【課題を解決するための手段】
【0025】
第1の態様によれば、本発明は、人の皮膚又は外皮の色調を決定するための方法において、
前記皮膚又は外皮の少なくとも1つのゾーンのN個のピクセルを含むデジタルカラー画像を取り込むステップと、
前記カラーデジタル画像の3つの色平面、赤(R)、緑(G)及び青(B)を抽出するステップと、
少なくとも2つの平面について、特に、前記3つの平面R、G、Bについて、前記画像の前記N個のピクセルのうちの少なくとも幾つかからの各ピクセルの灰色レベルの値に基づき前記皮膚又は外皮の色を評価するステップと、
少なくとも2つの平面について、特に、前記3つの平面R、G、Bについて、前記画像の前記N個のピクセルのうちの少なくとも幾つかからの各ピクセルの灰色レベルの値に基づき光度L
*を評価するステップと、
前記皮膚又は外皮の色の前記評価及び前記光度L
*の前記評価の結果として前記皮膚又は外皮の色調を特徴付けるステップと、
を含むことを特徴とする方法を提供する。
【0026】
前記方法の特定の実施形態によれば、前記方法は、
a)前記皮膚又は外皮の少なくとも1つの決定されたゾーンの、複数(N)のピクセルにより定められる少なくとも1つのデジタルカラー画像を、デジタルカメラ又はデジタル写真装置を用いて取り込み、デジタル画像を処理しそれを記録する装置へ前記デジタルカラー画像を送信するステップと、
b)前記記録されたデジタルカラー画像を、前記画像処理装置を用いてR、G、Bと称される3つの色平面、赤(R)、緑(G)、青(B)へと分割するステップと、
c)前記平面R、G、Bの各々を抽出し、各平面に関して、前記ピクセルの各々について灰色レベル値、即ち、N個の値を記録し、前記皮膚の色を特徴付ける値に対応する、各平面R、G、Bについての前記灰色レベルを特徴付ける少なくとも1つのグラフ的又は統計的値及び/又は少なくとも1つの値、並びに、光度値L
*を得るように、適当な計算手段により数学的に前記N個の値を任意的に処理するステップと、
d)前記皮膚又は外皮の色調を、前記皮膚又は外皮の色を特徴付ける前記値及び前記光度値L
*の組合せに基づいて特徴付けるステップと、
を含むことを特徴とする。
【0027】
特定の変形実施形態によれば、前記方法は、観察すべき色調を表す画像ゾーンを選択し、前記ゾーンの少なくとも1つの部分に関して、前記画像の平均灰色レベル、前記灰色レベルの集合
表面領域及び変動、並びに光度L*の中から選択された少なくとも1つのパラメータのパラメータ化を実施することを特徴とする。
【0028】
前記方法の別の特定の実施形態によれば、前記方法は、例えば、垂直軸が各色平面R、G及びBについての画像におけるピクセルの数又はピクセルの割合を表し、水平軸が画像の灰色レベルの値のセットを表し、又は、その逆であるような平面において、各デジタル画像のヒストグラムを曲線の形にてプロットし、それにより、ヒストグラムR、ヒストグラムG及びヒストグラムBを得ることを特徴とする。
【0029】
前記方法の更に別の特定の実施形態によれば、前記方法は、最も離れたヒストグラムR、G、B、又は前記ヒストグラムR、G、Bのうちの少なくとも2つの、いずれかの(Δ
RGB)として示されるタイトネスを計算することにより、前記皮膚又は外皮の色を決定することを特徴とする。
【0030】
前記方法の更に別の特定の実施形態によれば、前記方法は、
次のパラメータ:
少なくとも2つのヒストグラム、好ましくは、前記3つのヒストグラムR、G及びBの重複領域、
又は、前記3つの平面R、G及びBについて単一灰色レベル値が記録されているピクセルの数、
又は、前記3つの平面R、G及びBについて記録された灰色レベルの算術平均、及び任意的なものとしてその平均からの偏差、
又は、それらの組合せ、
のうちの少なくとも1つのパラメータを用いて前記色の多少の彩度減少特徴を決定することを特徴とする。
【0031】
前記方法の更に別の特定の実施形態によれば、前記方法は、次の式:
(I
W)=tan
-1(L
*/(Δ
RGB))
に従って、皮膚の白さインデックス(I
W)を計算することを特徴とする。
【0032】
前記方法の更に別の特定の実施形態によれば、前記方法は、前記同じ個々人の皮膚又は外皮の種々なゾーン、特に、顔の種々な皮膚ゾーンに関して、前記方法を繰り返すことを特徴とする。
【0033】
前記方法の更に特定の実施形態によれば、前記方法は、各ゾーンについて、前記光度L
*、前記インデックス(Δ
RGB)及びインデックス(I
W)についての値を計算することを特徴とする。
【0034】
前記方法の特定の実施形態によれば、前記方法は、少なくとも1つの皮膚ゾーンが着色しみの着色欠陥を示し、少なくとも1つの他の「コントロール」皮膚ゾーンが通常に着色されていることを特徴とする。
【0035】
前記方法の特定の実施形態によれば、前記方法は、皮膚又は外皮の少なくとも1つのゾーンの画像取り込みが白色光での照明の下で実施されることを特徴とする。
【0036】
前記方法の別の特定の実施形態によれば、前記灰色レベルのしきい値化を実施することが可能であり、即ち、スプリアス要素を除去するように、特定の所定の灰色レベルしきい値より下の灰色レベルを除去することができる。
【0037】
前記方法の更に別の特定の実施形態によれば、その全体に関して特徴付けを行うことができるかについて、分析すべき皮膚又は外皮の限定された領域を選択することが可能である。
【0038】
特定の変形実施形態によれば、前記限定された領域は、約1cm
2から10cm
2の領域を表すことができる。
【0039】
本発明の方法の特定の特徴によれば、オペレータが観察されるゾーンをより良好に可視化できるように、又、任意的なものとして、灰色レベルのしきい値化を評価してスプリアス要素又はアーチファクトを除去することができるように、カメラ又は写真装置によって得られた前記デジタル画像の拡大を行うことが可能である。
【0040】
本発明による方法の効果的な実施形態によれば、前記方法は、TRI-CCDタイプのデジタルカラーカメラ又はカラーデジタル写真装置が使用されることを特徴とする。このようなデジタルカラーカメラは、特に、会社SONY(登録商標)から市販されており、又、例えば、D70Sタイプのこのようなデジタル写真装置は、会社NIKON(登録商標)から市販されている。カラーデジタル画像を取得するため、会社Canfield(登録商標)からのVISIA-CRシステムを使用することもできる。このような取得は、標準白色光において半横向きの顔面に関して効果的に行うことができる。
【0041】
本発明の方法の特定の実施形態によれば、前記方法は、1人及び同じ人の皮膚の少なくとも1つの画像又は複数の画像が、特に、幾つかの異なるゾーンについて、デジタルデータを記録するための装置に記録されることを特徴とする。
【0042】
特定の変形実施形態によれば、前記画像取り込みゾーンは、顔、身体又は外皮を表す任意の皮膚のゾーンに対応する。効果的には、これは、額の中央ゾーン、及び/又はほおのゾーン、及び/又はつめのゾーンからなるグループの中から選択されたゾーンである。
【0043】
第2の態様によれば、本発明は、人の皮膚又は外皮の色調を特徴付けるための装置において、
a)前記皮膚又は外皮の少なくとも1つの決定されたゾーンの、デジタル画像処理装置へと送信される複数(N)のピクセルにより定められる少なくとも1つのデジタルカラー画像を取り込むことのできるデジタルカメラ又はデジタル写真装置と、
b)前記デジタル画像を、前記画像処理装置を用いてR、G、Bと称される3つの色平面、赤、緑、青へと分割するための手段と、
c)前記平面R、G、Bの各々を抽出するための手段及び各平面に関して、前記ピクセルの各々について灰色レベル値、即ち、N個の値を記録し、前記皮膚の色を特徴付ける値に対応する、各平面についての灰色レベルを特徴付ける少なくとも1つのグラフ的又は統計的値及び/又は少なくとも1つの値、並びに、光度値L
*を得るように、適当な計算手段により数学的に前記N個の値を任意的に処理するようにする計算手段と、
d)前記皮膚又は外皮の色調を、前記皮膚又は外皮の色を特徴付ける前記値及び前記光度値L
*の組合せに基づいて特徴付ける手段と、
を備えることを特徴とする装置を提供する。
【0044】
特定の実施形態によれば、前記装置は、観察すべき色調を表す画像ゾーンに関して、及び前記ゾーンの少なくとも1つの部分に関して、前記計算手段は、前記画像の平均灰色レベル、前記灰色レベルの集合
表面領域及びその変形又はそれらの組合せの中から選択された少なくとも1つのパラメータのパラメータ化を実施することを特徴とする。
【0045】
特定の実施形態によれば、前記装置は、前記計算手段が、例えば、垂直軸が各色平面R、G及びBについての画像におけるピクセルの数又はピクセルの割合を表し、水平軸が画像のピクセルの灰色レベルのセットを表すような平面において、各デジタル画像のヒストグラムを曲線の形にてプロットし、それにより、ヒストグラムR、ヒストグラムG及びヒストグラムBを得るようにすることを特徴とする。
【0046】
特定の実施形態によれば、前記装置は、最も離れたヒストグラムR、G、B、又は前記ヒストグラムR、G、Bのうちの少なくとも2つ、のいずれかの(Δ
RGB)として示されるタイトネスを計算することにより、前記皮膚又は外皮の色の彩度減少を決定することを特徴とする。
【0047】
別の特定の実施形態によれば、前記装置は、更に、
次のパラメータ:
少なくとも2つのヒストグラム、好ましくは、前記3つのヒストグラムR、G及びBの重複領域、
又は、前記3つの平面R、G及びBについて単一灰色レベル値が記録されているピクセルの数、
又は、前記3つの平面について記録された灰色レベルの算術平均、及び任意的なものとしてその平均からの偏差、
又は、それらの組合せ、
のうちの少なくとも1つのパラメータを計算することにより前記色の多少の彩度増大/彩度減少特徴を決定することを特徴とする。
【0048】
更に別の特定の実施形態によれば、前記装置は、次の式:
(I
W)=tan
-1(L
*/(Δ
RGB))
に従って、皮膚の白さインデックス(I
W)を計算することを特徴とする。
【0049】
特定の実施形態によれば、前記装置は、前記計算手段が、各ゾーンについて、前記光度L
*、前記インデックス(Δ
RGB)及びインデックス(I
W)についての値を、特に、前記皮膚又は外皮の幾つかの選択されたゾーンについて計算することを特徴とする。
【0050】
別の特定の実施形態によれば、前記装置は、更に、白色光で照明し、このような照明の下で前記皮膚の少なくとも1つのゾーンの少なくとも1つの画像を取り込めるようにする装置を更に備えることを特徴とする。
【0051】
別の特定の実施形態によれば、特に、会社SONY(登録商標)から市販されているTRI-CCDタイプのデジタルカラーカメラ又は会社NIKON(登録商標)から市販されているD70Sタイプのデジタル写真装置を使用することが考えられる。画像を取得するため、会社Canfield(登録商標)からのVISIA-CRシステムを使用することもできる。このような取得は、標準白色光で半横向きに位置した顔の少なくとも1つのほおの少なくとも1つのゾーンに関して行うことができる。
【0052】
更に別の特定の実施形態によれば、前記装置は、スクリーン、キーボード及びマウスを備えるモニターと組み合わされるコンピュータであって、
デジタル画像をR、G、Bと称される3つの色平面、赤、緑、青へと分割するための手段と、
前記平面R、G、Bの各々を抽出するための手段と、
数学的計算をする適当な手段と、
前記皮膚または外皮の少なくとも1つの画像又は複数の画像を記録するための手段と、
を含む前記手段の全てを統合するソフトウエアを含むようなコンピュータを備える。
【0053】
特定の実施形態によれば、前記計算手段は、効果的に記録され、変形実施形態により皮膚の色調を較正するための曲線を構成するのに各人について使用されるような各全体平均パラメータを得るように、観察される皮膚又は外皮の種々なゾーンでそれぞれ種々な画像に関して得られた各パラメータの平均を考慮する。
【0054】
特定の実施形態によれば、前記装置は、特に1つのほおの、特に幾つかのゾーンに関して、1人及び同じ人の皮膚又は外皮の少なくとも1つの画像又は複数の画像を記録するための手段を備える。
【0055】
第3の態様によれば、本発明は、更に、それを必要とする少なくとも一人の人に対するケア又はメーキャップに関して化粧料用組成物の化粧有効性を評価するための方法において、
a)少なくとも1つの第1のカラーデジタル画像が、皮膚又は外皮の少なくとも1つの決定されたゾーンへ前記化粧品を付与する前に取り込まれ、
b)前記第1のデジタルカラー画像が、トリートメント前の前記皮膚又は外皮の色及び光度L
*の基準パラメータとして、前記皮膚又は外皮の色を決定し、並びに、光度L
*の値を決定するように、3つの色平面、赤(R)、緑(G)及び青(B)に分解され、
c)所定の時間期間に亘る前記化粧料用組成物の前記皮膚又は外皮の前記少なくとも1つのゾーンへの1回以上の付与を含む前記ケア又はメーキャップが行われ、
d)前記皮膚又は外皮の前記少なくとも1つのゾーンの少なくとも1つの第2のデジタル画像が、前記所定の時間期間後に取り込まれ、トリートメント後の色及び光度L
*の現在のパラメータが、前記第2の画像に関して、前記b)で示されるようにして決定され、
e)トリートメント後に得られた前記第2の画像の色及び光度L
*の前記現在のパラメータが、トリートメント前の前記第1の画像の色及び光度L
*の前記基準パラメータと比較され、
f)前記化粧料用組成物の有効性又は非有効性が、前記色及び光度L
*の基準パラメータと相当に異なる前記色及び光度L
*の現在のパラメータの取得又は非取得の関数として結論付けられる、
ことを特徴とする方法に関する。
【0056】
特定の実施形態によれば、前記方法は、前記色パラメータが、R平面、G平面、B平面と称される、色、赤R、色、緑G、及び色、青Bのそれぞれの3つの平面に分解された各デジタル画像に関して決定されることを特徴とする。
【0057】
別の特定の実施形態によれば、前記方法は、ヒストグラムR、ヒストグラムG及びヒストグラムBを得るように、例えば、垂直軸が各色平面R、G及びBについての前記画像におけるピクセルの数又はピクセルの割合を表し、水平軸が前記画像のピクセルの灰色レベルの値のセットを表すような平面に、各デジタル画像のヒストグラムがプロットされることを特徴とする。
【0058】
別の特定の実施形態によれば、前記方法は、前記平均色の多少の彩度減少特徴が、少なくとも2つのヒストグラム、好ましくは、前記3つのヒストグラムR、G、Bの重複のレベルを計算することにより決定されることを特徴とする。
【0059】
別の特定の実施形態によれば、前記方法は、前記化粧料用組成物の有効性が、最も離れたヒストグラム、又は前記ヒストグラムR、G、Bのうちの少なくとも2つのヒストグラム、のいずれかの(Δ
RGB)として示されるタイトネスを計算することにより決定されることを特徴とする。
【0060】
更に別の特定の実施形態によれば、前記方法は、次の式:
(I
W)=tan
-1(L
*/(Δ
RGB))
に従って、皮膚の白さインデックス(I
W)が計算されることを特徴とする。
【0061】
別の特定の実施形態によれば、前記方法は、前記方法が同じ個々人の皮膚又は外皮の種々なゾーンに関して繰り返されることを特徴とする。
【0062】
別の特定の実施形態によれば、前記方法は、光度L
*、インデックス(Δ
RGB)及びインデックス(I
W)の値が各ゾーンについて計算されることを特徴とする。
【0063】
更に別の特定の実施形態によれば、前記方法は、少なくとも1つの皮膚ゾーンが着色しみの如き着色欠陥を示し、少なくとも1つの他の「コントロール」皮膚ゾーンが通常に着色されていることを特徴とする。
【0064】
別の特定の実施形態によれば、前記方法は、皮膚又は外皮の少なくとも前記ゾーンに対してホワイトニングケアが実施され、前記色及び光度L
*の基準パラメータとは相当に異なる色及び光度L
*の現在のパラメータの取得又は非取得の関数として、前記化粧料用組成物の有効性又は非有効性について結論付けるように、前記所定の時間期間中に化粧ホワイトニング組成物が付与され、そして、特に、前記白さインデックスが計算され、前記化粧料用組成物の有効性又は非有効性が、前記白さインデックスの傾斜が相当に正であるか、又はそれほどには正ではないかに従って結論付けられることを特徴とする。
【0065】
更に別の特定の実施形態によれば、前記方法は、皮膚又は外皮の少なくとも前記ゾーンに対してタンニングケアが実施され、前記色及び光度L
*の基準パラメータとは相当に異なる色及び光度L
*の現在のパラメータの取得又は非取得の関数として、前記化粧料用組成物のタンニングの有効性又は非有効性について結論付けるように、前記所定の時間期間中に化粧タンニング組成物が付与されることを特徴とする。
【0066】
前記方法の効果的な実施形態によれば、前記方法は、5%以下の誤差の確率でもって相当の減少が得られることを特徴とする。
【0067】
本発明による方法及び装置によれば、前述したような技術的課題は、簡単で、保証でき且つ信頼できる仕方にて解決される。
【0068】
本発明の他の目的、特徴及び効果は、本発明の現在において好ましい実施形態に関して以下になされる説明から明らかとなろう。