【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記クランプステップ後に前記クランプを開放する開放ステップを備え、前記開放ステップ後に、前記接続要素(6)は変形した位置に維持される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記溝の中への前記ワイヤ要素(5)の導入は、前記第1の要素(8)と前記第2の要素(8´)との間に前記ワイヤ要素(5)が機械的に挟まれることにより達成される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
前記接続要素(6)は熱可塑性又は熱硬化性材料から形成されており、且つ、前記クランプは、80℃から260℃の間の温度において、5kg/cm2から30kg/cm2の間の圧力において行われる熱圧着であり、前記圧力は、前記接続要素(6)が凝固するような冷却期間の間も維持される、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
前記対向プレート(11)が前記アクティブプレート(13)の上に移される前に、前記対向プレート(11)に実質的に平行なトレンチ(12)を形成するステップを備える、ことを特徴とする請求項5に記載の複数のチップを製造する方法。
前記トレンチ(12)が形成される前に、前記接続要素(6)を形成する前記材料は、前記対向プレート(11)の上に堆積される、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
前記トレンチ(12)を形成した後、前記対向プレート(11)は、液体状態の熱硬化性高分子又は熱可塑性高分子によって浸漬され、前記高分子は、前記対向プレート(11)が前記アクティブプレート(13)の上に移される前に、乾燥される、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
前記接続要素(6)を形成する前記材料は、前記トレンチを前記対向プレート(11)中に形成した後、前記対向プレート(11)と前記アクティブプレート(13)との間に配置された熱可塑性膜である、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
他の利点及び特徴は、本発明の特定の実施形態についての下記の説明により、さらに明らかにされる。本発明の特定の実施形態は、単なる例示であって、本発明を限定するものではない。本発明の特定の実施形態は、添付の図面により示される。
【0014】
従来技術による電子チップと異なり、電子チップは、以下において、塑性的に変形する材料により形成された接続要素を備え、この材料は溝の幅を様々に変えることができる。
【0015】
従って、ワイヤ要素はチップの溝の中に配置することができ、ワイヤ要素の軸は、好ましくは溝の軸と平行である。チップは、塑性的に変形する材料を備える接続要素により接続された第1の要素と第2の要素とにより輪郭が形成されている。溝についても、接続要素により接続された第1の要素と第2の要素とによって輪郭を形成することができる。第1の要素と第2の要素とをクランプすることにより、ワイヤ要素が溝の中で固定されるまで、接続要素を変形する。
【0016】
図2から11までに示され、先に説明した方法を用いることができる電子チップは、接続要素6により分離された第1の要素8と第2の要素8´とを備える。チップはさらに溝4aを備え、溝4aは、両端が開いており、第1の要素8と第2の要素8´と接続要素6とによりその輪郭が形成されている。従って、溝4aは、例えば、第1の要素8と第2の要素8´とに向かい合う自由表面によって形成された2つの側壁を備えることができ、この側壁9a、9bは、接続要素6の部分により形成された底面9cによって互いに接続することができる。チップは、このチップが例えばワイヤ要素と電気的に接続されることを要求する場合には、チップは電気接続パッド7を備えることができる。このようなパッド7は溝4aの中に配置することができ、好ましくは溝4aの側壁9aの1つに配置される。接続要素6は、第1の要素8と第2の要素8´との平らな面においてクランプすることにより塑性的に変形し、且つ、クランプが行われている際、第1の要素8と第2の要素8´が接触する前にパッド7まで押し出されることができる材料を備えることができる。接続要素6の材料は、クランプが起きている際、実際にパッドに到達することができる。溝がパッドを備えていない場合、ワイヤ要素を挟む(pinch)、もしくは入り込む(penetrate into)パッドを用いることが好ましいのにもかかわらず、クランプは、押し出されることができる塑性的に変形する接続要素6とあわさって、ワイヤ要素を機械的に固定することを十分に行うことができる。
【0017】
このように形成されたチップは、側面3a、3bにより互いに接続された2つの主面1、2を備え、溝4aは好ましくは側面の1つから形成される。
【0018】
接続要素6は、2つの要素8、8´を分離するスペーサと同等のもの、又は、スペーサの部分と同等のものを形成する。
【0019】
実施形態に示されるように、チップの一般的な形状は、平行四辺形からなる面をもつものであり(parallelpipedic)、2つの外部主面1及び2は実質的に等しいディメンジョンであることができ、それらは4つの側面により接続される。他のチップの形状も当然可能である。例えば、凸状の外部主面1を有する第1の要素を持つことが可能である。さらに、側面は、主面と側面との間の正確に書かれた端部を持つことなく、主面の延長であることができる。
【0020】
図2及び
図3に示される第1の実施形態においては、チップは、接続要素6により分離された第1の要素8と第2の要素8´とを備え、且つ、ワイヤ要素5を格納する縦溝(longitudinal groove)4aの輪郭を形成する。先に示したように、溝4aは2つの側壁9a、9bを備え、それぞれ、第1の要素8と第2の要素8´とに向かい合う自由表面により形成される。電気接続パッド7は、溝4aの側壁の1つに配置され(
図2中では側壁9a)、自由領域は、パッド7の頂部(apex)と反対側の側壁(
図2中では9b)との間に輪郭が形成される。自由領域はワイヤ要素を受け止めるように設計され、例えば、溝に平行なコアのようにして挿入される。
【0021】
第1の実施形態によれば、第1の要素8と第2の要素8´は、好ましくは同じディメンジョンであり、互いに向かい合うように配置され、接続要素6により分離される。同じディメンジョンとは、第1の要素8と第2の要素8´との幅I
5と長さI
9とが実質的に同じということであり、
図2の上面図を示す
図3に示されるとおりである。
図2及び
図3の特有の例によれば、溝4aは、接続要素6により輪郭が形成された底面9cを備え、底面9cは2つの向かい合う側壁9a、9bを接続する。溝の2つの側壁9a、9bを分離する距離は、接続要素6の高さI
1と等しい。
【0022】
溝4aの輪郭を形成するために、接続要素6は、好ましくは第1の要素8と第2の要素8´との端部に対して後方に(lay back)配置される(
図2及び
図3)。
図3においては、接続要素6の幅I
6は、チップの幅I
5と比べて小さい。
【0023】
この特有の実施形態と、好ましくは以下に示す他の実施形態とにおいては、接続要素6は変形する材料の1つの層により形成され、この層の上面及び下面は、好ましくはチップの主面と平行であり、それぞれ第1の要素8と第2の要素8´とに接続する。
【0024】
本発明の1つの特徴によれば、第1の要素8と第2の要素8´との間の接続要素6は、チップの外部主面1及び2の平らな面においてプレスすることによるチップのクランプにより変形する材料を備え、例えば、外部主面1及び2に対して垂直な、相反する方向において、チップのクランプは行われる。クランプが行われる際、変形する材料は変形し、側部へ押し出され、特に溝4へ向かって及び溝4の中へ、好ましくはワイヤ要素5に達する。接続要素6の面に垂直にクランプを行うことができる。
【0025】
接続要素6を形成する変形する材料の量は、クランプの前に溝の中に挿入されたワイヤ要素5が、この材料により第1の要素8と第2の要素8´の少なくとも1つに固定されることが可能な十分なものであることが好ましい。言い換えると、変形する材料の性質は、例えば、チップの残りにダメージを与えることのない圧力といった妥当な圧力を加えた際、ワイヤ要素5の平らな面にまで達するように変形する材料が変形することを可能にするものでなくてはならない。さらに、変形する層の性質は、圧力を取り除いた後に、変形する層が接続要素6と接触したままであり、変形する層が、ワイヤ要素5の固定に関係するようなものであることが好ましい。
【0026】
従って、クランプステップ後、溝の中にワイヤ要素5を固定することは、例えば、第1の要素8と第2の要素8´との間に、パッド7と要素8及び8´との間に、ワイヤ要素5を機械的に挟み込むことにより、及び/又は、接続要素6がワイヤ要素5に接触するまで接続要素6を変形することによって、行われる。
【0027】
さらに、クランプ後、変形する材料は、第1の要素8と第2の要素8´の接続要素の役割を続けることが好ましく、例えば、2つの要素が互いに固定することを確保するように続ける。材料の残りの層又は部分は、例えば要素8、8´の間を挟むように維持することができる。言い換えると、クランプステップに続いて、接続要素6を変形した位置のままにした後、クランプを開放するステップを行うことができる。
【0028】
他の実施形態によれば、アセンブリ(不図示)を留めるための手段を提供することを可能にする。このような手段は、例えばオス及びメスの接続手段により形成され、それぞれ第1の要素8と第2の要素8´との上に配置される。このような接続手段は、例えばクランプステップ後に、アセンブリを固定するためにクランプを維持することを避けることができる。
【0029】
変形する材料の層は、チップの製造、ワイヤ要素とチップとをアセンブルすること、及び一度アセンブルされたチップの長い期間にわたる機械的強度において複数の優れた利点を示すものである。
【0030】
実際、今日まで、ワイヤ要素は溝の中に単純に埋め込まれ、与えられたチップにおいて必要とされるようなワイヤ要素に正確に調整する。変形する接続要素は、従って異なるタイプのワイヤ要素を、特に異なる直径及び異なる形状のワイヤ要素を、用いることを可能にする。さらに、本発明の方法は、ワイヤ要素の厚さの変化、及び自由領域の平らな面における溝のディメンジョンの変化に対して敏感なものではない。
【0031】
図4に示される他の実施形態によれば、チップは、ワイヤ要素を格納する2つの溝4a、4bを備える。これらの溝4a、4bは好ましくは接続要素6の各側面の上に配置され、それぞれ、少なくとも1つの接続パッド7を備える。第2の溝4bは形成され、好ましくは第2の側面3bの平らな面において形成され、第2の側面3bは好ましくは第1の側面3aと向かい合い、且つ、平行である。第1の側面3aの溝4aと同様に、第2の側面3bの溝4bは、第1の要素8と第2の要素8´と接続要素6とにより少なくとも輪郭が形成される。
【0032】
クランプ前に、パッド7の頂部とパッド7と向かい合う側壁9bとを分離する距離I
7は、好ましくは、そこに挿入することを容易にするために、ワイヤ要素5の直径D
fと比べていくらか大きいものとする。クランプ後、第1の要素8と第2の要素8´は、好ましくは当初接続要素6を形成していた変形する材料によって互いに固定される。好ましくは、この材料によって、チップの第1の要素8と第2の要素8´との少なくとも1つをクランプした後に、ワイヤ要素5は固定される。
【0033】
図5に示されるチップの第2の実施形態によれば、第1の要素8と第2の要素8´とのうちの1つ(
図5中では第1の要素8)は、凸部(salient part)10を備え、凸部10は、考慮されている要素の少なくとも1つの端部の平らな面におけるショルダーを形成する。
図5中には、2つの同じ向かい合う溝4a、4bを部分的に形成するように、2つのショルダーが形成される。接続要素6を形成する変形する材料の層は、好ましくは、凸部10の頂部全体を覆うように、縦方向と横方向とのディメンジョンが第1の要素8の凸部10と同等である。凸部10を支えることない要素(
図5中では第2の要素8´)は、接続要素6の手段によって、凸部10を支える第1の要素8に固定される。溝4aは従って好ましくは2つの向かい合う側壁9a、9bにより輪郭が形成され、側壁9a、9bは、それぞれ、第1の要素8aと第2の要素8´とに向かい合う自由表面と、2つの側壁9a、9bを接続する底面9cとにより形成され、この底面9cは、凸部10と接続要素6とにより形成される。溝の2つの側壁9a、9bを分離する距離I
8は、接続要素6の高さI
1と凸部10の高さI
2との和に等しい。
図5においては、溝4aと溝4bとの接続パッド7は、第2の要素8´により支持され、第2の要素は、例えば電子コンポーネントを備えるアクティブ要素である。
【0034】
クランプ後、パッド7の頂部とパッド7に向かい合う側壁9bとの間の自由領域の平らな面において、対応する溝の中にワイヤ要素5が十分に挟むことができるように、凸部10の高さI
2と変形する材料の層の残りの厚さとの和は、ワイヤ要素の少なくとも部分が固定されることができるように、パッドの高さI
3よりも高いことが好ましい。クランプの後における、一方である凸部10の高さI
2と変形可能な材料の層の残りの厚さとの和と、他方である接続パッドの高さI
3との差が、ワイヤ要素5の直径D
fよりも小さいことがさらに好ましい。この制約は、クランプ後において、電気接続パッド7とこの接続パッド7の頂部に向かい合う溝の側壁9bとの間の、自由領域の平らな面において、電気伝導ワイヤ要素を挟むことを可能にする。好ましくは、先に説明したように、クランプ前において、パッド7の頂部とパッド7に向かい合う側壁9bとを分離する距離I
7は、そこに挿入することを容易にするためにワイヤ要素5の直径よりもわずかに大きい。当然、クランプ後、当初接続要素6を形成する材料によって、第1の要素8と第2の要素8´とは好ましくは互いに固定される。さらに正確には、接続要素の変形する層は、第1の要素8と第2の要素8´の間の厚さであり、変形する材料の残りの厚さは、第1の要素8と第2の要素8´との固定を確保することを可能にする。変形する層の残りは、好ましくは、接続パッド7と、溝4a、4bの中にあるワイヤ要素とまで押し出される。ワイヤ要素5は、従って好ましくは、変形する材料によって、チップの第1の要素8と第2の要素8´とのうちの少なくとも1つに固定される。ワイヤ要素5がエナメル加工(enamelling)又は高分子の絶縁層により覆われている場合には、先に定義された高さの差は、好ましくは、ワイヤ要素5の電気伝導コアの直径よりも小さくなる。
【0035】
図6に示される電子チップの第3の実施形態によれば、2つの要素8及び8´には、それぞれ凸部10及び10´が存在し、凸部10及び10´は、要素8、8´の端部の平らな面においてショルダーを形成する。凸部10、10´の横及び縦のディメンジョンは、好ましくは接続要素6のものと同じであることが好ましい。側面3a、3bのうちの少なくとも1つの上では、このようなチップは溝4aを備え、溝4aは2つの向かい合う側壁9a、9bにより輪郭が形成され、側壁9a、9bは、それぞれ第1の要素8と第2の要素8´の向かい合う自由表面と、2つの側壁9a、9bを接続する底面9cとにより形成され、この底面は、第1の要素8の凸部10と、第2の要素8´の凸部10´と、接続要素6とによって形成されている。言い換えると、溝4aの2つの側壁9a、9bを分離する距離I
8は、接続要素6の高さI
1と第1の要素8の凸部10の高さI
2と第2の要素8´の凸部10´の高さI
2´との和と等しい(I
8=I
1+I
2+I
2´)。
図6の例においては、チップは2つの向かい合う溝4a及び4bを備え、電気接続パッド7は第2の要素8´により支持され、第2の要素8´は、例えば接続パッド7に接続する電子コンポーネントを備える。
【0036】
クランプ後に、パッド7の頂点部とこのパッドに向かい合う側壁(
図7中では壁9b)との間の自由領域の平らな面において、ワイヤ要素5を十分に挟み込むことを達成するために、第1の要素8の凸部10の高さI
2と第2の要素8´の凸部10´の高さI
2´との和であって、変形可能な材料の層の残りの厚さが加算されたものは、クランプ後に、ワイヤ要素の少なくとも部分を固定することができるように、各接続パッド7の高さI
3よりも高い。さらに好ましくは、クランプ後に、一方である、第1の要素8の凸部10の高さI
2と第2の要素8´の凸部10´の高さI
2´との和に変形可能な材料の層の残りの厚さを加えたものと、他方である接続パッドの高さI
3との差は、ワイヤ要素5の直径D
fよりも小さい。この制約により、電気伝導ワイヤ要素を、クランプ後に、電気接続パッド7とこのパッド7の頂部に向かい合う溝bの側壁9bとの間の、自由領域の平らな面において、挟み込むことを可能にする。クランプ前に、パッド7とこのパッド7に向かい合う側壁9bとを分離する距離I
7は、そこに挿入することを容易にするためにワイヤ要素5の直径D
fよりもわずかに大きいことが好ましい。
【0037】
当然、前に説明したように、クランプ後に、第1の要素8と第2の要素8´とは、好ましくは当初接続要素6を形成する材料によって、互いに固定される。このようにして、ワイヤ要素5は好ましくは、第1の要素8と第2の要素8´のうちの少なくとも1つに、この変形する材料により固定される。ワイヤ要素5がエナメル加工又は高分子絶縁層により覆われている場合には、先に定義した高さの差は、ワイヤ要素5の電気伝導コアの直径よりも小さいことが好ましい。
【0038】
図7及び
図8にはチップをアセンブルする方法が示され、チップは2つの溝4a、4bを備え、
図5中においては2つのワイヤ要素の上にある。これらの図は、例えば矢印P1及びP2の方向においてチップの2つの向かい合う主面1及び2の上に圧力を印加することによって、クランプが行われた際の接続要素6を形成する変形する材料の層の変形を示す。最初に、ワイヤ要素5a、5bは、それぞれ溝4a、4b中の縦方向に挿入され、好ましくは自由領域の平らな面(溝に向かい合う側壁からパッド7の頂部を離す領域)において挿入される。次いで、第1の要素8と第2の要素8´とをクランプするステップの間、接続要素6は変形され、ワイヤ要素5a、5bは、好ましくは各接続パッド7の頂部とこの接続パッド7と向かい合う側壁9bとの間の自由領域の平らな面において機械的に挟まれる。クランプの間、各縦溝の少なくとも部分を満たすように、接続要素6を形成する材料は押し出される。クランプ後のチップの状態を示す
図8において、接続要素6を構成する変形する材料の量は、押し出された後、各溝のワイヤ要素5a、5bを完全に覆うために十分なものであり、従って、追加ボンディングステップを行うことを必要とすることなく、アセンブリを固めることができる。同様の原理は当然異なる実施形態に対して適用することができる。
【0039】
パッド7、7a、7bとそれに対応するワイヤ要素5、5a、5bは、加圧を行った際、展性の低い材料により非常に展性の高い材料は変形され、密接な接続(intimate contact)が電気接続パッドと対応する電気伝導ワイヤ要素との間の電気接続の最適な構成を形成することができるように、好ましくは異なる硬さであることが良い。通常の方法によれば、電気伝導パッドがワイヤ要素よりもかなり硬い材料により形成されている場合、接続パッドはワイヤ要素の中に入り込むことができる。ワイヤ要素を壊すことのない程度であり、またワイヤ要素を切断することを避けるように、第1の要素8と第2の要素8´との上に印加されたクランプ(
図8中の矢印P1とP2)を制御することが好ましい。
図7及び
図8において、パッド7(左の溝)のディメンジョンが、パッドを支持する側壁と平行なパッドの断面において、ワイヤ要素の直径よりも大きい場合には、接続パッド7aは、クランプ後にワイヤ要素5aに小さく入り込むことが好ましい。例えば、ワイヤ要素5aに入り込んだパッド7aの深さは1μmであることができ、この際ワイヤ要素の直径は15μmから500μmである。この深さは、電気接続パッド7aとワイヤ要素5aとの間に得られた十分に密接な接続が良好な状態の電気伝導接続を形成することを可能にする。ワイヤ要素5aへパッド7aが入り込む深さは、好ましくはワイヤ要素5aの直径の20%を超えることがなく、これによって、アセンブリにストレスがかかった際、ワイヤ要素が十分な切断強度を維持することを可能にする。
【0040】
一方、例えば
図7及び
図8の右側のパッド7bのように、パッドを支持する側壁に平行なパッドの断面において、パッドはワイヤ要素5bの直径よりもかなり小さいディメンジョンを有し、パッドはワイヤ要素5bにピンポイントに入り込むことができ、例えばワイヤ要素5bの直径の40%以上から100%までであり、これによりパッドが破壊されるリスクを避けることができる。限定されない方法において、この他の実施形態において、パッド7bは、ワイヤ要素5bの直径の20%よりも小さいディメンジョンを有する。
【0041】
図9に示されるようなストップ手段18(例えばシングルストップ)を追加することによって、挟み込む面のストレス、及び/又は、接続要素の変形のストレスは制御することができ、クランプが行われている際、ストップ手段は接続要素6の変形を制限し、このストップは、クランプが起きている際、他の要素と向かい合う第1の要素8と第2の要素8´(
図9中第1の要素8)の表面に形成されることが好ましく、接続要素の変形を制限することができる。
図9においては、2つのストップ18は、接続要素6に沈む(sink)突出部により示され、この突出部はパッド7a、7bの高さに比べて非常に高い高さを有する。記載されたすべての他の実施形態に、特に
図2から
図6に関するものに、このタイプのストップは当然追加することができる。凸部を備える実施形態においては、この凸部自体がストップを形成することができる。クランプステップの間、第1の要素8と第2の要素8´との互いに向けての動作は、突出部によって制限され、ワイヤ要素5にダメージを与えることを避けることができる。このような突出部は変形する材料の多くの量が押し出されることを妨げ、クランプ後の要素8、8´の固定の質に弊害をもたらすこととなる。
【0042】
図10及び
図11に示される他の実施形態によれば、第1の要素8は凸部10を備え、凸部10は、接続要素6の縦方向、横方向のディメンジョンと実質的に等しい縦方向、横方向のディメンジョンである。
図5の実施形態において、溝の底9cは、接続要素6と凸部10とによって輪郭が形成されている。チップはさらにガイド手段19を備え、それにより、例えば、凸部10は、圧力が印加されている際に、互いに向かい合うように第1の要素8と第2の要素8´とが維持される。これらのガイド手段19がない場合、第1の要素8と第2の要素8´とは実際に動くことができ、もはや整列することはない。
図10においては、ガイド手段は第2の要素8´に固定され、好ましくは接続要素6の各サイドに固定され、圧力がかかっている際、凸部10をガイドすることが可能なように棒状になっている。ガイド手段19は、好ましくは、圧力がかかっている際、凸部10が正確にガイドされることを確保するように、接続要素6の高さI
1よりも高い高さI
10を有する。ガイド手段19は、接続要素6の圧力を制限するストップを形成するために、さらに凸部10の高さI
2よりも高い高さI
10を有することができる。
【0043】
他の実施形態によれば、第1の要素8と第2の要素8´とは両方ともアクティブであり、例えば、両方とも電子コンポーネントを備える。
図10及び
図11中に提案される例のように、第1の要素8は電池(不図示)を備えることができ、第2の要素8´は、電池により供給されるように設計された電子コンポーネントを備えることができる。電池は第2の要素8´の電子機器(electronics)と接続される。このようにして、第1の要素8の凸部10は、第1の電気接続端子20a、20bを備えることができ、第1の電気接続端子20a、20bは、クランプが行われている間、互いに向けて第1の要素8と第2の要素8´とが動いている間、第2の要素8´の上に配置された第2の電気接続端子21a、21bと電気的に接続するように設計されている。ガイド手段19の存在は、好ましくは端子20a及び20bがそれぞれ端子21a及び21bに向かい合うように維持されることを可能にする。2つの要素の上の接続端子を形成し、これらの端子を接続する技術は、2006年5月22日から24日に行われた“4
th European Microelectronics and Packaging Symposium”のJ.Brunらの“LOCALIZED MICRO-INSERT CONNECTIONS FOR SMART CARD SECURE MICRO PACKAGING”中に記載されている。
【0044】
特有の実施形態によれば、接続要素6の変形する材料は、熱硬化性、又は熱可塑性高分子、又は可溶性の材料である。
【0045】
各ワイヤ要素5が対応する溝に挿入された後、例えば、チップを加熱手段(不図示)により加熱しつつ、圧力(
図8中の矢印P1及びP2に示される)を2つの主面1及び2に印加するように、熱圧着をチップに印加する(
図8)。与えられる温度において、主面1及び2に印加される圧力は、接続要素6の変形の性質に依存する。一般的には、例えば熱可塑性又は熱硬化性材料から形成された接続要素をやわらかくするために、80℃から260℃の間の温度において、圧力は5kg/cm
2と30kg/cm
2の間とすることができ、このような結果は、例えばBrewer Scienceにより発売されているHT1010(熱硬化性高分子)により形成された接続要素を用いた例により得ることができる。熱圧着を行う際、接続要素6は軟化し又は液化し、接続要素を構成する材料は部分的に外部に押し出され、各溝のすべて又は部分を満たすことが可能となる。
図8中においては、接続要素が軟化し、第1の要素と第2の要素との圧力が、溝4a及び4bをほとんど満たすように、接続要素を形成する材料を押し出す。電気伝導ワイヤ要素5は、電気接続パッド7の頂部とこのパッドと向かい合う溝4の側壁9bとの間に機械的に入り込む。締めくくりとして、圧力は、アセンブリの状態で凝固(frozen)されることができる冷却期間の間において、維持されなければならない。圧力を維持することは、電子チップの状態で凝固し、ワイヤ要素5と接続パッド7との間の密接な接続を維持することを可能にする。当然、チップが2つの溝4a、4bを備え、各溝に異なる接続パッドが設けられている場合、接続要素を形成する材料は好ましくは電気絶縁であり、それにより、パッド間の好ましくないショートのリスクを防ぐ。
【0046】
この場合、他については、接続要素6を構成する高分子(熱硬化性又は熱可塑性)の量が溝4a、4bを満たすには十分ではない場合には、高分子に覆われたワイヤ要素5を用いることができ(不図示)、この高分子は、好ましくは接続要素6を形成する高分子と同じ性質を有する。従って、熱圧着ステップの間、ワイヤ要素5を覆う高分子は軟化し又は粘性を持つ。ワイヤ要素5及び接続要素6を覆う高分子の材料の量は、溝又は複数の溝4a、4bを満たすことを可能にする。
【0047】
接続要素6は、インジウム又は鉛のような可溶性材料から形成することもできる。チップが1つの溝を備える際には、鉛を用いることができる。
【0048】
先に説明したような複数のチップは、ワイヤ要素の手段によって互いに接続することができ、ワイヤ要素の電気伝導コアはチップの共通データ又は電力供給バスを構成する。
【0049】
従って、アセンブリは、マイクロ電子チップを備えることができ、マイクロ電子チップは第1の要素8と第2の要素8´とを備え、電気伝導ワイヤ要素は第1の要素8と第2の要素8´との間に挟まれている。アセンブリはさらに接続要素6を備え、接続要素6は第1の要素8と第2の要素8´とワイヤ要素とに接触し、接続要素6は、ワイヤ要素を第1の要素8と第2の要素8´とのうちの少なくとも1つに固定することに関わる。
【0050】
一般的な方法においては、複数のチップを製造する方法は以下のステップを備える:
− アクティブプレート13を調達するステップであって、アクティブプレートは複数のアクティブ領域を備え、各アクティブ領域は少なくとも1つの電子コンポーネントを備え、各アクティブ領域は、アクティブ領域の端部の1つの近傍に少なくとも1つの電気接続パッド7を備えることができ、言い換えると、アクティブ領域は、対応するアクティブ領域に電気的に接続した電気接続パッド7を有することができる、調達ステップと、
− 変形する材料を介してアクティブプレート13の上に配置された対向プレート11により構成されたアセンブリを形成するステップであって、各アクティブ領域の平らな面において、このアクティブ領域の端部の1つに沿って空間を形成し、パッド7を有する他の実施形態によれば、空間は、対応するパッドの端部に沿って形成されている、形成ステップと、
− 前記複数のチップを形成するためにアクティブ領域の端部に沿ってアセンブリを切断するステップであって、
切断の切断線は得られた空間を通過し、
切断後、複数のチップは、それぞれ、少なくとも、変形する材料により形成された接続要素6により分離された第1の要素8及び第2の要素8´と、このチップの1つの表面の平らな面にあって、第1の要素8と第2の要素8´と接続要素6とにより輪郭が形成された溝4a、4bとを備え、
この電気接続パッド7はこの溝4a、4bの中に配置され、接続要素6のこの変形する材料は、チップのクランプが行われている際、第1の要素8と第2の要素8´とが接触する前に押し出されることができる、
切断ステップと。
【0051】
実際、アクティブプレートはウエハであることができ、対向プレートもウエハであることができる。
【0052】
図5のアセンブリのタイプのアクティブチップの収率を最適にするために、
図14に示されるように、対向プレート11がアクティブプレート13に移される前に、実質的に平行なトレンチ12は、対向プレート11の上に形成することができる。従って、変形する材料及びアクティブプレートとともに、トレンチ12は正確に定義された空間を形成する。
【0053】
図12から
図14及び
図17から
図18に示されるチップの製造方法の第1の実施形態によれば、接続要素6を形成するように設計された材料6´の層は、トレンチが形成される前に、対向プレート11の上に最初に堆積される(
図12)。材料6´の堆積の後、各チップの接続要素6の配置は、例えば、フォトリソグラフィーと、それに次いでアニールによる現像とによって、パターニングされる(
図13)。例えば、信越化学工業のSinR3170の高分子樹脂の場合、40μmの層を堆積し、140℃において30分のアニールを行うことにより現像を行う。
【0054】
トレンチ12は、高分子が除去された領域14の平らな面(
図13)において形成される(
図14)。対向プレート11の上に、電子コンポーネントを備えるアクティブプレート13が移され(
図17)、1つの溝又は複数の溝の輪郭を形成するように各アクティブ領域の上に接続要素6が整列する。移動及び整列についてのバリデーション後、アクティブプレート13と対向プレート11とは互いにプレスされ、例えば、このプレスの際の条件は、5barの圧力、200℃、5分である。最終的に、対向プレート11のトレンチ12の下部に存在する空間のレベルにおいて、チップは切断される(
図18)。
【0055】
図14から
図18に示される製造方法の第2の実施形態によれば、トレンチ12は対向プレート11の中に最初に形成される(
図15)。対向プレート11は例えば表面を介して浸漬され、対向プレート11を浸漬させるために、対向プレートは、液体状態の熱硬化性又は熱可塑性高分子の中にトレンチ12を有し、例えば、各トレンチ12に分離された部分15の頂部において、材料6´を形成するように浸漬される(
図16)。1つの溝又は複数の溝の輪郭を形成するように各アクティブ領域の上に接続要素6が整列する状態に対向プレート11がアクティブプレート13の上に移される前に、高分子を乾燥する(
図17)。
【0056】
移動及び整列についてのバリデーション後、アクティブプレート13と対向プレート11とは互いにプレスされ、例えば、このプレスの際の条件は、5barの圧力、200℃、5分である。最終的に、チップを切断し、複数のチップを得る(
図18)。
【0057】
図19に示される製造方法の第3の実施形態によれば、接続要素6を形成する材料は熱可塑性膜17であり、対向プレート11中にトレンチ12を形成した後に、熱可塑性膜17は対向プレート11とアクティブプレート13との間に配置される。言い換えると、熱可塑性膜17をはさむように対向プレート11はアクティブプレート13の上に移される。熱可塑性膜にしわを生じることを避け、密着アクティブプレート(coherent active plate)13/熱可塑性膜17/対向プレート11のアセンブリを形成するために、熱可塑性膜は好ましくは強く張られる。他の実施形態によれば、チップを切断する際に、
図19に示されるように、膜17の部分16は、各溝の中で自由に動けるような状態のままである。ワイヤ要素5が挿入されている際、膜17の部分16は、溝4の底面から機械的に押し出され、熱圧着ステップの間に、膜17の部分16は、溶解することができる。従って、圧着ステップの間、膜17の部分16に対応する過剰な高分子は、溝4を一様に満たすことを確保することに貢献することができる。
【0058】
方法の第3の実施形態の変形例によれば、熱可塑性膜17は、遠心力(centrifugation)によりアクティブプレートの上に堆積することができる(
図20)。熱可塑性膜17は次いで各接続パッド7を覆い、ワイヤ要素が挿入された際、又は熱圧着ステップの間に、熱可塑性膜17の覆いを、機械的に除去することができる。
【0059】
これまで説明した電子チップとそれをアセンブルする方法は、チップの設計の制約を限定することが可能であり、チップが、溝のサイズに対応する所定のサイズのワイヤ要素と一体となることをもはや強制されることはない。接続パッドとワイヤ要素との間の接続はこれによって大幅に改善される。
【0060】
さらに、各溝は複数のパッドを備えることができ、複数のパッドのうちの少なくとも1つは電気伝導である。非伝導パッド又は電子コンポーネントに接続されていないパッドは、各溝に設けることができる。このようなパッドは、溝の中のワイヤ要素の固定を促進することができる。
【0061】
チップが小さなサイズであることから、インテリジェントファブリックを形成するために記載されたチップは、布と一体化することができる。
【0062】
例えば、第1の要素8と第2の要素8´との厚さを約200μmとすることができ、チップの縦方向のディメンジョンは5mmよりも小さい。
【0063】
1つ又はそれ以上の電気接続が、チップとワイヤ要素との間に形成される必要がある場合には、1つ又はそれ以上の電気接続パッドは、仏国特許出願0805832及び特許出願PCT/FR2008/1476に記載されているように設けることができる。それらの電気的機能に加えて、先に説明したように、このようなパッドはワイヤ要素を溝の中に良好に固定することを可能にすることができる。しかしながら、電子チップがワイヤ要素の手段によって電気接続するという役割をもっていない場合には、それらの存在は不可欠なものではない。溝の中にパッドがない場合であっても、先に示したように、本発明の方法は、有利には機械的に挟み込むことにより溝の中にワイヤ要素を良好に固定することを確保することができる。さらに、先に示したように、溝の中にワイヤ要素を固定することに関わるように、接続要素をワイヤ要素にまで押し出すようにすることができる。