(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御手段は、前記閉状態では前記第1操作表示部の一部の表示領域を客用の表示領域とし、前記開状態では前記第1操作表示部の全ての表示領域を客用の表示領域とする、請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、本実施形態にかかるPOS装置1の構成を示す外観斜視図である。本実施形態では、商品販売データ処理装置の一例としてPOS装置1を用いる場合について説明する。POS装置1は、制御部50を収納する筐体4を備えている。筐体4において上面40の中央部は平坦な面となっている。
【0007】
上面40の客側(
図1奥側)の端部には、非接触ICカードに対してデータ通信を行うカードRW(リーダライタ)5が設けられている。また、筐体4の上部であって店員側(
図1手前側)の側面には、カードRW(リーダライタ)43の差込口と、排紙口44とが設けられている。筐体4内部に設置されたプリンタ44a(
図3参照)は、制御部50の制御に基づいてレシートR等を印刷し、印刷したレシートR等を排紙口44から排出する。また、筐体4の下部にはラック46が複数段設けられ、物品を収納可能に構成されている。また、筐体4の内部にはPOS装置1のシステム制御を行う制御部50が収納されている。
【0008】
また、筐体4の上面40の略中央部には、店員用および客用として兼用される操作表示部10が設けられている。操作表示部10は、第1操作表示部11と、第2操作表示部12とを備えている。第1操作表示部11は客側の上面40に設けられ、第2操作表示部12は第1操作表示部11の店員側に隣接して設けられている。第1操作表示部11および第2操作表示部12の構成は特に限定されないが、表面にタッチパネルを配設した液晶パネル等を用いることができる。ここで、第1操作表示部11は、上面40に設けられた開口部7(
図2参照)に対して開閉可能に設けられている。
【0009】
図2は、第1操作表示部11が開いた状態のPOS装置1を示す外観斜視図である。
図2に示すように、POS装置1は筐体4の内部に金銭収納箱として機能するドロワ6を収納している。そして、筐体4の上面40には、ドロワ6に金銭の出し入れができるよう開口部7が設けられている。第1操作表示部11は、この開口部7を開閉する蓋として機能し、
図1のように閉じた状態(閉状態)では開口部7を塞ぐ。一方、
図2のように開いた状態(開状態)では、オペレータは開口部7の内部に収納されたドロワ6に金銭を出し入れすることができる。
【0010】
尚、
図1に示すように、閉状態の第1操作表示部11の上面と、第2操作表示部12の上面とは、筐体4の上面40と平坦な同一面を為すように形成されている。従って、第1操作表示部11および第2操作表示部12の上面も荷詰め作業や書類記入等の作業スペースとして利用することができる。本実施形態では、上述のようにドロワ6を筐体4の内部に収納した。これにより、カウンタ上にPOS装置およびドロワを積み重ねて用いる従来のPOS装置に比べて、POS装置2の高さを低く抑えることができる。従って、カウンタ(即ち、筐体4の上面40)の上方のスペースが大きく空くので、店員が客の様子を伺い易くなり、よりきめ細やかな接客を行い易くすることができる。
【0011】
次に、制御部50の機能構成について説明する。
図3は、POS装置1の機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、POS装置1は、制御部50、カードRW(リーダライタ)5、43、通信I/F(Interface)62、プリンタ44a、ドロワ6、第1操作表示部11、第2操作表示部12を備え、各部はバス61で接続されている。また、POS装置1にはハンディタイプのスキャナ8が接続される。スキャナ8はバーコード等のコードシンボルから読み取った商品コードやその他コードを制御部50に送信する。制御部50は、通信I/F62および無線LAN(Local Area Network)を介して外部装置とデータ通信する。
【0012】
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する。ROMは本実施形態のプログラムを記憶する。RAMは一時的にデータを格納するワークメモリである。また、CPU(プロセッサ)は、ROMに格納された本実施形態のプログラムをRAMに展開して実行することにより、
図3に示すように、表示制御部51、受付部52、販売登録部53、開閉制御部54として機能する。
【0013】
表示制御部51は、第1操作表示部11および第2操作表示部12における表示処理を制御する。
図1に示すように、第1操作表示部11が閉状態の場合、第1操作表示部11の表示領域と第2操作表示部12の表示領域とは連続する1つの表示領域として用いることができる。また、閉状態の第1操作表示部11の表示画面は上方を向いているので、客用の表示領域および店員用の表示領域のいずれにも用いることができる。従って、第1操作表示部11の開閉に応じて客用の表示領域と店員用の表示領域とを適宜配分することが可能である。
【0014】
図4は、第1操作表示部11および第2操作表示部12の表示領域について説明する図である。ここでは、表示制御部51が第1操作表示部11の表示領域を、客側の第1表示領域11aと店員側の第2表示領域11bとに分割する例について説明する。
【0015】
図5は、第1操作表示部11が閉状態である場合(
図1参照)の表示画面例を示す図である。表示制御部51は、第1操作表示部11が閉状態の場合に、第1表示領域11aを客用の表示領域として用いる。客用の表示領域には、
図5に示すように例えば、商品名や価格、点数、合計金額等の情報が表示される。また、表示制御部51は、客用の表示領域の表示内容を客側に向けた上下方向で表示する。即ち、第1表示領域11aに表示される表示画面の上側が、筐体4においてプリンタ44aの排紙口44が設けられた側面側となるような向きで表示する。
【0016】
このように閉状態の第1操作表示部11の少なくとも一部の表示領域を客用の表示領域として用いるので、客用の表示パネルを別設しなくてもよい。従って、POS装置1の構成部品を少なくすることができる。
【0017】
また、表示制御部51は、第1操作表示部11が閉状態の場合に、第2表示領域11bと第2操作表示部12の表示領域を連続した1つの表示領域として用いる。表示制御部51は、当該表示領域を店員用の表示領域として用い、商品を登録するための登録画面を表示する。登録画面の画面構成は特に限定されないが、例えばスキャナ8で読み込んだ商品コードに対応する商品名および商品価格、商品点数、合計金額等が表示される。また、操作表示部10に配設されたタッチパネルを介して入力受付可能である操作キーが設けられる。操作キーの例としては、
図5に示すように、テンキー121、小計キー122、現計キー123等が設けられる。
【0018】
また、表示制御部51は登録画面を店員側に向けた上下方向で表示する。即ち、登録画面の下側が、筐体4においてプリンタ44aの排紙口44が設けられた側面側となるような向きで表示する。
【0019】
閉状態では客側および店員側のいずれからも第1操作表示部11の画面を見ることができる。そこで本実施形態では、閉状態の第1操作表示部11の一部を店員用の表示領域として用いた。これにより、登録画面の表示面積を広くすることができ、登録作業における操作性を向上させることができる。
【0020】
図6は、第1操作表示部11が開状態である場合(
図2参照)の表示画面例を示す図である。第1操作表示部11が開いた状態となると、第1操作表示部11の表示画面は
図2に示すように客側を向くことになる。
【0021】
表示制御部51は、第1操作表示部11が開状態の場合、第1操作表示部11の全ての表示領域を客用の表示領域とする。客用の表示領域には、例えば
図6に示すように、一取引の合計金額や預かり現金の金額、釣銭額、客向けのメッセージ等が表示される。尚、表示制御部51は、客用の表示領域の表示内容を客側に向けた上下方向で表示する。
【0022】
一方、表示制御部51は、第1操作表示部11が開状態の場合、第2操作表示部12に店員用の表示内容を表示する。店員用の表示領域は閉状態の場合(
図5参照)に比べて狭くなる。そこで、表示制御部51は、第2操作表示部12において、入出金処理および第1操作表示部11の開閉操作に必要な表示情報および操作キーを主に表示する。
【0023】
例えば、
図6に示すように、第2操作表示部12には一取引の合計金額、客から預かった現金の金額、釣銭の金額が表示される。また、第2操作表示部12には、客から預かった現金の金額の入力等を行うためのテンキー121や、合計金額を計算するための小計キー122、釣銭額を計算するための現計キー123、そして、開状態の第1操作表示部11を閉状態にするためのドロワ閉キー124等が設けられている。
【0024】
このように本実施形態では、第1操作表示部11が開いた際にも、店員用の操作表示部として第2操作表示部12が店員の手元に残る。従って、操作表示部10をドロワ6の蓋として兼用した場合でも、入出金処理を支障なく行うことができる。
【0025】
受付部52は、ディスプレイ表面に配設されたタッチパネルへの入力を受付けることにより、第1操作表示部11、第2操作表示部12に対する入力操作を受付ける。
【0026】
販売登録部53は、スキャナ8が商品やカタログに付されたバーコードから読み取った商品コードを用いて商品の販売登録をする。また、販売登録部53は、受付部52が受付けた情報を用いて販売登録を行う。販売登録部53は、販売登録した商品の情報を、通信I/F62を介してストアサーバに送信する。加えて販売登録部53は、通信I/F62および無線LAN等のネットワークを介してチケット販売会社、配送会社、ネットスーパー等のサーバと通信し、チケット販売契約処理、配送の手配、商品の注文処理等を行う。
【0027】
開閉制御部54は、第1操作表示部11の開閉動作を制御する。一例として開閉制御部54は、図示しないモータを駆動して第1操作表示部11の開閉を制御する。開閉制御部54は、登録画面の小計キー122が操作されない間は第1操作表示部11を開かず、第1操作表示部11を閉状態とする。また、開閉制御部54は、登録画面(
図5参照)の小計キー122が操作された場合に、第1操作表示部11を客側に開き開状態とする。また、開閉制御部54は、ドロワ閉キー124(
図6参照)が操作された場合に、第1操作表示部11を閉じる。
【0028】
次に、POS装置1が実行する表示制御処理の手順について説明する。
図7は、POS装置1が実行する表示制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0029】
まず、商品の販売登録処理を開始する時点では、第1操作表示部11は閉状態(
図1参照)である。表示制御部51は、第1操作表示部11を客用の表示領域と店員用の表示領域に分割し、第2操作表示部12は店員用の表示領域として用いる(ステップS1)。
【0030】
すなわち表示制御部51は、
図5に示すように、第1操作表示部11の第1表示領域11aを客用の表示領域とする。また、表示制御部51は、第1操作表示部11の第2表示領域11bと第2操作表示部12とを連続する1つの表示領域とし、これを店員用の表示領域とする。表示制御部51は、店員用の表示領域に上述したような登録画面を表示する。
【0031】
受付部52は、登録画面において小計キー122が操作されたか否かを判定する(ステップS2)。操作されない間(ステップS2:No)は、ステップS2に戻り、小計キー122の操作を待つ。尚、この間、販売登録部53はスキャナ8が読み取った商品コードにより商品の販売登録をする。また、表示制御部51はスキャナ8が読み取った商品コードに基づいて、商品名、商品価格、商品点数、合計金額等の情報を登録画面に表示する。
【0032】
小計キー122が操作された場合(ステップS2:Yes)、開閉制御部54は、第1操作表示部11を
図2に示すような開状態とする(ステップS3)。表示制御部51は、
図6に示すように、第1操作表示部11の全ての表示領域を客用の表示領域とし、第2操作表示部12の全ての表示領域を店員用の表示領域とする(ステップS4)。
【0033】
次に、受付部52は、ドロワ閉キー124(
図6参照)が操作されたか否かを判定する(ステップS5)。操作されない間(ステップS5:No)は、ステップS5に戻り、ドロワ閉キー124の操作を待つ。ドロワ閉キー124が操作された場合(ステップS5:Yes)、開閉制御部54は第1操作表示部11を閉状態とし(ステップS6)、ステップS1に移行する。
【0034】
(その他の実施形態)
図8は、POS装置1のその他の実施形態例を示す外観斜視図である。
図8に示すように、第2操作表示部12が店員側に開くようにPOS装置1を構成してもよい。開閉操作に関しては、ドロワを開く操作キーを設けておき、当該操作キーの操作受付に応じて開閉制御してもよい。或いは、鍵穴に鍵を差し込みながら手動で開く形態としてもよい。このように第2操作表示部12も開閉可能に構成すると、開口部7の店員寄りのスペースも収納スペース6aとして利用することができる。収納スペース6aには、例えばストック用の棒金等を収納しておくことができる。これにより、必要時に店員が速やかに棒金を取り出して硬貨を補充することができる。
【0035】
尚、上述では、受付部52は操作表示部10に表示された小計キー122、ドロワ閉キー124等の操作キーから入力操作を受付けるとしたが、実施形態はこれに限定されない。受付部52は、その他の操作キーから上記入力操作を受付けてもよい。また、POS装置1が操作表示部10以外に操作パネルや操作キーを有し、それら操作手段を介して受付部52がドロワ6の開閉操作を受付けてもよい。
【0036】
また、店員用の表示領域と客用の表示領域との配分は上述した例に限定されない。表示制御部51は、閉状態の第1操作表示部11の全部の表示領域を客用の表示領域として用いてもよい。また、第1操作表示部11が閉状態である際に、操作表示部10の表示領域の全部を、客用の表示領域あるいは店員用の表示領域として用いてもよい。
【0037】
以上のように本実施形態のPOS装置1は、筐体4上部にドロワ6を収納し、第1操作表示部11をドロワ6の蓋として兼用させた。従って、筐体4の上方のスペースを大きく開けることができ、店員と客とが間に阻害物を介することなく対面できる。従って、本実施形態によれば、客との対面性を向上することができる商品販売データ処理装置を提供することができる。また、本実施形態によれば、一取引の合計金額を計算する小計キー122が操作されると、第1操作表示部11が客側に開いて店員側からドロワ6への金銭の出し入れができる。従って、客との対面性向上とともに、金銭の出し入れをスムーズに行うことができ、接客性の向上を図ることができる。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。