【実施例】
【0051】
(実施例1)
N、N−ジアリルヘキサンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドを用いた、シリコン及びフルオロエラストマーに対する、m−アラミドの接着性の向上
N、N−ジアリルヘキサンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドの混合物(9:1重量比)、熱開始剤(Vazo67、デュポン(Dupont)社、モノマー混合物の5重量%)を加え、完全に溶解するまで撹拌した。この混合物を、その後、連続撹拌しながら、70℃で8時間維持して、粘性の黄色い油を得た。ここに光開始剤(Ciba社、イルガキュア(Irgacure)819、2重量%)を加え、よく混合した。
【0052】
この処方を、その後m−アラミド布(デュポン(Dupont)社、Nomex)のストリップの各側上に、1平方メートル当たり約5グラムの被覆重量で、塗布した。各層が堆積された後、この被覆物をその後、鉄をドープした水銀バルブを備えた200W/cmのUV源を用いて、硬化した。
【0053】
開始剤、又は他の硬化剤を含む、フルオロ−エラストマーのストリップ及びシリコン化合物を、接着性を高めた織布の各側に塗り、その後、190℃、65〜80psiで、約15分間処理して、フルオロエラストマー及びシリコーンゴムを硬化して、これらを織布に結合させた。
【0054】
【化19】
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド
【0055】
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミドの合成
ジクロロメタン中の3−ブロモプロピニルクロリド(1:1 v/v)を、僅かにモル比過剰のジクロロメタン(DCM)中のジアリルアミンに、〜10℃で、連続撹拌しながら、2時間に亘って滴下して加えた。これをその後、希釈HCl及びジクロロメタン中で洗浄し、有機画分を回収した。生成物のDCM溶液を、その後、シリカ(60A)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCMを除去して、3−ブロモ−N、N−ジアリルプロピルアミド中間体を得た;黄色液体。収率70%。
【0056】
3−ブロモ−N、N−ジアリルプロピルアミド中間体(30g、129mmol)を、THF(1:1 v/v)に加えた。これを、その後、撹拌し、還流させた1−プロピルアミン(43.1g、0.730mmol)、炭酸カリウム(90g、0.652mmol)、及びTHF(133.6g、1.850mmol)の混合物に、2時間に亘って滴下して加えた。還流物をその後、連続撹拌しながら1時間に亘って放冷した。
【0057】
冷却した反応混合物を水(400mL)で洗浄し、炭酸カリウムを溶解させて、透明な黄色い有機上層を得、デカントした。この層を、その後水で再び洗浄し、分離し乾燥して、黄色い液体のN、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミドを得た。収率:〜65%。
【0058】
【化20】
N、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミド
【0059】
N、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドの合成
新鮮な乾燥したオキサリルクロライド(ClOOCCOOCl)(200mmol)を、200mLの乾燥ジクロロメタンを加えた3口丸底(RB)フラスコに、加えた。蒸留したばかりのジアリルアミン(400mmol)を、トリエチルアミン(400mmol)に加え、更に、乾燥ジクロロメタン中で希釈し(1:1 v/v)、その後、滴下漏斗に加えて、反応フラスコ上に取り付けた。窒素ガスを、他の2つの口を通して、容器を通過させた。生じたHClを中和するため、排出ガスを、CaCO
3溶液を通してバブリングした。反応容器をその後、塩水/氷槽に置き、内容物を冷却してから、ジアリルアミン/トリエチルアミン/DCMを、混合物を連続的に磁気撹拌しながら、この酸塩化物溶液に、滴下して加えた。温度をモニターし、5〜10℃に維持した。ジアリルアミン及びトリエチルアミンの滴下を3時間後に停止し、反応物を更に1時間撹拌させた。
【0060】
酢酸エチル及びアルミナを用いた薄層クロマトグラフィーを用いて、開始物質と生成物とを比較しながら、反応をモニターした。ヨウ素を用いて、プレートを展開し、反応生成物を、開始物質よりもよく溶解したスポットとして可視化した。
【0061】
塩化アンモニウム、及び余剰のジアリルアミンを除去するため、反応液を3M HClで洗浄した。DCM画分中に残ったモノマーを、分液漏斗を用いて取り除いた。DCM中のモノマーについて、100mLのHClの洗浄を2回行った。溶媒をその後、ロータリーエバポレーターで除去した。
【0062】
生成物をジクロロメタン(1:1 v/v)に加え、ジクロロメタンを溶離液として用いたシリカゲル(メルク(Merck)、クロマトグラリー用グレード60)カラムを通過させた。
【0063】
(実施例2)
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドを用いた、m−アラミドのEPDMゴムに対する接着性の向上
m−アラミド織物を2枚のEPDMゴム化合物の間に配置した以外は、実施例1で用いたものと同じ処方の被覆方法を、m−アラミド織物について用いた。高い圧力(45〜75psi)、及び温度(190℃)下で、15分間、m−アラミド織物をEPDMに結合させた。
【0064】
(実施例3)
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド、及び2、2、2’、2’’、2’’’−(エタン−1、2−ジイルビス(アザネトリイル)テトラキス(N、N−ジアリルアセトアミド)を用いた、シリコン及びフルオロエラストマーに対する、m−アラミドの接着性の向上
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド、及び2、2、2’、2’’、2’’’−(エタン−1、2−ジイルビス(アザネトリイル)テトラキス(N、N−ジアリルアセトアミド)の混合物を、それぞれ9:1の重量比で調製した。光開始剤(Ciba社、イルガキュア(Irgacure)127)を、モノマー混合物の総重量の3%加え、混合物の緩やかな加熱を維持することによって、溶解させた。この処方を、その後、m−アラミド布(デュポン(Dupont)社、Nomex)のストリップの各側上に、1平方メートル当たり約10グラムの被覆重量で、塗布し、続いて、各層が堆積された後、この被覆物を、鉄をドープした水銀バルブを備えた200W/cmのUV源を用いて、硬化した。
【0065】
開始剤、又は他の硬化剤を含む、フルオロ−エラストマーのストリップ及びシリコン化合物を、接着性を高めた織布の各側に塗り、その後、175℃、40トン圧力プレスで、約25分間処理して、フルオロエラストマー及びシリコーンゴムを硬化して、これらを織布に結合させた。
【0066】
【化21】
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド
【0067】
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミドの合成
N、N−ジアリルアミン(128.26g、1.32mmol)、及びジクロロメタン(106.0g、1.248mmol)の混合物を、漏斗に加え、ジクロロメタン(530.0g、6.24mmol)中のベンゼン−1、3、5−トリメソイルクロライド(53.1g、0.200mmol)の冷却した(10℃)混合物を含む反応容器に、連続撹拌しながら、75分間に亘って滴下して加えた。温度を、ジアリルアミン溶液を加える間、<10℃に維持し、その後、連続撹拌しながら、更に60分間かけて室温まで戻した。有機層を、過剰の水(1×600mL、及び2×300mL)で洗浄して、ジアリルアミンの塩酸塩を除去し、その後、MgSO
4により乾燥させた。固体をその後、濾過して、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、その後、シリカ及び溶離液としてのジクロロメタンを用いたカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。ジクロロメタンをその後再び減圧下で除去して、淡黄色の粘性の生成物を得た。収率=60.2%。
【0068】
【化22】
2、2’、2’’、2’’’−(エタン−1、2−ジイルビス(アザネトリイル)テトラキス(N、N−ジアリルアセトアミド)
【0069】
2、2’、2’’、2’’’−(エタン−1、2−ジイルビス(アザネトリイル)テトラキス(N、N−ジアリルアセトアミド)の合成
4−ジメチルアミノピリジン(0.5g)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(103.0g)、エチレンジアミンテトラ酢酸(36.0g)、ジアリルアミン(53.0g)、及びジクロロメタン(250g)の混合物を、反応容器に加え、連続撹拌しながら、約20℃で120時間維持した。反応物中に形成される尿素を含む固体を、その後、濾過により除去し、その後、アミン及び溶媒を減圧下で除去した。不純物の除去後、透明な粘性の油が得られた(〜65%)。
【0070】
(実施例4)
N、N−ジアリルヘキサンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドを用いた、シリコーンゴム及びフルオロエラストマーに対する、ポリ(エステル)織布の接着性の向上
9:1の重量比の、N、N−ジアリルヘキサンアミド、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドの混合物に対して、熱開始剤(Vazo 67、デュポン(DuPont)社)を、初めに総混合物の1重量%、反応各時間後に1%ずつ増加させ、5%になるまで加え、反応時間を8時間とし;全反応時間に亘って反応温度を70℃に維持した。粘性の黄色い油が得られた。これに、光開始剤(Ciba社、イルガキュア(Irgacure)819)を、全溶液の2重量%加え、よく混合した。この処方を、その後、編んだポリ(エステル)繊維のストリップの各側上に、1平方メートル当たり約5グラムの被覆重量で、塗布し、続いて、各層が堆積された後、UV硬化を行った。
【0071】
フルオロ−エラストマーのストリップ及びシリコン化合物を、接着性を高めた層で被覆した、編んだポリ(エステル)繊維の各側に塗り、その後、190℃、45〜75psiで、約25分間処理して、フルオロエラストマー及びシリコーンゴムを硬化して、これらを織布に結合させた。
【0072】
【化23】
N、N−ジアリルヘキサンアミド
【0073】
N、N−ジアリルヘキサンアミドの合成
ジアリルアミン(>99%、70.85g)、ジクロロメタン(265.0g)、及びトリエチルアミン(>98%、73.4g)、を、撹拌したヘキサノイルクロライド(>98%、96.15g)及びジクロロメタン(530.0g)の混合物に、温度を0〜10℃に維持しながら、195分間に亘って、滴下して加えた。この後、反応容器を、混合物を、更に60分間撹拌しながら、室温まで温めた。得られた反応溶液をHCl(3M、600mL)で洗浄して、有機層を分離し、無水MgSO
4により乾燥させた。濾過後、ジクロロメタンを含む濾液を減圧下で除去して、粗生成物を、シリカ及び溶離液としての酢酸エチルを用いたカラムクロマトグラフィーにより更に精製した。酢酸エチルを減圧下で生成物から除去して、黄色い油を収率64%で得た。
【0074】
【化24】
N、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミド
【0075】
(実施例5)
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド、及びN、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミドのコポリマーからなる接着増強層を用いた、m−アラミド繊維に対する、酸性染料の接着性の向上
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド(74.4g)、及びN、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミドのコポリマー(18.6g)の混合物を、70℃に予熱し、その後、熱開始剤(デュポン(DuPont)社、Vazo67、5.0g)を連続撹拌しながら加えた。反応混合物を、連続撹拌しながら、70℃で10時間維持して、粘性液体が生じさせ、その後、光開始剤(チバ(Ciba)社、イルガキュア(Irgacure819、2.0g)を加えて混合物中に完全に溶解させた。
【0076】
この処方を、その後、リバースローラー法を用いて、1平方メートル当たり20グラムの被覆重量で、m−アラミド繊維に被覆し、鉄をドープした水銀バルブを用いた200W/cmのUVランプで硬化させた。
【0077】
処理した織布の酸性の染色は、溶液中に酸性染料を含む水性の捺染糊の塗布により行った。捺染糊は織布に大量に塗布し、染色された織布を、130℃で60分間、次いで180℃で5分間加熱した。冷却後、染色した織布を、炭酸カリウムのアルカリ性の溶液(pH10)で洗浄し、水でリンスし、そして乾燥させた。
【0078】
代わりに、処理した織布を水溶液中の酸性染料、例えば、濃度5%のacid green 25で、単に処理し、その後、70℃で10分間加熱した。そして、試料を水で洗浄し、その後、炭酸カリウムのアルカリ性の溶液(pH10)で洗浄し、乾燥させた。
【0079】
【化25】
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド
【0080】
【化26】
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド
【0081】
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミドの合成
クロロアセチルクロライド(>98%、212g、1.883mmol)、及びジクロロメタン(397.5g、4.680mmol)を反応容器に加え、5℃まで冷却した。N、N−ジアリルアミン(蒸留したばかりのもの、402.57g、4.143mmol)をジクロロメタン(397.5g、4.680mmol)に加え、この混合物を、その後連続撹拌し、温度を10℃以下に維持しながら、数時間に亘ってクロロアセチルクロライド混合物に滴下して加えた。この反応混合物を、その後室温に達するまでそのままにし、その後水(1.5L)で洗浄した。有機層を水で再び洗浄し、その後、有機層を分離した。溶媒及び揮発物を、その後減圧下で有機層から除去して、黄色の油を得た。これを、酢酸エチル溶離液及びシリカを用いたカラムクロマトグラフィーにより更に精製した。溶離液を減圧下で除去して、黄色い油を得た。収率は〜78%であった。
【0082】
N、N−ジアリル−2−クロロアセトアミド(中間体)(86.75g、0.500mmol)、トリエチルアミン(154.38g、1.500mmol)及びテトラヒドロフラン(222.25g、3.082mol)を、1−ブチルアミン(99%、18.29g、0.250mol)を加えた反応フラスコに、連続撹拌しながら15分に亘って滴下して加えた。反応温度を、還流温度にして4時間維持した。反応物を、その後室温まで冷却し、その後反応液からトリエチルアミン塩酸塩を濾過した。減圧下で溶媒を除去した後、生成物をジクロロメタン(200mL)に加え、その後水(300mL)で二回洗浄した。結城さ王を分離して、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。これを減圧下で除去して、淡黄色の油が得られた。収率は〜88%であった。
【0083】
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミドの合成
ジクロロメタン中の3−ブロモプロピニルクロリド(1:1 v/v)を、僅かにモル比過剰のジクロロメタン(DCM)中のジアリルアミンに、〜10℃で、連続撹拌しながら、2時間に亘って滴下して加えた。これをその後、希釈HCl及びジクロロメタン中で洗浄し、有機画分を回収した。生成物のDCM溶液を、その後、シリカ(60A)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCMを除去して、3−ブロモ−N、N−ジアリルプロピルアミド中間体を得た;黄色液体。収率70%。
【0084】
3−ブロモ−N、N−ジアリルプロピルアミド中間体(30g、129mmol)を、THF(1:1 v/v)に加えた。これを、その後、撹拌し、還流させた1−プロピルアミン(43.1g、0.730mmol)、炭酸カリウム(90g、0.652mmol)、及びTHF(133.6g、1.850mmol)の混合物に、2時間に亘って滴下して加えた。還流物をその後、連続撹拌しながら1時間に亘って放冷した。
【0085】
冷却した反応混合物を水(400mL)で洗浄し、炭酸カリウムを溶解させて、透明な黄色い有機上層を得、デカントした。この層を、その後水で再び洗浄し、分離し乾燥して、黄色い液体のN、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミドを得た。収率:〜65%。
【0086】
(実施例6)
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミドからなる接着増強層を用いた、m−アラミド繊維に対する、酸性染料の接着性の向上
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミドを、光開始剤(ITX、3重量%)、及びアミン共力剤(エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2重量%)と混合し、その後、リバースローラー法を用いて、1平方メートル当たり20グラムの被覆重量で、m−アラミド繊維に被覆した。これを、鉄をドープした水銀バルブを用いた200W/cmのUVランプで硬化させた。
【0087】
処理した織布の酸性の染色は、溶液中に酸性染料を含む水性の捺染糊の塗布により行った。捺染糊は織布に大量に塗布し、染色された織布を、130℃で60分間、次いで180℃で5分間加熱した。冷却後、染色した織布を、炭酸カリウムのアルカリ性の溶液(pH10)で洗浄し、水でリンスし、そして乾燥させた。
【0088】
ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミドの合成
N、N−ジアリルアミン(128.26g、1.32mmol)、及びジクロロメタン(106.0g、1.248mmol)の混合物を、漏斗に加え、ジクロロメタン(530.0g、6.24mmol)中のベンゼン−1、3、5−トリメソイルクロライド(53.1g、0.200mmol)の冷却した(10℃)混合物を含む反応容器に、連続撹拌しながら、75分間に亘って滴下して加えた。温度を、ジアリルアミン溶液を加える間、<10℃に維持し、その後、連続撹拌しながら、更に60分間かけて室温まで戻した。有機層を、過剰の水(1×600mL、及び2×300mL)で洗浄して、ジアリルアミンの塩酸塩を除去し、その後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥させた。固体をその後、濾過して、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、その後、シリカ及び溶離液としてのジクロロメタンを用いたカラムクロマトグラフィーを用いて精製した。ジクロロメタンをその後再び減圧下で除去して、淡黄色の粘性の生成物を得た。収率=60.2%。
【0089】
塩基性染料は、同様に塗布することが可能であり、モノマー構造の一部に酸基があると、染色の向上を示し得る。
【0090】
(実施例7)
4−(ジアリルアミノ)−4−オキソブタン酸、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドからなる接着増強層を用いた、m−アラミド繊維に対する、酸性染料の接着性の向上
4−(ジアリルアミノ)−4−オキソブタン酸、及びN、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミドを、それぞれ3:1の重量比で調製した。これに、光開始剤(チバ(Ciba)社、イルガキュア(Irgacure)819、全モノマーの3.0重量%)を加え、完全に溶解するまで撹拌した。この処方を、その後、リバースローラー法を用いて、1平方メートル当たり20グラムの被覆重量で、m−アラミド繊維に被覆し、ガリウムをドープした水銀バルブを用いた120W/cmの集束UV源で硬化させた。
【0091】
処理した織布を、その後、織布をベーシックブルー26水溶液(3重量%溶液)に、70℃で10分間浸漬することによって染色した。これを希釈した酢酸溶液中で織布を洗浄し、水でよくリンスして、暖気で乾燥させた。
【0092】
【化27】
4−(ジアリルアミノ)−4−オキソブタン酸
【0093】
4−(ジアリルアミノ)−4−オキソブタン酸の合成
ジクロロメタン(50mL)中のジアリルアミン(>99%、24.5g)の溶液をジクロロメタン(200mL)中の無水コハク酸(>98%、25.3g)溶液に、連続撹拌しながら、1時間に亘って滴下して加えた。ジアリルアミンを加える間中、温度を10〜20℃に維持し、反応中連続撹拌した。全てのジアリルアミンを加えた後、反応を30分間進行させ、その後混合物をHCl(100mL、3M)で1回、飽和炭酸カリウム水溶液(200mL)で一回、水(200mL)で2回洗浄した。有機層をMgSO
4により乾燥し、濾過して、その後、溶媒を減圧下で除去して、淡黄色の油を得た。
【0094】
【化28】
N、N、N’、N’−テトラアリルエタンジアミド
【0095】
(実施例8)
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド、及びN、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミドのコポリマーからなる接着増強層を用いた、酸性染料の6、6−織布に対する接着性の向上
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド(56.0g)、及びN、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド(14.0g)を75℃で予熱した。この混合物に、N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド(21.6g)、及びN、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド(5.4g)中の熱開始剤(デュポン(DuPont)社、Vazo67、3.0g)溶液を、連続撹拌しながら、窒素雰囲気下で、温度を75℃で維持しながら、10時間に亘って、加えた。10時間の反応時間後、溶液を放冷し、光開始剤(ITX)(2.0g)、及び共力剤であるエチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDB)(3.0g)を加えた。両添加物とも使用前にモノマー混合物中に完全に溶解させ混合した。
【0096】
この処方を、その後、リバースローラー法を用いて、1平方メートル当たり20グラムの被覆重量で、6、6−繊維に被覆し、ガリウムをドープした水銀バルブを用いた200W/cmのUVランプで硬化させた。
【0097】
処理した織布の酸性の染色は、溶液中に酸性染料を含む水性の捺染糊の塗布により行った。捺染糊は織布に大量に塗布し、染色された織布を、130℃で60分間、次いで180℃で5分間加熱した。冷却後、染色した織布を、炭酸カリウムのアルカリ性の溶液(pH10)で洗浄し、水でリンスし、そして乾燥させた。
【0098】
(実施例9)
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミドでできたポリマーからなる接着増強層を用いた、m−アラミド繊維に対する、酸性染料の接着性の向上
【0099】
N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド(70.0g)を75℃で予熱し、その後、N、N−ジアリル−2−(ブチル−ジアリルカルバモイルメチルアミノ)アセトアミド(27.0g)中の熱開始剤(デュポン(DuPont)社、Vazo67、3.0g)溶液を、連続撹拌しながら、窒素雰囲気下で、温度を75℃で維持しながら、10時間に亘って、加えた。10時間の反応時間後、溶液を放冷し、光開始剤である2−イソプロピルチオキサントン(ITX)(2.0g)、及び共力剤であるエチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート(EDB)(3.0g)を加えた。両添加物とも使用前にモノマー混合物中に完全に溶解させ混合した。
【0100】
この処方を、その後、リバースローラー法を用いて、1平方メートル当たり10グラムの被覆重量で、m−アラミド繊維に被覆し、鉄をドープした水銀バルブを用いた200W/cmのUVランプで硬化させた。
【0101】
処理した織布の酸性の染色は、溶液中に酸性染料を含む水性の捺染糊の塗布により行った。捺染糊は織布に大量に塗布し、染色された織布を、130℃で60分間、次いで180℃で5分間加熱した。冷却後、染色した織布を、炭酸カリウムのアルカリ性の溶液(pH10)で洗浄し、水でリンスし、そして乾燥させた。
【0102】
(実施例10)
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド、ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド、及びフッ素化モノマーである2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8、8−ペンタデカフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)オクタンアミドの混合物を用いた、シリコーンゴム及びフルオロエラストマーに対する、ポリ(アラミド)織布の接着性の向上
N、N−ジアリル−3−(プロピルアミノ)プロパンアミド(85.5重量%)、ベンゼン−1、3、5−トリカルボン酸−トリス−N、N−ジアリルアミド(9.5重量%)、2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8、8−ペンタデカフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)オクタンアミド(2重量%)、及び光開始剤のイルガキュア(Irgacure)127(3重量%、チバ(Chiba)SC社)の混合物を、1平方メートル当たり10グラムの被覆重量で、m−アラミド布(デュポン(Dupont)社、Nomex)のストリップの各側に被覆した。この被覆物を、各層が堆積された後、連続的に、鉄をドープした水銀バルブを備えた200W/cmのUV源を用いて、硬化した。
【0103】
開始剤、又は他の硬化剤を含む、フルオロ−エラストマーのストリップ及びシリコン化合物を、接着性を高めた織布の各側に塗り、その後、175℃、40トン圧力プレスで、約25分間処理して、フルオロエラストマー及びシリコーンゴムを硬化して、これらを織布に結合させた。
【0104】
【化29】
2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8、8−ペンタデカフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)オクタンアミド
【0105】
2、2、3、3、4、4、5、5、6、6、7、7、8、8、8−ペンタデカフルオロ−N、N−ジ(2−プロペン−1−イル)オクタンアミドの合成
パーフルオロオクタノイルクロライド(20.0g)、及びジクロロメタン(1.6g)の混合物を、ジアリルアミン(9.88g、>99%)、及びジクロロメタン(1.72g)の撹拌中の混合物に、1時間に亘って滴下して加え、0℃まで冷却した。反応液を、更に1時間連続撹拌しながら、室温まで温めた。
【0106】
生成物を、水(500mL)で2回洗浄し、その後、減圧下ジクロロメタンを除去して、非常に低い粘度を有する橙黄色の液体が得られた(収率79%)。