特許第5885718号(P5885718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5885718
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】バスバー保持部材および電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/20 20060101AFI20160301BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20160301BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
   H01M2/10 M
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-185928(P2013-185928)
(22)【出願日】2013年9月9日
(65)【公開番号】特開2015-53205(P2015-53205A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2015年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100113527
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 研一
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 祥宜
(72)【発明者】
【氏名】辰己 善亮
(72)【発明者】
【氏名】亀田 宜暁
(72)【発明者】
【氏名】藤原 伸得
(72)【発明者】
【氏名】木村 健治
【審査官】 市川 篤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−242950(JP,A)
【文献】 特表2013−525942(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/171668(WO,A1)
【文献】 特公昭50−011071(JP,B1)
【文献】 実開昭59−105776(JP,U)
【文献】 特開2012−243689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20− 2/34
H01M 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池を列方向に配置した電池列群を、さらに複数配列した電池ユニットに含まれる各電池の端子を並列および直列に接続するためのバスバー保持部材において、
各々の電池列群(BG)の電池(Bt)の端子を並列に接続する複数のバスバー(41)と、
上記複数のバスバー(41)の少なくとも一方の面に積層される樹脂積層部(45a)と、複数のバスバー(41)の間に介在して該複数のバスバーの間を電気的に絶縁する樹脂介在部(45b、45c)とを有する樹脂支持部材(45)と、
を備え、
上記バスバー(41)の縁には、複数の張り出し部(41k)が上記列方向に並ぶ波形部(42b)が形成され
隣接する2つの上記バスバー(41)は、それぞれの波形部、所定距離隔てて互いに噛み合うように対向して配置される、
バスバー保持部材。
【請求項2】
請求項1に記載のバスバー保持部材において、
上記隣接する2つのバスバー(41)の波形部は、同一形状の波形であり、
上記樹脂介在部(45b、45c)は、上記波形部の間に介在しているバスバー保持部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のバスバー保持部材において、
上記樹脂積層部(45a)は、上記バスバー(41)の一部を外部に露出させる樹脂開口(45h)を有しているバスバー保持部材。
【請求項4】
請求項3に記載のバスバー保持部材において、
上記バスバー(41)は、上記樹脂開口(45h)の範囲内に、上記樹脂開口(45h)より小さい面積の端子開口(41h)を有し、上記端子開口(41h)の開口周縁部に、上記電池の端子に接続するための電気接続部(41c)を備えているバスバー保持部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のバスバー保持部材を用いた電池パックにおいて、
上記電池は、円筒型の電池であり、該電池の両端部に電極をそれぞれ有し、
上記バスバー保持部材(30)は、電池の一端部の端子と他端部の端子にそれぞれ接続されるように平行に配置されている電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池の端子を接続するバスバー保持部材および電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電池パックとして、特許文献1の技術が知られている。電池パックは、複数の円筒電池を並列または直列に接続するものであり、複数の円筒電池を配列した電池列群と、複数の電池および電池列群を電気的に接続するバスバーと、バスバーを保持しかつバスバーの間の短絡を防止する絶縁外装体とを備えている。こうした電池パックにおいて、バスバーと絶縁外装体とは、別体で組み付けられている。
【0003】
また、他の従来の技術として、金属部材内蔵基板を用いた電池パックが知られている(特許文献2)。金属部材内蔵基板は、複数のバスバーを射出成形の際のインサート部材として樹脂材料に埋設することで、絶縁性の確保と組付け作業性とを向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−282811号公報
【特許文献2】特開2010−218797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術では、バスバーの間の絶縁性およびバスバーと外部との短絡を防止するために絶縁外装体を用いているが、このような絶縁外装体は、バスバーと別部品であるために組み付け作業が面倒であるという課題があった。また、絶縁外装体は、円筒形状のリブなどを形成して絶縁距離を高める構成をとっているので、厚さ方向の形状が大きくなるという課題があった。
【0006】
特許文献2の技術では、金属(バスバー)と樹脂(樹脂部材)では射出成形の際の熱収縮率が大きく異なるため、射出成形の冷却固化時に、バスバーの間における樹脂だけで形成されている箇所に大きな応力が発生し、その箇所を起点に曲げ変形が発生し易いという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である
【0008】
(1) 本発明の一形態は、複数の電池を列方向に配置した電池列群を、さらに複数配列した電池ユニットに含まれる各電池の端子を並列および直列に接続するためのバスバー保持部材である。バスバー保持部材は、各々の電池列群の電池の端子を並列に接続する複数のバスバーと、上記複数のバスバーの少なくとも一方の面に積層される樹脂積層部と、複数のバスバーの間に介在して該複数のバスバーの間を電気的に絶縁する樹脂介在部とを有する樹脂支持部材と、を備え、上記バスバーの縁には、複数の張り出し部が上記列方向に並ぶ波形部が形成され、隣接する2つの上記バスバーは、それぞれの波形部が、所定距離隔てて互いに噛み合うように対向して配置される
バスバー保持部材は、複数の電池を列方向に配置した電池列群を備え、該電池列群を複数配列した電池ユニットに連携して、該電池ユニットの電池の端子を並列および直列に接続する。複数のバスバーの間は、樹脂支持部材により電気的に絶縁されている。すなわち、樹脂支持部材は、バスバーの少なくとも一方の面に積層された樹脂積層部により、外部の部材に対して電気的に絶縁し、また、複数のバスバーの間に介在する樹脂介在部によりバスバーの間を電気的に絶縁している。バスバーの縁には、波形部が形成され、隣接する2つのバスバーは、それぞれの波形部が、所定距離隔てて互いに噛み合うように対向して配置される。波形部は、樹脂積層部とバスバーとの樹脂収縮の差に伴う曲げ応力が生じたときに、その応力に伴う変形を抑制する。
【0010】
) 他の形態において、上記隣接する2つのバスバーの波形部は、同一形状の波形であり、上記樹脂介在部は、上記波形部の間に介在しているバスバー保持部材である。この形態により、バスバーを狭い面積に配置でき、樹脂介在部の両側に配置されたバスバー波形部のそれぞれが基準線に沿った曲げに対する変形を抑制する。
【0011】
) 他の形態において、上記樹脂積層部は、上記バスバーの一部を外部に露出させる樹脂開口を有しているバスバー保持部材である。この形態にかかる樹脂積層部は、バスバーの一部を外部に露出させる樹脂開口を有しているので、樹脂積層部を樹脂開口の肉抜きにより樹脂積層部を分断することで、絶縁部材の収縮による応力を低下させて、変形を抑制する。
【0012】
) 他の形態において、上記バスバーは、上記樹脂開口の範囲内に、上記樹脂開口より小さい面積の端子開口を有し、上記端子開口の開口周縁部に、上記電池の端子に接続するための電気接続部を備えているバスバー保持部材である。この形態にかかるバスバーの開口周縁部は、樹脂開口を介して外部に露出されているから、その箇所を電池の端子に接続するための電気接続部とすることができる。これにより、電池の端子との接続が容易になる。
【0013】
) 他の形態において、上記電池は、円筒型の電池であり、該電池の両端部に電極をそれぞれ有し、上記バスバー保持部材は、電池の一端部の端子と他端部の端子にそれぞれ接続されるように平行に配置されている電池パックである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例にかかる複数の電池を保持した電池パックを示す斜視図である。
図2図1の電池パックを示す平面図である。
図3図2の3−3線に沿った断面図である。
図4】電池パックを分解して示す斜視図である。
図5】第1バスバー保持部材を示す斜視図である。
図6】バスバーを示す斜視図である。
図7】第1バスバー保持部材を示す断面図である。
図8】電池パックの上部を示す断面図である。
図9】第1バスバー保持部材を説明する説明図である。
図10】第2バスバー保持部材を示す斜視図である。
図11】バスバーを示す斜視図である。
図12】第2バスバー保持部材を説明する説明図である。
図13図12の13−13線に沿った断面図である。
図14】バスバー保持部材により電池列群の複数の電池を電気的に接続している様子を説明する説明図である。
図15】比較例としての電池パックを説明する説明図である。
図16図15の16−16線に沿った断面図である。
図17】バスバー保持部材の作用を説明する説明図である。
図18】他の実施例にかかる電池パックを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(1) 電池パックの概略構成
図1は本発明の一実施例にかかる複数の電池Btを保持した電池パック10を示す斜視図、図2図1の電池パック10を示す平面図、図3図2の3−3線に沿った断面図である。電池パック10は、各々の電池Btの両端部に配置されたバスバー保持部材30を備え、バスバー保持部材30により電池Btを並列および直に接続することにより外部端子へ給電するものである。バスバー保持部材30は、電池Btの図示の上側に配置された第1バスバー保持部材40と、電池Btの図示の下側に配置された第2バスバー保持部材50とを備えている。電池Btは、円筒形の汎用の電池であり、例えば、自動車用電源用として使用されているリチウムイオン電池を適用することができる。
【0016】
図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。X軸方向は、電池の列方向とも呼ぶ。Y軸方向は、列方向と直交する方向である。Z軸方向は、電池の側面と平行な方向であり、これを電池の軸方向とも呼ぶ。
【0017】
(2) 電池パック10の各部の構成
図2に示すように、X方向に複数の電池が配列されている場合において、これらの電池の組み合わせを、電池列群とする。ここで、図示しているように、X方向には、電池列群が4列、配置されているとする。なお、以下の説明において、これらの電池列群を、図示の左側から順に、BG(1),BG(2),BG(3),BG(4)として表わす。なお、電池列群の数は、本実施例の作用効果を損なわない限り、4列に限定されない。また、以下の説明において、部材の符号に付した添え字(1),(2),(3),(4)は、各部材の電池列群を示唆している場合に用いている。
【0018】
図4は電池パック10を分解して示す斜視図である。図4において、バスバー保持部材30を構成する第1バスバー保持部材40および第2バスバー保持部材50は、電池Btから軸方向に離して示されている。各々の電池Btは、円筒形状の電池であり、その一端に正極端子Btpが形成され、他端に負極端子Btnが形成されている。図示されている各々の電池Btの向きは、電池列群BGの一列ごとに図示の上下方向で逆になっている。すなわち、電池列群BG(1),BG(3)は、上方に正極端子Btpが向いており、電池列群BG(2),BG(4)は、方に負極端子Btnが向いている。
【0019】
図5は第1バスバー保持部材40を示す斜視図である。第1バスバー保持部材40は、金属製の薄板からなる複数のバスバー41を、インサート成形により樹脂材料からなる樹脂支持部材45に埋設することにより構成されている。
【0020】
図6はバスバー41を示す斜視図である。バスバー41は、正極バスバー42と、連結バスバー43と、負極バスバー44とを備え、金属製の薄板をプレスすることにより形成されている。バスバー41の厚さは、0.4〜1.2mmである。
正極バスバー42は、図2に示すように電池列群BG(1)における4本の電池Btの正極端子Btpを並列に接続する板材であり、薄板の基板42aと、基板42aの端部に形成された外部端子42tとを備えている。基板42aには、4個の端子開口41h(1)が形成されている。4個の端子開口41h(1)は、同一の内径を有する円孔であり、電池列群BG(1)に沿い、かつ4本の電池Btに対応して形成されている。また、基板42aの一側縁に沿って、波形部42bが形成されている。波形部42bは、電池列群BG(1)の列方向に形成されて、各々の電池Btの側面の一部を囲むようにジグザグに形成されている。
外部端子42tは、基板42aの端部から直角方向、つまり軸方向に折曲形成されており、図示しない外部の端子に接続されることにより、電池パック10の電気出力を取り出す端子である。
【0021】
連結バスバー43は、図2に示すように電池列群BG(2)における4本の電池Btの負極端子Btnを並列に接続するとともに、電池列群BG(3)における4本の電池Btの正極端子Btpを並列に接続し、さらに、電池列群BG(2)の電池と電池列群BG(3)の電池とを直列に接続する板材である。
連結バスバー43は、薄板の基板43aを備えている。基板43aには、正極バスバー42の端子開口41h(1)と同一の形状の8個の端子開口41h(2),42h(3)が形成されている。端子開口41h(2)は、電池列群BG(2)に沿って4個配置されている。端子開口41h(3)は、電池列群BG(3)に沿って4個配置されている。
また、基板43aの両側縁に沿って、波形部43b,43cがそれぞれ形成されている。波形部43bは、電池列群BG(2)の列方向に沿い、正極バスバー42の波形部42bに所定の距離Lbを隔てて配置されており、各々の電池Btの側面の一部を囲むようにジグザグに形成されている。波形部43cは、電池列群BG(3)の列方向に沿い、各々の電池Btの側面の一部を囲むようにジグザグに形成されている。
【0022】
負極バスバー44は、図2に示すように電池列群BG(4)における4本の電池Btの負極端子Btnを並列に接続する板材であり、薄板の基板44aと、基板44aの端部に形成された外部端子44tとを備えている。基板44aには、4個の端子開口41h(4)が形成されている。4個の端子開口41h(4)は、同一の内径を有する円孔であり、電池列群BG(4)に沿い、かつ4本の電池Btに対応して形成されている。また、基板44aの一側縁に沿って、波形部44cが形成されている。波形部44cは、電池列群BG(4)の列方向に形成されて、各々の電池Btの側面の一部を囲むようにジグザグに形成されている。
外部端子44tは、基板44aの端部から直角方向、つまり軸方向に折曲形成されており、図示しない外部の端子に接続されることにより、電池パック10の電気出力を取り出す端子である。
【0023】
図5において、樹脂支持部材45は、正極バスバー42、連結バスバー43および負極バスバー44を樹脂材料で埋設することにより、複数のバスバーの間の電気絶縁性を確保するとともに平面状に保持している。樹脂支持部材45の樹脂材料として、ポリエステル系樹脂やポリエステル系エラストマー、例えば、ポリブチレンテレフタレート[PBT]、PBTベースのポリエステルエラストマーなどを用いることができる。
【0024】
樹脂支持部材45には、複数の樹脂開口45hが形成されている。各々の樹脂開口45hは、バスバー41の端子開口41hと同心円状に形成されている。図7は第1バスバー保持部材40を示す断面図である。図7において、端子開口41hの内径をd1とし、樹脂開口45hの内径をD1とすると、d1<D1である。このように、樹脂開口45hが端子開口41hより大きいことから、図8に示すように、端子開口41hの開口周縁部は、外部に露出した電気接続部41cになっている。電気接続部41cは、ワイヤーボンディングによる配線41wを介して、電池Btの正極端子Btpまたは負極端子Btnに接続されている。
【0025】
図9は第1バスバー保持部材40を説明する説明図である。樹脂支持部材45は、一体の樹脂部材であるが、バスバー41との関係において区分すると、樹脂積層部45aと、樹脂介在部45bと、樹脂介在部45cと、バスバー41の外縁部を囲むように配置された樹脂周縁部45eと、を備えている。
樹脂積層部45aは、バスバー41の上面(電池と反対側の面)および下面(電池側の面)の一部に積層されている。樹脂介在部45bは、正極バスバー42の波形部42bと連結バスバー43の波形部43bとの間に介在しており、樹脂材料だけで所定幅で波形に形成されている。ここで、電池列群BG(1)と電池列群BG(2)との間に、列方向に基準線BLを描くと、樹脂介在部45bは、基準線BLを横切る折れ線上に形成されており、つまり、基準線BLを横切るように形成されている。
正極バスバー42の波形部42bの一部および連結バスバー43の波形部43bの一部は、基準線BLを横切った張り出し部41kとなっている。
【0026】
樹脂介在部45cは、樹脂介在部45bと同様に、連結バスバー43の波形部43cと負極バスバー44の波形部44cとの間に介在しており、樹脂材料だけで所定幅で波形に形成されている。ここで、電池列群BG(3)と電池列群BG(4)との間に、列方向に基準線BLを描くと、樹脂介在部45cは、基準線BLを横切る折れ線上に形成されている。連結バスバー43の波形部43cの一部および負極バスバー44の波形部44cの一部は、基準線BLを横切った張り出し部41kとなっている。
【0027】
図10は第2バスバー保持部材50を示す斜視図である。第2バスバー保持部材50は、金属製の薄板からなる複数のバスバー51を、インサート成形により樹脂材料からなる樹脂支持部材55に埋設することにより構成されている。
【0028】
図11はバスバー51を示す斜視図である。バスバー51は、連結バスバー52,53を備え、バスバー41と同様に金属製の薄板をプレスすることにより形成されている。連結バスバー52は、図2に示すように電池列群BG(1)における4本の電池Btの負極端子Btnを並列に接続するとともに、電池列群BG(2)における4本の電池Btの正極端子Btpを並列に接続し、さらに、電池列群BG(1)の電池と電池列群BG(2)の電池とを直列に接続する板材である。
連結バスバー52は、薄板の基板52aを備えている。基板52aには、8個の端子開口51h(1),51h(2)が形成されている。端子開口51h(1)は、電池列群BG(1)に沿って4個配置されている。端子開口51h(2)は、電池列群BG(2)に沿って4個配置されている。また、基板52aの両側縁に沿って、波形部52b,52eがそれぞれ形成されている。波形部52b,52は、電池列群BGの列方向に沿い、基板52aの端部にそれぞれ形成されている。
【0029】
連結バスバー53は、図2に示すように電池列群BG(3)における4本の電池Btの負極端子Btnを並列に接続するとともに、電池列群BG(4)における4本の電池Btの正極端子Btpを並列に接続し、さらに、電池列群BG(3)の電池と電池列群BG(4)の電池とを直列に接続する板材である。
連結バスバー53は、連結バスバー52と同様な構成であり、薄板の基板53aを備えている。基板53aには、8個の端子開口51h(3),51h(4)が形成されている。端子開口51h(3)は、電池列群BG(3)に沿って4個配置されている。端子開口51h(4)は、電池列群BG(4)に沿って4個配置されている。また、基板53aの両側縁に沿って、波形部53b,53eがそれぞれ形成されている。波形部53b,53eは、電池列群BGの列方向に沿い、端部にそれぞれ形成されている。
連結バスバー52の波形部52bと連結バスバー53の波形部53bとは、所定の距離Lbを隔てて配置されており、各々の電池Btの側面の一部を囲むようにジグザグに形成されている。
【0030】
図10において、樹脂支持部材55は、樹脂支持部材45と同様な構成であり、バスバー51を構成する連結バスバー52および連結バスバー53を樹脂材料で埋設することにより、複数のバスバーの間の電気絶縁性を確保するとともに平面状に保持している。
【0031】
図12は第2バスバー保持部材50を説明する説明図である。樹脂支持部材55には、複数の樹脂開口55hが形成されている。各々の樹脂開口55hは、バスバー51の端子開口51hと同心円状に形成されている。図13図12の13−13線に沿った断面図である。樹脂開口55hの内径D1は、端子開口51hの内径d1より大きく形成されることにより、端子開口51hの開口周縁部は、外部に露出した電気接続部51cになっている。電気接続部51cは、ワイヤーボンディングによる配線51wを介して、電池Btの正極端子Btpまたは負極端子Btnに接続されている。
【0032】
図12において、樹脂支持部材55は、一体の樹脂部材であるが、バスバー51との関係において区分すると、樹脂積層部55aと、樹脂介在部55bと、バスバー51の外縁部を囲むように配置された樹脂周縁部55eと、を備えている。樹脂積層部55aは、バスバー51の上面および下面に積層されている。樹脂介在部55bは、連結バスバー52の波形部52bと連結バスバー53の波形部53bとの間に介在しており、樹脂材料だけで所定幅で波形に形成されている。ここで、電池列群BG(2)と電池列群BG(3)との間に、列方向に基準線BLを描くと、樹脂介在部55bは、基準線BLを横切る折れ線上に形成されており、つまり、基準線BLを中心に蛇行して形成されている。
連結バスバー52の波形部52bの一部および連結バスバー53の波形部53bの一部は、基準線BLを横切った張り出し部51kとなっている。
【0033】
図14はバスバー保持部材30により電池列群BGの複数の電池Btを電気的に接続している様子を説明する説明図である。電池パック10の外部端子は、第1バスバー保持部材40の外部端子42t(正極)と、外部端子44t(負極)であり、この間を電池の上下面に配置された第1バスバー保持部材40および第2バスバー保持部材50により接続されている。すなわち、外部端子42tは、正極バスバー42、電池列群BG(1)の各電池Bt、接続バスバー52、電池列群BG(2)の各電池Bt、連結バスバー43、電池列群BG(3)の各電池Bt、連結バスバー53、電池列群BG(4)の各電池Bt、負極バスバー44を介して外部端子44tに接続されている。これにより、第1バスバー保持部材40および第2バスバー保持部材50は、一つの電池列群BGの4本の電池Btを並列に接続し、各電池列群BGの間を直列に接続している。
【0034】
(3) 電池パック10の作用・効果
上記実施例の構成により、上述した効果のほか、以下の効果を奏する。
なお、以下の説明において、第1バスバー保持部材40の作用効果について説明しているが、第2バスバー保持部材50についても同様な作用効果を奏する場合は、第1バスバー保持部材40を代表して説明する。
(3)−1 図14に示すように、第1バスバー保持部材40および第2バスバー保持部材50は、電池列群BGの各電池にまたがって、複数のバスバー41,51を配置することにより、一の電池列群の電池Btの正極端子Btpを連続して接続するとともに、他の電池列群の負極端子Btnを連続して接続する。これにより、電池列群の各電池Btが並列に接続されるとともに、電池列群の電池の直列に接続できる。よって、複数の電池Btの配線作業が容易になる。
【0035】
(3)−2 図5に示すように、複数のバスバー41の間は、樹脂支持部材45により電気的に絶縁されている。すなわち、樹脂支持部材45は、バスバーの表面に積層された樹脂積層部45aにより、外部の部材に対して電気的に絶縁し、また、複数のバスバー41の間に介在する樹脂介在部45b,45cによりバスバー41の間を電気的に絶縁することができる。
【0036】
(3)−3 バスバー41は、樹脂支持部材45内に埋設されているので、バスバー41の位置ズレを防止できる。
【0037】
(3)−4 図15は比較例としての電池パック100を説明する説明図である。図16図15の16−16線に沿った断面図である。図15において、電池パック100は、バスバー保持部材130を備えている。バスバー保持部材130は、4列の電池列群の各々に接続されるバスバー141と、バスバー141を埋設した樹脂支持部材145とを備えている。バスバー141の端部は直線であり、基準線BLに対して平行である。図16に示すように、バスバー141の表面に樹脂積層部145aが積層されている。バスバー141の間に、樹脂介在部145bが介在している。樹脂介在部145bは、所定幅であり、基準線BL(図15)に平行である。
【0038】
図17はバスバー保持部材130の作用を説明する説明図である。図17(A)において、バスバー保持部材130を製造するには、バスバー141をインサート部材として樹脂を射出成形する。射出された溶融樹脂材料が冷却固化することにより樹脂支持部材145が形成される。樹脂支持部材145の樹脂材料は、バスバー141の金属材料と比べると、熱収縮率が大きく異なる。このため、樹脂材料が冷却固化する際に、樹脂積層部145aは、バスバー141の表面に接触しているので、バスバー141により拘束され、一方、樹脂介在部145bは、バスバー141の表面に接触していないので、バスバー141に拘束されない。このため、樹脂介在部145bは、樹脂積層部145aより大きな応力を受ける。図15に示すように、基準線BLと平行に、樹脂介在部145bが配置されている場合には、バスバー41の上面および下面に積層される樹脂積層部45aの肉厚や型温度のバラツキにより、上述した樹脂介在部145bに加わる応力が、樹脂介在部145bを基点として、図17(B)に示すように、バスバー保持部材130を曲げる方向に加わる。こうしたバスバー保持部材130の曲げる方向の力は、バスバー保持部材130に曲げ変形を生じ、電池Btとの接触や、バスバー保持部材130の組み付けに支障を招く。
【0039】
しかし、図9に示すように、本実施例にかかる第1バスバー保持部材40のバスバー41の縁には波形部42bが形成されており、波形部42bは、基準線BLを横切る波形に形成されている。波形部42bは、基準線BLを横切る張り出し部41kを備えているので、基準線BLを基点とした曲げ応力が生じたときにも、その応力に伴う変形を抑制する。よって、第1バスバー保持部材40は、厚さ方向に曲がり難い。
【0040】
(3)−5 図9に示すように、隣接するバスバー41の波形部42b,43bは、同一形状の波形であり、所定距離隔てて対向して配置され、この間隙に樹脂介在部45bが形成されているので、バスバー41を狭い面積に配置できる。
【0041】
(3)−6 図5に示すように、樹脂支持部材45は、バスバー41の一部を外部に露出させる樹脂開口45hを有している。樹脂開口45hは、樹脂積層部45aの一部を電池列群の方向(基準線BL)と交差する方向(直角方向)にて肉抜きにより分断しているので、樹脂支持部材45の樹脂材料の収縮による応力を低下させて、第1バスバー保持部材40の変形を抑制する。
【0042】
(3)−7 図8に示すように、バスバー41の端子開口41hの開口周縁部は、樹脂開口45hより外部に露出され、電池の端子に接続するための電気接続部41cとなっているから、電池Btの端子との接続を容易にする。
【0043】
(4) 他の実施例
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。
【0044】
(4)−1 図18は他の実施例にかかる電池パック10Bを示す斜視図である。本実施例は、第2バスバー保持部材50Bの構成に特徴を有する。バスバー保持部材30Bは、第1バスバー保持部材40Bと第2バスバー保持部材50Bとを備えている。第1バスバー保持部材40Bのバスバー41Bの外部端子44Btは、第2バスバー保持部材50Bの下端まで延設され、さらに先端部を折曲して係合部44Bkを形成して、第2バスバー保持部材50Bに係合している。これにより、電池パック10Bを一体化することができる。
【0045】
(4)−2 上記実施例において、樹脂開口45hは、電気接続部41cを形成する箇所に形成したが、これに限らず、基準線BLと交差する箇所に、樹脂積層部45aの一部を切り欠いてもよい。これにより、第1バスバー保持部材40の樹脂収縮に伴う変形を一層、低減することができる。
【0046】
(4)−3 上記実施例では、複数の電池を正三角形に配置した構成について説明したが、これに限らず、複数の電池は、格子状に配置したり、省スペース化のために電池の間隙を最小にするように配置するなど、各種の配置をとることができる。
【0047】
(4)−4 上記実施例では、電池は、円柱状タイプについて説明したが、これに限らず、角形やボタン電池など、その作用効果を損なわない限り適用することができる。
【0048】
(4)−5 上記実施例では、バスバーの端部の間の波形部を対向させ、波形部が互いに噛み合うように形成したが、これに限らず、基準線を横切るように波形部は1つだけであってもよい。
【0049】
(4)−6 上記実施例において、電池Btの軸方向の両側に第1および第2バスバー保持部材40,50を配置したが、電池の一方の面に正極端子および負極端子がある場合に、1つのバスバー保持部材であって、バスバー保持部材を正極端子および負極端子に対応して形成してもよい。また、バスバー保持部材に、複数のバスバーを配置した場合には、そのバスバーの間は、外部配線で接続してもよい。
【符号の説明】
【0050】
10…電池パック
30…バスバー保持部材
40…第1バスバー保持部材
41,51…バスバー
41c…電気接続部
41h…端子開口
41k…張り出し部
41w…配線
42…正極バスバー
42a…基板
42b…波形部
42t…外部端子
43b,43c…波形部
43…連結バスバー
43a…基板
44…負極バスバー
44a…基板
44c…波形部
44t…外部端子
45,55…樹脂支持部材
45a…樹脂積層部
45b…樹脂介在部
45c…樹脂介在部
45e…樹脂周縁部
45h…樹脂開口
50…第2バスバー保持部材
51c…電気接続部
51h…端子開口
51k…張り出し部
51w…配線
52b,52e…波形部
52,53…連結バスバー
52a…基板
52b…波形部
53b,53e…波形部
53a…基板
55a…樹脂積層部
55b…樹脂介在部
55e…樹脂周縁部
55h…樹脂開口
D1…内径
d1…内径
BG…電池列群
Lb…距離
Bt…電池
Btn…負極端子
Btp…正極端子
BL…基準線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
図17
図18