(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1層用混合粉末を構成する基金属粉末の最大粒径および前記第3層用混合粉末を構成する基金属粉末の最大粒径が前記第2層用混合粉末を構成する基金属粉末の最小粒径よりも大きいものとされている、請求項2記載の混合粉末の高密度成形方法。
前記第1層用混合粉末を構成する基金属粉末の最大粒径および前記第3層用混合粉末を構成する基金属粉末の最大粒径が前記第2層用混合粉末を構成する基金属粉末の平均粒径よりも小さいものとされている、請求項3記載の混合粉末の高密度成形方法。
前記第1層用混合粉末および前記第3層用混合粉末が粒径20〜120μmの中から選択された粒径の基金属粉末をもって構成され、第2層用混合粉末が粒径20〜400μm
の中から選択された粒径の基金属粉末をもって構成されている、請求項1または請求項2に記載された混合粉末の高密度成形方法。
前記加熱昇温機と前記第2の加圧成形機とをこれら機能を一体的に組み込んだ加熱加圧成形機から形成するとともに、加熱加圧成形機を複数台の加熱加圧成形子機から形成しかつ各加熱加圧成形子機をサイクル毎に選択順次動作可能に形成されている請求項9記載の混合粉末の高密度成形装置。
前記第1の加圧成形機で成形された前記混合粉末中間圧縮体を前記加熱昇温機に移送し、前記加熱昇温機で加熱された前記混合粉末中間圧縮体を前記第2の加圧成形機まで移送し、かつ前記第2の加圧成形機で成形された前記混合粉末完成圧縮体を排出部まで移送するワーク移送装置をさらに有する請求項9記載の混合粉末の高密度成形装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、2回成形−1回焼結粉末冶金方法(特許文献8)は、他の提案方法に比較して、ますます複雑化、個別化されるとともに具現化と実施化が難しく、製造コストの大幅高を招く。また、予備成形体を500℃以上で熱処理することを要件としている。圧粉磁心の品質が劣悪化を防止する意味で格別の雰囲気中で行わなければならないので、大量生産には不向きである。特に、ガラス質被膜被覆磁性金属粉末の場合には、ガラス質が変質・溶解してしまうので、適応できない。
【0013】
また、上記したいずれの提案方法・装置(特許文献1〜8)においても、比較的に高温雰囲気内の焼結処理についての実施可能な記述はあるが、加圧成形工程に関する詳細は定かでない。加圧成形機の仕様・機能、加圧力と密度の関係やその限界に関する分析も新たな改善についての記載は認められない。
【0014】
かくして、小型軽量化に伴う一段の機械的強度が求められる点からも、高密度圧粉体(特に、磁心用高密度圧粉体)を確実・安定かつ低コストで製造できる方法・装置の開発が急務とされかつ高品質圧粉体の提供が望まれている。
【0015】
本発明の目的は、混合粉末に加温を挟んだ2回の加圧形成を施すことにより高密度圧粉体を製造できかつ製造コストを大幅に低減することができる混合粉末の高密度成形方法、高密度成形装置および高密度3層構造圧粉体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
圧粉体は焼結冶金技術より製造される慣行ゆえに、加圧成形された圧粉体を高温雰囲気(例えば、800℃以上)での焼結処理を施すことが必須とされてきた。しかし、焼結用高温処理は、エネルギー消費が大量でコスト負担が膨大であるばかりか地球的環境保全上も弊害が大きいので、見直す必要がある。
【0017】
また、従来、加圧成形処理は混合粉末を具体的形態として確立するものであり、高温焼結処理の前段階(予備)的な機械的処理として考えられ、そのように取り扱われてきた。しかるに、電磁機器(モータ、トランス等)に供される磁心用圧粉体を製造する場合に限り、例外的に、焼結用高温処理を省略しているのが実状である。高温処理した場合の弊害(磁気特性の劣悪化)を回避するためである。つまり、機械的強度に対する不満足を忍従することを余儀なくされていた。機械的強度の不足は、密度の問題であるから、当然として磁気特性も不十分であった。
【0018】
ここに、高温焼結処理をすることなくかつ加圧成形処理のみで圧粉体の高密度成形ができるならば、圧粉体の産業上の利用と普及を飛躍的に向上できる筈である。現実とするためには、実務的技術事項を考慮しかつその問題を解決しておかなければならない。特に、加圧成形処理のみで高密度成形された場合の圧粉体は、実際の使用前に機械的後理(例えば、バリ取り、面取り)を行うとの指摘が多い。したがって、この機械的後処理時の基金属粒子脱落量を最小限化し、欠損を防止できる高品質を担保可能に構築すべきと考える。
【0019】
本発明は、加圧時の潤滑剤の有効性、潤滑剤粉末を含む圧縮限界性、潤滑剤粉末の混合粉末内での空間的占有性、基金属粉末と潤滑剤粉末の空間的配置状態やそれらの挙動性および潤滑剤の最終処分態様についての研究並びに一般的な加圧成形機の特性、圧縮限界性および圧粉体の密度が強度や磁性に及ぼす影響度についての分析に基づき、機械的後処理に際する基金属粒子の脱落量を最小限化できる高品質圧粉体を確実に製造可能なものとして、創出したものである。
【0020】
すなわち、本発明は、基金属粉末と低融点の潤滑剤粉末との混合物であり基金属粉末の粒径が小さな第1層用混合粉末と,基金属粉末の粒径が大きな第2層用混合粉末と,基金属粉末の粒径が小さな第3層用混合粉末をこの順で第1の金型に充填し、潤滑剤の粉末状態を維持しつつ第1の加圧工程により中間圧粉体を成形し、次いで潤滑剤を加熱して液化させることにより中間圧粉体内の潤滑様相の改変をなし、しかる後に第2の加圧工程を施して真密度に近い高密度の完成圧粉体を成形するものである。換言すれば、高温焼結処理を必須とする従来焼結冶金技術から脱した新たな粉末冶金技術(潤滑剤の液化工程を挟んだ2回の加圧成形)の創成に係り、高密度圧粉体を確実に安定してかつ低コストで製造することのできる画期的で実用的な方法、装置およびこれらで製造された高密度3層構造圧粉体を提供するものである。
【0021】
(1)詳しくは、本発明の第1の態様に係る混合粉末の高密度成形方法は、基金属粉末
に融点が90〜190℃の潤滑剤粉末
を混合した混合粉末であるとともに、該混合粉末は、該基金属粉末の粒径が小さな第1層用混合粉末と,
該基金属粉末の粒径が大きな第2層用混合粉末と,
該基金属粉末の粒径が小さな第3層用混合粉末
であり、該第1層用混合粉末と該第2層用混合粉末と該第3層用混合粉末とをこの順で第1の金型に充填し、
該第1
の金型内で第3層用混合粉末、第2層用混合粉末およびに第1層用混合粉末に第1の加圧力を加え
、かつ、該第1の加圧力を加えた状態で潤滑剤が固形状を維持する温度で混合粉末中間圧縮体を成形し、
該第1の金型から取出した混合粉末中間圧縮体を加熱
昇温して
該混合粉末中間圧縮体
に含まれる潤滑剤粉末
を液化し、
該昇温された混合粉末中間圧縮体を第2の金型にセットし、
該第2の金型内で
該昇温された混合粉末中間圧縮体に第2の加圧力を加えて高密度の混合粉末完成圧縮体を成形することを特徴とする。
【0022】
(2)また、上記(1)の発明において、第1層用混合粉末、第2層用混合粉末および第3層用混合粉末を構成する各基金属粉末の粒径を平均粒径として規定することができる。
【0023】
(3)また、上記(1)の発明において、第1層用混合粉末の最大粒径および第3層用混合粉末の最大粒径を、第2層用混合粉末の最小粒径よりも大きくすることができる。
【0024】
(4)また、上記(1)の発明において、第1層用混合粉末の最大粒径および第3層用混合粉末の最大粒径を第2層用混合粉末の平均粒径よりも小さくすることができる。
【0025】
(5)また、上記(1)または(2)の発明において、第1層用混合粉末および第3層用混合粉末を粒径20〜120μmの中から選択することができ、第2層用混合粉末を粒径20〜400μmの中から選択することができる。
【0026】
(6)また、上記(1)または(2)の発明において、第1層用混合粉末および第3層用混合粉末を、同一の混合粉末とすることができる。
【0028】
(
7)また、上記(1)または(2)の発明において、第2の金型を、混合粉末中間圧粉体の受入れ以前に融点相当温度に暖機することができる。
【0029】
(
8)また、上記(1)または(2)の発明において、第2の加圧力を第1の加圧力と等しくすることができる。
【0030】
(
9)さらに、本発明の第2の態様に係る混合粉末の高密度成形装置は、
基金属粉末
に融点が90〜190℃の潤滑剤粉末
を混合した混合粉末であるとともに、該混合粉末は、該基金属粉末の粒径が小さな第1層用混合粉末と,該基金属粉末の粒径が大きな第2層用混合粉末と,該基金属粉末の粒径が小さな第3層用混合粉末とであり、該第1層用混合粉末と該第2層用混合粉末と第3層用混合粉末とを外部に供給充填可能な混合粉末供給機と、
該混合粉末供給機を用い
て該第1層用混合粉末
と、
該第2層用混合粉末
と、該第3層用混合粉末
とをこの順で常温状態にある第1の金型に充填し、該第1の金型内の混合粉末に第1の加圧力を加え
、かつ、該第1の加圧力を加えた状態で潤滑剤が固形状を維持する温度で混合粉末中間圧縮体を成形する第1の加圧成形機と、
該第1の金型から取出された混合粉末中間圧縮体を加熱
昇温して当該混合粉末中間圧縮体
に含まれる潤滑剤粉末
を液化させる加熱昇温機と、第2の金型にセットされた昇温済の混合粉末中間圧縮体に第2の加圧力を加えて高密度の混合粉末完成圧縮体を成形する第2の加圧成形機
と、を具備してなる。
【0031】
(
10)さらに、上記(
9)の発明において、加熱昇温機と第2の加圧成形機とをこれら機能を一体的に組み込んだ加熱加圧成形機から形成するとともに、加熱加圧成形機を複数台の加熱加圧成形子機から形成しかつ各加熱加圧成形子機をサイクル毎に選択順次動作可能に形成することができる。
【0032】
(
11)上記(
9)の発明において、前記第2の金型を暖機する暖機装置を有することができる。
【0033】
(
12)上記(
9)の発明において、前記第1の加圧成形機で成形された前記混合粉末中間圧縮体を前記加熱昇温機に移送し、前記加熱昇温機で加熱された前記混合粉末中間圧縮体を前記第2の加圧成形機まで移送し、かつ前記第2の加圧成形機で成形された前記混合粉末完成圧縮体を排出部まで移送するワーク移送装置をさらに有することができる。
【発明の効果】
【0035】
上記(1)の発明によれば、高密度圧粉体を確実・安定して製造できかつ製造コストを大幅に低減することができるとともに、機械的後処理に際する基金属粒子の脱落量を最小限化できかつ欠損を防止できる。
また、上記(1)の発明によれば、第1の加圧工程中における潤滑剤の酸化抑制を助長しつつ十分な潤滑作用を担保できる。しかも、潤滑剤の種類に関する選択性が広い。
【0036】
上記(2)の発明によれば、単一粒径で規定される場合に比較して、複数種類の粒径の組合せであるから粒子間結合力を一段と高められる。しかも、各層用混合粉末の選択性が広く、材料コストの低減化ができ、取り扱が容易である。
【0037】
上記(3)の発明によれば、重複範囲の粉末同士の絡み合いが強化され、機械的後処理時の粒子脱落量を一段と減量化できる。層境界でのクラック発生を抑えることにも有効である。
【0038】
上記(4)の発明によれば、機械的後処理時の外力により脱落し易い大粒の基金属粒子を排除できるので、第1・第3層混合粉末に係る基金属粒子の脱落発生確率を大幅に低減できる。
【0039】
上記(5)の発明によれば、原料コストの低減化を促進できかつ特に両端面角部における機械的後処理時の粒子脱落量を大幅に削減できる。また、それにより磁気特性の低下を防止できる。
【0040】
上記(6)の発明によれば、混合粉末の選択性が一段と広がり、材料コストを大幅に削減でき、入手が一段と容易となる。
【0042】
上記(
7)の発明によれば、第2の加圧成形中における溶解済み潤滑剤の全方向への流動性を一段と高められるから、粒子間のみならず粒子と第2の金型との間の摩擦抵抗力を
大幅に軽減できる。
【0043】
上記(
8)の発明によれば、加圧成形工程の実施およびその取り扱いが容易で、間接的に圧粉体製造コストの一層の低減にも寄与できる。
【0044】
さらに、上記(
9)の発明によれば、上記(1)〜(
8)に係る混合粉末の高密度成形方法を確実に実施することができるとともに具現化が容易で、取り扱いが簡単である。
【0045】
さらに、上記(
10)の発明によれば、上記(
9)の発明の場合に比較して、一段の装置簡素化を図れる。製造ラインの単純化も促進でき、取り扱いも一段と容易になる。
【0046】
上記(
11)の発明によれば、第2の金型を暖機することによって、完成圧粉体成形開始時点までに混合粉末中間圧縮体の温度が低下する恐れがある場合であっても混合粉末中間圧縮体を一定の温度範囲内に収めることができるため、良好な成形効果を得ることができる。
【0047】
上記(
12)の発明によれば、ワーク搬送装置を有することによって、第1の加圧成形機から前記加熱昇温機までの間、加熱昇温機から第2の加圧成形機までの間、そして第2の加圧成形機から排出部までの間でワークを確実に移送することができる。
【0048】
さらにまた、上記(14)の発明によれば、加圧成形後の機械的後処理に対する耐磨滅性や耐欠損性の優れた機械部品や電磁機器(モータやトランス等)用磁心(磁芯)材料を安価で提供できる。
【0049】
なお、上記以外の本発明の構成および効果については、以下の説明から明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0052】
(第1の実施の形態)
本混合粉末の高密度成形装置1は、
図1〜
図7に示す如く、混合粉末供給機10と第1の加圧成形機20と加熱昇温機30と第2の加圧成形機40とを具備し、基金属粉末と低融点の潤滑剤粉末との混合物であり基金属粉末の粒径が小さな第1層用混合粉末100Fと,基金属粉末の粒径が大きな第2層用混合粉末100Sと,基金属粉末の粒径が小さな第3層用混合粉末100Tとをこの順で第1の金型(下型21)に充填する混合粉末充填工程(PR1)、第1の金型(下型21)内で混合粉末(100F,100S,100T)に第1の加圧力P1を加えて混合粉末中間圧縮体(中間圧粉体110という場合もある。)を成形する中間圧粉体成形工程(PR2)、第1の金型(下型21)から取出された中間圧粉体110を加熱して中間圧粉体110の温度を当該潤滑剤粉末の融点相当温度に積極的に昇温する加熱昇温工程(PR3)、加熱された中間圧粉体110を第2の金型(下型41)内にセットする工程(PR4)および第2の金型(下型41)内で中間圧粉体110に第2の加圧力P2を加えて高密度の混合粉末完成圧縮体(完成圧粉体120という場合もある。)を成形する完成圧粉体成形工程(PR5)からなる本混合粉末の高密度成形方法を安定・確実に実施することができるとともに機械的後処理に強い高密度3層構造圧粉体を製造かつ提供可能に形成されている。
【0053】
本願明細書中でいう混合粉末100とは、基金属粉末と低融点の潤滑剤粉末との混合物を意味する。また、基金属粉末としては、1種の主金属粉末だけからなる場合と、1種の主金属粉末およびこれに1または複数の合金化成分粉末を混合してなる場合とがあるが、いずれの場合も適応できる。低融点とは、基金属粉末の融点(温度)に比較して温度(融点)が著しく低い温度(融点)でかつ基金属粉末の酸化を大幅に抑制できる温度(融点)であることを意味する。
【0054】
高密度成形装置1を示す
図2において、高密度成形ラインの一番左側(上流側)に配置された混合粉末供給機10は、混合粉末100を第1の加圧成形機20の一部を構成する第1の金型(下型21)に供給してそのキャビティ22内に充填する装置である。一定量の混合粉末100を保留する機能および定量供給機能を有し、全体として初期位置(
図2、
図3Aに実線で示した位置)と第1の金型(下型21)の上方位置(
図3Bに破線で示した位置)との間を選択的に往復移動可能である。
【0055】
第1の金型(下型21)内の何処にも混合粉末100を均一かつ十分に充填させることが重要であるから、混合粉末100はサラサラ状態でなければならない。つまり、第1の金型(下型21)の内部空間(キャビティ22)の形態は製品形態に応じた形態であるから、製品形態が複雑であるいは狭小部分を有する形態であっても、中間圧粉体110の寸法精度保証上、不均一充填や不十分充填は好ましくない。
【0056】
完成圧粉体120(中間圧粉体110)の形態(寸法、形状)は、特に限定されないが、例として
図5A〜
図5Eに示す。
図5Aはリング形状、
図5Bは円柱形状、
図5C)は細長丸軸形状、
図5Dは円板形状で、
図5Eは複雑形状を示す。
【0057】
すなわち、第1の加圧成形機20の上型25(上パンチ25PU)および下型21のキャビティ22は、中間圧粉体110の形態(形状)に対応する形状とされる。中間圧粉体110の形態が例えば
図5A〜
図5E示すものである場合、それぞれに対応した形状となる。中間圧粉体110の形態が
図5Aに示すリング形状の場合は、
図2、
図3A,
図3Bに示す如く上型25(上パンチ25PU)の形状が円環筒形状でかつ下型21の形状が中空円環筒形状となる。
図5Bに示す円柱形状の場合は、上型25(上パンチ25PU)の形状が中実円筒(円柱)形状でかつ下型21の形状が中空円筒形状となる。
図5Cの円板形状、
図5Dの細長丸軸形状の場合も、同様な形態である(但し、深浅の相違はある)。
図5Eに示す複雑形状の場合は、対応する複雑な形状となる。なお、第2の加圧成形機40の上型(上パンチ45PU)45および下型41のキャビティ42についても同様である。
【0058】
ここに、基金属粉末の粒子間の摩擦抵抗力および基金属粉末と金型内面との摩擦抵抗力を軽減するための潤滑剤は、常温においてサラサラ状態の固形状(非常に小さな粒状)つまり粉末であるものを選択する。例えば液状の潤滑剤を採用すると、混合粉末100の粘度が高くかつ流動性が低くなるので、均一充填や十分充填ができない。
【0059】
次いで、常温下の第1の金型(下型21)内でかつ第1の加圧力P1を加えつつ実行される中間圧粉体成形中、潤滑剤は固形状で所定の潤滑作用を安定維持できなければならない。第1の加圧力P1の加圧により多少の温度上昇が生じる場合があったとしても、同様に安定維持されるべきである。
【0060】
一方において、中間圧粉体成形後に実行される加熱昇温工程(PR3)との関係および基金属粉末の酸化抑制の観点から、潤滑剤粉末の融点は当該基金属粉末の融点に比較して非常に低い融点(低融点)とする必要がある。
【0061】
この実施の形態では、潤滑剤粉末の融点は、90〜190℃の温度範囲内に属する低融点として選択されている。下側温度(例えば、90℃)は、中間圧粉体成形中にある程度の温度上昇が発生したとしても、この温度には到達しないであろう値(例えば、70〜80℃)の上限温度(80℃)に対して余裕をもたせた値(例えば、90℃)とし、さらに他の金属石鹸の融点(例えば、110℃)に着目して選択してある。つまり、中間圧粉体の加圧成形中に潤滑油粉末が溶解(液化)して流れ出てしまう心配を一掃する。
【0062】
上側温度(例えば、190℃)は、潤滑剤粉末の種類に関する選択性の拡大の観点からは最小値で、特に加熱昇温工程に際する基金属粉末の酸化抑制の観点からは最大値として選択してある。つまり、この温度範囲(90〜190℃)の下側温度と上側温度は、限界値ではなく境界値として理解されたい。
【0063】
かくして、金属石鹸に属する多くの物質(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等)を潤滑剤粉末として選択的に採用することができる。なお、潤滑剤は粉末状態でなければならないので、粘性のある液体のオクチル酸亜鉛等は採用できない。
【0064】
この実施の形態では、融点120℃のステアリン酸亜鉛粉末を潤滑剤粉末として実施した。なお、本発明においては、特許文献7の発明のように加圧成形時の金型温度よりも低い温度(融点)の潤滑剤を用いかつ最初から潤滑剤を溶解(液化)させつつ加圧成形を実行する考え方は否定する。中間圧粉体110の成形終了以前に溶解した潤滑剤が流出してしまったのでは、途中で潤滑不足の部位が発生し易くなることから、十分な加圧成形を確実かつ安定して行えないからである。
【0065】
潤滑剤粉末の量は、試験研究並びに実際生産を通じた経験則から選択した値とする。まず、中間圧粉体成形工程(PR2)との関係では、この実施の形態では、潤滑剤粉末の量は混合粉末全量の例えば0.5〜0.08wt%とする。0.08wt%は中間圧粉体110の成形終了まで潤滑作用を担保できる下限的な値であり、0.5wt%は混合粉末100から中間圧粉体110とする際に期待する圧縮比を得るために必要な最上限的な値として選択した。
【0066】
次に、生産実務的な潤滑剤粉末の量は、第1の金型(下型21)内で第1の加圧力を加えて成形される中間圧粉体110の真密度比の値並びに第2の金型(下型41)内での発汗現象を担保できるものとして決定すべきである。この際、作業環境の劣悪化を招く金型から外部への液化潤滑剤の液垂れ(液垂れ現象)の発生を防止する観点を見逃してはならない。中間圧粉体110の真密度比(真密度100%に対する比)の値を80〜90%とする場合は、潤滑剤粉末の量は、0.2〜0.1wt%とするのが好ましい。上限側値(0.2wt%)は液垂れ現象の発生防止可能とする観点から決め、下限側値(0.1wt%)は過不足のない必要十分な発汗現象の発現可能とする観点から決める。上記従来提案例(1wt%)の場合に比較して1/2以下と少なく、産業上の利用性を大幅に向上できる。
【0067】
液垂れ現象の発生防止は、実際生産に対しては極めて重要である。机上発案や研究段階では、加圧時の摩擦抵抗の低減化の観点から潤滑剤が不足することを心配するあまりに過分な潤滑剤を混合する傾向にある。ただ、例えば7.3g/cm
3を超える高密度化ができるか否かの試行錯誤の段階にあることから、過分な潤滑剤が液状化して金型から流出する事象には全く無関心である。液垂れ現象の認識さえない。つまり、液化潤滑剤の液垂れは、潤滑剤使用料の増大によるコストアップ、作業環境の悪化による生産性の低下や作業者の負担増大を招くので、これを解決しなければ実用性に欠けかつ普及拡大に繋がらない。
【0068】
0.2wt%の混合粉末100を真密度比80%まで圧縮した中間圧粉体110の場合は、加熱昇温工程(PR3)で当該潤滑剤粉末の融点相当温度に積極的に昇温すると、中間圧粉体110内に点在する粉末潤滑剤が溶融して金属粉末粒間の空孔を満たし、次いで金属粉末粒間を通過して中間圧粉体110の表面に一様に液状潤滑剤が染み出る(噴出する)。つまり、発汗現象が誘発される。この中間圧粉体110を第2の金型(下型41)内で第2の加圧力P2を加えて圧縮する際に、基金属粉末とキャビティ内面壁との摩擦抵抗は大幅に低減される。
【0069】
0.1wt%の混合粉末100を真密度比90%まで圧縮した中間圧粉体110の場合も、0.1wt%を超えかつ0.2wt%未満の範囲内の混合粉末100を真密度比90%未満かつ80%を超える範囲内の値まで圧縮した中間圧粉体110である場合も、同様な発汗現象を発現できる。液垂れ現象の発生防止もできる。
【0070】
かくして、高密度成形でき、磁気的特性のみならず機械的強度も満たす圧粉体(例えば、磁心)を製造できる、金型破損の虞も一掃できる。しかも、潤滑剤の消費量を大幅に削減でき、金型からの液状潤滑剤の垂れ流しがなくなり作業環境が良好となる。全体として生産性向上および圧粉体製造コスト低減ができるから産業上の利用性を格段に向上できる。なお、潤滑剤粉末の量は、混合粉末100の組成等により適宜な量とすることができる。
【0071】
因みに、上記したいずれの従来方法・装置(特許文献1〜8)でも、潤滑剤の含有率と混合粉末100の圧縮率との関係、潤滑剤の多少による液垂れ現象、発汗現象についての認識がない。特に、温間粉末冶金方法(特許文献5)でさえ、その目的がハンドリング容易化のためか密度比が76%未満の一次成形体を成形する点は理解できる。しかし、高密度成形に関する技術的根拠並びに実施可能な事項は何も開示されていない。いわんや、その後に一旦、一次成形体を崩壊してから二次成形体を成形する点からすれば、一次成形、二次成形の積み上げにより高密度化を図る技術思想を否定することに他ならない。
【0072】
第1の加圧成形機20は、混合粉末供給機10を用いて第1の金型(下型21)に充填された混合粉末100に第1の加圧力P1を加えて混合粉末中間圧縮体(中間圧粉体110)を成形する装置であり、この実施の形態ではプレス機械構造である。
【0073】
図2において、第1の金型装置は、ボルスタ側の下型21(ダイス21D)とスライド5側の上型25(上パンチ25PU)とからなる。下型21のキャビティ22は、
図5Aに示す中間圧粉体110の形態(リング形状)に対応する形状(中空円環筒形状)とされている。すなわち、上型25(上パンチ25PU)は下型21(キャビティ22)内に押込み可能な形態(
図2、
図3A,
図3Bに示す円環筒形状)とされ、スライド5により昇降運動される。キャビティ22の下方には、可動部材23が上下方向に変位可能に嵌装されている。
【0074】
第1の加圧成形機20の上型25(上パンチ25PU)および下型21のキャビティ22は、中間圧粉体110の形態(形状)に対応する形状とされるので、中間圧粉体110の形態が
図5B〜
図5E示すものである場合も、それぞれに対応した形状となる。
【0075】
図5Bに示す円柱形状の場合は、上型25(上パンチ25PU)の形状が中実円筒(円柱)形状でかつ下型21の形状が中空円筒形状となる。
図5Cに示す細長丸軸形状の場合も同様な形状とするが上下方向に長い。
図5Dに示円柱形状の場合も同様な形状となるが上下方向に短い。
図5Eに示す複雑形状の場合は、対応する複雑形状となる。なお、第2の加圧成形機40の上型(上パンチ)45および下型41のキャビティ42についても同様である。
【0076】
なお、高密度3層構造圧粉体(完成圧粉体120)[
図7(A)を参照]を製造する場合については、詳細後記する。
【0077】
可動部材23は、グランドレベルGL以下に設けられた貫通穴24を通して突き上がるノックアウトピン(図示省略)によって上方に変位される。つまり、第1の金型[下型21(キャビティ22)]内の中間圧粉体110を、移送レベルHLまで押し上げることができる。外部からみれば、第1の金型(下型21)内の中間圧粉体110を外部(HL)に取出すための第1の取出装置として働く。中間圧粉体110が加熱昇温機30側に移送された後に、可動部材23はノックアウトピンとともに初期位置に戻る。もっとも、他の格別の装置から第1の取出装置を形成してもよい。
【0078】
第1の加圧成形機20における加圧力P(第1の加圧力P1)とこれに対応して得られる中間圧粉体110の真密度比(密度ρ)との関係を、
図4を参照して説明する。横軸は加圧力Pを指数で示してある。この実施形態における最大能力(加圧力P)は10Ton/cm
2であり、これを横軸指数100とする。Pbは金型破損圧力で、横軸指数140(14Ton/cm
2)である。縦軸は真密度比(密度ρ)を指数で示している。縦軸指数(100)は真密度比(密度ρ)が97%(7.6g/cm
3)に当たる。
【0079】
この実施の形態では、基金属粉末が磁心用ガラス質絶縁被膜被覆鉄粉末(真密度が7.8g/cm
3)とされ、潤滑剤粉末が0.2〜0.1wt%の範囲内のステアリン酸亜鉛粉末でありかつ第1の加圧力P1が混合粉末中間圧縮体を縦軸指数82〜92[密度ρ(6.24〜7.02g/cm
3)相当]に当たる真密度比80〜90%に圧縮できるものと選択されている。
【0080】
因みに、縦軸指数102は密度ρ(7.75g/cm
3)に当たり、真密度比(密度ρ)は99%に相当する。
【0081】
なお、基金属粉末としては、磁心用鉄系アモルファス粉末(磁心用Fe−Si合金粉末)、磁心用鉄系アモルファス粉末、磁心用Fe−Si合金粉末、機械部品用純鉄粉末等でもよい。
【0082】
第1の加圧力P1を上げて行くと、第1の加圧成形機20で得られる密度ρは、破線(曲線)で示す特性Aに従って高くなる。第1の加圧力P1(横軸指数100)で、密度ρが7.6g/cm
3となる。真密度比は97%である。第1の加圧力P1をこれ以上の値に上昇させても、密度ρの向上は極微である。金型破損の虞が強い。
【0083】
従来は、加圧成形機(プレス機械)の最大能力で加圧して得られた密度ρに満足できない場合には、一段と大型のプレス機械を装備しなければならなかった。しかし、最大能力を例えば1.5倍に大型化しても、密度ρの向上は軽微である。かくして、現在プレス機械で得られるが低い密度ρ(例えば、7.5g/cm
3)で妥協していたのが実状であった。
【0084】
ここに、現在プレス機械をそのまま利用して、縦軸指数100(7.6g/cm
3)から102(7.75g/cm
3)まで向上できることになれば、画期的と理解できる。つまり、密度ρを2%向上できるなら、磁気特性を大幅(双曲線的)に向上できかつ機械的強度をも飛躍的に向上できるからである。しかも、高温雰囲気での焼結処理を一掃化できるので、圧粉体の酸化を大幅に抑える(磁心性能の低下を防止できる)。
【0085】
以上を実現化するために、第1の加圧成形機20で成形した中間圧粉体110を加熱することで潤滑剤の溶解(液化)を促し、しかる後に第2の加圧成形機40で2回目の加圧成形処理を施すように形成されている。第2の加圧成形機40おいて中間圧粉体110を加圧すると、
図4の特性B(実線)に示すように縦軸指数102に相当する高密度(7.75g/cm
3)を達成できる。詳細は、第2の加圧成形機40の説明において、追記する。
【0086】
加熱昇温機30は、第1の金型(下型21)から取出された混合粉末中間圧縮体(中間圧粉体110)を加熱して当該中間圧粉体110の温度を当該潤滑剤粉末の融点相当温度に積極的に昇温する装置である。
図2において、加熱昇温機30は、図示しない温風発生源と、吹付けフード31、排気循環フード33等を含み、金網状保持部材32に位置づけされた中間圧粉体110に温風を吹付けて加熱し、その温度を潤滑剤粉末の融点相当温度(例えば、120℃)に昇温する。
【0087】
この低温加熱処理の技術的意義を第1の加圧成形処理との関係において説明する。下型21(キャビティ22)内に充填された混合粉末100を観察してみると、基金属粉末との関係において潤滑剤粉末の存在が比較的に疎である部分(疎部分)と密である部分(密部分)とが認められる。密部分は、基金属粉末の粒子間の摩擦抵抗力および基金属粉末と金型内面との摩擦抵抗力を小さくできる。疎部分は、これら摩擦抵抗力が大きくなる筈である。
【0088】
第1の加圧成形機20での加圧中、密部分は低摩擦なので圧縮性が勝り、圧縮化進行し易い。疎部分は高摩擦なので圧縮性が劣り、圧縮化が遅れる。いずれにしても、予め設定された第1の加圧力P1の値に応じた圧縮進行困難化現象が発生する。つまり、圧縮限界が生じる。この状態下で第1の金型(下型21)から取出した中間圧粉体110の破断面を拡大観察すると、上記密部分であった部分は基金属粉末が一体的様相で圧接されている。しかし、潤滑剤粉末も紛れ込んでいる。疎部分であった部分は、圧接された基金属粉末間に僅かな隙間(空間)が残っている。潤滑剤粉末は殆ど見当たらない。
【0089】
かくして、密部分であった部分から潤滑剤粉末を除去すれば、圧縮可能な隙間が生まれる。疎部分であった部分の隙間に潤滑剤を補給することができれば、その部分の圧縮性を高められる。
【0090】
すなわち、第1の加圧成形終了後の中間圧粉体110を加熱して潤滑剤粉末の融点相当温度(例えば、120℃)に昇温することで、潤滑剤粉末を溶解(液化)させその流動性を高める。密部分であった部分から溶け出した潤滑剤はその周辺に浸み込みかつ疎部分であった部分に補給される。したがって、基金属粉末の粒子間の摩擦抵抗力を小さくでき、潤滑剤粉末が占めていた空間も圧縮できることになるわけである。基金属粉末の粒子と金型内面との摩擦抵抗力も小さくできる。つまり、液状潤滑剤の流動性を利用しつつ第2の加圧成形処理を施す。
【0091】
次に、第2の加圧成形機40は、第2の金型(下型41)にセットされた昇温済の中間圧粉体110に、第2の加圧力P2を加えて高密度の完成圧粉体120を成形するための装置である。
【0092】
本実施の形態においては、第2の金型(下型41)の暖機機能を設けている。しかし昇温済の中間圧粉体110の温度が、第2の金型(下型41)内において第2の加圧力P2を加えた完成圧粉体成形開始時点までに成形に支障が生じない一定の温度範囲内に収まっていれば、第2の金型(下型41)を暖機しなくても本発明の高密度成形を実施できる。
【0093】
しかし、中間圧粉体110の熱容量が小さい場合、第2の金型(下型41)までの移送時間や移送経路が長い場合、混合粉末100の組成や中間圧粉体110の形態などによって、昇温済の中間圧粉体110が完成圧粉体成形開始時点までに温度低下する虞のある場合には、第2の金型(下型41)を暖機した方が好ましい成形効果を得ることができる。後記する第2の暖機装置47は、このために設けられている。
【0094】
なお、この実施形態における第2の加圧成形機40の最大能力(加圧力P)は、第1の加圧成形機20の場合と同じ10Ton/cm
2である。かくして、第1の加圧成形機20と第2の加圧成形機40とは1台のプレス機械として構成され、
図2に示す共通のスライド5で各上型25、45は同期昇降される。この点からも、装置経済が有利で、完成圧粉体120の製造コストを低減できる。
【0095】
図2において、第2の金型装置は、ボルスタ側の下型41(ダイス41D)とスライド5側の上型45(上パンチ45PU)とからなる。下型41のキャビティ42は、下部は完成圧粉体120の形態(リング状形態)に対応する形状(円環筒形状)とされ、上部が中間圧粉体110を受入れ可能に僅かに大きい形態とされている。上型45は下型41(キャビティ42)内に押込み可能な形態とされ、スライド5により昇降運動される。キャビティ42の下方には、可動部材43が上下方向に変位可能に嵌装されている。なお、第2の金型(下型41)と第1の金型(下型21)とは、圧縮対象(中間圧粉体110と完成圧粉体120)との上下方向寸法差に相当する高さ(位置)調整がされている。
【0096】
可動部材43は、グランドレベルGL以下に設けられた貫通穴44を通して突き上がるノックアウトピン(図示省略)によって上方に変位される。つまり、第2の金型[下型41(キャビティ42)]内の完成圧粉体120を、移送レベルHLまで押し上げることができる。外部からみれば、第2の金型(下型41)内の完成圧粉体120を外部(HL)に取出すための第2の取出装置として働く。なお、他の格別の装置から第2の取出装置を形成してもよい。完成圧粉体120が排出シュータ59に排出され、加熱昇温機30から新たな中間圧粉体110を受けた後に、可動部材43はノックアウトピンとともに初期位置に戻る。
【0097】
第2の金型[下型41(キャビティ42)]には、設定温度変更可能な第2の暖機装置47が設けられている。この第2の暖機装置47は、中間圧粉体110を受入れる(セットされる)までに、潤滑剤粉末(ステアリン酸亜鉛)の融点相当温度(120℃)に第2の金型[下型41(キャビティ42)]を暖める(暖機する)。昇温済の中間圧粉体110を冷やすこと無く受入れることができる。これにより、先に溶解(液化)した潤滑剤の再固形化を防止しつつ潤滑作用を担保することができる。なお、第2の暖機装置47は、この実施の形態では電熱加熱方式(電気ヒーター)とされているが、温油や温水を循環して暖機する循環方式の加熱装置などでも実施することができる。
【0098】
この意味において、第2の暖機装置47は、完成圧粉体120が加圧成形完了となるまで、加熱可能とされている。かくすれば、加圧成形中における溶解済み潤滑剤の全方向への流動性を一段と高められるから、粒子間のみならず粒子と第2の金型[下型41(キャビティ42)]との間の摩擦抵抗力を大幅に軽減維持できる。
【0099】
これに関連し、この実施の形態では、第1の金型(下型21)を暖機するための図示しない暖機機能を設けている。しかし、昇温加熱工程前に第1の金型(下型21)を暖機して中間圧粉体110を予備昇温しなくても本発明の高密度成形加工は実施できる。
【0100】
しかし、混合粉末の組成や中間圧粉体110の形態が特異的である場合、中間圧粉体110の熱容量が大きい場合、大きな加熱昇温機30を設けられない場合、あるいは作業環境温度が低い場合は、中間圧粉体110の加熱昇温に長時間を費やす虞がある。かかる場合には、第1の金型(下型21)を暖機した方が好ましい。そのため、この実施の形態では、第1の金型を暖機している。
【0101】
すなわち、第1の金型[下型21(キャビティ22)]にも、設定温度変更可能な第1の暖機装置(図示省略)を設け、中間圧粉体110の成形終了後で加熱昇温機30に引き渡す以前に第1の金型(下型21)を暖機して潤滑剤粉末を予熱可能に形成している。そうすることにより、加熱昇温時間を削減でき、生産サイクルの短縮化が実現できる。
【0102】
第2の加圧成形機40で得られる密度ρは、実線(直線)で示した特性Bに従う。すなわち、第1の加圧成形機20の場合[特性A(破線)]とは異なり、第2の加圧力P2を上げて行くに従って次第に密度ρが高まるわけでない。つまり、第1の加圧成形工程における最終の第1の加圧力P1(例えば、横軸指数50、75あるいは85)を越えるまでは密度ρは高くならない。第2の加圧力P2が最終の第1の加圧力P1を超えると、一気に密度ρが高まる。第2の加圧成形は、あたかも第1の加圧成形を連続的に引き継いで行われるものと理解される。
【0103】
かくして、第1の加圧成形工程において、第1の加圧力P1を何時でも最大能力に対応する値(横軸指数100)まで上昇させた運転をしなくてもよいことになる。つまり、圧縮限界以降に第1の加圧成形を続行した場合の無駄な時間、消費エネルギーを排斥できる。製造コスト低減に繋がる。また、横軸指数100を越える過負荷運転を回避し易くなるので、金型破損の心配がない。全体として、運転取り扱いが容易で安全かつ安定運用ができる。
【0104】
ワーク移送装置50は、第1の取出装置(可動部材23、貫通穴24)によって第1の金型(下型21)から取出された中間圧粉体110を加熱昇温機30内の所定位置に移送可能で、昇温後の中間圧粉体110を加熱昇温機30内の所定位置から第2の金型(下型41)まで移送可能で、第2の取出装置(可動部材43、貫通穴44)によって第2の金型(下型41)から取出された完成圧粉体120を高密度成形装置1外へ排出する排出部、例えば、排出シュータ59に移送可能に形成されている。ワーク移送装置50は、第1の加圧成形機20から加熱昇温機30までの間、加熱昇温機30から第2の加圧成形機40までの間、そして第2の加圧成形機40から排出シュータ59までの間でワークを確実に移送することができる。
【0105】
この実施の形態のワーク移送装置50は、
図3Bに示す同期運転される3つの送りバー51、52、53から構成されている。送りバー51、52、53は、移送要求時に
図3Aの紙面奥行き側から手前
図3Bの移送ラインに進行され、左から右へ移動させた後に元の位置に退行する。セット装置(送りバー52、可動部材43、貫通穴44)は、昇温された混合粉末中間圧縮体(中間圧粉体110)を該融点相当温度に暖機された第2の金型[下型41(キャビティ42)]にセットする。
【0106】
なお、ワーク移送装置は、2次元あるいは3次元方向に駆動されるフィンガー等を含み、各金型等にワークを順次移送するトランスファー装置などから形成してもよい。
【0107】
ここにおいて、加圧成形処理のみで成形することができる完成圧粉体120の産業上の利用性の向上と普及拡大を期した製品化技術事項について述べる。
【0108】
以下では、
図7の(A)に示す高密度3層構造圧粉体(完成圧粉体120)を製造する場合について説明する。高密度成形装置1の基本的構成・機能は上記した場合(
図2、
図3A,
図3B)と同様であるが、第1の金型および第2の金型を交換する。つまり、
図5Bの円柱形状圧粉体を成形する場合と同様に、第1の加圧成形機20を構成する上型(上パンチ25PU)25が中実円筒(円柱)形状とされかつ下型21が中空円筒形状とされる。詳しくは、
図6の(D)に示すように、第1の金型に関しては、上パンチ25PUを円柱形状に、ダイス21Dを中空円筒形状にかつ下パンチ21PDを円柱形状にする。また、第2の加圧成形機40に関しては、上パンチ45PUを円柱形状に、ダイス41Dを中空円筒形状にかつ下パンチ41PDを円柱形状とする。
【0109】
加圧成形処理のみで成形された完成圧粉体120の外周面は、成形過程においてキャビティ内壁面と圧接摺動されるので、表面滑らか(ツルツル)である。しかし、上・下端面は、パンチ25PU,21PDの端面で押圧されるだけなので、比較的にザラザラである。したがって、最終製品(例えば、磁心)とするまでには機械的後処理が必要と指摘されている。機械的後処理としては、バリ取り・面取りが知られ、いずれも表面を削り取る。
【0110】
その削り取り量が多いと、材料無駄が多いと言わざるをえない。また、機械的後処理終了後の外径寸法にバラツキが生じると、組み立てに不都合が生じる。いわんや一部に粒子脱落、欠損や変形が生じると不良品となり、歩留まりも低下する。
【0111】
バリ取り等は、研磨研削シートを用いて行われる場合が多い。つまり、作業員が研磨研削シートを完成圧粉体120の上・下端面に押し付け、任意の方向に相対移動させつつ剥ぎ取り力を加えながら行われる。完成圧粉体120側からすれば、付与される外力は、その方向も強弱もランダムである。ところで、完成圧粉体120は、隣り合う基金属粒子同士の絡み合い並びに潤滑剤被膜をいわば接着剤とした圧着結合により成立されている。したがって、完成圧粉体120の基金属粒子間の結合力は、基金属粒子の溶融・再固着を伴う高温熱処理(焼結処理)を施した焼結圧粉体の結合力と比較すれば、弱く小さい。
【0112】
しかも、完成圧粉体120の中間内部に位置する基金属粒子は上下左右の隣り合う基金属粒子が絡み合いかつ圧着結合されているが、上端面に位置する粒子はその上側および左側(または右側)に隣り合う粒子がないから圧着結合力が弱い。下端面に位置する粒子はその下側および左側(または右側)に隣り合う粒子がないから圧着結合力が弱い。つまり、周辺エッジ部分(上端面・下端面、周縁コーナー)に位置する基金属粒子間の圧着結合力は、中間内部に位置する粒子間圧着結合力に比べて弱い。
【0113】
バリ取り・面取りは、基金属粒子自体を磨滅しつつ小粒化するのでなく、粒子単位で削り取られる。したがって、
図7の(B)および
図8の(A)に示す1層構造の完成圧粉体120に機械的後処理を施すと、
図8の(B)に示す基金属粒子105の中の周辺エッジ部分に位置する一部基金属粒子106が欠落(脱落・欠損)する。欠落は、完成圧粉体120の変形・欠損である。中央部に位置する基金属粒子105は、欠落しない。
【0114】
バリ取り・面取りによる一部基金属粒子106の欠落は、研磨研削工具の種別(例えば、シート、ヤスリ、グラインダー等)や手動作業か自動作業かに拘らず発生する。
【0115】
第2の加圧力P2が一定として圧着結合面積を検討すると、完成圧粉体120の基金属粒子の粒径が小さいほど隣り合う粒子との圧着結合面積が大きく、粒径が大きいほど隣り合う粒子との圧着結合面積が小さくなるとともに粒径の大きさに比例して粒子の圧着結合部にかかる外力モーメントが大きくなるものと推測する。つまり、完成圧粉体120の基金属粒子の粒径が小さいほど外力に対する抵抗力が強く、基金属粒径が大きいほど外力に対する抵抗力は小さい。
【0116】
また、基金属粉末が同じ大きさの粒径のみから構成される基金属粉末(単一粒子集合粉末)である場合に比較して、複数種類の大きさの粒径が混在した基金属粉末の方が粉末同士の絡み合いが深まると確信する。
【0117】
すなわち、機械的後処理時の粒子脱落量を最小化するためには、完成圧粉体120の粒子的構成の見極めが重要であると認識する。
【0118】
本発明では、機械的後処理に際する基金属粒子の脱落量を最小限化するために
図7の(A)に示す完成圧粉体120を3層構造とする。第1層(下面側)を小さな粒径の基金属を主成分とする混合粉末100Fから構成し、第2層(中間部)を大きな粒子の基金属を主成分とする混合粉末100Sから構成し、第3層(上面側)を小さな粒径の基金属を主成分とする混合粉末100Tから構成する発案である。
【0119】
基金属粉末の粒径とは、基金属粉末を構成する基金属粒子の粒径を意味する。また、粒子の大きさは、基金属粒子の形状が球形状の場合にはその直径を指すが、球形状や円形状でない場合には当該基金属粒子のさしわたし長さの中の最大長さを指すものとする。
【0120】
かくして、高密度3層構造圧粉体を成形する場合は、
図6の(A)〜(C)に示すように粒径が小さな第1層用混合粉末100Fと,粒径の大きな第2層用混合粉末100Sと,粒径の小さな第3層用混合粉末100Tをこの順で第1の金型(ダイス21D)に充填する必要がある。この実施の形態では、第1層用混合粉末100Fと第3層用混合粉末100Tの粒径を同じ(詳細後記)としたので、
図2、
図3A,
図3Bに示す2台の混合粉末供給機(小粒用機10FT、大粒用機10S)を設けかつ切換え使用可能としてある。なお、各層用として3台の混合粉末供給機を設けてもよい。
【0121】
また、基金属粒子の絡み合い強化の観点から、第1層用混合粉末100F、第2層用混合粉末100Sおよび第3層用混合粉末100Tを構成する基金属粒子の粒径を、平均粒径として規定する。混合粉末の購入、充填作業等における取り扱い上も便利である。例えば、
図9に示すように、最大粒径dmaxと最小粒径dminを含みかつ多くの中間的粒径から構成される小粒系混合粉末の粒径を平均粒径daveとし、最大粒径Dmaxと最小粒径Dminを含みかつ多くの中間的粒径から構成される大粒系混合粉末の粒径を平均粒径Daveとして規定する。
【0122】
すなわち、第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tの基金属粒子の平均粒径を小さくすれば、圧粉体の周辺エッジ部分が小さい平均粒子の基金属粉末から構成されるので、機械的後処理時に脱落する粉末粒子は必然的に粒径が小さいものとなる。つまり、脱落量を低減できる。なお、平均粒径を小さくするほど、材料コスト高となる不利がある。
【0123】
次に、
図9を参照して、第1層用混合粉末100Fを構成する基金属粉末の最大粒径dmaxおよび第3層用混合粉末100Tを構成する基金属粉末の最大粒径dmaxを、第2層用混合粉末100Sを構成する基金属粉末の最小粒径Dminよりも大きいものとする。例えば、第1層用混合粉末100Fの平均粒径を40μmとし、第2層用混合粉末100Sの平均粒径を200μmとし、第3層用混合粉末100Tの平均粒径を50μmとする。
【0124】
すなわち、第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tを構成する基金属粒子の粒径と、第2層用混合粉末100Sを構成する基金属粒子の粒径とを一定範囲内で重複させる。したがって、重複範囲内の大小様々な基金属粒子が混在する結果、粉末同士の絡み合いが強化されるから、機械的後処理時の粒子脱落量を一段と減量化できる。層境界でのクラック発生防止にも有効である。
【0125】
さらに、第1層用混合粉末100Fを構成する基金属粉末の最大粒径dmaxおよび第3層用混合粉末100Tを構成する基金属粉末の最大粒径dmaxを、第2層用混合粉末100Sを構成する基金属粉末の平均粒径Daveよりも小さいものとする。大粒粒子が混在していても平均粒径を小さくすることはできる。また、成形後に大粒粒子が圧粉体の周辺エッジ部分に位置する機会は確率的に少ない。しかし、大粒粒子が周辺エッジ部分に位置することがないという保障はない。つまり、大粒粒子が周辺エッジ部分に位置することがあると、その大粒粒子は周辺の小粒粒子と比較して脱落し易い。そこで、かかる大粒粒子の混在を未然防止するために粒径仕様(dmax<Dave)を整える。
【0126】
このようにすれば、重複範囲内の大小様々な基金属粒子からなる基金属粉末の平均粒子を一段と小さくできかつ大粒粒子を排除できるから、粉末同士の絡み合いを一段と強化できかつ圧着結合力を増強できる。粒子脱落量を一段と減量化できる。
【0127】
さらに、総合的見地から、第1層用混合粉末100Fの粒径を20〜120μmの中から選択し、第2層用混合粉末(基金属粒子)100Sの粒径を20〜400μmの中から選択し、第3層用混合粉末(基金属粒子)100Tの粒径を20〜120μmの中から選択するものとした。各層用混合粉末の最小粒径値を20μm以下の値にすると、原料粉製造コストの増大を招く。第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tに関する最大粒径値を120μmを超える値にすると、機械的後処理時に外力を受け易く、脱落量が増大してしまう。第2層用混合粉末100Sに関する最大粒径値を400μmを超えた値にすると、圧粉体の磁気特性が低下してしまう。
【0128】
すなわち、第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tを粒径20〜120μmの中から選択された粒径の基金属粉末をもって構成し、第2層用混合粉末100Sを粒径20〜400μmの中から選択された粒径の基金属粉末をもって構成すれば、原料粉製造コストを低く、機械的後処理時の粒子脱落量を最小化でき、磁気特性も担保できる。
【0129】
さらに、完成圧粉体120の上端面側と下端面側との仕様(例えば、機械的強度)をその使用目的に照らして異なるものとする積極的要求がない場合は、第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tを同一の混合粉末とする方が得策である。実際には、上端面側および下端面側の仕様を異なるものとする場合は少ない。この実施の形態では、第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tの基金属粒子の平均粒径を同じ(例えば、50μm)とする。混合粉末の選択性が一層広く、材料コストの大幅な低減化も促進できる。
【0130】
他方において、3層構造圧粉体とすれば、完成圧粉体120の上端面側と下端面側との仕様(例えば、機械的強度)の異なる完成圧粉体120を簡単に製造することができることを、付言しておく。つまり、3層構造圧粉体の利用価値は高い。
【0131】
製造に際し、第1の金型(下型21)内への充填上の便宜性から、第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tの充填厚みは、例えば0.5mm以上とするのが好ましい。0.5mm未満とすると厚みにバラつきが大きくなり成形不良となる虞が強い。
【0132】
比較的に長大な中央部(第2層)が大粒な混合粉末とされ、第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tが小粒とされているので、全体としての良好な圧縮性を担保でき、機械的後処理による削り量を大幅削減でき、上・下面のきれいな完成圧粉体120を提供できる。
【0133】
なお、第1層用混合粉末100Fと第3層用混合粉末100Tの充填厚みは、第1層用混合粉末100F〜第3層用混合粉末100Tまでの総合厚さの10%以下とするのが好ましい。10%を超える厚さにすると、第2層用混合粉末100Sの厚さが小さくなり、全体として圧縮能率が低下する虞がある。
【0134】
かかる実施の形態に係る混合粉末の高密度成形装置では、次のような工程により高密度成形を実施する。
【0135】
(混合粉末の調達1)
基金属粉末(磁心用ガラス質絶縁被膜被覆鉄粉末)と0.2wt%の潤滑剤粉末(ステアリン酸亜鉛粉末)を混合してサラサラ状態の混合粉末100を調達する。所定量だけ混合粉末供給機10に補給する(
図1の工程PR0)。
【0136】
(混合粉末の調達1)
3層構造圧粉体を成形する場合は、平均粒径が60μm、120μmとの2種類を調達して、小粒系混合粉末を混合粉末供給機10FTに、大粒系混合粉末を混合粉末供給機10Sに補給する。
【0137】
(混合粉末の充填1)
所定タイミングにおいて、混合粉末供給機10が
図3Bに示すように所定位置(実線)から補給位置(破線)に移動される。次いで、混合粉末供給機10の供給口が開放され、第1の加圧成形機20の空である下型21(キャビティ22)内に定量の混合粉末100が充填される(
図1の工程PR1)。例えば2秒間で充填できる。充填後に供給口が閉鎖され、混合粉末供給機10は所定位置(実線)に戻る。
【0138】
(混合粉末の充填2)
高密度3層構造圧粉体を成形する場合は、
図6の(A)〜(C)に示す如く、第1層用混合粉末(平均粒径60μm)100F、第2層用混合粉末(平均粒径120μm)100Sおよび第3層用混合粉末(平均粒径60μm)100Tをこの順で充填する。第1層および第3層用としては
図2に示す混合粉末供給機10FTから供給・充填し、第2層用は混合粉末供給機10Sから供給・充填する。
【0139】
(中間圧粉体の成形1)
図2のスライド5とともに第1の加圧成形機20の上型25が下降して下型21(キャビティ22)内の混合粉末100を第1の加圧力P1で加圧する第1の加圧成形処理が始まる。固形状の潤滑剤は十分な潤滑作用を営む。圧縮された中間圧粉体110の密度ρは、
図4の特性A(破線)にしたがって高くなる。第1の加圧力P1が横軸指数(例えば、30)相当の圧力(3.0Ton/cm
2)になると、真密度比が85%つまり密度ρが6.63g/cm
3(縦軸指数87相当)に高まる。例えば8秒間の加圧成形が終了すると、
図3Aに示すように金型(下型21)内に中間圧粉体110が成形されている(
図1の工程PR2)。
図5Aに示すリング形状の中間圧粉体110を成形できる。また、金型交換をすれば、
図7の(B)に示す円柱形状の1層構造の中間圧粉体110を成形することができる。その後、スライド5により上型25が上昇する。なお、第2の加圧成形機40では、先の中間圧粉体110に関する第2の加圧成形処理が同期して行われている。
【0140】
(中間圧粉体の成形2)
高密度3層構造圧粉体を成形する場合は、
図6の(D)に示す如く、
図6の(A)〜(C)に示す所定順序で充填された第1層用混合粉末100F、第2層用混合粉末100Sおよび第3層用混合粉末100Tに第2の加圧力P2を付与して成形する。
図6の(E)、
図7の(A)に示す円柱形状の3層構造圧粉体(中間圧粉体)を成形することができる。
【0141】
(中間圧粉体の取出し)
第1の取出装置(可動部材23)が働き、中間圧粉体110が移送レベルHLに突き上げられる。つまり、下型21から取出される。すると、
図3Bに示すように、ワーク移送装置50が働き、その送りバー51により中間圧粉体110は加熱昇温機30へ向けて移送される。この段階で、可動部材23が下方の初期位置に戻される。移送後の中間圧粉体110は、
図3Aに示す如く金網状保持部材32上に位置決めされている。
【0142】
(加熱昇温)
図3Aにおいて、加熱昇温機30が起動する。吹付けフード31から温風が吹付けられ中間圧粉体110は、潤滑剤粉末の融点相当温度(例えば、120℃)に昇温される(
図1の工程PR3)。つまり、潤滑剤が溶解され、その流動により中間圧粉体110内の潤滑剤分布を均一的に改変する。加熱昇温時間は例えば8〜10秒である。なお、温風は金網状保持部材32、排気循環フード33を通して再循環利用される。3層構造圧粉体を成形する場合も、同様である。
【0143】
(昇温済の中間圧粉体のセット)
昇温された中間圧粉体110は、
図3Bに示すように、ワーク移送装置50(送りバー52)により第2の加圧成形機40へ移送され、下型41の上方に位置決めさられ、下型41(キャビティ42)内の可動部材43上にセットされる(
図1の工程PR4)。なお、3層構造圧粉体を成形するのは、
図6の(D)に示した場合と同様にセットされる。この場合の上型45は上パンチ45PUで、下型41がダイス41Dおよび下パンチ41PDとされる。
【0144】
(金型の暖機)
第2の加圧成形機40において、起動選択されている場合は、第2の暖機装置47が働く。中間圧粉体110を受入れる(セットされる)以前に、第2の金型[下型41(キャビティ42)]を潤滑剤粉末の融点相当温度(例えば、120℃)に暖める。その後に受入れた昇温済み中間圧粉体110内の潤滑剤の再固形化を防止することができる。3層構造圧粉体を成形する場合も、同様である。
【0145】
(完成圧粉体の成形1)
図2のスライド5とともに上型45が、
図3Aに示すように下降して下型41(キャビティ42)内の中間圧粉体110を第2の加圧力P2で加圧し始める。液状の潤滑剤が十分な潤滑作用を営む。特に、加圧成形の進行に伴い潤滑剤が全方向に流出する発汗現象が発生する。基金属粒子間のみならず粒子と金型との摩擦抵抗力を効率よく軽減できる。圧縮された中間圧粉体110の密度ρは、
図4の特性Bにしたがって高くなる。つまり、第2の加圧力P2が横軸指数(例えば、30…加圧力3.0Ton/cm
2)を超えると、密度ρが6.63g/cm
3から急激に縦軸指数102相当の密度ρ(7.75g/cm
3)に高まる。第2の加圧力P2を横軸指数100(10Ton/cm
2)まで上げると、密度ρ(7.75g/cm
3)は全体的に均一となる。例えば、8秒間の第2の加圧成形処理が終了すると、第2の金型(下型41)内に完成圧粉体120が成形されている(
図1の工程PR5)。
図7の(B)に示す完成圧粉体120もこうして成形される。その後、スライド5により上型45が上昇する。なお、第1の加圧成形機20では、後の中間圧粉体110に関する第1の加圧成形処理が同期して行われている。
【0146】
(完成圧粉体の成形2)
高密度3層構造圧粉体を成形するのは、
図6の(D)に示した上パンチ45PUで、ダイス41Dおよび下パンチ41PDとの協働により、
図7の(A)に示す高密度3層構造圧粉体を成形することができる。
【0147】
(製品取り出し)
第2の取出装置(可動部材43)が働き、完成圧粉体120が移送レベルHLに突き上げられる。つまり、下型41から取出される。すると、
図3Bに示すように、ワーク移送装置50が働き、その移送バー53により完成圧粉体120は排出シュータ59に向けて移送される。この段階で、可動部材43が下方の初期位置に戻される。縦軸指数102に当たる密度ρ(7.75g/cm
3)の完成圧粉体120は、潤滑剤粉末が低融点であるからガラス質が変質・溶解することが無い。よって、渦電流損失が小さく、磁束密度を高められる高品質の磁心用圧粉体を能率よく製造することができると理解される。高密度3層構造圧粉体を成形する場合も、同様である[
図6の(E)参照]。
【0148】
(製造サイクル)
以上の各工程による高密度成形方法によれば、順番に供給充填される金属粉末(混合粉末100)についての第1の加圧成形処理、加熱昇温処理および第2の加圧成形処理を同期実行できるので、最長の加熱昇温処理時間(例えば10秒)にワーク移送時間(例えば、2〜4秒)を加えた12〜14秒のサイクル時間で高密度圧粉体(完成圧粉体120)を製造することができる。従来例における30分以上の高温焼結処理時間だけとの比較においても、製造・生産時間を飛躍的に向上できると理解される。例えば、小型軽量複雑形状で機械的強度の高い自動車用部品や、磁気特性および機械的強度が優れた電磁機器用部品の供給を安定化できそれらの生産コストの低減にも大きく貢献できる。
【0149】
(バリ取り)
図6の(E)において取出された
図7の(A)に示す高密度3層構造圧粉体(完成圧粉体120)について機械的後処理を行う。第1層および第3層が平均粒径の小さな混合粉末100F、100Tから成形されているので、全てを平均粒径の大きな1層用混合粉末[
図7の(B)を参照]から成形する場合に比較して、
図8の(B)に示す如く基金属粒子106の脱落、欠損がなく、規定形状の高密度3層構造圧粉体(完成圧粉体120)を効率よく製造できる。機械的後処理時間も少なく、粒子削り取り量も大幅に削減できる。そのまま機械部品として使用できる。
【0150】
(実施例)
図11に示すリング形状で、外径が50mm、内径が40mm、厚さが5mmの完成圧粉体120を成形した。機械的後処理を施した場合の脱落量が、
図7の(A)に示す円柱形状の場合に比較して多くなるリング形状を選んだ。第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tには、Somaloy110i(ヘガネス社製)を採用した。この基金属粉末は磁心用ガラス質絶縁被膜被服鉄粉であり、潤滑剤の混合割合は0.5wt%である。基金属粉末の粒子径は20〜100μm、平均粒径は50μmである。また、第2層用混合粉末100Sとして、Somaloy700(ヘガネス社製)を採用した。この基金属粉末は磁心用ガラス質絶縁被膜被服鉄粉であり、潤滑剤の混合割合は0.4wt%である。基金属粉末の粒子径は80〜400μm、平均粒径は200μmである。第1層用混合粉末100F、第2層用混合粉末100S、第3層用混合粉末100Tをこの順で第1の金型(下型21)のキャビティ22に充填した。第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tは0.5mmを超える厚さだけ充填した。第1の加圧力P1(10ton/cm
2)で圧縮し中間圧粉体を成形した。この中間圧粉体110を潤滑剤の溶解温度相当の130℃に加熱昇温し、その後に第2の加圧力P2(10ton/cm
2)で圧縮して高密度(7.75g/cm
3)の完成圧粉体120を完成した。この高密度3層構造圧粉体を定盤の上に敷いた#800エメリーペーパー上でその両端面を水平に摺動させてバリ取りし、同方向にケガキ針が引っかからないことをもってバリが取れたと判定した結果、基金属の脱落量は、右の計算式により
図10(A)に示す値(0.048%)とした。脱落量(%)=[(Waf−Wbf)/Wbf]×100である。Wafはバリ取り前の圧粉体重量、Wbfはバリ取り後の圧粉体重量である。
【0151】
(比較例1)
図11に示すリング形状で1層構造の圧粉体を成形した。混合粉末として、Somaloy700(ヘガネス社製)を採用した。この基金属粉末は磁心用ガラス質絶縁被膜被服鉄粉であり、潤滑剤の混合割合は0.4wt%である。基金属粉末の粒子径は80〜400μm、平均粒径は200μmである。つまり、実施例における第2層用混合粉末100Sと同じとした。他の条件(圧粉体の形状・寸法、第1の加圧力、昇温温度、第2の加圧力)は、実施例の場合と同じとした。高密度(7.75g/cm
3)の完成圧粉体120を完成した。この高密度1層構造圧粉体を実施例の場合と同じ条件でバリ取りした結果、基金属粉末の脱落量は、上記計算式により
図10(C)に示す値(0.115%)となった。
【0152】
(比較例2)
図11に示すリング形状で2層構造の圧粉体を成形した。実施例の場合と同じ第2層用混合粉末100Sおよび第3層用混合粉末100Tをこの順で充填した。他の条件(各層用混合粉末、圧粉体の形状・寸法、第1の加圧力、昇温温度、第2の加圧力)は、実施例の場合と同じとした。高密度(7.75g/cm
3)の完成圧粉体を完成した。この高密度2層構造完成圧粉体を実施例の場合と同じ条件でバリ取りした結果、基金属粉末の脱落量は、上記計算式により
図10(B)に示す値(0.078%)となった。
【0153】
(比較評価)
比較例1(1層構造)の粒子脱落量(0.115%)を“100”とすれば、実施例(3層構造)による粒子脱落量は“42”である。つまり、1層構造の場合に比較して、脱落量を58%{=[(0.115−0.048)/0.115]×100}も低減化することができる。因みに、比較例2(2層構造)の場合は、粒子脱落量が“68”となる。下端面が大粒系第2層用混合粉末100Sであるために脱落粒子内に大粒粒子が多く含まれているから、脱落量は32%{=[(0.115−0.078)/0.115]×100}しか低減化することができない。つまり、3層構造とすることが極めて能率よく脱落量を軽減できると了解される。
【0154】
しかして、この実施の形態によれば、基金属粉末(混合粉末100)の粒径が小さな第1層用混合粉末100Fと,大きな粒径の第2層用混合粉末100Sと,小さな粒径の第3層用混合粉末100Tとをこの順で第1の金型(下型21(ダイス21D))に充填し、第1の加圧力P1を加えて中間圧粉体110を成形し、加熱して潤滑剤粉末の融点相当温度(例えば、120℃)に昇温された中間圧粉体110を第2の金型(下型41)にセットしかつ第2の加圧力P2を加えて完成圧粉体120を成形する高密度成形方法であるから、高密度圧粉体を確実・安定して製造できかつ製造コストを大幅に低減することができる。しかも、機械的後処理に際する基金属粒子の脱落量を最小限化できかつ欠損を防止できる。よって、高品質圧粉体を安価で提供することができる。
【0155】
また、高温で長時間の焼結処理を一掃することができるので、圧粉体110、120の酸化を大幅抑制できるばかりか、エネルギー消費の極限化および製造コストの大幅削減化を達成できる。地球的環境保全上も歓迎される。
【0156】
各層用混合粉末100F、100S、100Tの基金属粒子の粒径が平均粒径として規定されるので、単一粒径で規定される場合に比較して、粒子間結合力を一段と高められる。複数種類の粒径の組合せであるから、各層用混合粉末の選択性が広く、材料コストの一段の低減化も促進でき、実務上の取り扱いが容易である。
【0157】
第1・第3層用混合粉末100F,100Tを構成する基金属粉末の最大粒径が第2層用混合粉末100Sを構成する基金属粉末の最小粒径よりも大きいので、重複範囲の粉末同士の絡み合いが強化される。したがって、機械的後処理時の基金属粒子の脱落量を一段と減量化できる。層境界でのラック発生を抑えることにも有効である。
【0158】
第1・第3層用混合粉末100F,100Tには第2層用混合粉末100Sの平均粒径を超える大きさの粒径が含まれない。つまり、第1・第3層用混合粉末100Tの最大粒径が第2層用混合粉末100Sの平均粒径よりも小さいから、機械的後処理時の外力により脱落し易い大粒の基金属粒子を排除できる。よって、第1・第3層用混合粉末100F,100Tに係る基金属粒子の脱落発生確率を大幅に低減できる。
【0159】
第1・第3層用混合粉末100F,100Tを構成する粒子が粒径20〜120μmの中から選択され、第2層用混合粉末100Sを構成する粒子が粒径20〜400μmの中から選択されるので、原料コストの大幅な低減化を促進できかつ特に両端各面部における機械的後処理時の粒子脱落量を大幅に削減できる。また、それにより磁気特性の低下を防止できる。
【0160】
第1層用混合粉末100Fおよび第3層用混合粉末100Tを構成する基金属粒子の粒径が同じであるから、混合粉末の選択性が一段と広がり、材料コストを大幅に削減でき、入手が一段と容易となる。
【0161】
潤滑剤粉末の融点が90〜190℃の温度範囲内に属する低融点であるから、第1の加圧工程中における潤滑剤の酸化抑制を助長しつつ十分な潤滑作用を担保できる。しかも、潤滑剤の種類に関する選択性が広い。
【0162】
第2の暖機装置47により第2の金型(下型41)を暖機できるから、第2の加圧成形中における溶解済み潤滑剤の全方向への流動性を一段と高められる。基金属粒子間のみならず粒子と第2の金型(下型41)との間の摩擦抵抗力を大幅に軽減できる。つまり、円滑な液状潤滑剤に流動が担保され、一段と良好な成形効果を得ることができる。
【0163】
また、第2の加圧力P2を第1の加圧力P1と等しい値としたので、加圧成形工程の実施およびその取り扱いが容易で、間接的に圧粉体製造コストの一層の低減にも寄与できるとともに、装置具現化に際しては例えば1台のプレス機械をベースとして簡単に構築することができる。
【0164】
さらに、高密度成形装置1が、混合粉末供給機10と第1の加圧成形機20と加熱昇温機30と第2の加圧成形機40とから構成されているので、高密度化方法を確実かつ安定して実施することができる。具現化が容易で、取り扱いが簡単である。
【0165】
さらに、加熱昇温機30と第2の加圧成形機40とを加熱加圧成形機70から形成し、加熱加圧成形機を複数台の加熱加圧成形子機から形成しかつ各加熱加圧成形子機70をサイクル毎に選択順次動作可能に形成してあるので、一段の装置簡素化を図れる。製造ラインの単純化も促進でき、取扱も一段と容易になる。
【0166】
さらに、高密度3層構造圧粉体(完成圧粉体120)は、平均粒径が小さな第1層用混合粉末100Fと平均粒径が大きな第2層用混合粉末100Sと平均粒径が小さな第3層用混合粉末100Tをこの順で配置しかつ加圧力を加えて一体的に成形された高密度(7.75g/cm
3以上)の完成圧粉体120であるから、加圧成形後の機械的後処理に対する耐磨滅性や耐欠損性の優れた機械部品や電磁機器(モータやトランス等)用の磁心(磁芯)材料を安価で提供できる。
【0167】
また、基金属粉末を磁心用ガラス質絶縁被膜被覆鉄粉末から磁心用鉄系アモルファス粉末、磁心用Fe−Si合金粉末のいずれに変更しても、他の条件を同一としても、基金属粉末の種類に対応する磁気特性を持つ磁心部品を能率よくかつ安定して製造できる。
【0168】
顧みて、従来装置(例えば、プレス機械)の能力(
図4の横軸指数100)では縦軸指数100に相当する密度以上に高めることが不可能であったのに対して、本発明によれば同一装置で縦軸指数102に相当する密度まで高めることができる。この事実は、当該技術分野において画期的なことと賞賛される。
【0169】
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、
図12に示される。第1の実施の形態の場合に比較して、混合粉末供給機10および第1の加圧成形機20はそのままとし、加熱昇温機30と第2の加圧成形機40とを一体的に形成したことを特徴とする。
【0170】
すなわち、高密度成形装置は、第1の実施の形態の場合における加熱昇温機30と第2の加圧成形機40とをこれら機能を一体的に組み込んだ加熱加圧成形機70から形成されている。加熱加圧成形機70は、複数台(この実施の形態では、2台)の加熱加圧成形子機70A、70Bから形成され、各加熱加圧成形子機70A、70Bは図示しない制御装置によって製造サイクル毎に選択順次動作可能とされている。
【0171】
各加熱加圧成形子機70A、70Bは、基本構造が第1の実施の形態における第2の加圧成形機40に相当するものとされている。また、各加熱加圧成形子機70A、70Bには、第1の実施の形態の場合における加熱昇温機30および第2の暖機装置47の各機能に対応する複合機能をもたせた複合機能型加熱装置48を設けてある。
【0172】
すなわち、複合機能型加熱装置48は、設定温度切換機能を有する電熱方式とされている。予め(中間圧粉体110を受入れる以前に)、下型41を潤滑剤融点相当温度(例えば、120℃)に暖機することができる。中間圧粉体110を受入れた後は、中間圧粉体110の全体を潤滑剤融点相当温度(例えば、120℃)に加熱昇温可能に発熱量を大きく切換える。加熱部位を選択切換ることもできる。この加熱昇温終了後に第1の実施の形態における第2の加圧成形機40の場合と同じ第2の加熱成形処理を行う。複合機能型加熱装置48は、第2の加熱成形処理中に中間圧粉体110の温度を潤滑剤融点相当温度(例えば、120℃)以上に保持可能に働く。
【0173】
図12に示すように、各加熱加圧成形子機20、70A、70Bは、独立プレス機械構造とされ、各スライド5、5A、5Bは各機用モータの回転制御によりそれぞれに昇降駆動される。つまり、各加熱加圧成形子機70A、70Bの一方(他方)が加圧成形動作する場合は他方(一方)は予熱であり加圧成形動作はしない。加熱加圧成形機70を製造サイクルタイムとの関係から3台以上の加熱加圧成形子機から形成する場合も同様である。
【0174】
かかる実施の形態の装置では、第1の加圧成形機20で第3番目の中間圧粉体110を加圧成形中に、一方加熱加圧成形子機70A(または、加熱加圧成形子機70B)で第2番目の中間圧粉体110を加熱昇温しかつ他方加熱加圧成形子機70B(または、加熱加圧成形子機70A)で第1番目の中間圧粉体110を完成圧粉体120とするように加圧成形中である。
【0175】
しかして、この実施の形態によれば、加熱加圧成形機70を同一構造の複数台の加熱加圧成形子機70A、70Bから構築すればよいから、第1の実施の形態の場合に比較して装置簡素化を図れる。製造ラインの単純化も促進でき、取扱も一段と容易になる。
【0176】
もとより、第1の金型および第2の金型を中間圧粉体110および完成圧粉体120の形態に応じたものに交換すれば、第1の実施の形態の場合(
図6〜
図9)と同様に高密度3層構造圧粉体を製造することができる。
【0177】
なお、第1の加圧成形機20と加熱加圧成形子機70A(または、加熱加圧成形子機70B)あるいは第1の加圧成形機20および各加熱加圧成形子機70A、70Bを、1台のプレス機械構造として構築することも可能である。