(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5885748
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月15日
(54)【発明の名称】体液採取のための装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01N 1/10 20060101AFI20160301BHJP
【FI】
G01N1/10 N
G01N1/10 V
【請求項の数】30
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-533949(P2013-533949)
(86)(22)【出願日】2011年10月11日
(65)【公表番号】特表2014-504356(P2014-504356A)
(43)【公表日】2014年2月20日
(86)【国際出願番号】US2011055812
(87)【国際公開番号】WO2012051205
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2014年9月19日
(31)【優先権主張番号】61/391,856
(32)【優先日】2010年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598051093
【氏名又は名称】バイオアナリティカル・システムズ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Bioanalytical Systems,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100138760
【弁理士】
【氏名又は名称】森 智香子
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】ハンプシュ,ジェームズ・エム
(72)【発明者】
【氏名】ピーターズ,スコット・アール
【審査官】
土岐 和雅
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第00583078(EP,A1)
【文献】
特開昭63−186146(JP,A)
【文献】
特開2002−243726(JP,A)
【文献】
実開昭62−143243(JP,U)
【文献】
米国特許第05516487(US,A)
【文献】
特開平06−043164(JP,A)
【文献】
米国特許第06357583(US,B1)
【文献】
特表2002−502045(JP,A)
【文献】
米国特許第06474694(US,B1)
【文献】
特開平09−178741(JP,A)
【文献】
実開平01−163844(JP,U)
【文献】
特開2005−024417(JP,A)
【文献】
米国特許第05620097(US,A)
【文献】
米国特許第06152493(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0151637(US,A1)
【文献】
特開平10−132800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N1/00〜1/44、33/48〜33/98、35/00〜37/00、C12M1/00〜1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体サンプルのための保管装置であって、前記装置が
所定のサイズおよび形状を持つ採取媒体であって、上面、底面、当該採取媒体の縁に近接して位置付けられ、当該採取媒体を含まない空所である位置マーカー、当該採取媒体の中心を通る第一の中心空所、少なくとも一つの第一の整列空所、および生体サンプルに結合する働きをする少なくとも一つの結合部位を備える採取媒体と、
生体サンプルに実質的に不浸透性の保護フェーシングであって、前記保護フェーシングが前記採取媒体の前記上面に結合され、前記採取媒体の前記所定のサイズおよび形状に実質的に類似したサイズおよび形状を持ち、当該保護フェーシングの中央に前記第一の中心空所と整列するように構築および位置付けられた第二の中心空所、および前記採取媒体における少なくとも一つの前記第一の整列空所とそれぞれ整列するように構築および位置付けられた第二の整列空所を備える保護フェーシングとを備え、
前記保護フェーシングが、第一のフェーシング空所および第二のフェーシング空所を画定するようにサイズ調節・成形されており、前記第一のフェーシング空所が、前記保護フェーシングを通った前記採取媒体の前記少なくとも一つの結合部位上への生体サンプルの移動を可能にするように配置され、前記第二のフェーシング空所が、前記位置マーカーを露出するように位置付けられた、保管装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの結合部位が前記採取媒体の縁に近接して位置付けられた、請求項1に記載の保管装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの結合部位が、それぞれ前記採取媒体の前記縁に沿って一列に位置付けられた複数の結合部位を備える、請求項1に記載の保管装置。
【請求項4】
前記採取媒体が、前記採取媒体を少なくとも二つの所定の部分に分ける働きをする分離要素をさらに備える、請求項1に記載の保管装置。
【請求項5】
前記分離要素が、力が行使された時に、前記採取媒体を前記少なくとも二つの所定部分に分離することができるミシン目である、請求項4に記載の保管装置。
【請求項6】
前記分離要素が、前記位置マーカーで前記採取媒体を前記少なくとも二つの所定部分に分けるように位置付けられた、請求項4に記載の保管装置。
【請求項7】
前記生体サンプルが、血液、血液分画、汗、尿、涙および脳脊髄液、またはその組み合わせから成るグループから選択される、請求項1に記載の保管装置。
【請求項8】
前記採取媒体が実質的に円形である、請求項1に記載の保管装置。
【請求項9】
前記保護フェーシングに連結した識別マーカーをさらに備える、請求項1の保管装置。
【請求項10】
少なくとも一つの前記第一の整列空所および少なくとも一つの第二の整列空所が、整列部材の通過を可能にするように構築され位置付けられた、請求項1に記載の保管装置。
【請求項11】
少なくとも一つの前記第一の整列空所および少なくとも一つの第二の整列空所の両方を横断し、前記採取媒体を前記保護フェーシングに固定する前記整列部材をさらに備える、請求項10に記載の保管装置。
【請求項12】
前記保護フェーシングが連結部材を備え、前記保護フェーシングが連結部材を係合することができる連結空所を画定するように形作られた、請求項1に記載の保管装置。
【請求項13】
前記保護フェーシングが、上部フェーシングおよび下部フェーシングを備え、前記上部フェーシングが前記連結空所を画定するように形作られ、前記下部フェーシングが前記連結部材を画定し、
前記採取媒体が前記上部フェーシングと下部フェーシングの間に配置され、前記空所が前記連結部材に係合され、前記採取媒体が前記保護フェーシングにしっかりと係合された、請求項12に記載の保管装置。
【請求項14】
前記保護フェーシングが前記採取媒体の底面に連結された、請求項1に記載の保管装置。
【請求項15】
前記保管装置が、サンプル採取装置を係合する働きをする少なくとも一つの第三の整列空所を画定するように、サイズ調節・成形された、請求項1に記載の保管装置。
【請求項16】
生体サンプルの保管のためのシステムであって、
前記システムが、
被験者から生体サンプルを採取する事ができる生体サンプル採取装置と、
前記採取装置から前記生体サンプルを受け取ることができる保管装置とを備え、
前記保管装置が
所定のサイズおよび形状を持つ採取媒体であって、上面、底面、当該採取媒体の縁に近接して位置付けられ、当該採取媒体を含まない空所である位置マーカー、当該採取媒体の中心を通る第一の中心空所、少なくとも一つの第一の整列空所、および生体サンプルに結合する働きをする少なくとも一つの結合部位を備える採取媒体と、
生体サンプルに実質的に不浸透性の保護フェーシングであって、前記保護フェーシングが前記採取媒体の前記上面に連結され、前記採取媒体の前記所定のサイズおよび形状に実質的に類似したサイズおよび形状を持ち、当該保護フェーシングの中央に前記第一の中心空所と整列するように構築および位置付けられた第二の中心空所、および前記採取媒体における少なくとも一つの前記第一の整列空所とそれぞれ整列するように構築および位置付けられた第二の整列空所を備える保護フェーシングとを備え、
前記保護フェーシングが、第一のフェーシング空所および第二のフェーシング空所を画定するようにサイズ調節・成形されており、前記第一のフェーシング空所が、前記保護フェーシングを通った前記採取媒体の前記少なくとも一つの結合部位上への生体サンプルの移動を可能にするように配置され、前記第二のフェーシング空所が、前記位置マーカーを露出するように位置付けられた、システム。
【請求項17】
前記少なくとも一つの結合部位が前記採取媒体の縁に近接して位置付けられた、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも一つの結合部位が、それぞれ前記採取媒体の前記縁に沿って一列に位置付けられた複数の結合部位を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記採取媒体が、前記採取媒体を少なくとも二つの所定の部分に分ける働きをする分離要素をさらに備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記分離要素が、力が行使された時に、前記採取媒体を前記少なくとも二つの所定部分に分離することができるミシン目である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記分離要素が、前記位置マーカーで前記採取媒体を分けるように位置付けられた、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記保護フェーシングが連結部材を備え、前記保護フェーシングが連結部材を係合することができる連結空所を画定するように形作られた、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記保護フェーシングが、上部フェーシングおよび下部フェーシングを備え、前記上部フェーシングが前記連結空所を画定するように形作られ、前記下部フェーシングが前記連結部材を画定し、
前記採取媒体が前記上部フェーシングと下部フェーシングの間に配置され、前記連結空所が前記連結部材に係合され、前記採取媒体が前記保護フェーシングにしっかりと係合された、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
生体サンプルの保管のための方法であって、前記方法が、
保管装置を、被験者から生体サンプルを採取する事ができる生体サンプル採取装置に結合するステップであって、
前記保管装置が
所定のサイズおよび形状を持つ前記採取媒体であって、上面、底面、当該採取媒体の縁に近接して位置付けられ、当該採取媒体を含まない空所である位置マーカー、当該採取媒体の中心を通る第一の中心空所、少なくとも一つの第一の整列空所、および生体サンプルに結合する働きをする少なくとも一つの結合部位を備える採取媒体と、
生体サンプルに実質的に不浸透性の保護フェーシングであって、前記保護フェーシングが前記採取媒体の前記上面に連結され、前記採取媒体の前記所定のサイズおよび形状に実質的に類似したサイズおよび形状を持ち、当該保護フェーシングの中央に前記第一の中心空所と整列するように構築および位置付けられた第二の中心空所、および前記採取媒体における少なくとも一つの前記第一の整列空所とそれぞれ整列するように構築および位置付けられた第二の整列空所を備える保護フェーシングとを備え、
前記保護フェーシングが、第一のフェーシング空空所および第二のフェーシング空空所を画定するようにサイズ調節・成形されており、前記第一のフェーシング空空所が、前記保護フェーシングを通った前記採取媒体の前記少なくとも一つの結合部位上への生体サンプルの移動を可能にするように配置され、前記第二のフェーシング空空所が、前記位置マーカーを露出するように位置付けられた、ステップと、
前記生体サンプル採取装置からの生体サンプルを、前記採取媒体の少なくとも一つの結合部位に導入するステップと、
前記生体サンプルを前記採取媒体上で乾燥するステップを含む、方法。
【請求項25】
前記少なくとも一つの結合部位が前記採取媒体の縁に近接して位置付けられた、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも一つの結合部位が、それぞれ前記採取媒体の前記縁に沿って一列に位置付けられた複数の結合部位を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記採取媒体が、前記採取媒体を少なくとも二つの所定の部分に分ける働きをする分離要素をさらに備える、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記分離要素が、力が行使された時に、前記採取媒体を前記少なくとも二つの所定部分に分離することができるミシン目である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記分離要素が、前記位置マーカーで前記採取媒体を分けるように位置付けられた、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記採取媒体の前記少なくとも一つの結合部位の第二の結合部位に第二の生体サンプルを導入する前記ステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際PCT特許出願は、米国仮出願第61/391,856号(2010年10月11日出願)に関連し、これに対して優先権を主張し、その全開示が参照により本書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
実験室および臨床現場では、サンプルのさまざまな成分の濃度を決定するために、血液または血液製品などの生体サンプルを、取得、封入、輸送、および保管することがしばしば必要である。 それに含まれるさまざまな成分のレベルまたは濃度を確認するための生体液の分析は、血流中の薬剤化合物の薬物動態特性の決定のための、一般に認められた臨床業務である。
【0003】
ガラスまたはプラスチックチューブでの従来的な液体サンプル採取、取り扱い、輸送、および保管は、以下のような関連する多くの問題を有する: (1) サンプルの損失および取扱者への感染の危険を生じる容器の破損または漏れのリスク、(2) 出荷および保管集のサンプルの不安定性、(3) バイオハザード液体出荷品を受け取ることに対する輸送業者による拒否、(4) 血清または血漿準備の一般的検査室手法およびその後の分析に適合する量を確保するために、検査に必要な量より多くのサンプル採取が必要なこと、および (5) マウスおよびラットなどの小動物から抽出できる体液の量は制限されているため、各動物から十分な一連の液体サンプルを採取することができないという事実。
【0004】
特定の成分決定の場合、血液サンプルの取り扱いもサンプルの測定の究極的正確性の重要な部分でありうる。 従って、血液サンプルが体から取り出された時であっても、液体血液サンプル中の成分濃度は経時的に変化しうる。
【0005】
これらの問題を克服するために、一つのアプローチでは、生体サンプル(例えば1滴ままたは2滴の全血)が、特別に製造された紙などの採取媒体上に採取され、輸送前に乾燥される。 これらの乾燥血液スポット(DBS)サンプルは、少量の血液(典型的には15μL - 20μL)を使用して取得でき、郵送が可能ですべての一般的な輸送業者によって受け入れられる。 乾燥血液スポットは、特定の成分を後の分析のために保存するのに役立つという利点を持つ。
【0006】
検査被験者からの血液の抽出および血液スポットの、採取媒体などの適切な媒体への沈着は、一般的に多くの人手を要し、血液を正確にピペット採取して、紙の上に血液を分配する際に血液の分離を起こすことなく、紙の上に分配するスキルを必要とする。 血液の一貫性のない沈着は、DBSサンプルの後続分析において変動を生じうる。
【0007】
さらに、カード上へのスポットの手動分配は、サンプルを正確に位置付けない可能性がある。 手動位置づけからの変動は、カードから血液スポットをパンチするためまたはスポットを直接分析するために使用される後続の自動化を困難にするが、これは処理前に血液スポットの位置をまず識別しなければならない特別な機器を必要とするためである。 この要件により、計装がかなり複雑となり、後配置された血液スポットの適切な分析に信頼性の問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
典型的には、臨床前薬物動態試験は、24時間の間の指定時点で取得された8〜12個の一連の血液サンプルを必要とする。 各時点に対して、1〜4個の乾燥血液スポットが採取される。 生物学的分析のための市販の乾燥血液スポットカードは、それぞれ最大4個の乾燥血液スポットを保持できる。 1つのカードが各時点に対して使用される。 カード上への血液の採取後、血液は最低2時間乾燥しなければならない。 各液体サンプルが乾燥できるように、カードの周りの空気循環のための空間がなければならない。 多数の検査被験者からサンプル採取する時、生成される多数の血液スポットカードは、血液スポットを乾燥するためにカードを分離するための相当な物理的空間を必要とする。 それぞれの個別のカードは、被験者識別およびその被験者に対する時点の識別のためにラベル付けしなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の生体サンプル用保管装置の少なくとも一つの実施形態では、装置は、上面、底面、所定のサイズおよび形状を持つ採取媒体を備え、上面は位置マーカーおよび生体サンプルに結合可能な少なくとも一つの結合部位を備える。 模範的装置は、生体サンプルに実質的に不浸透性の保護フェーシングをさらに備え、保護フェーシングは、採取媒体の上面に
連結され、採取媒体の所定の大きさと形に実質的に同じ大きさと形を有し、ここで保護フェーシングは、第一の
フェーシング空所および第二の
フェーシング空所を確定する寸法および形状であり、第一のフェーシング空所は生体サンプルを保護フェーシングを通して採取媒体の少なくとも一つの結合部位に移送することを可能にするように位置付けられ、第二のフェーシング空所は採取媒体の整列のための位置マーカーを露出するように位置付けられる。保管装置の採取媒体は、少なくとも一つの実施形態では、随意に円形でありうる。さらに、保管装置は、保護フェーシングに
連結した識別マーカーも備えうる。
【0010】
本開示の装置の少なくとも一つの実施形態では、少なくとも一つの結合部位は採取媒体の縁に近接して位置付けられる。 さらに、少なくとも一つの結合部位は、それぞれが採取媒体の縁に沿って一列に位置付けられた複数の結合部位を備えうる。
【0011】
本開示の装置の少なくとも一つの実施形態では、採取媒体は、採取媒体を少なくとも二つの所定の部分に分ける働きをする分離要素をさらに備える。 模範的分離媒体は、力が行使される時に、採取媒体を少なくとも二つの所定部分に分離することができるミシン目を含みうる。 さらに、分離要素は、位置マーカーで採取媒体を少なくとも二つの所定部分に分けるように位置付けられうる。
【0012】
本開示の装置の少なくとも一つの実施形態では、生体サンプルは、血液、血液分画、汗、尿、涙および脳脊髄液、またはその組み合わせから成るグループから選択される。
本開示の開示の少なくとも一つの実施形態では、採取媒体および保護フェーシングは、それぞれ第一の整列空間および第二の整列空間を画定するように形作られ、第一の整列空間および第二の整列空間は、それぞれを通って整列部材が通過できるように、構築され位置付けられる。
【0013】
本開示の装置の少なくとも一つの実施形態では、保護フェーシングは、
連結部材を備え、保護フェーシングはフェーシング
連結部材を係合することができる
連結空所を画定するように形作られる。 随意に、保護フェーシングは、上部フェーシングおよび下部フェーシングを備え上部フェーシングは、
連結空所を画定するように形作られ、下部フェーシングは
連結部材を画定し、ここで採取媒体が上部フェーシングと下部フェーシングの間に配置され
連結空所が
連結部材を係合する時、採取媒体は保護フェーシングにしっかりと係合される。
【0014】
本開示の装置の少なくとも一つの実施形態では、装置は、第一の整列空間および第二の整列空間の両方を横断し、採取媒体を保護フェーシングに固定する整列部材をさらに備えうる。
【0015】
本開示の装置の少なくとも一つの実施形態では、位置マーカーは、採取媒体の上面と底面の間の溝を画定する。
本開示の装置の少なくとも一つの実施形態では、保護フェーシングは、採取媒体の上面に
連結される。
【0016】
本開示の装置の少なくとも一つの実施形態では、保管装置は、サンプル採取装置を係合する働きをする少なくとも一つの整列空間を画定するように、サイズ調節・成形される。
本開示の生体物質の保管システムの少なくとも一つの実施形態では、システムは、被験者から生体サンプルを採取することのできる生体サンプル採取装置、および本開示の補完装置の実施形態を備える。
【0017】
本開示のシステムの少なくとも一つの実施形態では、少なくとも一つの結合部位は採取媒体の縁に近接して位置付けられる。 少なくとも一つの結合部位は、それぞれが採取媒体の縁に沿って一列に位置付けられた複数の結合部位を備えうる。
【0018】
本開示の採取媒体の模範的実施形態は、採取媒体を少なくとも二つの所定の部分に分ける働きをする分離要素をさらに備えうる。 さらに、分離要素は、力が行使された時に、採取媒体を少なくとも二つの所定部分に分離することができるミシン目でありうる。 さらに、分離要素は、位置マーカーで採取媒体を少なくとも二つの所定部分に分けるように位置付けられうる。
【0019】
本開示の生体サンプルの保管方法の少なくとも一つの実施形態では、方法は、(1) 本開示の保管装置の実施形態を、被験者から生体サンプルを採取することのできる生体サンプル採取装置を
連結する、(2) 生体サンプル採取装置からの生体サンプルを採取媒体の少なくとも一つの結合部位に導入する、(3) 採取媒体上で生体サンプルを乾燥するステップを含む。 前記方法の模範的実施形態では、少なくとも一つの結合部位は採取媒体の縁に近接して位置付けられる。 少なくとも一つの結合部位は、それぞれが採取媒体の縁に沿って一列に位置付けられた複数の結合部位でもありうる。 本開示の方法の模範的実施形態は、採取媒体の少なくとも一つの結合部位の第二の結合部位に複製の生体サンプルを導入するステップをさらに含みうる。
【0020】
本開示の機能と利点、およびそれらの達成方法は、付随する図面と一緒に以下の説明を参照することによってより明らかとなりよりよく理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本開示の少なくとも一つの実施形態による、カード組立品の上面図を示す。
【
図2】
図2は、本開示の少なくとも一つの実施形態による、
図1のカード組立品の拡大側面図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の少なくとも一つの実施形態による、
図1のカード組立品の分解側面斜視図を示す。
【
図4】
図4は、本開示の少なくとも一つの実施形態による、カード組立品の上面図を示す。
【
図5】
図5は、本開示の少なくとも一つの実施形態による、軸A-Aに沿って切り取った
図4のカード組立品の断面図である。
【
図6】
図6は、本開示の少なくとも一つの実施形態による、軸A-Aに沿って切り取った
図4のカード組立品の拡大部分断面図である。
【
図7】
図7は、本開示の少なくとも一つの実施形態による、軸A-Aに沿って切り取った
図4のカード組立品の拡大部分断面図である。
【
図8A】
図8Aは、は、本開示の少なくとも一つの実施形態による、
図4のカード組立品の分解側面斜視図を示す。
【
図8B】
図8Bは、本開示の少なくとも一つの実施形態による、サンプル採取用システムの略図を示す。
【
図9】
図9は、本開示の少なくとも一つの実施形態による、サンプル採取の方法のフローチャートを示す。
【
図10】
図10は、本開示の実施形態による模範的システムのフレームワークを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の原理の理解を深める目的で、図面に描写されている実施形態を参照しながら、その説明に特定の用語を使用する。 しかし当然のことながら、これによって本開示の範囲を制限することは意図していない。
【0023】
図1によると、サンプル採取装置が開示されており、これは乾燥血液スポットサンプルなどの生体サンプルを含み、既存のサンプリング機器と共に使用できる。 例えば、完全な時系列からの血液スポットのすべてを受け入れる薬物動態単一装置(カードなど)が開示されている。 本開示の装置のこのような模範的実施形態は、治験を完了するためのスペースおよびラベル付け要件を大きく減少させうる。 さらに、手渡され、保管され、追跡され、出荷される装置の数が、このような実施形態の使用を通して減少されうる。
【0024】
図1では、サンプル採取装置(本明細書ではカード組立品とも呼ばれる)100の少なくとも一つの実施形態の上面が示されている。 上部フェーシング110は、カードの周辺近くの円径上に等間隔を置いて、採取媒体130を露出させるフェーシング穴120を含む。 フェーシング穴120は、採取媒体130上のサンプルスポット135の位置およびサイズを画定しうる。 採取媒体が上面および下面の同じ位置で露出されるように、下部フェーシング180(非表示)は、上部フェーシングの穴と整列する穴を持つ。 ホームポジション140は、血液スポット位置から等間隔を置いた同じ円径上の一つの位置にある。 ホームポジション140では、採取媒体はなく、上部フェーシング110、採取媒体130、および下部フェーシング180を通して穴が開いている。 この穴のサイズは、サンプルスポット位置より大きいことがある。 少なくとも一つ実施形態の穴150は、ディスクの中心に位置し、上部フェーシング110、採取媒体130、および下部フェーシング180を貫通する。 穴160は、カード組立品全体のための整列穴であり、カードのすべての層を貫通する。 カードが2つの半分に切られた場合、カードの半分の整列のために4つ以上の穴170が使用される。 これらの穴はカードのすべての層を貫通する。
【0025】
図2は、上部フェーシング110、採取媒体130、および下部フェーシング180のサンドイッチを図解した、カード組立品100の実施形態の縁の拡大側面図を示す。
図3は、カード組立品100の実施形態の分解図を示す。 上部フェーシング110および下部フェーシング180は、(
図1に示されるように)すべての穴120、140、150、160および170を含む。 採取媒体130も、穴140、150、160および170を含みうる。 少なくとも一つの模範的実施形態のフェーシング110は、フェーシング110の片側の全面115をカバーする接着剤を持ち、これは採取媒体130に接触して接着する。 フェーシング180も、採取媒体に接触して接着する、片側185の全面をカバーする接着剤を持ちうる。 模範的実施形態によると、接着剤付きラベル190は、治験を識別する図形および場所番号など、少なくとも一つの識別要素をさらに備えることができ、ラベル190は上部フェーシング110に接触・接着する。 ラベル190は穴150.160および170も含む。
【0026】
図4は、カード組立品200の実施形態の上面図であり、要素210、220、230、240、250、260、および270は、
図1の要素110、120、130、140、150、160、170にそれぞれ対応する。 模範的カード組立品200は、少なくとも一つの実施形態では下部フェーシング280も備えうる。 カード組立品200の実施形態は、組立品を一緒に取り付けるために、機械的ファスナー289などの機械的機構を使用しうる。 模範的実施形態では、機械的ファスナー289は、外周の近くおよびカードの中心に沿って延長するノッチ295の両側に位置する。 上部フェーシング210のノッチ295は、整列穴260および250を貫通し、カードの幅全体に延長する。
【0027】
整合ノッチ297は、下部フェーシング280(非表示)上に位置する。
図5は、フェーシングよりも直径の小さい紙230を取り囲む上部フェーシング210および下部フェーシング280を図解する、ラインA-Aに沿った
図4の断面図を示す。 ノッチ295および297は、互いに整列しており、はさみなどの一般的な切削工具を使用して、カードを等しく半分2つに切ることを可能にする。
【0028】
図6は、模範的カード組立品200の外縁の拡大部分断面図である。 下部フェーシング280のオスファスナー285は、上部フェーシングの穴215を貫通し、上部および下部フェーシングを一緒にロックするように変形され、採取媒体230をはさみ、間の採取媒体の外縁232を取り囲む。
【0029】
図7は、模範的カード組立品200の外縁の拡大部分断面図である。
図6で示されたものと類似の方法で、上部フェーシング210のメスファスナー287は、下部フェーシングの穴217を貫通し、上部および下部フェーシングを一緒にロックするように変形され、採取媒体をはさみ、間の紙の外縁を取り囲む。
【0030】
図8Aは、カード組立品200の実施形態の分解図である。 接着剤付きラベル290は、上部フェーシング210の上部に付着する。 模範的上部フェーシングは、スポットの場所および整列のための穴に加えて、機械的取り付けのためのピン285および穴215を持つ。 採取媒体は、整列穴250、260、270、ホームポジション穴240および穴235を含み、中心向きのピンが貫通することを可能にする。 少なくとも一つの模範的下部フェーシング280も、上部フェーシング210に穴がある場所にピンを含み、上部フェーシング210がピンを持つ場所に穴を持ち、カード組立品の要素の整列および/または
連結を提供する。
【0031】
本開示の少なくとも一つの実施形態では、オスファスナー285および/または287は、
連結部材またはフェーシング
連結部材と呼ばれることがあり、穴215および/または217は
連結空間またはフェーシング
連結空間と呼ばれうる。
【0032】
本開示の少なくとも一つの実施形態は、生体サンプルの保管装置100に関連し、保管装置100は、生体サンプルと、生体サンプルに実質的に不浸透性の保護フェーシング110および/または180を結合できる採取媒体130を備え、保護フェーシング110および/または180は採取媒体130の少なくとも一つの面に
連結する。保護フェーシング110および/または180も、それを通る生体サンプルの流れに対して十分な少なくとも一つのサンプル空間を画定するようにサイズ調節・成形されうる。さらに、保護フェーシング110および/または180および採取媒体130も、サンプル採取装置によって係合されうる少なくとも一つの整列空間160を画定するようにサイズ調節・成形されうる。
【0033】
装置100は、試験被験者からの一連の血液サンプルの採取のための自動サンプリング機器と共に使用しうる。 本開示の装置の少なくとも一つの実施形態は、本明細書ではカード組立品と呼ばれることがある。
【0034】
保管装置100の模範的実施形態では、採取媒体130は、
図1に示されるようなディスク形状で、中央穴150および整列ピンを受け入れるための整列穴160を持ちうる。 ホームポジションに対する紙の追加的穴140を提供することもできる。 採取媒体130は、綿繊維、または生体サンプルを吸収または含有することのできる合成繊維などの任意の適切な材料から成りうる。 さらに、採取媒体130は、Alhstrom 226 (Ahlstrom Filtration LLC)またはGE Medical FTA DMPK C (GE Healthcare)で見られるような、乾燥血液スポットを一貫した方法で採取するのに適した一貫したマトリックス構造を持ちうる。 さらに、採取媒体130は、疾病対策センターによって承認された任意のスポット採取紙から成りうる。
【0035】
採取媒体130の実施形態のディスクまたは円形形状は、回転ベースの採取機器を使用する血液スポット135の自動採取に適切でありうる。 またディスク構成は、すべてのスポットを紙の縁の近くに位置付けて、多数の血液スポットを単一のカード上に採取することを可能にしうる。 例えば、保管装置100または200の少なくとも一つの実施形態では、採取媒体130/230は、血液などの液体サンプルを結合するための、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも4個」、少なくとも8個、少なくとも12個、少なくとも16個、少なくとも24個、少なくとも32個、少なくとも62個の結合部位を持つ。 サンプルスポット135の数および位置により、カード組立品を、より小さな血液スポットカードのために開発された半自動穴開け機(BSD 600 Duet (BSD Robotics)など)と共に使用することが可能になりうる。
【0036】
採取媒体130は、採取媒体130と同じディスク形状の、剛体または半剛体の保護フェーシング110および/または180で上部および/または下部の両方ともカバーされうる。 保護フェーシング110および/または180は、採取媒体130をはさむことができ、機械的機構(要素285または289など)によって一緒に結合または一緒に付着されうる、3部構成サンプル採取カード100を形成する。 一つの模範的実施形態では、保護フェーシング110および/または180は、中央穴150および、採取媒体130の穴140と整列できる少なくとも一つの整列穴160を持つ。 保護フェーシング110および/または180は、そこを通る生体サンプルの流れに実質的に不浸透性の材料から成りうる。 少なくとも一つの実施形態では、保護フェーシング110および/または180材料は、ポリマーから成る。
【0037】
少なくとも一つの実施形態では、保護フェーシング110および/または180は一連のフェーシング穴120を備えうる。 これらの穴は、ディスクの周辺の近くに等間隔を置いた円形穴でありうる。 さらに、上部保護フェーシング110のディスクの周辺近くのフェーシング穴120は、下部保護フェーシング180の周辺近くの穴120と整列する。 これらのフェーシング穴120は、これらの位置にある採取媒体130の上面および底面のサンプルスポット135を露出させうる。 血液スポットなどの生体サンプルは、採取媒体130位置のこれらの露出サンプルスポット135に沈着される。 フェーシング材料の少なくとも一つの目的は、カード100の通常の取り扱いの間の汚染から採取媒体130およびサンプルスポット135を保護することでありうる。 フェーシング110および/または180は、曲げ、縁の接触損傷、または折れによる損傷から保護するために、カード100に剛性も提供しうる。 血液スポット紙のこれらの歪みは、自動取り扱い機器の後の採取を困難にしうる。 また保護フェーシング110および/または180は、自動血液採取機器800の分配針807の下の固定距離で、採取媒体130をしっかりと支持しうる。
【0038】
サンプル装置100の実施形態では、サンプル100の外周に沿っでサンプルスポット135の間隔を置くことは、血液スポットが正確かつ確実に処理されることを確かにするように、サンプル自動化およびカード組立品登録を促進しうる。 バックアップ血液スポットを分析されるものから物理的に分離する対策は、複製スポットをカードの反対側に置き、採取後にカードを2つ半分に分離することによって提供されうる。 紙の両側の硬いフェーシング110および/または180は、採取媒体130およびサンプルスポット135を汚染から保護する可能性があり、採取後の自動取り扱いおよび処理のために剛性を提供する。
【0039】
少なくとも一つの実施形態によると、保管装置100は、少なくとも2個、少なくとも4個、少なくとも8個、少なくとも12個、少なくとも16個、少なくとも18個、少なくとも20個、少なくとも22個、少なくとも24個、少なくとも26個、少なくとも28個、少なくとも30個、少なくとも32個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、または少なくとも64個のサンプルスポットを備えうる。 保管装置100の模範的実施形態は、サンプルスポット135の数と少なくとも同じ数のフェーシング穴120を備えうる。
【0040】
本開示の保管装置100または200の少なくとも一つの実施形態では、保管装置は、ノッチ、溝、ミシン目または、はさみなどの一般的切削工具で、または力を加えることによって一つの方向に沿って半分に等しくそれを切る、割る、または裂くことができる他の対策などの、分離要素295または297を持ちうる。
【0041】
模範的実施形態の保管装置100または200は、接着剤付きラベルなどのラベル290をさらに備えることがあり、これは組立品カード100または200上のものに一致する整列穴160または260を持ち、サンプルスポット135または236の位置に対して識別を提供する。 ラベル290は、ユーザーによって指定されるものなど、追加的情報のためのスペースも提供しうる。 少なくとも一つの実施形態では、ラベル290は、カードがどこで半分に切られるかの目安295を提供する。 また、ラベル290は、複製サンプルがカードの反対側の半分上に等しく分けられたか、または第二の一連の血液スポットがカードの第二の半分上に採取されたかどうかを示す手段を提供しうる。 さらに、
図8Aに示されるように、保管装置100または200の模範的実施形態は、採取媒体130または230上に、ラベル290上の目安295と実質的に同一位置に分離部材297および保護フェーシング110/180または210/280も持ちうる。 さらに、採取媒体130/230および保護フェーシング110/180および/または210/280が分離部材297を持つ、保管装置100または200の実施形態では、目安295は、297のものと実質的に同じ特性を持つ。 例えば、分離部材297は、ミシン目または、力が行使された時に保管装置100または200を少なくとも2つの所定部分に分離することを可能にする他の物理的脆弱性でありうる。 このような分離は、ホームポジション140/240を通して、また一部の実施形態では整列穴150/250を通して起こりうる。
少なくとも一つの実施形態では、カード組立品100または200は、採取媒体が存在しない一つ以上のスポット位置を持ちうる。 カード組立品全体を貫通するこれらの穴140の少なくとも一つは、血液サンプルが採取されない時に採取機器の針が存在する「ホーム」ポジションとして使用される。
【0042】
体液の採取および保管のためのシステムは、被験者から生体液を採取する働きをするサンプリング構成要素を備えることができ、カード組立品の実施形態の少なくとも一つの表面上にサンプルを沈着させる。 さらに、体液の採取および保管のためのシステムは、カード組立品上に保管された体液サンプルの少なくとも一つを分析する働きをする分析構成要素をさらに備えうる。
【0043】
図8Bを見ると、生体サンプルの保管のためのシステム800の実施形態の平面図が示されている。 模範的システム800は、被験者から生体サンプルを採取することができる採取装置802および採取装置802から生体サンプルを受け入れることができる保管装置804の実施形態を含み、保管装置804は採取媒体130および分取装置806の実施形態を含む。 模範的分取装置806は、流体サンプルを採取材料130/230に分配できる分取針807と流体連通しうる。 さらに、保管装置804および/または採取装置802は、一つ以上のプロセッサおよびデータベース810を備えうる制御装置808と直接、またはネットワークを通して通信していることがあり、またさらに一つ以上のプロセッサ812と通信しうる。
【0044】
生体サンプルの保管のための方法900の少なくとも一つの実施形態が、
図9に図解されている。 方法900の模範的実施形態では、方法は、本開示の模範的カード組立品100/200を、被験者から生体サンプルを採取することができる生体サンプル採取装置に
連結するステップ(模範的結合ステップ902)、本開示の保管装置(カード組立品100/200など)の実施形態の採取媒体に生体サンプルを導入するステップ(模範的導入ステップ904)、および随意に保管装置上で液体サンプル906を乾燥するステップ(模範的乾燥ステップ906)を備える。
【0045】
本開示の方法900の少なくとも一つの実施形態では、新しいスポットが同じカード上に採取される間、血液スポットを乾燥できる。 模範的カード100または200は、採取機器804上に維持されるので、血液サンプルを乾燥するための追加的スペースは必要なく、本開示の少なくともこの実施形態の乾燥プロセス中は、環境条件の変化にも遭遇しない。 さらに、導入ステップ902の少なくとも一つの実施形態では、液体サンプルの複製アリコートを、同じ採取媒体上に置くことができる。 少なくとも一つの追加的実施形態では、複製スポットは、分離要素295または297で分離されるならば、採取媒体の反対側、または別の採取媒体上にありうる。
【0046】
本開示のさまざまなシステム800は、
図10に示される機能の一つ以上を持つコンピュータネットワーク上で作動しうる。
図10に示される模範的システムフレームワーク1000に示されるように、一つ以上のユーザーコンピュータ1002は、動作可能なようにシステムサーバ1004に接続されうる。 ユーザーコンピュータ1002は、パソコン、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、ノートパソコン、ラップトップコンピュータ、携帯型コンピュータ、無線携帯電話、パーソナルデジタルアシスタントデバイスなど、コンピュータ、計算装置、または当技術分野で知られているタイプのシステムでありうる。
【0047】
一つ以上の管理者コンピュータ1006も、インターネットなどのネットワーク1008を通し他物を含むシステムサーバ1004に動作可能に接続されうる。 管理者コンピュータ1006は、パソコン、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、ノートパソコン、ラップトップコンピュータ、携帯型コンピュータ、無線携帯電話、パーソナルデジタルアシスタントデバイスなど、コンピュータ、計算装置、または当技術分野で知られているタイプのシステムでありうる。 さらに、ユーザーコンピュータおよび管理者コンピュータは、例えば、一つ以上のマイクロプロセッサ、メモリ、入力/出力装置、装置制御装置など、当業者であれば思いつくであろうソフトウェア(オペレーションおよびアプリケーション)、ハードウェア、および構成部品をそれぞれ含みうる。 ユーザーコンピュータおよび管理者コンピュータは、例えば、キーボード、キーパッド、ポインティング・デバイス、マウス、タッチパッド、タッチスクリーン、マイク、および/または当技術分野で知られる他のデータ入力手段など、クライアントコンピュータおよび/または管理者コンピュータによって操作可能な一つ以上のデータ入力手段(
図10には非表示)も備えうる。 ユーザーコンピュータおよび管理コンピュータは、一つ以上のスピーカーおよび/または音声認識可能出力を発するために当技術分野で知られている手段などの音声表示手段(
図10では非表示)も備えうる。 本開示の一つ以上のシステムの特定の実施におけるユー ザーコンピュータおよび管理者コンピュータの構成は、実行者の裁量に任される。
【0048】
システムサーバ1004は、一つ以上のサーバコンピュータ、計算装置、または当技術分野で知られているタイプのシステムを備えうる。 システムサーバ1004はサーバメモリを備えうる。 システムサーバ1004は、ランダムアクセスメモリなど、固体電子メモリの一つ以上の構成要素を備えうる。 システムサーバ1004は、一つ以上のハードディスクドライブおよび/または一つ以上のフロッピーディスクドライブまたは磁気テープドライブなどの電磁メモリも備えることができ、シーディーロム(CD-ROM)ドライブなどの光メモリを備えうる。 システムサーバ1004は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、入力/出力装置、装置制御装置、ビデオ表示手段など、当業者であれば思いつくであろうソフトウェア(オペレーションおよびアプリケーション)、ハードウェア、および構成部品をさらに含みうる。
【0049】
システムサーバ1004は、システムサーバ1004に割り当てられた機能を実行するように構成およびプログラムされた、一つ以上のホストサーバ、計算装置、または計算システムを備えうる。 システムサーバ1004は、個人または企業体でありうる「システムオペレーター」によって操作される、またはその制御下にありうる。 明確化のために、システムサーバ1004が
図10に示されており、本明細書では単一サーバとして言及される。 しかしシステムサーバ1004は単一サーバである必要はない。 システムサーバ1004は、本開示のさまざまなシステムに割り当てられた機能を共同で実行する働きをするハードウェアおよびソフトウェアによって接続された、複数のサーバまたは他の計算装置またはシステムを備えうる。 特に、システムサーバ1004は、本開示によるシステムサーバに割り当てられた機能を実行するように構成・プログラムされたウェブサーバとしての働きをしうる。 さらに、ユーザーコンピュータ1002および管理者コンピュータ1006は、システムサーバ1004に直接接続されうるが、これらのコンピュータは、ネットワーク1008などの任意の適切なネットワークを通してシステムサーバ1004に接続されうる。 さらに、一つの実施形態では、ユーザーはシステムサーバ1004へのアクセスを提供される必要がないが、代わりにユーザーからのコンテンツ掲載はユーザーによって行なわれ、一つ以上の特定の場所に保存され、掲載は管理者またはシステムによって自動的にアクセスまたは取得される。
【0050】
システムサーバ1004は、本開示の実施形態ではインターネット、グローバルコンピュータネットワークを含むネットワーク1008によって、さまざまなユーザーコンピュータ1002および/または管理者コンピュータ1006に動作可能なように接続されうる。 しかし、ネットワーク1008はインターネットを含む必要はない。 ネットワーク1008は、システムサーバ1004およびユーザーコンピュータ1002および/または管理者コンピュータ1006を電子的に相互接続するための任意の手段を備えうる。 従って、当業者であれば理解できるように、ネットワーク1008は、インターネット、商業電話ネットワーク、一つ以上のローカルエリアネットワーク、一つ以上の広域ネットワーク、一つ以上の無線通信ネットワーク、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイスト・ペア・ケーブル、前述のいずれかの相当物、または前述のいずれか2つ以上の組み合わせを含みうる。 システムサーバ1004およびユーザーコンピュータ1002および/または管理者コンピュータ1006が、本開示によるシステムサーバ1004およびユーザーコンピュータ1002および/または管理者コンピュータ1006の両方に委託された機能を実行する働きをする単一計算装置を備える実施形態では、ネットワーク1008は、単一計算装置内でシステムサーバ1004およびユーザーコンピュータ1002および/または管理者コンピュータ1006を相互接続するハードウェアおよびソフトウェア手段を備える。 ネットワーク1008は、インターネットなどのパケット交換設備、公衆交換電話網などの回路交換設備、無線網などの無線ベース設備を備えうる。
【0051】
本開示のさまざまなシステム、方法、スキーム、オントロジー、および構造は、本明細書で引用されたさまざまな実施形態で参照されたように、生体サンプル分析分野以外の目的のために使用されうる。 例えば、生体サンプルの採取および保管のためのシステムは、システムの全体的結果を改善するためにフィードバックがシステム構成部品に返される、さまざまな経験が利用され処理される任意の数の領域での使用に適した構成要素および関係を含みうる。 さらに、本明細書に記述のさまざまな構成要素は、名前(またはその一部)を共有することがあるが、重複した参照番号を持ち、そのためさまざまな構成要素に対する説明は互いを考慮して読むべきである。
【0052】
さらに、本開示のさまざまなシステムに関して、このようなシステムは、このようなシステムのユーザーが望むように、視覚的、電子的(ビデオ、音声、データベース、記録など)、および/または印刷レポート、出力、結果などを生成する働きをしうる。 このような模範的出力は、任意の数の目的のために使用でき、このようなシステム内に含まれる、およびこれから生成される結果、データおよび/または知識を「報告する」ために一般的に有用でありうる。 さらに、本出願の開示は、それと関連してさまざまなタスクを実行するためのさまざまな方法、システム、構造などの使用をさらに包含する。
【0053】
生体サンプルの採取および保管のためのシステムのさまざまな実施形態、およびこれらの使用方法をかなり詳細に本明細書で記載してきたが、実施形態は本明細書に記載の開示の単なる非限定的例として提供されているに過ぎない。 従って当然ながら、本開示の範囲を逸脱することなく、さまざまな変更および修正を加え、その要素を同等品で置き換え得る。 本開示は、本開示はすべてを網羅することも本開示の範囲を限定することも意図していない。
【0054】
さらに、代表的実施形態の説明において、本開示は方法および/またはプロセスをステップの特定の順序として示されている場合がある。 しかし、方法またはプロセスが本書に説明されたステップの特定の順序に依存しない範囲では、方法またはプロセスは記載されたステップの特定の順序に限定されないはずである。 ステップの他の順序も可能であり得る。 従って、本書に開示されたステップの特定の順序は、本開示の限定として解釈されるべきではない。 さらに、方法および/またはプロセスを対象にした開示は、記載された順序でのステップの実施に限定されるべきではない。 このような順序は異なる場合があるが、それでもなお本開示の範囲内に含まれる。