示される使用位置は安定位置と呼ばれるものであり、これによってバランスバイク1には広い支持底部ができる。
【0078】
後輪6Aと6Bの支持縁辺13Aと13Bは、この場合、それぞれフレーム部品2A、2Bにより形成される平面に沿って、ある距離だけ離して位置付けられ、この距離は、少なくともそれぞれの場合において中心線において測定したフレーム部品2Aと2Bの間の距離Dの半分より大きい。
【0079】
変形は、サドル7を持ち上げることによって行われ、その結果、フレーム部品2Aと2Bをヒンジ10Aと10Bの周囲で自由に回転させることができる。
【0080】
この変形後の位置では、後輪6Aと6Bの支持縁辺13Aと13Bを相互に近づけることができ、これが可能な1つの理由は、後輪6Aと6Bが摺動可能に構成されていることによる。
【0081】
実際、後輪6Aと6Bを、
図4に示されるバランスバイクの位置に対応する
図6に示される使用位置から、
図5に示されるバランスバイクの位置に対応する
図7に示される使用位置に変形することによって、バランス位置と呼ばれるものへの変形が可能となる。
【0082】
後輪6Aと6Bは、それぞれ貫通穴18Aと18Bの中にあるそれぞれ摺動式ブッシュ24A、24Bによって調節できる。
【0083】
この実施形態において、それぞれ肩部29A、29Bは、とりわけ、最大でそれぞれブッシュ24A、24Bまで移動させることができ、その結果、移動の自由度が所定の距離に制限される。
【0084】
反対に、ブッシュ24A、24Bのそれぞれ傾斜した移行部27A、27Bは、貫通穴18A、18Bの中のそれぞれ停止部19A、19Bまで移動される時、限界地点をそれぞれ形成する。
【0085】
本発明により前述のように後輪6Aと6Bを調節することによって、またフレーム部品2Aと2Bを反対に折り畳むことによって、後輪6Aと6Bの支持縁辺13Aと13Bは実際に隣接することになり、それによって狭い、または見掛け上1本の支持底面が提供される。
【0086】
この位置において、サドル7を取り付けることができる。
【0087】
図5に示されるような本発明によるバランスバイク1のこの第二の使用位置は、すでにある程度のバランスまたは平衡感覚を持っているか、すでにそれを習得した子供に適している。
【0088】
また、この第二の使用位置はバランス位置と呼ばれる。
【0089】
このような調節可能な後輪6Aと7Bはまた、
図1〜3に示されるバランスバイク1、すなわち、バランスバイク1が安定した使用位置にある時に発散形となるフレーム部分2Aと2Bを有するものと組み合わせて使用することができることは明らかであり、その結果、より広い支持面が得られ、安定性が改善される。
【0090】
摺動可能な後輪6Aと6Bにより、広い車輪底部を提供しながら、フレーム2の、サドル7とハンドルバー3の間の幅を制限したままとすることができ、これはバランスバイクの人間工学の面で有利である。
【0091】
実際、摺動不能の車輪6Aと6Bを使用した場合、車輪底部を最大、フレームの幅の2倍にすることができる。
【0092】
また、それでもなお多くの小さな特徴も好ましいことが明らかである。本発明の本質は、バランスバイクのフレームが兼用構造であることと、これらのフレーム部品2Aと2Bをハンドルバーが回転可能に取り付けられている要素に蝶着されることである。
【0093】
ハンドルバー3は対称とすることができ、その結果、両方の使用位置において、サドル7との距離が同等である点に留意するべきである。
【0094】
あるいは、ハンドルバー3を幾分非対称とすることができ、その結果、バランス位置におけるハンドルバー3とサドル7の間の長さが、この位置でバランスバイク1を使用する子供の、より大きくなっていると予想される体格に合ったものとなる。
【0095】
フレーム部品2Aと2Bを反対に折り畳むことによって、後輪6Aと6Bが相互に関する他の位置をとるようにすることができ、それによって広い車輪底面を有する安定位置から車輪底面が安定位置より大幅に狭いバランス位置へと移行させることが可能となる。
【0096】
これに加えて、車輪6Aと6Bはフレーム部品2Aまたは2Bに関して摺動可能に取り付けることができる。
【0097】
前述し図に示したように、ヒンジ10Aと10Bの軸は好ましくは、ステアリングブッシュ8の軸に平行に延びる。
【0098】
また、フレームヘッド9は2つのヒンジ10Aと10Bを含み、ステアリングブッシュ8の両側に1つずつ、すなわち、一方はステアリングブッシュ8の左側、もう一方は右側に設置され、すべてバランスバイク1の対称面に垂直な概ね同一平面上に位置付けられることも明らかとなった。
【0099】
この実施形態の所与の変形版において、ヒンジ10Aと10Bの軸は、ステアリングブッシュ8の軸と共に、少なくともバランスバイク1が使用位置の1つにある時、主架橋部11Aと11Bによって形成される平面に対して垂直な面を概ね形成する。
【0100】
しかしながら、細かい点を変えることも可能で、関係する所期の効果が得られることは明らかであるが、細かい変更は特許請求の範囲の請求項1の文言に含まれ、特に、それぞれのヒンジ10Aと10Bの軸は、これらが数度ずれていても、ステアリングブッシュまたはホルダまたはその他8の軸に概ね平行に延び、また、ヒンジ10Aと10Bが、ステアリングブッシュまたはホルダまたはその他8の位置と比較して、数センチメートル使用位置に近くても、またはそこから離れていても、そのそれぞれの側に位置付けられているとみなされるからである。
【0101】
ヒンジ10Aと10Bの軸がステアリングブッシュ8の軸に向かって概ね平行に向けられていることに関するかぎり、ヒンジ10Aと10Bの軸を、ステアリングブッシュ8の軸に関して若干前方または後方に傾けることができ、すなわち、ヒンジ10Aと10Bの軸により形成される平面がステアリングブッシュ8の軸と小さな角度、たとえば5°、10°または15°を成すようにすることができることも明らかである。
【0102】
このような角度は、一方でステアリングブッシュ8の軸と他方で主架橋部11Aと11Bの間の角度を、バランスバイク1の使用位置、すなわち安定位置かバランス位置かに応じて、変えるために利用できる。
【0103】
ステアリングブッシュ8の軸のそれぞれの側でのヒンジ10Aと10Bの軸の位置に関するかぎり、これらの軸は概ね平面を形成するが、少なくとも第一の使用位置において、ヒンジ10Aと10Bの軸を、限定された距離、たとえば1cm、2cmまたは3cmだけ、ステアリングブッシュ8の軸より使用者の方に近付けることができ、したがって、もう一方の使用位置では、それに対応する距離だけ使用者から遠ざけることができることは明らかである。
【0104】
このような構造は、ハンドルバー3の対称性を維持することを目指す場合、バランスバイク1の使用位置、すなわち安定位置かバランス位置かに応じて、使用者とハンドルバー3の間の距離が幾分ずれることを考えても利用できる。
【0105】
当然のことながら、上記の限定的な変形の両方を組み合わせることができる。
【0106】
実施形態のあらゆる変形版について、ヒンジ10Aと10Bと管頭9およびすべての付随的な部品によって、フレーム部品2Aと2Bを少なくとも180°回転させることができることは明らかである。
【0107】
本発明は、例として説明し、添付の図面に示した実施形態に一切限定されず、反対に、本発明によるこのようなバランスバイクは、どのような形状と寸法でも作製でき、依然として本発明の範囲から逸脱しない。