特許第5885829号(P5885829)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5885829ストリング配線装置および配線方法ならびに太陽電池モジュール製造装置および製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5885829
(24)【登録日】2016年2月19日
(45)【発行日】2016年3月16日
(54)【発明の名称】ストリング配線装置および配線方法ならびに太陽電池モジュール製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20160303BHJP
【FI】
   H01L31/04 570
【請求項の数】10
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-501872(P2014-501872)
(86)(22)【出願日】2012年2月28日
(86)【国際出願番号】JP2012054922
(87)【国際公開番号】WO2013128568
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2014年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】児玉 誠吾
(72)【発明者】
【氏名】岩城 範明
(72)【発明者】
【氏名】平田 周一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅登
【審査官】 清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−338633(JP,A)
【文献】 特開2005−191319(JP,A)
【文献】 特開2005−236235(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/072500(WO,A1)
【文献】 特開2001−267614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20、
51/42−51/48
H02S 10/00−10/40、30/00−50/15、99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣合う太陽電池セルのそれぞれに形成された電極を導電部材を介して電気的に接続するストリング配線装置であって、
受光面を上向きにして載置された前記太陽電池セルと、前記導電部材とを互いに接合する第1の接合ユニットと、
受光面を下向きにして載置された前記太陽電池セルと、前記導電部材とを互いに接合する第2の接合ユニットと、
前記第1および第2の接合ユニットによって前記導電部材が接合された前記太陽電池セルをそれぞれX方向に搬送する第1および第2のセル搬送ユニットと、
該第1および第2のセル搬送ユニットのいずれか一方によって搬送された所要個数の前記太陽電池セルを移載する移載装置と、
前記第1および第2のセル搬送ユニットのいずれか他方によって搬送された所要個数の前記太陽電池セルを前記X方向と平行な軸線の回りに反転して移載する反転移載装置と、
を備えたストリング配線装置。
【請求項2】
請求項1において、前記第1および第2のセル搬送ユニットには、第1および第2のセル置台がそれぞれ並設され、前記第1のセル搬送ユニットによって搬送された所要個数の前記太陽電池セルを前記移載装置によって反転させずに前記第1のセル置台に移載するとともに、前記第2のセル搬送ユニットによって搬送された所要個数の前記太陽電池セルを前記反転移載装置によって反転した状態で前記第2のセル置台に移載するように構成されたストリング配線装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記導電部材は、隣合う太陽電池セルに跨る長さを有し、前記導電部材の一端が、隣合う太陽電池セルの一方のプラス側電極またはマイナス側電極に接合され、前記導電部材の他端が、隣合う太陽電池セルの他方のマイナス側電極またはプラス側電極に接合されるようになっているストリング配線装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記第1および第2の接合ユニットは、前記導電部材と前記太陽電池セルを、ホットプレートによって熱を加えながら圧着することにより接合するようになっているストリング配線装置。
【請求項5】
請求項4において、前記導電部材は前記太陽電池セルにフラックスを介して接合されるようになっているストリング配線装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5において、前記第1および第2のセル搬送ユニットは、前記第1および第2の接合ユニットの前記各ホットプレートによって前記導電部材が接合された前記太陽電池セルを、徐冷する徐冷手段を前記X方向に沿って備えてなるストリング配線装置。
【請求項7】
隣合う太陽電池セルのそれぞれに形成された電極を導電部材を介して電気的に接続するストリング配線方法であって、
受光面を上向きにして載置された前記太陽電池セルおよび受光面を下向きにして載置された前記太陽電池セルと、前記導電部材とをそれぞれ互いに接合し、
受光面を上向きにした前記太陽電池セルと受光面を下向きにした前記太陽電池セルのいずれか一方を反転し、両者をストリング配線することを特徴とするストリング配線方法。
【請求項8】
請求項2に記載のストリング配線装置を備え、前記第1のセル置台に移載された前記太陽電池セルと、前記第2のセル置台に移載された前記太陽電池セルを、前記太陽電池セルを装着するためのカバーガラス上に、前記X方向に対して直交するY方向に交互に配列するレイアップ装置を有してなる太陽電池モジュール製造装置。
【請求項9】
請求項8において、前記カバーガラス上に前記Y方向に交互に配列された隣合う前記太陽電池セルの各両端の前記導電部材同士を、別の導電部材によって電気的に接続するマトリックス配線装置を備えてなる太陽電池モジュール製造装置。
【請求項10】
受光面を上向きにして供給された太陽電池セルと導電部材とを互いに接合し、受光面を下向きにして供給された前記太陽電池セルと導電部材とを互いに接合し、前記導電部材が接合された受光面を上向きにした前記太陽電池セルと受光面を下向きにした前記太陽電池セルとを別々の搬送経路上に搬送し、
一方の前記搬送経路に搬送された前記太陽電池セルは反転させずに、他方の前記搬送経路に搬送された前記太陽電池セルは反転させた状態で、カバーガラス上に搬送方向に対して直交する方向に交互に配列することを特徴とする太陽電池モジュール製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣合う太陽電池セルを導電部材を介して電気的に接続するストリング配線装置および配線方法、ならびにストリング配線装置を備えた太陽電池モジュール製造装置および製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、受光面を形成した面にマイナス側電極を有し、その裏面にプラス側電極を有する太陽電池セルを縦横に複数配列した太陽電池モジュール(太陽電池パネル)においては、複数の太陽電池セルをストリング配線するために、インターコネクタが用いられている。すなわち、インターコネクタによって、1つの太陽電池セルの電極と隣接する他の太陽電池セルの電極とを互いに接続して、ストリング配線するようになっている。この種の太陽電池モジュールとして、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載のものは、1本のインターコネクタで、隣合う太陽電池セルの各電極を電気的に接続するものである。このために、特許文献1に記載のものにおいては、図4および図5(実施例1)に示されているように、太陽電池セルCの上面にインターコネクタ2を接続した後、太陽電池セルCをセル回転軸14を中心にして180度反転させ、インターコネクタ2を太陽電池セルCの下側に位置させるようにしている。その状態で、加熱した金属8を押し当てて、隣合う太陽電池セルCの各電極をインターコネクタ2を介して電気的に接続するようにしている。
【0004】
また、特許文献1に記載のものにおいては、図10および図11(実施例2)あるいは図13および図14(実施例3)に示されているように、太陽電池セルCの受光面を上向き、あるいは下向きにした状態で、太陽電池セルCを反転させずに、加熱した金属8を下側から押し当てることにより、隣合う太陽電池セルCの各電極をインターコネクタ2を介して電気的に接続するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−298095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1に記載のものにおいては、インターコネクタ2を接続した太陽電池セルCを1枚ずつ反転させながら、あるいは加熱した金属8を下側から押し当てることにより、ストリング配線するものであるので、ストリング配線するための製造設備が複雑となる問題がある。
【0007】
しかも、ストリング配線された所要数の太陽電池セルを複数列並べて太陽電池モジュールを製造するためには、ストリング配線された所要数の太陽電池セルの配線構造を異ならせたものを2種類作成し、これらをマトリックス配線させる必要があるが、特許文献1に記載の製造方法においては、製造設備がより複雑となり、太陽電池モジュールを効率的に製造することができない問題がある。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためになされたもので、太陽電池モジュールを簡単な構成で効率的に製造するに適したストリング配線装置および配線方法ならびに太陽電池モジュール製造装置および製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、隣合う太陽電池セルのそれぞれに形成された電極を導電部材を介して電気的に接続するストリング配線装置であって、受光面を上向きにして供給された前記太陽電池セルと、前記導電部材とを互いに接合する第1の接合ユニットと、受光面を下向きにして供給された前記太陽電池セルと、前記導電部材とを互いに接合する第2の接合ユニットと、前記第1および第2の接合ユニットによって前記導電部材が接合された前記太陽電池セルをそれぞれX方向に搬送する第1および第2のセル搬送ユニットと、該第1および第2のセル搬送ユニットのいずれか一方によって搬送された所要個数の前記太陽電池セルを移載する移載装置と、前記第1および第2のセル搬送ユニットのいずれか他方によって搬送された所要個数の前記太陽電池セルを前記X方向と平行な軸線の回りに反転して移載する反転移載装置とを備えている。
【0010】
かかる構成によれば、受光面の向きを変えて供給された太陽電池セルに導電部材を接合する簡単な構成によって、導電部材の配線構造が異なるストリング配線された2種類の太陽電池セルを容易に製造でき、太陽電池モジュールを効率的に製造可能なストリング配線装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】太陽電池モジュールを示す概略平面図である。
図2図1の2−2線に沿って切断した断面図である。
図3図1の3−3線に沿って切断した断面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る太陽電池モジュール製造装置の全体を示す平面図である。
図5】ストリング配線装置のコネクタ供給ユニットを示す概略側面図である。
図6】インターコネクタを所定長さに切断して引き出す説明図である。
図7】ストリング配線装置のセル供給ユニットを示す概略平面図である。
図8】セル供給ユニットにおける太陽電池セルの供給手順を示す説明図ある。
図9】フラックスが塗布された太陽電池セルの平面図である。
図10】セル供給ユニットのキャリーヘッドを示す概略平面図である。
図11】ストリング配線装置の接合ユニットを示す平面図である。
図12】接合ユニットの上部ホットプレートに設けた押さえ部材を示す図である。
図13】インターコネクタと太陽電池セルを接合ユニットにおいて重合させた状態を示す図である。
図14】ストリング配線装置のセル搬送ユニットの搬送部材を示す図である。
図15】セル搬送ユニットの徐冷ステーションを示す概略平面図である。
図16】セル搬送ユニットを示す図4の矢印16方向から見た図である。
図17図16の矢印17方向から見た図である。
図18】マトリックス配線装置を示す斜視図である。
図19】マトリックス配線状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明の実施の形態に係る太陽電池セルのストリング配線装置および太陽電池モジュール製造装置について説明する。
【0013】
図1は太陽電池モジュール(太陽電池パネル)10の一例を示す概要図で、当該太陽電池モジュール10は、XY平面に配列され、直列に電気的接続された複数(X方向にXm個、X方向に対して直交するY方向にYn列)の太陽電池セル11から構成されている。図1においては、理解しやすいように、Xmを4個、Ynを4列とした合計16個の太陽電池セル11によって、太陽電池モジュール10を構成した例で示している。
【0014】
X方向に隣接する太陽電池セル11は、導電部材としてのインターコネクタ12を介して電気的に接続されている。インターコネクタ12は、X方向に隣合う2つの太陽電池セル11に跨る長さを有した直線状をなすもので、図2および図3に示すように、その長手方向の右端(前半部)が、太陽電池セル11の下面(受光面)に形成されたマイナス側電極、あるいは上面(裏面)に形成されたプラス側電極に接合され、長手方向の左端(後半部)が、太陽電池セル11の上面に形成されたプラス側電極、あるいは下面に形成されたマイナス側電極に接合されている。
【0015】
X方向の両端に配列された太陽電池セル11には、2つの太陽電池セル11に跨る長さのインターコネクタ12より長さの短いインターコネクタ12aが、太陽電池セル11の下面(マイナス側電極)もしくは上面(プラス側電極)に接合されている。これら長さの短いインターコネクタ12aの各一端は、太陽電池セル11の両端より僅かに突出されている。
【0016】
これによって、X方向に配列された所要個数Xmの太陽電池セル11が電気的に直列接続され、ストリング配線された太陽電池セル群110A、110Bが構成される。そして、当該太陽電池セル群110A、110BがY方向に所要列数Yn配列され、長さの短いインターコネクタ12a同士がマトリックス配線されることにより、太陽電池モジュール10が構成される。
【0017】
この際、図1の上から奇数列目の太陽電池セル群110Aは、長さの短いインターコネクタ12aの各一端が、図2に示すように、左右端の太陽電池セル11の上面および下面より僅かに突出されているのに対し、図1の上から偶数列目の太陽電池セル群110Bは、長さの短いインターコネクタ12aの各一端が、図3に示すように、左右端の太陽電池セル11の下面および上面より僅かに突出されている。
【0018】
このように、太陽電池モジュール10は、インターコネクタ12の接合構造を異にした2種類の太陽電池セル群110A、110B(以下、第1の太陽電池セル群110A、第2の太陽電池セル群110Bという)からなり、これら第1および第2の太陽電池セル群110A、110BがY方向に交互に配置されて構成される。
【0019】
そして、奇数列目の第1の太陽電池セル群110Aの両端部より突出されたインターコネクタ12aの各一端と、偶数列目の第2の太陽電池セル群110Bの両端部より突出されたインターコネクタ12aの各一端が、導電部材としてのバスメタル14よって図1に示すように互いに接合されることにより、太陽電池モジュール10を構成するすべての太陽電池セル11が直列に接続される。
【0020】
なお、一般に太陽電池モジュール10は、受光面(マイナス側電極)に透明な強化ガラスからなるカバーガラスが配置され、裏面(プラス側電極)に耐候性に優れたバックシートが配置され、これらカバーガラスとバックシートとの間に、複数の太陽電池セル11がEVA等の樹脂で封止されて完成品とされるが、以下に述べる実施の形態においては、説明の便宜上、カバーガラス上に配列されたXm×Yn個の太陽電池セル11を、太陽電池モジュール10と称する。
【0021】
次に、上記した構成の太陽電池モジュール10を製造する製造装置の具体的な構成について説明する。当該製造装置は、図4に示すように、X方向に沿って配設されたストリング配線装置(ストリング配線工程)21と、レイアップ装置(レイアップ工程)22と、マトリックス配線装置(マトリックス配線工程)23を備えている。レイアップ装置22とマトリックス配線装置23は搬送コンベア25によって連接され、マトリックス配線装置23によってマトリックス配線された太陽電池モジュール10は、搬出コンベア26によって次工程に搬送される。
【0022】
ストリング配線装置21は、第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bをストリング配線するために、インターコネクタ12を供給する2組のコネクタ供給ユニット(導電部材供給ユニット)31A、31Bと、太陽電池セル11を供給する2組のセル供給ユニット32A、32Bと、太陽電池セル11にインターコネクタ12を接合する2組の接合ユニット33A、33Bと、インターコネクタ12を接合した太陽電池セル11を搬送する2列のセル搬送ユニット34A、34Bによって、主として構成され、これら2組(2列)のユニットはそれぞれ並設されている。
【0023】
これら、コネクタ供給ユニット31A、31B、セル供給ユニット32A、32B、接合ユニット33A、33B、セル搬送ユニット34A、34Bは、共通の基台35上に配設されている。以下においては、第1の太陽電池セル群110Aを製造する各ユニットを第1のユニットと称し、第2の太陽電池セル群110Bを製造する各ユニットを第2のユニットと称して区別することにする。
【0024】
第1のコネクタ供給ユニット31Aは、図5に示すように、インターコネクタ12を巻付けたY方向に離間した複数列(実施の形態においては、2列)のボビン41と、ボビン41に巻かれたインターコネクタ12の各一端をクランプしてX方向に引き出す引き出し手段42と、引き出し手段42によって所定位置に引き出されたインターコネクタ12を所定長さに切断する上下移動可能なカッター43を備えている。
【0025】
引き出し手段42は、X方向に沿って形成されたガイドレール44に移動可能に支持された移動台45を有しており、移動台45はモータ46によって回転駆動される第1のボールねじ軸47の回転によって、ガイドレール44に沿ってX方向に所定量移動されるようになっている。
【0026】
移動台45には、第2のボールねじ軸48が第1のボールねじ軸47と平行な軸線の回りに回転可能に支持され、第2のボールねじ軸48は、移動台45に設置されたモータ49によって回転駆動されるようになっている。また、移動台45には、インターコネクタ12をガイドするための移動ガイド50が固定されている。
【0027】
引き出し手段42には、ボビン41より引き出されたインターコネクタ12をクランプする第1および第2のクランパ51、52が設けられ、第1および第2のクランパ51、52は、図略のアクチュエータの作動によってインターコネクタ12をクランプ、アンクランプできるようになっている。第1のクランパ51は、カッター43より下流側の位置に配置され、第2のクランパ52は、カッター43の上流側の位置に配置されている。
【0028】
第1のクランパ51は第2のボールねじ軸48にねじ係合され、インターコネクタ12の端部をクランプしてX方向に所定量移動できるようになっている。一方、第2のクランパ52は、図示しないシリンダによってX方向に一定量進退されるようになっており、インターコネクタ12を所定長さに切断する際に、切断されるインターコネクタ12の根元部分をクランプするようになっている。
【0029】
ボビン41より引き出されたインターコネクタ12は、複数のガイドローラ55にガイドされながら引き出される。複数のガイドローラ55の間の下方位置には、係合ローラ56が上下動可能な昇降部材57に軸支されており、この係合ローラ56にインターコネクタ12が掛け渡されてU字状に屈曲され、固定の第2のクランパ52に導かれるようになっている。
【0030】
係合ローラ56の下流側のガイドローラ(下流側ガイドローラ)55は、太陽電池セル11に接合する複数のインターコネクタ12に共通であり、その外表面には複数種類の太陽電池セル11におけるインターコネクタ12のY方向の接合位置に合わせた多数の溝が設けられている。これによって、ボビン41からインターコネクタ12が引き出される際に、ボビン41からの引き出し位置がY方向に移動しても、下流側ガイドローラに引き回された時点で必ずインターコネクタ12のY方向の接合間隔に合うことになる。さらに、予め複数種類の太陽電池セル11の各インターコネクタ12のY方向の接合間隔に合わせた溝が設けられているので、異なる太陽電池セル11への生産変更が容易となる。また、インターコネクタ12は下流側ガイドローラ55によって、ボビン41による巻癖の方向とは反対方向に鋭角に引き出されるようになっている。
【0031】
昇降部材57にはテンションシリンダ58のピストンロッド58aが連結され、テンションシリンダ58は昇降部材57を介してインターコネクタ12を、インターコネクタ12の破断力よりも小さな引張力で牽引するようになっている。テンションシリンダ58は、インターコネクタ12の種別(破断力)に応じて、引張力を変更可能となっている。
【0032】
第1のコネクタ供給ユニット31Aのボビン41より引き出されたインターコネクタ12を、所定長さに切断し、第1の接合ユニット33Aの下部ホットプレート81(図11参照)に載置された太陽電池セル11上に供給する手順を図6に示す。まず、図6(A)に示す原位置状態において、第2のモータ49によって第2のボールねじ軸47を所定量回転させることにより、インターコネクタ12の先端部をクランプした第1のクランパ51を、図6(B)に示すように、所定位置まで前進移動させ、インターコネクタ12を所定量引き出す。しかる後、カッター43を下降させてインターコネクタ12を所定長さに切断する。
【0033】
続いて、第1のモータ46による第1のボールねじ軸47の回転によって、移動台45を所定量移動させることにより、移動ガイド50とともに第1のクランパ51を、移動台45と一体的に移動させる(図6(C)参照)。これによって、第1のクランパ51が下部ホットプレート81上まで移動され、これにクランプされた所定長さのインターコネクタ12が、下部ホットプレート81に載置された太陽電池セル11上に供給される。
【0034】
同時に、第2のクランパ52をアンクランプさせて一定量後退させ、その後、第2のクランパ52によりインターコネクタ12をクランプした状態で、第2のクランパ52を一定前進させ、インターコネクタ12をカッター43の前方位置まで引き出す((図6(D)参照)。これとともに、第1のクランパ51がアンクランプされて、第1および第2のモータ46、49によって移動台45とともに、第1のクランパ51が原位置に復帰される(図6(A)参照)ことにより、インターコネクタ12が太陽電池セル11上に重合される。
【0035】
ところで、第1のクランパ51によってクランプしたインターコネクタ12を第2のモータ49によって引き出す際に、その移動加速度を適切に設定(例えば、1G)することにより、インターコネクタ12をテンションシリンダ58の引張力に抗して牽引することができる。これによって、ボビン41に巻かれて巻癖が付いたインターコネクタ12の巻癖を除去し、直線状に矯正できるようになる。この際、インターコネクタ12は、破断力よりも小さな引張力で牽引されているので、インターコネクタ12に作用する引張力が大きくなると、昇降部材57が上昇されるため、インターコネクタ12に過度の引張力を作用させることなく、巻癖の除去が可能となる。
【0036】
第2のコネクタ供給ユニット31Bも、上記した第1のコネクタ供給ユニット31Aと同様に構成されており、ボビン41より引き出されたインターコネクタ12を巻癖を除去しながら所定長さに切断し、第2の接合ユニット33Bの下部ホットプレート81(図11参照)に載置された太陽電池セル11上に供給するようになっている。
【0037】
第1のセル供給ユニット32Aは、太陽電池セル11を受光面を下向きにしてY方向に搬送し、第1の接合ユニット33Aに供給するものであり、第2のセル供給ユニット32Bは、太陽電池セル11を受光面を上向きにしてY方向に搬送し、第2の接合ユニット33Bに供給するものである。
【0038】
第1のセル供給ユニット32Aには、図7および図8に示すように、多数の太陽電池セル11を受光面を下向きにして積層したカセット61を供給するセル供給ステーション62と、カセット61に積層された最上位の太陽電池セル11を常に一定の高さ位置に保持するセルリフターステーション63と、太陽電池セル11の欠けや割れを検査するセル検査ステーション64と、太陽電池セル11の傾きを矯正する傾き矯正ステーション65と、太陽電池セル11を受け渡すセル受渡しステーション66が、Y方向に一定の間隔を有して配設されている。
【0039】
セル供給ステーション62に供給されたカセット61は、手動操作もしくは自動的にセルリフターステーション63のリフター63a上に送り込まれ、リフター63aによって、カセット61に積層された最上位の太陽電池セル11を常に一定の高さ位置に保持するようになっている。すなわち、図示しない高さ位置検出センサーによって最上位の太陽電池セル11の上面位置が検出され、積層された太陽電池セル11が順次供給されても、常に最上位の太陽電池セル11を一定の高さ位置に保持することができる。
【0040】
セル検査ステーション64には、供給された太陽電池セル11を上方より撮像する検査カメラ67が設置され、検査カメラ67で撮像した画像を処理することにより、太陽電池セル11の割れや欠け等の不良を検出できるようしている。
【0041】
傾き矯正ステーション65には、供給された太陽電池セル11を押圧部材68によって基準ブロック69に押付けることにより、太陽電池セル11の傾きが矯正される。また、傾き矯正ステーション65の下面には、検査カメラ67で不良と検出された太陽電池セル11を廃棄するために、開閉扉65aが設けられ、開閉扉65aの下方に廃棄ボックス70が設置されている。
【0042】
太陽電池セル11は、3つのセル移載ハンド71a、71b、71cによるピックアンドプレイス動作により、セルリフターステーション63からセル検査ステーション64に、セル検査ステーション64から傾き矯正ステーション65に、傾き矯正ステーション65からセル受渡しステーション66に順次同時搬送される。すなわち、セル移載ハンド71a、71b、71cが、セル供給ユニット32Aに設けられた図略のハンド装置に保持されており、Y方向および上下方向に移動可能な図略の移動装置によるハンド装置のピックアンドプレイス動作により、セル移載ハンド71a、71b、71cに太陽電池セル11が吸着保持され、順次次ステーションに搬送される。
【0043】
傾き矯正ステーション65とセル受渡しステーション66との間には、太陽電池セル11の上下面にそれぞれにフラックス72を2列塗布(図9参照)するディスペンサノズル73a、73bが上下2つずつ、合計4個設けられている。ディスペンサノズル73a、73bは、セル移載ハンド71cによって傾き矯正ステーション65からセル受渡しステーション66に搬送される太陽電池セル11の上下面にそれぞれにフラックス72を塗布する。
【0044】
第1および第2のセル供給ユニット32A、32Bのセル受渡しステーション66と、第1および第2の接合ユニット33A、33Bとの間には、図10に示すように、セル受渡しステーション66から第1および第2の接合ユニット33A、33Bの各下部ホットプレート81に太陽電池セル11を搬送する作業用ロボット74が配設されている。作業用ロボット74は、第1および第2のセル供給ユニット32A、32Bに共通のものである。作業用ロボット74は、Y方向に沿って設置されたガイドレール75にスライド可能に案内されたYスライド76と、Yスライド76にX方向にスライド可能に案内されたXスライド77と、Xスライド77に上下方向に移動可能に支持されたキャリーヘッド78からなっている。キャリーヘッド78には、太陽電池セル11を吸着する吸着ハンド78aが設けられている。本実施の形態に係るストリング配線装置21では、作業用ロボット74は太陽電池セル11をセル受渡しステーション66から下部ホットプレート81上に移載する動作だけを行うため、キャリーヘッド78が1つだけが取付けられている。
【0045】
キャリーヘッド78によってセル受渡しステーション66から第1および第2の接合ユニット33A、33Bに搬送される太陽電池セル11は、搬送途中でカメラ79によって吸着状態を撮像され、画像認識に基づいて位置ずれ等を補正される。
【0046】
第2のセル供給ユニット32Bも、上記した第1のセル供給ユニット32Aと同様に構成されており、受光面を上向きにして供給された太陽電池セル11の上下面にフラックス72を塗布した状態で、太陽電池セル11を第2の接合ユニット33Bの下部ホットプレート81上に供給する。
【0047】
第1および第2の接合ユニット33A、33Bは、図11に示すように、それぞれ固定の下部ホットプレート81と、可動の上部ホットプレート82を有している。第1および第2の接合ユニット33A、33Bは、第1および第2の接合ユニット33A、33Bの間に配設された固定ブロック83を隔てて、Y方向に所定量離間して配設され、第1および第2のセル搬送ユニット34A、34Bの各一端部(始端部)に連接されている。
【0048】
第1の接合ユニット33Aと第2の接合ユニット33Bは基本的に同じ構成であるため、以下、第1の接合ユニット33Aについてその構成を図11および図12に基づいて説明する。
【0049】
第1の接合ユニット33Aの下部ホットプレート81には、下部ホットプレート81の上面81aを予熱するためのヒータが内蔵され、上部ホットプレート82には、上部ホットプレート82の下面82aを加熱するためのヒータが内蔵されている。
【0050】
第1の接合ユニット33Aには、基台35上に設置された固定ブロック83の側面にガイドレール84がX方向に沿って設けられている。ガイドレール84には移動台85がX方向に所定量移動可能に案内されており、この移動台85に設けられたガイドレール86に上部ホットプレート82が所定量昇降可能に支持されている。
【0051】
固定ブロック83には、モータ87によって駆動されるボールねじ軸88がX方向に平行な軸線の回りに回転可能に支持され、このボールねじ軸88に移動台85に固定されたボールナット85aがねじ係合されている。上部ホットプレート82は、ボールねじ軸88の回転によって移動台85がガイドレール84に案内されてX方向に所定量移動されることにより、下部ホットプレート81の上方位置に位置決めされる。その状態で、図略の昇降装置によって上部ホットプレート82がガイドレール86に案内されて下降されることにより、下部ホットプレート81と上部ホットプレート82との間で、太陽電池セル11とインターコネクタ12を熱を加えて圧着する。
【0052】
下部ホットプレート81の上面81aには、図13に示すように、第1のコネクタ供給ユニット31Aより供給された所定長さのインターコネクタ12(12a)が複数列(2列)載置される。そして、これらインターコネクタ12上に、上下面にフラックス72を塗布した太陽電池セル11が、下面に塗布したフラックス72がインターコネクタ12に接触するように装着され、さらに、太陽電池セル11の上面に塗布したフラックス72に接触する位置に、所定長さのインターコネクタ12が複数列(2列)装着される。すなわち、下部ホットプレート81上に、太陽電池セル11とその上下にインターコネクタ12が重合した状態で載置される。
【0053】
その状態で、上部ホットプレート82のX方向移動および下降によって、インターコネクタ12および太陽電池セル11を下部ホットプレート81と上部ホットプレート82との間で挟み込み、インターコネクタ12および太陽電池セル11を加熱しながら圧着することにより、フラックス72を介して太陽電池セル11のプラス側電極およびマイナス側電極にインターコネクタ12を接合する。
【0054】
第1の接合ユニット33Aの上部ホットプレート82の下面82aには、X方向の中央部に、ガイド溝89がY方向に沿って形成されている。ガイド溝89には、押さえ部材としての押さえプレート90が、上部ホットプレート82の下面82aより出没可能に収容されている。押さえプレート90は、図略のスプリングの付勢力によって上部ホットプレート82の下面より突出する方向に押圧され、通常は上部ホットプレート82の下面82aより所定量だけ突出した位置に保持されている。
【0055】
これにより、上部ホットプレート82の下降によって太陽電池セル11とインターコネクタ12とを熱圧着するに先立って、押さえプレート90によってインターコネクタ12をスプリング力によって押圧し、インターコネクタ12および太陽電池セル11の位置ずれを抑制するようになっている。
【0056】
また、押さえプレート90は、太陽電池セル11とインターコネクタ12とを熱圧着した後に、上部ホットプレート82が上昇しても、インターコネクタ12をスプリング力によって押し続けるように作用する。これによって、溶着したフラックス72が硬化するまでの時間、太陽電池セル11とインターコネクタ12との位置ずれを規制する。その結果、インターコネクタ12を太陽電池セル11の定められた位置に正確に接合することが可能となる。
【0057】
なお、図11において、160はダクトであり、このダクト160によって接合ユニット33A、33Bの周辺の空気を吸引することにより、熱圧着時に発生する煙を吸い込む吸煙装置として機能する。
【0058】
第2の接合ユニット33Bも上記した第1の接合ユニット33Aと同様に構成されている。第1の接合ユニット33Aと第2の接合ユニット33Bとで異なる点は、第1の接合ユニット33Aの下部ホットプレート81には、第1のセル供給ユニット32Aより太陽電池セル11が受光面を下向きにした姿勢で供給される。これに対し、第2の接合ユニット33Bの下部ホットプレート81には、第2のセル供給ユニット32Bより太陽電池セル11が受光面を上向きにした姿勢で供給されることである。
【0059】
第1のセル搬送ユニット34Aは、第1の接合ユニット33Aの下部ホットプレート81上より搬送された所要個数Xm以上の太陽電池セル11を同時に支持できるに十分なX方向長さを有している。第1のセル搬送ユニット34Aは、図14に示すように、インターコネクタ12を接合した太陽電池セル11を搬送する一対の搬送部材91を有している。
【0060】
これら搬送部材91を収容可能な収容溝92が下部ホットプレート81の上面にX方向に沿って両側に2列設けられている。搬送部材91は、第1のセル搬送ユニット34Aによるリフトアンドキャリー動作、すなわち、上昇a→前進b→下降c→後退dのボックス運動によって、太陽電池セル11を下部ホットプレート81上よりすくい上げて第1のセル搬送ユニット34Aの始端部に搬送する。
【0061】
搬送部材91は、通常、収容溝92内に埋没された原位置に保持されており、太陽電池セル11とインターコネクタ12との接合が終了すると、上昇されて太陽電池セル11をすくい上げる。その後、搬送部材91の前進および下降により、太陽電池セル11を1ピッチ搬送し、第1のセル搬送ユニット34Aの図略の固定支持台上に支持する。
【0062】
第1のセル搬送ユニット34Aの始端部には、図15に示すように、下部ホットプレート81上より1ピッチずつ搬送される太陽電池セル11を徐冷するための徐冷ステーション95が設けられている。
【0063】
徐冷ステーション95は、太陽電池セル11の搬送ピッチ間隔でX方向に沿って配設された複数の徐冷ヒータ96a、96b、96c・・・からなっている。複数の徐冷ヒータ96a、96b、96c・・・は、下部ホットプレート81上より搬送された太陽電池セル11を、徐々に段階的に温度低下させるようにヒータ温度が漸次低下するように設定されており、徐冷によって太陽電池セル11の反りを抑制するようにしている。
【0064】
そのために、第1のセル搬送ユニット34Aによって下部ホットプレート81上より搬送された太陽電池セル11は、先ず、所定温度に設定された第1の徐冷ヒータ96a上に搬送され、第1の徐冷ヒータ96aにより、ホットプレート81、82によって加熱された太陽電池セル11を所定温度だけ温度降下させる。次いで、太陽電池セル11は、第1の徐冷ヒータ96aより一定温度だけ低めに設定された第2の徐冷ヒータ96b上に搬送されて徐冷され、さらに、第2の徐冷ヒータ96bより一定温度だけ低めに設定された第3の徐冷ヒータ96c上に搬送されて徐冷される。
【0065】
このようにして、3〜5つの徐冷ヒータ96a、96b、96c・・・からなる徐冷ステーション95によって、太陽電池セル11は徐々に段階的に温度低下され、急激な温度低下による太陽電池セル11の反りが抑制される。これら複数の徐冷ヒータ96a、96b、96c・・・からなる徐冷ステーション95によって、太陽電池セル11を徐冷する徐冷手段を構成している。
【0066】
第2のセル搬送ユニット34Bも上記した第1のセル搬送ユニット34Aと同様に構成されており、異なる点は、太陽電池セル11を受光面を下向きにして搬送するか、上向きにして搬送するかだけである。
【0067】
第1のセル搬送ユニット34Aの両側には、図16および図17に示すように、第1のセル置台101と、移載装置103が並設されている。移載装置103は、第1のセル搬送ユニット34Aによって搬送された所定個数の太陽電池セル11からなる第1の太陽電池セル群110Aを、第1のセル置台101上に移載するものである。
【0068】
移載装置103は、基台35上にY方向に沿って設置されたガイドレール111に移動可能に案内された移動台112と、この移動台112に上下方向に沿って形成されたガイドレール113に昇降可能に支持された昇降台114と、この昇降台114上に保持された保持レール115にX方向に位置調整可能に保持された複数の吸着ヘッド116とを備えている。吸着ヘッド116は、少なくとも第1の太陽電池セル群110Aを構成する所定個数(Xm)の太陽電池セル11をそれぞれ吸着できる個数だけ設けられており、これら吸着ヘッド116に太陽電池セル11の上面を吸着する一対の吸着ハンド116aがそれぞれ保持されている。
【0069】
実施の形態においては、異なる種類の太陽電池モジュール10に対応できるように、吸着ヘッド116がα(2個)だけ余分に設けられ、通常余分の吸着ヘッド116´は、第1の太陽電池セル群110Aの吸着の障害とならない位置に退避されている。
【0070】
吸着ハンド116aは、昇降台114の下降によって、第1のセル搬送ユニット34A上の各太陽電池セル11の上面にそれぞれ当接され、真空吸着によって各太陽電池セル11を同時に吸着する。そして、昇降台114の上昇および移動台112の前進移動によって、吸着ハンド116aにて吸着した第1の太陽電池セル群110Aを第1のセル置台101上に移載する。
【0071】
第2のセル搬送ユニット34Bには、図16に示すように、第2のセル置台102が並設され、この第2のセル置台102と第2のセル搬送ユニット34Bとの間に、反転移載装置104が設けられている。反転移載装置104は、第2のセル搬送ユニット34Aによって搬送された所要個数の太陽電池セル11からなる第2の太陽電池セル群110Bを、第2のセル置台102上に上下反転して移載するものである。
【0072】
反転移載装置104は、基台35上にX方向に平行な支軸121を中心にして回転可能に支持された反転台122と、この反転台122を180度反転させるモータ123を駆動源とする反転駆動装置124と、反転台122上に所定量スライド可能に支持されたスライダ125と、スライダ125上にX方向に位置調整可能に保持された複数の吸着ヘッド126とを備えている。
【0073】
吸着ヘッド126は、上記した移載装置103の吸着ヘッド116と同様に、Xm+α設けられ、これら吸着ヘッド126に、第2の太陽電池セル群110Bを構成する所定個数の太陽電池セル11の下面をそれぞれ吸着する一対の吸着ハンド126aがそれぞれ保持されている。
【0074】
吸着ハンド126aは、スライダ125のスライドによって、第2のセル搬送ユニット34B上の各太陽電池セル11の下面に当接され、真空吸着によって各太陽電池セル11を同時に吸着する。そして、反転台122の180度反転によって、吸着ハンド126aによって吸着した第2の太陽電池セル群110Bを第2のセル置台102上に反転した状態で移載する。
【0075】
すなわち、反転移載装置104は、第2の太陽電池セル群110Bを、受光面が下向きとなる姿勢に反転して第2のセル置台102上に移載する。これによって、第1および第2のセル置台101、102上に移載された第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bの受光面が同じ下向きに揃えられる。
【0076】
ストリング配線装置21の第1および第2のセル置台101、102に対応して、レイアップ装置22が配設されている。レイアップ装置22には、図4に示すように、太陽電池セル群110A、110BをY軸方向に所要数配列するためのカバーガラス130が、自動または手動にて待機位置P1より供給されるようになっている。カバーガラス130上には、第1および第2のセル置台101、102より交互に第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bが搬送されて、レイアップされるようになっている。
【0077】
そのために、レイアップ装置22には、第1および第2のセル置台101、102の上方位置に亘って一対のガイドレール131がY方向に沿って設けられ、ガイドレール131には、太陽電池セル群110A、110Bを搬送するキャリーヘッド132がY方向に移動可能に支持されている。キャリーヘッド132には、昇降台133が昇降可能に支持されている。
【0078】
昇降台133には、図示してないが、上記した移載装置103と同様に、保持レールが取付けられ、この保持レールに複数(Xm+α)の吸着ヘッドがX方向に位置調整可能に保持されている。吸着ヘッドには、太陽電池セル群110Aあるいは110Bを構成する所定個数の太陽電池セル11の上面をそれぞれ吸着する一対の吸着ハンドが保持されている。
【0079】
吸着ハンドは、昇降台133の下降によって、第1あるいは第2のセル置台101、102上に移載された太陽電池セル群110A、110Bの各太陽電池セル11の上面にそれぞれ当接され、真空吸着によって各太陽電池セル11を同時に吸着する。そして、昇降台133の上昇およびキャリーヘッド132のY方向移動によって、吸着した太陽電池セル群110A、110Bを、レイアップ装置22に供給されたカバーガラス130上に搬送し、昇降台133の下降により太陽電池セル群110A、110Bをカバーガラス130に装着する。この場合、第1のセル置台101より搬送した第1の太陽電池セル群110Aと、第2のセル置台102より搬送した第2の太陽電池セル群110Bが、カバーガラス130上にY方向に交互に装着される。
【0080】
カバーガラス130上のY方向に所要列数(Yn)だけ太陽電池セル群110A、110Bが装着されると、カバーガラス130は搬送コンベア25によってマトリックス配線装置23に搬送される。
【0081】
マトリックス配線装置23には、図18に示すように、ボビン141に巻かれた導電部材としてのバスメタル14(図1参照)を供給するバスメタル供給ユニット(導電部材供給ユニット)142と、ガイドレール143a、143b沿ってX,Y方向に移動可能な作業用ロボット144が備えられている。
【0082】
バスメタル供給ユニット142は、ボビン141に巻かれたバスメタル14をY方向に引き出して所定長さに切断し、切断したバスメタル14を所定位置に供給するようになっている。作業用ロボット144には、所定長さに切断されたバスメタル14を吸着する吸着部材を備えたキャリーヘッド145と、ヒータ146aを内蔵し、バスメタル14を溶着するヒータ146aを取付けたプロセスヘッド146が上下方向に移動可能に保持されている。
【0083】
そして、レイアップ装置22より搬送コンベア25によってカバーガラス130が所定位置まで搬送されると、バスメタル供給ユニット142によって所定位置に供給されたバスメタル14を、作業用ロボット144のキャリーヘッド145によって、図19に示すように、Y方向に隣合う第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bの各右端部より突出したインターコネクタ12の端部間に順次装着する。しかる後、作業用ロボット144のプロセスヘッド146のヒータ146aによって、バスメタル14を溶着し、バスメタル14とインターコネクタ12とを電気的に接続する。
【0084】
太陽電池セル群110A、110Bの右端部のマトリックス配線が終了すると、搬送コンベア25によってカバーガラス130が所定量搬送され、その状態で今度は、Y方向に隣合う第2および第1の太陽電池セル群110B、110Aの各左端部より突出したインターコネクタ12の端部間に、上記したと同様に、バスメタル14を順次装着するとともに、バスメタル14を溶着し、バスメタル14とインターコネクタ12とを電気的に接続する。これによって、マトリックス化されたXm×Ynの太陽電池セル11のすべてが直列に電気的接続される。
【0085】
この場合、バスメタル14に代えて、インターコネクタを用い、このインターコネクタをフラックスを介して上記したインターコネクタ12に接合するようにしてもよい。
【0086】
次に、上記した実施の形態に基づいて太陽電池セル11をストリング配線する方法、およびストリング配線された太陽電池セル群110A、110Bを組み合わせて太陽電池モジュール10を製造する製造方法について説明する。
【0087】
まず初めに、第1および第2のコネクタ供給ユニット31A、31Bの各ボビン41より引き出されたインターコネクタ12の先端部が第1のクランパ51によってクランプされた図6(A)に示す原位置状態において、第2のモータ49によって第2のボールねじ軸48を所定量回転させ、図6(B)に示すように、第1のクランパ51を前方の位置に移動させ、インターコネクタ12を所定位置まで引き出す。その状態で、カッター43を下降させてインターコネクタ12を所定長さに切断する。
【0088】
続いて、第1のモータ46によって第1のボールねじ軸47を所定量回転させ、図6(C)に示すように、移動ガイド50とともに第1のクランパ51を、移動台45と一体的に移動させる。これによって、第1のクランパ51が下部ホットプレート81上まで移動され、これにクランプされた所定長さのインターコネクタ12が、下部ホットプレート81に載置された太陽電池セル11上に供給される。一方、第2のクランパ52がアンクランプされ、一定量後退される。
【0089】
続いて、第2のクランパ52がインターコネクタ12をクランプした状態で一定前進され、インターコネクタ12をカッター43の前方位置まで引き出す((図6(D)参照)。同時に、第1のクランパ51がアンクランプされて、第1および第2のモータ46、49によって移動台45とともに、第1のクランパ51が原位置に復帰される(図6(A)参照)。
【0090】
この場合、インターコネクタ12は、太陽電池セル群110A、110Bの両端に位置する太陽電池セル11に接合される長さの短いものと、隣合う太陽電池セル11を互いに接合する長さの長いものとの2種類に切断される。すなわち、太陽電池セル群110A、110Bの最初の太陽電池セル11にインターコネクタ12を接合する場合には、先ず始めに、長さの短いインターコネクタ12が第11および第2の接合ユニット33A、33Bの各下部ホットプレート81上の所定位置に2列ずつ供給される。
【0091】
次いで、第1のセル供給ユニット32Aより受光面を下向きにした最初の太陽電池セル11が、上下面にフラックス72を塗布された状態で、第1の接合ユニット33Aの下部ホットプレート81上のインターコネクタ12上に供給される。同時に、第2のセル供給ユニット32Bより受光面を上向きにした最初の太陽電池セル11が、上下面にフラックス72を塗布された状態で、第2の接合ユニット33Bの下部ホットプレート81上のインターコネクタ12の後半部に載置される。
【0092】
しかる後、今度は長さの長いインターコネクタ12の前半部が、受光面を下向きにした太陽電池セル11および受光面を上向きにした太陽電池セル11上にそれぞれ供給される。このような結果、第1および第2の接合ユニット33A、33Bの各下部ホットプレート81上に、図13(A)に示すように、太陽電池セル11とインターコネクタ12が重合状態で載置される。
【0093】
次いで、上部ホットプレート82のX方向移動および下降により、インターコネクタ12および太陽電池セル11を下部ホットプレート81と上部ホットプレート82との間で挟み込み、インターコネクタ12および太陽電池セル11を加熱しながら圧着することにより、太陽電池セル11のプラス側電極およびマイナス側電極にインターコネクタ12をフラックス72を介してそれぞれ接合する。
【0094】
この際、上部ホットプレート82の下降によって、図12に示す押さえプレート90が、スプリング力にて太陽電池セル11上のインターコネクタ12を上方より押圧するので、互いに重合されたインターコネクタ12および太陽電池セル11の位置ずれを抑制することができる。
【0095】
しかる後、各上部ホットプレート82が上昇されるとともに、X方向に所定量移動されて下部ホットプレート81上より退避される。これによって、太陽電池セル11の上下面にインターコネクタ12がフラックス72を介して接合される。
【0096】
この際、押さえプレート90は、上部ホットプレート82が上昇しても、インターコネクタ12をスプリング力によって押圧し続けるので、溶着したフラックス72が硬化する間、太陽電池セル11とインターコネクタ12との位置ずれを規制することができる。
【0097】
インターコネクタ12が接合された太陽電池セル11は、第1および第2のセル搬送ユニット34A、34Bによるリフトアンドキャリー動作によって、搬送部材91にすくい上げられ、1ピッチずつ搬送される。これにより、最初の太陽電池セル11が下部ホットプレート81より第1の徐冷ヒータ96a上に搬送されて、徐冷される。この1ピッチ搬送により、太陽電池セル11の上面に接合されたインターコネクタ12の後半部が下部ホットプレート81上に位置決めされることになる。
【0098】
次いで、第1および第2のセル供給ユニット32A、32Bより2番目の太陽電池セル11が、上記したと同様にして、フラックス72を塗布した状態で下部ホットプレート81上に供給され、下部ホットプレート81上に位置決めされたインターコネクタ12の後半部上に載置される。
【0099】
その後、第1および第2のコネクタ供給ユニット31A、31Bより、長さの長いインターコネクタ12が、上記したと同様にして、下部ホットプレート81上に供給され、その前半部が太陽電池セル11上に重合される(図13(B)参照)。その状態で、上部ホットプレート82が作動され、太陽電池セル11の上下面にインターコネクタ12がフラックス72を介してそれぞれ接合される。
【0100】
しかる後、第1および第2のセル搬送ユニット34A、34Bによるリフトアンドキャリー動作によって、最初の太陽電池セル11が第1の徐冷ヒータ96aから第2の徐冷ヒータ96bに搬送されると同時に、2番目の太陽電池セル11が下部ホットプレート81から第1の徐冷ヒータ96aに搬送される。
【0101】
このような動作が繰り返されることにより、インターコネクタ12が接合された太陽電池セル11が、第1および第2のセル搬送ユニット34A、34Bによって順次1ピッチずつ搬送される。その結果、第1および第2のセル搬送ユニット34A、34B上には、所定個数の太陽電池セル11からなる第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bが搬送される。
【0102】
このように、下側からインターコネクタ12、太陽電池セル11およびインターコネクタ12を順次積み上げていく同一の接続工程(図13参照)によって、第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bを製造することができるので、太陽電池セル群110A、110Bのストリング配線作業を容易に行うことができる。
【0103】
なお、第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bの最後の太陽電池セル11に接合されるインターコネクタにも、長さの短いものが使用され、第1の接合ユニット33Aによって、長さの短いインターコネクタ12aが太陽電池セル11の裏面(上面)側に接合され、第2の接合ユニット33Bによって、長さの短いインターコネクタ12aが太陽電池セル11の受光面(上面)側に接合される。
【0104】
第1および第2のセル搬送ユニット34A、34B上に、所要個数の太陽電池セル11からなる太陽電池セル群110A、110Bがそれぞれ搬送されると、第1および第2の接合ユニット33A、33Bには、次の太陽電池セル群110A、110Bを製造すべく、再び長さの短いインターコネクタ12が供給されるとともに、最初の太陽電池セル11が供給され、上記した動作を繰り返す。
【0105】
このようにして、第1および第2のセル搬送ユニット34A、34B上に搬送された太陽電池セル群110A、110Bの最後の太陽電池セル11が、徐冷ステーション95を通過すると、移載装置103の複数の吸着ヘッド116によって、第1のセル搬送ユニット34A上の第1の太陽電池セル群110Aの各太陽電池セル11の上面がそれぞれ吸着され、移載装置103により、姿勢を変えることなく受光面(マイナス側電極)を下向きにした状態で、第1のセル置台101上に移載される。すなわち、第1の太陽電池セル群110Aは、最初の太陽電池セル11のマイナス側電極に接合された長さの短いインターコネクタ12aが、図2に示すように、太陽電池セル11の下側に位置する状態で第1のセル置台101上に移載される。
【0106】
同様に、反転移載装置104の複数の吸着ハンド126aによって、第2のセル搬送ユニット34B上の第2の太陽電池セル群110Bの各太陽電池セル11の下面がそれぞれ吸着され、反転台122の180度反転動作により第2の太陽電池セル群110Bは上下反転され、受光面(マイナス側電極)を下向きにした状態で第2のセル置台102上に移載される。すなわち、第2の太陽電池セル群110Bは、最初の太陽電池セル11のプラス側電極に接合された長さの短いインターコネクタ12aが、図3に示すように、太陽電池セル11の上側に位置する状態で第2のセル置台102上に移載される。
【0107】
このような結果、第1および第2のセル置台101、102にそれぞれ移載された第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bは、共に受光面が下向きに揃えられるが、向きを揃えられた第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bは、太陽電池セル11に対するインターコネクタ12の接続構造が、図2および図3に示すように、互いに異なったものとなる。
【0108】
このように、第1および第2のセル搬送ユニット34A、34B上に搬送された第1および第2の太陽電池セル群110A、110Bは、移載装置103および反転移載装置104によって、第1および第2のセル置台101、102に搬出される。これによって、第1および第2のセル搬送ユニット34A、34B上に必要以上の太陽電池セル11を滞留させることがなくなり、上記した接合作業および搬送作業を継続することができ、ストリング配線作業を効率的に行えるようになる。
【0109】
一方、レイアップ装置22のレイアップ位置には、2種類の太陽電池セル群110A、110BをY軸方向に交互に所要数配列するためのカバーガラス130が、自動または手動にて供給され、このカバーガラス130上にキャリーヘッド132によって、第1および第2のセル置台101、102より交互に太陽電池セル群110A、110Bが搬送される。
【0110】
すなわち、カバーガラス130の1列目には、第1のセル置台101より第1の太陽電池セル群110Aが装着され、カバーガラス130の2列目には、第2のセル置台102より第2の太陽電池セル群110Bが装着される。以下、カバーガラス130の奇数列目には、第1の太陽電池セル群110Aが、偶数列目には、第2の太陽電池セル群110Bが装着され、Y軸方向に所要列数の太陽電池セル群110A、110Bが配列される。これによって、Y軸方向に隣合う太陽電池セル群110A、110Bの両端部には、太陽電池セル11のマイナス側電極に接合された長さの短いインターコネクタ12aと、太陽電池セル11のプラス側電極に接合された長さの短いインターコネクタ12aとがY軸方向に交互に配置されるようになる。
【0111】
カバーガラス130上のY方向に、ストリング配線されたXm個の太陽電池セル11からなる太陽電池セル群110A、110BがYn列装着されると、カバーガラス130が搬送コンベア25によってレイアップ装置22よりマトリックス配線装置23に搬送される。
【0112】
カバーガラス130の前端部(図4の右端部)がマトリックス配線装置23内に搬送されると、1列目の太陽電池セル群110Aの右端より突出するマイナス側電極に接続されたインターコネクタ12aと、2列目の太陽電池セル群110Bの右端より突出するプラス側電極に接続されたインターコネクタ12aとの間に、所定長さに切断されたバスメタル14が装着される。
【0113】
かかるバスメタル14は、マトリックス配線装置23のバスメタル供給ユニット142のボビン141よりY方向に引き出されて所定長さに切断され、作業用ロボット144のキャリーヘッド145に取付けられた吸着ヘッドにより吸着保持されて、インターコネクタ12aの間に装着される。
【0114】
同様にして、バスメタル14は、3列目と4列目の太陽電池セル群110A、110Bの各右端より突出するインターコネクタ12aの間、および5列目と6列目の太陽電池セル群110A、110Bの各右端より突出するインターコネクタ12aの間にそれぞれ装着される、
【0115】
しかる状態で、ヒータを内蔵したプロセスヘッド146により、バスメタル14とインターコネクタ12の接続個所を加熱しながら圧着することにより、バスメタル14を溶融して、マイナス側電極に接合されたインターコネクタ12aとプラス側電極に接合されたインターコネクタ12aをバスメタル14を介して電気的に接続する。
【0116】
続いて、カバーガラス130がX方向に所定量搬送され、カバーガラス130の後端部(図4の左端部)がマトリックス配線装置23内に搬送されると、前述したと同様にして、2列目(4列目)の太陽電池セル群110Bの左端より突出するマイナス側電極に接続されたインターコネクタ12aと、3列目(5列目)の太陽電池セル群110Aの左端より突出するプラス側電極に接続されたインターコネクタ12aとの間に、所定長さに切断されたバスメタル14が装着される。そして、バスメタル14がプロセスヘッド146によって溶着されることにより、マイナス側電極に接合されたインターコネクタ12aとプラス側電極に接合されたインターコネクタ12aがバスメタル14を介して電気的に接続される。
【0117】
このようにして、Xm×Ynのすべての太陽電池セル11が、インターコネクタ12およびバスメタル14を介して直列に電気的接続され、太陽電池モジュール10が製造される。その後、当該太陽電池モジュール10は搬出コンベア26に搬出され、次工程に搬送される。そして、次工程において、太陽電池セル11上にEVA等の樹脂を封止してバックシートを装着するとともに、周囲をアルミフレームによって気密的に覆うことにより完成品となる。
【0118】
上記した実施の形態によれば、受光面を上向きにして載置された太陽電池セル11と導電部材(インターコネクタ)12とを互いに接合する第1の接合ユニット33Aと、受光面を下向きにして載置された太陽電池セル11と導電部材12とを互いに接合する第2の接合ユニット33Bとを設けた(並設した)ので、受光面の向きを変えて載置されたそれぞれの太陽電池セル11に導電部材12を同一の接続工程、すなわち、下側から導電部材12、太陽電池セル11、導電部材12を順次積み上げて接合するだけの簡単な構成によって、ストリング配線装置21を構成することができる。
【0119】
これにより、導電部材12の配線構造が異なる2種類の太陽電池セル群110A、110Bを容易に製造でき、太陽電池モジュール10を効率的に製造可能なストリング配線装置21を得ることができる。
【0120】
上記した実施の形態によれば、第1および第2の接合ユニット33A、33Bによって導電部材12が接合された太陽電池セル11をそれぞれX方向に搬送する第1および第2のセル搬送ユニット34A、33Bと、第1のセル搬送ユニット34Aによって搬送された第1の太陽電池セル群110Aを移載する移載装置103と、第2のセル搬送ユニット34Bによって搬送された第2の太陽電池セル群110BをX方向と平行な軸線の回りに反転して移載する反転移載装置104とを備えた。
【0121】
これにより、第2のセル搬送ユニット34Bによって搬送された太陽電池セル群110Bを反転移載装置104によって反転するだけで、配線構造が異なる2種類の太陽電池セル群110A、110Bの受光面の向きを揃えることができる。 しかも、太陽電池セル群110BをX方向と平行な軸線の回りに反転するようにしたので、多数の太陽電池セル11からなる太陽電池セル群110Bを最小のスペースで同時に効率よく反転することが可能となる。
【0122】
上記した実施の形態によれば、第1および第2のセル搬送ユニット34A、33Bには、第1および第2のセル置台101、102がそれぞれ並設され、第1のセル搬送ユニット34Aによって搬送された太陽電池セル群110Aを移載装置103によって反転させずに第1のセル置台101に移載するとともに、第2のセル搬送ユニット34Bによって搬送された太陽電池セル群110Bを反転移載装置104によって反転した状態で第2のセル置台102に移載するように構成した。
【0123】
これによって、セル搬送ユニット34A、34Bによって太陽電池セル群110A、110Bが搬送される毎に、太陽電池セル群110A、110Bを迅速にセル置台101、102に移載することが可能となる。その結果、セル搬送ユニット34A、34Bより太陽電池セル群110A、110Bが搬出されるまで、ストリング配線作業を中断する必要がないとともに、セル搬送ユニット34A、34B上に太陽電池セル群110A、110Bが滞留するのを抑制することができる。
【0124】
上記した実施の形態によれば、第1および第2の接合ユニット33A、33Bは、導電部材12と太陽電池セル11を、下部および上部ホットプレート81、82によって熱を加えながら圧着することにより、フラックス72を介して接合するようにしたので、太陽電池セル11の上下面に重合された複数列の導電部材12と太陽電池セル11とを同時に効率よく接合することができるとともに、はんだ等をコーティングした高価な導電部材12を使用しなくても、太陽電池セル11に導電部材12を接合することができる。
【0125】
上記した実施の形態によれば、第1および第2のセル搬送ユニット34A、34Bは、第1および第2の接合ユニット33A、33Bの各ホットプレート81、82によって導電部材12が接合された太陽電池セル11を徐冷する徐冷手段95をX方向に沿って備えているので、ホットプレート81、82によって加熱された太陽電池セル11の急激な冷却による太陽電池セル11の反りを抑制することができる。
【0126】
上記した実施の形態によれば、受光面を上向きにして載置された太陽電池セル11および受光面を下向きにして載置された太陽電池セル11と、導電部材12とをそれぞれ接合し、2種類のストリング配線を行うようにしたので、受光面の向きを変えて載置されたそれぞれの太陽電池セル11に導電部材12を同一の接合工程で接合する簡単な方法によって、導電部材12の配線構造が異なるストリング配線された2種類の太陽電池セル群110A、110Bを容易に製造でき、太陽電池モジュール10を効率的に製造可能なストリング配線方法を得ることができる。
【0127】
上記した実施の形態によれば、第1のセル置台101に移載された太陽電池セル群110Aと、第2のセル置台102に移載された太陽電池セル群110Bを、太陽電池セル群110A、110Bを装着するためのカバーガラス130上に、X方向に対して直交するY方向に交互に配列するレイアップ装置22を有しているので、レイアップ装置22によって2つのセル置台101、102から交互に太陽電池セル群110A、110Bを、カバーガラス130上に配列するだけで、太陽電池モジュール10を製造することが可能となる。
【0128】
上記した実施の形態によれば、カバーガラス130上にY方向に交互に配列された隣合う太陽電池セル群110A、110Bの各両端の導電部材12同士を、別の導電部材14によって電気的に接続するマトリックス配線装置21を備えているので、マトリックス配線装置21によって、太陽電池モジュール10を構成するすべての太陽電池セル11を直列に接続することができる。
【0129】
上記した実施の形態によれば、受光面を上向きにして載置された太陽電池セル11と導電部材12とを互いに接合し、受光面を下向きにして載置された太陽電池セル11と導電部材12とを互いに接合し、導電部材12が接合された受光面を上向きにした太陽電池セル11と受光面を下向きにした太陽電池セル11とを別々のセル搬送ユニット34A、34Bによって搬送し、一方のセル搬送ユニット34Aによって搬送された太陽電池セル11は反転させずに、他方のセル搬送ユニット34Bによって搬送された太陽電池セル11は反転させた状態で、カバーガラス130上に搬送方向に対して直交する方向に交互に配列するようにした。
【0130】
これにより、太陽電池モジュール10を効率的に製造可能な太陽電池モジュール製造方法を得ることができる。
【0131】
上記した実施の形態においては、太陽電池セル11を受光面を上向きにしてストリング配線された太陽電池セル群110Bを、反転移載装置104によって受光面が下向きとなるように反転させて、カバーガラス130上に装着する例について述べたが、受光面を下向きにしてストリング配線された太陽電池セル群110Aを反転させて、バックシート上に装着するようにしてもよい。
【0132】
上記した実施の形態においては、太陽電池セル11の各電極にフラックス72を介して導電部材(インターコネクタ)12を接合するようにしたが、導電部材12としてはんだをコーティングした導電部材を用いれば、フラックスを塗布することなく、太陽電池セル11と導電部材とを接合することが可能である。
【0133】
上記した実施の形態においては、太陽電池セル11と複数の導電部材12を、下部ホットプレート81と上部ホットプレート82との間で熱圧着することによりに同時に接合するようにした例について述べたが、3次元方向に移動可能なロボット等にヒータを取付けて行うことも可能である。
【0134】
また、上記した実施の形態においては、セル搬送ユニット34A、34Bによって搬送された太陽電池セル群110A、110Bを、セル置台101、102を介して、レイアップ装置22に供給されたカバーガラス130に移載するようにしたが、セル搬送ユニット34A、34Bよりレイアップ装置22に直接太陽電池セル群110A、110Bを移載するようにしてもよい。
【0135】
斯様に、本発明は実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の形態を採り得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明に係るストリング配線装置および配線方法ならびに太陽電池モジュール製造装置および製造方法は、隣合う太陽電池セルを導電部材を介して電気的に接合する太陽電池モジュールに用いるのに適している。
【符号の説明】
【0137】
10…太陽電池モジュール、11…太陽電池セル、12、14…導電部材(インターコネクタ、バスメタル)、21…ストリング配線装置、22…レイアップ装置、23…マトリックス配線装置、31A、31B…導電部材供給ユニット、32A、32B…セル供給ユニット、33A、33B…接合ユニット、34A、34B…セル搬送ユニット、101、102…セル置台、103…移載装置、104…反転移載装置、110A、110B…太陽電池セル群、130…カバーガラス。
図1
図2
図3
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図5
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図10
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