(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記集積回路は第1の集積回路であり、前記熱伝導コアは前記第1の集積回路と第2の集積回路との間に配置されており、前記アクティブ・ビアは、前記第1の集積回路と前記第2の集積回路との間で信号を伝達するように構成されている、請求項1に記載の電子デバイス。
前記熱伝導コアは電気絶縁層であり、前記ヒートスプレッダ・ビアは前記電気絶縁層に直接接触しており、前記基板の内部に配置されている基板プラグが、前記電気絶縁層の内部に配置されているヒートスプレッダ・プラグに接続されている、請求項1又は2に記載の電子デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】3次元デバイス積層内の2つの集積回路間に配置されているヒートスプレッダを含む本開示の電子デバイスの図である。
【
図2A】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160の種々の実施形態の図である。
【
図2B】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160の種々の実施形態の図である。
【
図2C】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160の種々の実施形態の図である。
【
図2D】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160の種々の実施形態の図である。
【
図3A】集積回路の対応する熱放散パターンのための、集積回路基板内の基板プラグの種々の構成の図である。
【
図3B】集積回路の対応する熱放散パターンのための、集積回路基板内の基板プラグの種々の構成の図である。
【
図3C】集積回路の対応する熱放散パターンのための、集積回路基板内の基板プラグの種々の構成の図である。
【
図3D】集積回路の対応する熱放散パターンのための、集積回路基板内の基板プラグの種々の構成の図である。
【
図4A】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160を形成する方法の図である。
【
図4B】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160を形成する方法の図である。
【
図4C】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160を形成する方法の図である。
【
図4D】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160を形成する方法の図である。
【
図4E】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160を形成する方法の図である。
【
図4F】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160を形成する方法の図である。
【
図4G】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160を形成する方法の図である。
【
図4H】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160を形成する方法の図である。
【
図4I】本開示のヒートスプレッダ、例えば
図1のヒートスプレッダ160を形成する方法の図である。
【
図5A】本開示の電子デバイス、例えば
図1の電子デバイスを形成する方法の図である。
【
図5B】本開示の電子デバイス、例えば
図1の電子デバイスを形成する方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ますます注目が集まっている熱除去の一領域が、3次元(3D)パッケージングである。そのような用途では、2つ以上の集積回路(IC)が、垂直デバイス積層に一体化されていてもよく、共通のパッケージ内に配置されていてもよい。本明細書では、デバイス積層は、少なくとも第1の電子デバイスと第2の電子デバイス、例えば第2のICがパッケージ基板の上方に配置されておりかつ第1のICが第2のICとパッケージ基板との間に配置されているICの組立体である。そのようなデバイスは、例えばフリップ・チップ、ボールグリッドアレイおよびシリコン貫通電極の方法を含んでいてもよい。
【0009】
異なるダイ上にある電子デバイスを一体化する空間効率の良い手段を提供する一方で、垂直積層から放散された熱を除去して、越えるとパッケージ化されたデバイスの動作または信頼性が危うくなる可能性がある温度を超過することを回避する必要により、いくつかの場合に3Dパッケージが複雑になる可能性がある。ますます積極的なパッケージング解決策を検討するシステム設計者らにより求められるワット損を提供する従来の方法技術では、たとえあったとしても少数の解決策しかもたらされない。
【0010】
本開示には、新規のヒートスプレッダを積層に導入してそこから熱を除去することにより、集積回路積層の熱放散に関連する有害作用が軽減される可能性があるという認識が有効である。新規の電子デバイス・アーキテクチャが、IC積層内の2つの集積回路間に構成されているヒートスプレッダを含む。ヒートスプレッダを通るビア経路により、信号が集積回路間を通過することが可能になる。ヒートスプレッダは、デバイス・パッケージ、熱電冷却器、ヒートシンクまたはシステム基板(プリント基板)などの多くの可能な熱放散経路のいずれかへ、積層の内部からの熱を逃がし、それにより積層の動作温度を下げてもよい。
【0011】
図1を参照すると、基板109の上方の垂直積層構成内に第1のIC103と第2のIC106とを含む本開示の電子デバイス100が示されている。検討を進めるために、「垂直な」は、指示されている通り
図1のy軸に平行な方向であり、例えば基板109の平面に対して略垂直である。デバイス100の外部では、基準に対する配向が、必ずしも用語「垂直な」および「水平な」により示されない。デバイス100は、本開示の範囲内の種々の実施形態の例示であり、本開示の範囲を限定するものではない。代替の実施形態が、限定されないが、より多数の集積回路、プラスチックおよびセラミックを含む様々なパッケージ型、ならびにリード線を備えたパッケージなどの、デバイス100に基づく変形形態を含み得ることを、当業者は認識するであろう。
【0012】
基板109は、コア112と信号ルーティング層115とを例示的に含む。本開示の範囲内の実施形態は、何か特定の種類の基板109に限定されない。信号ルーティング層115は、複数の信号ルーティング副層を含んでいてもよい。例示的に、従来のボールグリッドアレイの一部であってもよいはんだボール118が、ボール・パッド121に取り付けられている。はんだボール118は、回路基板(図示せず)などの電子組立体にデバイス100を取り付けるのに使用されてもよい。基板109とその上に重なっているパッケージ本体124とは、ボールグリッドアレイ(BGA)、キャビティ型BGA、マルチチップ・モジュール(MCM)、プラスチック・リード・チップ・キャリア(PLCC)、およびセラミック・リード・チップ・キャリアなどの、任意の従来の型または将来開発される型であってもよいパッケージを形成している。随意に、ヒートシンク127が、パッケージ本体124に熱的に接続されていてもよい。フィン付きヒートシンクとして示されているが、使用される場合、ヒートシンク127は、熱電モジュールなどの能動デバイスを含む任意のタイプであってもよい。
【0013】
IC103は、「フリップ・チップ」構成で、基板109の上方に例示的に配置されている。IC103と基板109との間に配置されている従来のはんだボール130が、基板109上に配置されているはんだパッド133とIC103上に配置されているはんだパッド136とを介して、その間に電気的かつ機械的接続を形成している。IC103は、基板139と相互接続レベル142とを含む。基板139には、例えば製造用ウェハ(production wafer)から切り取られたSiダイなどの半導体基板が含まれる可能性がある。相互接続レベル142は、基板139上のトランジスタなどの電子構成要素間に接続をもたらすように配置されている1つまたは複数の金属層と1つまたは複数の誘電層とを含んでいてもよい。基板139は、相互接続レベル142との界面を形成する前面145と、対向する後面148とを有する。従来の例示的相互接続線154経由で、信号が、はんだボール130から従来のアクティブ・ビア151へルーティングされる。
【0014】
アクティブ・ビア151は、出力、接地またはアクティブ信号を導くように構成されているビアである。アクティブ信号は、アナログ情報および/またはデジタル情報を伝達する信号であり、集積回路の能動回路による出力である。能動回路は、論理ゲートおよび/またはアナログ回路を含む回路であり、信号を修正して情報を伝達するように動作する。
【0015】
ヒートスプレッダ160が、IC103とIC106との間に配置されている。ヒートスプレッダ160は、熱伝導コア163を含む。本明細書ではかつ特許請求の範囲では、少なくとも約10W/m・Kの熱伝導性を有する熱伝導手段である。種々の実施形態では、ヒートスプレッダ160は、積層状のIC103およびIC106から熱を除去するように構成されており、それにより、IC103、106の一方または両方の動作温度を低下させる。熱伝導コア163は、例えば金属、セラミックまたは合成であってもよい。金属の場合、熱伝導性は、好ましくは少なくとも約100W/m・K、より好ましくは少なくとも約200W/m・K、最も好ましくは少なくとも約400W/m・Kである。セラミックまたは合成の場合、熱伝導性は、好ましくは少なくとも約10W/m・K、より好ましくは少なくとも約20W/m・K、最も好ましくは少なくとも約100W/m・Kである。
【0016】
図2A〜2Dは、ヒートスプレッダ160の種々の実施形態を示す。図示の実施形態は、別途本開示の範囲内の他の実施形態を排除しない。
図2Aは、ヒートスプレッダ160Aが電気絶縁コアまたは誘電コア205を含む実施形態を示す。一態様では、コア205は熱伝導性である。電気絶縁性かつ熱伝導性の例示的材料には、例えばいくつかのセラミック材料およびいくつかの複合材料、ならびにいくつかのガラスが含まれる。本明細書では、セラミック材料には、Al
2O
3、BNおよびSiCなどのセラミック、ならびにダイヤモンド様炭素(DLC)として通例述べられている種々の無機化合物が含まれる。複合材料は、例えば有機樹脂もしくはシリコン・ベースの樹脂、またはそれ自体で樹脂またはマトリクスより高い熱伝導性を付与する充填材粒子を有するセラミック・マトリクスであってもよい。熱伝導コア163に使用されてもよい複合材料の説明に役立つ実例には、St. Paul、MN、USA所在のAlpha Materials Inc.により製造されている、少なくとも約200W/m・Kの熱伝導性を有するAlSiC金属マトリクス複合材料と、Warwick、RI、USA所在のCool Polymers, Incにより製造されている、約10W/m・Kの熱伝導性を有するプラスチック樹脂複合材料とが含まれる。
【0017】
一実施形態では、ヒートスプレッダ160はマイクロチャネル基板である。当業者には当然のことながら、マイクロチャネル基板は、従来の方法を使用して形成されてもよい。水または冷媒などの冷却液が、マイクロチャネルを通って循環していてもよい。第1のIC103および/または第2のIC106からの熱が冷却液まで移送され、それにより、デバイス100からの熱伝導率を高めてもよい。冷却液は、次いで、外部熱交換器を通って循環して、廃熱を放出してもよい。冷却液は、閉ループまたは開ループ内で循環してもよい。
【0018】
図2Aを引き続き参照すると、熱伝導コア205は、第1の主面210と対向する第2の主面215とを有する。ヒートスプレッダ・ビア220が、熱伝導コア205を貫通している。「貫通する」は、ヒートスプレッダ・ビア220が第1の主面210においてビア面221を、第2の主面215においてビア面222を呈していることを意味する。一態様では、ヒートスプレッダ・ビア220は熱伝導性であり、それにより、アクティブ・ビア151により流された信号を熱伝導コア163を通して伝達する。表面221、222は、はんだ接続部、例えばはんだボール、への結合を形成してもよい。随意に、界面層225が一方または両方の表面221、222上に配置されてもよい。界面層225は、Pd、Ni、PtまたはAuなどの、はんだ接続部メタライゼーションに従来使用されている1つまたは複数の金属層の組合せを含んでいてもよい。
【0019】
1つまたは複数の接続点230が、コア205上に配置されてもよい。接続点230は、IC103および/またはIC106とコア205との間にはんだ接続を形成する手段を提供し、それにより、コア205への熱経路を形成する。接続点230は、例えばはんだパッドとして示されている。各接続点230は、コア205への機械的かつ熱的接続を設ける必要に応じて、1つまたは複数の化合物層および/または元素層を含んでいてもよい。そのような層は、限定されないが、Pd、Ni、PtおよびAuなどの金属層、ならびにTiN、TaNなどの化合物層を含んでいてもよい。随意に、接続点230の接着を強化するために、表面210、215をプラズマ法で処理して、表面210、215を清浄化し、粗面化し、化学的に活性化してもよい。
【0020】
図2Bは、ヒートスプレッダ160Bの実施形態を示す。本実施形態では、ヒートスプレッダ160Bは、金属などの導電性材料で形成されているコア235を含む。本明細書においてコア235の場合に使用されている「導電性」は、熱伝導コア163の電気伝導率σがあまりに高いので、複数のヒートスプレッダ・ビア220を通して伝達される信号が、IC103とIC106との間で情報を正確に伝達するように適切に分離されないであろうことを意味する。いくつかの場合には、例えば、σ>約5S・m
−1は、導電性であると見なされる。コア235は、何か特定の金属に限定されない。しかし、Zi、Al、Au、CuまたはAgから選択される金属またはそれらを含む金属が、これらが少なくとも200W/m・Kの熱伝導率を有するので、有利に使用される。いくつかの場合には、銅が400W/m・Kより高い熱伝導率を有するので、銅コア235が好ましい可能性がある。
【0021】
絶縁スリーブ240が、ヒートスプレッダ・ビア220とコア235との間に配置されていてもよい。絶縁スリーブ240は、セラミックまたはポリマーなどの任意の適切な絶縁体であってもよい。絶縁スリーブ240は、前もって形成され、コア205に形成されている開口部内に挿入されてもよいか、またはそのような開口部の側壁上に形成されてもよい。絶縁スリーブ240が前もって形成された場合、絶縁スリーブ240がコア235の内部に配置される前または後に、ヒートスプレッダ・ビア220は、絶縁スリーブ240の内部に配置されてもよい。1つの説明に役立つ実例では、絶縁スリーブ240は、最初にワイヤ上に形成され、その被覆されたワイヤは、次いで、コア235に形成されている穴部内に挿入され、次いで、表面210、215と面一に切り取られ、ヒートスプレッダ・ビア220を形成してもよい。別の説明に役立つ実例では、化学蒸着(CVD)または表面重合(例えば、パリレン族の材料)などのコンフォーマル法(conformal process)により、絶縁材料を開口部の内部に堆積させて、絶縁スリーブ240を形成してもよい。ヒートスプレッダ・ビア220は、次いで、電気めっきまたは無電解析出法により、絶縁穴部内に形成されてもよい。
【0022】
随意に、接続点230、例えばはんだパッド、は、導電性コア235上に形成されてもよい。はんだパッドが接続点230として使用される場合、ヒートスプレッダ160Bへのはんだ接続が、AuまたはPdなどの適合する不活性最上金属層を選択することよってはんだパッドに対するはんだの湿潤を促進することにより改善されてもよい。そのような層は、酸化物を容易に形成せずはんだボールへの接続を強化する表面をもたらす可能性がある。コア235がはんだ付け可能な表面を呈する場合など、いくつかの場合には、接続点230にはんだパッドが不要である。そのような場合には、接続点245が、第1の主面210または第2の主面215上の任意の所望の位置であってもよい。
【0023】
図2Cは、コア250を有するヒートスプレッダ160Cの実施形態を示す。本実施形態では、総称してヒートスプレッダ・プラグ255と呼ばれるヒートスプレッダ・プラグ255a〜255cが、コア250の少なくとも部分的に内部に配置されており、それらは、電気絶縁性または導電性であってもよい。ヒートスプレッダ・プラグ255は、それにより、IC103/106からコア250への熱流を増加させてもよい。ヒートスプレッダ・プラグ255の3つの例が示されているが、それらに限定されない。ヒートスプレッダ・プラグ255aは、コア250を完全に貫通して延在している。ヒートスプレッダ・プラグ255bは、コア250を部分的に貫通して延在しており、コア250の第2の主面215側にはんだ接続を形成するのに利用可能な表面を有する。ヒートスプレッダ・プラグ255cは、コア250を部分的に貫通して延在しており、コア250の第1の主面210側にはんだ接続を形成するのに利用可能な表面を有する。随意に、接続点230が、ヒートスプレッダ・プラグ255a、255b、255cのいずれかの露出表面上に形成されてもよい。
【0024】
図2Dは、ヒートスプレッダ160Dの実施形態を示す。本実施形態では、導電性または電気絶縁性のいずれかであってもよいコア250は、第1の主面265上の金属層260と第2の主面275上の金属層270とを有する。ヒートスプレッダ160Dは、前述の通りヒートスプレッダ・ビア220と絶縁スリーブ240とを含んでいてもよい。随意に、記載されている実施形態のいずれかの1つもしくは複数の接続点230および/または1つもしくは複数のヒートスプレッダ・プラグ255が含まれていてもよい。金属層260、270が選択されて、酸化物を低減してもよいかつ/またははんだ付け性を向上させてもよい。例えば、金属層260、270は、Ni、Ni/Pd、Ni/Pd/Auなどの、Ni、Pd、PtもしくはAuの1つもしくは複数の層、またははんだ付け可能な表面をもたらすことで既知の仕上げ層の他の組合せを含んでいてもよい。そのような仕上げ層は当業者に公知であり、リソグラフィおよびエッチングと併用の電気めっきもしくは物理的蒸着などの従来の方法、または物理的マスキングを用いて形成されてもよい。
【0025】
図1に戻って、ヒートスプレッダ・ビア220は、従来のはんだボール166により、IC103とIC106との間で信号を伝達する。はんだボール166は、IC106とヒートスプレッダ・ビア220との間に電気的かつ機械的接続を形成している。いくつかの実施形態では、基板プラグ169が、IC103またはIC106の内部に配置されている。検討の便宜上IC103に焦点を合わせて、基板プラグ169は、基板139の内部に配置されている。基板プラグ169は、はんだボール172に接続されていてもよく、はんだボールは、図示の実施形態では、熱伝導コア163上に配置されている接続点175に接続されている。いくつかの場合には、接続点175は、接続点230を含む。基板プラグ169とはんだボール172とは、基板139からヒートスプレッダ160まで熱を伝導する熱経路を形成している。ヒートスプレッダ160は、金属熱分路178を経由して、またはより大きな表面積を設けて例えばヒートスプレッダ160が埋め込まれていてもよい複合成形パッケージに熱を移送するだけで、パッケージ本体124に熱を移送してもよい。
【0026】
基板プラグ169は、基板プラグ169がアクティブ電気信号を全く伝達しないという点で、従来の基板貫通ビア(through−substrate via)と異なっている。しかし、基板プラグ169は、パッケージ本体124経由で、接地基準(ground reference)への接続を設けることができる。複数の基板プラグ169は、アクティブ信号を一緒に短絡するリスクなしに導電性である熱伝導コア163に、同時に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、基板プラグ169は、基板プラグ169’で示されている通り、基板139の前面145および背面148の両方に交差する。いくつかの実施形態では、図示の通り、基板プラグ169は、基板139の背面148とのみ交差する。この後者の実施形態は、設計検討により能動回路のために基板139の前面145のより大きな割合を利用することが好ましくなる状況で有利である可能性がある。基板プラグ169は、任意の特定の直径または任意の特定の深さに限定されない。直径は、基板プラグ169を形成する方法が基板139の前面側でビア・レベルの相互接続を形成するのに用いられる方法と同一であるように選択されてもよい。いくつかの場合には、基板139は、デバイス100を形成する前に、その背面上で研磨されてもよい。
【0027】
ヒートスプレッダ160は、その動作中にデバイス100からの熱を伝導する効果的な手段を提供することが予想される。従来のIC積層では、IC106の温度は、IC103および106の合計ワット損ならびに熱的特性に部分的に左右される温度まで上昇すると予想される。特に、従来の用途では、IC103、106により生成される熱が、主として垂直に(y軸に平行に)、はんだボール118までかつ下部の基板まで下方に、パッケージ本体124まである程度上方に伝導される。しかし、誘電層などのIC103、106の種々の層および基板109は、通常、低い熱電導性を有する。そのような層の存在が、周囲環境からIC103、106を熱的に絶縁する効果を有し、最大所望動作温度を超過する可能性がある動作温度をもたらす。
【0028】
ヒートスプレッダ160は、水平(x軸に平行な)熱経路を提供し、デバイス100からの熱を除去する。ヒートスプレッダ160により提供される熱経路は、IC103、106からの熱流を著しく妨げる形で誘電層を含まない。したがって、ヒートスプレッダ160は、外部環境へ熱を効果的に伝導し、望ましくはデバイス100の動作温度を低下させることが予想される。
【0029】
図3A〜
図3Dを参照すると、基板139などの集積回路基板内の基板プラグ169、169’の種々の構成が示されている。様々な場合について基板139から熱を除去する態様に焦点を合わせるために、アクティブ・ビア151は省略されている。
図3Aは、基板プラグ169が通常の2次元配列で配置されている実施形態を示す。そのような構成が簡潔に実施されてもよく、少なくとも熱が伝導経路の線形領域を流動する場合、基板139の特定の位置で熱が生成される速度に略直線的に比例する速度で、基板139からの熱を伝導することが予想される。例えば、領域310が1ワット消費し、領域320が2ワット消費した場合、領域310内の基板プラグ169の速度の2倍の速度で、領域320内の基板プラグ169経由で、熱が流動することが予想される。しかし、基板プラグ169の有限な熱伝導性が原因で、領域320の温度上昇は、領域310の場合より大きいことが予想される。
【0030】
図3Bは、電気回路に占有されていない基板139上の空間の可用性に関連した疑似ランダム式に、基板プラグが配されている実施形態を示す。例えば基板プラグ169’が基板139の能動側まで延びている場合に、そのような構成が生じる可能性がある。
図3Bの構成はまた、動作中、基板139上により高温の領域およびより低温の領域をもたらすことが予想される。
【0031】
図3Cは、領域330内により高密度の基板プラグ169が配置されている実施形態を示す。領域330は、領域330の外部の基板139の部分より高い出力密度に関連している可能性がある。十分な数の基板プラグ169を領域330内に配置することが、
図3Aに示されている基板プラグ169の一様密度で起こると考えられるより低く、領域330の温度上昇を制限するように機能することが予想される。したがって、基板139の動作温度は、基板プラグ169の適切な配置により、より一定になる可能性がある。
【0032】
図3Dは、領域340内により高密度の基板プラグ169が配置されており、かつ領域350内により低密度の基板プラグ169が配置されている実施形態を示す。基板プラグ169のこの密度構成は、基板139上で特定の温度プロファイルを達成するために基板プラグ169が使用されてもよい場合を例示している。例えば、領域340内のより高密度の基板プラグ169は、その内部の動作温度を低下させるように作用してもよい。対照的に、領域350内のより低密度の基板プラグ169は、その内部の動作温度を上昇させるように作用してもよい。基板プラグ169の配置を構成して、動作中に特定の温度プロファイルを生成することは、デバイス100の性能がそのような温度プロファイルにより向上する状況において有用である可能性がある。
【0033】
本明細書における種々の実施形態は、IC103へのヒートスプレッダ160の接続に関連して記載されているが、当業者には当然のことながら、ヒートスプレッダ160はIC106に同様に接続されている可能性がある。さらに、
図1は、ヒートスプレッダ160が間に配置されている状態の2つの集積回路103、106を示しているが、当業者には当然のことながら、デバイス積層から熱を横方向に除去するように所望されているヒートスプレッダが任意の2つのIC間に配置されている状態で、より多数のICが積み重ねられていてもよい。これら実施形態の各々は、本開示および特許請求の範囲の範囲内に明確に含まれる。
【0034】
図4A〜
図4Hを参照すると、ヒートスプレッダ、例えばヒートスプレッダ160、を形成するために、全般的に400に指定されている方法の例が記載されている。本方法は、熱伝導コア163が導電性である実施形態について無制限に記載されているが、そのような実施形態に限定されない。本方法は、ヒートスプレッダ160を形成するために用いられてもよい他の方法を除外しない。しかし、当業者には当然のことながら、本方法400は、本開示の範囲内の種々の実施形態の1つである。例えば、他の実施形態が、特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、異なる材料または工程ステップの異なる順序を用いてもよい。さらに、電気絶縁性だが熱伝導性のコア163を収容するのに必要な本方法の変形形態が、当業者の能力の範囲内である。
【0035】
図4Aは、熱伝導コア405を示し、そのコアは、熱伝導コア163の場合に記載されている材料もしくは材料タイプのいずれかであってもよいか、またはそれを含む。従来のフォトレジスト層410が、熱伝導コア405の上面406上に配置されている。また、フォトレジスト層410’が、下面407上に随意に形成されて示されている。フォトレジスト層410’は、例えば熱伝導コア405を被覆するのに用いられる方法が下面を被覆することを容易に除外できない場合に、便宜のために形成されてもよい。
【0036】
図4Bでは、開口部415がフォトレジスト層410内に形成されている。いくつかの場合には、フォトレジスト層410’内に対応する開口部を形成することが望ましい可能性がある。開口部415は、光源へのフォトレジスト層410のマスキング下の曝露(masked exposure)などの任意の従来の方法により形成されてもよく、マスキング下の曝露の後には、その曝露部分の現像が続く。
【0037】
図4Cでは、熱伝導コア405に穴部420が形成されている。穴部420は、例えばウェットエッチング工程またはドライエッチング工程により、形成されていてもよい。本方法の代替の実施形態では、フォトレジスト層410は省略されてもよく、穴部420は、穴部420の直径に適したレーザ・アブレーションまたは他の方法により形成されてもよい。
【0038】
図4Dでは、フォトレジスト部分425が形成されている。いくつかの実施形態では、フォトレジスト層410はパターンを付けられ2度目に現像されて、フォトレジスト部分425を形成する。他の実施形態では、フォトレジスト層410全体が除去され、第2のフォトレジスト層(図示せず)が形成されパターンを付けられる。他の実施形態では、フォトレジスト部分425は、酸化ケイ素などの、従来式に形成されパターンを付けられた誘電部分に置き換えられてもよい。
【0039】
図4Eでは、誘電層430が、熱伝導コア405とフォトレジスト部分425との上に形成されている。誘電層430は、例えばパリレンなどの、コンフォーマルに堆積された材料であってもよい。本明細書では、用語「パリレン」は、例えばパリレンN、パリレンCおよびパリレンDを含む、パラキシリレンの表面重合により形成されている任意の材料を含む。パリレンは、穴部420の内面を含む全ての露出表面を完全に被覆している高品質フィルムを有利に形成してもよい。いくつかの実施形態では、誘電層430は、酸化ケイ素または窒化ケイ素などの無機誘電体を含む。当業者は、そのような材料の高コンフォーマル層を形成する工程に精通している。
【0040】
図4Fは、穴部420の内部にヒートスプレッダ・ビア435が形成された後のヒートスプレッダ160を示す。ヒートスプレッダ・ビア435は、金属プラグを含む、任意の適切な導電性材料と、任意の必要なライナまたはめっきシード層とを含んでいてもよい。限定されないが、ヒートスプレッダ・ビア435は銅を含み、電気めっきによりまたは無電解析出などの同様の工程により形成されてもよい。いくつかの場合には、1つまたは複数の材料を堆積させる工程により、誘電層430の1つまたは複数の表面を覆っている導電膜がもたらされてもよい。そのような場合、1つまたは複数の層は、例えば、図示の通り熱伝導コア405上に残存している誘電層430の部分を残すか、または穴部420の内部からを除いて誘電層430を随意に除去する研磨ステップにより、除去されてもよい。
【0041】
図4Gでは、例えば溶剤曝露ならびに超音波振動および/または超音波研磨により、フォトレジスト部分425が除去されている。また、フォトレジスト部分425の除去により、フォトレジスト部分425を覆っている誘電層430を除去して、熱伝導コア405の露出部分440を作り出す。いくつかの実施形態では、浄化ステップ、例えば短時間のプラズマ灰化(plasma ash)、が、熱伝導コア405の新しく露出された表面を浄化するのに用いられてもよい。そのような場合、誘電層430の厚さは適宜調節されて、灰化中の損失を補償してもよい。誘電部分がフォトレジスト部分425の代わりに使用された場合、誘電部分は、研磨およびHF剥離(HF strip)などの、誘電層430に対して選択的な工程により、除去されてもよい。
【0042】
図4Hでは、露出部分440上に接続点445が形成されている。接続点445は、接続点445と熱伝導コア405との間に熱的かつ機械的結合を形成するのに必要な金属層および非金属層の任意の適切な組合せであってもよい。例えば、熱伝導コア405が銅である場合、接続点445は、有機表面保護層、Ni障壁層を覆うPd層、接続点445に対するはんだ湿潤を促進するAu層の内の1つまたは複数を含んでいてもよい。いくつかの場合、接続点445は、時には「錫めっき」と呼ばれる、その上を覆うはんだ層を含んでいてもよい。
【0043】
熱伝導コア405がBNまたはDLCなどの非導電性材料である実施形態では、接続点445は、はんだ付け可能な金属パッドを熱伝導コア405に結合させる層を含んでいてもよい。そのような実施形態では、金属パッドは、熱伝導コア405上にTiまたはAlなどの接着層を含んでいてもよい。Pt、Niおよび/またはPdなどを含む障壁層が、例えばAu、Snまたははんだ合金などの反応層/はんだ付け可能層の間に配置されていてもよい。当業者は、スパッタリング、化学蒸着、プラズマ堆積、原子層堆積、電気化学析出または無電解化学析出を含む、そのような層を形成する方法に精通している。各層が、シャドウ・マスクを使用して堆積されてもよいか、または従来の工程を用いてフォトリソグラフィで画定されてもよい。
【0044】
図4Hはまた、ヒートスプレッダ・ビア435上に配置されているはんだ界面450を含む。はんだ界面450は、接続点445に存在している層と同一の組合せであってもよいが、そうである必要はない。例えば、熱伝導コア405が非導電性材料であり、かつヒートスプレッダ・ビア435が銅である実施形態では、はんだ界面450は、銅とのはんだ結合を形成するのに適した層の組合せであってもよく、一方、接続点445は、非導電性材料とのはんだ結合を形成するのに適した異なる層の組合せであってもよい。材料層の選択的な堆積および/または除去が、ヒートスプレッダ・ビア435および露出部分440の上に所望の材料層(単数または複数)を形成する必要に応じて実施されてもよい。
【0045】
図4Iは、ヒートスプレッダ・プラグ455が熱伝導コア405の内部に形成されている代替の実施形態を示す。ヒートスプレッダ・プラグ455の使用は、熱伝導コア405が接続点445を上に形成するための界面層を容易に受容しない場合に、特に有益である可能性がある。いくつかの実施形態では、ヒートスプレッダ・プラグ455は、ヒートスプレッダ・ビア435と同一の方法で形成される。しかし、ヒートスプレッダ・ビア435とは対照的に、ヒートスプレッダ・プラグ455は熱伝導コア405へ熱を伝導するように構成されていてもよいので、ヒートスプレッダ・プラグ455は、集積回路のアクティブ・ビアに接続される必要がない。形成される場合、ヒートスプレッダ・プラグ455は、ヒートスプレッダ・ビア435と同一のまたはそれとは異なる直径を有していてもよい。
【0046】
図5Aを参照すると、全般的に500に指定されている本開示の方法が、電子デバイス、例えば電子デバイス100、を形成するために提示されている。本方法は、ステップ510で開始し、そこでは、基板、例えば基板139、を有する集積回路が設けられる。本明細書および特許請求の範囲において、「設けられる」は、デバイス、基板、構造要素等が開示された方法を実施する個人もしくは企業体により製造されてもよいか、または本方法により、別の個人もしくは企業体を含む、上記個人もしくは企業体以外の源から得られてもよいことを意味する。
【0047】
ステップ520では、アクティブ・ビア、例えばアクティブ・ビア151、が、基板の内部に形成される。ステップ530では、アクティブ・ビアは、対応するヒートスプレッダ・ビア、例えばヒートスプレッダ・ビア220、に接続され、そのヒートスプレッダ・ビアは、熱伝導層、例えば熱伝導コア163、を含むヒートスプレッダを貫通している。
【0048】
図5Bは、方法500の随意選択的ステップを示す。ステップ540では、ヒートスプレッダ・ビアと熱伝導層との間に誘電層が配置される。誘電層は、例えば前述の絶縁スリーブ240であってもよい。ステップ550では、基板プラグ、例えば基板プラグ169、が基板の内部に配置され、ヒートスプレッダに接続される。ステップ540、ステップ550は、仮に実施される場合、図示の順序とは異なる順序で実施されてもよい。
【0049】
本願が関連する当業者には当然のことながら、記載されている実施形態に、他のさらなる付加、削除、置換、および修正が施されてもよい。本明細書に記載されている種々の実施形態は例示目的のものであり、本開示の範囲はそれにより限定されない。当業者には当然のことながら、本開示および特許請求の範囲の範囲は、開示された実施形態の種々の態様および原理が増補され、適合させられ、かつ/または並べ換えられた実施形態を含む。