(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
アタッカーや役物等の遊技機用部品などでは、様々な機能部品が用いられており、例えばソレノイドによって特定部分を駆動したり、或いはスライドレールなどにより、特定部分をスライド動作可能に保持したりしている。この種の機能部品では、小型化、高機能化が求められており、このような課題に関連する技術としては、特許文献1、2のようなものが提供されている。
【0003】
特許文献1で開示されるソレノイド装置100では、コイル101、スプール110、第1ヨーク片120及び第2ヨーク片130からなるソレノイド本体に対して、コネクタ160を実装した基板150が取り付けられており、さらにカバー180が装着されている。そして、カバー180には開口182が設けられ、コネクタ160が露出するようになっており、係合フック183がヨークに係合することによって基板150を保持するように構成されている。
【0004】
また、特許文献2で開示されるステッピングモータ1では、軸方向上側に突出した複数の極歯41及びこれらの極歯41と逆向きに突設された複数の極歯43を有する環状の極歯ヨーク40と、基板50と、環状のタップレスコイル60,61とが設けられている。
そして、極歯ヨーク40が基板50の中心孔52に挿入され、タップレスコイル60,61が、極歯ヨーク40の極歯41,43に嵌め込まれた状態で、基板50の両面に電気的接続状態で取り付けられている。更に、基板50は、ドーナツ状のコイル取付部51から外側に延びた形態で配線部53が設けられており、この配線部53に駆動用IC55などが実装されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような機能部品では、より一層の高機能化が求められる一方で、それに伴う大型化を極力抑えたいという要望もある。上記特許文献1、2では、このような要望に対する対策が不十分であり、より小型化を図りうる構成が求められている。
【0007】
例えば特許文献1の技術では、通常のソレノイドの構成に加え、ヨーク片に架け渡される形態で回路基板150やカバー180が設けられ、このような構成によって高機能化を図っているが、このようにヨーク片に対して別途回路基板150やカバー180を取り付けるようにすると、部品点数の増加が避けられず、その部分がかなり大型化してしまうことになる。
【0008】
また、特許文献2の構成では、ドーナツ状のコイル取付部51と延出構造の配線部53とを備えた配線中継基板50をカール極歯ヨーク40に取り付けて一体化し、駆動用IC55を一体化してなるステッピングモータを実現しているが、この構造では、駆動用IC55等を保持するために専用の配線部53(延出部分)を設けなければならず、部品構成の大型化が避けられない。特に、配線部53は、駆動用IC55を保持するために適度な剛性、強度を有する必要があるため、厚さや長さが相当大きくなってしまう。また、このように専用の配線部53を延出構造で配置すると、特定部分での飛び出し量が大きくなるため、他部材と干渉しやすくなり、設計的自由度の抑制、他部材の配置スペースの減少につながりやすくなる。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ソレノイド
に電子回路部としての機能をもたせて高機能化を図ることができ、かつ高機能化に起因する大型化を効果的に抑えることが可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のソレノイドは、
電線が巻き回されてなるコイル部と、
金属材料によって構成されると共に前記コイル部を少なくとも部分的に囲む構成で配される金属板と、
少なくとも一端側がコイル部内に挿入される挿入位置と、前記挿入位置のときよりも他端側が突出する突出位置とで変位するように保持されたプランジャと、
前記プランジャを前記突出位置側に付勢する付勢部材と、
裏面が前記金属板の外壁面に接触した形態で前記金属板の外壁面上に
直接的に積層される一又は複数の絶縁層と、
前記絶縁層内又は前記絶縁層上に配される導電部と、
一又は複数の前記絶縁層における前記金属板側とは反対の表面側に実装される電子部品と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のソレノイドによれば、ソレノイドとしての基本的な機能に加え、金属板の部分に回路部としての機能をもたせて高機能化を図ることができる。また、金属板の部分に直接的に絶縁層を積層すると共に導電部を配し、このような積層部分に電子部品を実装しているため、別途基板を用意する構成と比較して厚さの抑制及び部品数の抑制を図りやすく、小型化を図る上でより有利となる。更に、熱伝導性の良い金属板に電子部品を実装しているため、電子部品で発生した熱が金属板を介して放散しやすくなる。つまり、コイル部で発生した熱だけでなく、電子部品や導電部で発生した熱についても金属板によって外部に放散させることができ、コンパクト化且つ高機能化を図りつつ放熱性に優れた構成を実現できる。
【0013】
本発明において、前記金属板は、前記コイル部の外周面に対向する一対の側壁部と、
前記プランジャの突出側において前記一対の側壁部に連結された形態で配される前壁部と、前記コイル部を挟んで前記前壁部と対向すると共に前記一対の側壁部に連結された形態で配される後壁部とを備えており、前記絶縁層は、前記側壁部の外壁面上に配されていてもよい。
【0014】
このようにコイル部を環状に囲むように金属板を配することで、コイル部の熱を良好に放散させ得る構造を実現しつつ、このような金属板において、コイル部の外周面に対向して配される部分(詳しくは側壁部の外壁面上)に絶縁層を積層し、導電部及び電子部品を設けることで、高い放熱機能を基板においても利用することができる。特に、導電部及び電子部品で発生した熱が、絶縁層付近だけでなく、コイル部を取り囲む他の壁部からも放散することになるため、回路部の放熱性を一層高めることができる。
【0015】
本発明の遊技機用部品は、電線が巻き回されてなるコイル部と、金属材料によって構成されると共に前記コイル部を少なくとも部分的に囲む構成で配される金属板と、少なくとも一端側がコイル部内に挿入される挿入位置と、前記挿入位置のときよりも他端側が突出する突出位置とで変位するように保持されたプランジャと、前記プランジャを前記突出位置側に付勢する付勢部材と、前記金属板の外壁面上に配される一又は複数の絶縁層と、前記絶縁層内又は前記絶縁層上に配される導電部と、表面側に実装される電子部品と、を備えたソレノイドと、
前記ソレノイドを保持するフレームと、
前記ソレノイドに駆動される被駆動機構と、
を備え、
前記フレームには、前記金属板の前記外壁面を直接又は他部材を介して間接的に支持すると共に貫通孔又は切欠部が形成されてなる支持壁が設けられ、
前記ソレノイドは、前記電子部品の少なくとも一部が前記貫通孔内又は前記切欠部内に挿入された形態で前記フレームに保持されており、
前記支持壁に対し前記ソレノイドとは反対側から前記電子部品又は前記導電部に対し電気配線が接続されていることを特徴とする。
【0016】
上記遊技機用部品によれば、一般的に支持壁に支持されてデットスペースとなりやすい部分(ソレノイドの金属板における支持壁に支持される部分)を回路部として有効利用することができ、よりコンパクトな構成にて高機能化を図ることができる。
【0022】
本発明の遊技機用部品は、前記電子部品として少なくともコネクタが設けられており、前記コネクタは、前記貫通孔内又は前記切欠部内を通され且つ前記支持壁から突出した形態で配されていてもよい。
このようにすると、支持壁に支持されてデットスペースとなりやすい部分において回路部としての付加し、更にこの回路部に対して支持壁の裏側から外部配線を結合しやすくなる。
【0023】
本発明の遊技機用部品は、前記電子部品として少なくとも発光素子が設けられていてもよい。
このようにすると、支持壁に支持されてデットスペースとなりやすい部分において回路部として付加し、且つこの部分を装飾部としても兼用することができる。
【0024】
本発明の遊技機は、上記ソレノイド、
又は上記遊技機用部品を備えたことを特徴とする。
本発明の遊技機によれば、上記ソレノイド、
又は上記遊技機用部品と同様の効果を奏することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
以下、本発明に具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、
図1は、第1実施形態に係るソレノイド及び遊技機用部品を備えた遊技機を例示する正面図であり、まず、
図1を参照して遊技機1の構成を概説する。
【0027】
(遊技機の構成)
図1に示す遊技機1は、いわゆるパチンコ機として構成されており、遊技者側に配される前面枠2に形成された窓部4に透明板(ガラス板等)が配置され、遊技者が、透明板を介して後方の遊技領域5aを視認できるように構成されている。また、透明板の後方(奥側)には、遊技盤5が配置され、この遊技盤上にガイドレール等によって区画された遊技領域5a(遊技球が流下可能な領域)が形成されている。この遊技領域5aにおいて、中央付近には表示装置3が設けられ、表示装置3の下方には、始動口6が設けられている。更に、始動口6の下方には、アタッカーとして構成される入賞装置10が設けられている。
また、遊技領域5aの下方側には、遊技球を受ける遊技球受皿7が形成されており、この遊技球受皿7の右側下方には発射ハンドルとして構成される操作装置9が設けられている。
【0028】
(入賞装置の構成)
次に、第1実施形態に係る遊技機用部品(入賞装置)及びソレノイドについて説明する。
入賞装置10は、
図2、
図3に示すような外観をなしており、
図4に示すような部品構成となっている。この入賞装置10は、主として、アクチュエータとしてのソレノイド20と、このソレノイド20を保持するフレーム50と、ソレノイド20に駆動される被駆動機構70と、入賞球を検知する検知センサ90とによって構成されている。
【0029】
なお、本明細書では、遊技盤5の前面(盤面)と直交する方向を前後方向とし、遊技盤5の前面(盤面)に対し遊技者が位置するべき側を前方側、それとは反対側(即ち、遊技機1奥側)を後方側とする。また、遊技領域5aを遊技球が流下する方向(鉛直方向)を上下方向とする。また、上記「前後方向」及び「上下方向」と直交する方向を左右方向とし、遊技機前方側から見て左側を左方向、右側を右方向とする。
【0030】
図4に示すように、フレーム50は、ソレノイド20の金属板22を下方側から支持する下方フレーム52と、ソレノイド20の上方を覆う上方フレーム51と、これら上方フレーム51及び下方フレーム52の前方側に連結される前方フレーム53とを備えており、これら上方フレーム51、下方フレーム52、前方フレーム53のいずれも樹脂材料によって構成されている。
【0031】
前方フレーム53は、全体として長手状かつ板状に構成されると共に遊技盤5の盤面に沿って配されるようになっており、左右方向に長く延びる構成で開口部53aが形成されている。そして、この開口部53aが大入賞口として機能するようになっている。
【0032】
上方フレーム51は、前方フレーム53の開口部53aに隣接して配される流路上方部61を備えている。また、下方フレーム52は、流路上方部61の下方側に配される流路下方部62を備えており、流路上方部61と流路下方部62とによって開口部53aに連通する形態で遊技球を流下させるための内部流路が構成されている。流路上方部61は、内部流路の上壁(天井側)及び側壁を構成し、流路下方部62は、内部流路の下壁(底側)を構成しており、流路下方部62の所定位置に、上下に貫通する形態で孔部62a、62bが形成されている。
【0033】
そして、この孔部62a、62bにそれぞれ嵌り込む形態で一対の検知センサ90,90が配されており、検知センサ90,90の下方側を支持する構成で支持プレート54が固定されている。この構成では、後述する開閉部材73が開放位置となっているときに開口部53aを介して遊技球が内部流路に侵入可能となり、内部流路を流れる遊技球は検知センサ90,90にそれぞれ形成された検知孔90a,90aを通って外部に落下しうるようになっている。また、下方フレーム52には、基板55が固定されており、この基板55上には図示しない発光素子等が実装されている。
【0034】
また、上方フレーム51には、ソレノイド20の上方側を覆う上方被覆部63が設けられ、下方フレーム52には、ソレノイド20の下方側を覆う下方被覆部64が設けられており、これら上方被覆部63と下方被覆部64とによってソレノイド20を収容する収容部が構成されている。上方被覆部63は、この収容部の上壁(天井側)及び側壁を構成し、下方被覆部64は、収容部の下壁(底側)を構成しており、ソレノイド20における金属板22の一方の側壁部22cが上方被覆部63の上壁63aによって押さえられ、もう一方の側壁部22dの下方側が下方被覆部64に設けられた支持壁56によって支持されるようになっている。
【0035】
次に、ソレノイド20について詳述する。
図5、
図6に示すように、ソレノイド20は、電線が巻き回されてなる中空筒状のコイル部21と、金属材料によって構成されると共にコイル部21を少なくとも部分的に囲む構成で配される金属板22と、軸状に構成されると共に少なくとも一端側がコイル部21内に挿入される挿入位置と、この挿入位置のときよりも他端側が突出する突出位置とで変位するように保持されたプランジャ23と、プランジャ23を突出位置側に付勢するばね部材24と、金属板22の外壁部に配される回路部30とを備えている。
【0036】
コイル部21は、図示しない駆動回路によって通電可能に構成され、電線(巻線)を通電したときの励磁状態と、通電を解除したときの非励磁状態とで切り替わるようになっており、励磁状態のときには、少なくとも内部に磁界を発生させてプランジャ23を引き込むようになっている。
【0037】
金属板22は、公知の金属材料によって構成されており、コイル部21の外周面に対向する一対の側壁部22c,22dと、プランジャの突出側において一対の側壁部22c,22dに連結された形態で配される前壁部22aと、コイル部21を挟んで前壁部22aと対向すると共に一対の側壁部22c,22dに連結された形態で配される後壁部22bとを備え、全体として環状形態をなしている。この金属板22は、コイル部21に隣接して配され、コイル部21で発生する熱を放散させる放熱機能を有している。また、前壁部22aには、孔部22fが形成されており、この孔部22fに対してプランジャ23の一端側(フランジ部23aとは反対側)が挿し通され、コイル部21の筒内にプランジャ23の一端側が入り込むようになっている。
【0038】
プランジャ23は、金属材料等の磁性体によって軸状に構成されると共に一端側がコイル部21内に入り込んでおり、他端側(先端側)にはフランジ部23aが形成されている。このフランジ部23aは、後述するスライド片71と嵌合するようになっており、コイル部21の通電動作或いは通電解除動作に応じてプランジャ23とスライド片71とが一体的に移動(前後にスライド)するようになっている。また、フランジ部23aと前壁部22aの間において、プランジャ23の周囲には、コイルばねとして構成されるばね部材24(ばね部材24は付勢部材の一例に相当)が配されており、このばね部材24によりフランジ部23aが前壁部22aから離される方向(プランジャ23の他端側が突出する方向)に付勢されている。
【0039】
回路部30は、金属板22の外壁面上(具体的には側壁部22d上)に配される一又は複数の絶縁層31と、絶縁層31内又は絶縁層31上に配される導電部32と、表面側に実装される電子部品33とを備えている。絶縁層31は、例えば側壁部22d上に複数層積層される構成で設けられており、これら絶縁層上或いは絶縁層内に、配線パターンとして構成される導電部32が設けられている。絶縁層の材料としては、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの電気絶縁性の高分子樹脂が挙げられる。絶縁層の熱伝導を向上させるために、電気絶縁性のセラミックスフィラーなどを樹脂中に添加してもよい。
【0040】
電子部品33は、コネクタ、抵抗、コンデンサ、スイッチ素子、発光素子、IC、その他の電子部品等によって構成されており、回路部30に形成されたランド等を介して表面側に実装されている。なお、金属板22に対して絶縁層31や導電部32を積層する構造、あるいは電子部品を実装する構造としては、公知の金属基板と同様の構造を用いることができる。
【0041】
このように構成されるソレノイド20は、上述の収容部において下方フレーム52上に支持された構成でフレーム50に固定されている。より具体的には、下方フレーム52において金属板22の外壁面(具体的には、側壁部22dの外壁面)を直接又は他部材を介して間接的に支持するように支持壁56が形成されており、この支持壁56上に載置された構成でソレノイド20が固定されている。また支持壁56の所定位置には、この支持壁56を上下に貫通する貫通孔56aが形成されており、ソレノイド20は、電子部品33の少なくとも一部が貫通孔56a内に挿入された形態でフレーム50に保持されている。
図2等に示す構成では、電子部品33aが例えばコネクタとして構成されており、この電子部品33a(コネクタ)は、貫通孔56a内を通され且つ支持壁56から突出した形態で配されている。そして、支持壁56を挟んでソレノイド20とは反対側から電子部品33a(コネクタ)に対し電気配線95が接続されるようになっている。電子部品33bは他のコネクタとして構成されていてもよく、発光素子等の半導体素子などとして構成されていてもよい。
【0042】
被駆動機構70は、上述したソレノイド20によって駆動されるものであり、プランジャ23(
図4等)に連結されてこのプランジャ23と一体的に前後動するスライド片71と、フレーム50に回動可能に保持されると共にスライド片71の動作に応じて回動する回動部材72と、フレーム50に回動部材の回動動作に応じて開口部53aを開閉する開閉部材73とを備えている。回動部材72は、左右方向の回動軸を中心として回動しうるようになっており、この回動軸の上方側に形成された左右方向の突起部72aがスライド片71に形成された長孔71aに挿入されるようになっている。この構成では、スライド片71のスライド動作に伴って突起部72aが前後に移動し、この移動に伴い、回動部材72全体が前記回動軸を中心として回動することとなる。また、回動部材72において回動軸を挟んで突起部72aとは反対側には開閉部材73の長手方向一端側に作用する凹部72b(作用部)が形成されており、この凹部72bに開閉部材73の一端部73aが遊嵌されている。開閉部材73は、一端部73aの前方側において左右方向に延びる回動軸を中心として回動し得るようになっており、一端部73aの上下動に応じて開放位置と閉塞位置とに変位するようになっている。
【0043】
このような被駆動機構70では、コイル部21の励磁に伴ってプランジャ23がコイル部21に引き込まれた没入位置となり、これに応じてスライド片71が後方位置に変位したときに、回動部材72は、凹部72bが上昇する第1の回動位置となる。そして、このような回動に伴い、開閉部材73は、一端部73aが上昇すると共に上端部側が開口部53aよりも前方側に倒れた位置(開放位置)となり、このとき、開口部53aが開放状態となって遊技球が進入可能となる。一方、コイル部21の励磁が解除されてプランジャ23が突出位置(前記没入位置よりも突出する位置)となり、スライド片71が前方位置(前記後方位置よりも前側の位置)に変位したときには、回動部材72は、第1の回動位置のときよりも凹部72bが下降する第2の回動位置となる。このような回動に伴い、開閉部材73は、一端部73aが下降すると共に上端部側が起こされて開口部53aに隣接する位置(閉塞位置)となり、このとき、開口部53aが閉塞状態となって遊技球が進入不能となる。
【0044】
(回路部の製造方法)
次に回路部30を形成する形成方法の一例について説明する。
図7(A)に示すように、ソレノイド20を構成する金属板22に回路部30を形成する際には、まず、金属板22の基となる基体22’を公知の金属加工方法を用いて成形し、その一方で別工程において絶縁層となるプリプレグシート31’を製造する。そして、
図7(B)のように、得られたプリプレグシート31’と、配線パターンとなる銅箔32’とを基体22’の上に順次積層した後、加熱プレス等により絶縁層を硬化させる。そして、
図7(C)のように所定位置にエッチングレジスト100を配置した後、
図7(D)のように銅箔32’をエッチングし、エッチングレジスト100を公知の方法で剥離することにより後に導電部32(
図5参照)となる配線パターンを形成する(
図8(A))。更に、パターン間の絶縁等を図るためにソルダーレジスト31”を印刷等により形成する(
図8(B))。そして、必要に応じて
図8(C)のような穴あけ加工を行った後、パターン露出部に表面処理(無電解金メッキ、水溶性フラックス処理等)などを行い、シンボルマーク等をシルク印刷する。その後、パターン露出部に各種電子部品を実装することになる。なお、
図7、
図8に示す方法は、あくまで一例であり、金属板22上に絶縁層31及び導電部32を設け、電子部品33を表面実装しうる構成であれば公知の他の方法を用いてもよい。以上のような形成方法により、回路部及び電子部品を備えたソレノイドを形成することができる。
【0045】
[
参考例]
次に、
参考例について説明する。
参考例に係る遊技機用部品210は、遊技機用役物として構成されており、
図1に示す遊技機と同様の遊技機において表示装置3に代えて、或いは同様の表示装置と併用して遊技盤5に配置されている。
【0046】
図9に遊技機用部品210は、当該遊技機用部品210の外郭をなす筐体を備えており、この筐体の一部又は全部が第1部材251として構成されている。そして、この第1部材251に対して変位しうる構成で第2部材252(変位部材:
図9〜
図11参照)が設けられている。なお、
図9では、筐体の一部(第1部材251の一部)のみを例示しているが、筐体の形状、構成は公知の方法で様々に形成することができる。また、第2部材252を直線動作させるための駆動装置(リニアステッピングモータやリニアソレノイドなどのリニアアクチュエータ、或いは回転駆動力を直線変位に変換する駆動機構(ステッピングモータとラックピニオン機構を用いたリニア駆動機構等)など)については図示を省略しているが、公知の様々な直線駆動装置を用いることができる。
【0047】
スライドレール220は、取付対象物(
図9の例では、筐体の一部をなす第1部材251)に固定される固定部材221と、固定部材221に保持されると共に第2部材252に固定され、固定部材221に対して所定方向にスライドし得るように構成されるスライド部材222と、固定部材221とスライド部材222とを連結する連結部材223(部材223a,223b,223cが一体的に結合されてなる連結部材)とを備えており、このスライドレール220によって第1部材251と第2部材252とを連結すると共に第2部材252を第1部材251に対して所定方向(
図9の例では上下方向)に相対移動させるように案内している。
【0048】
固定部材221、スライド部材222、連結部材223は、いずれも外壁部が金属板によって構成されている。例えば、スライド部材222は、
図12〜
図15に示すように、長手状に構成される板状部222aと、この板状部222aの短手方向両側から立ち上がる一対の対向壁222b,222cとを備え、対向壁222b,222c及び板状部222aが金属板によって一体的に構成されている。そして、
図13、
図15に示すように、一対の対向壁222b,222cによって構成される溝によって案内される構成で連結部材223が連結されている。
【0049】
そして、このように構成されるスライドレールの外壁部(具体的には、スライド部材222を構成する金属板)の外壁面上に回路部230が設けられている。この回路部230は、第1実施形態と同様の方法で1又は複数の絶縁層231が積層されており、この絶縁層231内又は絶縁層231上に配される構成で配線パターンとしての導電部232が設けられている。そして、回路部230の表面側には電子部品233が実装されている。具体的には、
図15に示すように、スライド部材222の板状部222aにおいて、固定部材221とは反対の板面上に絶縁層231が配されており、回路部230が構成されている。実装される電子部品233としては、発光素子として構成される電子部品233aとコネクタとして構成される電子部品233bとが設けられている。
【0050】
また、
参考例では、
図11に示すように、第2部材252において、スライド部材222の金属板の外壁面を直接又は他部材を介して間接的に支持するように支持壁262が設けられており、この支持壁262には、貫通孔262aが形成されている。そして、スライド部材222は、電子部品233aの少なくとも一部が貫通孔262a内に挿入された形態で第2部材252に固定されている。そして、このように貫通孔262a内に配された電子部品233a(発光素子)の前方側を覆う構成で第2部材252の一部をなす透明性のカバー部材261が設けられている。この構成では、電子部品233a(発光素子)が発光したときに、その光がカバー部材261内を透過して前方側に照射されるようになっている。
【0051】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0052】
第1実施形態
では、電子部品としてコネクタや発光素子を例示したが、その他の電子部品によって構成されていてもよい。
【0053】
第1実施形態
では、貫通孔が形成されてなる支持壁が設けられ、電子部品の少なくとも一部が貫通孔内に挿入された形態で金属板が支持壁に支持された例を示したが、貫通孔の部分が切欠部として構成されていてもよい。即ち、切欠部が形成されてなる支持壁が設けられ、電子部品の少なくとも一部が貫通孔内に挿入された形態で金属板が支持壁に支持されていてもよい。或いは、電子部品の周囲に支持壁が存在しないような構成であってもよい。