(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上下階の天井面と床面との間のスペースに設置した前記蓄電池を、室内または建物外に移動する移動装置を有する、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のユニット建物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のユニット建物では、建物ユニットの天井部や床部に蓄電池を収納していたが、建物ユニットでは、天井フレームや床フレームに設けられた小梁(根太)のピッチ等の制限を受けるため、蓄電池の設置の自由度が少なかった。また、小梁と小梁の間のスペースよりも大きな蓄電池を収納することも出来ない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、蓄電池の設置の自由度を大きくとれるユニット建物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のユニット建物は、複数の建物ユニットを水平方向に対向させ、かつ隔離して配置することにより形成されると共に、
一方の建物ユニットの柱と他方の建物ユニットの柱とが第1の連結部材で連結され、前記建物ユニットの幅と同程度の幅寸法に設定されると共に、対向する一方の建物ユニットの梁
の長手方向中間部と他方の建物ユニットの梁
の長手方向中間部とが第2の連結部材によって連結された離し置き部と、を備え、前記連結部材に蓄電池が支持されている。
【0007】
請求項1に記載のユニット建物では、水平方向に対向させた建物ユニットを離隔することにより形成された離し置き部に蓄電池が設置されている。
【0008】
建物ユニットでは、一方の天井大梁と他方の天井大梁を連結する複数の小梁、一方の床大梁と他方の床大梁とを連結する複数の小梁を備えているため、蓄電池を設置する際に天井や床の小梁ピッチ等の制限を受け、蓄電池を設置するスペースを確保することが難しい。
【0009】
これに対し、建物ユニットの幅と同程度の幅寸法に設定された離し置き部は、建物ユニットと建物ユニットとを水平方向に離隔して配置した空間部分であるため、建物ユニットのように小梁の影響を受けることが無く、建物ユニットに比較して蓄電池を設置するスペースを確保し易く、蓄電池の設計サイズの自由度が上がり、また、多数の蓄電池やサイズの大きな蓄電池を設置することも可能となる。
また、
第1の連結部材は、離し置き部を挟んで一方の建物ユニットと他方の建物ユニットとを連結する部材であるので、建物ユニットの連結時に、一方の建物ユニットと他方の建物ユニットとの距離(離し置き部の幅)を正確かつ精密に出すことに利用できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のユニット建物において、前記離し置き部は最上階に設けられている。
【0011】
請求項2に記載のユニット建物は、最上階の離し置き部に蓄電池が設置されているため、屋根にソーラーパネル(太陽電池)が設置されている場合、ソーラーパネルの近くに蓄電池を設置することができ、蓄電池とソーラーパネルとを接続する配線を短くでき、結線が容易になる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のユニット建物において、前記離し置き部の天井部に前記蓄電池が設置されている。
【0013】
請求項3に記載のユニット建物は、最上階の離し置き部の天井部に蓄電池が設置されているため、屋根に設置したソーラーパネル(太陽電池)のより近くに蓄電池を設置でき、蓄電池とソーラーパネルとを接続する配線を更に短くでき、結線が更に容易になる。
【0014】
また、天井裏に蓄電池を配置することは、蓄電池につきものである、換気、放熱に関しても有利となる。さらに、蓄電池を天井裏に設置することで、蓄電池によって居住空間を狭くすることが無い。
【0015】
ユニット建物は、複数の建物ユニットを連結した後に屋根を乗せるため、最上階の建物ユニットを設置した後に、建物ユニットを吊上げたクレーンを用いて蓄電池を最上階の天井裏に設置することができる。そして、屋根を載せる前に蓄電池の配線作業を行うことができるため、作業性が良い。
なお、蓄電池は、軽いタイプ、及び重いタイプに限定されない。クレーンでの作業は、蓄電池が重量物となる場合は、特に有効である。
【0018】
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のユニット建物において、前記蓄電池が複数個纏められて
アッセンブリ化されている。
【0019】
請求項4に記載のユニット建物では、複数個の蓄電池が纏められて
アッセンブリ化されているので、ユニット建物を施工する際に用いるクレーンで蓄電池の
アッセンブリを吊上げてユニット建物の離し置き部に搬送することができ、複数の蓄電池を個別に搬送する場合に比較して、少ない回数で複数の蓄電池を離し置き部に設置することができる。これにより、重量作業を軽減できる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のユニット建物において、前記蓄電池は、前記離し置き部に隣接する前記建物ユニットに設けられた電気機器に接続される。
【0021】
請求項5に記載のユニット建物では、蓄電池が離し置き部に隣接する建物ユニットに設けられた電気機器に接続されている。このため、離し置き部に設置した蓄電池で、離し置き部に隣接する建物ユニットに設けられた電気機器を使用することができる。また、蓄電池と電気機器とが近いため、結線が容易となる。
【0022】
なお、電気機器とは、蓄電池の電力を使用するための、例えば、DC−ACコンバーター、ソーラーパネル(太陽電池)、エアコン、洗濯機、照明、調理器具、電気温水器、コンセント、充電器等のことである。
【0023】
請求項6に記載の発明は、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のユニット建物において、上下階の天井面と床面との間のスペースに設置した前記蓄電池を、室内または建物外に移動する移動装置を有する。
【0024】
請求項6に記載のユニット建物では、上下階の天井面と床面との間のスペースに設置した蓄電池を、移動装置によって室内または建物外に移動することが出来る。
上下階の天井面と床面との間のスペースに設置した蓄電池を室内または建物外に移動することで、蓄電池のメンテナンスや、交換が容易となる。
【0025】
請求項7に記載の発明は、
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のユニット建物において、前記蓄電池を天井裏に敷設された断熱材よりも上側に配置した。
【0026】
請求項7に記載のユニット建物では、蓄電池を天井裏に敷設された断熱材の上側に配置することで蓄電池の上に空間を確保でき、蓄電池につきものである換気、放熱に関して有利となる。
【0027】
請求項8に記載の発明は、
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のユニット建物において、前記蓄電池を天井裏に敷設された断熱材よりも下側に配置した。
【0028】
天井の断熱材は比較的厚く、天井の上に断熱材を敷き詰めると該断熱材の上面の位置が天井大梁の上面の位置と略同じとなり、天井大梁の側面が断熱材で覆われてしまい、蓄電池の取り付け部位に関して制約が多くなる。
【0029】
蓄電池を天井裏に敷設された断熱材の下に配置する、即ち、蓄電池の上に断熱材を配置すれば、天井大梁の側面を用いて蓄電池を取り付けることが可能となり、蓄電池の取り付け部位に関して制約が少なくなる。
【0030】
また、蓄電池を天井の断熱材の下側に配置することで、蓄電池を天井の断熱材の室内側に配置でき、冬季に、室内の暖房の熱によって蓄電池を暖めることができ、蓄電池の温度低下に伴う電力の供給不足を解消することもできる。
【発明の効果】
【0043】
以上説明したように請求項1に記載のユニット建物によれば、離し置き部に蓄電池を設置することで、蓄電池の設置の自由度を大きくとることができる。
また、請求項1に記載のユニット建物によれば、連結部材を用いて一方の建物ユニットと他方の建物ユニットとの距離(離し置き部の幅)を正確かつ精密に出すことができる。
【0044】
請求項2に記載のユニット建物によれば、屋根にソーラーパネルが設置される場合、蓄電池とソーラーパネルとを接続する配線を短くでき、結線が容易になる。
【0045】
請求項3に記載のユニット建物によれば、屋根にソーラーパネルが設置される場合、蓄電池とソーラーパネルとを接続する配線を更に短くでき、結線が更に容易になる。また、天井裏に蓄電池を配置することは、蓄電池につきものである、換気、放熱に関しても有利となる。さらに、蓄電池を天井裏に設置することで、蓄電池によって居住空間を狭くすることが無い。
【0047】
請求項4に記載のユニット建物によれば、クレーンで蓄電池の
アッセンブリを吊上げてユニット建物の離し置き部に搬送することで重量作業を軽減できる。
【0048】
請求項5に記載のユニット建物によれば、離し置き部に設置した蓄電池で、離し置き部に隣接する建物ユニットに設けられた電気機器を使用することができ、蓄電池と電気機器とが近いため結線が容易となる。
【0049】
請求項6に記載のユニット建物によれば、上下階の天井面と床面との間のスペースに設置した蓄電池を室内または建物外に移動することができ、蓄電池のメンテナンスや、交換が容易となる。
【0050】
請求項7に記載のユニット建物によれば、蓄電池の上に空間を確保でき、蓄電池につきものである換気、放熱に関して有利となる。
【0051】
請求項8に記載のユニット建物によれば、蓄電池の取り付け部位に関して制約が少なくなる。また、冬季に、室内の暖房の熱によって蓄電池を暖めることができ、蓄電池の温度低下に伴う電力の供給不足を解消することもできる。
【0057】
請求項14に記載のユニット建物によれば、蓄電池につきものである、換気、放熱に関して有利となる。
【発明を実施するための形態】
【0059】
[第1の実施形態]
以下、
図1〜
図7を用いて、本発明に係る建物ユニットの第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、第1の実施形態のユニット建物10は、基礎12上に複数の箱型の建物ユニット32,34,36,42,44,46を据え付けることで構築された1階部分と、1階部分の上に複数の箱型の建物ユニット38,40,48,50を据え付けることにより構築された2階部分と、2階部分の上に据え付けられた屋根部52と含んで構成されており、2階部分には、建物ユニット38と建物ユニット40との間、及び建物ユニット48と建物ユニット50との間に離し置き部51が設けられている。
図1では、建物の桁方向を矢印X方向、妻方向を矢印Y方向、桁方向及び妻方向と直行する高さ方向を矢印Z方向で示している。
【0060】
以下に、代表して建物ユニット32の構成を説明する。説明の便宜上、建物ユニット32の各部材に名称付けをしておく。建物ユニット32は、4本の柱14と、互いに平行に配置された長短二組の天井梁16、18と、これらの天井梁16,18に対して上下に平行に配置された長短二組の床梁20,22とを備えており、梁の端部を天井と床の仕口に溶接することによりラーメン構造として構成されている。本実施形態では、天井梁16,18、及び床梁20,22に、断面コ字形状のチャンネル鋼(溝形鋼)が用いられている。
【0061】
建物ユニット32は、矩形枠状に組まれた天井フレーム24と床フレーム26とを備えており、これらの間に4本の柱14が立設される構成となっている。天井フレーム24は四隅に天井仕口部(柱)28を備えており、この天井仕口部28に長さが異なる天井梁16,18の長手方向の端部が溶接されている。
【0062】
同様に、床フレーム26は四隅に床仕口部(柱)30を備えており、この床仕口部30に長さが異なる床梁20,22の長手方向の端部が溶接されている。
そして、上下に対向して配置された天井仕口部28と床仕口部30との間に、柱14の上下端部が固定されて建物ユニット32が構成されている。
ユニット建物10の外周には図示しないパネル状の外装材が設けられている。また、
図1に示すユニット建物10においては、窓、ドア等も図示を省略している。
【0063】
本実施形態において、建物ユニット34,46,38,40は、建物ユニット32と桁方向、及び妻方向の寸法が同じであるが、建物ユニット42,44,46,48,50は、建物ユニット32と妻方向の寸法は同じであるが、桁方向の寸法が長くなっている。
【0064】
図2、及び
図3に示すように、2階部分の互いに対向する建物ユニット38の天井仕口部28と建物ユニット40の天井仕口部28とは連結部材53で連結され、互いに対向する建物ユニット48の天井仕口部28と建物ユニット50の天井仕口部28とは連結部材53で連結されている。本実施形態の連結部材53には、断面コ字状のチャンネル鋼が用いられており、開口部分を横向きにして配置されている。
【0065】
図3に示すように、連結部材53の端部には、矩形の鋼板57が溶接されており、鋼板57には、ボルト59を挿通する孔61が形成されている。孔61を挿通させたボルト59を天井仕口部28に形成したネジ孔(図示せず)に螺合することで、連結部材53の固定が行われている。
【0066】
図4に示すように、2階の建物ユニット48には、一方の天井梁16と他方の天井梁16(
図4では図示せず)とを連結する複数本の小梁55(建物ユニット48以外では図示省略)が設けられている。小梁55の下側には、パーティクルボード54、及び石膏ボード56が取り付けられている。なお、パーティクルボード54の上には、断熱材58が敷き詰められている。なお、パーティクルボード54の上に敷き詰めた断熱材58の上面は、天井梁16,18の上面よりも下側に位置している。なお、他の建物ユニットの天井にも建物ユニット48と同様に小梁55、パーティクルボード54、石膏ボード56、及び断熱材58が設けられている。
【0067】
図2に示すように、2階の離し置き部51には、建物ユニット38の天井フレーム24と建物ユニット40の天井フレーム24とを連結するように複数のブレース62が配置されている共に、建物ユニット48の天井フレーム24と建物ユニット50の天井フレーム24とを連結するように複数のブレース62が配置されている。
【0068】
ブレース62の固定方法としては、
図3に示すように、連結部材53の下側のフランジにボルト68で固定する場合と、
図4に示すように、天井梁16のウエブ16Aに固定(溶接、ボルト止め等)したアングル66にボルト68で固定する場合とがある。
【0069】
図4に示すように、離し置き部51のブレース62の上にも、断熱材58が敷き詰められている。なお、ブレース62の上の断熱材58の上面も、天井梁16,18の上面よりも下側に位置している。
【0070】
図5に示すように、建物ユニット48の離し置き部側の天井梁16のウエブ16A、及び反対側の建物ユニット50の離し置き部側の天井梁16のウエブ16A(
図5では図示せず)には、各々2個のアングル70がボルト72で固定されている。アングル70は、水平部70Aの下側に垂直部70Bを配置し、水平部70Aの上面を天井梁16の上面と同一高さとなるように固定されている。
【0071】
図5、及び
図16に示すように、天井梁16の上部分は、アングル70の両側が湾曲した断熱材74で覆われており、一方の断熱材74と他方の断熱材74との隙間部分には、小片状の断熱材76、及び断熱材78が挿入されている。
【0072】
図2、及び
図5に示すように、これらのアングル70の上には、蓄電池アッシー80が搭載されている。蓄電池アッシー80は、複数個の蓄電池(図示せず)を収容したフレーム82を備え、フレーム82の四隅からは支柱84が水平に突出している。
蓄電池アッシー80は、支柱84が天井梁16に固定したアングル70の上に搭載され、支柱84が図示しないボルトでアングル70に固定されている。
【0073】
蓄電池アッシー80の外部には、蓄電池に接続された充電用ケーブル86、及び出力用ケーブル88が引き出されている。なお、充電用ケーブル86、及び出力用ケーブル88の端部には、相手機器と接続するためのコネクタ、プラグ、及びコンセント等を接続することができる。
【0074】
出力用ケーブル88は、離し置き部51に隣接する建物ユニット48,50の電気機器(図示せず)に接続されている。一方、充電用ケーブル86は、図示しない充電器を介して屋根部52に設けたソーラーパネル(
図1参照)90に接続されている。
【0075】
本実施形態のユニット建物10では、ソーラーパネル90で発電された電力を蓄電池アッシー80の蓄電池に充電することができる。なお、蓄電池アッシー80の蓄電池には、ソーラーパネル90で発電された電力のみならず、商用電源(例えば100V)で充電することもできる。
【0076】
なお、蓄電池アッシー80の蓄電池に蓄電された電力は、ユニット建物10で使用される電気機器に利用することができるが、電気自動車、ハイブリッドカー等の蓄電池の充電にも利用することが出来る。また、蓄電池の余剰の電力は電力会社に売電しても良い。
【0077】
(作用)
本実施形態のユニット建物10では、建物ユニット32〜50を順にクレーンで吊上げて基礎12の上に設置し、ボルト等を用いて互いに連結を行う。
【0078】
本実施形態のユニット建物10では、蓄電池アッシー80が、小梁55の設けられていない離し置き部51に配置されているので、例えば、2階の一方の建物ユニット48の天井梁16と他方の建物ユニット50の天井梁16との間を全て蓄電池アッシー80の設置スペースとして使用することができ、小梁を複数設けた建物ユニットに設置する場合に比較して、小梁の影響を受けずに蓄電池アッシー80を設置するスペースを大きくとることができ、蓄電池アッシー80の設計サイズの自由度が上がり、一つの蓄電池アッシー80に多数の蓄電池を設置することも可能となる。
【0079】
本実施形態では、最上階の離し置き部51の天井裏に蓄電池アッシー80が設置されているため、屋根部52に設置したソーラーパネル90の近くに蓄電池アッシー80を設置することができ、蓄電池アッシー80とソーラーパネルとを接続する充電用ケーブル86を短くすることができ、結線が容易になる。
【0080】
本実施形態のように、蓄電池アッシー80を天井裏に配置し、しかも天井の断熱材58の上に蓄電池アッシー80を設置し、蓄電池アッシー80の上部に屋根裏空間を設けることは、蓄電池につきものである、換気、放熱に関して有利である。
また、本実施形態のユニット建物10では、蓄電池アッシー80を天井裏に設置しているので、蓄電池アッシー80によって居住空間を狭くすることが無い。
【0081】
このユニット建物10は、建物ユニット32〜50を連結した後に屋根部52を乗せるため、最上階の建物ユニット38,40,48,50を設置した後に、
図7に示すように、建物ユニットを吊上げたクレーン92を用いて重量(例えば、数十〜百数十kg)のある蓄電池アッシー80を最上階の離し置き部51に容易に設置することができる。 本実施形態のユニット建物10では、複数個の蓄電池が纏められた蓄電池アッシー80をクレーン92で搬送するので、複数の蓄電池を個別に搬送する場合に比較して、搬送回数が少なくて済む。
また、本実施形態のユニット建物10では、屋根部52を載せる前に蓄電池アッシー80の配線作業を行うことができるため、広い場所で効率的に配線作業性を行うことができる。
【0082】
本実施形態のユニット建物10では、天井梁16に蓄電池アッシー80を取り付けるアングル70を予め工場で取り付けておけば、施工現場では、蓄電池アッシー80をアングル70の上に載せて、蓄電池アッシー80の支柱84を天井梁16のアングル70にボルトで固定すれば良く、作業員は屋根部52を取り付ける前の建物上で蓄電池アッシー80の固定作業を簡単に行うことが出来る。
【0083】
なお、本実施形態では、蓄電池アッシー80の出力用ケーブル88を離し置き部51に隣接する建物ユニット48,50の電気機器に接続するが、例えば、建物ユニットの梁にコネクタを設け、建物ユニット同士を連結する際に、梁に設けたコネクタ同士が接続されるようにしても良い。これにより、建物ユニットの連結とケーブルの接続とを同時に行うことが出来る。なお、充電用ケーブル86は、ソーラーパネル90以外(例えば、商用電源)に接続しても良く、出力用ケーブル88は、隣接する建物ユニット48,50以外の建物ユニットの電気機器に接続しても良いのは勿論である。
【0084】
[第2の実施形態]
以下、
図8、及び
図9を用いて、本発明に係る建物ユニットの第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0085】
図8、及び
図9に示すように、本実施形態のユニット建物10では、離し置き部51のブレース62の上に蓄電池アッシー80が直接搭載されており、蓄電池アッシー80の上に断熱材58が敷設されている。
【0086】
本実施形態の様に、蓄電池アッシー80を天井の断熱材58の下側に配置することで、蓄電池アッシー80を天井の断熱材58の室内側に配置でき、冬季に、室内の暖房の熱によって蓄電池を暖めることができ、蓄電池の温度低下に伴う電力の供給不足を解消することもできる。
なお、その他の作用効果は第1の実施形態と同様である。
【0087】
[第3の実施形態]
以下、
図10を用いて、本発明に係る建物ユニットの第3の実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態のユニット建物10の離し置き部51には、離し置き部51を横断して一方の建物ユニット48の天井梁16と他方の建物ユニット50の天井梁16(
図10では図示せず)とを連結する連結部材94が、ブレース62の上側に設けられている。
【0088】
本実施形態の連結部材94は、溝形鋼の両端部に矩形の鋼板96を溶接したものであり、鋼板96の中央に後述する取り付け用のボルト98を挿通する孔100が形成されている。連結部材94は、一端部が一方の建物ユニット48の天井梁16にボルト98で固定され、他端部が他方の建物ユニット50の天井梁16にボルト98で固定されている。
この連結部材94は、一方の建物ユニット48と他方の建物ユニット50との間隔を決める冶具としての役目も有している。したがって、連結部材94の長さを正確に加工しておけば、一方の建物ユニット48と他方の建物ユニット50との間隔(離し置き部51の幅)を正確に決めることができる。
【0089】
本実施形態では、連結部材94の上面と、天井梁16の上面とが同一高さに設定されており、その連結部材94の上に蓄電池アッシー80が搭載されている。なお、蓄電池アッシー80は、フレーム82が連結部材94に図示しないボルトで固定されている。
本実施形態は、前述した第2の実施形態と同様に蓄電池アッシー80の上に断熱材58が配置されている。
【0090】
第2の実施形態では、ブレース62の上に蓄電池アッシー80を配置したので、蓄電池アッシー80を配置する位置に制限があったが、本実施形態では、蓄電池アッシー80を連結部材94で支持しているので、ブレース62の位置に関係なく蓄電池アッシー80を配置することが出来る。
なお、本実施形態では、蓄電池アッシー80が連結部材94で支持されている点以外は、第2の実施形態と作用効果は同様である。
【0091】
[
第1の参考例]
以下、
図11を用いて、
第1の参考例に係る建物ユニットについて説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図11に示すように、
本参考例の蓄電池アッシー80は、フレーム82に水平方向に延びるフレームブラケット102が取り付けられている。
【0092】
フレームブラケット102は、溝形鋼102Aの両端部に山形鋼102Bを溶接したものであり、山形鋼102Bの水平部の中央には後述する取り付け用のボルト104を挿通する孔106が形成されている。
【0093】
一方、天井梁16の上側のフランジ16Bには、ボルト104を螺合させるネジ孔(図示せず)が形成されている。
本参考例の蓄電池アッシー80は、フレームブラケット102を天井梁16の上に載せ、孔106を挿通させたボルト104を天井梁16ネジ孔に螺合させることで、天井梁16に固定される。
【0094】
本参考例は、前述した第2、3の実施形態と同様に蓄電池アッシー80の上に断熱材58が配置されている。
本参考例では、蓄電池アッシー80がフレームブラケット102を介して天井梁16に支持されている点以外は、第2,3の実施形態と作用効果は同様である。
【0095】
[
第2の参考例]
以下、
図12を用いて、
第2の参考例に係る建物ユニットについて説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図12に示すように、
本参考例のユニット建物10では、天井梁16の離し置き部側のウエブ16Aに山形鋼108がボルト110で固定されており、この山形鋼108の水平部108Aの上に蓄電池アッシー80が直接搭載されている。
なお、蓄電池アッシー80は、図示しないボルトで山形鋼108に固定されている。
【0096】
本参考例は、前述した第
2、3の実施形態と同様に蓄電池アッシー80の上に断熱材58が配置されている。
本参考例では、蓄電池アッシー80が山形鋼108を介して天井梁16に支持されている点以外は、第2,3の実施形態と作用効果は同様である。
【0097】
本参考例では、蓄電池アッシー80を山形鋼108で支持しているが、山形鋼108に代えて、角パイプ、チャンネル等の他の鋼材を用いても良い。
【0098】
[
第3の参考例]
以下、
図13を用いて、
第3の参考例に係る建物ユニットについて説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図13に示すように、
本参考例のユニット建物10では、2階の離し部置き部51の互いに向かい合う一方の連結部材53と他方の連結部材53とに支持部材112が取り付けられている。
【0099】
支持部材112は、断面コ字状の鋼板で形成されており、水平に配置される水平部112Aの両端に、下方に延びる垂直部112Bが一体的に連結されている。
【0100】
垂直部112Bには孔(図示せず)が形成されており、垂直部112Bに形成された孔を挿通させたボルト114を 連結部材53に形成したネジ孔(図示ぜす)に螺合させることで、支持部材112が2つの連結部材53に固定されている。
【0101】
なお、連結部材53には、複数の支持部材112が固定されており、支持部材112の上に蓄電池アッシー80が搭載されている。蓄電池アッシー80のフレーム82は、図示しないボルトで支持部材112に固定されている。
【0102】
本参考例では、支持部材112の水平部112Aが、断熱材58よりも上方に位置している。
本参考例では、第1の実施形態と同様に、天井の断熱材58の上に蓄電池アッシー80を設置しているので、換気、放熱に関して有利である。
【0103】
[
第4の参考例]
以下、
図14を用いて、
第4の参考例に係る建物ユニットについて説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図14に示すように、
本参考例のユニット建物10では、連結部材53の上側のフランジ53Aの端部に、固定ブラケット116が溶接等で固定されている。固定ブラケット116は、フランジ53Aの端部を挟み込む様に設けられた断面コ字状の固定部116Aと、固定部116Aの一端から上方に延びる縦壁部116Bを備えており、縦壁部116Bには、ボルト118を挿通する孔(図示せず)が形成されている。
【0104】
本参考例では、蓄電池アッシー80が、一対の固定ブラケット116の間で連結部材53の上に直置きされている。なお、蓄電池アッシー80のフレーム82に形成したネジ孔(図示せず)に固定ブラケット116の孔を挿通させたボルト118が螺合することで、蓄電池アッシー80の固定が行われている。
【0105】
本参考例では、天井に敷き詰めた断熱材58の上側に蓄電池アッシー80が配置されているが、蓄電池アッシー80の上側及び側方が断熱材120で覆われており、蓄電池の温度低下に伴う電力の供給不足を解消可能となっている。
その他の作用効果は第1の実施形態と同様である。
【0106】
なお、
本参考例では、固定ブラケット116の孔を挿通させたボルト118を螺合させることで、蓄電池アッシー80の固定が行われているが、固定ブラケット116を省き、連結部材53の孔(図示せず)を挿通させたボルト118を蓄電池アッシー80のフレーム82に形成したネジ孔(図示せず)に螺合させることで蓄電池アッシー80の固定を行っても良い。また、蓄電池(単体)のフレームに形成したネジ孔(図示せず)に連結部材53の孔(図示せず)を挿通させたボルト118を螺合し、蓄電池(単体)の固定を行うことも出来る。
【0107】
[
第5の参考例]
以下、
図15を用いて、
第5の参考例に係る建物ユニットについて説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図15に示すように、
本参考例のユニット建物10では、連結部材53の断面内部に蓄電池アッシー80を配置している。
【0108】
連結部材53の上側のフランジ53Aには、断面がクランク形状とされた固定ブラケット122が溶接等で固定されている。固定ブラケット122には、後述するボルト124を挿通させる孔(図示せず)が形成されている。
蓄電池アッシー80のフレーム82に形成されたネジ孔(図示せず)に、固定ブラケット122の孔を挿通させたボルト124を螺合させることで、蓄電池アッシー80の固定が行われている。
【0109】
本参考例では、蓄電池アッシー80の上側及び側方が断熱材58で覆われている。蓄電池アッシー80を断熱材58の室内側に配置でき、冬季に、室内の暖房の熱によって蓄電池を暖めることができ、蓄電池の温度低下に伴う電力の供給不足を解消することもできる。
本参考例では、連結部材53の断面内部のデッドスペースを蓄電池アッシー80の収納スペースとして有効利用している。
【0110】
本参考例も
第4の参考例と同様に、連結部材53に蓄電池アッシー80をボルト止めしても良く、連結部材53に蓄電池(単体)をボルト止めしても良い。
【0111】
[
第4の実施形態]
以下、
図16、及び
図17を用いて、本発明に係る建物ユニットの
第4の実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図16に示すように、本実施形態のユニット建物10では、1階と2階の階間に蓄電池アッシー80を設置している。
【0112】
上記実施形態では、2階に離し置き部51が設けられていたが、本実施形態のユニット建物10では、
図17に示すように、1階の妻方向中間部分にも離し置き部51が設けられている。
【0113】
図18に示すように、1階の離し置き部51を挟んで一方の建物ユニット46の天井梁16の中間部分と他方の建物ユニット46の天井梁16の中間部分とが複数本のつなぎ梁126で連結されている。
【0114】
つなぎ梁126には、複数本のレール128が垂直に取り付けられており、このレール128には、リニアスライドベアリング130がスライド自在に設けられている。リニアスライドベアリング130には、ブラケット132を介して蓄電池アッシー80が取り付けられている。これにより、蓄電池アッシー80は、レール128に沿って上下方向にスライド自在に支持されている。
【0115】
また、つなぎ梁126の中央には、蓄電池アッシー80を上下に移動するための電動ジャッキ134が取り付けられている。
なお、2階の床136には、蓄電池アッシー80を点検、及び交換可能とするための開口138が形成されている。この開口138は、通常は蓋140で塞がれている。
【0116】
本実施形態のユニット建物10では、蓋140を外し、電動ジャッキ134を作動させて蓄電池アッシー80を上昇させることで、蓄電池アッシー80を2階の床136よりも上へ移動することができる。このため、蓄電池アッシー80の蓄電池のメンテナンスや交換等の作業が容易となる。
【0117】
[
第5の実施形態]
以下、
図19を用いて、本発明に係る建物ユニットの
第5の実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図19に示すように、本実施形態のユニット建物10では、第
9の実施形態と同様に、1階と2階の階間に蓄電池アッシー80が設置されているが、蓄電池アッシー80の取り出し方が異なっている。
【0118】
図19に示すように、離し置き部51を横断する複数本のつなぎ梁126の上に箱状の筐体142が取り付けられている。
筐体142の内部には、蓄電池アッシー80を収容するスライドボックス144が収容されている。
筐体142の底部には、一対のレール146が水平に配置されており、スライドボックス144はレール146に沿って建物内外方向へスライド可能とされている。
【0119】
筐体142には、スライドボックス144を屋外へ突出可能とする開口148が形成され、ユニット建物10の外壁150にはスライドボックス144を屋外へ突出可能とする開口152が形成されている。
なお、外壁150の開口152は、開閉可能な蓋154によって通常は塞がれている。
【0120】
筐体142には、レール146と平行にラック156が設けられており、このラック156には、スライドボックス144に設けられたモータ158の回転軸に取り付けられた歯車160が噛み合っている。このため、モータ158で歯車160を回転させることで、スライドボックス144をレール146に沿って移動することが出来る。
【0121】
本実施形態のユニット建物10では、蓋154を開け、モータ158を駆動することで、蓄電池アッシー80を収容したスライドボックス144を外壁150の外側へ容易に移動することができる。
【0122】
これにより、屋外から蓄電池アッシー80のメンテナンスや交換を容易に行うことができる。なお、蓄電池アッシー80は、屋外からクレーン等を用いてスライドボックス144から取り出すことが出来る。
【0123】
[
第6の実施形態]
以下、
図20を用いて、本発明に係る建物ユニットの
第6の実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図20に示すように、本実施形態のユニット建物10では、1階の離し置き部51を挟んで一方の建物ユニット32の床梁20の中間部分と他方の建物ユニット36の床梁20の中間部分とが2本のつなぎ梁162で連結されている。
【0124】
蓄電池アッシー80の上部には、横方向に突出するフランジ164が設けられており、蓄電池アッシー80は2本のつなぎ梁162の間に配置され、つなぎ梁162の上に載せられたフランジ164に蓄電池アッシー80が吊り下げられている格好となっている。なお、1階の床面材166には、蓄電池アッシー80のメンテナンスや交換のための開口168が形成されており、この開口168は、通常は蓋170で塞がれている。
【0125】
この離し置き部51では、床梁20と床梁20とを連結する小梁が設けられていないので、離し置き部51をはさんで一方の建物ユニット32の床梁20と他方の建物ユニット36の床梁20との間に、蓄電池アッシー80を配置する大きなスペースを取る事が出来る。
【0126】
[
第7の実施形態]
以下、
図21を用いて、本発明に係る建物ユニットの
第7の実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
上記実施形態のユニット建物10では、例えば、
図1に示すように、建物外周に沿って連続した基礎12が設けられていたが、必要な強度が得られれば、
図21に示すように基礎12を離し置き部51の下側で省略することも可能であり、基礎12の設けられていない1階の離し置き部51の床下に第
11の実施形態の様に蓄電池アッシー80をつなぎ梁162で支持することも出来る。
【0127】
上記実施形態では、蓄電池アッシー80を離し置き部51の天井裏、階間、及び床下に配置した例を説明したが、本発明はこれに限らず、離し置き部51であれば蓄電池アッシー80を部屋内部に配置しても良い。
【0128】
このように、上記実施形態の何れにおいても、蓄電池アッシー80をクレーンでユニット建物10の離し置き部51に容易に搬送でき、小梁に干渉する事無く所望の位置に容易に取り付けることが出来る。
蓄電池アッシー80の形状は、上記実施形態で図示したボックス形状に限らず、離し置き部51に設置できる形状であれば、その形状は限定されない。
【0129】
[
第8の実施形態]
以下、
図22を用いて、本発明に係る建物ユニットの
第8の実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
本実施形態の建物10では、離し置き部51の床が複数枚の床面材166を含んで構成されており、何れかの床面材166に蓄電池アッシー80が取り付けられている。床面材166には、工場等で蓄電池アッシー80を取り付けておいても良く、リフォーム等で、既存の床面材166に後から蓄電池アッシー80を取り付けることも出来る。
蓄電池アッシー80を取り付けた床面材166は、1階の床に用いても良く、2階以上の床に用いても良い。
【0130】
なお、複数の床面材166の各々に蓄電池アッシー80を取り付けた際に、蓄電池アッシー80同士を電気的に接続できるように、各蓄電池アッシー80に接続端子を取り付けておくことが出来る。これにより、床面材166を順次取り付けると同時に、蓄電池アッシー80同士を電気的に順次接続することが可能となる。
【0131】
以上、本発明の建物の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0132】
離し置き部は、建物ユニットと建物ユニットとを水平方向に対向させ、かつ離間させて配置することにより形成された空間部分であり、一般的には、離し置き部の幅寸法(建物ユニット間寸法)は、建物ユニットの幅と同程度の寸法であるが、離し置き部の幅寸法は特に限定されない。例えば、3以上の建物ユニットを一方向に並べ、中央側の建物ユニットを除去すると、建物ユニットを除去した部分が離し置き部となる。